JP2020024016A - 変速機及び変速機を備えた駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速機の伝達効率を向上させる。【解決手段】変速機100は、油圧モータ2が収容される固定ハウジング10と、固定ハウジング10に回動自在に支持される回転ハウジング20と、油圧モータ2の回転を変速して回転ハウジング20に伝達する変速機構30と、を備える。変速機構30は、油圧モータ2から回転が入力される入力軸31と、入力軸31に設けられる第1サンギヤ32と、回転ハウジング20に設けられるインナーギヤ33と、インナーギヤ33に噛み合い第1サンギヤ32に連動して回転する複数の第2プラネタリギヤ37と、第2プラネタリギヤ37を回動自在に保持する保持軸61と、保持軸61を互いに連結する連結部材63と、を有し、連結部材63は、第2プラネタリギヤ37を挟んで固定ハウジング10とは反対側に設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、変速機及び変速機を備えた駆動装置に関する。
油圧ショベルなどのクローラ式作業機では、クローラベルト(無限軌道帯)の車軸部に走行モータが設けられる。
特許文献1には、油圧モータが収容される固定ハウジングと、軸受を介して固定ハウジングに回動自在に支持される回転ハウジングと、回転ハウジングに収容され駆動源の回転を変速して回転ハウジングに伝達する変速機構と、を備えた変速機が開示されている。この変速機は、回転ハウジングに設けられたスプロケットを介してクローラベルト等を駆動する走行モータに用いられるものであり、遊星歯車機構によって油圧モータの回転を減速して回転ハウジングに伝達している。
特許文献1に記載の変速機のプラネタリギヤを保持する保持軸には、プラネタリギヤの回転が回転ハウジングに伝達される際に、回転ハウジングが回転する方向とは反対方向の反力がプラネタリギヤを介して作用する。保持軸は、固定ハウジングにより片持ち支持されているため、この反力によって保持軸が屈曲し、プラネタリギヤとプラネタリギヤが噛み合うギヤとの接触状態が不安定となり、結果として変速機の伝達効率が悪化するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、変速機の伝達効率を向上させることを目的とする。
本発明は、変速機が、駆動源が収容される固定ハウジングと、固定ハウジングの外周に設けられる軸受を介して固定ハウジングに回動自在に支持される回転ハウジングと、回転ハウジングに収容され駆動源の回転を変速して回転ハウジングに伝達する変速機構と、を備え、変速機構が、駆動源から回転が入力される入力軸と、入力軸に設けられるサンギヤと、回転ハウジングに設けられるインナーギヤと、インナーギヤに噛み合いサンギヤに連動して回転する複数のプラネタリギヤと、入力軸と平行に延びプラネタリギヤを回動自在に保持する保持軸と、保持軸を互いに連結する連結部材と、保持軸及び連結部材を固定ハウジングに向けて押圧固定する締結部材と、を有し、連結部材は、プラネタリギヤを挟んで固定ハウジングとは反対側に設けられることを特徴とする。
この発明では、保持軸は、プラネタリギヤを挟んで固定ハウジングとは反対側に設けられる連結部材により互いに連結される。このように固定ハウジングに固定される側とは反対側において保持軸を互いに連結することによって、保持軸の剛性が高められるため、保持軸の屈曲が防止され、保持軸により保持されるプラネタリギヤとプラネタリギヤが噛み合うギヤとの接触状態を安定させることができる。
本発明は、固定ハウジングが、保持軸の少なくとも一部が挿入される挿入孔を有することを特徴とする。
この発明では、保持軸は、固定ハウジングに対して少なくとも一部が挿入された状態で固定されている。このため、プラネタリギヤを介して保持軸に力が作用したとしても保持軸の位置がずれることがない。したがって、固定ハウジングに対する保持軸の位置を規定する位置決めピン等の部材を設ける必要がなくなることで、部品点数が削減され、結果として変速機の製造コストを低減することができる。
本発明は、保持軸が、回転ハウジングの回転中心の軸方向における軸受の位置決めを行う位置決め面を有することを特徴とする。
この発明では、回転中心の軸方向における軸受の位置決めを行う位置決め面が、固定ハウジングに押圧固定される保持軸に形成される。このため、固定ハウジングの外周に設けられる軸受として、比較的内径が小さいものを採用することが可能となり、結果として変速機の製造コストを低減することができる。
本発明は、保持軸が、外周面の一部を切り欠くことによって形成された切欠部を有し、位置決め面が、切欠部を形成する平面であって、回転中心の軸方向に対して垂直な方向に延びる平面であることを特徴とする。
この発明では、保持軸に設けられた切欠部を形成する平面により回転中心の軸方向における軸受の位置決めが行われる。このため、固定ハウジングの外周に設けられる軸受として、比較的内径が小さいものを採用することが可能となり、結果として変速機の製造コストを低減することができる。
本発明は、変速機が、周方向において隣り合うプラネタリギヤの間に配置され、固定ハウジングに固定されることによって回転中心の軸方向における軸受の位置決めを行う補助位置決め部材をさらに備えることを特徴とする。
この発明では、保持軸に加えて補助位置決め部材により回転中心の軸方向における軸受の位置決めが行われる。このように、周方向において複数の部材により回転中心の軸方向における軸受の位置決めが行われることで、軸受の位置決めを精度よく行うことができる。
本発明は、駆動装置が、第1から第5の発明の変速機と、駆動源と、を備えることを特徴とする。
この発明では、駆動装置が、製造コストを低減可能な上述の変速機を備えている。このため、駆動装置の製造コストを低減することができる。
本発明によれば、変速機の伝達効率を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る変速機100について説明する。
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る変速機100について説明する。
変速機100は、例えば、油圧ショベルなどのクローラ式作業機の車軸部に設けられてクローラベルトを駆動する駆動装置としての走行モータ1に用いられる。走行モータ1は、駆動源としての油圧モータ2と、油圧モータ2の出力回転を減速する変速機100と、を備える。
変速機100は、油圧モータ2が収容される固定ハウジング10と、固定ハウジング10の外周に設けられる軸受40と、軸受40を介して固定ハウジング10に回動自在に支持される回転ハウジング20と、回転ハウジング20に収容され油圧モータ2の回転を変速して回転ハウジング20に伝達する変速機構30と、を備える。
固定ハウジング10の内部には、油圧モータ2が収装される。油圧モータ2は、例えば、斜板式ピストンモータである。なお、駆動源は油圧モータ2に限定されず、例えば、電動モータであってもよい。
固定ハウジング10の外周には、径方向外側に突出して形成されるフランジ部12が設けられる。走行モータ1は、図示しないボルトを介してフランジ部12が車体Sに結合されることによって、車両に組み付けられる。
回転ハウジング20は、円筒状に形成された本体部21と、本体部21の開口端を閉塞する円盤状のカバー部材22と、を有し、回転中心Oを中心として固定ハウジング10に対して回転作動する。本体部21の外周には、径方向外側に突出して形成されるフランジ部23が設けられる。フランジ部23には、図示しないスプロケットが取り付けられ、回転ハウジング20とスプロケットとが共に回転することで、スプロケットに噛み合う図示しないクローラベルトが循環して車両が走行する。
軸受40は、回転中心Oの軸方向において対向して配置された第1ベアリング41と第2ベアリング42との2つのベアリングからなるアンギュラ玉軸受である。軸受40の外周側リングは、回転ハウジング20に固定され、軸受40の内周側リングは、固定ハウジング10と後述の保持軸61とによって挟持固定される。なお、軸受40は、2つのベアリングを一体的に形成した、いわゆる複列式のアンギュラ玉軸受であってもよい。また、軸受40は、アンギュラ玉軸受に限定されず、他の形式の転がり軸受であってもよい。
また、固定ハウジング10と回転ハウジング20の間には、フローティングシール50が設けられる。フローティングシール50は、固定ハウジング10に形成されたシール面と回転ハウジング20に形成されたシール面とにそれぞれ装着されるOリング51、52と、Oリング51、52を介してそれぞれ支持されるシールリング53、54と、を有する。フローティングシール50は、回転ハウジング20が回転作動する際に、シールリング53、54が互いに摺接することによって変速機100内の作動油が外部に漏出しないように密封するとともに、外部から異物が変速機100内に侵入することを防止する。
変速機構30は、回転ハウジング20の内部に収容される遊星歯車機構である。変速機構30は、回転中心Oと同軸上に配置され油圧モータ2から回転が入力される入力軸31と、入力軸31に設けられるサンギヤとしての第1サンギヤ32と、回転ハウジング20の内周面に設けられるインナーギヤ33と、第1サンギヤ32とインナーギヤ33との双方に噛み合う複数の第1プラネタリギヤ34と、各第1プラネタリギヤ34を回動自在に保持するするキャリア35と、キャリア35の内周側に設けられたギヤ35aと噛み合う第2サンギヤ36と、第2サンギヤ36とインナーギヤ33との双方に噛み合うプラネタリギヤとしての複数の第2プラネタリギヤ37と、を有する。このように、変速機構30は、2段の遊星歯車を介して、油圧モータ2の出力回転を減速して回転ハウジング20に伝達する。なお、変速機構30の遊星歯車の段数は、2段に限定されず、3段以上の複数段であってもよいし、1段であってもよい。
変速機構30は、各第2プラネタリギヤ37をそれぞれ回動自在に保持する複数の保持軸61と、保持軸61を固定ハウジング10に向けて押圧固定する締結部材としてのボルト62と、さらに有する。
保持軸61は、図1及び図2に示すように、ボルト62が挿通する挿通孔61aが入力軸31と平行に形成された円筒状部材であり、第2プラネタリギヤ37を保持する保持部61bと、固定ハウジング10に形成された挿入孔14に挿入される挿入部61cと、を有する。各保持軸61は、挿入部61cとは反対側の端部において、円環状の連結部材63によって結合される。なお、図2は、図1のII−II線に沿う断面図を示すものであるが、説明のため、保持軸61及び連結部材63以外の部品については省略して示している。
保持軸61は、挿入部61cの外周面の一部を切り欠くことにより形成された切欠部61dをさらに有する。切欠部61dは、回転中心Oの軸方向に対して垂直な方向に延びる位置決め面としての平面61eと、回転中心Oの軸方向と平行な方向に延びる円弧面61fと、を有する。円弧面61fは、軸受40が挿入される部分における固定ハウジング10の外周面と同じ曲率半径で形成されており、各保持軸61の円弧面61fは、同一円周上に位置している。
保持軸61は上述の形状を有しているため、固定ハウジング10の挿入孔14に保持軸61の挿入部61cが挿入されると、円弧面61fが軸受40の内周側リングの内周面に接し、平面61eが軸受40の内周側リングの側面に対向した状態となる。
また、軸受40と保持軸61の平面61eとの間には、円環状のスペーサ45が設けられている。このため、ボルト62によって保持軸61を固定ハウジング10に押圧固定することにより、固定ハウジング10と保持軸61の平面61eとにより軸受40及びスペーサ45が挟持固定され、結果として保持軸61の平面61eによって回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めが行われる。
なお、スペーサ45を設けることなく、保持軸61の平面61eを軸受40に直接接触させる構成としてもよい。ただし、図2に示すように、平面61eは、軸受40の周方向において3カ所のみで軸受40に当接することになるため、軸受40に作用する保持軸61の押圧力を均一化させるにはスペーサ45を設けることが好ましい。また、スペーサ45を設けた場合、回転中心Oの軸方向におけるスペーサ45の厚さを適宜変更することで適切な位置に軸受40を位置させることが可能となる。
また、平面61eによって、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う構成に代えて、挿入部61cの先端面によって、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う構成としてもよい。この場合、切欠部61dを形成する必要がなくなるため、保持軸61の加工が容易となる。
このように、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う位置決め面が、固定ハウジング10に押圧固定される保持軸61に形成されるため、固定ハウジング10の外周に設けられる軸受40として、比較的内径が小さいものを採用することが可能となる。
各保持軸61を連結する連結部材63は、中央に貫通孔63aが形成された環状部材であり、保持軸61と一体的に形成される。換言すれば、各保持軸61は、連結部材63の端面から固定ハウジング10に向かって回転中心Oの軸方向と平行に延出している。貫通孔63aの大きさは、連結部材63が保持軸61を介して固定ハウジング10に固定された状態において、貫通孔63aの内側に、入力軸31、第2サンギヤ36及びキャリア35のギヤ35aの一部を配置可能な大きさに設定される。
ここで、上記構成の変速機100が油圧モータ2により駆動され、各保持軸61に保持された第2プラネタリギヤ37の回転が回転ハウジング20の内周面に設けられたインナーギヤ33に伝達される際、保持軸61には、回転ハウジング20が回転する方向とは反対方向の反力が第2プラネタリギヤ37を介して作用する。
保持軸61が固定ハウジング10により片持ち支持されている場合、この反力によって保持軸61が屈曲し、第2プラネタリギヤ37と第2プラネタリギヤ37が噛み合う第2サンギヤ36やインナーギヤ33との接触状態が不安定となり、結果として変速機構30の伝達効率が悪化したり、変速機構30内において異音が生じたりするおそれがある。また、保持軸61の屈曲を防止するために、保持軸61の外径を大きくして保持軸61の剛性を高めることも考えられるが、保持軸61の径を大きくすると、保持軸61に保持される第2プラネタリギヤ37も大きくなり、結果として変速機構30を含む変速機100が大型化してしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態では、第2プラネタリギヤ37を挟んで固定ハウジング10とは反対側に設けられる連結部材63によって、各保持軸61が互いに連結されているため、各保持軸61を固定ハウジング10に対して片持ち状態で取り付けた場合と比較し、保持軸61の剛性を高めることができる。このように保持軸61の剛性が高められたことで、上述の反力による保持軸61の屈曲が防止され、第2プラネタリギヤ37と第2プラネタリギヤ37が噛み合う第2サンギヤ36やインナーギヤ33との接触状態が安定し、結果として変速機構30の伝達効率を向上させることができるとともに変速機構30において異音が生じることを抑制することができる。また、保持軸61の剛性が高められたことで、保持軸61の径を小さくすることが可能となり、保持軸61に保持される第2プラネタリギヤ37の径や第2プラネタリギヤ37と噛み合うインナーギヤ33の径も小さくすることが可能となる。この結果、変速機構30を含む変速機100を小型化することができる。
また、各保持軸61と連結部材63とを1つの部材で一体的に形成すれば、さらに剛性を高めることも可能である。なお、各保持軸61と連結部材63とをそれぞれ別部材で形成し、嵌合といった手法によりこれらを結合して一体化しても同様に剛性を高めることができる。
また、各保持軸61は、少なくとも一部が固定ハウジング10の挿入孔14に挿入された状態で固定されている。このため、各保持軸61を面接触状態で固定ハウジング10に対して固定した場合と比較し、上述の反力により保持軸61の位置がずれてしまう心配がない。したがって、固定ハウジング10に対する保持軸61の位置を規定する位置決めピン等の部材を設ける必要がなることで、部品点数を削減することができる。
以上の第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
変速機100では、各保持軸61が、第2プラネタリギヤ37を挟んで固定ハウジング10とは反対側に設けられる連結部材63により互いに連結される。このように固定ハウジング10に固定される側とは反対側において各保持軸61を互いに連結することによって、各保持軸61を固定ハウジング10に対して片持ち状態で取り付けた場合と比較し、保持軸61の剛性を高めることができる。このように保持軸61の剛性が高められたことで、保持軸61の屈曲が防止され、第2プラネタリギヤ37と第2プラネタリギヤ37が噛み合う第2サンギヤ36やインナーギヤ33との接触状態が安定し、結果として変速機構30の伝達効率を向上させることができる。
また、変速機100では、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う位置決め面が、固定ハウジング10に押圧固定される保持軸61に形成される。このため、固定ハウジング10の外周に設けられる軸受40として、比較的内径が小さいものを採用することが可能となり、結果として変速機100の製造コストを低減することができる。
<第2実施形態>
図3及び図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る変速機200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の変速機100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図3及び図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る変速機200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の変速機100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
変速機200は、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う補助位置決め部材64を備える点で、第1実施形態に係る変速機100と相違する。
変速機200の変速機構130は、第1実施形態に係る変速機100の変速機構30と同様の遊星歯車機構であり、上述の変速機構30の構成に加えて、周方向において隣り合う第2プラネタリギヤ37の間に配置され、ボルト62により固定ハウジング10に押圧固定される補助位置決め部材64を有する。
補助位置決め部材64は、図3及び図4に示すように、ボルト62が挿通する挿通孔64aが入力軸31と平行に形成された円筒状部材であり、連結部材63に結合される結合部64bと、固定ハウジング10に形成された挿入孔14に挿入される挿入部64cと、を有する。なお、図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図を示すものであるが、説明のため、保持軸61、連結部材63及び補助位置決め部材64以外の部品については省略して示している。
補助位置決め部材64は、挿入部64cの外周面の一部を切り欠くことにより形成された切欠部64dをさらに有する。切欠部64dは、回転中心Oの軸方向に対して垂直な方向に延びる補助位置決め面としての平面64eと、回転中心Oの軸方向と平行な方向に延びる円弧面64fと、を有する。円弧面64fは、軸受40が挿入される部分における固定ハウジング10の外周面と同じ曲率半径を有し、各補助位置決め部材64の円弧面64fは、各保持軸61の円弧面61fと同一円周上に配置される。
補助位置決め部材64はこのような形状を有しているため、固定ハウジング10の挿入孔14に補助位置決め部材64の挿入部64cが挿入されると、円弧面64fが軸受40の内周側リングの内周面に接し、平面64eが軸受40の内周側リングの側面に対向した状態となる。
このため、ボルト62によって補助位置決め部材64を固定ハウジング10に押圧固定することにより、固定ハウジング10と補助位置決め部材64の平面64eとにより軸受40及びスペーサ45が挟持固定され、結果として保持軸61の平面61eと共に、補助位置決め部材64の平面64eによって回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めが行われる。
なお、スペーサ45を設けることなく、保持軸61の平面61e及び補助位置決め部材64の平面64eを軸受40に直接接触させる構成としてもよい。ただし、図4に示すように、平面61e及び平面64eは、軸受40の周方向において6カ所のみで当接することになるため、軸受40に作用する保持軸61及び補助位置決め部材64の押圧力を均一化させるにはスペーサ45を設けることが好ましい。
また、平面61e及び平面64eによって、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う構成に代えて、挿入部61c及び挿入部64cの先端面によって、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う構成としてもよい。この場合、切欠部61d及び切欠部64dをそれぞれ形成する必要がなくなるため、保持軸61及び補助位置決め部材64の加工が容易となる。
このように、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う位置決め面が、保持軸61だけではなく、固定ハウジング10に押圧固定される補助位置決め部材64にも形成されるため、軸受40の位置決めを精度よく行うことが可能となる。
また、補助位置決め部材64は、保持軸61及び連結部材63と一体的に形成される。このため、各保持軸61を固定ハウジング10に対して片持ち状態で取り付けた場合と比較し、保持軸61の剛性が大幅に高まることになる。したがって、保持軸61に上述の反力が作用したとしても、保持軸61の屈曲が防止され、結果として変速機構130の伝達効率を向上させることができるとともに変速機構130において異音が生じることを抑制することができる。また、保持軸61の剛性が高まったことで、保持軸61の径を小さくすることが可能となり、結果として変速機構130を小型化することができる。
なお、補助位置決め部材64は、連結部材63に結合され、保持軸61及び連結部材63と一体的に形成されているが、この構成に代えて、補助位置決め部材64を、保持軸61及び連結部材63とは別部材で形成してもよい。この場合であっても、保持軸61の平面61eと補助位置決め部材64の平面64eとによって回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行うことが可能である。
以上の第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
変速機200では、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う位置決め面が、固定ハウジング10に押圧固定される保持軸61に形成されるとともに、固定ハウジング10に押圧固定される補助位置決め部材64にも形成される。このため、固定ハウジング10の外周に設けられる軸受40の位置決めを精度よく行うことができる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
変速機100、200は、油圧モータ2が収容される固定ハウジング10と、固定ハウジング10の外周に設けられる軸受40を介して固定ハウジング10に回動自在に支持される回転ハウジング20と、回転ハウジング20に収容され油圧モータ2の回転を変速して回転ハウジング20に伝達する変速機構30,130と、を備え、変速機構30,130は、油圧モータ2から回転が入力される入力軸31と、入力軸31に設けられる第1サンギヤ32と、回転ハウジング20に設けられるインナーギヤ33と、インナーギヤ33に噛み合い第1サンギヤ32に連動して回転する複数の第2プラネタリギヤ37と、入力軸31と平行に延び第2プラネタリギヤ37を回動自在に保持する保持軸61と、保持軸61を互いに連結する連結部材63と、保持軸61及び連結部材63を固定ハウジング10に向けて押圧固定するボルト62と、を有し、連結部材63は、第2プラネタリギヤ37を挟んで固定ハウジング10とは反対側に設けられる。
この構成では、各保持軸61は、第2プラネタリギヤ37を挟んで固定ハウジング10とは反対側に設けられる連結部材63により互いに連結される。このように固定ハウジング10に固定される側とは反対側において各保持軸61を互いに連結することによって、各保持軸61を固定ハウジング10に対して片持ち状態で取り付けた場合と比較し、保持軸61の剛性を高めることができる。このように保持軸61の剛性が高められたことで、保持軸61の屈曲が防止され、第2プラネタリギヤ37と第2プラネタリギヤ37が噛み合う第2サンギヤ36やインナーギヤ33との接触状態が安定し、結果として変速機構30,130を含む変速機100,200の伝達効率を向上させることができるとともに変速機構30,130において異音が生じることを抑制することができる。また、保持軸61の剛性が高められたことで、保持軸61の径を小さくすることが可能となり、保持軸61に保持される第2プラネタリギヤ37の径や第2プラネタリギヤ37と噛み合うインナーギヤ33の径も小さくすることが可能となる。この結果、変速機構30,130を含む変速機100,200を小型化することができる。
また、固定ハウジング10は、保持軸61の少なくとも一部が挿入される挿入孔14を有する。
この構成では、保持軸61は、固定ハウジング10に対して少なくとも一部が挿入された状態で固定されている。このため、保持軸61を面接触状態で固定ハウジング10に対して固定した場合と比較し、第2プラネタリギヤ37を介して保持軸61に力が作用したとしても保持軸61の位置がずれてしまう心配がない。したがって、固定ハウジング10に対する保持軸61の位置を規定する位置決めピン等の部材を設ける必要がなくなることで、部品点数が削減され、結果として変速機100,200の製造コストを低減することができる。
また、保持軸61は、回転ハウジング20の回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う平面61eを有する。
この構成では、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う位置決め面が、固定ハウジング10に押圧固定される保持軸61に形成される。このため、固定ハウジング10の外周に設けられる軸受40として、比較的内径が小さいものを採用することが可能となり、結果として変速機100,200の製造コストを低減することができる。また、回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う部材を別途用意する必要がないため、部品点数が削減され、結果として変速機100,200の製造コストを低減することができる。
また、保持軸61は、外周面の一部を切り欠くことによって形成された切欠部61dを有し、位置決め面は、切欠部61dを形成する平面61eであって、回転中心Oの軸方向に対して垂直な方向に延びる平面61eである。
この構成では、切欠部61dを形成する平面61eにより回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めが行われる。このため、固定ハウジング10の外周に設けられる軸受40として、比較的内径が小さいものを採用することが可能となり、結果として変速機100,200の製造コストを低減することができる。
また、周方向において隣り合う第2プラネタリギヤ37の間に配置され、固定ハウジング10に固定されることによって回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めを行う補助位置決め部材64をさらに備える。
この構成では、保持軸61に加えて補助位置決め部材64により回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めが行われる。このように、周方向において複数の部材により回転中心Oの軸方向における軸受40の位置決めが行われることで、軸受40の位置決めを精度よく行うことができる。
また、走行モータ1は、上述の変速機100,200と、油圧モータ2と、を備える。
この構成では、走行モータ1が、上述のように製造コストを低減可能な変速機100,200を備えている。このため、走行モータ1の製造コストを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、駆動装置として、走行モータを例に説明したが、駆動装置は、旋回モータやウィンチなどを駆動するモータなどであってもよい。
100,200・・・変速機、1・・・走行モータ(駆動装置)、2・・・油圧モータ(駆動源)、10・・・固定ハウジング、14・・・挿入孔、20・・・回転ハウジング、30,130・・・変速機構、31・・・入力軸、32・・・第1サンギヤ(サンギヤ)、33・・・インナーギヤ、37・・・第2プラネタリギヤ(プラネタリギヤ)、40・・・軸受、61・・・保持軸、61d・・・切欠部、61e・・・平面(位置決め面)、62・・・ボルト(締結部材)、63・・・連結部材、64・・・補助位置決め部材、64d・・・切欠部、64e・・・平面
Claims (6)
- 駆動源が収容される固定ハウジングと、
前記固定ハウジングの外周に設けられる軸受を介して前記固定ハウジングに回動自在に支持される回転ハウジングと、
前記回転ハウジングに収容され前記駆動源の回転を変速して前記回転ハウジングに伝達する変速機構と、を備え、
前記変速機構は、前記駆動源から回転が入力される入力軸と、前記入力軸に設けられるサンギヤと、前記回転ハウジングに設けられるインナーギヤと、前記インナーギヤに噛み合い前記サンギヤに連動して回転する複数のプラネタリギヤと、前記入力軸と平行に延び前記プラネタリギヤを回動自在に保持する保持軸と、前記保持軸を互いに連結する連結部材と、前記保持軸及び前記連結部材を前記固定ハウジングに向けて押圧固定する締結部材と、を有し、
前記連結部材は、前記プラネタリギヤを挟んで前記固定ハウジングとは反対側に設けられることを特徴とする変速機。 - 前記固定ハウジングは、前記保持軸の少なくとも一部が挿入される挿入孔を有することを特徴とする請求項1に記載の変速機。
- 前記保持軸は、前記回転ハウジングの回転中心の軸方向における前記軸受の位置決めを行う位置決め面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の変速機。
- 前記保持軸は、外周面の一部を切り欠くことによって形成された切欠部を有し、
前記位置決め面は、前記切欠部を形成する平面であって、前記回転中心の軸方向に対して垂直な方向に延びる平面であることを特徴とする請求項3に記載の変速機。 - 周方向において隣り合う前記プラネタリギヤの間に配置され、前記固定ハウジングに固定されることによって前記回転中心の軸方向における前記軸受の位置決めを行う補助位置決め部材をさらに備えることを特徴とする請求項3または4に記載の変速機。
- 請求項1から5のいずれか1つに記載の変速機と、前記駆動源と、を備えることを特徴とする駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018149361A JP2020024016A (ja) | 2018-08-08 | 2018-08-08 | 変速機及び変速機を備えた駆動装置 |
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JP2018149361A JP2020024016A (ja) | 2018-08-08 | 2018-08-08 | 変速機及び変速機を備えた駆動装置 |
Publications (1)
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ID=69618499
Family Applications (1)
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Country | Link |
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2018
- 2018-08-08 JP JP2018149361A patent/JP2020024016A/ja active Pending
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