JP2020019487A - 箱用印刷用紙及びそれを用いた組箱の蓋の製造方法並びに組箱の蓋 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の印刷が成された少量の化粧箱や蓋を得るとともに、蓋の側壁にまで印刷された場合においても、その側壁を覆うことなく粘着テープを用いて貼付する。【解決手段】箱用印刷用紙10は、印刷可能であって所定の規格の外形を有する用紙本体11に、展開された化粧箱又は蓋12の周縁を描く切取線13が描出される。切取線13が、方形の天壁23と、前記天壁23の四側縁から折目24a,25a,26a,27aを介して連設された前後左右の側壁24,25,26,27と、その前後左右の側壁の上縁から折目31a,32a,33a,34aを介して更に連設された前後左右の折り返し片31,32,33,34とを少なくとも備えた蓋22の展開された周縁を描く。前後又は左右の折り返し片31,32に、前後又は左右の側壁24,25に連続する連続部31b,32bを構成する切り込み39が形成される。【選択図】 図1
Description
本発明は、小ロットの印刷された化粧箱又は蓋を得るのに適した箱用印刷用紙それを用いた組箱の蓋の製造方法並びに組箱の蓋に関するものである。
近年、子どもや孫の誕生日や七五三の祝いや結婚式等の祝事において、贈答品を送る習慣がある。この贈答品を贈る際に、贈呈人に対してメッセージを贈答品と一緒に送る習慣もある。このメッセージを送る方法としては、贈答品と一緒にメッセージカードを添付することが行われる。
一方、贈答品を頂いた方にあっては、贈答品を贈られた方に対して、お返しを贈る慣習もある。そのお返しを贈る側としては、自身の子どもや孫の誕生あるいは七五三、結婚など、人生の節目に際し、思い出の品や写真等を添付するようなことも行われる。
しかし、贈答品と一緒にメッセージカードや思い出の品や写真等を添付して化粧箱や組箱に入れた場合には、メッセージカードや思い出の品や写真等と贈答品とが別々に詰められるので、贈答品と別に添付されるメッセージカードや思い出の品や写真等を紛失しやすい欠点がある。
この欠点を補うために、組箱の蓋の表面に写真を直接貼付することや(例えば、特許文献1参照。)、その蓋に設けられた写真や文字等を覆う扉部を設けること(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。このように、写真やメッセージ等の文字を蓋に直接設けることによりそれらの紛失を防止して、贈答品を詰める印象的な箱を提供できるとしている。
しかし、組箱の蓋に写真やメッセージシートなどを貼付するためには、贈答品を詰めるものであることからすると、蓋の正規の位置に正確に貼付する必要が生じ、正確に貼付する作業が比較的困難であるという未だ解決すべき課題が残存していた。また、その蓋に設けられた写真や文字等を覆う扉部を設けることは、蓋の構造を複雑にして、その単価を押し上げる不具合もある。
このような不具合を解消する為には、メッセージや写真等を、贈答品を入れる箱に直接印刷してしまうことが考えられる。
しかしながら、このような従来の化粧箱や蓋において、所望の印刷が成されたものを得ようとする場合には、専用の印刷機械を使用して、所望の印刷が成されたシート状の印刷物を所定の抜き型で打ち抜いた後に組立てるという工程を経る。
このように、専用の印刷機や専用の抜き型を用いることから、印刷所に大量ロットの注文をせざるを得ず、個人用に所望の印刷が成された少量の化粧箱や組箱を得ることは事実上難しい問題があった。
一方、贈答品を収容する箱が、上端開口部を有し、その上端開口部を介して贈答品が収容される箱部と、その箱部の上端開口部を覆う蓋とを有する組箱である場合において、その蓋にメッセージや写真等が印刷可能である場合には、その蓋を粘着テープ等を用いて箱部に貼付することにより、その組箱を更に包む包装を省くことが考えられる。
けれども、蓋の側壁にまで印刷を行った場合に、その側壁に粘着テープを貼付することは、印刷面を粘着テープにおいて覆うことに成り、好ましくない。
本発明の目的は、所望の印刷が成された少量の化粧箱や蓋を容易に得ることのできる箱用印刷用紙及びそれを用いた組箱の蓋の製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、蓋の側壁にまで印刷された場合においても、その側壁を覆うことなく粘着テープを用いて箱部に貼付することのできる箱用印刷用紙及びそれを用いた組箱の蓋の製造方法並びに組箱の蓋を提供することにある。
本発明は、印刷可能であって所定の規格の外形を有する用紙本体に、展開された化粧箱又は蓋の周縁を描く切取線が描出された箱用印刷用紙である。
この切取線は、方形の天壁と、天壁の四側縁から折目を介して連設された前後左右の側壁と、前後左右の側壁の上縁から折目を介して更に連設された前後左右の折り返し片とを少なくとも備えた蓋の展開された周縁を描くことが好ましく、その前後又は左右の折り返し片に、前後又は左右の側壁に連続する連続部を構成する切り込みを形成することもできる。
別の本発明は、切取線が展開された蓋の周縁を描く上記箱用印刷用紙を用いた組箱の蓋の製造方法であって、その箱用印刷用紙に所定の印刷を行う印刷工程と、印刷後の箱用印刷用紙から切取線を切断して展開された蓋を分離させる分離工程と、分離された展開された蓋を組立てて天壁の周囲から天壁と直交して天壁を包囲する様に設けられた前後左右の側壁を有する蓋を得る組立て工程とを有する組箱の蓋の製造方法である。
ここで、印刷工程は、インクジェットプリンタ又はレーザプリンタにより行われることが好ましく、印刷工程において前後又は左右の側壁に連続する連続部を構成する切り込みが形成された箱用印刷用紙を用いた場合には、組立て工程において前後又は左右の折り返し片の切り込みにより包囲される一部を切り起こして前後又は左右の側壁と同一面においてその前後又は左右の側壁に連続する連続部を形成することができる。
更に別の本発明は、方形の天壁と、天壁の四側縁から折目を介して天壁と直交して天壁を包囲する様に設けられた前後左右の側壁と、前後左右の側壁の上縁から折目を介して前後左右の側壁に重合するように折り曲げられた前後左右の折り返し片とを備える組箱の蓋の改良である。
その特徴有る構成は、前後又は左右の折り返し片の一部が切り起こされて前後又は左右の側壁と同一面において前後又は左右の側壁に連続する連続部が形成されたところにある。
本発明の箱用印刷用紙は、所定の規格の外形を有する印刷可能な用紙本体を備えるので、印刷業者が使用するいわゆる専用の印刷機械を使用しなくても、一般の事務所や家庭に配置されているインクジェットプリンタやレーザプリンタに依る印刷ができ、少量の枚数の印刷であっても対応が可能となる。
そして、本発明の箱用印刷用紙は、展開された化粧箱又は蓋の周縁を描く切取線が描出されているので、その箱用印刷用紙へ所定の印刷を行った後に、その箱用印刷用紙から切取線を切断して展開された化粧箱又は蓋を分離させ、その後に組立てることにより、少量であっても、所望の印刷が成された化粧箱又は蓋を容易に得ることができる。
一方、贈答品を収容する箱が、上端開口部を有し、その上端開口部を介して贈答品が収容される箱部と、その箱部の上端開口部を覆う蓋とを有する組箱である場合において、蓋における前後又は左右の側壁に連続する連続部を形成すれば、その連続部を粘着テープ等を用いて箱部に貼付することにより、その側壁を覆うことなく粘着テープを用いて蓋を箱部に貼付することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の箱用印刷用紙10は、所定の規格の外形を有するシート状の用紙本体11に、展開された化粧箱又は蓋12の周縁を描く切取線13が描出されたことを特徴とする。図1には、用紙本体11に、展開された蓋12の周縁を描く切取線13が描出された場合を示す。
所定の規格の外形とは、インクジェットプリンタやレーザプリンタ等で印刷可能な外形で有り、JIS規格により定められたA3やA4などのA版サイズや、B4やB5などのB判サイズを示す。このA版やB版は、1:√2の白銀比で成り立ち、どこまで半分にしても同じ相似形の長方形となるものである。
用紙本体11としては、例えば、上質紙、コート紙、再生紙等の各種紙材及びポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等からなる各種樹脂フィルムが挙げられる。尚、この用紙本体11は、その後に切取線13で包囲される中央部分が組立てられて化粧箱又は蓋として用いられることから、その化粧箱又は蓋の強度の耐えうるように、比較的厚いもの、例えば、160g/m2以上のもの、好ましくは160g/m2〜180g/m2のものを使用することが好ましい。
また、この用紙本体11は、少なくともその片面が印刷されるものであるので、この用紙本体11の印刷面には、その印刷に使用されるプリンタの種類に応じて印字層を形成してもよい。例えば、インクジェットプリンタであればインク受容層を、レーザープリンタであればトナー定着層を、感熱プリンタであれば感熱発色層又は感熱インク受容層等を形成すればよい。また、既に印字面を形成したインクジェット用紙、レーザープリンタ用紙、感熱紙等を用紙本体11として用いてもよい。尚、上質紙、コート紙、再生紙等の各種紙材から成る用紙のように、用紙本体11そのものが印字適性を有していれば特に印字層を形成しなくてもよい。
展開された化粧箱又は蓋12とは、折り曲げて組立てることにより化粧箱又は蓋22(図2)が得られるものであって、図示しないが、得られる化粧箱としては、贈答品等を収容する本体部に蓋が一体的に形成されたサック式の箱が例示される。けれども、化粧箱は、組立てられた状態で、贈答品を収容し得る限り、どのようなものであっても良い。
また、得られる蓋22としては、図2に示すように、組箱20の蓋22が例示される。図2における組箱20は、贈答品等を収容する為の開口部21aが上部に形成された箱部21と、その箱部21における開口部21aを塞ぐ蓋22が別に設けられたものである。
けれども、比較的広い印刷面を得るためには、図1に示すように、展開させた蓋12の外周を描く切取線13を用紙本体11に描出することが好ましい。そして、切取線13は、打ち抜き型等により切断するものではなくて、人の手により切断可能なミシン目又はマイクロミシンであることが好ましい。
図1の拡大図に示す様に、ミシン目から成る切取線13は、切り込み部13aが所定の間隔Pを開けて線状を成して連続して形成されたものであって、切り込み部13aと切り込み部13aの間の残存する部分を抜き型を用いることなく、人の手によって切断可能なものである。
そして、その切断をより容易にするために、切り込み部13aとその間隔Pをより小さくしたものがマイクロミシンから成る切取線13である。このため、切取線13がマイクロミシンから成る場合には、その切取線13における切込部13aの長さLは0.3〜0.5mmであってその間隔Pは0.4〜0.7mmであることが好ましい。このようなマイクロミシンから成る切取線13であれば、切込部13aと切込部13aの間(P−L)が0.1〜0.2mm程度となって、人の手による切断が容易となる。
この用紙本体11への切取線13の形成は、図5に示すように、切込部13a(図1)を形成する切断刃3が基台4に連続して設けられた刃型2を用いて製造することができる。例えば、その刃型2の上にA3サイズやA4サイズ等の所定の規格の外形を有する用紙本体11を載置し、その上から上盤5を載せて、その上盤5と刃型2を図示しない機器により接近させて、用紙本体11を刃型2に押し付けて、切断刃3により用紙本体11を打ち抜く。これにより、図1に示す様に、展開された蓋12の周縁を描くマイクロミシンの切取線13を用紙本体11に描出させることができる。
切取線13により包囲される図1に示す展開された蓋12は、方形の天壁23と、その天壁23の四側縁から折目24a,25a,26a,27aを介して連設された前後左右の側壁24,25,26,27と、その前後左右の側壁24,25,26,27の上縁から折目31a,32a,33a,34aを介して更に連設された前後左右の折り返し片31,32,33,34とを備えるものを示す。
図1では、前後左右の側壁24,25,26,27の長手方向の両端部を隣接する側壁24,25,26,27の端部に連続させる補強片36が折目36aを介して形成され、前後の折り返し片31,32の左右両側から折目37aを介して巻き込み片37がそれぞれ形成され、前後左右の折り返し片31,32,33,34の上縁から折目38aを介して更に重合片38が形成された展開された蓋12を示す。
そして、補強片36には、その中央に折目36bが更に形成され、側壁24,25,26,27の高さHと折り返し片31,32,33,34の高さhは略等しくなるように形成される。
また、展開された蓋12が組箱20の蓋22(図2)を得るためのものであるこの実施の形態では、前後の折り返し片31,32に、前後の側壁24,25に連続する連続部31b,32bを構成する切り込み39がそれぞれ形成される。図1における切り込み39は、前後の折り返し片31,32の長手方向の略中央において、側壁24,25と折り返し片31,32の間の折目31a,32aを始点と終点とする円弧状に形成され、この切り込み39と折目31a,32aにより包囲された部分が連続部31b,32bとされる。
従って、この組箱20の蓋22を組立てる際には、図3に示すように、天壁23の周囲において立ち上げた前後の側壁24,25に前後の折り返し片31,32を更に折り返して重合させることになるけれども、その切り込み39に包囲される連続部31b,32bは前後の折り返し片31,32を折り返しても、折り返されずに切り込み39により折り返し片31,32から分離し、側壁24,25と同一面に残存して、その側壁24,25に連続するものとなる。
このように、切取線13により包囲される内側には、上記複数の折目や連続部31b,32bを形成するための切り込み39が形成されるけれども、図5に示すように、切取線13としてのマイクロミシンを刃型2により形成する場合には、その刃型2に折目を形成する折目形成用片6や切り込み形成用刃7を基台4に取付けることにより、切取線13の形成と共に、上記複数の折目や切り込み39を用紙本体11に同時に形成することが可能となる。
けれども、図示しないが、切取線13を形成する刃型2と別に、上記複数の折目や連続部31b,32bを形成するための押し型を別に準備し、刃型2を用いた切取線13の形成と別に、その押し型を用いて複数の折目や切り込み39を用紙本体11に形成するようにしても良い。ここで、折目は、用紙本体11を押しつぶして形成されたものであっても良く、比較的長い切り込みを連続して形成したものであっても良い。
また、図2に示すように、この組箱20の蓋22は、組立てられた状態で箱部21の上端開口部21aを塞ぐようにその箱部21に上方から被せられるものであるので、連続部31b,32bの側壁24,25からの突出量Tは、箱部21の周壁21bの高さMから側壁24,25の高さHを減じた量よりも少なくなるように設定される。
次に、上記箱用印刷用紙を用いた組箱の蓋の製造方法を説明する。
本発明における組箱20の蓋22の製造方法は、組立てられた状態で組箱20の蓋22となるような周縁を描くマイクロミシンの切取線13を用紙本体11に描出させた上記箱用印刷用紙10に所定の印刷を行う印刷工程と、印刷後の箱用印刷用紙10から切取線13を切断して展開された蓋12を分離させる分離工程と、分離された展開された蓋12を組立てて天壁23の周囲からその天壁23と直交してその天壁23を包囲する様に設けられた前後左右の側壁24,25,26,27を有する蓋22を得る組立て工程とを有する。
以下に各工程を詳説する。
<印刷工程>
この工程では、展開された蓋12の周縁を描く切取線13が用紙本体11に描出された箱用印刷用紙10に所定の印刷を行う。従って、先ず、箱用印刷用紙10が準備される。この箱用印刷用紙10は、所定の規格の外形を有する用紙本体11に切取線13が描出されたものであるので、この印刷は、図4に示すように、インクジェットプリンタ42又はレーザプリンタにより行うことができる。
この工程では、展開された蓋12の周縁を描く切取線13が用紙本体11に描出された箱用印刷用紙10に所定の印刷を行う。従って、先ず、箱用印刷用紙10が準備される。この箱用印刷用紙10は、所定の規格の外形を有する用紙本体11に切取線13が描出されたものであるので、この印刷は、図4に示すように、インクジェットプリンタ42又はレーザプリンタにより行うことができる。
このインクジェットプリンタ42やレーザプリンタは、所定の規格の外形を有する印刷用紙10に写真やメッセージ等を印刷するものとして、パーソナルコンピュータを所有する一般家庭や事務所又は贈答品を販売する販売店等に広く設置されているものである。
このため、所定の規格の外形を有する用紙本体11に切取線13が描出された上記箱用印刷用紙10を用いることにより、一般家庭や事務所や販売店におけるインクジェットプリンタ42やレーザプリンタによる印刷が可能となり、例え1枚や2枚の少ない枚数であっても、その印刷を可能とするものである。
ここで、この実施の形態における展開された蓋12は、その後組立てられて図2に示す様な組箱20の蓋22となるものであるので、この印刷工程においては、組立てられた状態で外部に表出する天壁23のみならず、前後左右の側壁24,25,26,27にも所望の印刷を行うことができる。
この印刷の位置は、展開された蓋12の周縁を描く切取線13が用紙本体11に描出されているので、その用紙本体11の外形を基準にその印刷位置を容易に設定することができる。よって、上記蓋用印刷用紙10を用いて印刷を行うことにより、組立てられた状態で外部に表出する天壁23及び前後左右の側壁24,25,26,27の所望の位置に所望の印刷を行うことが可能となるのである。
<分離工程>
この工程では、印刷後の箱用印刷用紙10から切取線13を切断して展開された蓋12を分離させる。ここで、切取線13が所定の間隔Pを開けて線状を成して連続する切り込み部13a(図1)から成るマイクロミシンであれば、従来から用いられている切断用の打ち抜き型を用いることなく、作業者又は販売員の手作業により、その切り込み部13aと切り込み部13aの間を切断することによりマイクロミシンから成る切取線13を切断することが可能となり、少ない枚数であっても、容易に展開された蓋12を分離させることができる。
この工程では、印刷後の箱用印刷用紙10から切取線13を切断して展開された蓋12を分離させる。ここで、切取線13が所定の間隔Pを開けて線状を成して連続する切り込み部13a(図1)から成るマイクロミシンであれば、従来から用いられている切断用の打ち抜き型を用いることなく、作業者又は販売員の手作業により、その切り込み部13aと切り込み部13aの間を切断することによりマイクロミシンから成る切取線13を切断することが可能となり、少ない枚数であっても、容易に展開された蓋12を分離させることができる。
<組立て工程>
この工程では、分離された展開された蓋12を組立てて図2に示す組箱20の蓋22を得る。具体的に、図1に示す様に、展開された蓋12は、方形の天壁23と、その天壁23の四側縁から折目24a,25a,26a,27aを介して連設された前後左右の側壁24,25,26,27と、その前後左右の側壁24,25,26,27の上縁から折目31a,32a,33a,34aを介して更に連設された前後左右の折り返し片31,32,33,34とを備える。
この工程では、分離された展開された蓋12を組立てて図2に示す組箱20の蓋22を得る。具体的に、図1に示す様に、展開された蓋12は、方形の天壁23と、その天壁23の四側縁から折目24a,25a,26a,27aを介して連設された前後左右の側壁24,25,26,27と、その前後左右の側壁24,25,26,27の上縁から折目31a,32a,33a,34aを介して更に連設された前後左右の折り返し片31,32,33,34とを備える。
このため、図3に示す様に、それらの側壁24,25,26,27を、印刷が成されていない方向に立ち上げる。そして、側壁24,25,26,27の上縁に連設された前後左右の折り返し片31,32,33,34を同一方向に折り返して、それらの側壁24,25,26,27に内側から重合させる。
また、折り返し片31,32,33,34の上縁に更に連設された重合片38にあっては逆方向に折り曲げて、折り返し片31,32,33,34を側壁24,25,26,27に重合させた状態でそれら重合片38を天壁23の周囲に重合させて、その周囲の強度を向上させる。
一方、側壁24,25,26,27の端部に連続して形成された補強片36にあっては、前後左右の側壁24,25,26,27を天壁23の周囲において立ち上げたときに二つ折りにして内側に入れ込み、前後の折り返し片31,32の左右両側から形成された巻き込み片37にあっては、立ち上げた前後左右の側壁24,25,26,27に前後左右の折り返し片31,32,33,34を折り返して重合させる際に、隣接する側壁24,25,26,27と折り返し片31,32,33,34の間に進入させ、立ち上げられた側壁24,25,26,27が元に戻ることを防止する。
また、展開された蓋12が組箱20の蓋22を得るためのものであるこの実施の形態では、前後の折り返し片31,32に、前後の側壁24,25に連続する連続部31b,32bを構成する切り込み39が形成されているので、この組箱20の蓋22を組立てる際には、天壁23の周囲において立ち上げた前後の側壁24,25に前後の折り返し片31,32を更に折り返す際に、その切り込み39に包囲される連続部31b,32bを折り返し片31,32から分離し、側壁24,25と同一面に残存させて、その側壁24,25に同一面において連続させる。
従って、この組箱20の蓋22は、組立てられた状態で、少なくとも、印刷された方形の天壁23と、天壁23の四側縁から直交して天壁23の印刷されていない側を包囲する様に設けられた前後左右の側壁24,25,26,27と、その前後左右の側壁24,25,26,27に内側から重合する前後左右の折り返し片31,32,33,34とを備えるものと成り、その前後の折り返し片31,32の一部が切り起こされて前後の側壁24,25と同一面において前後の側壁24,25に連続する連続部31b,32bが形成された蓋22となる。
このようにして得られた蓋22にあっては、図2に示すように、贈答品を収容される箱部21の上端開口部21aを覆う蓋22として用いられ、箱部21の上端開口部21aを覆う蓋22を粘着テープ41等を用いて箱部21に貼付することにより、その組箱20を更に包む包装を省くことが可能となる。図2及び図4では、天壁23にのし紙風のデザインが印刷され、その組箱20を更にのし紙において包装することを省く場合を示す。
この時、蓋22における前後の側壁24,25に連続する連続部31b,32bを粘着テープ41を用いて箱部21の周壁21bに貼付することにより、その側壁24,25を覆うことなく粘着テープ41を用いて蓋22を箱部21に貼付することができる。
よって、蓋22の側壁24,25,26,27にまで写真やメッセージを印刷しても、その写真やメッセージが粘着テープ41により覆われることはなく、蓋22の側壁24,25,26,27にまで印刷をすることが可能となるのである。
以上詳述した通り、本発明の組箱20の蓋22の製造方法は、展開された蓋12の周縁を描く切取線13が描出された箱用印刷用紙10に所定の印刷を行った後に、その切取線13を切断して展開された蓋12を分離させて組立てるものであるため、専用の印刷機械を使用して所望の印刷が成されたシート状の印刷物を所定の抜き型で打ち抜いて箱を形成する従来の製造方法と異なり、家庭や事務所や販売店において、小ロットであっても、所望の印刷が成された化粧箱や組箱20の蓋22を得ることが可能となるのである。
なお、上述した実施の形態では、円弧状の切り込み39を入れて連続部31b,32bを形成したけれども、側壁24,25に連続する連続部31b,32bを形成しうる限り、切り込み39は円弧状に限られない。例えば、方形状の連続部31b,32bを得るために、折目31a,32aからコ字状の切り込み39を入れるようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、展開された蓋12の周縁を描く切取線13が描出された箱用印刷用紙10を説明したけれども、これに限られずに、図示しないが、ものを収容する本体部に蓋が一体的に形成されたサック式の化粧箱を展開し、その展開された化粧箱の周縁を描く切取線13を用紙本体11に描出するようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、前後の折り返し片31,32に、前後の側壁24,25に連続する連続部31b,32bを構成する切り込み39が形成される場合を説明したけれども、これに限られずに、左右の側壁26,27に連続する連続部を構成する切り込み39を左右の折り返し片33,34に形成しても良い。
また、上述した実施の形態では、天壁23にのし紙風のデザインが印刷される場合を説明したけれども、印刷するデザインはこれに限られずに、どのようなものであっても良く、写真を印刷するようにしても良い。
更に、上述した実施の形態では、マイクロミシンから成る切取線13を刃型2を用いて形成される場合を説明したけれども、人の手による切断が可能な切取線13を形成し得る限り、刃型2を用いることなく、この切取線13はレーザカッタ等により形成されるミシン目やマイクロミシンであっても良い。
10 箱用印刷用紙
11 用紙本体
12 展開された蓋
13 切取線
22 蓋
23 天壁
24,25,26,27 側壁
24a,25a,26a,27a 折目
31,32,33,34 折り返し片
31a,32a,33a,34a 折目
31b,32b 連続部
39 切り込み
11 用紙本体
12 展開された蓋
13 切取線
22 蓋
23 天壁
24,25,26,27 側壁
24a,25a,26a,27a 折目
31,32,33,34 折り返し片
31a,32a,33a,34a 折目
31b,32b 連続部
39 切り込み
Claims (7)
- 印刷可能であって所定の規格の外形を有する用紙本体(11)に、展開された化粧箱又は蓋(12)の周縁を描く切取線(13)が描出されたことを特徴とする箱用印刷用紙。
- 切取線(13)が、方形の天壁(23)と、前記天壁(23)の四側縁から折目(24a,25a,26a,27a)を介して連設された前後左右の側壁(24,25,26,27)と、前記前後左右の側壁(24,25,26,27)の上縁から折目(31a,32a,33a,34a)を介して更に連設された前後左右の折り返し片(31,32,33,34)とを少なくとも備えた蓋(22)の展開された周縁を描く請求項1記載の箱用印刷用紙。
- 前後又は左右の折り返し片(31,32)に、前後又は左右の側壁(24,25)に連続する連続部(31b,32b)を構成する切り込み(39)が形成された請求項2記載の箱用印刷用紙。
- 請求項2又は3記載の箱用印刷用紙(10)に所定の印刷を行う印刷工程と、
印刷後の前記箱用印刷用紙(10)から切取線(13)を切断して展開された蓋(12)を分離させる分離工程と、
分離された前記展開された蓋(12)を組立てて天壁(23)の周囲から前記天壁(23)と直交して前記天壁(23)を包囲する様に設けられた前後左右の側壁(24,25,26,27)を有する蓋(22)を得る組立て工程と
を有する組箱の蓋の製造方法。 - 印刷工程が、インクジェットプリンタ又はレーザプリンタにより行われる請求項4記載の組箱の蓋の製造方法。
- 印刷工程において請求項3記載の箱用印刷用紙(10)が用いられ、
組立て工程において前後又は左右の折り返し片(31,32)の切り込み(39)により包囲される一部を切り起こして前後又は左右の側壁(24,25)と同一面において前記前後又は左右の側壁(24,25)に連続する連続部(31b,32b)を形成する請求項4又は5記載の組箱の蓋の製造方法。 - 方形の天壁(23)と、前記天壁(23)の四側縁から前記天壁(23)と直交して前記天壁(23)を包囲する様に立ち上げられた前後左右の側壁(24,25,26,27)と、前記前後左右の側壁(24,25,26,27)の上縁から折り返されて前記前後左右の側壁(24,25,26,27)に重合するように折り曲げられた前後左右の折り返し片(31,32,33,34)とを備える組箱の蓋において、
前後又は左右の折り返し片(31,32)の一部が切り起こされて前記前後又は左右の側壁(24,25)と同一面において前記前後又は左右の側壁(24,25)に連続する連続部(31b,32b)が形成されたことを特徴とする組箱の蓋。
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JP2018142120A JP2020019487A (ja) | 2018-07-30 | 2018-07-30 | 箱用印刷用紙及びそれを用いた組箱の蓋の製造方法並びに組箱の蓋 |
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- 2018-07-30 JP JP2018142120A patent/JP2020019487A/ja active Pending
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