JP2020012048A - 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置 - Google Patents

紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020012048A
JP2020012048A JP2018134470A JP2018134470A JP2020012048A JP 2020012048 A JP2020012048 A JP 2020012048A JP 2018134470 A JP2018134470 A JP 2018134470A JP 2018134470 A JP2018134470 A JP 2018134470A JP 2020012048 A JP2020012048 A JP 2020012048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
composition
group
dispersant
curable resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018134470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7117583B2 (ja
Inventor
裕基 池上
Yuki Ikegami
裕基 池上
祐輔 浦岡
Yusuke Uraoka
祐輔 浦岡
山本 広志
Hiroshi Yamamoto
広志 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2018134470A priority Critical patent/JP7117583B2/ja
Publication of JP2020012048A publication Critical patent/JP2020012048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7117583B2 publication Critical patent/JP7117583B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

【課題】吸湿剤を含有しながら、吸湿剤による硬化物の透明性の低下を抑制でき、かつ吸湿剤による粘度の増大と保存安定性の低下とを抑制できる紫外線硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】紫外線硬化性樹脂組成物は、アクリル化合物(A)、光重合開始剤(B)、平均粒径200nm以下の吸湿剤(C)、及び一分子中に二つ以上の吸着基を有する分散剤(D)を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線硬化性樹脂組成物、有機EL発光装置の製造方法及び有機EL発光装置に関し、詳しくは、有機EL発光装置における封止材を作製するために好適な紫外線硬化性樹脂組成物、この紫外線硬化性樹脂組成物を用いる有機EL発光装置の製造方法、及びこの封止材を備える有機EL発光装置に関する。
有機EL発光装置は、照明、ディスプレイなどに適用されており、今後の普及が期待されている。
有機EL発光装置のうち、トップエミッションタイプと呼ばれるものは、例えば支持基板上に有機EL素子を配置し、支持基板に対向するように透明基板を配置し、支持基板と透明基板との間に透明な封止材を充填して構成される。この場合、有機EL素子が発する光は封止材及び透明基板を通過して外部へ出射する。
封止材は、有機EL素子への水分の侵入を抑制することで、有機EL素子におけるダークスポットの発生及び成長を抑制する。ダークスポットとは、有機EL素子が水分で劣化することで生じる、発光しない部分のことである。
有機EL発光装置に封止材を設けるだけでは、水分の侵入を十分に防げないことがある。そのため、支持基板と透明基板との間に吸湿剤を設けることも行われているが、吸湿剤を設けるための工程が必要となり、有機EL発光装置の構造の複雑化及び製造効率の低下を招いてしまう。
封止材を作製するための組成物中に吸湿剤を配合することで封止材に吸湿性を付与することも提案されている。例えば特許文献1には、ラジカル重合性化合物と、重合開始剤及び/又は硬化剤と、粉末状モレキュラーシーブとを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤が開示されている。
特開2016−012559号公報
特許文献1に開示されている場合のように封止材に単に吸湿剤を分散させるだけでは、封止材の透明性の低下を招いてしまい、有機EL発光装置の発光効率が低下してしまう。吸湿剤の粒径を小さくすれば透明性の向上は期待できるが、封止材を作製するための組成物の粘度が増大することで成形性が悪化してしまう。また吸湿剤の粒径が小さいと組成物の保管中に吸湿剤が凝集してしまいやすいため、保存安定性が悪化してしまう。
本発明の課題は、吸湿剤を含有しながら、吸湿剤が硬化物の透明性を低下させにくく、かつ吸湿剤による粘度の増大と保存安定性の低下とが生じにくい紫外線硬化性樹脂組成物、この紫外線硬化性樹脂組成物を用いる有機EL発光装置の製造方法、及びこの紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる封止材を備える有機EL発光装置を提供することである。
本発明の一態様に係る紫外線硬化性樹脂組成物は、アクリル化合物(A)、光重合開始剤(B)、平均粒径200nm以下の吸湿剤(C)、及び一分子中に二つ以上の吸着基を有する分散剤(D)を含有する。
本発明の一態様に係る有機EL発光装置の製造方法は、有機EL素子と前記有機EL素子を覆う封止材とを備える有機EL発光装置を製造する方法であり、前記紫外線硬化性樹脂組成物をインクジェット法で成形してから、前記紫外線硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して硬化させることで前記封止材を作製することを含む。
本発明の一態様に係る有機EL発光装置は、有機EL素子と、前記有機EL素子を覆う封止材とを備え、前記封止材は、前記紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物である。
本発明の一態様には、吸湿剤を含有しながら、吸湿剤が硬化物の透明性を低下させにくく、かつ吸湿剤による粘度の増大と保存安定性の低下とが生じにくい紫外線硬化性樹脂組成物、この紫外線硬化性樹脂組成物を用いる有機EL発光装置の製造方法、及びこの紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる封止材を備える有機EL発光装置が得られる、という利点がある。
本発明の一実施形態における有機EL発光装置の第一例を示す概略の断面図である。 本発明の一実施形態における有機EL発光装置の第二例を示す概略の断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る紫外線硬化性樹脂組成物(以下、組成物(X)ともいう)は、アクリル化合物(A)、光重合開始剤(B)、平均粒径200nm以下の吸湿剤(C)、及び一分子中に二つ以上の吸着基を有する分散剤(D)を含有する。吸湿剤(C)の平均粒径が200nm以下であるため、吸湿剤(C)は、組成物(X)の硬化物の透明性を低下させにくい。さらに、分散剤(D)は、一分子中に二つ以上の吸着基を有することで、吸湿剤(C)を組成物(X)中及び硬化物中で良好に分散させることができる。このため、組成物(X)には、吸湿剤(C)による粘度の増大と保存安定性の低下とが生じにくい。
組成物(X)の25℃での粘度は、1mPa・s以上30mPa・s以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)を常温下でキャスティング法といった方法で成形することが容易であり、組成物(X)をインクジェット法で成形することも可能である。この粘度が20mPa・s以下であればより好ましく、15mPa・s以下であれば更に好ましい。この粘度が5mPa・s以上であることも好ましい。
組成物(X)の40℃における粘度が1mPa・s以上30mPa・s以下であることも好ましい。この場合、常温における組成物(X)の粘度がいかなる値であっても、組成物(X)を僅かに加熱すれば低粘度化させることが可能である。このため、加熱すれば、組成物(X)をキャスティング法といった方法で成形することが容易であり、組成物(X)をインクジェット法で成形することも可能である。また、組成物(X)を大きく加熱することなく低粘度化させることができるので、組成物(X)中の成分が揮発することによる組成物(X)の組成の変化を生じにくくできる。この粘度が20mPa・s以下であればより好ましく、15mPa・s以下であれば更に好ましい。この粘度が5mPa・s以上であることも好ましい。
なお、組成物(X)の粘度は、レオメータを用いて、せん断速度100s-1の条件で測定される。レオメータとして、例えばアントンパール・ジャパン社製の型番DHR−2を使用できる。
このような組成物(X)の25℃又は40℃における低い粘度は、下記で詳細に説明される組成物(X)の組成によって達成可能である。
組成物(X)の硬化物の、厚み寸法が10μmである場合の、全光透過率は、90%以上であることが好ましい。この場合、硬化物を有機EL発光装置1における封止材5に適用すると、封止材5を透過して外部へ出射する光の取り出し効率を特に向上できる。このような硬化物の光透過性も、下記で詳細に説明される組成物(X)の組成によって達成可能である。
以下、本実施形態について、更に詳しく説明する。
1.有機EL発光装置の構造
まず、有機EL発光装置の構造について説明する。有機EL発光装置1は、有機EL素子4と、有機EL素子4を覆う封止材5とを備える。封止材5は、有機EL素子4に直接接触した状態で有機EL素子4を覆ってもよく、封止材5と有機EL素子4との間に何らかの層が介在した状態で有機EL素子4を覆ってもよい。なお、ELとはエレクトロルミネッセンスの略である。また、有機EL素子4は、有機発光ダイオードとも呼ばれる。
有機EL発光装置1の構造の第一例を、図1を参照して説明する。この有機EL発光装置1は、トップエミッションタイプである。有機EL発光装置1は、支持基板2、支持基板2と間隔をあけて対向する透明基板3、支持基板2の透明基板3と対向する面の上にある有機EL素子4、及び支持基板2と透明基板3との間に充填されている封止材5を備える。また、第一例では、有機EL発光装置1は、支持基板2の透明基板3と対向する面及び有機EL素子4を覆うパッシベーション層6を備える。すなわち、有機EL素子4と、有機EL素子4を覆う封止材5との間に、パッシベーション層6が介在している。
支持基板2は、例えば樹脂材料から作製されるが、これに限定されない。透明基板3は透光性を有する材料から作製される。透明基板3は、例えば、ガラス製基板又は透明樹脂製基板である。有機EL素子4は、例えば一対の電極と、電極間にある有機発光層とを備える。有機発光層は、例えば正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層及び電子輸送層を備え、これらの層は前記の順番に積層している。図1には、有機EL素子4は一つだけ示されているが、有機EL発光装置1は複数の有機EL素子4を備え、かつ複数の有機EL素子4が、支持基板2上でアレイを構成していてもよい。パッシベーション層6は窒化ケイ素又は酸化ケイ素から作製されることが好ましい。
有機EL発光装置1の構造の第二例を、図2を参照して説明する。なお、図1に示す第一例と共通する要素については、図1と同じ符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。図2に示す有機EL発光装置1も、トップエミッションタイプである。有機EL発光装置1は、支持基板2、支持基板2と間隔をあけて対向する透明基板3、支持基板2の透明基板3と対向する面の上にある有機EL素子4、及び有機EL素子4を覆う封止材5を備える。
有機EL素子4は、第一例の場合と同様、例えば一対の電極41、43と、電極41、43間にある有機発光層42とを備える。有機発光層42は、例えば正孔注入層421、正孔輸送層422、有機発光層423及び電子輸送層424を備え、これらの層は前記の順番に積層している。
有機EL発光装置1は複数の有機EL素子4を備え、かつ複数の有機EL素子4が、支持基板2上でアレイ9(以下素子アレイ9という)を構成している。素子アレイ9は、隔壁7も備える。隔壁7は、支持基板2上にあり、隣合う二つの有機EL素子4の間を仕切っている。隔壁7は、例えば感光性の樹脂材料をフォトリソグラフィ法で成形することで作製される。素子アレイ9は、隣合う有機EL素子4の電極43及び電子輸送層424同士を電気的に接続する接続配線8も備える。接続配線8は、隔壁7上に設けられている。
有機EL発光装置1は、有機EL素子4を覆うパッシベーション層6も備える。パッシベーション層6は窒化ケイ素又は酸化ケイ素から作製されることが好ましい。パッシベーション層6は、第一パッシベーション層61と第二パッシベーション層62とを含む。第一パッシベーション層61は素子アレイ9に直接接触した状態で、素子アレイ9を覆うことで、有機EL素子4を覆っている。第二パッシベーション層62は、第一パッシベーション層61に対して、素子アレイ9とは反対側の位置に配置され、かつ第二パッシベーション層62と第一パッシベーション層61との間には間隔があけられている。第一パッシベーション層61と第二パッシベーション層62との間に、封止材5が充填されている。すなわち、有機EL素子4と、有機EL素子4を覆う封止材5との間に、第一パッシベーション層61が介在している。
さらに、第二パッシベーション層62と透明基板3との間に、第二封止材52が充填されている。第二封止材52は、例えば透明な樹脂材料から作製される。第二封止材52の材質は特に制限されない。第二封止材52の材質は、封止材5と同じであっても、異なっていてもよい。
上記に例示した構造を有する有機EL発光装置1における封止材5を、本実施形態に係る紫外線硬化性樹脂組成物から作製できる。すなわち、紫外線硬化性樹脂組成物は、有機EL素子4のための封止材5を作製するために用いられる。さらに言い換えれば、紫外線硬化性樹脂組成物は、好ましくは封止材作製用の組成物、有機EL素子封止用の組成物、あるいは有機EL発光装置製造用の組成物である。
2.紫外線硬化性樹脂組成物
紫外線硬化性樹脂組成物(以下、組成物(X)ともいう)について説明する。
上記のとおり、組成物(X)は、アクリル化合物(A)、光重合開始剤(B)、平均粒径200nm以下の吸湿剤(C)、及び一分子中に二つ以上の吸着基を有する分散剤(D)を含有する。組成物(X)に紫外線を照射すると、光ラジカル重合開始剤(B)によって光ラジカル重合反応が開始されてアクリル化合物(A)が硬化することで、硬化物を作製できる。組成物(X)の成分について、下記で更に詳しく説明する。
上記のとおり、組成物(X)はアクリル化合物(A)を含有する。アクリル化合物(A)は、一分子中に一つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する。
アクリル化合物(A)全体の25℃での粘度は50mPa・s以下であることが好ましい。この場合、アクリル化合物(A)は組成物(X)を特に低粘度化させることができる。アクリル化合物(A)全体の粘度は30mPa・s以下であれば更に好ましく、20mPa・s以下であれば特に好ましい。また、アクリル化合物(A)全体の粘度は例えば3mPa・s以上である。
アクリル化合物(A)全体の40℃での粘度が50mPa・s以下であることも好ましい。この場合、アクリル化合物(A)は、加熱された場合の組成物(X)を特に低粘度化させることができる。アクリル化合物(A)全体の粘度は30mPa・s以下であれば更に好ましく、20mPa・s以下であれば特に好ましい。また、アクリル化合物(A)全体の粘度は、例えば3mPa・s以上である。
アクリル化合物(A)が含みうる化合物について説明する。
アクリル化合物(A)は、一分子中に二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリル化合物(A1)を含有することが好ましい。この場合、多官能アクリル化合物(A1)は、硬化物のガラス転移温度を高めることができ、このため、硬化物及び封止材5の耐熱性を高めることができる。多官能アクリル化合物(A1)の量は、アクリル化合物(A)全体に対して50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。アクリル化合物(A)は、多官能アクリル化合物(A1)のみを含有してもよい。
多官能アクリル化合物(A1)は、例えば1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジアクリレート、ペンタトリエストールテトラアクリレート、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、ヘキサジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ビスペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、及びプロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。
多官能アクリル化合物(A1)のアクリル当量は、150g/eq以下であることが好ましく、90g/eq以上150g/eq以下であることがより好ましい。多官能アクリル化合物(A1)の重量平均分子量は、例えば100以上1000以下であり、200以上800以下がより好ましい。
多官能アクリル化合物(A1)は、ベンゼン環、脂環及び極性基のうち少なくとも一つを有する化合物を含むことが好ましい。極性基は、例えばOH基及びNHCO基のうち少なくとも一方である。この場合、組成物(X)が硬化する際の収縮を特に低減できる。さらに、硬化物と無機材料製の部材との間の密着性を高めることもできる。多官能アクリル化合物(A1)は、特にトリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びペンタトリエストールテトラアクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有することが好ましい。これらの化合物は、組成物(X)が硬化する際の収縮を特に低減できる。さらに、これらの化合物は、硬化物と無機材料製の部材との間の密着性を高めることもできる。
アクリル化合物(A)は、一分子中に一つのみの(メタ)アクリロイル基を有する単官能アクリル化合物(A2)を含有することも好ましい。単官能アクリル化合物(A2)は、組成物(X)の硬化時の収縮を抑制できる。
アクリル化合物(A)全量に対する単官能アクリル化合物(A2)の量は、0質量%より多く50質量%以下であることが好ましい。単官能アクリル化合物(A2)の量が0質量%より多ければ、組成物(X)の硬化時の収縮を抑制できる。また、単官能アクリル化合物(A2)の量が50質量%以下であれば、多官能アクリル化合物(A1)の量が50質量%以上になりうることで、硬化物及び封止材5の耐熱性を特に向上できる。単官能アクリル化合物(A2)の量が5質量%以上であれば更に好ましく、30質量%以下であることも更に好ましい。
単官能アクリル化合物(A2)は、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボロニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジキシルエチルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクチル/デシルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化(4)のニルフェノールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレートのエチレンオキサイド付加物、2−フェノキシエチルアクリレートのプロピレンオキサイド付加物、アクリロイルモルホリン、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド及び3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイドからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。
単官能アクリル化合物(A2)は、脂環式構造を有する化合物及び環状エーテル構造を有する化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有してもよい。
脂環式構造を有する化合物は、例えばフェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレートのエチレンオキサイド付加物、2−フェノキシエチルアクリレートのプロピレンオキサイド付加物、アクリロイルモルホリン、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。
環状エーテル構造を有する化合物における環状エーテル構造の環員数は3以上が好ましく、3以上4以下がより好ましい。環状エーテル構造に含まれる炭素原子数は、2以上9以下が好ましく、2以上6以下がより好ましい。環状エーテル構造を有する化合物は、例えば3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド及び3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイドからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。
アクリル化合物(A)は、25℃での粘度が20mPa・s以下である少なくとも一種の化合物からなる成分(a)を含有することが好ましい。この場合、成分(a)は、組成物(X)を低粘度化できる。成分(a)に含まれる化合物は、多官能アクリル化合物(A1)に含まれる化合物であってもよく、単官能アクリル化合物(A2)に含まれる化合物であってもよい。
アクリル化合物(A)全量に対する成分(a)の割合は、50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)を特に低粘度化でき、組成物(X)をインクジェット法で特に塗布しやすくなる。成分(a)の割合は、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。また、成分(a)の割合は、95質量%以下であることもより好ましく、90質量%以下であることも更に好ましい。
成分(a)は、80℃以上のガラス転移温度を有する化合物を含有することが好ましい。すなわち、成分(a)は、25℃での粘度が20mPa・s以下であり、かつ80℃以上のガラス転移温度を有する化合物を含有することが好ましい。この場合、成分(a)は、組成物(X)を低粘度化しながら、硬化物のガラス転移温度を高めることができる。成分(a)は、90℃以上のガラス転移温度を有する化合物を含有すればより好ましく、100℃以上のガラス転移温度を有する化合物を含有すれば更に好ましい。成分(a)に含まれる化合物のガラス転移温度の上限に制限はないが、例えば150℃以下である。
成分(a)は、例えばイソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジメタクリレート及びポリエチレングリコール200ジアクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。
アクリル化合物(A)は、ジシクロペンタジエン骨格、ジシクロペンタニル骨格、ジシクロペンテニル骨格、及びビスフェノール骨格からなる群から選択される少なくとも一種の骨格を有する化合物からなる成分(b)を含有してもよい。成分(b)は、硬化物と無機材料製の部材との間の密着性を高めることができる。成分(b)に含まれる化合物は、多官能アクリル化合物(A1)に含まれる化合物であってもよく、単官能アクリル化合物(A2)に含まれる化合物であってもよい。成分(b)に含まれる化合物は、成分(a)に含まれる化合物であってもよい。
アクリル化合物(A)全量に対する成分(b)の割合は、5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。成分(b)の割合が5質量%以上であると、硬化物の密着性がより高まる。また、成分(b)の割合が50質量%以下であると、組成物(X)の最大ピーク値を低くすることができ、さらに組成物(X)の粘度を低くして組成物(X)をインクジェット法で成形しやすくできる。成分(b)の割合は、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以下であることも更に好ましい。なお、アクリル化合物(A)が成分(b)を含有しなくてもよく、この場合、組成物(X)の最大ピーク値を特に低くできる。
成分(b)は、例えばトリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート及びビスフェノールFポリエトキシジアクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。
アクリル化合物(A)は、下記式(100)に示す化合物、モルホリンアクリレート、ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びペンタメチルピペリジルメタクリレ−トからなる群から選択される少なくとも一種の成分である成分(c)を含有することも好ましい。成分(c)によって、組成物(X)から作製される封止材5に、パッシベーション層6といった無機材料製の部材との密着性が付与されうる。成分(c)に含まれる化合物は、成分(a)に含まれる化合物であってもよい。
式(100)において、R0はH又はメチル基である。Xは単結合又は二価の炭化水素基である。R1からR11の各々はH、アルキル基又は−R12−OH、R12はアルキレン基でありかつR1からR11のうち少なくとも一つはアルキル基又は−R12−OHである。R1からR11は互いに化学結合していない。
Xが二価の炭化水素基である場合、Xの炭素数は1以上5以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましい。二価の炭化水素基は、例えばメチレン基、エチレン基又はプロピレン基である。Xが単結合又はメチレン基であれば特に好ましい。この場合、化合物(A1)が分子量が小さく低粘度であるという利点がある。
1からR11のうち少なくとも一つがアルキル基である場合、アルキル基の炭素数は1以上8以下であることが好ましい。アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基である。アルキル基は直鎖状であって分岐を有してもよい。すなわち、例えばアルキル基がブチル基である場合、ブチル基は、t−ブチル基でもよく、n−ブチル基でもよく、sec−ブチル基でもよい。アルキル基がヘキシル基である場合、ヘキシル基は、t−ヘキシル基でもよく、n−ブチル基でもよく、sec−ブチル基でもよい。アルキル基がオクチル基である場合、オクチル基は例えばt−オクチル基でもよい。アルキル基がメチル基又はt−ブチル基であれば特に好ましい。この場合、化合物(A1)が分子量が小さく低粘度であるという利点がある。
式(100)において、シクロヘキサン環の4位のみに、アルキル基又は−R12−OHが接続していることが好ましい。すなわち、R1からR11のうち、R6及びR7の少なくとも一方がアルキル基又は−R12−OHであり、残りの各々がHであることが、好ましい。R1からR11のうち、R6のみがアルキル基又は−R12−OHであり、残りの各々がHであることが、特に好ましい。この場合、式(100)に示す化合物は、良好な反応性を有することができ、かつ封止材5に無機材料製の部材との密着性を特に付与しやすい。これは、式(100)に示す化合物におけるシクロヘキサン環がボート型の立体配座を有し、かつ4位にある嵩高いアルキル基又は−R12−OHが擬エクアトリアル位に位置しやすいためであると、考えられる。式(100)に示す化合物がこのような構造を有することで、式(100)に示す化合物における(メタ)アクリロイル基の反応性が高められると考えられる。また、式(100)に示す化合物がこのような構造を有すると、式(1)に示す化合物は、封止材5中の自由体積を大きくしうる。そのため封止材5と無機材料製の部材との間の界面自由エネルギーが小さくなりやすく、そのため封止材5と無機材料製の部材との密着性が高くなりやすいと、考えられる。アルキル基又は−R12−OHが嵩高いほど、アルキル基又は−R12−OHが擬エクアトリアル位に位置しやすくなる。この観点からすると、アルキル基又は−R12−OHの炭素数が多いほど好ましく、またアルキル基又は−R12−OHが分岐を有していることが好ましい。例えばアルキル基又は−R12−OHがt−ブチル基であることが好ましい。
式(100)において、シクロヘキサン環の3位及び5位の各々のみに、アルキル基又は−R12−OHが接続していることも好ましい。すなわち、R1からR11のうち、R4及びR5の少なくとも一方がアルキル基又は−R12−OHであり、R8及びR9の少なくとも一方がアルキル基又は−R12−OHであり、残りの各々がHであることが、好ましい。R1からR11のうち、R4及びR5の一方のみがアルキル基又は−R12−OHであり、R8及びR9の少なくとも一方がアルキル基又は−R12−OHであり、残りの各々がHであることが、より好ましい。R1からR11のうち、R4及びR5の少なくとも一方がアルキル基又は−R12−OHであり、R8及びR9の一方のみがアルキル基又は−R12−OHであり、残りの各々がHであることも、より好ましい。この場合も、式(100)に示す化合物は、良好な反応性を有することができ、かつ封止材5に無機材料製の部材との密着性を特に付与しやすい。これは、式(100)に示す化合物におけるシクロヘキサン環がボート型の立体配座を有し、かつ3位と5位の各々における嵩高いアルキル基又は−R12−OHが擬エクアトリアル位に位置しやすいためであると、考えられる。このために、シクロヘキサン環の4位のみにアルキル基又は−R12−OHが接続している場合と同様に、式(100)に示す化合物における(メタ)アクリロイル基の反応性が高められ、かつ封止材5と無機材料製の部材との密着性が高くなりやすいと、考えられる。アルキル基又は−R12−OHが嵩高いほど、アルキル基又は−R12−OHが擬エクアトリアル位に位置しやすくなる。この観点からすると、アルキル基又は−R12−OHの炭素数が多いほど好ましく、またアルキル基又は−R12−OHが分岐を有していることが好ましい。例えばアルキル基又は−R12−OHがt−ブチル基であることが好ましい。
1からR11のうち少なくとも一つが−R12−OHである場合、R12の炭素数は1以上5以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましい。R12は、例えばメチレン基、エチレン基又はプロピレン基である。R12はがメチレン基であれば特に好ましい。この場合、化合物(A1)が分子量が小さく低粘度であるという利点がある。
式(100)において、R1からR11の各々がH又はアルキル基であり、かつR1からR11のうち少なくとも一つがアルキル基であれば、特に好ましい。この場合、式(100)に示す化合物は、特に低い粘度を有することができ、そのため組成物(X)が特に低い粘度を有することができる。そのため、組成物(X)をインクジェット法で特に成形しやすくなる。
成分(c)は、下記式(110)に示す化合物、下記式(120)に示す化合物及び下記式(130)に示す化合物からなる群から選択される、少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。この場合、組成物(X)が硬化する際の収縮を特に低減できる。さらに、これらの化合物は、硬化物と無機材料製の部材との間の密着性を特に高めることもできる。
化合物(A1)が、式(110)に示す化合物と式(120)に示す化合物とのうち少なくとも一方を含有すれば、特に好ましい。この場合、組成物(X)を特に低粘度化しやすく、封止材5のガラス転移温度を特に高めやすく、更に封止材5と無機材料製の部材との密着性を特に高めやすい。また、式(110)に示す化合物及び式(120)に示す化合物は、揮発しにくいため、組成物(X)の保存安定性を向上させやすい。
また、化合物(A1)がモルホリンアクリレート、ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びペンタメチルピペリジルメタクリレ−トからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することも好ましい。これらの化合物は、窒素を含むことで無機材料との良好な親和性を有し、そのため封止材5と無機材料製の部材との密着性を特に高めやすい。また、これらの化合物の粘度は低く、そのため、これらの化合物は組成物(X)の粘度を増大させにくい。さらに、これらの化合物は揮発しにくいため、組成物(X)の保存安定性を向上させやすい。
アクリル化合物(A)全体に対する、成分(c)の量は、5質量%以上80質量%以下であることが好ましい。この場合、封止材5は、高いガラス転移温度と無機材料製の部材との密着性とを両立できる。成分(c)の量は5質量%以上60質量%以下であればより好ましく、5質量%以上50質量%以下であれば特に好ましい。
アクリル化合物(A)は窒素を有する化合物を含有しないことが好ましい。このため、アクリル化合物(A)は、上記のモルホリンアクリレート、ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びペンタメチルピペリジルメタクリレ−トのいずれも含有しないことが好ましい。この場合、組成物(X)の保存中に組成物(X)の粘度上昇が起こりにくい。これは、組成物(X)が窒素を有する化合物及び吸湿剤(C)を含有すると、窒素を有する化合物と吸湿剤(C)とが反応しやすいためであると考えられる。
アクリル化合物(A)は、(メタ)アクリロイル基以外に極性基を有さない化合物を、アクリル化合物(A)全体に対して50質量%以上含むことが好ましい。この場合、アクリル化合物(A)は分散剤(D)と良好な親和性を有することで、吸湿剤(D)の分散性が特に高くなりやすい。なお、極性基とは、例えば窒素を含む基及び酸素を含む基である。(メタ)アクリロイル基以外に極性基を有さない化合物とは、例えば(メタ)アクリロイル基以外の分子骨格が炭素及び水素のみで構成された化合物である。(メタ)アクリロイル基以外に極性基を有さない化合物の量は、60質量%以上であればより好ましく、80質量%以上であれば更に好ましい。
組成物(X)は、アクリル化合物(A)以外のラジカル重合性化合物(E)を更に含有してもよい。ラジカル重合性化合物(E)は、一分子に二つ以上のラジカル重合性官能基を有する多官能ラジカル重合性化合物(E1)と、一分子に一つのみのラジカル重合性官能基を有する単官能ラジカル重合性化合物(E2)とのうち、いずれか一方又は両方を含有できる。アクリル化合物(A)とラジカル重合性化合物(E)との合計量に対するラジカル重合性化合物(E)の量は、例えば10質量%以下である。多官能ラジカル重合性化合物(E1)は、例えば一分子中にエチレン性二重結合を2つ以上有する芳香族ウレタンオリゴマー、脂肪族ウレタンオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー及びその他特殊オリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有してもよい。単官能ラジカル重合性化合物(E2)は、例えばN−ビニルホルムアミド、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。
光ラジカル重合開始剤(B)は、紫外線が照射されるとラジカル種を生じさせる化合物であれば、特に制限されない。光ラジカル重合開始剤(B)は、例えば芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。組成物(X)100質量部に対する光ラジカル重合開始剤(B)の量は、例えば1重量部以上10質量部以下である。
組成物(X)は、光ラジカル重合開始剤(B)に加えて、重合促進剤を含有してもよい。重合促進剤は、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチルといったアミン化合物を含有する。
光ラジカル重合開始剤(B)は、この光ラジカル重合開始剤(B)の一部として増感剤を含有してもよい。増感剤は、光ラジカル重合開始剤(B)のラジカル生成反応を促進させて、ラジカル重合の反応性を向上させ、かつ架橋密度を向上させうる。増感剤は、例えば9,10−ジブトキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アントラキノン、1,2−ジヒドロキシアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ジエトキシナフタレン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、及びp−ジエチルアミノベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。
組成物(X)中の増感剤の含有量は、例えば組成物(X)の固形分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であり、好ましくは0.1質量部以上3質量部以下である。増感剤の含有量がこのような範囲であれば、空気中で組成物(X)を硬化させることができ、組成物(X)の硬化を窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行う必要がなくなる。
組成物(X)は、光ラジカル重合開始剤(B)に加えて、重合促進剤を含有してもよい。重合促進剤は、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチルといったアミン化合物を含有する。
吸湿剤(C)は、吸湿性を有する無機粒子であることが好ましく、例えばゼオライト粒子、シリカゲル粒子、塩化カルシウム粒子、及び酸化チタンナノチューブ粒子からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。吸湿剤(C)がゼオライト粒子を含有することが特に好ましい。
平均粒径200nm以下のゼオライト粒子は、例えば一般的な工業用ゼオライトを粉砕することで製造できる。ゼオライト粒子を製造するに当たって、ゼオライトを粉砕してから水熱合成などによって結晶化させてもよく、この場合、ゼオライト粒子は特に高い吸湿性を有することができる。このようなゼオライト粒子の製造方法は、特開2016−69266号公報、特開2013−049602号公報などに開示されている。
ゼオライト粒子は、ナトリウムイオンを含有するゼオライトを原料として作製されることが好ましく、ナトリウムイオンを含有するゼオライトのうちA型ゼオライト、X型ゼオライト及びY型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種を原料とすることがより好ましい。ゼオライト粒子が、A型ゼオライトのうち4A型ゼオライトを原料として作製されることが特に好ましい。これらの場合、ゼオライト粒子は、水分の吸着に好適な結晶構造を有する。
平均粒径200nm以下のゼオライト粒子の製造方法の一具体例を示す。まず、原料であるゼオライト粉を準備し、このゼオライト粉を物理粉砕する。例えばゼオライト粉を水と混合してスラリーを調製し、このスラリーをビーズミル粉砕機にかけることで、ゼオライト粉を物理粉砕できる。
続いて、水熱合成によりゼオライト粉を結晶化させる。例えば物理粉砕後のゼオライト粉を含むスラリーを、オートクレーブで加熱することで、水熱合成を行うことができる。水熱合成の条件は、例えば加熱温度150〜200℃の範囲内、加熱時間15〜24時間の範囲内である。
続いて、ゼオライト粉を乾燥する。乾燥温度は例えば150〜200℃の範囲内であり、乾燥時間は例えば2〜3時間の範囲内である。続いて、必要に応じ、乾燥後のゼオライト粉を乳鉢などを用いて解砕してから篩いにかけることで粒径を整える。
続いて、必要に応じ、ゼオライト粉にイオン交換処理を施す。特にゼオライト粉がLTAなどのナトリウムを含むゼオライトである場合は、ゼオライト粉中のナトリウムをマグネシウムと交換するイオン交換処理を施すことが好ましい。
イオン交換処理は、例えばゼオライト粉を、マグネシウムイオンを含有する水溶液中に分散させて混合物を調製し、この混合物を加熱することで行われる。より具体的には、イオン交換処理は例えば次のように行われる。まずゼオライト粉を、塩化マグネシウム及び水と混合し、得られた混合物を加熱しながら撹拌する処理をする。この処理の間、撹拌を一時的に停止してから混合物の上澄みを捨て、続いて混合物に水を補充してから撹拌を再開するという操作を、適当な間隔をあけて複数回繰り返すことが好ましい。この処理における加熱温度は40〜80℃の範囲内、処理時間は6〜8時間の範囲内であることが好ましい。
イオン交換処理を施した場合、続いて、ゼオライト粉を乾燥する。乾燥温度は例えば150〜200℃の範囲内であり、乾燥時間は例えば2〜3時間の範囲内である。続いて、必要に応じ、乾燥後のゼオライト粉を乳鉢などを用いて解砕してから篩いにかけることで粒径を整える。これにより、平均粒径200nm以下のゼオライト粒子を得ることができる。
ゼオライト粉の結晶化を、シリケート及びアルカリ金属酸化物の存在下で行うこともできる。その場合の平均粒径200nm以下のゼオライト粒子の製造方法の具体例を示す。まず、ゼオライト粉を準備する。ゼオライト粉は、aM12O・bSiO2・Al23・cMeの組成を有することが好ましい。M1はアルカリ金属、プロトン、又はアンモニウムイオン(NH4 +)であり、Meはアルカリ土類金属であり、aは0.01〜1の範囲内の数であり、bは20〜80の範囲内の数であり、cは0〜1の範囲内の数である。ゼオライト粉は、ナトリウムイオンを含有するゼオライトを含むことが好ましく、ナトリウムイオンを含有するゼオライトのうちA型ゼオライト、X型ゼオライト及びY型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含むことがより好ましい。ゼオライト粉がA型ゼオライトのうち4A型ゼオライトを含むことが特に好ましい。このゼオライト粉を物理粉砕する。例えばゼオライト粉をビーズミル粉砕機にかけることで、ゼオライト粉を物理粉砕できる。
物理粉砕後のゼオライト粉を、M22O、SiO2及びH2Oを含有する溶液に分散させ、スラリーを調製する。M2はアルカリ金属であり、好ましくはK又はNaである。M22O/H2Oのモル比は例えば0.003〜0.01の範囲内であり、SiO2/H2Oのモル比は例えば0.006〜0.025の範囲内である。ゼオライト粉の量は、例えば溶液100mlに対して0.5〜10gである。
このスラリーをオートクレーブで加熱することで、ゼオライト粉の結晶化を行うことができる。その条件は、例えば加熱温度100〜230℃の範囲内、加熱時間1〜24時間の範囲内である。続いて、ゼオライト粉を洗浄してから乾燥させる。これにより、平均粒径200nm以下のゼオライト粒子を得ることができる。
ゼオライト粒子のpHは7以上10以下であることが好ましい。ゼオライト粒子のpHが7以上であると、ゼオライト粒子の結晶が破壊されにくくなり、そのためゼオライト粒子を含有する組成物(X)から作製された封止材が特に高い吸湿性を有することができる。また、ゼオライト粒子のpHが10以下であると、組成物(X)を硬化させる場合にゼオライト粒子が硬化を阻害しにくい。
なお、ゼオライト粒子のpHは、イオン交換水99.95gにゼオライト粒子0.05gを入れて得られた分散液を、90℃で24時間加熱してから、分散液の上澄みのpHをpH測定器で測定することで得られる値である。pH測定器としては、例えば堀場製作所製のコンパクトpHメータ<LAQUAtwin>B−711を用いることができる。
ゼオライト粒子のpHが7以上10以下であるためには、ゼオライト粒子が、カウンターカチオンとしてプロトンを有するFAU Y型のゼオライトからなることが好ましい。
ゼオライト粒子を作製する過程において、ゼオライトの水熱合成を行う場合に、pHの調整のための処理を施してもよい。pHの調整のための処理は、例えば水熱合成のために調製されたゼオライト粉を含むスラリーを加熱する前、スラリーの加熱中、又はスラリーの加熱後に行われる。pHの調整は、例えばスラリーに酸を添加することで行われる。酸は、例えば塩酸、硫酸、硝酸といった無機酸と、ギ酸、酢酸、シュウ酸といった有機酸とからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
吸湿剤(C)の平均粒径は、10nm以上200nm以下であることが好ましい。この平均粒径が200nm以下であれば、硬化物は特に高い透明性を有することができる。また、この平均粒径が10nm以上であれば、吸湿剤(C)の良好な吸湿性を維持できる。なお、この平均粒径は、動的光散乱法による測定結果から算出されるメディアン径、すなわち累積50%径(D50)である。なお、測定装置としては、マイクロトラック・ベル株式会社のナノトラックNanotrac Waveシリーズを用いることができる。
吸湿剤(C)の平均粒径は、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であれば更に好ましく、70nm以下であれば特に好ましい。また、吸湿剤(C)の平均粒径が20nm以上であることが好ましく、50nm以上であればより好ましい。この場合、硬化物は、特に良好な透明性と吸湿性とを有することができる。
吸湿剤(C)の累積90%径(D90)が300nm以下であることが好ましく、100nm以下であれば更に好ましい。この場合、硬化物は特に高い透明性を有することができる。
組成物(X)の全量に対する吸湿剤(C)の割合は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。吸湿剤(C)の割合が1質量%以上であれば硬化物は特に高い吸湿性を有することができる。また、吸湿剤(C)の割合が20質量%以下であれば組成物(X)の粘度を特に低減でき、組成物(X)がインクジェット法で塗布可能な程度の十分な低粘度を有することもできる。吸湿剤(C)の割合は、3質量%以上であれば更に好ましく、5質量%以上であれば特に好ましい。また、吸湿剤(C)の割合は、15質量%以下であればより好ましく、13質量%以下であれば特に好ましい。
組成物(X)は、吸湿剤(C)以外の無機充填材を更に含有してもよい。特に、組成物(X)は、ナノサイズの高屈折率粒子を含有することが好ましい。高屈折率粒子の例はジルコニア粒子を含む。組成物(X)が高屈折率粒子を含有すると、硬化物の良好な透明性を維持しながら、硬化物を高屈折率化することができる。そのため、硬化物を有機EL発光装置1における封止材5に適用した場合に、封止材5を透過して外部へ出射する光の取り出し効率を向上することができる。高屈折率粒子の平均粒径は、5〜30nmの範囲内であることが好ましく、10〜20nmの範囲内であれば更に好ましい。
組成物(X)中の高屈折率粒子の割合は、硬化物が所望の屈折率を有するように適宜設計される。特に高屈折率粒子は、硬化物の屈折率が1.45以上、1.55未満の範囲内になるように組成物(X)に含有されることが好ましい。この場合、有機EL発光装置1の光の取り出し効率が特に向上する。
分散剤(D)は、吸湿剤(C)に吸着しうる界面活性剤である。分散剤(D)は、吸湿剤(C)の粒子に吸着されうる吸着基(一般にアンカーともいう)と、吸着基が吸湿剤(C)の粒子に吸着することでこの粒子に付着する分子骨格(一般にテールともいう)とを、有する。分散剤(D)は、例えばテールがアクリル系の分子鎖であるアクリル系分散剤と、テールがウレタン系の分子鎖であるウレタン系分散剤と、テールがポリエステル系の分子鎖であるポリエステル系分散剤とからなら群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
分散剤(D)は、ポリマーを含んでもよい。ポリマーの重量平均分子量は例えば1000以上である。ポリマーは、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、及びステアリルアミンアセテートからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。分散剤(D)がポリマーを含有すると、ポリマーが吸湿剤(C)の粒子に吸着した際に生じる立体障害効果が向上することで、吸湿剤(C)の分散性が向上しうる。
分散剤(D)は、上記のとおり、一分子中に2つ以上の吸着基を有する。このため、分散剤(D)は、吸湿剤(C)を良好に分散させることができる。これは、分散剤(D)の分子が2つ以上の吸着基を有することで、吸着基が吸湿剤(C)の粒子に接触する機会が多くなり、このため吸湿剤(C)の粒子に分散剤(D)の分子が付着しやすいからであると考えられる。このため、組成物(X)の硬化物及び封止材5が吸湿剤(C)を含有するにもかかわらず、硬化物及び封止材5の透明性が吸湿剤(C)によって低下されにくい。また、組成物(X)の保管中における吸湿剤(C)の凝集が効果的に抑制され、そのため組成物(X)の保存安定性が吸湿剤(C)によって低下しにくい。また、分散剤(D)は、組成物(X)の硬化物と無機材料製の部材との密着性を阻害しにくい。これは、前記のとおり吸湿剤(C)の粒子に分散剤(D)の分子が付着しやすいことから、組成物(X)中及びその硬化物中に分散剤(D)の遊離の分子が生じにくく、そのため遊離の分子による密着性の阻害が起こりにくいためであると、考えられる。このため、封止材5はガラス製の基材との高い密着性を有することができる。また、窒化ケイ素及び酸化ケイ素は有機EL発光装置1におけるパッシベーション層6の材料として使用されることがある。このため、パッシベーション層6が窒化ケイ素又は酸化ケイ素から作製されている場合、封止材5はパッシベーション層6と高い密着性を有することができる。また、分散剤(D)は、硬化物及び封止材5からアウトガスを発生させにくい。これは、前記のとおり分散剤(D)の遊離の分子が生じにくいため、遊離の分子に起因するアウトガスが生じにくいからであると考えられる。
分散剤(D)における吸着基は、酸性の官能基と塩基性の官能基とからなる群から選択される少なくとも一種の基を含むことが好ましい。この場合、分散剤(D)は、吸湿剤(C)を特に良好に分散させることができる。吸着基は、適宜の保護基で保護されていてもよい。吸湿剤(C)がゼオライト粒子を含有する場合、吸着基は特にリン酸基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の基を含むことが好ましい。この場合、分散剤(D)は、ゼオライト粒子を特に良好に分散させることができる。吸着基がリン酸基を含む場合は更に好ましい。リン酸基、カルボキシル基及びアミノ基の各々は、保護基で保護されていてもよい。
吸着基が酸性の官能基を含む場合、分散剤(D)の酸価は200mgKOH/g以下であることが好ましい。この場合、分散剤(D)が吸湿剤(C)の粒子に吸着することなく組成物(X)中のアクリル化合物(A)と反応してしまう事態が起こりにくい。そのため、吸湿剤(C)の分散性が向上しやすい。分散剤(D)の酸価は150mgKOH/g以下であればより好ましく、100mgKOH/g以下であれば更に好ましい。また、分散剤(D)の酸価は、例えば10mgKOH/g以上である。
分散剤(D)は、例えば両末端型分散剤、櫛型分散剤、側鎖末端型分散剤及び超分岐型分散剤からなる群から選択される少なくとも一種を含有できる。両末端型分散剤はテールの両末端に吸着基が結合した構造を有する。櫛型分散剤は、主鎖と複数の側鎖とを有する櫛型のテールの主鎖に複数の吸着基がある構造を有する。側鎖末端型分散剤は、主鎖と複数の側鎖とを有するテールの側鎖の末端に吸着基が結合し、又は更に主鎖の一方若しくは両方の末端に吸着基が結合した構造を有する。超分岐型分散剤は、吸着基を有する核が、分岐したテールで覆われた構造を有する。
分散剤(D)が両末端型分散剤、櫛型分散剤、及び側鎖末端型分散剤からなる群から選択される少なくとも一種を含有すると、分散剤(D)は組成物(X)の粘度を上昇させにくい。分散剤(D)が両末端型分散剤を含有すると、分散剤(D)は組成物(X)の粘度を特に上昇させにくい。これは、両末端型分散剤、櫛型分散剤又は側鎖末端型分散剤を用いる場合、特に側鎖末端型分散剤を用いる場合には、超分岐型分散剤を用いる場合と比較して、吸湿剤(C)の粒子に付着したテール同士が絡み合いにくいことが一因であると考えられる。分散剤(D)が組成物(X)の粘度を上昇させにくければ、分散剤(D)以外の成分の選択の自由度が高くなり、例えばやや高粘度であっても組成物(X)の機能を向上させうる成分を組成物(X)に配合し、かつ組成物(X)の粘度を低く維持することができる。例えば、アクリル化合物(A)が多官能アクリル化合物(A1)を含有すると、多官能アクリル化合物(A1)は比較的粘度が高いために組成物(X)の粘度を上昇させる傾向があるが、分散剤(D)が組成物(X)の粘度を上昇させにくい場合には、組成物(X)が多官能アクリル化合物(A1)を含有しても、組成物(X)の粘度を低く維持しやすい。このため、多官能アクリル化合物(A1)による、硬化物のガラス転移温度の上昇及び硬化物と無機材料製の部材との向上という作用を得やすくなる。
分散剤(D)が櫛型分散剤、側鎖末端型分散剤及び超分岐型分散剤からなる群から選択される少なくとも一種を含有すると、分散剤(D)は、吸着剤(C)を特に分散させやすく、かつ組成物(X)の硬化物と無機材料製の部材との間の密着性を阻害しにくい。その理由は、分散剤(D)の分子が吸湿剤(C)の粒子に特に吸着しやすく、かつそのために分散剤(D)の遊離の分子が生じにくくなるからであると考えられる。
分散剤(D)の粘度は50000mPa・s以下であることが好ましい。この場合、分散剤(D)は、組成物(X)の粘度を上昇させにくい。分散剤(D)の粘度は20000mPa・s以下であればより好ましく、10000mPa・s以下であれば特に好ましい。
分散剤(D)の沸点は200℃以上であることが好ましい。この場合、組成物(X)から分散剤(D)が揮発しにくいことから、組成物(X)の保存安定性が更に向上する。
分散剤(D)の重量平均分子量は200000以下であることが好ましい。この場合、分散剤(D)が低い粘度を有しやすい。重量平均分子量は100000以下であることがより好ましく、50000以下であれば更に好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定結果から得られる、ポリスチレン換算の相対重量平均分子量である。
分散剤(D)が両末端型分散剤を含有する場合、両末端型分散剤は、例えばルーブリゾール社製の品番SOLSPERSE41000(吸着基としてリン酸基を有する両末端型分散剤、酸価50mgKOH/g、アミン価0mgKOH/g、粘度1500mP・s、沸点200℃以上)及びルーブリゾール社製の品番SOLSPERSE45000(吸着基としてリン酸基を有する両末端型分散剤、酸価235mgKOH/g、アミン価0mgKOH/g、粘度1500mP・s、沸点200℃以上)からなる群から選択される少なくとも一種を含有できる。
分散剤(D)が櫛型分散剤を含有する場合、櫛型分散剤は、例えばルーブリゾール社製の品番SOLSPERSE32000(吸着基としてアミノ基を有する櫛型分散剤、酸価15mgKOH/g、アミン価31mgKOH/g、粘度14000mP・s、沸点200℃以上)及びルーブリゾール社製の品番SOLSPERSE36000(吸着基としてリン酸基を有する櫛型分散剤、酸価15mgKOH/g、アミン価0mgKOH/g、粘度15000mP・s、沸点200℃以上)からなる群から選択される少なくとも一種を含有できる。
分散剤(D)が側鎖末端型分散剤を含有する場合、側鎖末端型分散剤は、例えば綜研化学社製の品名アクトフローCBB3098(吸着基としてカルボキシル基を有する側鎖末端型分散剤、酸価98mgKOH/g、アミン価0mgKOH/g、粘度9000mPa・s、沸点200℃以上)及び綜研化学社製の品名アクトフローCB3060(吸着基としてカルボキシル基を有する側鎖末端型分散剤、酸価60mgKOH/g、アミン価0mgKOH/g、粘度1200mPa・s、沸点200℃以上)からなる群から選択される少なくとも一種を含有できる。
分散剤(D)が超分岐型分散剤を含有する場合、超分岐型分散剤は、例えばビックケミー社製の品番DISPERBYK−2152(吸着基として保護基で保護されたリン酸基を有する超分岐型分散剤、酸価0mgKOH/g、アミン価0mgKOH/g、粘度20000mPa・s、沸点200℃以上)を含有できる。なお、DISPERBYK−2152においては、リン酸基は保護基で保護されているため、酸価は測定されない。
吸湿剤(C)に対する分散剤(D)の量は、40質量%以下であることが好ましい。この場合、分散剤(D)は、組成物(X)の硬化物と無機材料製の部材との間の密着性を特に阻害しにくく、かつアウトガスが特に発生しにくい。これは、分散剤(D)の遊離の分子が特に生じにくいためであると考えられる。分散剤(D)の量が35質量%以下であればより好ましく、30質量%以下であれば更に好ましい。吸湿剤(C)に対する分散剤(D)の量が5質量%以上であることも好ましい。この場合、分散剤(D)は吸湿剤(C)を特に良好に分散させることができる。分散剤(D)の量が10質量%以上であればより好ましく、15質量%以上であれば更に好ましい。
組成物(X)は、溶剤を含有しないことが好ましい。この場合、組成物(X)から硬化物を作製する際に組成物(X)を乾燥させて溶剤を揮発させるような必要がなくなる。また、組成物(X)の保存安定性が更に高くなる。
上述の成分を混合することで、組成物(X)を調製できる。組成物(X)は25℃で液状であることが好ましい。
3.封止材の作製方法及び有機EL発光装置の製造方法
組成物(X)を用いる封止材5の作製方法及び有機EL発光装置1の製造方法について説明する。
本実施形態では、組成物(X)をインクジェット法で成形してから、組成物(X)に紫外線を照射して硬化することで、封止材5を作製することが好ましい。本実施形態では、インクジェット法で組成物(X)を塗布して成形することが可能である。
組成物(X)をインクジェット法で塗布するに当たっては、組成物(X)が常温で十分に低い粘度を有する場合、例えば25℃における粘度が30mPa・s以下、特に15mPa・s以下である場合には、組成物(X)を加熱せずにインクジェット法で塗布することで成形できる。
組成物(X)が加熱されることで低粘度化する性質を有する場合、組成物(X)を加熱してから組成物(X)をインクジェット法で塗布して成形してもよい。組成物(X)の40℃における粘度が30mPa・s以下、特に15mPa・s以下である場合、組成物(X)を僅かに加熱しただけで低粘度化させることができ、この低粘度化した組成物(X)をインクジェット法で吐出することができる。組成物(X)の加熱温度は、例えば20℃以上50℃以下である。
より具体的には、例えばまず、支持基板2を準備する。この支持基板2の一面上に隔壁を、例えば感光性の樹脂材料を用いてフォトリソグラフィ法で作製する。続いて、支持基板2の一面上に複数の有機EL素子4を設ける。有機EL素子4は、蒸着法、塗布法といった適宜の方法で作製できる。特に有機EL素子4を、インクジェット法といった塗布法で作製することが好ましい。これにより、支持基板2に素子アレイ9を作製する。
次に、素子アレイ9の上に第一パッシベーション層61を設ける。第一パッシベーション層61は、例えばプラズマCVD法といった蒸着法で作製できる。
次に、第一パッシベーション層61の上に組成物(X)を、例えばインクジェット法で成形して、塗膜を作製する。有機EL素子4の形成と組成物(X)の塗布のいずれにもインクジェット法を適用すれば、有機EL発光装置1の製造効率を特に向上できる。続いて、塗膜に紫外線を照射することで硬化させて、封止材5を作製する。封止材5の厚みは例えば5μm以上50μm以下である。
次に、封止材5の上に第二パッシベーション層62を設ける。第二パッシベーション層62は、例えばプラズマCVD法といった蒸着法で作製できる。
次に、支持基板2の一面上に、第二パッシベーション層62を覆うように、紫外線硬化性の樹脂材料を設けてから、この樹脂材料に透明基板3を重ねる。透明基板3は、例えばガラス製基板又は透明樹脂製基板である。
次に外部から透明基板3へ向けて紫外線を照射する。紫外線は透明基板3を透過して紫外線硬化性の樹脂材料へ到達する。これにより、紫外線硬化性の樹脂材料が硬化し、第二封止材52が作製される。
1.組成物の調製
下記表の「組成」の欄に示す成分を混合することで、実施例及び比較例の組成物を調製した。
なお、表中に示される成分の詳細は次のとおりである。また、下記の各成分の粘度はレオメータ(アントンパール・ジャパン社製、型番DHR−2)を使用し、温度25℃、せん断速度1000s-1の条件で測定された値である。
(1)多官能アクリル化合物
・SR247:二官能のアクリル化合物であるネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度117℃、粘度6mPa・s、サートマー社製、品番SR247。
・SR268:二官能のアクリル化合物であるテトラエチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度23℃、粘度20mPa・s、サートマー社製、品番SR268。
・A−BPE−10:二官能のアクリル化合物であるエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度−12℃、粘度550mPa・s、新中村化学工業社製、品番A−BPE−10。
・SR351S:三官能のアクリル化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度62℃、粘度106mPa・s、サートマー社製。
(2)単官能アクリル化合物
・IBXA:イソボルニルアクリレート、ガラス転移温度97℃、粘度8mPa・s、大阪有機化学社製。
・FA−513AS:ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ガラス転移温度120、粘度13mPa・s、日立化成社製、品番FA−513AS。
(3)光重合開始剤
・Irgacure184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製、品名Irgacure184。
・IrgacureTPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、BASF社製、品名IrgacureTPO。
(4)吸湿剤
(4−1)ゼオライト粒子1
ゼオライト粒子1は、下記の方法で製造され、そのD50は60nm、そのD90は110nm、そのpHは10である。
出発物質のゼオライト粉として平均粒径5μmの4A型ゼオライト・ナトリウムイオンを用意し、このゼオライト粉100gとイオン交換水100gとを混合してスラリーを調製した。このスラリー中のゼオライト粉を、ジルコニアビーズを用いてビーズミル粉砕機で粉砕してから、スラリーを180℃の温度下で2〜3時間放置することで、微粉砕されたゼオライト粉を得た。このゼオライト粉を乳鉢で解砕してから、メッシュを通過させることで粒径を整えることで、ゼオライト粒子1を得た。
なお、ゼオライト粒子のpHは次の方法で測定した。ポリエチレン製の瓶にゼオライト粒子0.05gとイオン交換水99.95gとを入れてから、瓶を恒温槽に入れて、90℃で24時間加熱した。続いて、瓶の中の液の上澄みのpHを、堀場製作所製のコンパクトpHメータ<LAQUAtwin>B−711を用いて測定した。
(4−2)ゼオライト粒子2
ゼオライト粒子2は、下記の方法で製造され、そのD50は150nm、そのD90は250nm、そのpHは10である。
出発物質のゼオライト粉として平均粒径5μmの4A型ゼオライト・ナトリウムイオンを用意し、このゼオライト粉100gとイオン交換水100gとを混合してスラリーを調製した。このスラリー中のゼオライト粉を、ゼオライト粒子1の場合に準じた方法で、平均粒径が150nmになるように粉砕した。
続いて、スラリーを、180℃の温度下で2〜3時間放置することで、微粉砕されたゼオライト粉を得た。このゼオライト粉を乳鉢で解砕してから、メッシュを通過させることで粒径を整えることで、ゼオライト粒子2を得た。
(4−3)ゼオライト粒子3
ゼオライト粒子3は、表面処理が施されていない粉末品である東ソー製の品番ゼオラム4A、100メッシュパス品であり、そのD50は13μm、そのD90は30μm、そのpHは10である。
(5)分散剤
・CBB3098:吸着基としてカルボキシル基を有する側鎖末端型分散剤、酸価98mgKOH/g、粘度9000mP・s、重量平均分子量3000、綜研化学製、品番CBB3098。
・SOLSPERSE41000:吸着基としてリン酸基を有する液状の両末端型分散剤、酸価50mgKOH/g、粘度1500mP・s、重量平均分子量47000、ルーブリゾール社製、品番SOLSPERSE41000。
・SOLSPERSE32000:吸着基としてアミノ基とリン酸基とを有するワックス状の櫛型分散剤、アミン価31mgKOH/g、酸価15mgKOH/g、粘度14000mP・s、重量平均分子量3900、ルーブリゾール社製、品番SOLSPERSE32000。
・SOLSPERSE36000:吸着基としてリン酸基を有するワックス状の櫛型分型剤、酸価45mgKOH/g、粘度15000mP・s、重量平均分子量4100、ルーブリゾール社製、品番SOLSPERSE36000。
・DISPERBYK−2152:吸着基として保護基で保護されたリン酸基を有する超分岐型分散剤、酸価0mgKOH/g、粘度20000mP・s、重量平均分子量20000、ビックケミー社製、品番DISPERBYK−2152。
・DISPERBYK−111:吸着基としてリン酸基を有する液状の片末端型吸着剤、酸価129mgKOH/g、粘度900mP・s。
2.評価試験
実施例及び比較例について、次の評価試験を実施した。その結果を表に示す。
(1)粘度
組成物の粘度を、レオメータ(アントンパール・ジャパン社製、型番DHR−2)を使用して、温度25℃、せん断速度1000s-1の条件で測定した。
(2)透過率
組成物を塗布して塗膜を作製し、この塗膜を、パナソニック電工株式会社製のLED−UV照射器(ピーク波長365nm)を用いて、約30mW/cm2の条件で20秒間紫外線照射して光硬化させることで、厚み10μmのフィルムを作製した。このフィルムの、JIS K7361−1による全光線透過率を測定した。
(3)アウトガス評価
組成物の硬化物を加熱した場合のアウトガスをヘッドスペース法でサンプリングしてガスクロマトグラフにより測定した。ヘッドスペース用バイアルに組成物を100mg入れ、組成物に、パナソニック電工株式会社製のLED−UV照射器(ピーク波長365nm)を用いて紫外線を積算光量1500mJ/cm2の条件で照射して組成物を硬化させた後、バイアルを封止し、80℃で30分間加熱してから、バイアル中の気相部分をガスクロマトグラフに導入して分析した。その結果、発生したガスが300ppm以下であった場合を「A」、300ppmを超え500ppm未満であった場合を「B」、500ppm以上であった場合を「C」と評価した。
(4)インクジェット性
組成物をインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、形式PX−B700)のカートリッジに入れ、インクジェットプリンターにおけるノズルからカートリッジ内の組成物を吐出しうることを確認してから、ノズルから組成物を吐出させてテストパターンを連続で印刷した。その結果、組成物を1時間吐出できるとともに吐出動作が安定していた場合を「A」、組成物を1時間吐出できたが吐出動作が断続的に不安定になった場合を「B」、吐出開始から1時間経過前にノズルが詰まって組成物を吐出できなくなった場合を「C」と、評価した。
(5)密着性
石英ガラス片(寸法76mm×52mm×1mm)の表面上に、組成物を塗布して厚み50μmの塗膜を形成し、この塗膜の上に別の石英ガラス片(寸法76mm×52mm×1mm)を重ねた。続いて、塗膜を、パナソニック電工株式会社製のLED−UV照射器(ピーク波長365nm)を用いて、約30mW/cm2の条件で20秒間紫外線照射することで、硬化させた。次に、二つの石英ガラス片の間の密着強度を、JIS K6854に基づくT字ピール試験を行うことで、評価した。
(6)保存安定性
組成物を窒素雰囲気下、40℃の温度で1か月間放置した。この試験の前の組成物の粘度と、試験の後の組成物の粘度とを、レオメータ(アントンパール・ジャパン社製、型番DHR−2)を使用して、温度25℃、せん断速度1000s-1の条件で測定し、その結果から、粘度の変化率を算出した。この変化率が5%未満である場合を「A」、5%以上10%未満である場合を「B」、10%以上である場合を「C」と評価した。

Claims (11)

  1. アクリル化合物(A)、
    光重合開始剤(B)、
    平均粒径200nm以下の吸湿剤(C)、及び
    一分子中に二つ以上の吸着基を有する分散剤(D)を含有する、
    紫外線硬化性樹脂組成物。
  2. 25℃における粘度が30mPa・s以下である、
    請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記分散剤(D)の粘度が50000mPa・s以下である、
    請求項1又は2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記吸湿剤(C)に対する前記分散剤(D)の量は、40質量%以下である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記吸着基は、酸性の官能基と塩基性の官能基とからなる群から選択される少なくとも
    一種の基を含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  6. 硬化物の光透過率が90%以上である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  7. 有機EL素子封止用である、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  8. インクジェット法で成形される、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  9. 有機EL素子と前記有機EL素子を覆う封止材とを備える有機EL発光装置を製造する方法であり、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物をインクジェット法で成形してから、前記紫外線硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して硬化させることで前記封止材を作製することを含む、
    有機EL発光装置の製造方法。
  10. 前記紫外線硬化性樹脂組成物を加熱してから前記紫外線硬化性樹脂組成物をインクジェット法で成形する、
    請求項9に記載の有機EL発光装置の製造方法。
  11. 有機EL素子と、前記有機EL素子を覆う封止材とを備え、前記封止材は、請求項1から8のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物である、
    有機EL発光装置。
JP2018134470A 2018-07-17 2018-07-17 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置 Active JP7117583B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018134470A JP7117583B2 (ja) 2018-07-17 2018-07-17 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018134470A JP7117583B2 (ja) 2018-07-17 2018-07-17 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020012048A true JP2020012048A (ja) 2020-01-23
JP7117583B2 JP7117583B2 (ja) 2022-08-15

Family

ID=69169478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018134470A Active JP7117583B2 (ja) 2018-07-17 2018-07-17 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7117583B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111540839A (zh) * 2020-04-27 2020-08-14 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板的制造方法和显示面板
JP2021123692A (ja) * 2020-02-07 2021-08-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 紫外線硬化性樹脂組成物、光学部品、光学部品の製造方法、発光装置、及び発光装置の製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006134888A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Samsung Sdi Co Ltd 有機電界発光素子及びその製造方法
WO2015133152A1 (ja) * 2014-03-07 2015-09-11 パナソニック株式会社 吸湿膜、防水膜及び有機el装置
JP2016012559A (ja) * 2014-06-03 2016-01-21 積水化学工業株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
JP2017008127A (ja) * 2015-06-16 2017-01-12 株式会社リコー 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置、並びに成形加工品
JP2017125142A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 株式会社リコー 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、立体造形用材料、活性エネルギー線硬化型組成物収容容器、二次元又は三次元の像形成方法、二次元又は三次元の像形成装置、及び硬化物
JP2018100390A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 共同印刷株式会社 光透過性吸湿フィルム及びその製造方法
JP2020045371A (ja) * 2017-02-14 2020-03-26 積水化学工業株式会社 有機el表示素子用封止剤、及び、有機el表示素子

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006134888A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Samsung Sdi Co Ltd 有機電界発光素子及びその製造方法
WO2015133152A1 (ja) * 2014-03-07 2015-09-11 パナソニック株式会社 吸湿膜、防水膜及び有機el装置
JP2016012559A (ja) * 2014-06-03 2016-01-21 積水化学工業株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
JP2017008127A (ja) * 2015-06-16 2017-01-12 株式会社リコー 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置、並びに成形加工品
JP2017125142A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 株式会社リコー 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、立体造形用材料、活性エネルギー線硬化型組成物収容容器、二次元又は三次元の像形成方法、二次元又は三次元の像形成装置、及び硬化物
JP2018100390A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 共同印刷株式会社 光透過性吸湿フィルム及びその製造方法
JP2020045371A (ja) * 2017-02-14 2020-03-26 積水化学工業株式会社 有機el表示素子用封止剤、及び、有機el表示素子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021123692A (ja) * 2020-02-07 2021-08-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 紫外線硬化性樹脂組成物、光学部品、光学部品の製造方法、発光装置、及び発光装置の製造方法
CN111540839A (zh) * 2020-04-27 2020-08-14 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板的制造方法和显示面板

Also Published As

Publication number Publication date
JP7117583B2 (ja) 2022-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6369790B1 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP7262038B2 (ja) 有機el素子封止用紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP7320787B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、発光装置の製造方法及び発光装置
JP6590269B1 (ja) 有機el素子封止用紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法、有機el発光装置、及びタッチパネル
JP7236671B2 (ja) 発光素子封止用組成物、及び発光装置
JP7117583B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP6913890B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP7170245B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、発光装置の製造方法及び発光装置
JP7457957B2 (ja) 封止材の製造方法、及び発光装置の製造方法
JP6493845B1 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP2019212399A (ja) 有機el素子封止用紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
WO2020066455A1 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP2020086104A (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、発光装置、カラーフィルタの製造方法及び発光装置の製造方法
JP7281758B2 (ja) 有機el素子封止用紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP7153870B2 (ja) 有機el素子封止用紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP7489607B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置
JP2024083352A (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、発光装置の製造方法及び発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220617

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7117583

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151