JP2020011392A - 不燃化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】不燃性を有する化粧板を提供する。【解決手段】本実施形態に係る不燃化粧板1は、無機材料を含む無機基材層11と、金属層124を含み無機基材層11の表面に設けられた表面層12とを有する基材10、基材10の表面層12側の面に形成されたシーラー層20、シーラー層20の表面に形成された表面接着剤層30、及び表面接着剤層30の表面に形成され、樹脂フィルム42と、樹脂フィルム42の表面接着剤層30とは反対側の面に順に形成された印刷層43及び表面保護層44と、樹脂フィルム42の表面接着剤層30側の面に形成された裏面プライマー層41とを有する化粧シート40、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の内装、外装、家具、建具、車両の内装等の表面に用い、表面に凹凸の手触り感や立体感を与える事が可能な不燃化粧板に関する。
従来から、基材に対し絵柄模様が形成された紙質系又は樹脂系のシートを積層し、その上から透明樹脂塗料を塗布または含浸させた化粧板や、基材に絵柄模様と表面保護層が形成された合成樹脂基材層を積層した化粧板が知られている。基材に貼り付ける化粧シートとしては、例えば以下の特許文献1に記載したような意匠性に優れた化粧シートがある。
ここで、近年、建築物の壁面や天井等の住宅内装に使用される化粧板には、火災等が生じた際の安全性確保のため不燃性の要請が高まっている。居住、商業用施設、駅舎、空港等の公共施設等の建築物において、火災時に燃え広がらないようにするために、居室や廊下・階段等の避難経路等の壁や天井の仕上げ材には基準が設けられている。例えば、一定の規模・用途に供する、居室や廊下・階段等の避難経路等の壁や天井の仕上げ材には、それぞれの要求性能に応じた防火材料(不燃材料、準不燃材料及び難燃材料)を用いなければならないことが、法律(施行令第129条)で義務付けられている。
特開2008−087158号公報
本発明は、上述したような点に着目してなされたもので、不燃性を有する化粧板を提供することを目的としている。
課題を解決するために、本発明の一態様に係る不燃化粧板は、無機材料を含む無機基材層と、金属層を含み無機基材層の表面に設けられた表面層とを有する基材と、基材の表面層側の面に形成されたシーラー層と、シーラー層の表面に形成された表面接着剤層と、表面接着剤層の表面に形成され、第1の樹脂フィルムと、第1の樹脂フィルムの表面接着剤層とは反対側の面に順に形成された印刷層及び表面保護層と、第1の樹脂フィルムの表面接着剤層側の面に形成された裏面プライマー層とを有する化粧シートと、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、不燃性を有する化粧板を得ることができる。
本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態及び第2実施形態に係る不燃化粧板の不燃性基板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態から第4実施形態に係る不燃化粧板の金属層の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第1実施形態及び第3実施形態に係る不燃化粧板の防湿シートの構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第2実施形態及び第4実施形態に係る不燃化粧板の防湿シートの構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第3実施形態及び第4実施形態に係る不燃化粧板の不燃性基板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第5実施形態に係る不燃化粧板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第6実施形態に係る不燃化粧板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第7実施形態に係る不燃化粧板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第7実施形態に係る不燃化粧板の不燃性基板の構成(変形例)を説明する断面図である。 本発明に基づく第8実施形態に係る不燃化粧板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく第8実施形態に係る不燃化粧板の不燃性基板の構成(変形例)を説明する断面図である。
本発明の第1実施形態から第4実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図1は第1実施形態から第4実施形態に係る化粧シートを模式的に示す断面図であり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。後述する図2から図21についても同様である。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の不燃化粧板1は、不燃性基材(以下、基材と記載する)10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、基材10の他方の面に設けられた裏面接着剤層50と、防湿シート60と、を備えている。なお、第1実施形態では、防湿シート60を「防湿シート60a」とも称する。
以下、図1とともに図2、13を参照して、不燃化粧板1の各層について詳細に説明する。
<不燃性基材>
以下、図1及び図2を参照して、基材10について説明する。図2は、図1に示す不燃化粧板1に備えられた基材10の構成を詳細に示す断面図である。
基材10は、無機材料を含む無機基材層11と、金属層を含み無機基材層の表面に設けられた表面層12とを有している。なお、第1実施形態では、無機基材層11を「無機基材層11a」とも称する。
基材10は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ2mm以上8mm以下であることが好ましく、2.7mm以上3.3mm以下であることがより好ましい。本実施形態では、基材10の厚さは3mmとされている。
基材10は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が2.1kg/m以上4.2kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、基材10の1平方メートル当たりの質量は3.74kg/mとされている。
基材10は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、基材10のかさ比重は1.3とされている。
(表面層)
図2に示すように、表面層12は金属層124を含む積層体からなり、表面層12を無機基材層11aに貼り付けるための接着層121を有している。図2に示すように、本実施形態において、基材10の表面層12は、金属層124、樹脂層123及び125、紙層122及び126、並びに接着層121が、無機基材層11a側から順に接着層121/紙層122/樹脂層123/金属層124/樹脂層125/紙層126の順に積層されて形成されている。
表面層12は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。本実施形態では、表面層12の厚さは0.1mmとされている。
表面層12は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が100g/m以上200g/m以下であることが好ましい。本実施形態では、表面層12の1平方メートル当たりの質量は110g/mとされている。
(金属層)
金属層124は、例えば鉄鋼、アルミニウム又はステンレスにより構成される。本実施形態では、金属層124はアルミニウムにより構成されている。金属層124の厚さは、4μm以上50μm以下であることが好ましい。金属層124の厚さが4μm以上の場合、不燃性・耐熱性が向上する。また、金属層124の厚さが50μm以下の場合、金属層124が無駄に厚くなることを防止してコストの低減を図るとともに、不燃化粧板1の切断加工性が向上する。本実施形態では、アルミニウムにより構成される金属層124の厚さは12μmとされている。なお、図2には、金属層124の厚さ方向に貫通する孔を備えていない金属層124が例示されているが、金属層124は、その厚さ方向に貫通する孔を備えていてもよい。
以下、その詳細について説明する。
金属層124は、不燃化粧板1に不燃性を付与するための層である。
不燃化粧板1に付与する不燃性は、ISO5660−1に準拠する。具体的には、建築基準法第2条第9号及び建築基準法施工令第108条の2に基づく防耐火試験方法と性能評価規格に従うコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験において、以下に条件(A)〜条件(C)で表す条件を満足する不燃性である。
条件(A):加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下である条件。
条件(B):加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200KW/mを超えない条件。
条件(C):加熱開始後20分間、防火上で有害な亀裂及び穴が存在しない条件、例えば、防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷が生じない条件。
金属層124の材料としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、鉄箔、ステンレス鋼箔を用いることが可能である。特に、加工性、耐腐食性を考慮すれば、アルミニウム箔が好ましい。
本実施形態では、一例として、金属層124の材料を、アルミニウム箔とした場合について説明する。これにより、本実施形態では、金属層124の構成を、加工が容易であるとともに、腐食を抑制することが可能な構成とする。
金属層124の厚さは、5μm以上50μm以下の範囲内が好適であり、7μm以上30μm以下の範囲内がより好適である。
本実施形態では、一例として、金属層6の厚さを、0.01mm以上0.05mm以下の範囲内とした場合について説明する。
また、金属層124には、複数の孔部80が形成されている。
複数の孔部80は、円形に形成されており、金属層124を、金属層124の厚さ方向に貫通している。
本実施形態では、一例として、孔部80の面積(開口面積)を、0.03mm以上0.25mm以下の範囲内とした場合について説明する。なお、孔部80の面積(開口面積)を、0.03mm以上0.25mm以下の範囲内とするためには、例えば、孔部80の直径を、0.2mm以上0.5mm以下に設定する。
金属層124の単位面積に対する孔部80の開口面積は、0.5%以上1.5%以下の範囲内である。
なお、本実施形態では、金属層124の無機基材層11と対向する面(下面)と、金属層124の化粧シート40と対向する面(上面)の両面が、金属層124の単位面積に対する孔部80の開口面積が、0.5%以上1.5%以下の範囲内である場合について説明する。
本実施形態では、一例として、金属層124の1m当たりの孔部80の数を、20000個以上200000個以下の範囲内とした場合について説明する。
また、図3中に表すように、複数の孔部80は、平面視(不燃化粧板1の平面視、金属層124の平面視)で、六方格子(市松模様)に配置されている。
また、複数の孔部80は、第一の方向に沿った間隔L1と、第一の方向と直交する第二の方向に沿った間隔L2が、同じ長さとなるように配置されている。
本実施形態では、一例として、間隔L1及び間隔L2の長さを、4mmとした場合について説明する。
また、金属層124を接着層121の側から見た孔部80の開口面積は、金属層124を紙層126の側から見た孔部80の開口面積と同じである。すなわち、孔部80は、開口面積が変化しない形状に形成されている。
なお、複数の孔部80は、上述のように、平面視で六方格子に配置する以外に、例えば、図4中に表すように、複数の孔部80を、平面視で正方格子(格子状)に配置してもよい。
この場合、第一の方向に沿った間隔L1と、第一の方向と直交する第二の方向に沿った間隔L2を、同じ長さとなるように配置してもよい。
すなわち、複数の孔部80は、ドット状に配置されていればよい。
また、孔部80を、上述のように、開口面積が変化しない形状に形成する以外に、例えば、図5中に表すように、孔部80を、金属層124を接着層121の側から見た孔部80の開口面積と、金属層124を紙層126の側から見た孔部80の開口面積が異なる形状に形成してもよい。なお、図5中に表す例では、孔部80を、孔部80のうち接着層121の側における直径D1が、孔部80のうち紙層126の側における直径D2よりも大きい形状に形成している。
この場合、金属層124の基材10と対向する面(下面)及び金属層124の紙層126と対向する面(上面)のうち一方の面のみが、金属層124の単位面積に対する孔部80の開口面積が、0.5%以上1.5%以下の範囲内であってもよい。
また、孔部80を、長辺80Sa及び短辺80Sbを有する直線状に形成してもよい。以降の説明と、図6及び図7中では、金属層124に形成されている孔部80を、符号「80S」と表す。
長辺80Saの長さLaは、金属層124に予め設定した第一方向に沿って、2mm以上20mm以下の範囲内である。
ここでは、第一方向を、基材10の原反となる基材シート(図示せず)の搬送方向(流れ方向)に設定した場合について説明する。
また、ここでは、長さLaを、10mmに設定した場合について説明する。
第一方向に沿って隣り合う二つの孔部80Sの間隔L1は、1mm以上30mm以下の範囲内である。
また、ここでは、間隔L1を、20mmに設定した場合について説明する。
第一方向と直交する第二方向に沿って隣り合う二つの孔部80Sの間隔L2は、10mm以上30mm以下の範囲内である。
また、ここでは、間隔L2を、15mmに設定した場合について説明する。
短辺80Sbの長さLbは、0.01mm以上0.05mm以下の範囲内である。
また、図6中に表すように、複数の孔部80Sは、平面視(不燃化粧板1の平面視、金属層124の平面視)で、六方格子(市松模様)に配置されている。
また、金属層124を接着層121の側から見た孔部80Sの開口面積は、金属層124を紙層126の側から見た孔部80Sの開口面積と同じである。すなわち、孔部80Sは、開口面積が変化しない形状に形成されている。
また、複数の孔部80Sは、上述のように、平面視で六方格子に配置する以外に、例えば、複数の孔部80Sを、平面視で正方格子(格子状)に配置してもよい。
この場合、第一の方向に沿った間隔L1と、第一の方向と直交する第二の方向に沿った間隔L2を、同じ長さとなるように配置してもよい。
すなわち、複数の孔部30Sは、ドット状に配置されていればよい。
また、複数の孔部30Sを、上述のように、平面視で六方格子に配置する以外に、例えば、図8及び図9中に表すように、長辺を第一方向と平行に向けて直線状に配列した複数の孔部80Sにより形成したグループを、第二方向に沿って等間隔で配列した形状(ミシン目状)に配置してもよい。
図8及び図9中に表す例では、長辺80Saの長さLaを、第一方向に沿って2mmに設定し、間隔L1を1mmに設定し、間隔L2を10mmに設定する。
また、孔部80を、上述のように、開口面積が変化しない形状に形成する以外に、例えば、図10中に表すように、孔部80を、金属層124を接着層121の側から見た孔部80の開口面積と、金属層124を紙層126の側から見た孔部80の開口面積が異なる形状に形成してもよい。なお、図10中に表す例では、孔部80を、孔部80のうち接着層121の側における短辺の長さLb1が、孔部80のうち紙層126の側における短辺の長さLb2よりも大きい形状に形成している。
また、孔部80を、長辺及び短辺を有し、且つ同じ形状である二本の直線30Ca,30Cbが直交する十字状に形成してもよい。以降の説明と、図11及び図12中では、金属層124に形成されている孔部80を、符号「80C」と表す。
長辺の長さLcは、5mm以上20mm以下の範囲内である。
ここでは、長さLcを、5mmに設定した場合について説明する。
短辺の長さLdは、0.01mm以上0.05mm以下の範囲内である。
予め設定した第一方向に沿って隣り合う二つの孔部80Cは、互いの直交する二本の直線80Ca,80Cbの中心間の間隔L3が、10mm以上30mm以下の範囲内である。
ここでは、第一方向を、基材10の原反となる基材シート(図示せず)の搬送方向(流れ方向)に設定した場合について説明する。
ここでは、間隔L3を、15mmに設定した場合について説明する。
第一方向と直交する第二方向に沿って隣り合う二つの孔部80Cは、互いの直交する二本の直線80Ca,80Cbの中心間の間隔L4が、10mm以上30mm以下の範囲内である。
ここでは、間隔L4を、15mmに設定した場合について説明する。
また、図11中に表すように、複数の孔部80Cは、平面視(不燃化粧板1の平面視、金属層124の平面視)で、正方格子に配置されている。
(樹脂層)
樹脂層123及び125は、例えばウレタン系樹脂やアクリル系樹脂等の、金属層と紙層との接着性の高い材料が用いられる。本実施形態では、樹脂層は、ウレタン系樹脂で形成される。また、樹脂層123及び125では、1平方メートル当たりの質量(固形量)が2.0g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。本実施形態の樹脂層123及び125では、ウレタン樹脂の1平方メートル当たりの質量(固形量)は4.0g/mとされている。
(紙層)
紙層122及び126は、特に限定された材料により構成されるものではなく、例えば、薄葉紙、チタン紙、クラフト紙、リンター紙等が用いられる。中でも、紙層122及び126として、樹脂の含浸性が高い紙材料が用いられることが好ましい。本実施形態では、紙層122及び126には、薄葉紙が用いられている。また、接着層121の1平方メートル当たりの質量(固形量)は、20.0g/m以上30.0g/m以下であることが好ましい。本実施形態の接着層121では、薄葉紙の1平方メートル当たりの質量は23.0g/mとされている。
(接着層)
接着層121は、例えばウレタン系樹脂接着剤やアクリル系樹脂接着剤等の、表面層12と無機基材層11aとの間で高い接着性を有する材料が用いられる。本実施形態では、接着層121としてウレタン系樹脂接着剤が用いられている。また、接着層121では、1平方メートル当たりの質量(固形量)が20.0g/m以上30.0g/m以下であることが好ましい。樹脂層123及び125と比較して1平方メートル当たりの質量(固形量)を大きくすることにより、接着層121としての機能を高めている。本実施形態の接着層121では、ウレタン樹脂の1平方メートル当たりの質量(固形量)は24.0g/mとされている。
接着層121は、上述した接着剤以外に、例えば、水性エマルジョン系樹脂と架橋剤とを含有する水性エマルジョン接着剤組成物を乾燥させて形成してもよい。水性エマルジョン接着剤組成物は、有機溶剤を用いないので、環境への負荷が低い。水性エマルジョン系樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル系等の酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂を使用できる。また、架橋剤としては、例えば、分子内にイソシアネート基を有し化学反応により架橋構造を付与するものを使用できる。
水性エマルジョン接着剤組成物の塗布は、例えば、グラビアコート、バーコート、スプレーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により行う。水性エマルジョン接着剤組成物の塗布量は、10g/m以上60g/m以下(固形分換算)が好ましく、20g/m以上50g/m以下(固形分換算)がより好ましい。
また、水性エマルジョン接着剤組成物には増粘剤を配合してもよい。これにより、チキソトロピー性が得られ、塗布適性の向上、低塗布量化が図れる。低塗布量化により、短時間の乾燥で、接着層121の残留水分率を30質量%未満とし、水分量を10.0g/m未満とすることができ、不燃化粧板1の生産速度を高速化できる。また、従来、良好な不燃性を付与するために、水性エマルジョン接着剤組成物に水酸化アルミニウムを配合していたが、低塗布量化により、水酸化アルミニウムの配合量を低減でき、コストダウンできる。増粘剤としては、例えば水溶性樹脂を使用できる。特に、アクリル系増粘剤、セルロース誘導体、ポリエーテル系、ウレタン変性ポリエーテル系の増粘剤が好ましい。
増粘剤の配合量は、塗布方式に応じて適した粘度が得られるように決定する。例えば、水性エマルジョン接着剤組成物の全質量に対して、0.001質量%以上5.0質量%以下とする。増粘剤の配合量を5.0質量%よりも多くすると、粘度が高くなり、低塗布量化が困難となることがある。
また、接着層121は、例えば、反応性ホットメルト接着剤、または二液硬化型溶剤系接着剤により形成してもよい。これにより、化粧シート40の貼り合わせ後の養生時間を短縮することができる。反応性ホットメルト接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂を主成分とし、ホットメルトに反応系の特性を付与した接着剤を使用できる。例えば、DIC株式会社製「タイフォース」がある。また、二液硬化型溶剤系接着剤としては、例えば、ポリオール化合物を主剤とし、ポリイソシアネート化合物を硬化剤とした接着剤を使用できる。
(無機基材層)
図2に示すように、無機基材層11aは、無機材料を含む第1の無機層である下層111と、無機材料を含む第2の無機層である上層113を備える積層体である。
無機基材層11aは、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ2mm以上15mm以下であることが好ましく、発熱性や取り回し性などの観点から、2mm以上9mm以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11aの厚さは2.9mmとされている。また、これら無機質系基材には、他の層との密着性を高める為にサンダーがけ等の表面処理が行われていても良い。
無機基材層11aは、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が2.0kg/m以上4.0kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11aの1平方メートル当たりの質量は3.63kg/mとされている。
無機基材層11aは、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11aのかさ比重は1.3とされている。
(下層)
下層111は、無機材料として、例えばシラス発泡体、白土、軽石等の火山性ガラス質堆積物を含んでいる。また、下層111は、無機材料として、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホウ砂等の無機質系充填材と、炭酸カルシウム、マイクロシリカ、スラグ粉等の無機質系粉体とを含んでいる。さらに、下層111は、例えば、ロックウール、スラグウール、グラスウール、ミネラルウール等の人造鉱物繊維保温材と、でん粉、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール等の有機系結合剤とを含んでいる。なお、滲み防止、撥水性、耐油性を与える場合に、パラフィンワックスを乳化剤及び保護コロイドによって安定にエマルジョン化したワックス剤を添加してもよい。
下層111は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ1.0mm以上2.0mm以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111の厚さは1.4mmとされている。
下層111は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が1.5kg/m以上4.0kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111の1平方メートル当たりの質量は1.75kg/mとされている。
下層111は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111のかさ比重は1.25とされている。
(上層)
上層113は、下層111と同様の火山性ガラス質堆積物、無機質系充填材、無機質系粉体、人造鉱物繊維保温材及び有機系結合剤を含んでいる。なお、滲み防止、撥水性、耐油性を与える場合に、パラフィンワックスを乳化剤及び保護コロイドによって安定にエマルジョン化したワックス剤を添加してもよい。
上層113は、任意の厚さ、1平方メートル当たりの質量及びかさ比重を選択することができるが、下層111と同様の範囲の1平方メートル当たりの質量及びかさ比重とすることが好ましい。
本実施形態では、上層113の厚さは1.5mmとされている。また、本実施形態では、上層113の1平方メートル当たりの質量は1.88kg/mとされている。さらに、本実施形態では、無機基材層11aのかさ比重は1.25とされている。
すなわち、無機基材層11aの第2の無機層である上層113は、第1の無機層である下層111よりも厚く且つ1平方メートル当たりの質量が大きく形成されることが好ましい。
このような基材10としては、たとえば、火山性ガラス質複層板(JISA5440「不燃火山性ガラス質複層板」に準拠)等の板を挙げることができる。
<化粧シート>
化粧シート40は、樹脂フィルム(第1の樹脂フィルム)42と、樹脂フィルム42の表面(基材10とは反対側の面)に形成された印刷層43と、印刷層43の表面(樹脂フィルム42とは反対側の面)に形成された表面保護層44とを備えている。また、化粧シート40は、樹脂フィルム42の裏面(基材10側の面)に裏面プライマー層41を備えている。なお、樹脂フィルム(第1の樹脂フィルム)42は、「下台層」とも呼ばれることがある。なお、第1実施形態では、化粧シート40を「化粧シート40a」とも称する。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム42は、例えば、質量比で、ポリエステル系樹脂を70.0質量部以上95.5質量部以下含有している。樹脂フィルム42は、公知の添加剤が添加されていても良い。例えば、樹脂フィルム42は、無機質系顔料を4.5質量部以上30.0質量部以下含有していてもよい。
樹脂フィルム42の厚さは、例えば0.05mm以上0.07mm以下であり、1平方メートル当たりの質量は、例えば、60.0g/m以上100.0g/m以下(有機質量58.2g/m以上71.6g/m以下)である。
樹脂フィルム42としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムであることが好ましい。ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムは耐熱性に優れているため、より不燃性が向上する。
(印刷層)
印刷層43は、不燃化粧板1の意匠性を向上するために、樹脂フィルム42上に形成される。
印刷層43は、既知の印刷手法を用いて設けることが出来る。樹脂フィルム42は巻取りの状態で用意できるので、ロールツーロールの印刷装置で印刷層43形成のための印刷を行うことができる。印刷手法は特に限定するものではないが、生産性や絵柄の品位を考慮すれば、例えばグラビア印刷法を用いることができる。
印刷層43が設けられることにより、不燃化粧板1に絵柄模様を付与することが出来る。印刷層43の絵柄模様には、壁装材としての意匠性を考慮した任意の絵柄模様を採用すれば良い。
印刷インキについては、特に限定するものではないが、印刷方式に対応したインキを適宜選ぶことができる。特に、樹脂フィルム42に対する密着性や印刷適性、又は壁装材としての耐候性を考慮して印刷インキが選択されることが好ましい。
印刷層43は、例えば、質量比で、ウレタン系樹脂78質量部以上100質量部以下含有し、更に、無機質系顔料を0質量部以上22質量部以上含有する。印刷層43の1平方メートル当たりの質量は、例えば6.73g/m(固形量)以下(有機質量5.25g/m以下)とする。
(表面保護層)
表面保護層44は、印刷層43を覆うようにして設けられる。表面保護層44は単層でも良く、また複数の層により形成されていてもよい。本実施形態では、表面保護層44が単層の場合を例示している。
表面保護層44は、熱硬化型や電離放射線硬化型などの硬化型樹脂を含んでいる。表面保護層44は、材料としての硬化型樹脂の種類に応じて、既知のコーティング装置を用いて塗布を行い、熱乾燥装置又は紫外線照射等の電離放射線装置を用いて塗膜の硬化を行うことにより形成される。
表面保護層44は、曲げ加工性、耐傷付性や清掃性に関してその優劣を左右する重要な役割をもつ。表面保護層44は、硬化型樹脂を主成分とする。すなわち樹脂成分が実質的に硬化型樹脂から構成されることが好ましい。実質的に構成されるとは、例えば樹脂全体を100質量部とした場合に80質量部以上含まれることをいう。表面保護層44には、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。
本実施形態の表面保護層44は、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を主成分とする。なお、60度鏡面光沢を所望の光沢度に調整するために、表面保護層44にはシリカその他のマット剤が添加されても良い。
表面保護層44は、更に熱硬化型樹脂を含んでいても良い。但し、熱硬化型樹脂を含む場合であっても、電離放射線硬化型樹脂の含有割合として、電離放射線硬化型樹脂が樹脂全体の50質量%以上含まれる。表面保護層44が、電離放射線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂の混合物で実質的に構成されることにより、表面保護層44の耐傷つき性が向上するとともに、曲げ加工時における表面保護層44の白化や割れが発生し難くなるため好ましい。
さらに、表面保護層44が複数の層により形成されている場合、上述した紫外線硬化型樹脂を主成分とする樹脂層の下層(印刷層43側の層)に、例えばアンカーコート層(図示せず)が設けられていてもよい。アンカーコート層は、例えば、ウレタン樹脂により形成される。
ここで、電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂を使用することができる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数の材料を混合して使用することができる。プレポリマー又はモノマーの硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
例えば、表面保護層44は、質量比でアクリル系の硬化型樹脂を80質量部以上86以下含有し、更に無機質系添加剤を14質量部以上20質量部以下含有する。
表面保護層44は、例えば、厚さが0.04mm以下で、質量が16.3g/m(固形量)以下(有機質量13.0g/m以下)であることがこのましい。
また、表面保護層44の表面(印刷層43とは反対側の面)に、所与の意匠性を付与するために凹凸が形成されていてもよい。凹凸は、通常はエンボス加工によって形成される。エンボス加工方法は特に限定されない。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
(裏面プライマー層)
裏面プライマー層41は、化粧シート40と基材10との接着性を向上させる目的で樹脂フィルム42の裏面に設けられる。
裏面プライマー層41は、例えばウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系など各種の樹脂材料が用いられ、なかでも、ポリオール成分とポリイソシアネートとを含有するウレタン系コート剤が好ましい。
ウレタン系コート剤におけるポリオール成分としては、ポリエステル系ポリオールが好ましく、ポリエステル系ポリオールとしては、多価カルボン酸などとグリコール類とを反応させて得られるポリエステル系ポリオールが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが例示される。
裏面プライマー層41の厚さは、適宜選択することができるが、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.05μm以上5μm以下であることがより好ましい。裏面プライマー層41の厚さが0.01μm未満の場合、化粧シート40の基材10への接合性が不足し、裏面プライマー層41の厚さが10μmを超える場合、不燃化粧板1の生産性が低下する。
本実施形態の裏面プライマー層41は、例えば、質量比で、ウレタン系樹脂を62質量部、無機質系顔料を38質量部含有している。
また、裏面プライマー層41は、例えば質量1.3g/m(固形量)以下(有機質量0.8g/m以下)とする。
<シーラー層>
シーラー層20は、基材10と化粧シート40との接着性を向上させるために、基材10の表面に設けられる。本実施形態のシーラー層20は、例えばウレタン系樹脂100質量%からなる。またシーラー層20の1平方メートル当たりの質量は、例えば1.4g/m以上5.4g/m以下(固形量)(有機質量1.4g/m以上5.4g/m以下)であることが好ましい。シーラー層20の1平方メートル当たりの質量が小さすぎる場合、化粧シート40と基材10との接着性が低下する場合がある。また、シーラー層20の1平方メートル当たりの質量が多きすぎる場合、シーラー層20が不要に厚くなり、製造コストが増加する場合がある。
<表面接着剤層、裏面接着剤層>
表面接着剤層30及び裏面接着剤層50は、それぞれ、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの樹脂接着剤により形成される。これら樹脂接着剤は、公知のもの、ないし、市販品を適宜選択して使用することができる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、たとえば、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができ、また、熱硬化型樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等を挙げることができる。ゴム系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等を挙げることができる。
基材10と化粧シート40とを貼り合わせる表面接着剤層30は、例えば、質量比で、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂を95.7質量部及び有機系硬化剤(イソシアネート系)を4.3質量部含有する。この場合、表面接着剤層30の1平方メートル当たりの質量は、11.9g/m以上17.8g/m以下(固形量)(有機質量11.9g/m以上17.8g/m以下)となる。
基材10と防湿シート60aとを貼り合わせる裏面接着剤層50は、例えば、酢酸ビニル系樹脂を100質量部含有する。この場合、裏面接着剤層50の1平方メートル当たりの質量は、26.7g/m以上32.7g/m以下(固形量)(有機質量26.7g/m以上32.7g/m以下)となることが好ましい。本実施形態では、裏面接着剤層50の1平方メートル当たりの質量は、29.7g/mとされている。
<防湿シート>
図13は、図1に示す不燃化粧板1に備えられた防湿シート60aの構成を詳細に示す断面図である。
図13に示すように、防湿シート60aは、樹脂層62と、樹脂層62の両面に設けられた第1の紙基材である紙基材61及び第2の紙基材である紙基材63を有している。すなわち、防湿シート60aは、紙基材61、樹脂層62及び紙基材63が順に積層されて形成されている。防湿シート60aは、基材10の他方の面、すなわち無機基材層11a側の面に設けられている。
防湿シート60aは、例えば、水蒸気透過度が3.0g/m・day・atm以下、好ましくは1.0g/m・day・atm以下の防湿性能を有するシートである。防湿シート60aを備える不燃化粧板1は、環境温度や湿度の変化に起因する反りが生じにくくなる。防湿シート60aの厚さは、例えば50μm以上130μm以下であることが好ましい。本実施形態では、防湿シート60aの厚さは70μmとされる。
(紙基材)
紙基材61及び63は、特に限定された材料により構成されるものではなく、例えば、薄葉紙、チタン紙、クラフト紙、リンター紙等が用いられる。中でも、紙層として、樹脂の含浸性が高い紙材料が用いられることが好ましい。本実施形態では、紙基材61及び63として薄葉紙が用いられている。
紙基材61及び63の厚さは、例えば12.5μm以上40μm以下の範囲である。このとき、紙基材61及び63の1平方メートル当たりの質量は24.0g/mであることが好ましい。
(樹脂層)
樹脂層62は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、あるいはこれらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいはポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂等により形成されている。本実施形態では、樹脂層62として、ポリエチレン樹脂が用いられている。なお、ポリエチレン樹脂の中でも、特にLDPE(低密度ポリエチレン)が好ましく用いられる。これは、LDPEが高い防湿性を備えるとともに、紙基材61及び63との接着性が高いためである。このように、高い防湿性を備えるLDPEを樹脂層62として用いることで、防湿シート60全体を薄くすることができる。また、防湿シート60全体を薄くすることで不燃性を高めることができる。
樹脂層62は、一軸ないし二軸方向に延伸したシートであっても良く、未延伸であってもよいが、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。
樹脂層62の厚さは、例えば9μm以上100μm以下の範囲である。例えば樹脂層62の厚さは、27μmであることが好ましい。このとき、樹脂層62の1平方メートル当たりの質量は25.4g/m(有機質量25.4g/m)であることが好ましい。
<効果>
上述した本実施形態の不燃化粧板1は、無機材料を含む無機基材層11aを有する基材10を備えることで不燃性を有する。また、不燃性を有する基材10上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで、基材10と化粧シート40との密着性能が向上する。
特に、不燃化粧板1は、火山性ガラス質堆積物を含む無機基材層11aと、金属層124を含む表面層12とが積層されることにより、確実に不燃性を確保することが可能となる。
また、化粧シート40の樹脂フィルム42としてポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用すると耐熱性が向上して、より不燃性が向上する。
ここで、本実施形態でいう不燃性は、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験に準拠し、上記不燃化粧板1の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性である。
次に、本願発明に基づく第1実施形態に係る不燃化粧板の実施例について説明する。
<実施例1−1>
実施例1−1の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。不燃化粧板は、図1に示すように、不燃性基材と、不燃性基材の一方の面にこの順に積層して設けられたシーラー層、表面接着剤層及び化粧シートと、不燃性基材の他方の面にこの順に積層して設けられた裏面接着剤層及び防湿シートと、を備えている。
(化粧シート)
化粧シートの樹脂フィルムとして、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いた。樹脂フィルムは、ポリエステル系樹脂95.5質量部と無機質系顔料4.5質量部とを混合した樹脂材料により形成した。また、樹脂フィルムを、厚さが0.06mm、1平方メートル当たりの質量(以下質量と記載する場合がある)が75.0g/m(有機質量71.6g/m)となるようにして樹脂フィルムを形成した。
次に、樹脂フィルムの表面に印刷により印刷層を設けた。印刷に使用したインキは、ウレタン系樹脂85質量部と無機質系顔料15質量部とを混合して作製した。印刷層を、質量が6.73g/m(固形量)(有機質量5.25g/m)となるように形成した。
続いて、樹脂フィルムの裏面に裏面プライマー層を形成した。裏面プライマー層は、ウレタン系樹脂62質量部、無機質系顔料38質量部を混合して形成した。裏面プライマー層を、質量が1.3g/m(固形量)(有機質量0.8g/m)となるように形成した。
最後に、印刷層の上に表面保護層を設けた。表面保護層は、アクリル系紫外線硬化樹脂80質量部と無機質系添加剤20質量部とを混合した材料により形成した。表面保護層を、厚さが0.04mm、質量が16.3g/m(固形量)(有機質量13.0g/m)となるように形成した。
(不燃性基材)
厚さ0.012mm、質量32.0g/mのアルミニウム箔からなる金属層の両面に、質量4.0g/m(固形量)のウレタン系樹脂からなる樹脂層を介して、質量23.0g/mの薄葉紙からなる紙層を貼り付けた。続いて、紙層の表面に、質量24.0g/mのウレタン系接着剤からなる接着層を設けた。これにより、不燃性基材の表面層を得た。
次に、JIS A 5440に準拠した基材あるいはそれ以上の耐性を備える基材に、厚さ1.4mm、質量1.75kg/m、かさ比重1.25の下層と、厚さ1.5mm、質量1.88kg/m、かさ比重1.25の上層とを形成し、無機基材層を得た。
最後に、この無機基材層上に表面層を積層し、表面層の接着層により無機基材層と表面層とを接着して、不燃性基材を得た。
(防湿シート)
厚さ0.027mm、質量25.4g/m(有機質量25.4g/m)のポリエチレン系樹脂層の両面に、質量24.0g/mの薄葉紙からなる紙基材を備える防湿シートを準備した。防湿シートは、ルーダーにてポリエチレン系樹脂を薄葉紙とともに共押出しして形成した。この防湿シートは、厚さ0.070mm、質量73.4g/m(有機質量73.4g/m)であった。以下、この構成の防湿シートを防湿シートAと記載する。
(シーラー層)
ウレタン系樹脂100質量%で構成され、質量が2.3g/m(固形量)(有機質量2.3g/m)であるシーラー層を、不燃性基材の一方の表面上に形成した。
(表面接着剤層)
不燃性基材の一方の面上に形成したシーラー層と、化粧シートの一方の面とを、表面接着剤層を介して貼り合わせた。表面接着剤層の組成は、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂95.7質量部/有機系硬化剤(イソシアネート系)4.3質量部とした。このとき、質量が15.1g/m(固形量)(有機質量15.1g/m)となるように表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
不燃性基材の他方の面(シーラー層が設けられていない面)と、防湿シートの一方の面とを、裏面接着剤層を介して貼り合わせた。裏面接着剤層の組成は、酢酸ビニル系樹脂100質量%とした。このとき、質量が29.7g/m(固形量)(有機質量29.7g/m)となるように裏面接着剤層を形成した。
<実施例1−2>
実施例1−2の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。
(化粧シート)
化粧シートの表面保護層を複数の層(2層)で形成した。表面保護層の表面側の層を、アクリル系紫外線硬化樹脂80質量部と無機質系添加剤20質量部とを混合した材料を用いて、厚さ0.04mm、有機質量15.5g/mとなるように形成した。また、表面保護層の裏面側(印刷層側)の面に、ウレタン系樹脂を用いて、有機質量5.35g/mのアンダーコート層を形成した。また、印刷層の有機質量を7.14g/mとした。さらに、裏面プライマー層の有機質量を1.0g/mとした。これ以外は、実施例1−1に記載の化粧シートと同様の化粧シートを用いた。
(不燃性基材)
不燃性基材には、実施例1−1に記載の不燃性基材と同様の不燃性基材を用いた。
(防湿シート)
防湿シートには、厚さ0.040mm、質量40.0g/m(有機質量40.0g/m)のポリエチレン系樹脂フィルムからなる樹脂フィルムの両面に、質量29.5g/mの薄葉紙からなる紙基材を備える防湿シートを準備した。この防湿シートは、質量99.0g/m(有機質量99.0g/m)であった。以下、この構成の防湿シートを防湿シートBと記載する。
(シーラー層)
質量を5.4g/m(固形量)(有機質量5.4g/m)とした以外は、実施例1−1に記載のシーラー層と同様のシーラー層を形成した。
(表面接着剤層)
質量を18.8g/m(固形量)(有機質量18.8g/m)とした以外は、実施例1−1に記載の表面接着剤層と同様の表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
質量を58.5g/m(固形量)(有機質量58.5g/m)とした以外は、実施例1−1に記載の裏面接着剤層と同様の裏面接着剤層を形成した。
<実施例1−3>
表面接着剤層の質量を19.6g/m(固形量)(有機質量19.6g/m)とした以外は、実施例1−2に記載の不燃化粧板と同様にして実施例1−3の不燃化粧板を形成した。
<実施例1−4>
表面接着剤層の質量を40.0g/m(固形量)(有機質量40.0g/m)とした以外は、実施例1−2に記載の不燃化粧板と同様にして実施例1−4の不燃化粧板を形成した。
<実施例1−5>
表面接着剤層の質量を40.0g/m(固形量)(有機質量19.6g/m)とし、シーラー層の質量を3.5g/m(固形量)(有機質量3.5g/m)とした以外は、実施例1−2に記載の不燃化粧板と同様にして実施例1−5の不燃化粧板を形成した。
<実施例1−6>
実施例1−6の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。
(化粧シート)
表面保護層の質量を13.3g/m(固形量)(有機質量13.3g/m)とし、印刷層の質量を5.13g/m(固形量)(有機質量5.13g/m)とし、裏面プライマー層の質量を1.0g/m(固形量)(有機質量1.0g/m)とした。これ以外は、実施例1−1に記載の化粧シートと同様の化粧シートを用いた。
(不燃性基材)
不燃性基材には、実施例1−1に記載の不燃性基材と同様の不燃性基材を用いた。
(防湿シート)
防湿シートには、実施例1−1に記載の防湿シートと同様の防湿シートAを用いた。
(シーラー層)
シーラー層には、実施例1−1に記載のシーラー層と同様のシーラー層を用いた。
(表面接着剤層)
質量を15.6g/m(固形量)(有機質量15.6g/m)とした以外は、実施例1−1に記載の表面接着剤層と同様の表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
質量を48.5g/m(固形量)(有機質量48.5g/m)とした以外は、実施例1−1に記載の裏面接着剤層と同様の裏面接着剤層を形成した。
<評価>
以下のようにして、各評価を行った。なお、それぞれ2つのサンプルにて各評価を行った。
(不燃試験)
上述した実施例1−1から実施例1−6の不燃化粧板に対し、コーンカロリーメーターを用いた試験方法(ISO5660−1に準拠)にて、燃焼性を確認した。不燃試験により、総発熱量(合計発熱量)並びに最大発熱速度及び発熱速度が200kW/mを超えた時間の測定結果を得た。不燃試験の試験時間は、不燃材料評価時間の20分とした。
なお、総発熱量は、8MJ/m以下を好ましい範囲とし、発熱速度が200kW/mを超えた時間は10秒以下を好ましい範囲とした。また、最大発熱速度は、200kW/m以下を好ましい範囲とした。
(外観評価)
上述した実施例1−1から実施例1−6の不燃化粧板に対し、目視にて不燃試験後の外観の評価を行った。不燃化粧板の表面おける、裏面に達する亀裂の有無を確認し、裏面に達する亀裂のないものを「○」、裏面に達する亀裂のあるものを「×」とした。
以下の表1に、各実施例の評価結果を示す。また、表1には、各評価の結果に基づく判定を示す。各実施例のうち、不適な構成の実施例を「×」、好ましい構成の実施例を「○」、特に好ましい構成の実施例を「◎」と評価した。
Figure 2020011392
表1に示すように、実施例1−1から実施例1−6の何れも総発熱量が8MJ/m以下であり、最大発熱速度が200kW/m未満であり、発熱速度が200kW/mを超えた時間が0秒であった。また、実施例1−1から実施例1−6の何れも、20分の不燃試験後に、裏面に達する亀裂が発生しなかった。このため、本願発明に基づく不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性能を備えることが分かる。
中でも、実施例1−1は、2つのサンプルの総発熱量がいずれも5MJ/m以下であり、かつ2つのサンプルの平均値が特に低かった。このため、実施例1−1の不燃化粧板の構成が特に好ましいことが分かった。
<実施例1−7>
表面接着剤層の質量を15.5g/m(固形量)(有機質量15.5g/m)とした以外は、実施例1−1に記載の不燃化粧板と同様にして実施例1−7の不燃化粧板を形成した。
<実施例1−8>
シーラー層の質量を5.4g/m(固形量)(有機質量5.4g/m)とした以外は、実施例1−7に記載の不燃化粧板と同様にして実施例1−8の不燃化粧板を形成した。
<実施例1−9>
シーラー層の質量を1.4g/m(固形量)(有機質量1.4g/m)とした以外は、実施例1−7に記載の不燃化粧板と同様にして実施例1−9の不燃化粧板を形成した。
<比較例1−1>
シーラー層を設けなかった以外は、実施例1−9に記載の不燃化粧板と同様にして比較例1−1の不燃化粧板を形成した。
<評価>
以下のようにして、ピーリング試験による評価を行った。
(ピーリング試験)
上述した実施例1−7から実施例1−9及び比較例1−1の不燃化粧板に対し、化粧シートと不燃性基材との密着性を確認するために剥離強度試験(JIS K 6854−2、180°剥離)を測定した。
以下の表2に、各実施例及び比較例の評価結果を示す。
Figure 2020011392
表2に示すように、化粧シートと不燃性基材との間にシーラー層を備える実施例1−7から実施例1−9は、ピーリング強度が15N/25mm以上であり、化粧シートと不燃性基材との間のピーリング強度が十分に高いことが分かった。特に、シーラー層の質量が2.0g/m以上である実施例1−7及び実施例1−8では、ピーリング強度が19.6N/25mm以上となり、より十分なピーリング強度が確保されていることが分かった。
一方、シーラー層が設けられていない比較例1−1では、ピーリング強度が7.3N/25mmであり、実施例1−7から実施例1−9のピーリング強度よりも低くなる。比較例1−1は、本願発明に基づく不燃性基材を備える不燃化粧板であり、高い不燃性能を備えているが(実施例1−1参照)、化粧シートと不燃性基材との間のピーリング強度が十分ではない場合があることが分かった。
以上、実施例で示すように、金属層と、火山性ガラス質堆積物等の無機材料を含む不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性を有している。また、このような不燃化粧板は、不燃性基材と化粧シートとの間にシーラー層が設けられている。不燃性基材と化粧シートとの密着性を向上させ、不燃化粧板の品質を向上させることができるためである。
[第2実施形態]
図1に示すように、第2実施形態の不燃化粧板1は、第1実施形態の不燃化粧板1と同様に、基材10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、基材10の他方の面に設けられた裏面接着剤層50と、防湿シート60と、を備えている。第2実施形態と第1実施形態とで異なる点は、防湿シート60の構成である。そこで、ここでは、図14を参照して、第1実施形態とは異なる部分である第2実施形態の防湿シート60について詳細に説明し、第1実施形態と同じ部分については説明を省略する。
<防湿シート>
図14は、図1に示す不燃化粧板1に備えられた防湿シート60の構成を詳細に示す断面図である。なお、第2実施形態では、防湿シート60を「防湿シート60b」とも称する。
図14に示すように、防湿シート60bは、樹脂フィルム(第2の樹脂フィルム)65と、樹脂フィルム65の表面(基材10側の面)上に順に積層された蒸着層66、樹脂層67及び接着用プライマー層(表面プライマー層)68と、樹脂フィルム65の裏面上に形成された表面濡れ性改質層64とを備えている。防湿シート60bは、基材10の他方の面、すなわち無機基材層11側の面に設けられている。
防湿シート60bは、例えば、水蒸気透過度が3.0g/m・day・atm以下、好ましくは1.0g/m・day・atm以下の防湿性能を有するシートである。防湿シート60bを備える不燃化粧板1は、環境温度や湿度の変化に起因する反りが生じにくくなる。防湿シート60bの厚さは、例えば5μm以上30μm以下であることが好ましい。本実施形態では、防湿シート60bの厚さは12μmとされる。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム65は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、あるいはこれらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいはポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂等により形成されている。
樹脂フィルム65は、一軸ないし二軸方向に延伸したシートであっても良く、未延伸であってもよいが、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。本実施形態では、樹脂フィルム65として、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが用いられている。
樹脂フィルム65の厚さは、例えば9μm以上100μm以下の範囲である。例えば樹脂フィルム65の厚さは、12μmであることが好ましい。このとき、樹脂フィルム65の1平方メートル当たりの質量は16.8g/m(有機質量16.8g/m)であることが好ましい。
(蒸着層)
蒸着層66は、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物の薄膜、又はアルミニウムに代表される金属薄膜により形成されている。ここで、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる蒸着層66は金属光沢を有しているが、無機酸化物からなる蒸着層66は透明な蒸着膜となる。
蒸着層66の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、例えば5nm以上300nm以下の範囲内であることが好ましく、10nm以上150nm以下の範囲内であることがより好ましい。蒸着層66の膜厚が5nm未満である場合、蒸着層66が均一とならないおそれがあり、また、膜厚が十分ではないために蒸着層66が防湿シート60bの防湿機能を十分に果たすことができないおそれがある。また、膜厚が300nmを越える場合は、薄膜の残留応力によりフレキシビリティを保持させることができず、蒸着層66の成膜後外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。
蒸着層66を樹脂フィルム65に積層する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)などを用いることができる。ただし、生産性を考慮すれば、真空蒸着法を用いることがより好ましい。真空蒸着法の加熱手段としては、電子線加熱方式、抵抗加熱方式又は誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましく、蒸着材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式または抵抗加熱方式を用いることがより好ましい。また、蒸着層66と樹脂フィルム65との密着性及び蒸着層66の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。さらに、蒸着総66の膜の透明性を上げるために、蒸着の際酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いてもよい。
(樹脂層)
樹脂層67は、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分として形成される。主成分とは、全体を100質量部とした場合に80質量部以上含まれる成分を言う。樹脂層67は、ポリビニルアルコール系樹脂とともに無機酸化物を含有する組成物であっても良い。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム等が挙げられる。
樹脂層67は、蒸着層66を保護し、蒸着層66のガスバリア性を向上させるために設けられる。樹脂層67は、例えば蒸着層66上にポリビニルアルコール、又はポリビニルアルコールに無機酸化物を添加した組成物を、ロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布方法で塗布し、乾燥させることにより形成される。
(接着用プライマー層)
接着用プライマー層68は、防湿シート60bと基材10との接着を良好にするために設けられる。接着用プライマー層68は、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を単独又は混合した接着組成物により形成される。また、接着用プライマー層68は、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成される。
(表面濡れ性改質層)
表面濡れ性改質層64は、樹脂フィルム65の表面を、リアクティブエッチング処理やコロナ処理などの物理的処理によって表面をナノレベルで粗面として、表面濡れ性を改質することにより形成される。改質処理としては、リアクティブエッチング処理がより好ましい。リアクティブエッチング処理の方が、コロナ処理に比べて、経時的な接着強度の維持性が高いためである。リアクティブエッチング処理は、プラズマを利用したエッチング処理である。
なお、基材10と防湿シート60bとを貼り合わせる裏面接着剤層50は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂を95.9質量部及び有機系硬化剤(イソシアネート系)を4.1質量部含有する。この場合、裏面接着剤層50の1平方メートル当たりの質量は、49.8g/m以上55.8g/m以下(固形量)(有機質量49.8g/m以上55.8g/m以下)となることが好ましい。本実施形態では、裏面接着剤層50の1平方メートル当たりの質量は、52.8g/mとされている。
<効果>
上述した本実施形態の不燃化粧板1は、無機材料を含む無機基材層11を有する基材10を備えることで不燃性を有する。また、不燃性を有する基材10上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで、基材10と化粧シート40との密着性能が向上する。
特に、不燃化粧板1は、火山性ガラス質堆積物を含む無機基材層11と、金属層124を含む表面層12とが積層されることにより、確実に不燃性を確保することが可能となる。
また、化粧シート40の樹脂フィルム42としてポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用すると耐熱性が向上して、より不燃性が向上する。
ここで、本実施形態でいう不燃性は、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験に準拠し、上記不燃化粧板1の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性である。
次に、本願発明に基づく第2実施形態に係る不燃化粧板の実施例について説明する。
<実施例2−1>
実施例2−1の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。不燃化粧板は、図1に示すように、不燃性基材と、不燃性基材の一方の面にこの順に積層して設けられたシーラー層、表面接着剤層及び化粧シートと、不燃性基材の他方の面にこの順に積層して設けられた裏面接着剤層及び防湿シートと、を備えている。
(化粧シート)
化粧シートの樹脂フィルムとして、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いた。樹脂フィルムは、ポリエステル系樹脂95.5質量部と無機質系顔料4.5質量部とを混合した樹脂材料により形成した。また、樹脂フィルムを、厚さが0.06mm、1平方メートル当たりの質量(以下質量と記載する場合がある)が75.0g/m(有機質量71.6g/m)となるようにして樹脂フィルムを形成した。
次に、樹脂フィルムの表面に印刷により印刷層を設けた。印刷に使用したインキは、ウレタン系樹脂85質量部と無機質系顔料15質量部とを混合して作製した。印刷層を、質量が6.73g/m(固形量)(有機質量5.25g/m)となるように形成した。
続いて、樹脂フィルムの裏面に裏面プライマー層を形成した。裏面プライマー層は、ウレタン系樹脂62質量部、無機質系顔料38質量部を混合して形成した。裏面プライマー層を、質量が1.3g/m(固形量)(有機質量0.8g/m以下)となるように形成した。
最後に、印刷層の上に表面保護層を設けた。表面保護層は、アクリル系紫外線硬化樹脂80質量部と無機質系添加剤20質量部とを混合した材料により形成した。表面保護層を、厚さが0.04mm、質量が16.3g/m(固形量)(有機質量13.0g/m)となるように形成した。
(不燃性基材)
厚さ0.012mm、質量32.0g/mのアルミニウム箔からなる金属層の両面に、質量4.0g/m(固形量)のウレタン系樹脂からなる樹脂層を介して、質量23.0g/mの薄葉紙からなる紙層を貼り付けた。続いて、紙層の表面に、質量24.0g/mのウレタン系接着剤からなる接着層を設けた。これにより、不燃性基材の表面層を得た。
次に、JIS A 5440に準拠した基材あるいはそれ以上の耐性を備える基材に、厚さ1.4mm、質量1.75kg/m、かさ比重1.25の下層と、厚さ1.5mm、質量1.88kg/m、かさ比重1.25の上層とを形成し、無機基材層を得た。
最後に、この無機基材層上に表面層を積層し、表面層の接着層により無機基材層と表面層とを接着して、不燃性基材を得た。
(防湿シート)
樹脂フィルムの表面に、蒸着層、樹脂層及び接着用プライマー層とがこの順に形成され、裏面に樹脂フィルムに対するリアクティブエッチング処理により形成された表面濡れ性改質層が形成された防湿シートを準備した。樹脂フィルムは、厚さ12μm、質量16.8g/m(有機質量16.8g/m)のポリエチレンテレフタレート樹脂からなる層である。蒸着層は、質量0.1g/m(固形量)の酸化アルミニウムからなる層である。樹脂層は、ポリビニルアルコール樹脂からなり、質量が0.4g/m(固形量)(有機質量0.4g/m)となるように形成されている。接着用プライマー層は、ウレタン系樹脂33.9質量部と無機質系添加剤である酸化アルミニウム66.1質量部とを含み、質量が1.9g/m(固形量)(有機質量0.64g/m)となるように形成されている。この防湿シートは、厚さ12μm、質量19.2g/m(有機質量17.8g/m)であった。
(シーラー層)
ウレタン系樹脂100質量%で構成され、質量が2.3g/m(固形量)(有機質量2.3g/m)であるシーラー層を、不燃性基材の一方の表面上に形成した。
(表面接着剤層)
不燃性基材の一方の面上に形成したシーラー層と、化粧シートの一方の面とを、表面接着剤層を介して貼り合わせた。表面接着剤層の組成は、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂95.7質量部/有機系硬化剤(イソシアネート系)4.3質量部とした。このとき、質量が15.1g/m(固形量)(有機質量15.1g/m)となるように表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
不燃性基材の他方の面(シーラー層が設けられていない面)と、防湿シートの一方の面とを、裏面接着剤層を介して貼り合わせた。裏面接着剤層の組成は、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂を95.9質量部及び有機系硬化剤(イソシアネート系)を4.1質量部とした。このとき、質量が52.8g/m(固形量)(有機質量52.8g/m)となるように裏面接着剤層を形成した。
<実施例2−2>
実施例2−2の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。
(化粧シート)
表面保護層の質量を13.3g/m(固形量)(有機質量13.3g/m)とし、印刷層の質量を5.13g/m(固形量)(有機質量5.13g/m)とし、裏面プライマー層の質量を1.0g/m(固形量)(有機質量1.0g/m)とした。これ以外は、実施例2−1に記載の化粧シートと同様の化粧シートを用いた。
(不燃性基材)
不燃性基材には、実施例2−1に記載の不燃性基材と同様の不燃性基材を用いた。
(防湿シート)
防湿シートには、実施例2−1に記載の防湿シートと同様の防湿シートを用いた。
(シーラー層)
シーラー層には、実施例2−1に記載のシーラー層と同様のシーラー層を用いた。
(表面接着剤層)
質量を16.1g/m(固形量)(有機質量16.1g/m)とした以外は、実施例2−1に記載の表面接着剤層と同様の表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
質量を48.1g/m(固形量)(有機質量48.1g/m)とした以外は、実施例2−1に記載の裏面接着剤層と同様の裏面接着剤層を形成した。
<実施例2−3>
表面接着剤層の質量を15.6g/m(固形量)(有機質量15.6g/m)とした以外は、実施例2−2に記載の不燃化粧板と同様にして実施例2−3の不燃化粧板を形成した。
<評価>
以下のようにして、各評価を行った。なお、それぞれのサンプルにて各評価を行った。(不燃試験)
上述した実施例2−1から実施例2−3の不燃化粧板に対し、コーンカロリーメーターを用いた試験方法(ISO5660−1に準拠)にて、燃焼性を確認した。不燃試験により、総発熱量(合計発熱量)並びに最大発熱速度及び発熱速度が200kW/mを超えた時間の測定結果を得た。不燃試験の試験時間は、不燃材料評価時間の20分とした。
なお、総発熱量は、8MJ/m以下を好ましい範囲とし、発熱速度が200kW/mを超えた時間は10秒以下を好ましい範囲とした。また、最大発熱速度は、200kW/m以下を好ましい範囲とした。
(外観評価)
上述した実施例2−1から実施例2−3の不燃化粧板に対し、目視にて不燃試験後の外観の評価を行った。不燃化粧板の表面おける、裏面に達する亀裂の有無を確認し、裏面に達する亀裂のないものを「○」、裏面に達する亀裂のあるものを「×」とした。
以下の表3に、各実施例の評価結果を示す。また、表3には、各評価の結果に基づく判定を示す。各実施例のうち、不適な構成の実施例を「×」、好ましい構成の実施例を「○」、特に好ましい構成の実施例を「◎」と評価した。
Figure 2020011392
表3に示すように、実施例2−1から実施例2−3の何れも総発熱量が8MJ/m以下であり、最大発熱速度が200kW/m未満であり、発熱速度が200kW/mを超えた時間が0秒であった。また、実施例2−1から実施例2−3の何れも、20分の不燃試験後に、裏面に達する亀裂が発生しなかった。このため、本願発明に基づく不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性能を備えることが分かる。
中でも、実施例2−1は、3つのサンプルの総発熱量の平均値が特に低かった。このため、実施例2−1の不燃化粧板の構成が特に好ましいことが分かった。
以上、実施例で示すように、金属層と、火山性ガラス質堆積物等の無機材料を含む不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性を有している。
[第3実施形態]
図1に示すように、第3実施形態の不燃化粧板1は、第1実施形態の不燃化粧板1と同様に、基材(不燃性基材)10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、基材10の他方の面に設けられた裏面接着剤層50と、防湿シート60と、を備えている。第3実施形態と第1実施形態とで異なる点は、基材10の構成、より詳しくは無機基材層11の構成である。そこで、ここでは、図15を参照して、第1実施形態とは異なる部分である第3実施形態の基材10について詳細に説明し、第1実施形態と同じ部分については説明を省略する。
<不燃性基材>
以下、図15を参照して、基材10について説明する。図15は、図1に示す不燃化粧板1に備えられた基材10の構成を詳細に示す断面図である。
基材10は、無機材料を含む無機基材層11と、金属層を含み無機基材層11の表面に設けられた表面層12とを有している。なお、第3実施形態では、無機基材層11を「無機基材層11b」とも称する。
基材10は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ4mm以上9mm以下であることが好ましい。本実施形態では、基材10の厚さは6mmとされている。
基材10は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が3.0kg/m以上6.0kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、基材10の1平方メートル当たりの質量は4.5kg/mとされている。
基材10は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が0.5以上1.2以下であることが好ましい。本実施形態では、基材10のかさ比重は0.77とされている。
(無機基材層)
図15に示すように、無機基材層11bは、無機材料を含む第1の無機層である中層112と、人造鉱物繊維材を含む第1の無機層である下層111及び第3の無機層である上層113とを備える積層体である。
無機基材層11bは、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ3mm以上8mm以下であることが好ましく、発熱性や取り回し性などの観点から、4.5mm以上6.5mm以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11bの厚さは5.8mmとされている。また、これら無機質系基材には、他の層との密着性を高める為にサンダーがけ等の表面処理が行われていても良い。
無機基材層11bは、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が3.8kg/m以上5.0kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11bの1平方メートル当たりの質量は4.38kg/mとされている。
無機基材層11bは、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が0.5以上1.0以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11bのかさ比重は0.76とされている。
(中層)
中層112は、無機材料として、例えばシラス発泡体、白土、軽石等の火山性ガラス質堆積物を含んでいる。また、中層112は、無機材料として、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホウ砂等の無機質系充填材と、炭酸カルシウム、マイクロシリカ、スラグ粉等の無機質系粉体とを含んでいる。さらに、中層112は、例えば、でん粉、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール等の有機系結合剤を含んでいる。
中層112は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ2.0mm以上4.0mm以下であることが好ましい。本実施形態では、中層112の厚さは3.4mmとされている。
中層112は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が1.0kg/m以上1.8kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、中層112の1平方メートル当たりの質量は1.84kg/mとされている。
中層112は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が0.3以上1.0以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111のかさ比重は0.5とされている。
(下層及び上層)
下層111及び上層113は、人造鉱物繊維保温材としてロックウール、スラグウール、グラスウール、ミネラルウール等を含んでいる。また、下層111及び上層113は、中層112と同様の無機質系充填材、無機質系粉体及び有機系結合剤を含んでいる。
下層111及び上層113は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ0.8mm以上1.4mm以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111及び上層113の厚さは、それぞれ1.2mmとされている。
下層111及び上層113は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が0.8kg/m以上1.8kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111及び上層113の1平方メートル当たりの質量は1.27kg/mとされている。
下層111及び上層113は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が0.5以上1.3以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111及び上層113のかさ比重は0.76とされている。
このような基材10としては、たとえば、火山性ガラス質複層板(JISA5440「不燃火山性ガラス質複層板」に準拠)等の板を挙げることができる。
<効果>
上述した本実施形態の不燃化粧板1は、無機材料を含む無機基材層11bを有する基材10を備えることで不燃性を有する。また、不燃性を有する基材10上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで、基材10と化粧シート40との密着性能が向上する。
特に、不燃化粧板1は、火山性ガラス質堆積物を含む無機基材層11bと、金属層124を含む表面層12とが積層されることにより、確実に不燃性を確保することが可能となる。
また、化粧シート40の樹脂フィルム42としてポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用すると耐熱性が向上して、より不燃性が向上する。
ここで、本実施形態でいう不燃性は、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験に準拠し、上記不燃化粧板1の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性である。
次に、本願発明に基づく第3実施形態に係る不燃化粧板の実施例について説明する。
<実施例3−1>
実施例3−1の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。不燃化粧板は、図1に示すように、不燃性基材と、不燃性基材の一方の面にこの順に積層して設けられたシーラー層、表面接着剤層及び化粧シートと、不燃性基材の他方の面にこの順に積層して設けられた裏面接着剤層及び防湿シートと、を備えている。
(化粧シート)
化粧シートの樹脂フィルムとして、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いた。樹脂フィルムは、ポリエステル系樹脂95.5質量部と無機質系顔料4.5質量部とを混合した樹脂材料により形成した。また、樹脂フィルムを、厚さが0.06mm、1平方メートル当たりの質量(以下質量と記載する場合がある)が75.0g/m(有機質量71.6g/m)となるようにして樹脂フィルムを形成した。
次に、樹脂フィルムの表面に印刷により印刷層を設けた。印刷に使用したインキは、ウレタン系樹脂85質量部と無機質系顔料15質量部とを混合して作製した。印刷層を、質量が6.73g/m(固形量)(有機質量5.25g/m)となるように形成した。
続いて、樹脂フィルムの裏面に裏面プライマー層を形成した。裏面プライマー層は、ウレタン系樹脂62質量部、無機質系顔料38質量部を混合して形成した。裏面プライマー層を、質量が1.3g/m(固形量)(有機質量0.8g/m以下)となるように形成した。
最後に、印刷層の上に表面保護層を設けた。表面保護層は、アクリル系紫外線硬化樹脂80質量部と無機質系添加剤20質量部とを混合した材料により形成した。表面保護層を、厚さが0.04mm、質量が16.3g/m(固形量)(有機質量13.0g/m)となるように形成した。
(不燃性基材)
厚さ0.012mm、質量32.0g/mのアルミニウム箔からなる金属層の両面に、質量4.0g/m(固形量)のウレタン系樹脂からなる樹脂層を介して、質量23.0g/mの薄葉紙からなる紙層を貼り付けた。続いて、紙層の表面に、質量24.0g/mのウレタン系接着剤からなる接着層を設けた。これにより、不燃性基材の表面層を得た。
次に、JIS A 5440に準拠した基材あるいはそれ以上の耐性を備える基材に、厚さ1.2mm、質量1.27kg/m、かさ比重1.1の上層及び下層、並びに厚さ3.4mm、質量1.84kg/m、かさ比重0.5の中層を形成し、無機基材層を得た。
最後に、この無機基材層上に表面層を積層し、表面層の接着層により無機基材層と表面層とを接着して、不燃性基材を得た。
(防湿シート)
厚さ0.027mm、質量25.4g/m(有機質量25.4g/m)のポリエチレン系樹脂層の両面に、質量24.0g/mの薄葉紙からなる紙基材を備える防湿シートを準備した。防湿シートは、ルーダーにてポリエチレン系樹脂を薄葉紙とともに共押出しして形成した。この防湿シートは、厚さ0.070mm、質量73.4g/m(有機質量73.4g/m)であった。この構成の防湿シートを防湿シートAと記載する。
(シーラー層)
ウレタン系樹脂100質量%で構成され、質量が2.3g/m(固形量)(有機質量2.3g/m)であるシーラー層を、不燃性基材の一方の表面上に形成した。
(表面接着剤層)
不燃性基材の一方の面上に形成したシーラー層と、化粧シートの一方の面とを、表面接着剤層を介して貼り合わせた。表面接着剤層の組成は、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂95.7質量部/有機系硬化剤(イソシアネート系)4.3質量部とした。このとき、質量が15.1g/m(固形量)(有機質量15.1g/m)となるように表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
不燃性基材の他方の面(シーラー層が設けられていない面)と、防湿シートの一方の面とを、裏面接着剤層を介して貼り合わせた。裏面接着剤層の組成は、酢酸ビニル系樹脂100質量%とした。このとき、質量が29.7g/m(固形量)(有機質量29.7g/m)となるように裏面接着剤層を形成した。
<実施例3−2>
実施例3−2の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。
(化粧シート)
化粧シートの表面保護層を複数の層(2層)で形成した。表面保護層の表面側の層を、アクリル系紫外線硬化樹脂80質量部と無機質系添加剤20質量部とを混合した材料を用いて、厚さ0.04mm、有機質量15.5g/mとなるように形成した。また、表面保護層の裏面側(印刷層側)の面に、ウレタン系樹脂を用いて、有機質量5.35g/mのアンダーコート層を形成した。また、印刷層の有機質量を7.14g/mとした。さらに、裏面プライマー層の有機質量を1.0g/mとした。これ以外は、実施例3−1に記載の化粧シートと同様の化粧シートを用いた。
(不燃性基材)
不燃性基材には、実施例3−1に記載の不燃性基材と同様の不燃性基材を用いた。
(防湿シート)
防湿シートには、厚さ0.040mm、質量40.0g/m(有機質量40.0g/m)のポリエチレン系樹脂フィルムからなる樹脂フィルムの両面に、質量29.5g/mの薄葉紙からなる紙基材を備える防湿シートを準備した。この防湿シートは、質量99.0g/m(有機質量99.0g/m)であった。この構成の防湿シートを防湿シートBと記載する。
(シーラー層)
質量を5.4g/m(固形量)(有機質量5.4g/m)とした以外は、実施例3−1に記載のシーラー層と同様のシーラー層を形成した。
(表面接着剤層)
質量を16.5g/m(固形量)(有機質量16.5g/m)とした以外は、実施例3−1に記載の表面接着剤層と同様の表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
質量を58.5g/m(固形量)(有機質量58.5g/m)とした以外は、実施例3−1に記載の裏面接着剤層と同様の裏面接着剤層を形成した。
<評価>
以下のようにして、各評価を行った。なお、それぞれ2つのサンプルにて各評価を行った。
(不燃試験)
上述した実施例3−1、実施例3−2の不燃化粧板に対し、コーンカロリーメーターを用いた試験方法(ISO5660−1に準拠)にて、燃焼性を確認した。不燃試験により、総発熱量(合計発熱量)並びに最大発熱速度及び発熱速度が200kW/mを超えた時間の測定結果を得た。不燃試験の試験時間は、不燃材料評価時間の20分とした。
なお、総発熱量は、8MJ/m以下を好ましい範囲とし、発熱速度が200kW/mを超えた時間は10秒以下を好ましい範囲とした。また、最大発熱速度は、200kW/m以下を好ましい範囲とした。
(外観評価)
上述した実施例3−1、実施例3−2の不燃化粧板に対し、目視にて不燃試験後の外観の評価を行った。不燃化粧板の表面おける、裏面に達する亀裂の有無を確認し、裏面に達する亀裂のないものを「○」、裏面に達する亀裂のあるものを「×」とした。
以下の表4に、各実施例の評価結果を示す。また、表4には、各評価の結果に基づく判定を示す。各実施例のうち、不適な構成の実施例を「×」、好ましい構成の実施例を「○」、特に好ましい構成の実施例を「◎」と評価した。
Figure 2020011392
表4に示すように、実施例3−1、実施例3−2の何れも最大発熱速度が200kW/m未満であり、発熱速度が200kW/mを超えた時間が0秒であった。また、実施例3−1、実施例3−2の何れも、20分の不燃試験後に、裏面に達する亀裂が発生しなかった。このため、本願発明に基づく不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性能を備えることが分かる。
中でも、実施例3−1は、2つのサンプルの平均値が非常に低かった。このため、実施例3−1の不燃化粧板の構成が特に好ましいことが分かった。
<実施例3−3>
表面接着剤層の質量を15.5g/m(固形量)(有機質量15.5g/m)とした以外は、実施例3−1に記載の不燃化粧板と同様にして実施例3−3の不燃化粧板を形成した。
<評価>
以下のようにして、ピーリング試験による評価を行った。
(ピーリング試験)
上述した実施例3−3の不燃化粧板に対し、化粧シートと不燃性基材との密着性を確認するために剥離強度試験(JIS K 6854−2、180°剥離)を測定した。
以下の表5に、実施例3−3の評価結果を示す。
Figure 2020011392
表5に示すように、化粧シートと不燃性基材との間に質量が2.3g/mのシーラー層を備える実施例3−3は、ピーリング強度が23.9N/25mmであり、化粧シートと不燃性基材との間のピーリング強度が十分に高いことが分かった。
以上、実施例で示すように、金属層と、火山性ガラス質堆積物等の無機材料を含む不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性を有している。また、このような不燃化粧板は、不燃性基材と化粧シートとの間にシーラー層が設けられている。不燃性基材と化粧シートとの密着性を向上させ、不燃化粧板の品質を向上させることができるためである。
[第4実施形態]
図1に示すように、第4実施形態の不燃化粧板1は、第1実施形態の不燃化粧板1と同様に、基材(不燃性基材)10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、基材10の他方の面に設けられた裏面接着剤層50と、防湿シート60と、を備えている。第4実施形態と第1実施形態とで異なる点は、基材10の構成、より詳しくは無機基材層11の構成と、防湿シート60の構成である。また、第1実施形態とは異なる部分である第4実施形態の無機基材層11は、第3実施形態の無機基材層11(11a)の構成と同じである。また、第1実施形態とは異なる部分である第4実施形態の防湿シート60は、第2実施形態の防湿シート60(60b)の構成と同じである。つまり、第4実施形態の不燃化粧板1は、第1実施形態から第3実施形態で説明した各層を組み合わせたものである。よって、ここでは、第4実施形態の不燃化粧板1を構成する各層については説明を省略する。
<効果>
上述した本実施形態の不燃化粧板1は、無機材料を含む無機基材層11を有する基材10を備えることで不燃性を有する。また、不燃性を有する基材10上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで、基材10と化粧シート40との密着性能が向上する。
特に、不燃化粧板1は、火山性ガラス質堆積物を含む無機基材層11と、金属層124を含む表面層12とが積層されることにより、確実に不燃性を確保することが可能となる。
また、化粧シート40の樹脂フィルム42としてポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用すると耐熱性が向上して、より不燃性が向上する。
ここで、本実施形態でいう不燃性は、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験に準拠し、上記不燃化粧板1の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性である。
次に、本願発明に基づく第4実施形態に係る不燃化粧板の実施例について説明する。
<実施例4−1>
実施例4−1の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。不燃化粧板は、図1に示すように、不燃性基材と、不燃性基材の一方の面にこの順に積層して設けられたシーラー層、表面接着剤層及び化粧シートと、不燃性基材の他方の面にこの順に積層して設けられた裏面接着剤層及び防湿シートと、を備えている。
(化粧シート)
化粧シートの樹脂フィルムとして、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いた。樹脂フィルムは、ポリエステル系樹脂95.5質量部と無機質系顔料4.5質量部とを混合した樹脂材料により形成した。また、樹脂フィルムを、厚さが0.06mm、1平方メートル当たりの質量(以下質量と記載する場合がある)が75.0g/m(有機質量71.6g/m)となるようにして樹脂フィルムを形成した。
次に、樹脂フィルムの表面に印刷により印刷層を設けた。印刷に使用したインキは、ウレタン系樹脂85質量部と無機質系顔料15質量部とを混合して作製した。印刷層を、質量が6.73g/m(固形量)(有機質量5.25g/m)となるように形成した。
続いて、印刷層の上に表面保護層を設けた。表面保護層は、アクリル系紫外線硬化樹脂80質量部と無機質系添加剤20質量部とを混合した材料により形成した。表面保護層を、厚さが0.04mm、質量が16.3g/m(固形量)(有機質量13.0g/m)となるように形成した。
最後に、樹脂フィルムの裏面に裏面プライマー層を形成した。裏面プライマー層は、ウレタン系樹脂62質量部、無機質系顔料38質量部を混合して形成した。裏面プライマー層を、質量が1.3g/m(固形量)(有機質量0.8g/m以下)となるように形成した。
(不燃性基材)
厚さ0.012mm、質量32.0g/mのアルミニウム箔からなる金属層の両面に、質量4.0g/m(固形量)のウレタン系樹脂からなる樹脂層を介して、質量23.0g/mの薄葉紙からなる紙層を貼り付けた。続いて、紙層の表面に、質量24.0g/mのウレタン系接着剤からなる接着層を設けた。これにより、不燃性基材の表面層を得た。
次に、JIS A 5440に準拠した基材あるいはそれ以上の耐性を備える基材に、厚さ1.2mm、質量1.27kg/m、かさ比重1.1の上層及び下層、並びに厚さ3.4mm、質量1.84kg/m、かさ比重0.5の中層を形成し、無機基材層を得た。
最後に、この無機基材層上に表面層を積層し、表面層の接着層により無機基材層と表面層とを接着して、不燃性基材を得た。
(防湿シート)
樹脂フィルムの表面に、蒸着層、樹脂層及び接着用プライマー層とがこの順に形成され、裏面に樹脂フィルムに対するリアクティブエッチング処理により形成された表面濡れ性改質層が形成された防湿シートを準備した。樹脂フィルムは、厚さ12μm、質量16.8g/m(有機質量16.8g/m)のポリエチレンテレフタレート樹脂からなる層である。蒸着層は、質量0.1g/m(固形量)の酸化アルミニウムからなる層である。樹脂層は、ポリビニルアルコール樹脂からなり、質量が0.4g/m(固形量)(有機質量0.4g/m)となるように形成されている。接着用プライマー層は、ウレタン系樹脂33.9質量部と無機質系添加剤である酸化アルミニウム66.1質量部とを含み、質量が1.9g/m(固形量)(有機質量0.64g/m)となるように形成されている。この防湿シートは、厚さ12μm、質量19.2g/m(有機質量17.8g/m)であった。
(シーラー層)
ウレタン系樹脂100質量%で構成され、質量が2.3g/m(固形量)(有機質量2.3g/m)であるシーラー層を、不燃性基材の一方の表面上に形成した。
(表面接着剤層)
不燃性基材の一方の面上に形成したシーラー層と、化粧シートの一方の面とを、表面接着剤層を介して貼り合わせた。表面接着剤層の組成は、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂95.7質量部/有機系硬化剤(イソシアネート系)4.3質量部とした。このとき、質量が15.1g/m(固形量)(有機質量15.1g/m)となるように表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
不燃性基材の他方の面(シーラー層が設けられていない面)と、防湿シートの一方の面とを、裏面接着剤層を介して貼り合わせた。裏面接着剤層の組成は、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂を95.9質量部及び有機系硬化剤(イソシアネート系)を4.1質量部とした。このとき、質量が52.8g/m(固形量)(有機質量52.8g/m)となるように裏面接着剤層を形成した。
<評価>
以下のようにして、各評価を行った。なお、評価は3つのサンプルにて行った。
(不燃試験)
上述した実施例4−1の不燃化粧板に対し、コーンカロリーメーターを用いた試験方法(ISO5660−1に準拠)にて、燃焼性を確認した。不燃試験により、総発熱量(合計発熱量)並びに最大発熱速度及び発熱速度が200kW/mを超えた時間の測定結果を得た。不燃試験の試験時間は、不燃材料評価時間の20分とした。
なお、総発熱量は、8MJ/m以下を好ましい範囲とし、発熱速度が200kW/mを超えた時間は10秒以下を好ましい範囲とした。また、最大発熱速度は、200kW/m以下を好ましい範囲とした。
(外観評価)
上述した実施例4−1の不燃化粧板に対し、目視にて不燃試験後の外観の評価を行った。不燃化粧板の表面おける、裏面に達する亀裂の有無を確認し、裏面に達する亀裂のないものを「○」、裏面に達する亀裂のあるものを「×」とした。
以下の表6に、実施例4−1の評価結果を示す。また、表6には、評価の結果に基づく判定を示す。各実施例のうち、好ましい構成の実施例を「○」、特に好ましい構成の実施例を「◎」と評価した。
Figure 2020011392
表6に示すように、実施例4−1は最大発熱速度が200kW/m未満であり、発熱速度が200kW/mを超えた時間が0秒であった。また、実施例4−1は、20分の不燃試験後に、裏面に達する亀裂が発生しなかった。このため、本願発明に基づく不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性能を備えることが分かる。
実施例4−1は、3つのサンプルの総発熱量がいずれも8MJ/m以下であり、かつ3つのサンプルの平均値が低かった。このため、実施例4−1の不燃化粧板の構成が特に好ましいことが分かった。
以上、実施例4−1で示すように、金属層と、火山性ガラス質堆積物等の無機材料を含む不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性を有している。また、このような不燃化粧板は、不燃性基材と化粧シートとの間にシーラー層が設けられている。不燃性基材と化粧シートとの密着性を向上させ、不燃化粧板の品質を向上させることができるためである。
[第5実施形態]
図16に示すように、第5実施形態の不燃化粧板1は、第1実施形態の不燃化粧板1と同様に、基材10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、基材10の他方の面に設けられた裏面接着剤層50と、防湿シート60と、を備えている。第5実施形態と第1実施形態とで異なる点は、化粧シート40の構成である。そこで、ここでは、図16を参照して、第1実施形態とは異なる部分である第5実施形態の化粧シート40について詳細に説明し、第1実施形態と同じ部分については説明を省略する。なお、第5実施形態では、化粧シート40を「化粧シート40b」とも称する。
<化粧シート>
化粧シート40bは、樹脂フィルム(第1の樹脂フィルム)42と、樹脂フィルム42の表面(基材10とは反対側の面)に形成された印刷層43と、印刷層43の表面(樹脂フィルム42とは反対側の面)に形成されたアンカーコート層45と、アンカーコート層45の表面(印刷層43とは反対側の面)に形成された上台層46と、上台層46の表面(アンカーコート層45とは反対側の面)に形成された表面保護層44とを備えている。また、化粧シート40は、樹脂フィルム42の裏面(基材10側の面)に裏面プライマー層41を備えている。
ここで、表面保護層44、アンカーコート層45及び上台層46以外の層、即ち裏面プライマー層41、樹脂フィルム42及び印刷層43は、第1実施形態で説明した各層と同じである。よって、ここでは、裏面プライマー層41、樹脂フィルム42及び印刷層43についての説明は省略する。
(表面保護層)
表面保護層44を構成する材料等は、第1実施形態で説明した表面保護層44とほぼ同じであるが、本実施形態に係る表面保護層44は、例えば、アクリル系樹脂を40.5質量%以上94.3質量%以下の範囲内で含み、シリカ等の無機質系添加剤を5.7質量%以上59.5質量%以下の範囲内で含んだものである。また、本実施形態に係る表面保護層44は、その最大質量が25.6g/m以下となるように、また、有機系添加剤の含有量が11.6g/m以下となるように形成してもよい。なお、本実施形態に係る表面保護層44は、不燃性及び表面性能維持の観点から、その塗布量(質量)が6g/m以上9g/m以下の範囲内であることが好ましい。
(アンカーコート層)
アンカーコート層45は、例えば、ウレタン系樹脂で形成された層であって、その乾燥重量が1.2g/m程度の程度層である。
(上台層)
上台層46は、例えば、ポリプロピレン系樹脂で形成された層であって、その厚さが0.03mm以上0.05mm以下の範囲内にある層である。なお、上台層46の表面は、例えば、平滑にする場合と、押出形成すると同時に最大深さ0.035±0.004mmのエンボスを入れて凹凸感を持たせる場合とがある。
<効果>
上述した本実施形態の不燃化粧板1は、無機材料を含む無機基材層11を有する基材10を備えることで不燃性を有する。また、不燃性を有する基材10上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで、基材10と化粧シート40との密着性能が向上する。
特に、不燃化粧板1は、火山性ガラス質堆積物を含む無機基材層11と、金属層124を含む表面層12とが積層されることにより、確実に不燃性を確保することが可能となる。
また、化粧シート40の樹脂フィルム42としてポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用すると耐熱性が向上して、より不燃性が向上する。
[第6実施形態]
図17に示すように、第6実施形態の不燃化粧板1は、不燃性基材(以下、基材と記載する)10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、基材10の他方の面に設けられた裏シーラー層70と、を備えている。
ここで、第6実施形態の不燃化粧板1を構成する化粧シート40は、第1実施形態で説明した化粧シート40(40a)と同じである。また、第6実施形態の不燃化粧板1を構成する基材10は、第3実施形態で説明した基材10と同じである。よって、ここでは、化粧シート40(40a)と基材10については説明を省略し、表面接着剤層30と裏シーラー層70とについて説明する。
(表面接着剤層)
表面接着剤層30は、例えば、アクリル樹脂系接着剤であって、その塗布量(質量)は49g/m以上61g/m以下の範囲内であってもよい。
(表シーラー層)
表シーラー層20は、例えば、クロロプレンゴムで形成された層であって、その塗布量(質量)は6.3g/m以上7.7g/m以下の範囲内であってもよい。なお、クロロプレンゴムで表シーラー層20を形成する場合には、毛丈サイズが13mm前後である「中毛」よりもサイズが小さいローラー刷毛を使用して形成してもよい。その際、ローラー刷毛を1往復させることで、表シーラー層20を塗布・形成してもよい。
(裏シーラー層)
裏シーラー層70は、上述の表シーラー層20と同様にして形成してもよい。即ち、裏シーラー層70は、例えば、クロロプレンゴムで形成された層であって、その塗布量(質量)は6.3g/m以上7.7g/m以下の範囲内であってもよい。なお、クロロプレンゴムで裏シーラー層70を形成する場合には、毛丈サイズが13mm前後である「中毛」よりもサイズが小さいローラー刷毛を使用して形成してもよい。その際、ローラー刷毛を1往復させることで、裏シーラー層70を塗布・形成してもよい。
<効果>
上述した本実施形態の不燃化粧板1は、無機材料を含む無機基材層11を有する基材10を備えることで不燃性を有する。また、不燃性を有する基材10上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで、基材10と化粧シート40との密着性能が向上する。
特に、不燃化粧板1は、火山性ガラス質堆積物を含む無機基材層11と、金属層124を含む表面層12とが積層されることにより、確実に不燃性を確保することが可能となる。
また、化粧シート40の樹脂フィルム42としてポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用すると耐熱性が向上して、より不燃性が向上する。
[第7実施形態]
図18に示すように、第7実施形態の不燃化粧板1は、不燃性基材(以下、基材と記載する)10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、を備えている。
ここで、第7実施形態の不燃化粧板1を構成する化粧シート40は、第5実施形態で説明した化粧シート40(40b)と同じである。よって、ここでは、化粧シート40(40b)については説明を省略し、表面接着剤層30とシーラー層20と基材10とについて説明する。
(表面接着剤層)
表面接着剤層30は、例えば、アクリル樹脂系接着剤であって、その塗布量(質量)は50.5g/m以上61。7g/m以下の範囲内であってもよい。さらに、表面接着剤層30は、上述のアクリル樹脂系接着剤に、例えば、臭素系難燃剤を22.7質量%以上27.7質量%以下の範囲内で添加してもよいし、アンチモン系薬剤を7.6質量%以上9.2質量%以下の範囲内で添加してもよい。もちろん、上述の臭素系難燃剤とアンチモン系薬剤の両方を添加してもよい。
(表シーラー層)
表シーラー層20は、例えば、クロロプレンゴムで形成された層であって、その塗布量(質量)は5.0g/m以上36.7g/m以下の範囲内であってもよい。また、表シーラー層20は、不燃性及び表面性能維持の観点から、その塗布量(質量)が10.0g/m以上18.0g/m以下の範囲内であることが好ましい。なお、クロロプレンゴムで表シーラー層20を形成する場合には、毛丈サイズが13mm前後である「中毛」よりもサイズが小さいローラー刷毛を使用して形成してもよい。その際、ローラー刷毛を1往復させることで、表シーラー層20を塗布・形成してもよい。
(基材)
基材10は、例えば、厚みが5mm以上12mm以下の範囲内にあり、且つ比重が0.6以上0.9未満の範囲内にあるケイ酸カルシウム板、いわゆるケイカル板であってもよい。なお、本実施形態では、汎用性の観点から、厚みが6mmのケイカル板が好ましい。図18では、このケイカル板を「10c」として表記している。
基材10は、上述した仕様のケイカル板以外に、例えば、図19に示すように、ガラス酸化マグネシウム板103の表面(化粧シート40側の面)にシーラー層102と、炭酸カルシウムを主成分とするパテ層101とがこの順に形成され、且つガラス酸化マグネシウム板103の裏面(化粧シート40側とは反対側の面)に、裏面シーラー層104が形成されていてもよい。なお、図19では、ガラス酸化マグネシウム板103を含んだ基材を「10d」として表記している。
「ガラス酸化マグネシウム板103」
ガラス酸化マグネシウム板103は、ネット状のガラス繊維をマトリックスとし、酸化マグネシウムを主成分とした板状の部材である。主成分とは50質量部以上とする。
具体的には、本実施形態のガラス酸化マグネシウム板103は、ネット状のガラス繊維をマトリックスとして、質量比で酸化マグネシウム 49.2〜57.2質量部、塩化マグネシウム 27.8〜29.8質量部、無機質系難燃剤(りん酸系)を適宜含有して構成したものである。
ネット状のガラス繊維は、例えば、3層を重ねてクロス(布)として使用してもよい。また、ネット状のガラス繊維の質量は、例えば53.3±5.3g/m(1層当たり)であってもよい。また、ネット状のガラス繊維の織方は、例えば、平織であってもよい。
ネット状のガラス繊維の織り密度は、例えば、縦糸が15±1本/25mmであってもよく、横糸が15±1本/25mmであってもよい。また、ネット状のガラス繊維の線密度は、例えば、縦糸が22.2±2.2texであり、2本の撚り糸であってもよく、横糸が22.2±2.2texであり、2本の撚り糸であってもよい。
また、ネット状のガラス繊維を、例えば、基材である酸化マグネシウム板(図示せず)の一方側に1層設け、他方側に2層設けてもよい。なお、ネット状のガラス繊維を酸化マグネシウム板に設ける際、このガラス繊維を酸化マグネシウム板に埋め込むようにして設けてもよい。本実施形態に係るガラス酸化マグネシウム板103は、上記構成であってもよい。
またガラス酸化マグネシウム板103は、例えば厚さが0.4mm、質量70g/mである。
図19では、上記構成のガラス酸化マグネシウム板103を1層設けた場合を図示しているが、上記構成のガラス酸化マグネシウム板103を例えば3層積層して、ガラス酸化マグネシウム板とする方が好ましい。また、ガラス酸化マグネシウム板を構成する積層数は1層や3層に限定されず、2層、又は4層以上であってもよい。
「パテ層101」
パテ層101は、炭酸カルシウムを主成分として構成される。主成分とは70質量部以上を指す。なお、パテ層1Aは、塗布後、研磨して表面を平滑にしてもよい。
「シーラー層102」
シーラー層102は、ウレタン系樹脂 100質量%で構成される。このシーラー層102は、ガラス酸化マグネシウム板103表面の密着性を良くするために設けられる。
「裏面シーラー層104」
裏面シーラー層104は、ウレタン系樹脂 100質量%で構成される。この裏面シーラー層104は、ガラス酸化マグネシウム板103裏面の密着性を良くするために設けられる。
<効果>
基材10を、ケイカル板、または無機質系材料を主成分とするガラス酸化マグネシウム板とすることで、化粧板に所定の耐火性、不燃性を持たせることが可能となる。更に、そのような不燃性を有する基材10を使用しても、その基材10の上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで密着性能が向上している。
[第8実施形態]
図20に示すように、第8実施形態の不燃化粧板1は、不燃性基材(以下、基材と記載する)10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、基材10の他方の面に設けられた裏シーラー層70と、裏面接着剤層50と、防湿シート60と、を備えている。
ここで、第8実施形態の不燃化粧板1は、裏シーラー層70を備えている点で、第5実施形態で説明した不燃化粧板1と異なる。また、第8実施形態の不燃化粧板1は、基材10を構成する材質の点で、第5実施形態で説明した不燃化粧板1と異なる。よって、ここでは、第5実施形態と同じ部分については説明を省略し、第5実施形態と異なる部分である基材10と裏シーラー層70とについて説明する。
(基材)
基材10は、例えば、せっこう、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム等を含んでいてもよい。なお、基材10が結晶水を含むせっこう、酸化マグネシウム等を含むものであれば、発熱性低減の点で好適である。図20では、この組成の基材を「10e」として表記している。
基材10は、上述した組成の基材以外に、例えば、厚さが5mm以上7mm以下の範囲内であり、質量が5.0Kg/m以上7.0Kg/m以下の範囲内にある基材であってもよい。
基材10は、硫酸カルシウム2水和物を主成分とし、それにガラス繊維が混入されて構成されたものであってもよい。即ち、基材10は、ガラス繊維を芯材とした石膏板であってもよい。本実施形態の基材10は、機能的に、図21に示すように、基材本体106と、その基材本体106の両面にそれぞれ位置する両面部105、107とを備えていてもよい。なお、図21では、この基材本体106を含んだ基材を「10e」として表記している。
基材本体106は、例えば硫酸カルシウム2水和物に対し、有機質添加剤(デンプン、パラフィン、シリコーンなど)と、ガラス繊維とを含有して構成されたものであってもよい。
両面部105、107はそれぞれ、硫酸カルシウム2水和物にガラス繊維不織布が埋入されて構成されていてもよい。ガラス繊維不織布の埋入位置では、全体の質量比で、ガラス繊維不織布が80質量部以上となっていてもよい。また接着性を向上させるために、アクリル樹脂系バインダを含有させてもよい。
ガラス繊維不織布の質量は、例えば45g/m〜55g/m程度である。
(裏シーラー層)
裏シーラー層70は、例えば、ウレタンで形成された層であって、その塗布量(質量)は2g/m以上10g/m以下の範囲内であってもよい。また、裏シーラー層70は、不燃性及び表面性能維持の観点から、その塗布量(質量)が5g/m以上8g/m以下の範囲内であることが好ましい。
<効果>
基材10を、例えば、ガラス繊維を混入した石膏板、すなわちガラス繊維を芯材した石膏板や、ガラス繊維を含まない石膏板とすることで、基材が無機質系材料を主成分とする構成となって、化粧板に所定の耐火性、不燃性を持たせることが可能となる。更に、そのような不燃性を有する基材10を使用しても、その基材10の上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで密着性能が向上している。
ここで、少なくとも石膏板の両面にガラス繊維不織布を埋設させた場合には、基材10の耐衝撃性を向上させることが出来る。
1 不燃化粧板
10 基材
101 パテ層
102 シーラー層
103 ガラス酸化マグネシウム板
104 裏面シーラー層
105 両面部
106 基材本体
107 両面部
11 無機基材層
111 下層
112 中層
113 上層
12 表面層
121 接着層
122 紙層
123 樹脂層
124 金属層
125 樹脂層
126 紙層
20 シーラー層
30 表面接着剤層
40 化粧シート
41 裏面プライマー層
42 樹脂フィルム
43 印刷層
44 表面保護層
45 アンカーコート層
46 上台層
50 裏面接着剤層
60 防湿シート
61、63 紙基材
62 樹脂層
64 表面濡れ性改質層
65 樹脂フィルム
66 蒸着層
67 樹脂層
68 接着用プライマー層
70 裏シーラー層
80 孔部

Claims (8)

  1. 無機材料を含む無機基材層と、金属層を含み前記無機基材層の表面に設けられた表面層とを有する基材と、
    前記基材の表面層側の面に形成されたシーラー層と、
    前記シーラー層の表面に形成された表面接着剤層と、
    前記表面接着剤層の表面に形成され、第1の樹脂フィルムと、前記第1の樹脂フィルムの前記表面接着剤層とは反対側の面に順に形成された印刷層及び表面保護層と、前記第1の樹脂フィルムの前記表面接着剤層側の面に形成された裏面プライマー層とを有する化粧シートと、
    を備える不燃化粧板。
  2. 前記無機基材層は、前記無機材料を含む第1の無機層と、前記無機材料を含み、該第1の無機層よりも厚く且つ1平方メートル当たりの質量が大きい第2の無機層とを含む
    請求項1に記載の不燃化粧板。
  3. 前記無機基材層は、第1の無機層、並びに該第1の無機層の両面に形成された第2の無機層及び第3の無機層を有し、
    前記表面層は、前記金属層を含み前記無機基材層の前記第3の無機層の表面に設けられた
    請求項1に記載の不燃化粧板。
  4. 前記表面層は、前記金属層と、該金属層の両面に設けられた第1の紙層及び第2の紙層とを含む
    請求項1から3のいずれか1項に記載の不燃化粧板。
  5. 前記基材の前記無機基材層側の面に設けられた防湿シートを備える
    請求項1から4のいずれか1項に記載の不燃化粧板。
  6. 前記防湿シートは、樹脂層と、該樹脂層の両面に設けられた第1の紙基材及び第2の紙基材とを有する
    請求項5に記載の不燃化粧板。
  7. 前記基材の前記無機基材層側の面に設けられ、第2の樹脂フィルムと、前記第2の樹脂フィルムの前記基材側の面に順に形成された蒸着層、樹脂層及び表面プライマー層と、前記第2の樹脂フィルムの前記基材側と反対側の面に形成された表面濡れ性改質層とを有する防湿シートと、
    前記基材と前記防湿シートとの間に形成された裏面接着剤層と、を備える
    請求項1から4のいずれか1項に記載の不燃化粧板。
  8. ISO5660に定められたコーンカロリーメーターによる20分間の発熱性試験において、総発熱量が8.00MJ/m未満、かつ最大発熱速度が200KW/m未満であり、前記基材を貫通する亀裂又は穴が生じない
    請求項1から7のいずれか1項に記載の不燃化粧板。
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