JP2020010429A - 電力変換装置、電源装置、及び、電力変換装置の直流成分抑制方法 - Google Patents

電力変換装置、電源装置、及び、電力変換装置の直流成分抑制方法 Download PDF

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愛実 小野
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俊明 奥村
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哲男 秋田
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Abstract

【課題】電力変換装置において、より効果的に、直流成分を抑制する。【解決手段】直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、制御対象としてのインバータと、前記インバータを制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部と、前記インバータをパルス幅変調制御によりスイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、電力変換装置、電源装置、及び、電力変換装置の直流成分抑制方法に関する。
系統連系するパワーコンディショナは、JET(一般財団法人電気安全環境研究所)によれば、出力する交流電流に含まれる直流成分を定格出力電流の1%までに抑えることが必要とされている。また、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)の場合は、JIS規格により、出力電圧の直流成分に関して、10秒間の平均値が実効値の0.1%より小さいことが求められている。そのため、パワーコンディショナや無停電電源装置に用いられる電力変換装置における直流成分の抑制に関して、種々の提案がなされている(例えば特許文献1〜14参照)。
特開2017−85727号公報 特許第4251716号公報 特開平8−126341号公報 特開2006−340549号公報 特許第3423196号公報 国際公開第2012/073582号公報 特開2011−199980号公報 特開2014−42419号公報 特許第3249709号公報 特許第4506020号公報 特許第3794350号公報 特許第3023647号公報 特許第5224647号公報 特許第5640541号公報
しかしながら、より効果的に、直流成分を抑制することは継続的な課題である。そこで、本発明は、電力変換装置において、より効果的に、直流成分を抑制することを目的とする。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は、特許請求の範囲によって定められるものである。
本発明の一表現に係る電力変換装置は、直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、制御対象としてのインバータと、前記インバータを制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部と、前記インバータをパルス幅変調制御によりスイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部と、を有する。
また、他の表現に係る電力変換装置は、直流電源と、当該直流電源の電圧よりもピーク電圧の絶対値が高い交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、DCバスと、前記直流電源と前記DCバスとの間に設けられたDC/DCコンバータと、前記DCバスと前記交流電路との間に設けられたインバータと、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータを共に制御対象として、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータが、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部と、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータのそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部と、を有する。
また、一表現に係る直流成分抑制方法は、直流電源と交流電路との間に設けられ、インバータを含む電力変換装置についての、その直流成分抑制方法であって、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、前記インバータをパルス幅変調制御によりスイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる、電力変換装置の直流成分抑制方法である。
また、他の表現に係る直流成分抑制方法は、直流電源と、当該直流電源の電圧よりもピーク電圧の絶対値が高い交流電路との間に設けられ、DC/DCコンバータと、インバータとを備える電力変換装置についての、その直流成分抑制方法であって、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータが、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御し、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータのそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる、電力変換装置の直流成分抑制方法である。
本発明によれば、電力変換装置において、より効果的に、直流成分を抑制することができる。
図1は、電力変換装置及びこれを含む電源装置の回路構成の一例を示す回路図である。 図2は、最小スイッチング変換方式における、DC/DCコンバータ及びインバータの動作の特徴を簡略に示す波形図であり、直流入力から交流出力までの振幅の関係が見やすいように横書き表示した図である。 図3は、最小スイッチング変換方式における、DC/DCコンバータ及びインバータの動作の特徴を簡略に示す波形図であり、制御のタイミングが見やすいように縦書き表示した図である。 図4は、制御部が、自立運転すなわち、出力の電圧制御を行っている場合であって、かつ、制御対象をインバータとして制御している状態に着目した制御ブロック図である。 図5は、制御部が、系統連系すなわち、出力の電流制御を行っている場合であって、かつ、制御対象をインバータとして制御している状態に着目した制御ブロック図である。 図6は、制御部が、自立運転すなわち、出力の電圧制御を行っている場合であって、かつ、制御対象をDC/DCコンバータとして制御している状態に着目した制御ブロック図である。 図7は、制御部が、系統連系すなわち、出力の電流制御を行っている場合であって、かつ、制御対象をDC/DCコンバータとして制御している状態に着目した制御ブロック図である。 図8は、直流成分抑制の検証の結果を示す図である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)これは、直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、制御対象としてのインバータと、前記インバータを制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部と、前記インバータをパルス幅変調制御によりスイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部と、を有する。
上記のように構成された電力変換装置では、制御部が、インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、インバータをスイッチング動作させるための参照波に、直流成分を抑制する補正値を反映させる。これにより、インバータの出力に含まれる直流成分を低減することができる。また、パルス幅変調制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
(2)また、異なる観点からは、直流電源と、当該直流電源の電圧よりもピーク電圧の絶対値が高い交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、DCバスと、前記直流電源と前記DCバスとの間に設けられたDC/DCコンバータと、前記DCバスと前記交流電路との間に設けられたインバータと、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータを共に制御対象として、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータが、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部と、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータのそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部と、を有する。
上記のように構成された電力変換装置では、スイッチングに伴う損失を低減すべく、DC/DCコンバータ及びインバータが、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御される。また、制御部は、インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、DC/DCコンバータ及びインバータのそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、直流成分を抑制する補正値を反映させる。これにより、DC/DCコンバータが作る交流波形の一部の絶対値、及び、インバータの出力、にそれぞれ含まれる直流成分を低減することができる。
(3)また、(2)の電力変換装置において、前記制御信号とは、例えば、スイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波である。
この場合、DC/DCコンバータ及びインバータのそれぞれについて、参照波に、直流成分を抑制する補正値が反映される。これにより、DC/DCコンバータが作る交流波形の一部の絶対値、及び、インバータの出力、にそれぞれ含まれる直流成分を低減することができる。また、パルス幅変調制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
(4)また、(2)又は(3)の電力変換装置において、前記DC/DCコンバータに対する前記補正値は、交流半サイクルごとに符号が反転するようにすることが好ましい。
この場合、DC/DCコンバータをスイッチング動作させるための参照波に、的確な補正値を反映させることができる。
(5)また、(1)〜(4)のいずれかの電力変換装置において、前記制御部は前記制御対象の出力の電圧制御を行っており、前記直流成分抽出部は、前記インバータからの出力電圧を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流電圧成分を抽出する、という構成であってもよい。
この場合、電力変換装置が自立運転を行う場合の、出力電圧に含まれる直流電圧成分を低減することができる。
(6)また、(1)〜(4)のいずれかの電力変換装置において、前記制御部は前記制御対象の出力の電流制御を行っており、前記直流成分抽出部は、前記インバータからの出力電流を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流電流成分を抽出する、という構成であってもよい。
この場合、電力変換装置が系統連系運転を行う場合の、出力電流に含まれる直流電流成分を低減することができる。
(7)また、電源装置としては、(1)または(2)の電力変換装置と、前記直流電源としての蓄電池と、を備えているものである。
このような電源装置は、その出力に含まれる直流成分を低減することができる。
(8)方法の観点からは、直流電源と交流電路との間に設けられ、インバータを含む電力変換装置についての、その直流成分抑制方法であって、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、前記インバータをパルス幅変調制御によりスイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる、電力変換装置の直流成分抑制方法である。
上記のような電力変換装置の直流成分抑制方法では、インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分が抽出され、インバータをスイッチング動作させる参照波に、直流成分を抑制する補正値が反映される。これにより、インバータの出力に含まれる直流成分を低減することができる。また、パルス幅変調制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
(9)また、方法の観点からは、直流電源と、当該直流電源の電圧よりもピーク電圧の絶対値が高い交流電路との間に設けられ、DC/DCコンバータと、インバータとを備える電力変換装置についての、その直流成分抑制方法であって、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータが、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御し、前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータのそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる、電力変換装置の直流成分抑制方法である。
上記(9)のような電力変換装置の直流成分抑制方法では、スイッチングに伴う損失を低減すべく、DC/DCコンバータ及びインバータが、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御される。また、インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分が抽出され、DC/DCコンバータ及びインバータのそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、直流成分を抑制する補正値が反映される。これにより、DC/DCコンバータが作る交流波形の一部の絶対値、及び、インバータの出力、にそれぞれ含まれる直流成分を低減することができる。
[実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係る電力変換装置について、図面を参照して説明する。
《電力変換装置の回路構成例》
図1は、電力変換装置1及びこれを含む電源装置100の回路構成の一例を示す回路図である。図において、電力変換装置1は、例えば蓄電池や太陽光発電パネルである直流電源2に接続されている。電力変換装置1は、直流電源2と、交流電路3との間に存在し、直流/交流の電力変換を行う。交流電路3は、自立運転の場合は需要家の負荷にのみ接続される。系統連系運転の場合は、交流電路3が商用電力系統(図示せず)に繋がっている。
電力変換装置1は、主回路を構成する要素として、直流側コンデンサ4、DC/DCコンバータ5、DCバス7、中間コンデンサ8、インバータ9、及び、フィルタ回路10を備えている。DC/DCコンバータ5は、直流リアクトル6と、ハイサイドのスイッチング素子Q1と、ローサイドのスイッチング素子Q2とを備え、直流チョッパ回路を構成している。スイッチング素子Q1,Q2としては例えば、MOSFET(Metal-Oxide-semiconductor Field Effect Transistor)を使用することができる。MOSFETのスイッチング素子Q1,Q2はそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d1,d2を有している。各スイッチング素子Q1,Q2は、制御部13により制御される。
DC/DCコンバータ5の高圧側は、DCバス7に接続されている。DCバス7の2線間に接続されている中間コンデンサ8は、DC/DCコンバータ5の出力電圧に対して平滑作用を発揮する。但し、この中間コンデンサ8は小容量(μFのレベル)であり、スイッチングの高周波(kHzのレベル)変動に対しては平滑作用を発揮する一方、商用交流の周波数(50又は60Hz)の2倍程度の周波数に対しては平滑作用を発揮しない。
DCバス7に接続されたインバータ9は、フルブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q3〜Q6を備えている。これらスイッチング素子Q3〜Q6は、例えば、MOSFETである。MOSFETの場合は、スイッチング素子Q3〜Q6がそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d3〜d6を有している。各スイッチング素子Q3〜Q6は、制御部13により制御される。
インバータ9と交流電路3との間には、フィルタ回路10が設けられている。フィルタ回路10は、交流リアクトル11と、交流リアクトル11より交流電路3側(図の右側)に設けられた交流側コンデンサ12とを備えている。フィルタ回路10は、インバータ9で発生する高周波ノイズが交流電路3側へ漏れ出ないように、通過を阻止している。
計測用の回路要素としては、例えば、DC/DCコンバータ5の低圧側(図の左側)に設けられる、電圧センサ14及び電流センサ15がある。電圧センサ14は直流電源2と並列接続され、直流電源2の両端電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部13に提供される。電流センサ15は、直流リアクトル6及びDC/DCコンバータ5に流れる電流を検出する。検出された電流の情報は、制御部13に提供される。ここでは、電流センサ15はDC/DCコンバータ5の一要素にもなっている。中間コンデンサ8には電圧センサ16が並列接続されている。電圧センサ16は、中間コンデンサ8の両端電圧すなわち、DCバス7の電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部13に提供される。
一方、交流側には、交流リアクトル11に流れる電流を検出する電流センサ17が設けられている。電流センサ17によって検出された電流の情報は、制御部13に提供される。また、交流側コンデンサ12と並列に、電圧センサ18が設けられている。電圧センサ18によって検出された電圧の情報は、制御部13に提供される。
なお、交流側の電流センサとしては、電流センサ17とは別に、交流側コンデンサ12よりも上流側(交流電路3側)に電流センサを設けてもよい。この場合の電流センサは、交流リアクトル11に流れる電流IACLに加えて交流側コンデンサ12に流れる電流も加えた交流電流IACを検出することになる。後述の説明は、IACLを用いて説明するが、これに代えて、IACを用いてもよい。
制御部13は、例えばコンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部13の記憶装置(図示せず。)に格納される。
《最小スイッチング変換方式の説明》
上記電力変換装置1は、本出願人が既に提案している(例えば特許第5618022号、特許第6187587号、他多数の公知文献あり。)最小スイッチング変換方式で動作する。当該方式では、前提として、電力変換装置1は、直流電源の電圧よりも、ピーク電圧の絶対値が高い交流電路3との間に設けられている。制御部13は、DC/DCコンバータ5がスイッチング動作を休止する期間と、インバータ9がスイッチング動作を休止して極性反転のみを行う期間とが交互に現れるよう制御する。スイッチング動作は、制御部13がDC/DCコンバータ5又はインバータ9に高周波(例えば20kHz)のPWM(Pulse Width Modulation)信号を与えることにより行われる。すなわち、交流波形の絶対値の半サイクルに着目すると(1サイクルで見ても同様)、DC/DCコンバータ5が交流波形を作っている期間と、インバータ9が交流波形を作っている期間とがある。
図2及び図3は、最小スイッチング変換方式における、DC/DCコンバータ5及びインバータ9の動作の特徴を簡略に示す波形図である。両図は同じ内容を示しているが、図2は特に、直流入力から交流出力までの振幅の関係が見やすいように横書き表示し、図3は特に、制御のタイミングが見やすいように縦書き表示している。図2の上段及び図3の左欄はそれぞれ、比較のために、最小スイッチング変換方式ではない伝統的なスイッチング制御を表す波形図である。また、図2の下段及び図3の右欄はそれぞれ、最小スイッチング変換方式の動作を示す波形図である。
まず、図2の上段(又は図3の左欄)において、伝統的なスイッチング制御では、入力される直流電圧に対するDC/DCコンバータの出力は、直流電圧よりも高い値の等間隔のパルス列状である。この出力は中間コンデンサによって平滑化され、DCバスに、定電圧として現れる。これに対してインバータは、PWM制御されたスイッチングを交流半サイクルで極性反転しながら行う。この結果、最終的な平滑化を経て、正弦波の交流電圧が得られる。
次に、図2の下段(又は図3の右欄)の最小スイッチング変換方式では、交流波形の電圧目標値(瞬時値)の絶対値と、入力である直流電圧との比較結果に応じて、DC/DCコンバータ5とインバータ9とが動作する。すなわち、電圧目標値の絶対値が直流電圧より小さい(又は以下)のときは、DC/DCコンバータ5は停止し(図中の「ST」)、電圧目標値の絶対値が直流電圧以上(又は、より大きい)のときは、DC/DCコンバータ5が昇圧動作を行う(図中の「OP」)。DC/DCコンバータ5の出力は中間コンデンサ8により平滑化され、DCバス7に、図示のような交流波形の一部の絶対値を含む電圧として現れる。
ここで、中間コンデンサ8は、小容量(例えばマイクロファラッドのレベル)である。そのため、交流波形の絶対値のピーク電圧及びその前後の位相の波形が平滑化されずにそのまま残る。すなわち、平滑は、DC/DCコンバータ5による高周波のスイッチングの痕跡を消す程度には作用するが、商用周波数の2倍程度の低周波を平滑化することはできないように中間コンデンサ8が小容量になっている。
これに対してインバータ9は、電圧目標値の絶対値と、直流電圧との比較結果に応じて、電圧目標値の絶対値が、直流電圧より小さい(又は以下)のときは、高周波スイッチングを行い(図中の「OP」)、電圧目標値の絶対値が、直流電圧以上(又は、より大きい)のときは、高周波スイッチングを停止する(図中の「ST」)。高周波スイッチングを停止しているときのインバータ9は、スイッチング素子Q3,Q6がオン、Q4,Q5がオフの状態と、スイッチング素子Q3,Q6がオフ、Q4,Q5がオンの状態のいずれかを選択することにより、必要な極性反転のみを行う。インバータ9の出力は交流リアクトル11及び交流側コンデンサ12により平滑化され、所望の交流出力が得られる。
ここで、図3の右欄に示すように、DC/DCコンバータ5とインバータ9とは、交互に高周波スイッチングの動作をしており、DC/DCコンバータ5が昇圧の動作をしているときは、インバータ9は高周波スイッチングを停止し、DCバス7の電圧に対して必要な極性反転のみを行っている。逆に、インバータ9が高周波スイッチング動作するときは、DC/DCコンバータ5は停止して、直流側コンデンサ4の両端電圧が、直流リアクトル6及びダイオードd1を介してDCバス7に現れる。
以上のようにして、DC/DCコンバータ5とインバータ9とによる最小スイッチング変換方式の動作が行われる。
なお、上記のスイッチング素子Q1〜Q6はMOSFETである例を示したが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等、その他のパワー半導体スイッチング素子であってもよい。
《直流成分の検出と補正》
次に、電力変換装置1の交流出力に含まれる直流成分の検出と補正とについて、説明する。なお、以下に述べるインバータ9の制御に関しては、最小スイッチング変換方式である場合のみならず、伝統的な電力変換方式(図2の上段又は図3の左欄)でも適用可能である。一方、後述のDC/DCコンバータ5の制御に関しては、最小スイッチング変換方式に特有の制御となる。
(制御対象:インバータ、自立運転、電圧制御)
図4は、制御部13が、自立運転すなわち、出力の電圧制御を行っている場合であって、かつ、制御対象をインバータ9として制御している状態に着目した制御ブロック図である。図において、制御部13は、電流センサ17により検出した交流リアクトル11に流れる電流IACLを、A/D変換して(ブロックBi)、フィードバック信号として受け取っている。また、制御部13は、電圧センサ18より検出した交流電路3の交流電圧(瞬時値)VACを、A/D変換して(ブロックBv)、フィードバック信号として受け取っている。
電圧制御の場合、制御部13は、まず、実効値での電圧指令値VACRMS を、制御量すなわち、実際の交流電圧VACを実効値に変換した(ブロックB7)後の電圧検出値VACRMSと比較する(ブロックB1)。比較後の信号はコントローラ(ブロックB2)を経て電流指令値IACL となり、制御部13は、電流指令値IACL を、電流センサ17から受け取る信号と比較する(ブロックB3)。比較後の信号は、コントローラ(ブロックB4)を経て、後述の直流成分補正値VAC_dcによる補正を受けた参照波となる(ブロックB5)。制御部13は、PWM信号を作るため、補正後の参照波を三角波と比較する(ブロックB6)。こうして出来上がったPWM信号により、制御部13は、インバータ9をスイッチング動作させる。
一方、電圧センサ18からの検出信号に基づいて、制御部13は、交流周期での平均化処理を行い(ブロックB8)、平均値すなわち、下記の直流成分を抽出する。
Figure 2020010429
ここで、tは時間、Tは、交流1周期である。なお、交流1周期の平均値とするのは単なる1例であり、n周期(nは自然数)であってもよい。この直流成分を相殺すべく0から減算処理し(ブロックB9)、補償器(ブロックB10)を通して、直流成分補正値VAC_dcとする。制御部13は、コントローラ(ブロックB4)の出力信号(補正前の参照波)から直流成分補正値VAC_dcを減算する(ブロックB5)。
このように、制御部13は、インバータ9の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、インバータ9をスイッチング動作させるための参照波に、直流成分を抑制する補正値を反映させる。これにより、インバータ9の出力に含まれる直流成分を低減することができる。また、PWM制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
図4において、「Bx」は、インバータ9の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部である。「By」は、インバータ9について、スイッチング動作させるための制御信号に、直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部である。
なお、図4に示す例では、三角波と比較する直前の参照波に、直流成分補正値VAC_dcを反映させる(差し引く)ようにしたが、これに代えて、図中の点線で示すように、電圧指令値VACRMS と検出値VACRMSとの差から直流成分補正値VAC_dcを差し引くようにしてもよい。
(制御対象:インバータ、系統連系、電流制御)
図5は、制御部13が、系統連系すなわち、出力の電流制御を行っている場合であって、かつ、制御対象をインバータ9として制御している状態に着目した制御ブロック図である。図において、制御部13は、電流センサ17により検出した交流リアクトル11に流れる電流IACLを、A/D変換して(ブロックBi)、フィードバック信号として受け取っている。また、制御部13は、電圧センサ18より検出した交流電路3の交流電圧(瞬時値)VACを、A/D変換して(ブロックBv)、フィードバック信号として受け取っている。
電流制御の場合、制御部13は、電流指令値IACL を、制御量としての電流検出値と比較する(ブロックB3)。比較後の信号は、コントローラ(ブロックB4)を経て、後述の直流成分補正値IACL_dcによる補正を受けた参照波となる(ブロックB5)。制御部13は、PWM信号を作るため、補正後の参照波を三角波と比較する(ブロックB6)。こうして出来上がったPWM信号により、制御部13は、インバータ9をスイッチング動作させる。
一方、電流センサ17からの検出信号に基づいて、制御部13は、交流周期での平均化処理を行い(ブロックB8)、平均値すなわち、下記の直流成分を抽出する。
Figure 2020010429
ここで、tは時間、Tは、交流1周期である。なお、交流1周期の平均値とするのは単なる1例であり、n周期(nは自然数)であってもよい。この直流成分を相殺すべく0から減算処理し(ブロックB9)、補償器(ブロックB10)を通して、直流成分補正値IACL_dcとする。制御部13は、コントローラ(ブロックB4)の出力信号(補正前の参照波)から直流成分補正値IACL_dcを減算する(ブロックB5)。
このように、制御部13は、インバータ9の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、インバータ9をスイッチング動作させるための参照波に、直流成分を抑制する補正値を反映させる。これにより、インバータ9の出力に含まれる直流成分を低減することができる。また、PWM制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
図5において、「Bx」は、インバータ9の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部である。「By」は、インバータ9について、スイッチング動作させるための制御信号に、直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部である。
なお、図5に示す例では、三角波と比較する直前の参照波に、直流成分補正値IACL_dcを反映させる(差し引く)ようにしたが、これに代えて、図中の点線で示すように、電流指令値IACL と検出値との差からさらに直流成分補正値IACL_dcを差し引くようにしてもよい。
(制御対象:DC/DCコンバータ、自立運転、電圧制御)
図6は、制御部13が、自立運転すなわち、出力の電圧制御を行っている場合であって、かつ、制御対象をDC/DCコンバータ5として制御している状態に着目した制御ブロック図である。図において、制御部13は、電流センサ15により検出した直流リアクトル6に流れる電流IDCLを、A/D変換して(ブロックBi)、フィードバック信号として受け取っている。また、制御部13は、電圧センサ18より検出した交流電路3の交流電圧(瞬時値)VACを、A/D変換して(ブロックBv)、フィードバック信号として受け取っている。
電圧制御の場合、制御部13は、まず、電圧指令値VAC を、実際の交流電圧VACと比較しつつコントローラ(ブロックB11)を経て電流指令値IDCL となる。制御部13は、電流指令値IDCL と、電流センサ15から受け取る信号とを比較する(ブロックB12)。比較後の信号は、コントローラ(ブロックB13)を経て、後述の直流成分補正値VAC_dcによる補正を受けた参照波となる(ブロックB14)。制御部13は、PWM信号を作るため、補正後の参照波を三角波と比較する(ブロックB15)。こうして出来上がったPWM信号により、制御部13は、DC/DCコンバータ5をスイッチング動作させる。
一方、電圧センサ18からの検出信号に基づいて、制御部13は、交流周期での平均化処理を行い(ブロックB16)、平均値すなわち、下記の直流成分を抽出する。
Figure 2020010429
ここで、tは時間、Tは、交流1周期である。なお、交流1周期の平均値とするのは単なる1例であり、n周期(nは自然数)であってもよい。この直流成分を相殺すべく0から減算処理し(ブロックB17)、補償器(ブロックB18)を通して、直流成分補正値VAC_dcとする。制御部13は、コントローラ(ブロックB13)の出力信号(補正前の参照波)から直流成分補正値VAC_dcを減算する(ブロックB14)。
このように、制御部13は、DC/DCコンバータ5の出力(実際はインバータ9の出力として検出される。)を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、DC/DCコンバータ5をスイッチング動作させるための参照波に、直流成分を抑制する補正値を反映させる。これにより、DC/DCコンバータ5の出力(交流波形の一部の絶対値)に含まれる直流成分を低減することができる。また、PWM制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
図6において、「Bx」は、DC/DCコンバータ5の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部である。「By」は、DC/DCコンバータ5について、スイッチング動作させるための制御信号に、直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部である。
なお、図6に示す例では、三角波と比較する直前の参照波に、直流成分補正値VAC_dcを反映させる(差し引く)ようにしたが、これに代えて、図中の点線で示すように、電圧指令値VAC から直流成分補正値VAC_dcを差し引くようにしてもよい。
(制御対象:DC/DCコンバータ、系統連系、電流制御)
図7は、制御部13が、系統連系すなわち、出力の電流制御を行っている場合であって、かつ、制御対象をDC/DCコンバータ5として制御している状態に着目した制御ブロック図である。図において、制御部13は、電流センサ15により検出した直流リアクトル6に流れる電流IDCLを、A/D変換して(ブロックBi)、フィードバック信号として受け取っている。また、制御部13は、電圧センサ18より検出した交流電路3の交流電圧(瞬時値)VACを、A/D変換して(ブロックBv)、フィードバック信号として受け取っている。
電流制御の場合、制御部13は、まず、電流指令値IACL を、コントローラ(ブロックB11)を介してDC/DCコンバータ5の電流指令値IDCL とする。制御部13は、電流指令値IDCL と、電流センサ15から受け取る信号とを比較する(ブロックB12)。比較後の信号は、コントローラ(ブロックB13)を経て、後述の直流成分補正値IACL_dcによる補正を受けた参照波となる(ブロックB14)。制御部13は、PWM信号を作るため、補正後の参照波を三角波と比較する(ブロックB15)。こうして出来上がったPWM信号により、制御部13は、DC/DCコンバータ5をスイッチング動作させる。
一方、電流センサ15からの検出信号に基づいて、制御部13は、交流周期での平均化処理を行い(ブロックB16)、平均値すなわち、下記の直流成分を抽出する。
Figure 2020010429
ここで、tは時間、Tは、交流1周期である。なお、交流1周期の平均値とするのは単なる1例であり、n周期(nは自然数)であってもよい。この直流成分を相殺すべく0から減算処理し(ブロックB17)、補償器(ブロックB18)を通して、直流成分補正値IACL_dcとする。制御部13は、コントローラ(ブロックB13)の出力信号から直流成分補正値IACL_dcを減算する(ブロックB14)。
このように、制御部13は、DC/DCコンバータ5の出力(実際はインバータ9の出力として検出される。)を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、DC/DCコンバータ5をスイッチング動作させるための参照波に、直流成分を抑制する補正値を反映させる。これにより、DC/DCコンバータ5の出力(交流波形の一部の絶対値)に含まれる直流成分を低減することができる。また、PWM制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
図7において、「Bx」は、DC/DCコンバータ5の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部である。「By」は、DC/DCコンバータ5について、スイッチング動作させるための制御信号に、直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部である。
なお、図7に示す例では、三角波と比較する直前の参照波に、直流成分補正値IACL_dcを反映させる(差し引く)ようにしたが、これに代えて、図中の点線で示すように、電流指令値IACL から直流成分補正値IACL_dcを差し引くようにしてもよい。
《ここまでのまとめ》
電力変換装置1が、前述の最小スイッチング変換方式ではない伝統的な変換方式の場合は、交流波形を作ることに寄与しているのはインバータのみである。また、直流電源からの入力電圧が高い場合は、DC/DCコンバータを設けない場合もある。この場合も、交流波形を作ることに寄与しているのはインバータのみである。従って、これらの場合には、交流出力中に含まれる直流成分の抑制の制御対象は、インバータのみである。
そこで、制御部13内の機能として、インバータ9の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部Bxと、インバータ9をPWM制御によりスイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波に、直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部Byと、を設ければよい。
制御部13は、インバータ9の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、インバータ9をスイッチング動作させるための参照波に、直流成分を抑制する補正値を反映させる。これにより、インバータ9の出力に含まれる直流成分を低減することができる。また、PWM制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
一方、最小スイッチング変換方式を採用する電力変換装置では、インバータのみならず、DC/DCコンバータも、交流波形を作ることに直接的に寄与している。そこで、制御部13の機能として、インバータ9の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部Bxと、DC/DCコンバータ5及びインバータ9のそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部Byと、を設ければよい。
最小スイッチング変換方式の電力変換装置では、スイッチングに伴う損失を低減すべく、DC/DCコンバータ5及びインバータ9が、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御される。また、制御部13は、インバータ9の出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、DC/DCコンバータ5及びインバータ9のそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、直流成分を抑制する補正値を反映させる。これにより、DC/DCコンバータ5が作る交流波形の一部の絶対値、及び、インバータ9の出力、にそれぞれ含まれる直流成分を低減することができる。
なお、最小スイッチング変換方式の電力変換装置において、制御信号とは、例えば、スイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波である。この場合、DC/DCコンバータ5及びインバータ9のそれぞれについて、参照波に、直流成分を抑制する補正値が反映される。これにより、DC/DCコンバータ5が作る交流波形の一部の絶対値、及び、インバータ9の出力、にそれぞれ含まれる直流成分を低減することができる。また、PWM制御の基になる信号である参照波に、直接的に補正値が反映されることになるので、より効果的に、出力に含まれる直流成分を低減することができる。
また、図6,図7において、DC/DCコンバータ5に対する補正値は、交流半サイクルごとに符号が反転するようにすることが好ましい。これは、DC/DCコンバータ5が出力するのは、交流波形の一部を含む絶対値だからである。すなわち、補正の符号が同じであっては、交流半サイクルしか、適切に補正されないからである。そこで、残りの半サイクルは補正値の符号を反転すればよい。例えば、図6における補正部By(ブロックB14)における直流成分補正値が、例えば、交流位相の0〜180度の期間はVAC_dcとし、180度から360度の期間は(−VAC_dc)となるように演算すればよい。これにより、DC/DCコンバータ5をスイッチング動作させるための参照波に、的確な補正値を反映させることができる。
《検証》
ここで、図1の電源装置100における直流電源2を蓄電池(DC約100V)とし、かつ、交流電路3(AC101V)に線形負荷を接続した状態で、インバータ9に直流成分抑制を適用した場合の効果の検証を行うべく、電源装置100からの出力電圧を測定した。直流成分[%]は、{(出力電圧の交流周期の平均値)/(出力電圧実効値)}×100である。
図8は、検証の結果を示す図である。直流成分抑制を行わない場合には、出力電力が増大すると直流成分が0.1%(UPSの場合の、JIS_C4411−36.4.2.6による直流成分の許容上限値)を超える場合もあったが、上記の直流成分抑制を行った場合には、図示のように、出力電力が0〜1500Wの範囲内で、±0.06%以内に収まった。
《その他》
なお、上述した直流成分抑制の方法及び当該方法を実行する電力変換装置は、必ずしも、最小スイッチング変換方式を前提とするものではない。しかしながら、最小スイッチング変換方式の場合には、インバータのみならず、DC/DCコンバータも交流波形の一部の絶対値を作っているという特徴があるため、DC/DCコンバータ及びインバータの双方に直流成分抑制の対策を施すことは、直流成分抑制に効果的であると考えられる。また、今後、蓄電池の主流となる電圧は、現状より低く(例えば100Vから50V)なることが予想され、その場合には、最小スイッチング変換方式ではDC/DCコンバータがスイッチング動作する期間が相対的に長くなるので、より一層、直流成分抑制の効果が顕著になりやすいと考えられる。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 電力変換装置
2 直流電源
3 交流電路
4 直流側コンデンサ
5 DC/DCコンバータ
6 直流リアクトル
7 DCバス
8 中間コンデンサ
9 インバータ
10 フィルタ回路
11 交流リアクトル
12 交流側コンデンサ
13 制御部
14 電圧センサ
15 電流センサ
16 電圧センサ
17 電流センサ
18 電圧センサ
100 電源装置
Bx 直流成分抽出部
By 補正部
d1,d2,d3,d4,d5,d6 ダイオード
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 スイッチング素子

Claims (9)

  1. 直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、
    制御対象としてのインバータと、
    前記インバータを制御する制御部と、を含み、
    前記制御部は、
    前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部と、
    前記インバータをパルス幅変調制御によりスイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部と、
    を有する、電力変換装置。
  2. 直流電源と、当該直流電源の電圧よりもピーク電圧の絶対値が高い交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、
    DCバスと、
    前記直流電源と前記DCバスとの間に設けられたDC/DCコンバータと、
    前記DCバスと前記交流電路との間に設けられたインバータと、
    前記DC/DCコンバータ及び前記インバータを共に制御対象として、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータが、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御する制御部と、を含み、
    前記制御部は、
    前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出する直流成分抽出部と、
    前記DC/DCコンバータ及び前記インバータのそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる補正部と、
    を有する、電力変換装置。
  3. 前記制御信号とは、スイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波である請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記DC/DCコンバータに対する前記補正値は、交流半サイクルごとに符号が反転する請求項2又は請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は前記制御対象の出力の電圧制御を行っており、前記直流成分抽出部は、前記インバータからの出力電圧を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流電圧成分を抽出する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は前記制御対象の出力の電流制御を行っており、前記直流成分抽出部は、前記インバータからの出力電流を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流電流成分を抽出する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置と、
    前記直流電源としての蓄電池と、
    を備えている電源装置。
  8. 直流電源と交流電路との間に設けられ、インバータを含む電力変換装置についての、その直流成分抑制方法であって、
    前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、
    前記インバータをパルス幅変調制御によりスイッチング動作させるために三角波と比較されるべき参照波に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる、
    電力変換装置の直流成分抑制方法。
  9. 直流電源と、当該直流電源の電圧よりもピーク電圧の絶対値が高い交流電路との間に設けられ、DC/DCコンバータと、インバータとを備える電力変換装置についての、その直流成分抑制方法であって、
    前記DC/DCコンバータ及び前記インバータが、交流半サイクル内で交互にスイッチング動作を休止する期間を有するように制御し、
    前記インバータの出力を交流周期の自然数倍の期間で平均して直流成分を抽出し、
    前記DC/DCコンバータ及び前記インバータのそれぞれについて、スイッチング動作させるための制御信号に、前記直流成分を抑制する補正値を反映させる、
    電力変換装置の直流成分抑制方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015195678A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 株式会社安川電機 電力変換装置、発電システム、制御装置および電力変換方法
JP2017085727A (ja) * 2015-10-26 2017-05-18 住友電気工業株式会社 電力変換装置

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