JP2020010195A - 周波数推定装置および追尾受信機 - Google Patents

周波数推定装置および追尾受信機 Download PDF

Info

Publication number
JP2020010195A
JP2020010195A JP2018130033A JP2018130033A JP2020010195A JP 2020010195 A JP2020010195 A JP 2020010195A JP 2018130033 A JP2018130033 A JP 2018130033A JP 2018130033 A JP2018130033 A JP 2018130033A JP 2020010195 A JP2020010195 A JP 2020010195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
complex
signal
phase
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018130033A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7004618B2 (ja
Inventor
隆則 東海林
Takanori Shoji
隆則 東海林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2018130033A priority Critical patent/JP7004618B2/ja
Publication of JP2020010195A publication Critical patent/JP2020010195A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7004618B2 publication Critical patent/JP7004618B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)

Abstract

【課題】残留搬送波の周波数を正しく推定することができる周波数推定装置および追尾受信機を提供する。【解決手段】周波数推定装置10は、直交検波およびデジタル化された受信信号を離散フーリエ変換して周波数ポイントごとの複素数である周波数スペクトルを生成する離散フーリエ変換部6と、周波数スペクトルの振幅値に基づく周波数ポイントごとの信号レベルを算出する信号レベル算出部73と、各々の周波数ポイントについて、その周波数ポイントの近傍の決められた範囲にある複数個の周波数ポイントの信号レベルから、その周波数ポイントの周辺信号レベルを算出する周辺信号レベル算出部74と、各々の周波数ポイントにおいて、信号レベルの周辺信号レベルに対する大きさの程度を表す突出度を算出する突出度算出部75と、突出度に基づき受信信号に残留する搬送波の周波数を推定する残留搬送波周波数推定部8とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、周波数推定装置および追尾受信機に関する。
追尾受信機は、方位演算時のノイズ量を少なくするため、入力信号の搬送波の周波数を推定し、捕捉および追従処理を行い、低域通過フィルタを用いて余分なノイズを除去する。入力信号に、残留搬送波が残らないようにするために、周波数同期の精度を向上させることが必要となるが、処理回路の追加などによって追尾受信機が大型化する。また、通常の通信機でも、簡易な構造で残留搬送波を推定し除去する装置および方法が望まれている。
追尾受信機は、残留搬送波が存在する変調信号が入力される場合に、離散フーリエ変換を用いて変調信号の周波数を推定することができる。たとえば、特許文献1に記載の装置は、スペクトル成分の電力ピーク値を検出して残留搬送波の周波数を推定する。
特開平05−136631号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、スペクトル成分の電力ピーク値を検出して受信周波数推定を実施しているため、変調度の大きいPCM(Pulse Code Modulation)/PM(Phase Modulation)方式で変調された信号を受信した場合に、変調信号成分が残留搬送波成分よりも大きくなる場合がある。その結果、特許文献1に記載の装置は、変調信号成分を残留搬送波成分として誤検出してしまうことがある。
それゆえに、本発明の目的は、残留搬送波の周波数を正しく推定することができる周波数推定装置および追尾受信機を提供することである。
本発明の周波数推定装置は、直交検波およびデジタル化された受信信号を離散フーリエ変換して周波数ポイントごとの複素数である周波数スペクトルを生成する離散フーリエ変換部と、周波数スペクトルの振幅値に基づく周波数ポイントごとの信号レベルを算出する信号レベル算出部と、各々の周波数ポイントについて、その周波数ポイントの近傍の決められた範囲にある複数個の周波数ポイントの信号レベルから、その周波数ポイントの周辺信号レベルを算出する周辺信号レベル算出部と、各々の周波数ポイントにおいて、信号レベルの周辺信号レベルに対する大きさの程度を表す突出度を算出する突出度算出部と、突出度に基づき受信信号に残留する搬送波の周波数を推定する残留搬送波周波数推定部とを備える。
本発明によれば、残留搬送波の周波数を正しく推定することができる。
実施の形態1による追尾受信機1の構成を示すブロック図である。 (a)は、アナログ受信部2Sの構成を表わす図である。(b)は、アナログ受信部2Eの構成を表わす図である。 (a)は、直交検波部4Sの構成を表わす図である。(b)は、直交検波部4Eの構成を表わす図である。 (a)は、複素位相回転部11Sの構成を表わす図である。(b)は、複素位相回転部11Eの構成を表わす図である。 方位演算部12の構成を表わす図である。 窓関数乗算器5の構成を表わす図である。 (a)は、パワースペクトルの例を表わす図である。(b)は、周波数ポイントごとの周辺信号レベルPを表わす図である。(c)は、周波数ポイントAにおける周辺信号レベルPを算出するために用いる複数の周波数ポイントを表わす図である。 PCM/PM信号のパワースペクトルの模式図である。 PCM/PM信号を離散フーリエ変換して得られるパワースペクトルの模式図である。 PCM/PM信号のパワースペクトルのシミュレーション結果を表わす図である。 実施の形態1によって算出した周波数ポイントごとの突出度PRの模式図である。 図10のシミュレーション結果から突出度PRを算出した結果を表わす図である。 図12の一部を周波数fの方向に拡大した図である。 実施の形態2による追尾受信機101の構成を示すブロック図である。 周波数追従部9の構成を表わす図である。 実施の形態2の変形例1による追尾受信機201の構成を示すブロック図である。 位相追従部209の構成を表わす図である。 (a)は、複素位相回転部211Sの構成を表わす図である。(b)は、複素位相回転部211Eの構成を表わす図である。 実施の形態3による追尾受信機301の構成を示すブロック図である。 (a)は、QPSK信号のマッピング点を表わす図である。(b)は、4乗したQPSK信号のマッピング点を表わす図である。 QPSK信号を4乗したシミュレーション結果を表わす図である。 QPSK信号のパワースペクトルを表わす図である。 4乗したQPSK信号のパワースペクトルを表わす図である。 4乗したQPSK信号の突出度PRを表わす図である。 実施の形態1〜3に係る周波数推定装置10,310のハードウエア構成の例を表わす図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による追尾受信機1の構成を示すブロック図である。追尾受信機1は、たとえば、航空機などの移動体などに搭載されて、例えば通信衛星などの通信相手と通信するために、移動体に搭載されたアンテナの指向方向誤差を求める。アンテナで生成された和信号(通常の信号)と差信号(指向方向誤差に相当する信号)とが、追尾受信機1に入力されて、追尾受信機1は、指向方向誤差を算出して出力する。指向方向誤差は、アンテナの指向方向を変更する駆動装置に入力されて、アンテナが通信相手の方向を向くように制御される。
追尾受信機1は、和信号および差信号としてIF信号(Intermediate Frequency、中間周波数信号)を使用する。IF信号は、RF信号(Radio Frequency、電波の周波数)からより低い周波数に周波数変換された信号である。IF信号からBB信号(Base Band、通信される情報の信号)が抽出される。図1に示すように、追尾受信機1は、複素和信号生成部25Sと、複素差信号生成部25Eと、周波数推定装置10と、複素位相回転部11S,11Eと、方位演算部12とを備える。
複素和信号生成部25Sは、アナログ受信部2Sと、ADC(Analog Digital Converter)3Sと、直交検波部4Sとを備える。複素差信号生成部25Eは、アナログ受信部2Eと、ADC3Eと、直交検波部4Eとを備える。
アナログ受信部2Sは、アンテナで生成された中間周波数帯の和信号SUM−IFの受信処理を実行する。図2(a)は、アナログ受信部2Sの構成を表わす図である。アナログ受信部2Sは、帯域通過フィルタ(BPF)21Sと、増幅部(AMP)22Sと、低域通過フィルタ(LPF)23Sとを有する。
BPF21Sは、アンテナで生成された中間周波数帯の和信号SUM−IFからノイズおよびスプリアスを除去する。AMP22Sは、BPF21Sから出力される信号のレベルを適切なレベルに増幅する。LPF23Sは、AMP22Sから出力される信号から後段のADC3Sで折返し雑音が生じないように高周波成分を除去する。受信処理された中間周波数帯の和信号SUM1がLPF23Sから出力される。
アナログ受信部2Eは、アンテナで生成された中間周波数帯の差信号ERR−IFの受信処理を実行する。図2(b)は、アナログ受信部2Eの構成を表わす図である。アナログ受信部2Eは、帯域通過フィルタ(BPF)21Eと、増幅部(AMP)22Eと、低域通過フィルタ(LPF)23Eとを有する。
BPF21Eは、アンテナで生成された中間周波数帯の差信号ERR−IFからノイズおよびスプリアスを除去する。AMP22Eは、BPF21Eから出力される信号のレベルを適切なレベルに増幅する。LPF23Eは、AMP22Eから出力される信号から後段のADC3Eで折返し雑音が生じないように高周波成分を除去する。受信処理された中間周波数帯の差信号ERR1がLPF23Eから出力される。
ADC3Sは、アナログ受信部2Sから出力されるアナログの中間周波数帯の和信号SUM1をデジタルの中間周波数帯の和信号SUM2に変換する。ADC3Eは、アナログ受信部2Eから出力されるアナログの中間周波数帯の差信号ERR1をデジタルの中間周波数帯の差信号ERR2へ変換する。
直交検波部4Sは、ADC3Sから出力されるデジタルの中間周波数帯の和信号SUM2を直交検波して、ベースバンドの複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)へ変換する。図3(a)は、直交検波部4Sの構成を表わす図である。直交検波部4Sは、数値制御発振器(NCO)41Sと、cos/sin発生部42Sと、乗算器43S,44Sと、LPF45S,46Sとを有する。
NCO41Sは、サンプリング周期ごとに指定された値を積算した値を出力する。cos/sin発生部42Sは、数値制御発振器41Sが出力する値の位相(ξ)を有する複素ローカル信号(cosξ+jsinξ)を発生する。乗算器43Sは、デジタルの中間周波数帯の和信号SUM2と、cosξとを乗算する。乗算器44Sは、デジタルの中間周波数帯の和信号SUM2と、sinξとを乗算する。LPF45S,46Sは、それぞれ、乗算器43S,44Sの乗算結果に対して高調波を除去する。LPF45S,46Sからベースバンドの複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)が出力される。
直交検波部4Eは、ADC3Eから出力されるデジタルの中間周波数帯の差信号ERR2を直交検波して、ベースバンドの複素差信号(ERR3I+jERR3Q)へ変換する。図3(b)は、直交検波部4Eの構成を表わす図である。直交検波部4Eは、数値制御発振器(NCO)41Eと、cos/sin発生部42Eと、乗算器43E,44Eと、LPF45E,46Eとを有する。
NCO41Eは、サンプリング周期ごとに指定された値を積算した値を出力する。cos/sin発生部42Eは、数値制御発振器41Eが出力する値の位相(ξ)を有する複素ローカル信号(cosξ+jsinξ)を発生する。乗算器43Eは、デジタルの中間周波数帯の差信号ERR2と、cosξとを乗算する。乗算器44Eは、デジタルの中間周波数帯の差信号ERR2と、sinξとを乗算する。LPF45E,46Eは、それぞれ、乗算器43E,44Eの乗算結果に対して高調波を除去する。LPF45E,46Eからベースンバンドの複素差信号(ERR3I+jERR3Q)が出力される。
直交検波部4S内のcos/sin発生部42Sから出力される複素ローカル信号の周波数と、入力されるデジタルの中間周波数帯の和信号SUM2の搬送波の周波数との差をΔFとする。直交検波部4Sによる直交検波によって得られる複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)は、{I(t)+jQ(t)}×exp(j2π×ΔF×t)のように表される。I(t)+jQ(t)は復調されるべきベースバンド信号である。ΔFは、周波数偏差である。このΔFは、受信信号である複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)に残留する搬送波の周波数に相当する。
周波数推定装置10は、周波数偏差、すなわちデジタル化および直交検波された受信信号である複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)に残留する搬送波の周波数である残留搬送波周波数を推定する。推定した周波数をΔFとする。
複素位相回転部11Sは、直交検波部4Sから出力されるベースバンドの複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)と周波数推定装置10から出力される残留搬送波の周波数推定値ΔFの符号を反転した周波数補正値(−ΔF)から得られる位相補正値(−Δθ)に基づいて、複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)から残留搬送波を除去した複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)を出力する。残留搬送波を除去することによって、複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)の周波数スペクトルの中心が「0」となる。
図4(a)は、複素位相回転部11Sの構成を表わす図である。複素位相回転部11Sは、位相補正値算出部231Sと、位相回転部232Sとを有する。
位相補正値算出部231Sは、数値制御発振器(NCO)111Sを備える。位相回転部232Sは、cos/sin発生部112Sと、複素乗算器350Sと、低域通過フィルタ(LPF)115AS,115BSとを有する。複素乗算器350Sは、乗算器113AS,113BS,113CS,113DSと、加算器114AS,114BSとを含む。
NCO111Sは、周波数推定装置10から残留搬送波の周波数推定値ΔFの符号を反転した(−ΔF)を周波数補正値として受け、周波数補正値(−ΔF)を積分することによって、位相補正値(−Δθ)を出力する。cos/sin発生部112Sは、NCO111Sが出力する位相補正値(−Δθ)の複素ローカル信号exp(−jΔθ)を発生する。乗算器113AS,113BS,113CS,113DSは、直交検波部4Sから出力されるベースバンドの複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)と複素ローカル信号exp(−jΔθ)とを乗算する。加算器114ASは、乗算器113ASの乗算結果と、乗算器113BSの乗算結果の符号を反転した値とを加算する。加算器114BSは、乗算器113CSの乗算結果と乗算器113DSの乗算結果とを加算する。LPF115AS,115BSは、加算器114AS,114BSの出力から余分な高調波およびノイズを除去する。LPF115AS,115BSからベースバンドの複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)が出力される。
NCO111Sが、周波数補正値(−ΔF)を積分して位相補正値(−Δθ)を得る方法を説明する。NCO111Sの入力は、サンプリング周波数Fsに対する周波数Fの比率F/Fsである。ここで、−0.5≦F/Fs<0.5である。サンプリング定理より、サンプリング周波数Fsの1/2以下の周波数Fまでの周波数成分だけを有する信号は、サンプリングしても原信号を復元できる。NCO111Sは、サンプリング周期(1/Fs)ごとに、φ=(2π)×(F/Fs)だけ進んだ位相を出力することができる。−0.5≦F/Fs<0.5なので、φは、−0.5≦φ/(2π)<0.5である。したがって、NCO111Sに周波数補正値(−ΔF)を入力すれば、NCO111Sから周波数補正値(−ΔF)を積分した位相補正値(−Δθ)が出力される。
複素位相回転部11Eは、直交検波部4Eから出力されるベースバンドの複素差信号(ERR3I+jERR3Q)と周波数推定装置10から出力される残留搬送波の周波数推定値ΔFの符号を反転した(−ΔF)から得られる位相補正値(−Δθ)に基づいて、複素差信号(ERR3I+jERR3Q)から残留搬送波を除去した複素差信号(ERR6I+jERR6Q)を出力する。残留搬送波を除去することによって、複素差信号(ERR6I+jERR6Q)の周波数スペクトルの中心が「0」となる。
図4(b)は、複素位相回転部11Eの構成を表わす図である。複素位相回転部11Eは、位相補正値算出部231Eと、位相回転部232Eとを有する。
位相補正値算出部231Eは、数値制御発振器(NCO)111Eを備える。位相回転部232Eは、cos/sin発生部112Eと、複素乗算器350Eと、低域通過フィルタ(LPF)115AE,115BEとを有する。複素乗算器350Eは、乗算器113AE,113BE,113CE,113DEと、加算器114AE,114BEとを含む。
NCO111Eは、周波数推定装置10から残留搬送波の周波数推定値ΔFの符号を反転した(−ΔF)を周波数補正値として受け、周波数補正値(−ΔF)を積分することによって、位相補正値(−Δθ)を出力する。cos/sin発生部112Eは、NCO111Eが出力する位相補正値(−Δθ)の複素ローカル信号exp(−jΔθ)を発生する。乗算器113AE,113BE,113CE,113DEは、直交検波部4Eから出力されるベースバンドの複素差信号(ERR3I+jERR3Q)と複素ローカル信号exp(−jΔθ)とを乗算する。加算器114AEは、乗算器113AEの乗算結果と、乗算器113BEの乗算結果の符号を反転した値とを加算する。加算器114BEは、乗算器113CEの乗算結果と乗算器113DEの乗算結果とを加算する。LPF115AE,115BEは、加算器114AE,114BEの出力から余分な高調波およびノイズを除去する。LPF115AE,115BEからベースバンドの複素差信号(ERR6I+jERR6Q)が出力される。
方位演算部12は、複素位相回転部11Sから出力される複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)と、複素位相回転部11Eから出力される複素差信号(ERR6I+jERR6Q)とに基づいて、指向方向誤差(X+jY)の方位演算を行う。指向方向誤差(X+jY)は、電波が到来する方向である到来方向とアンテナが向く方向である指向方向との差である。図5は、方位演算部12の構成を表わす図である。方位演算部12は、複素除算回路121と、低域通過フィルタ(LPF)122,123と、乗算器124,125とを有する。
複素除算回路121は、複素位相回転部11Sから出力される複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)によって、複素位相回転部11Eから出力される複素差信号(ERR6I+jERR6Q)を除算して、除算結果(PX+jPY)を出力する。LPF122は、除算結果(PX+jPY)の実部PXに対して平滑化処理を行う。乗算器124は、LPF122から出力される信号に正規化誤差感度γθ[V/V/deg]の逆数(=1/γθ)を乗算して、指向方向誤差の実部Xを出力する。LPF123は、除算結果(PX+jPY)の虚部PYに対して平滑化処理を行う。乗算器125は、LPF123から出力される信号に正規化誤差感度γθ[V/V/deg]の逆数(=1/γθ)を乗算して、指向方向誤差の虚部Yを出力する。
複素位相回転部11S,11Eによって、複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)および複素差信号(ERR6I+jERR6Q)の周波数スペクトルが「0」を中心としたものとされているので、LPF122,123を狭帯域の低域通過フィルタとすることができる。LPF122,123によってノイズを除去することができるため、指向方向誤差を精度よく求めることができる。
再び、図1を参照して、周波数推定装置10の構成を説明する。周波数推定装置10は、窓関数乗算器5、離散フーリエ変換部6、パワー演算部71、LPF72、信号レベル算出部73、周辺信号レベル算出部74、突出度算出部75、および残留搬送波周波数推定部8を有する。
窓関数乗算器5は、直交検波部4Sの後段に接続されて、ハニング窓等の窓関数を乗算する。図6は、窓関数乗算器5の構成を表わす図である。窓関数乗算器5は、窓関数信号発生部51と、乗算器52、53とを有する。窓関数信号発生部51は、ハニング窓またはブラックマン窓等の窓関数用信号を発生させる。乗算器52,53は、直交検波部4Sから出力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)と、窓関数信号発生部51から出力される窓関数信号とを乗算して、複素和信号(SUM4I+jSUM4Q)を出力する。
窓関数を使用する理由を説明する。離散フーリエ変換は、観測時間内の波形が繰り返されるという前提で、時間領域から周波数領域へ変換する。残留搬送波成分の周波数は未知であり、離散フーリエ変換で使用する観測時間T0を1周期とした場合に対して、残留搬送波の周波数が1/T0(Hz)の整数倍になるとは限らない。残留搬送波の周波数が1/T0(Hz)の整数倍でない場合は、離散フーリエ変換で得られる周波数スペクトルは、残留搬送波の周波数以外の成分が多くなり、残留搬送波の周波数が検出しにくくなる。窓関数は、離散フーリエ変換の観測時間の境界に近い部分での値が小さくなるように決められた関数である。入力信号に窓関数を乗算することで、離散フーリエ変換で得られる周波数スペクトルは、周波数成分の広がりを小さくすることができる。
離散フーリエ変換部6は、デジタル化された受信信号である複素和信号(SUM4I+jSUM4Q)を離散フーリエ変換して、周波数ポイントごとの複素和信号(SUM5I+jSUM5Q)からなる周波数スペクトルを生成する。
より具体的には、離散フーリエ変換部6は、離散フーリエ変換処理により時間軸上の複素和信号(SUM4I+jSUM4Q)を周波数軸上の複素和信号(SUM5I+jSUM5Q)に変換する。FFT(Fast Fourier Transform)と呼ばれる高速フーリエ変換処理のアルゴリズムを用いて離散フーリエ変換部6を実現してもよい。
パワー演算部71は、各周波数ポイントの離散フーリエ変換結果(SUM5I+jSUM5Q)をI成分とQ成分の二乗和により各周波数ポイントのパワー値を求める。さらに、パワー演算部71は、各周波数ポイントのパワー値のルート演算することによって、各周波数ポイントの振幅値を求めてもよい。
LPF部72は、各周波数ポイントのパワー値または振幅値を時系列的に平滑化処理する。LPF部72は、各周波数ポイントのパワー値または振幅値に対して時系列的にIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ等を用いて平滑化処理を行う。これによって、ノイズも含めたランダム信号成分の分散を小さくするこができる。
信号レベル算出部73は、周波数スペクトルの振幅値、または振幅値を二乗したパワー値に基づく周波数ポイントごとの信号レベルPを算出する。たとえば、信号レベル算出部73は、LPF部72を通過した周波数スペクトルのパワー値または振幅値を信号レベルPとすることができる。図7(a)は、周波数ポイントごとの信号レベルPを表すパワースペクトルの例を表わす図である。図7(a)の例では、パワースペクトルのパワー値を信号レベルPとしている。
周辺信号レベル算出部74は、各々の周波数ポイントについて、その周波数ポイントの近傍の決められた範囲にある複数の周波数ポイントである周辺周波数ポイント集合の信号レベルPから、その周波数ポイントの周辺信号レベルPを算出する。図7(b)は、周波数ポイントごとの周辺信号レベルPを表わす図である。
ここで、周辺周波数ポイント集合は、周辺信号レベルを算出する対象の周波数ポイントを少なくとも含む周波数軸上に連続して並ぶ決められた個数の周波数ポイントを含まないように決められている。
図7(c)は、周波数ポイントAにおける周辺信号レベルPを算出するために用いる複数の周波数ポイントを表わす図である。なお、図7(c)は、図7(a)の周波数ポイントAの近傍を拡大している。周辺信号レベル算出部74は、周波数ポイントAのすぐ隣の1ポイントを含まない2ポイント目から片側8ポイントずつの周波数ポイントL1〜L8と、R1〜R8の信号レベルPの平均値を、周波数ポイントAの周辺信号レベルPとすることができる。平均値を算出する周波数ポイントL1〜L8と、R1〜R8を、図7(c)では破線で囲んでいる。
突出度算出部75は、各々の周波数ポイントにおいて、信号レベルPを周辺信号レベルPで除算した突出度PR(=P/P)を算出する。
受信信号に残留搬送波が含まれているときに、残留搬送波の周波数において信号レベルPが高く、かつ残留搬送波の周波数の周辺の周波数の信号レベルPが低いという特徴がある。この特徴を利用するため、信号レベルPを周辺信号レベルPで除算した突出度PRを用いる。周辺信号レベルPを求めるときに、周波数ポイントおよびすぐ隣の合計3ポイントを除くのは、以下の理由による。残留搬送波の周波数の幅は、理想的には、0Hzである。しかし、上述したように、離散フーリエ変換で使用する観測時間T0を1周期とした場合に対して、残留搬送波の周波数が1/T0(Hz)の整数倍になるとは限らないこと、および窓関数を乗算することによって、周波数スペクトルにおいて、残留搬送波の周波数は、多少の幅を有する。そのために、各周波数ポイントの周辺信号レベルを算出する際に、その周波数ポイントを少なくとも含む周波数軸上で連続して並ぶ3ポイントの幅を除外する。除外する周波数ポイントは5ポイント以上の決められた個数でもよい。周辺信号レベルを算出する際に使用する周波数ポイントの集合を周波数周辺ポイント集合と呼ぶ。
突出度PRは、信号レベルPの周辺信号レベルPに対する大きさの程度を表す指標である。信号レベルPを周辺信号レベルPで除算する以外の方法で、突出度PRを算出してもよい。
残留搬送波周波数推定部8は、突出度PRに基づいて、受信信号に残留する搬送波の周波数を推定する。残留搬送波周波数推定部8は、周波数ポイント判定部181と、周波数算出部182とを備える。周波数ポイント判定部181は、突出度算出部75で算出された突出度PRが最大となる周波数ポイントPOを検出する。周波数算出部182は、突出度PRが最大となる周波数ポイントPOの値に離散フーリエ変換の隣接する2つの周波数ポイント間の周波数間隔とを乗算することによって、残留搬送波の周波数推定値ΔFを算出する。離散フーリエ変換部6へ入力される複素和信号(SUM4I+jSUM4Q)のサンプル周波数が2.19MHz、離散フーリエ変換のサンプル数が4096サンプルの場合、周波数ポイントPOがX(0≦X≦4095)に対する残留搬送波の周波数推定値ΔFは、以下の式で表される。
ΔF=X*(2.19/4096) (0≦X≦2047)…(1)
ΔF=(X-4096)*{2.19/4096} (2048≦X≦4096) …(2)
ここで、Xと周波数の関係は、以下となる。
X=0は、周波数軸上の真ん中にある周波数ポイント
X=2047は周波数軸上の最も右にある周波数ポイント
X=2048は周波数軸上の最も左にある周波数ポイント、
X=4095は、周波数軸上の真ん中より1ポイント左にある周波数ポイント
以上のようにして、残留搬送波の周波数推定値ΔFは、離散フーリエ変換で算出する周波数スペクトルの周波数ポイントごと、すなわち、複素和信号(SUM4I+jSUM4Q)の4096サンプルごとに求めることができる。
図1において、周波数算出部182が周波数推定値ΔFを出力する図としている。図1では、周波数推定値ΔFは何にも入力されない。追尾受信機1の調整中などは、調整用の装置にΔFの周波数偏差を持つ信号を入力して、画面などで周波数推定値ΔFを確認することができる。
次に、変調度の大きいPCM/PM方式で変調された信号(以下、PCM/PM信号)を受信したときの実施の形態1の効果について説明する。
図8は、PCM/PM信号のパワースペクトルの模式図である。図8には、バイフェーズのPCMコードを用いたPCM信号のパワースペクトルが示されている。PCM/PM信号のパワースペクトルは、中心部にある残留搬送波成分とそれ以外のデータ信号成分を含む。実際の運用で受信される受信信号には、ノイズ成分として示す白色ガウスノイズ成分などのノイズ成分も含まれる。
図9は、PCM/PM信号を離散フーリエ変換して得られるパワースペクトルの模式図である。図10は、PCM/PM信号のパワースペクトルのシミュレーション結果を表わす図である。図10には、1.5radという大きい変調度を適用したPCM/PM信号に、ノイズを付加したシミュレーション上の信号波形に対して4096ポイントのFFTを施した結果が示されている。一般に、PCM/PM変調では変調度m(rad)を用いてキャリアレベルに対して残留搬送波の成分とデータ信号成分のパワーが一意に決定される。全キャリアのパワーをPc(dB)、残留搬送波の成分のパワーをPr(dB)、データ信号成分のパワーをPs(dB)とすると、以下の式が成り立つ。
Pr=Pc+10*log10(cos2(m)) …(3)
Ps=Pc+10*log10(sin2(m)) …(4)
例えばm=1.5radなら、Pr=Pc−23dB、Ps=Pc−0.02dBとなり、残留搬送波の成分がデータ成分と比較して大幅に小さくなることが分かる。
図10では、残留搬送波成分81のパワースペクトルのパワー値は「−25」dB程度の値であるが、データ信号成分82のパワースペクトルのパワー値は、「−23」dB程度の値である。データ信号成分82のパワースペクトルのパワー値の方が、残留搬送波成分81のパワースペクトルのパワー値よりも大きい。したがって、パワースペクトルのパワー値の大きさに基づいて。残留搬送波成分81の周波数を検出することができない。
図11は、実施の形態1によって算出した周波数ポイントごとの突出度PRの模式図である。図11に示すように、残留搬送波成分が含まれる周波数ポイントにおいて突出度PRが最大となる。図12は、図10のシミュレーション結果から突出度PRを算出した結果を表わす図である。図13は、図12の一部を周波数fの方向に拡大した図である。図12および図13に示すように、残留搬送波成分101の突出度PRは、20dB強の値であるが、データ信号成分102の突出度PRは10dB未満である。パワー値の最大値ではなく、突出度PRの最大値を用いることによって、残留搬送波成分を正確に検出することができる。
実施の形態1の変形例1.
信号レベル算出部73は、LPF部72を通過した周波数スペクトルのパワー値または振幅値を信号レベルPとし、周辺信号レベル算出部74は、各々の周波数ポイントについて、その周波数ポイントの近傍の決められた範囲の複数の周波数ポイントの信号レベルから、その周波数ポイントの周辺信号レベルPを算出したが、これに限定するものではない。
周辺信号レベル算出部74は、各々の周波数ポイントについて、その周波数ポイントの近傍の決められた範囲の複数の周波数ポイントの周波数スペクトルのパワー値または振幅値から、その周波数ポイントの周辺信号レベルPを算出するものとしてもよい。信号レベル算出部73は、各周波数ポイントについて、周波数スペクトルのパワー値または振幅値から周辺信号レベルPを減算した値をその周波数ポイントの信号レベルPとしてもよい。
実施の形態1の変形例2.
上記の実施形態では、周辺信号レベル算出部74は、周波数ポイントから2ポイント離れた片側8ポイントずつの点の信号レベルPの平均値を、その周波数ポイントの周辺信号レベルPとしたが、これに限定されるものではない。周辺信号レベル算出部74は、上記平均値をさらに離散フーリエ変換の隣接する2つの周波数ポイント間の周波数間隔で除算することによって得られる値を、周辺信号レベルPとしてもよい。残留搬送波成分は、CW(Continuous Wave)に相当し、レベルは帯域幅に無関係であるため、P/PN0で考えた方が受信状況を把握しやすいためである。
実施の形態1の変形例3.
上記の実施形態では、周波数算出部182は、突出度PRが最大となる周波数ポイントの値に対応する周波数を残留搬送波の周波数推定値ΔFとしたが、これに限定されるものではない。周波数算出部182は、突出度PRが最大となる周波数ポイントに対応する周波数と、突出度が最大となる周波数ポイントの前後の周波数ポイントに対応する周波数とを用いて、例えば1次または2次の補間処理により、離散フーリエ変換の隣接する2つの周波数ポイント間の周波数間隔よりも高い解像度で残留搬送波の周波数推定値ΔFを算出することとしてもよい。
実施の形態1の変形例4.
上記実施形態では、複素和信号生成部25Sは、アンテナで生成された中間周波数帯の和信号SUM−IFをデジタル信号に変換してから直交検波したが、これに限定されるものではない。すなわち、複素和信号生成部25Sは、アンテナで生成された中間周波数帯の和信号SUM−IFを直交検波してからをデジタル信号に変換してもよい。複素差信号生成部25Eも同様である。つまり、複素和信号生成部25Sは、アンテナで生成された中間周波数帯の和信号SUM−IFを直交検波した後にデジタル信号に変換して、または、デジタル信号に変換した後に直交検波して、複素和信号を生成する。複素差信号生成部25Eは、アンテナで生成された中間周波数帯の差信号ERR−IFを、直交検波した後にデジタル信号に変換して、または、デジタル信号に変換した後に直交検波して、複素差信号を生成する。
実施の形態2.
図14は、実施の形態2による追尾受信機101の構成を示すブロック図である。実施の形態2の追尾受信機101は、実施の形態1の追尾受信機1の構成要素に加えて、周波数追従部9を備える。
周波数追従部9は、位相同期回路(PLL)を用いてフィードバック制御を行い、入力される信号の位相と位相基準値との位相差を0にするように制御する回路である。図15は、周波数追従部9の構成を表わす図である。周波数追従部9は、間引き処理部91と、位相比較器92と、ループフィルタ93とを有する。図15は、受信信号がQPSK変調方式で変調された場合の図である。QPSK以外にも、複素平面上に配置されたシンボル点がN回(Nは2以上の自然数)の回転対称を有するデジタル変調方式に対して同様に適用できる。
周波数追従部9は、周波数推定装置10によって推定された残留搬送波周波数(ΔFinit)と、複素位相回転部11Sが出力する複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)の位相とに基づいて、残留搬送波周波数をゼロに近づけるように積分することによって、周波数補正値(−ΔFadj)を出力する。これによって、複素位相回転部11Sおよび11Sにおいて位相補正値(-Δθ)が生成される。
間引き処理部91は、複素位相回転部11Sから出力されるベースバンドの複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)のサンプリング周波数を小さくする。間引き処理部91は、主にCIC(Cascaded Integrator Comb)フィルタ等を用いて、折返し雑音を発生させないように高周波成分を除去しつつ、間引き率をKとすると、サンプリング周波数を(1/K)に変換する。入力される複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)のノイズ量が小さく、PLLの片側等価雑音帯域幅BLを広くとることができる場合には間引き処理はしなくても良い。
位相比較器92は、演算部381と、余り算出器382、加算器383とを備える。演算部381は、複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)の偏角(複素数が実軸となす角度)である位相θaを算出する。具体的には、演算部381は、複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)の実部と虚部とを用いて、以下の式に従って、位相θaを算出する。
θa=arctan(SUM6Q/SUM6I)…(4)
余り算出器382は、演算部381が算出する位相θaと位相補正値(-θadj)の加算結果に対して2π/Nで除算して余りを求める演算(2π/Nでのmod演算)を実施する。例えば、受信信号がQPSK変調方式で変調された信号(以下、QPSK信号)の場合には、N=4であるため、π/2[rad]でmod演算を実施する。加算器383により、さらにマッピングの基準値を減算する。マッピングの基準値は、変調方式に応じて決まる基準マッピング点に対する複素和信号の位相誤差をゼロを中心とする範囲にするため角度値である。QPSKの場合には、マッピングの基準値はπ/4[rad]なので、π/4[rad]を減算する。図15において、入力される信号に対するπ/2[rad]のmod演算は、mod(π/2)と表記する。
一般にN回の回転対称を有するデジタル変調方式では、余り算出器382ではmod(2π/N)の演算を実施し、加算器383では(−π/N)を減算すればよい。例えば、BPSKの場合には、mod(π)となり、加算器383では(−π/2)を減算する。
上記マッピングの基準値を減算した結果を、位相差Δθdiffとして出力する。位相差Δθdiffは、複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)が有する位相誤差である。位相比較器92は、複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)の位相誤差を検出する位相誤差検出器である。
ループフィルタ93は、位相差Δθdiffに基づいて、出力される信号の周波数に周波数偏差ΔFが存在することを検出し、位相差Δθdiffにループゲインを乗算した結果を積分することによって、周波数偏差ΔFを求める。ループフィルタ93は、乗算器83と、乗算器84と、積分器95と、加算器85と、乗算器94と、選択取込部96とを備える。積分器95は、加算器97と、遅延回路86とを備える。
乗算器83は、位相比較器92から出力される位相差Δθdiffに、ループゲインG1を乗算して、加算器85へ出力する。乗算器84は、位相比較器92から出力される位相差Δθdiffに、ループゲインG2を乗算して、積分器95へ出力する。積分器95内の加算器97および遅延回路86によって、乗算器84の出力が累積加算される。積分器95によって、周波数偏差ΔFについての情報を逐次蓄積することができる。加算器85は、積分器95の出力と、乗算器83の出力とを加算することによって、周波数偏差ΔFを求める。乗算器94は、加算器85から出力される周波数偏差ΔFの符号を反転させるために(-1)を乗算することによって(-ΔF)を生成する。乗算器94は、さらに、複素位相回転部11Sのサンプリング周波数に適合させるために(-ΔF)にKを乗算して周波数補正値(−ΔFadj)を出力する。
複素位相回転部11Sの位相補正値算出部231Sは、残留搬送波周波数の符号を反転させて係数を乗算して求められた周波数補正値(−ΔFadj)が入力される。実施の形態1で説明したように、位相補正値算出部231Sは、周波数補正値(−ΔFadj)を積分することによって、位相補正値(−Δθadj)を出力する。位相回転部232Sは、位相補正値(−Δθadj)だけ複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)の位相を回転させる。すなわち、位相回転部232Sは、複素ローカル信号exp(−jθadj)と複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)とを乗算する。これによって、直交検波部4Sから出力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)の位相が位相補正値(-Δθadj)だけ逐次回転する。実施の形態1では、位相補正値を(−Δθ)と表していたが、実施の形態2では、位相補正値を(−Δθadj)と表わす。これにより、直交検波部4Sで生じる周波数偏差ΔFによる位相差が除去された複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)を出力することができる。また、位相差Δθdiffが0に近づくようにフィードバック処理が実現される。
複素位相回転部11Eの位相補正値算出部231Eは、残留搬送波周波数の符号を反転させて係数を乗算して求められた周波数補正値(−ΔFadj)が入力される。実施の形態1で説明したように、位相補正値算出部231Eは、周波数補正値(−ΔFadj)を積分することによって、位相補正値(−Δθadj)を出力する。位相回転部232Eは、位相補正値(−Δθadj)だけ複素差信号(ERR3I+jERR3Q)の位相を回転させる。すなわち、位相回転部232Eは、複素ローカル信号exp(−jθadj)と複素差信号(ERR3I+jERR3Q)とを乗算する。これによって、直交検波部4Eから出力される複素差信号(ERR3I+jERR3Q)の位相が位相補正値(-Δθadj)だけ逐次回転する。これにより、直交検波部4Sで生じる周波数偏差ΔFによる位相差が除去された複素差信号(ERR6I+jERR6Q)を出力することができる。
周波数追従部9内の位相比較器92と、周波数追従部9内の積分器95を含むループフィルタ93と、複素位相回転部11S内の積分器であるNCO111Sと、複素位相回転部11S内の複素乗算器350Sとによって、伝達関数が2次となるPLLが構成される。2次のPLLによって、ループフィルタ93から出力される周波数補正値(−ΔFadj)を積分した位相補正値(−Δθadj)によって、直交検波部4Sから出力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)の位相が補正されて、位相比較器92における位相差Δθdiffを0に近づけることができる。さらに、2次のPLLによって、直交検波部4Sから出力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)の周波数偏差ΔFに、ループフィルタ93から出力される周波数補正値(−ΔFadj)を近づけるように、周波数補正値(−ΔFadj)を調整することができる。
積分器95に蓄積された周波数偏差ΔFに対して、ループフィルタ93内のループゲインG1,G2で決められる片側等価雑音帯域幅BL程度の更なる周波数偏差に対して追従することが可能である。
複素位相回転部11Sと周波数追従部9とによって、フィードバックループが形成される。フィードバックループが不安定にならないように、ループゲインG1,G2は小さく設定される。周波数偏差を迅速にゼロに近づけるために、選択取込部96は、積分器95の入力として、残留搬送波周波数推定部8から出力される指示された時点の残留搬送波の周波数(周波数偏差)推定値ΔFを初期周波数推定値ΔFinitとして取りこんで、遅延回路86へ出力する。
具体的には、残留搬送波周波数推定部8から出力される周波数偏差ΔFinitが安定するまでは、ループフィルタ93の出力を「0」とすることによって、複素位相回転部11S内のNCO1111Sの入力は、「0」に固定される。残留搬送波周波数推定部8から出力される周波数偏差ΔFinitが安定したと判断した時点で、周波数偏差ΔFinitを取り込むことが指示されて、選択取込部96は、残留搬送波周波数推定部8から最新の周波数偏差ΔFinitを取得して遅延回路86へ出力する。選択取込部96は、周波数偏差ΔFinitを取り込むことが指示されない時には、加算器97の出力を取り込んで、遅延回路86へ出力する。これによって、ΔFinitが周波数補正値(−ΔFadj)の初期値として設定されるとともに、複素位相回転部11Sによって位相が回転した後の複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)の位相に基づいて、周波数補正値(−ΔFadj)が調整される。
このようにすることで、周波数追従部9は、ΔFinitを初期値として、周波数偏差ΔFの変動に対して追従できる。つまり、離散フーリエ変換によって周波数軸上で推定したΔFinitよりも、より精密かつサンプル処理単位で周波数偏差ΔFを算出することが可能になる。ただし、PLLがロック外れを起こした場合には、再び、ΔFinitを取り込むまで、ループフィルタ93の出力が「0」に設定される。ロック外れ前の状態を維持しておきたい場合は、「0」ではなく、ロック外れを起こす直前の積分器95の値を保持し続けてもよい。
例えば、離散フーリエ変換部6へ入力されるデータのサンプリング周波数を2.19MHz、間引き率Kを256、離散フーリエ変換部6へ入力されるデータ長(サンプル数)を4096ポイントとした場合、離散フーリエ変換部6から出力される周波数スペクトルの隣接する周波数ポイントの間の周波数間隔は、534Hzの分解能になる。補間処理を行って、1/10の精度が求まるとしても53Hzである。周波数追従部9内の間引き処理部91は、2.19MHzのサンプリング周波数で、CICフィルタ等の通過後のデータに対して、間引き率K毎にデータをサンプルし直すことによって、サンプリング周波数を8.545kHzまで低下させる。複素位相回転部11Sの入力を32ビットとし、かつ小数点位置を23bit目(Q23 format)とした場合、小数点位置が8.545kHz相当になるため、0.001Hz(=8.545kHz/223)の精度の周波数分解能で周波数偏差ΔFを算出することが可能である。
実施の形態1および実施の形態2では、残留搬送波の周波数を推定し除去する追尾受信機を説明した。通常の通信機においても、送受信機間に周波数オフセットまたは周波数不整合が存在すると、受信信号を復調する際の復調誤りの増加などの通信品質が悪化する。実施の形態1および実施の形態2の残留搬送波の周波数を正確に推定して除去する技術は、通常の通信機にも適用できる。
実施の形態2の変形例1.
図16は、実施の形態2の変形例1による追尾受信機201の構成を示すブロック図である。実施の形態2の追尾受信機201は、実施の形態1の追尾受信機1の構成要素に加えて、位相追従部209を備える。実施の形態2の追尾受信機201は、実施の形態1の複素位相回転部11S,11Eと異なる複素位相回転部211S,211Eを備える。
図17は、位相追従部209の構成を表わす図である。位相追従部209が、実施の形態2の周波数追従部9と相違する点は、積分器99を備える点と、間引き処理部91への入力、位相比較器292の構成、位相追従部209の出力が相違する点である。
位相追従部209は、周波数推定装置10によって推定された残留搬送波周波数(ΔFinit)と、複素位相回転部11Sが出力する複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)の位相とに基づいて、残留搬送波周波数をゼロに近づけるように位相補正値(−Δθadj)を出力する。
間引き処理部91は、直交検波部4Sから出力されるベースバンドの複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)のサンプリング周波数を小さくする。間引き処理部91は、主にCIC(Cascaded Integrator Comb)フィルタ等を用いて、折返し雑音を発生させないように高周波成分を除去しつつ、サンプリング周波数を(1/K)倍に変換する。
積分器99は、積分器95の出力に基づく値を積分する第2積分器である。積分器99は、加算器87と、遅延回路88と、遅延回路89とを備える。加算器87と遅延回路88とによって、乗算器94の出力である周波数補正値(−ΔFadj)を累積加算させる。遅延回路89の出力は、位相補正値(-Δθadj)として、複素位相回転部211S,211Eへ送られる。
位相比較器292は、演算部381が出力する位相θaに位相補正値(-Δθadj)を加算する加算器384を有する。加算器384の出力は、余り算出器382に入力される。位相比較器292は、位相補正値(-Δθadj)による補正後の複素和信号(SUM6I+jSUM6Q)の位相誤差を検出する位相誤差検出器である。
選択取込部96は、周波数偏差ΔFinitを取り込むことが指示されたときに、残留搬送波周波数推定部8から最新の周波数偏差ΔFinitを取得して遅延回路86へ出力する。選択取込部96は、周波数偏差ΔFinitを取り込むことが指示されない時には、加算器97の出力を取り込んで、遅延回路86へ出力する。これによって、ΔFinitが周波数補正値(−ΔFadj)の初期値として設定されるとともに、複素位相回転部211Sによって位相が回転する前の複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)の位相に基づいて、周波数補正値(−ΔFadj)が調整される。
図18(a)は、複素位相回転部211Sの構成を表わす図である。複素位相回転部211Sが、図4(a)の複素位相回転部11Sと相違する点は、以下である。複素位相回転部211Sは、NCO111Sで構成される位相補正値算出部231Sを備えず、遅延回路116AS,116BSを備える。
con/sin発生部112Sは、NCO111Sからではなく、位相追従部209から送られる位相補正値(−Δθadj)の複素ローカル信号exp(−jΔθadj)を発生する。遅延回路116AS,116BSは、直交検波部4Sから出力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)を遅延させて、加算器113AS,113BS,113CS,113DSへ出力する。遅延させる理由は、複素位相回転部211S内での複素乗算のタイミングと、位相追従部209の位相比較器292の位相比較のタイミングとを同じにするためである。タイミング合わせをしない場合には、位相追従部209内の2次のPLL内部で位相差Δθdiffおよび周波数の差(ΔFとΔFadjの差)が除去できても、複素位相回転部211Sで位相差が発生し、コンスタレーションの位相がずれるという問題が発生する。
図18(b)は、複素位相回転部211Eの構成を表わす図である。複素位相回転部211Eが、図4(b)の複素位相回転部11Eと相違する点は、以下である。複素位相回転部211Eは、NCO111Eで構成される位相補正値算出部231Eを備えず、遅延回路116AE,116BEを備える。con/sin発生部112Eは、NCO111Eからではなく、位相追従部209から送られる位相補正値(−Δθadj)の複素ローカル信号exp(−jΔθadj)を発生する。遅延回路116AE,116BEは、直交検波部4Eから出力される複素差信号(ERR3I+jERR3Q)を遅延させて、加算器113AE,113BE,113CE,113DEへ出力する。
位相追従部209内の位相比較器292、位相追従部209内の積分器95を含むループフィルタ93、および位相追従部209内の積分器99によって、2次のPLLが構成される。伝達関数が2次となるPLLによって、ループフィルタ93から出力される周波数補正値(−ΔFadj)を積分した位相補正値(−Δθadj)によって、直交検波部4Sから出力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)の位相が補正されて、位相比較器292における位相差Δθdiffを0に近づけることができる。さらに、2次のPLLによって、直交検波部4Sから出力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)の周波数偏差ΔFと、ループフィルタ93から出力される周波数補正値(−ΔFadj)との和をゼロに近づけるように、周波数補正値(-ΔFadj)を調整することができる。
実施の形態2の変形例2.
上記の実施形態では、加算器85の出力を受ける乗算器94の出力が複素位相回転部11S,11Eに周波数補正値(−ΔFadj)として送られるものとしたが、これに限定されるものではない。ループフィルタ93を乗算器83および加算器85を有しない構成として、積分器95の出力が乗算器94で符号を反転されて、複素位相回転部11S,11Eに周波数補正値(−ΔFadj)として送られるものとしてもよい。
実施の形態3.
図19は、実施の形態3による追尾受信機301の構成を示すブロック図である。実施の形態3の追尾受信機301の周波数推定装置310は、実施の形態1の追尾受信機1の周波数推定装置10の構成要素に加えて、N乗検波部13および周波数1/N倍部14を備える。
N乗検波部13は、直交検波部4Sから出力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)をN乗する。ただしNは正の整数である。N乗検波の目的は、入力信号の位相をN逓倍することである。N乗検波部13は、N乗演算ではなく、複素和信号(SIM3I+jSUMQ)の位相値θを算出して、その位相値θを4逓倍してもよい。これは、N乗演算で位相はN倍になるからである。
複素信号(I+jQ)をN乗した信号(I+jQ)は以下のように変形できる。ここで、複素信号(I+jQ)が極座標表示でR×exp(jθ)と表されるとする。
(I+jQ)=(R×exp(jθ))=(R×exp(jN×θ))
NPSK信号のマッピング点は2π/N(rad)間隔で配置される。たとえば、QPSK信号の場合には、N=4となる。BPSK信号の場合には、N=2となる。
図20(a)は、QPSK信号のマッピング点を表わす図である。たとえば、QPSK信号のマッピング点は、θ1、θ2、θ3、θ4に配置される。ここで、θ1=π/4、θ2=3π/4、θ3=−3π/4、θ4=−π/4である。残留搬送波による位相差Δθがあるときには、各マッピング点は、Δθだけずれる。
図20(b)は、4乗したQPSK信号のマッピング点を表わす図である。4乗されたQPSK信号の位相は4×θ1、4×θ2、4×θ3、4×θ4となる。ここで、XをYで除算した余りを求める関数をmod(X, Y)とする。以下のようになる。
mod(4×θ1, 2π)=π、
mod(4×θ2, 2π)=mod(3π, 2π)=π、
mod(4×θ3, 2π)=mod(−3π, 2π)=π、
mod(4×θ4, 2π)=mod(−π, 2π)=π
残留搬送波による位相差Δθが存在する場合ときには、各マッピング点は、4×Δθだけずれる。上に示したように、QPSK信号を4乗すると、マッピング点は、πの1点に集まることが分かる。つまり、ナイキスト点付近のデータは1点で示すことができる。その成分が周波数軸上では、線スペクトル成分として表れる。残留搬送波の周波数がΔFのときには、この1箇所に集まった点が、1サンプル当りについて、4×ΔF/Fsの速度で回転することになる。Fsは、N乗検波部13に入力される複素和信号(SUM3I+jSUM3Q)のサンプリング周波数である。
図21は、QPSK信号を4乗したシミュレーション結果を表わす図である。図21には、ΔF/Rs=2/4096の条件でQPSK信号を4乗したときのコンスタレーションが示されている。
線スペクトル成分の周波数は、本来の残留搬送波の周波数ΔFをN逓倍した値となる。本来の残留搬送波の周波数ΔFを求めるために、残留搬送は周波数推定装置8内に周波数1/N倍部14が設けられている。周波数1/N倍部14は、周波数ポイント判定部181で判定された突出度PRが最大となる周波数ポイントを1/N倍して、その結果を周波数算出部182へ送る。
図22は、QPSK信号のパワースペクトルを表わす図である。図22において、横軸は、周波数をシンボルレートRsで除算した正規化周波数である。図22において、残留搬送波の周波数推定値ΔFは、0.25×Rsである。図23は、4乗したQPSK信号のパワースペクトルを表わす図である。図23において、横軸は、正規化周波数である。正規化周波数が「1」の箇所に線スペクトル2001が発生している。つまり、周波数が1×Rsにおいて線スペクトル2001が発生している。図23から、パワーが最大となる周波数が1×Rsであることが検出できる。パワーが最大となる周波数(=1×Rs)は、残留搬送波の周波数推定値ΔF(=0.25×Rs)の4倍である。4倍となるのは、QPSK信号を4乗したからである。パワーが最大となる周波数を1/4倍することによって、残留搬送波の周波数を特定することができる。
図24は、4乗したQPSK信号の突出度PRを表わす図である。突出度PRを算出するために、周辺信号レベルPは、各周波数ポイントから3ポイント離れた位置を基点として8ポイント(両側で16ポイント)分の電力平均値とした。図24に示すように、図23と同様に、正規化周波数が「1」の箇所に線スペクトル2101が発生している。つまり、周波数が1×Rsにおいて、線スペクトル2101が発生している。図24から、突出度PRが最大となる周波数が1×Rsであることが検出できる。突出度PRが最大となる周波数(=1×Rs)は、残留搬送波の周波数推定値ΔF(=0.25×Rs)の4倍である。4倍となるのは、QPSK信号を4乗したからである。図23のパワーの例と同様に、突出度PRが最大となる周波数を1/4倍することによって、残留搬送波の周波数を特定することができる。よって、QPSK信号をN乗したときには、パワー値によって、残留搬送波の周波数が検出できるのと同様に、突出度PRによっても、残留搬送波の周波数を検出できる。
実施の形態3の変形例1.
複素平面上に配置されたシンボル点が2以上の自然数NについてN回の回転対称を有するデジタル変調方式であれば、N乗検波部13および周波数1/N倍部14を適用することができる。よって、N−PSK(N-Phase Shift Keying)信号だけでなく、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)信号またはN-APSK(N-Amplitude Phase Shift Keying)信号などにも、N乗検波部13および周波数1/N倍部14を適用することができる。
実施の形態3の変形例2.
上記の実施形態では、周波数1/N倍部14は、周波数ポイント判定部181で判定された突出度PRが最大となる周波数ポイントを1/N倍して、その結果を周波数算出部182へ送るものとしたが、これに限定されるものではない。周波数1/N倍部14は、周波数算出部182で算出された残留搬送波の周波数推定値ΔFを受けて、その周波数推定値ΔFを1/N倍するものとしてもよい。
ハードウエア構成.
図25は、実施の形態1〜3に係る周波数推定装置10,310のハードウエア構成の例を表わす図である。図25に示すように、周波数推定装置10,310のハードウエアは、プロセッサ1100と、プロセッサ1100とバス1300で接続されたメモリ1200とを備える。
周波数推定装置10,310の構成要素のうちの少なくとも一部の構成要素の機能が、CPUなどのプロセッサ1110がメモリ1200に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記構成要素の機能を実行するものとしてもよい。また、システムLSI等の処理回路により、上記構成要素の機能が実現されるものとしてもよい。また、複数の処理回路が連携して上記構成要素の機能を実行するものとしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,101,201,301 追尾受信機、2S,2E アナログ受信部、3S,3E ADC、4S,4E 直交検波部、5 窓関数乗算器、6 離散フーリエ変換部、8 残留周波数推定部、9 周波数追従部、10,310 周波数推定装置、11S,11E,211S,211E 複素位相回転部、12 方位演算部、13 N乗検波部、14 周波数1/N倍部、21S,21E 帯域通過フィルタ、22S,22E AMP、23S,23E,45S,45E,46S,46E,72,115AS,115AE,115BS,115BE,122,123 低域通過フィルタ、25S 複素和信号生成部、25E 複素差信号生成部、41S,41E,111S,111E 数値制御発振器、42S,42E,112S,112E cos/sin発生部、43S,43E,44S,44E,52,53,83,84,94,113AS,113AE,113BS,113BE,113CS,113CE,113DS,113DE,124,125 乗算器、51 窓関数信号発生部、71 パワー演算部、73 信号レベル算出部、74 周辺信号レベル算出部、75 突出度算出部、85,87,97,114AS,114AE,114BS,114BE,383,384 加算器、88,89,116AS,116AE,116BS,116BE 遅延回路、91 間引き処理部、92,292 位相比較器(位相誤差検出器)、93 ループフィルタ、95,99 積分器、96 選択取込部、121 複素除算回路、181 周波数ポイント判定部、182 周波数算出部、209 位相追従部、231S,231E 位相補正値算出部、232S,232E 位相回転部、350S,350E 複素乗算器、381 演算部、382 余り算出器、1100 プロセッサ、1200 メモリ、1300 バス。

Claims (13)

  1. 直交検波およびデジタル化された受信信号を離散フーリエ変換して周波数ポイントごとの複素数である周波数スペクトルを生成する離散フーリエ変換部と、
    前記周波数スペクトルの振幅値に基づく周波数ポイントごとの信号レベルを算出する信号レベル算出部と、
    各々の前記周波数ポイントについて、その前記周波数ポイントの近傍の決められた範囲にある複数個の周波数ポイントである周辺周波数ポイント集合の前記信号レベルから、その前記周波数ポイントの周辺信号レベルを算出する周辺信号レベル算出部と、
    各々の前記周波数ポイントにおいて、前記信号レベルの前記周辺信号レベルに対する大きさの程度を表す突出度を算出する突出度算出部と、
    前記突出度に基づき前記受信信号に残留する搬送波の周波数を推定する残留搬送波周波数推定部とを備えた、周波数推定装置。
  2. 前記周辺周波数ポイント集合は、前記周辺信号レベルを算出する対象の前記周波数ポイントを少なくとも含む周波数軸上に連続して並ぶ決められた個数の前記周波数ポイントを含まないように決められている、請求項1に記載の周波数推定装置。
  3. 前記周辺信号レベル算出部は、前記周辺周波数ポイント集合に含まれる前記周波数ポイントの前記信号レベルの平均値を算出して、前記平均値を前記周辺信号レベルとする、請求項1または2に記載の周波数推定装置。
  4. 前記信号レベル算出部は、前記周波数スペクトルの振幅値、または前記振幅値を二乗した電力値を前記周波数ポイントごとの前記信号レベルとする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の周波数推定装置。
  5. 前記残留搬送波周波数推定部は、前記突出度が最大となる前記周波数ポイントに基づいて、前記受信信号に残留する搬送波の周波数を推定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の周波数推定装置。
  6. 前記受信信号は、複素平面上に配置されたシンボル点がN回(Nは2以上の自然数)の回転対称を有するデジタル変調方式で変調されており、
    前記離散フーリエ変換部は、前記受信信号をデジタル化および直交検波して得られる複素デジタル信号の位相をN倍した信号を離散フーリエ変換し、
    前記残留搬送波周波数推定部は、前記突出度に基づき推定する周波数の1/N倍の周波数を、前記受信信号に残留する搬送波の周波数として推定する、請求項5記載の周波数推定装置。
  7. 電波源からの電波を受信するアンテナが出力するアナログ和信号を直交検波およびデジタル化することによって複素和信号を生成する複素和信号生成部と、
    前記アンテナが出力するアナログ差信号を直交検波およびデジタル化することによって、複素差信号を生成する複素差信号生成部と、
    前記複素和信号に残留する搬送波の周波数である残留搬送波周波数を推定する請求項1〜6のいずれか1項に記載の周波数推定装置と、
    前記残留搬送波周波数に基づく位相補正値に従って、前記複素和信号の位相を回転させる第1の複素位相回転部と、
    前記位相補正値に従って、前記複素差信号の位相を回転させる第2の複素位相回転部と、
    前記第2の複素位相回転部が出力する前記複素差信号および前記第1の複素位相回転部が出力する前記複素和信号に基づき、前記電波が到来する方向である到来方向と前記アンテナが向く方向である指向方向との差である指向方向誤差を算出する指向方向誤差算出部とを備えた、追尾受信機。
  8. 前記周波数推定装置によって推定された前記残留搬送波周波数と、前記第1の複素位相回転部が出力する前記複素和信号の位相とに基づいて、前記残留搬送波周波数をゼロに近づけるように、積分することで前記位相補正値が生成される周波数補正値を出力する周波数追従部をさらに備えた、請求項7記載の追尾受信機。
  9. 前記第1の複素位相回転部および前記第2の複素位相回転部は、前記残留搬送波周波数の符号を反転させて係数を乗算して求められた周波数補正値が入力され、前記周波数補正値を積分して位相補正値を出力する位相補正値算出部と、前記位相補正値だけ位相を回転させる位相回転部とを有する、請求項8記載の追尾受信機。
  10. 前記周波数追従部は、前記複素和信号の位相誤差を検出する位相誤差検出器と、前記位相誤差検出器の出力に係数を乗算した値を積分する積分器と、前記積分器の入力として指示された時点の前記残留搬送波周波数を選択して取り込む選択取込部とを有し、
    前記周波数追従部は、前記積分器の出力に基づき前記周波数補正値を算出する、請求項8または請求項9記載の追尾受信機。
  11. 前記周波数推定装置によって推定された前記残留搬送波周波数と、前記第1の複素位相回転部に入力される前記複素和信号の位相とに基づいて、前記残留搬送波周波数をゼロに近づけるように、前記位相補正値を出力する位相追従部をさらに備えた、請求項7記載の追尾受信機。
  12. 前記第1の複素位相回転部および前記第2の複素位相回転部は、入力される前記位相補正値だけ位相を回転させる位相回転部を有し、前記第1の複素位相回転部は入力される前記複素和信号を遅延させる遅延回路を有し、前記第2の複素位相回転部は入力される前記複素差信号を遅延させる遅延回路を有する、請求項11記載の追尾受信機。
  13. 前記位相追従部は、前記位相補正値による補正後の前記複素和信号の位相誤差を検出する位相誤差検出器と、前記位相誤差に係数を乗算した値を積分する積分器と、前記積分器の入力として指示された時点の前記残留搬送波周波数を選択して取り込む選択取込部と、前記積分器の出力に基づく値を積分する第2積分器とを有し、前記位相補正値は前記第2積分器の出力に基づき算出される、請求項11または請求項12記載の追尾受信機。
JP2018130033A 2018-07-09 2018-07-09 周波数推定装置および追尾受信機 Active JP7004618B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018130033A JP7004618B2 (ja) 2018-07-09 2018-07-09 周波数推定装置および追尾受信機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018130033A JP7004618B2 (ja) 2018-07-09 2018-07-09 周波数推定装置および追尾受信機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020010195A true JP2020010195A (ja) 2020-01-16
JP7004618B2 JP7004618B2 (ja) 2022-02-04

Family

ID=69152541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018130033A Active JP7004618B2 (ja) 2018-07-09 2018-07-09 周波数推定装置および追尾受信機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7004618B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111458563A (zh) * 2020-03-05 2020-07-28 熊军 一种双谱线幅度测量信号频偏的方法及装置
CN112346875A (zh) * 2020-11-30 2021-02-09 华中科技大学 一种并行化对数均匀功率谱的估计方法
CN114593750A (zh) * 2022-03-08 2022-06-07 长沙学院 一种单星伪距的测姿标校方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05136631A (ja) * 1991-11-13 1993-06-01 Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> 無変調信号検出及び周波数引き込み装置
JP2010154092A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Fujitsu Ltd 雑音検出装置及び雑音検出方法
WO2011129389A1 (ja) * 2010-04-16 2011-10-20 日本電信電話株式会社 周波数オフセット推定方法および周波数オフセット推定装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05136631A (ja) * 1991-11-13 1993-06-01 Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> 無変調信号検出及び周波数引き込み装置
JP2010154092A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Fujitsu Ltd 雑音検出装置及び雑音検出方法
WO2011129389A1 (ja) * 2010-04-16 2011-10-20 日本電信電話株式会社 周波数オフセット推定方法および周波数オフセット推定装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111458563A (zh) * 2020-03-05 2020-07-28 熊军 一种双谱线幅度测量信号频偏的方法及装置
CN112346875A (zh) * 2020-11-30 2021-02-09 华中科技大学 一种并行化对数均匀功率谱的估计方法
CN112346875B (zh) * 2020-11-30 2024-02-09 华中科技大学 一种并行化对数均匀功率谱的估计方法
CN114593750A (zh) * 2022-03-08 2022-06-07 长沙学院 一种单星伪距的测姿标校方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7004618B2 (ja) 2022-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6421399B1 (en) Frequency and phase estimation for MPSK signals
JP2751840B2 (ja) 信号検出装置
WO2011158932A1 (ja) 周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法、および受信方法
JP7004618B2 (ja) 周波数推定装置および追尾受信機
JP3271504B2 (ja) 周波数推定回路およびそれを用いたafc回路
JPH09270827A (ja) デジタル直交変調信号のパラメータ測定装置
US7620125B1 (en) Frequency estimation apparatus and related method
CN109067680B (zh) 一种基带信号的载波频偏估计方法及其装置
EP2615770B1 (en) Fast acquisition of frame timing and frequency
JP3859174B2 (ja) ブロック位相推定のための装置および方法
US7430247B2 (en) Carrier frequency detection for N-ary phase modulated signal
US7970071B2 (en) Method and device for synchronizing the carrier frequency of an offset quadrature phase-modulated signal
US7778359B2 (en) Method and device for clock synchronisation with a vestigial-sideband-modulated transmitted signal
CN115632923A (zh) 一种基于oqpsk的无人机与卫星超宽带通信方法及相关设备
US20070263742A1 (en) Method and Apparatus for Clock-Pulse Synchronization with an Offset Qpsk-Modulated Transmission Signal
JP2540931B2 (ja) Psk信号復調方法
US20050129149A1 (en) Detecting GSM downlink signal frequency correction burst
JP3819592B2 (ja) 64qam、256qam変調解析方法
CN108508460B (zh) 一种gnss信号载波跟踪方法及装置
EP2797225B1 (en) Method of and apparatus for demodulating an amplitude modulated signal
RU2736623C1 (ru) Система на кристалле приема сообщений телеметрической информации по радиочастотному каналу
JP6902259B2 (ja) 測定装置及び測定方法
JP3583679B2 (ja) 位相誤差検出装置
JP2705542B2 (ja) 周波数誤差検出装置
JP3331462B2 (ja) Psk受信機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7004618

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150