JP2020007153A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジャム率を低減することができるシート搬送装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】シート搬送装置は、シート積載手段に積載されたシートを搬送するシート搬送手段と、シートの搬送不良を検知する搬送不良検知手段と、搬送不良検知手段が、搬送不良を検知したとき、リトライ搬送を行なう制御手段とを有する。また、シート搬送を行なったときのシート搬送情報を蓄積していく記憶手段を備えており、制御手段は、記憶手段に蓄積されているシート搬送情報に基づいて搬送設定を変更してリトライ搬送を行なう。【選択図】図8

Description

本発明は、シート搬送装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、シート積載手段に積載されたシートを搬送するシート搬送手段と、シートの搬送不良を検知する搬送不良検知手段と、搬送不良検知手段が搬送不良を検知したときリトライ搬送を行なう制御手段とを有するシート搬送装置が知られている。
特許文献1には、上記シート搬送装置として、搬送速度を下げてリトライ搬送を行なうことで、シート搬送手段とシートとの間の滑りによる搬送不良に対し搬送の確実性を上げることができ、リトライ搬送時の搬送不良を抑制するものが記載されている。
しかしながら、搬送不良の原因がシート搬送手段とシートとの間の滑りによる搬送不良でない場合、搬送速度を下げてリトライ搬送を行なっても、搬送不良が解消されず、用紙ジャムとなる場合があり、用紙ジャム率を十分に低下させることができないおそれがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、シート積載手段に積載されたシートを搬送するシート搬送手段と、シートの搬送不良を検知する搬送不良検知手段と、前記搬送不良検知手段が、前記搬送不良を検知したとき、リトライ搬送を行なう制御手段とを有するシート搬送装置において、シート搬送を行なったときのシート搬送情報を蓄積していく記憶手段を備え、前記制御手段は、前記記憶手段に蓄積されているシート搬送情報に基づいて搬送設定を変更してリトライ搬送を行なうことを特徴とするものである。
本発明によれば、ジャム率を低減することができる。
本実施形態の画像形成システムの概略構成図。 本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。 装置本体の側面に設けられる本実施形態のシート給送装置の概略説明図。 本実施形態のシート給送装置の概略側面図。 同シート給送装置の概略斜視図。 画像形成装置およびシート給送装置の要部構成を示すブロック図。 従来のリトライ給送の一例を示す制御フロー図。 本実施形態のリトライ給送の簡単な流れを示す制御フロー図。 シート給送装置の給送制御の具体的一例を示すフロー図。 第二実施形態の給送装置の要部拡大構成図。 第二実施形態の給送装置の給送制御の一例を示すフロー図。 給送情報蓄積用記憶装置を、情報通信網たるインターネット通信網を介して複数のシート給送装置に接続されたサーバとした一例について説明する図。
以下、本発明を適用したシート給送装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の画像形成システム1の概略構成図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、シートに画像を形成する画像形成手段としての画像形成装置100と、画像形成装置100にシートを給送するシート給送装置200とを備えている。シート給送装置200は、画像形成装置100本体の側面に設けられている。
まず、本実施形態のシート給送装置を適用可能な電子写真式やインクジェット式などの画像形成装置のうち、電子写真方式の画像形成装置を例にしてその画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置100の概略構成図である。
この画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のトナーを用いるフルカラープリンタ及び、同等の作像機能を有するフルカラー複写機である。図2に示すように、装置本体内の上部にそれぞれ各色トナーで作像を行う4つの作像ユニット101Y、101M、101C、101Kを並べて配置している。各作像ユニット101Y、101M、101C、101Kの構成とその動作は実質的に同一であるため、ここでは色を示す符号(Y、M、C、K)を省略して作像ユニットについて説明する。作像ユニット101においては、像担持体としての感光体ドラム102の周囲に、帯電器103、現像装置104、クリーニング装置105等が配置されている。また、感光体ドラム102の上方に位置して、露光手段107が配置されている。
4つの作像ユニット101Y、101M、101C、101Kの下方には、複数の支持ローラに掛け回された中間転写ベルト108が配置されている。中間転写ベルト108は、支持ローラの一つが駆動手段によって回転駆動されることにより、矢印DA方向に走行駆動される。その中間転写ベルト108を挟んで各作像ユニットの感光体ドラム102に対向するように、一次転写手段としての転写ローラ106が配置されている。
各作像ユニット101においては、感光体ドラム102が図中反時計回りに回転駆動され、帯電器103によって感光体表面が所定の極性に均一に帯電される。次いでその帯電面に、露光手段107から出射される光変調されたレーザビームが照射され、これによって感光体ドラム102上に静電潜像が形成される。その静電潜像は、現像装置104から付与されるトナーによって現像され、トナー像として可視化される。各作像ユニットで形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色トナー像は、中間転写ベルト108上に順次重ね合わされて転写される。
一方、装置本体の下部には収容トレイ114a及び114bを有する給送部114が設けられており、この給送部114あるいは画像形成装置100に装着される後述するシート給送装置200のいずれかから記録媒体として例えば転写紙が給送される。給送された転写紙は、レジストローラ111に向けて矢印DBの如く搬送される。
レジストローラ111に突き当てられて一旦停止された転写紙は、中間転写ベルト108上のトナー像とのタイミングを取ってレジストローラ111より送出され、二次転写ローラ109と中間転写ベルト108とが接する二次転写部に送り込まれる。その二次転写ローラ109にトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、これによって中間転写ベルト108上の重ねトナー像(フルカラー画像)が転写紙上に転写される。トナー像転写後の転写紙は、搬送ベルト112により定着装置113へ搬送され、定着装置113にて熱と圧力によりトナーが転写紙に定着される。トナー像定着後の転写紙は、矢印DCで示すように機外に排出され、排紙トレイ上に排紙される。
なお、片面印刷で裏面排紙(フェイスダウン排紙)する場合は、シート反転部115を経て矢印DCで示すように機外に排出することで、シートの表裏が逆転される。また、両面印刷の場合は、定着後のシートを両面反転部116を経て再給送路117よりレジストローラ111へと再給送し、シート裏面に中間転写ベルト108よりトナー像が転写される。トナー像転写後のシートは定着装置113で定着が行われ、片面印刷時と同じように定着装置113から矢印DCで示すように、あるいはシート反転部115を経て矢印DCで示すように機外に排出され、排紙トレイ上に排紙される。シート搬送方向を切り替えるための切替爪118、119が適宜配置されている。
モノクロ印刷の場合は、本例の画像形成装置100では、黒(K)の作像ユニット101Kのみを用いてトナー像を作像し、そのトナー像を中間転写ベルト108を介して転写紙上に転写する。トナー像定着後のシートの扱いは、フルカラー印刷の場合と同様である。
なお、装置本体の上面には、各作像ユニットの現像装置104に供給するトナーを収納した各色トナーボトル121をセットするトナーボトルセット部120が設けられている。また、表示部122及び操作パネル123を有する操作部124も装置本体の上面に設けられている。さらに、装置本体の図において右側の側面には、後述するシート給送装置(図3参照)からのシート搬入部DDが設けられている。シート搬入部DDにおいては、シートを受け入れる開口125と、シートを搬送する搬送手段126が設けられている。
なお、シートとは、紙、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム、プリプレグ(炭素繊維に樹脂を含浸させたシート状のもの)、多層構造紙(異なる材質を複数重ねて1枚となっているもの)、メタリック紙(金属の成分がある紙)、加工シート類(針などで綴じているもの、封筒など折りの構成があるもの)等である。
図3は、装置本体の側面に設けられる本実施形態のシート給送装置200の概略説明図である。
図3に示すように、シート給送装置200は、上下2段の収容トレイ10を備える。各収容トレイ10は、シート束Pを積載するシート積載台11を備えている。本実施形態においては、各収容トレイ10は、最大2500枚程度のシートを収納可能となっている。なお、シートとしては、紙、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム、プリプレグ、多層構造紙、メタリック紙、加工シート類等を含む。プリプレグは、主に積層板や多層プリント配線板の材料として使用される。例えば、ガラスクロス、紙、不織布、アラミドクロス等の長尺基材にエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を主材とする樹脂ワニスを連続的に含浸し、加熱乾燥してから切断することで、シート材に加工したものである。各収容トレイ10の上方には、収容トレイ10に積載されたシートを分離・給送する給送ユニット20がそれぞれ配置されている。この給送ユニット20は、搬送手段である吸引ベルト21及び上方吸引装置23を備えている。
下側の収容トレイ10に積載されたシートは、下搬送路82を通って、出口ローラ対80によって、画像形成装置100本体へ搬送される。上側の収容トレイ10に積載されたシートは、上搬送路81を通って、出口ローラ対80によって、画像形成装置100本体へ搬送される。
図4は、本実施形態のシート給送装置200の概略側面図である。図5は、同シート給送装置200の概略斜視図である。
図4に示すように、シート搬送手段としての給送ユニット20の吸引ベルト21は、2本の張架ローラ22a、22bにより張架されており、ベルトのおもて面側から裏面側まで貫通する吸引孔が周方向の全域に設けられている。また、吸引ベルト21の内部には、上方吸引装置23が設けられている。上方吸引装置23は、空気の流路であるエアダクトを通じてエアを吸引する上方吸引ファンに接続されており、上方吸引装置23により下方に負圧を発生させることで、吸引ベルト21の下面にシートを吸着させるように作用する。
また、収容トレイ10には、シート束Pの上部に対してエアを吹き付けるエア吹き付け手段としての送風装置24と、シート束Pの上部近傍のエアを吸引するエア吸引手段としての下方吸引装置25を備える。
送風装置24は、フロント送風装置26とサイド送風装置27(図5参照)とを有している。フロント送風装置26は、図4に示すように、シート束Pの上部の先端(給送方向下流側端部)に対して空気を送風するものである。このフロント送風装置26には、シート束Pの上部のシートを浮上させる方向にエアを吹き付ける浮上ノズル26a、吸引ベルト21に向けてエアを吹き付けて吸引ベルト21に反射して第1シートとしての最上位のシートとそれ以外のシートを下方に向けるエアを吐出する分離ノズル26bが設けられている。さらに、浮上ノズル26aに連通する浮上連通路31aと分離ノズル26bに連通する分離連通路31bとを有するエアチェンバー31が配置されている。エアチェンバー31の内部には、エアチェンバー31内の各連通路31a,31bを瞬間的に遮断、開放する浮上/分離シャッター32が設けられている。
吸引ベルト21に吸着した最上位シートP1に浮上した二枚目のシートP2が過浮上を発生させ、挙動を乱すなどして接触すると連れ送り重送になる場合がある。そこで吸引ベルト21に最上位シートP1吸着したタイミングで浮上/分離シャッター32を閉じてエアの吹き付けを停止することで浮上している二枚目以降のシート(図4では、2枚目のシートP2と、三枚目のシートP3)を落下させて一枚目のシートP1と接触しないようにして連れ送り重送を防止する。
そして、エアチェンバー31には浮上連通路31aに空気を送り込む浮上ファンと、分離連通路31bに空気を送り込む分離ファンがそれぞれ配置されている。また、浮上ノズル26aから図中矢印a1で示す向きに送風される空気をフロント浮上エア、分離ノズル26bから図中矢印a2で示す向きに送風される空気を分離エアと呼ぶ。浮上エア及び分離エアは、シート束Pの上部の先端(給送方向下流側端部)と対向する箇所から吐出され、シート束Pの上部の先端(給送方向下流側端部)に吹き付けられる。
また、サイド送風装置27は、図5に示すように、給送方向と直角方向に相当する幅方向にシートを斜行しない状態に維持されるよう位置決めのための一対のサイドフェンス28に設けられている。シート給送装置200は、2つのサイドフェンス28の両方をシートサイズにあわせて幅方向に移動させるセンター基準である。そして、サイドフェンス28には、シート束Pの上部の幅方向側端部近傍に空気を突き付け、シートの浮上及び捌きを行うためのサイド送風装置27が設けられている。
サイド送風装置27には、シート束Pを捌き、浮上させる方向に空気を案内し、かつ、シートの側面における給送方向の前側に対向するよう配置されたサイド浮上ノズル前27aと、シートの側面における給送方向の後ろ側に対向するよう配置されたサイド浮上ノズル後27bとが設けられている。これらのノズルからサイド浮上ファンにより送風されるエアをサイド浮上エアと呼ぶ。このサイド浮上エアは、各サイドフェンス28のシート束Pの上部と対向する箇所に設けられた吐出口から吐出され、シート束Pの上部の側面に吹き付けられる。フロント送風装置26とサイド送風装置27との各ノズルから吹き付けられた空気により、シート束Pの上部のシートが浮上する。また、収容トレイ10には、シート積載台11に積載されたシート束Pの後端を揃えるエンドフェンス29を設けている。
下方吸引装置25は、図4の矢印a3に示すように、シート束Pの上部における先端の近傍の空気を下方に吸引して負圧を発生させ、吸引ベルト21から離れる方向へ向かう力を作用させるものである。この下方吸引装置25には、シート束Pの上部における先端の近傍の空気を下方に吸引する下方吸引ノズル25a、その下方吸引ノズル25aと連通する下方吸引エアチェンバー33が配置されている。その下方吸引エアチェンバー33はエアを吸引する吸引手段である下方吸引ファンを備えている。また、下方吸引エアチェンバー33の内部には、下方吸引エアチェンバー33内の通気の遮断/開放を瞬間的に切り替える開閉機構としての下方吸引シャッター34が設けられている。
下方吸引シャッター34は、浮上/分離シャッター32が開いて浮上ノズル26aや分離ノズル26bからエアが吹き出しているときは閉じており、浮上/分離シャッター32を閉じてエアの吹き付けを停止するのに合わせて、閉じている下方吸引シャッター34を開いて下方吸引ノズル25aからシート束の上部における先端の近傍のエアを吸引して負圧にする。シート束の上部における先端の近傍を負圧にすることで、二枚目のシートP2の落下の速度を加速させて重送を防止する。
また、下方吸引ノズル25aの上端と吸引ベルト21との間の隙間が1枚のシートの厚み以上、2枚のシートの厚み以下に設定されている。これにより、もし、2枚目のシートP2が最上位シートP1とともに吸引ベルト21に吸着し連れ送りした場合でも下方吸引ノズル25aの上端により2枚目のシートP2の先端を止めることができ重送を防止することができる。
シート給送装置200は、最上位シートの上面の高さを検出し、給送時のシート積載台11の上昇位置や上昇量の判断に使用する昇降センサ41を備えている。
シート給送装置200では、給送によって枚数が減少する収容トレイ内の最上位シートの上面と吸引ベルトの下面との距離を一定の範囲内とする必要がある。このため、昇降センサ41よって最上位シートの上面の高さを検出し、この昇降センサ41の検出信号に基づいて、収容トレイのシート積載台11を上下に移動させる昇降駆動部の駆動源である昇降モータの駆動を制御する。これにより、シート積載台11の高さを調節し、シート積載台上に載置されたシート束の最上位シートの上面と吸引ベルト21の下面との距離が一定の範囲内となるように制御することができる。
また、吸引ベルト21に対して搬送方向下流側には下流側搬送部材であるグリップローラ対18が配置されており、吸引ベルト21によって搬送されて2つのローラの間に到達したシートをさらに下流側に向けて搬送する。このグリップローラ対18の搬送方向下流には、シートを検知するシート検知センサたる給送センサ17が配置されている。給送センサ17は、シートの先端が到達することでOFFからONに切り替わり、後端通過によりONからOFFになるものである。給送開始から設定到達時間までにこの給送センサ17によりシート先端が検知されない場合には不給送と判断する。
また、張架ローラ22aの回転数を検知する回転数検知装置2が設けられている。回転数検知装置は、張架ローラ22aの回転軸に取り付けられたエンコーダ板2aと光学センサ2bとで構成されている。張架ローラ22aの回転数を検知することで、吸引ベルトの搬送速度や加速度などを検知することができる。また、本実施形態では、浮上ファン、分離ファン、サイド浮上ファン、上方吸引ファンなどの各ファンにも回転数検知装置2が設けられ、各ファンの回転数を検知する。また、シート積載台11を昇降させる昇降駆動部にも回転数検知装置2が設けられており、回転数検知装置2で昇降駆動部のギヤなどの駆動伝達部材の回転数を検知する。
また、給送ユニット20の搬送方向上流にはシートの浮上を検知する浮上検知センサ16が設けられている。また、シート積載台11に積載されたシートの有無を検知するペーパーエンドセンサ70も有しており、ペーパーエンドセンサ70がシート無しを検知したら、ユーザーにシート積載台へのシート補給する旨の表示を画像形成装置の表示部に表示するなどする。
図6は、画像形成装置100およびシート給送装置200の要部構成を示すブロック図である。
シート給送装置200で行なわれる給送は画像形成装置100が備える上位制御部67にて、ユーザーが操作部124で設定したシート積載台11に載置したシートのシートサイズなどシート情報や、ユーザー設定情報などがシート給送装置200の制御手段としての給送装置制御部66に送られる。給送装置制御部66は、受信したシート情報や、ユーザー設定情報などに基づいて、吸引ベルト21を駆動するベルトモータ61、浮上ファン62、分離ファン63、上方吸引ファン64、下方吸引ファン69およびシート積載台11を昇降する昇降駆動部65等に動作指示を出し制御する。
昇降駆動部65は、給送装置制御部66からの動作開始指示によって、シート積載台11の上昇を開始する。昇降センサ41がシート積載台11のシート束の最上位シートを検出すると、昇降センサ41は、給送装置制御部66に検出信号を送信する。給送装置制御部66は、昇降センサ41から検出信号を受信したら、設定高さとなる所定のタイミングで昇降駆動部65へ停止指示を行い、昇降駆動部65は、シート積載台11の上昇を停止する。これにより、シート積載台上に載置されたシート束の最上位シートの上面と吸引ベルト21の下面との距離が一定となる。
次に、給送装置制御部66は、各ファンや、ベルトモータ61などの駆動を開始し、給送動作を開始するともに、タイマをスタートさせ、時間計測を開始する。そして、設定された設定到達時間までに給送センサ17がシートを検知しない場合、給送装置制御部66は、「不給送」と判断し、ジャム処理や後述するリトライ搬送たるリトライ給送を行なう。すなわち、本実施形態では、給送センサ17と給送装置制御部66とで搬送不良を検知する搬送不良検知手段を構成している。
規定時間内に給送センサ17がシートを検知したときは、給送センサ17がシートを検知した検知情報を、画像形成装置100の上位制御部67へ送信する。上位制御部67は、受信した給送センサ17の検知情報に基づいて、画像形成動作を開始する。規定時間外となっても不給送判断時の動作開始までに給送センサに到達することがある。このときは不給送の判断は変更せず、遅延した分の検知時間情報を参照情報として記憶する。
また、給送装置制御部66は、シートの先端が給送開始から設定到達時間までにこの給送センサ17によりシート先端が検知されないときは、不給送と判断し、各ファンの回転およびベルトモータ61の駆動を停止し、シートの給送動作を停止する。リトライ給送が設定されているときは、後述するようにファンの回転数(出力)や吸引ベルト21の速度などを変更してリトライ給送を行なう。ファンに印加する駆動電圧を調整してファンの回転数(出力)を調整してもよいし、PWM制御でDuty比を調整してファンの回転数(出力)を調整してもよい。また、ベルトモータ61に印加する駆動電圧を調整して吸引ベルト21の速度を調整してもよいし、ベルトモータ61をPWM制御しDuty比を調整して吸引ベルト21の速度を調整してもよい。
シート給送装置内でのジャムを検知したときは、ジャム検知情報を上位制御部67へ送信する。上位制御部67は、ジャム検知情報を受信したら、画像形成動作を停止したり、操作部124の表示部122にジャムの発生位置などのジャム情報を表示したりする。また、画像形成装置100内で用紙ジャムが発生したときは、上位制御部67は、給送装置制御部66にジャム情報を送信し、給送装置制御部66は受信したジャム情報に基づいて、シートの給送動作を停止するなどの所定の制御を実行する。
給送装置制御部66には、シート搬送情報たる給送情報を蓄積する記憶手段としての給送情報蓄積用記憶装置68が設けられている。シートの給送が行なわれる度にそのときの給送情報が給送情報蓄積用記憶装置68に記憶されていき、給送情報が蓄積されていく。給送情報蓄積用記憶装置68に蓄積される給送情報には、給送状況に関する情報、給送設定情報、給送条件などを含んでいる。
給送状況に関する情報としては、給送成功/失敗(不給送)の情報、吸引ベルト21の実測加速度や実測速度、各ファン(浮上ファン62、分離ファン63、サイド浮上ファン71、上方吸引ファン64など)の実測回転数、給送開始からシートが給送センサ17に到達するまでの実測到達時間、シート積載台11の実測高さ、使用回数(給送回数)、浮上検知センサ16の浮上検知結果などである。上記吸引ベルト21の実測加速度や実測速度は、張架ローラ22aの回転数を検知する回転数検知装置2の検知結果から求めることができる。また、各ファンの実測回転数は、各ファンに設けられた回転数検知装置2により検出することができる。シート積載台11の高さは、シート積載台11が最低位置に位置するときの高さ基準(高さ0)とした高さであり、シート積載台11の実測高さは、昇降駆動部65に設けた回転数検知装置2の検知結果から求めることができる。
給送設定情報としては、ベルトモータ61の駆動電圧、各ファンへの駆動電圧、設定到達時間、シート積載台の設定高さなどである。また、吸引ベルト21の設定加速度、設定速度、各ファンの設定回転数なども給送設定情報として、給送情報に含んでもよい。
また、給送条件には、シート情報や、ユーザーの設定情報などであり、シート情報としては、シートサイズ、厚み、種類(光沢紙、普通紙、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム、多層構造紙、メタリック紙、加工シート類等)などである。また、ユーザー設定情報とは、例えば、高速モードや低速モードなど、ユーザーが操作部124を操作して設定した情報である。
また、給送情報には、給送成功の情報を含む成功の給送情報と、給送失敗(不給送)の情報を含む失敗の給送情報とに分かれており、失敗の給送情報には、上記以外に、後述するリトライ給送時の設定変更情報などを含んでいる。
本実施形態では、ユーザーが操作部124を操作することで、シートが設定到達時間までに給送センサ17に到達せずに「不給送」となったとき、複数回、再給送を行なうリトライ給送を行なう設定にすることができる。リトライ給送を行なう設定をすることで、ジャム発生率を低減することができ、ユーザーのジャム処理の手間を低減することができる。
図7は、従来のリトライ給送の一例を示す制御フロー図である。
図7に示すように、従来において、不給送が発生し(S101)、再給送設定がされている場合(S102のYES)、不給送となったリトライ前の給送と同じ設定で再給送を行う(S103)。不給送が発生しなかったら(S104のNO)、通常搬送に戻す(S106)。
規定回数リトライ給送を行なっても不給送が解消できないとき(S105のYES)や、再給送設定がされていないとき(S102のNO)は、ジャム処理を行なう(S107)。
しかし、従来では、例えば、浮上ファン62の劣化により駆動電圧と回転数との関係が変化して設定駆動電圧では、目標の回転数が得られず浮上不足が発生して不給送となっていた場合、浮上不足が解消されることがなく規定回数リトライ給送しても給送できない可能性が高い。その結果、ジャムとなってしまう可能性が高く、ジャム発生率を十分に低減できなかった。
図8は、本実施形態のリトライ給送の簡単な流れを示す制御フロー図である。
図8に示すように、本実施形態では、不給送が発生し(S1)、再給送設定がされている場合(S2のYES)、給送の設定を変更して(S3)リトライ給送を行なう(S4)。不給送が発生しなかったら(S5のNO)、通常搬送に戻す(S7)。一方、規定回数リトライ給送を行なっても不給送が解消できないとき(S6のYES)や、再給送設定がされていないとき(S2のNO)は、ジャム処理を行なう(S8)。
このように、本実施形態では、従来と異なり、給送の設定を変更してリトライ給送を行なう。この給送の設定変更について、後述するように、蓄積した給送情報などに基づいて、リトライ時の給送設定を変更する。このように、リトライ給送が繰り返された場合に続くリトライ時の給送の条件が能動的に変化することで、リトライ時の給送を確実なものとし、ジャムの発生率の低減を図るようにした。
下記表1は、不給送の原因と、その原因が発生する構造的要因とを示す表である。
Figure 2020007153
表1に示すように、不給送の原因には、シート特性を原因とするもの、浮上不足を原因とするもの、吸引ベルト21のシート搬送(搬送系)を原因とするものに大別される。
シート特性の原因には、厚紙などの重いシートなど吸引ベルト21に吸着しにくい特性をもつシートや、シート同士の密着力が強く、浮上しにくい特性をもつシートなどの場合であり、吸引ベルト21に最上位シートが吸着しづらく不給送となる。
従って、シート特性が原因のときは、リトライ給送の際に、浮上ファン62やサイド浮上ファン71の出力(駆動電圧やDuty比)を増加させ、シートを浮き上がらせる力を高めたり、上方吸引ファン64の出力(駆動電圧やDuty比)を増加させ、シートに対する吸引力を高めたりする。また、シート積載台11の設定高さを高め、シート積載台11を上昇させ、最上位シートを吸引ベルト21に届きやすくする。
浮上不足は、表1に示すように、劣化によるファン(浮上ファン62、サイド浮上ファン71、分離ファン63)の回転数の低下や、ノズルに異物が詰まるなどによってフロント送風装置26やサイド送風装置27のシートに吹き付ける風量の低下が要因として挙げられる。また、昇降駆動部65の劣化などにより、シート積載台11が設定の高さまで上昇していないなどのシート積載台11の昇降不具合も要因として挙げられる。また、劣化による上方吸引ファン64の回転数低下や上方吸引装置23の吸引孔に異物が詰まるなどによる吸引不足も要因として挙げられる。
従って、浮上不足が原因のときは、リトライ給送の際に浮上ファン62やサイド浮上ファン71の出力(駆動電圧やDuty比)を増加させ、シートを浮き上がらせる力を高めたり、上方吸引ファン64の出力を増加させ、シートに対する吸引力を高めたりする。また、シート積載台11を上昇させ、最上位シートを吸引ベルト21に届きやすくする。また、分離ファン63の出力を増加させ、最上位シートを吸引ベルト21に押し付ける力を強くして、最上位シートを吸引ベルト21に吸着させやすくする。
シート搬送系を原因とする不給送の要因としては、吸引ベルト21の摩耗が挙げられる。吸引ベルト21が摩耗することで、シートとの摩擦力が低下し、シートが吸引ベルト21に吸着後、吸引ベルト21の駆動を開始したときに吸引ベルト21がシートに対して滑り、設定到達時間内にシートが給送センサ17に到達せずに不給送となる。また、ベルトモータ61の劣化によるベルト速度や加速度の低下も要因として挙げられる。ベルトモータ61の劣化によるベルト速度や加速度が低下することで、設定到達時間内にシートが給送センサ17に到達せずに不給送となる。また、設定到達時間が短いことも、シート搬送系を原因とする不給送の要因として挙げられる。
従って、シート搬送系が原因のときは、リトライ給送の際にベルトモータの出力(駆動電圧やDuty比)を変更して、吸引ベルトの加速度や速度を変更したり、設定到達時間を延ばしたりする。
図9は、シート給送装置200の給送制御の具体的一例を示すフロー図である。
図9に示すように、まず、シートの種類、厚み、サイズなどのシート情報や、操作部124でユーザーが設定した設定情報(例えば、高速モード、低速モードなどの画像形成モード等)などの給送条件に基づいて、ベルトモータの出力(駆動電圧やDuty比)、各ファンの出力(駆動電圧やDuty比)、昇降モータの出力(駆動電圧やDuty比)、設定到達時間、シート積載台の設定高さなどを設定して給送を行なう(S11)。このとき、給送情報蓄積用記憶装置68に蓄積されている成功した給送情報に、今回の給送条件と同じ給送条件があった場合は、その給送情報の給送設定情報に基づいて、ベルトモータ61の出力、各ファンの出力、昇降駆動部65の昇降モータの出力、設定到達時間、シート積載台11の設定高さなどを設定して給送を行なう。給送情報蓄積用記憶装置68に今回の給送条件と同じ給送条件の成功した給送情報が複数ある場合は、最新(使用回数が最も多い)の給送情報の給送設定情報に基づいて、ベルトモータの出力、各ファンへの出力、昇降モータの出力、設定到達時間、シート積載台設定高さなどを設定して給送を行なう。
一方、給送情報蓄積用記憶装置68に蓄積されている成功した給送情報に、今回の給送条件と同じ給送条件がなかったときは、通常(予め決められた)給送設定で給送を行なう。
シートが設定到達時間内に給送センサ17に到達したとき(S12のNo)は、このときの給送情報を成功の給送情報として給送情報蓄積用記憶装置68に記憶する(S13)。具体的には、給送の状況に関する情報(給送成功の情報、吸引ベルト21の実測加速度や実測速度、各ファンの実測回転数、実測到達時間、シート積載台11の実測高さ、使用回数など)、給送条件(シートの情報、ユーザー設定情報など)、給送設定情報(ベルトモータの出力、各ファンの出力、昇降モータの出力、設定到達時間、設定高さなど)を関連づけて成功した給送情報として給送情報蓄積用記憶装置68に記憶する。
一方、シートが設定到達時間内に到達せずに不給送となったとき(S12のYes)は、リトライ給送が設定されているか否かをチェックする(S14)。リトライ給送の設定がなされていないとき(S14のNo)は、ジャム処理を行い、画像形成装置の操作部124にジャムが発生した旨の表示を行う(S29)。
一方、リトライ給送の設定がなされているとき(S14のYes)は、リトライ給送の際の給送設定を変更する制御を実行する。まず、蓄積された失敗した給送情報の中に、今回の給送情報と一致するものがあるか否かを探す(S15)。例えば、使用回数以外のすべての情報が一致するものを、蓄積した失敗した給送情報から探してもよいし、シート情報と給送の状況に関する情報など、給送情報に含まれる複数の情報のいくつかの情報が一致するものを蓄積した失敗した給送情報から探してもよい。このように、今回の給送情報と一致する失敗した給送情報は、今回と同じ原因で不給送が発生した可能性が高いものである。上述したように、失敗した給送情報には、リトライ給送の際の変更した給送設定情報も関連づけて記憶されている。従って、蓄積された失敗した給送情報の中に、今回の給送情報と一致するものがあった場合(S15のYes)は、今回の給送情報と一致する失敗した給送情報に関連づけて記憶されている変更した給送設定情報を読み出し、この読み出した変更した給送設定情報に変更する変更制御を行う(S16)。これにより、今回の不給送の原因に基づいた給送設定に変更することができる。このように、不給送の原因に基づいた給送設定でリトライ給送することで、リトライ給送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
蓄積された失敗した給送情報の中に、今回の給送情報と一致するものがなかったとき(S15のNo)は、不給送の原因を特定する(S17)。
例えば、シートが変更されており過去に使用実績がないシートがセットされているなど、シート特性が原因による不給送の場合は(S18のYes)、変更制御Aを実施する(S19)。
ファンの実測回転数が規定範囲にない場合は、ファンの回転出力の異常による不給送が原因と判断し(S20のYes)、シート積載台11の実測高さが規定範囲にない場合は、昇降駆動部65の異常が原因による不給送と判断する(S21のYes)。ファンの異常や昇降駆動部65の異常が原因による不給送の場合は(S20のYes、S21のYES)は、変更制御Bを実施する(S22)。
一方、ファンや昇降駆動部65に異常がない場合(S20のNo,S21のNo)は、ベルト搬送系が原因による不給送と判断できる。このベルト搬送系の原因には、吸引ベルトの劣化(摩耗)、ベルトモータなどの劣化、その他の要因とに分かれる。ベルトの劣化(摩耗)が原因の場合には、劣化が進行するにつれて、吸引ベルト21とシートとのスリップ率が増加し、使用回数が増えるにつれて、給送開始からシートの先端が給送センサ17に到達するまでの実測到達時間が長くなり、使用回数と実測到達時間とは比例関係になる。同様に、ベルトモータの劣化が原因の場合も、劣化が進行するにつれて、ベルト回転速度が低下し、使用回数が増えるにつれて、給送開始からシートの先端が給送センサ17に到達するまでの実測到達時間が長くなり、使用回数と実測到達時間とは比例関係になる。
具体的には、蓄積された給送情報から使用回数と実測到達時間の関係を求め、今回の実測測定時間が、この求めた関係に相関があるか否かをチェックする。ここで、相関があるとは、例えば、横軸を使用回数、縦軸をファンの実測回転数として、蓄積された給送情報から得られた関係線上(一次関数であれば、直線上)に、今回の不給送時の実測回転数が誤差の範囲で位置しているときは、相関があると判断する。
なお、設定到達時間内にシートの先端が給送センサ17を通過しておらず「不給送」と判定されても、実測到達時間を測定できるのは、以下の理由である。すなわち、「不給送」と判定して、給送の停止が開始されるまでには所定のタイムラグがある。この間でシートの先端が給送センサ17を通過すれば、実測到達時間を計測することができ、「不給送」の場合でも実測到達時間を計測することができるのである。特に、ベルト摩耗が原因であれば、実測到達時間が徐々に遅れるため、「不給送」と判定されて、給送の停止が開始されるまでの所定のタイムラグの間に、シートの先端が給送センサ17を到達する可能性が高い。
従って、今回の実測到達時間が、使用回数と実測到達時間との関係に相関があり、今回の実測到達時間に、使用回数が増えるにつれて長くなるような推移が確認できないとき(S23のNo)は、劣化以外が原因による不給送と判断し、変更制御Dを実施する(S25)。
一方、実測到達時間に推移が確認できるとき(S23のYes)は、ベルトの劣化(摩耗)か否かを判断する(S24)。吸引ベルト21の実測加速度や実測速度が規定範囲にある場合は、ベルトの劣化と判断し(S24のYes)、変更制御Cを実施する(S26)。一方、吸引ベルト21の実測加速度や実測速度が規定範囲にない場合は、ベルトの劣化ではない判断し(S24のNo)、変更制御Dを実施する(S25)。
上述では、シート特性、ファンの異常、昇降駆動部65の異常、ベルト搬送系の異常の順に原因の特定を行なっているが、原因特定の順序はこれに限られるものではなく、これらの原因特定を並行して行なってもよい。このように、並行して原因特定を行なって、原因として、例えば、浮上不足とシート特性の両方が疑われる場合は、変更制御Aと変更制御Bを統合した変更制御ABとして行ってもよい、この変更制御ABは、例えば、変更制御Aにおける1回目の変更項目と、変更制御Bにおける1回目の変更項目とを同時に行なう。また、蓄積された給送情報から、発生している不給送の原因を特定し、発生頻度の高い順に原因特定を行なってもよい。
下記表2は、不給送の原因に対応する複数の変更制御A〜Dと、各変更制御で設定変更する項目をまとめたものである。
Figure 2020007153
表2に示すように、不給送の原因がシート特性の場合、厚紙などの重いシートなど吸引ベルト21に吸着しにくい特性をもつシートや、シート同士の密着力が強く、浮上しにくい特性をもつシートなどの場合である。従って、シートの特性が原因のときに実行する変更制御Aにおける設定変更は、浮上ファン62やサイド浮上ファン71の出力(駆動電圧やDuty比)増加、上方吸引ファン64の出力(駆動電圧やDuty比)増加、シート積載台11の上昇である。浮上ファン62やサイド浮上ファン71の出力を増加させることで、シートを浮き上がらせる力を高めることができ、浮上し難い特性のシートを良好に浮上させ、不給送の解消を図ることができる。また、上方吸引ファン64の出力を増加させることで、吸着し難い特性のシートを、吸引ベルト21に吸着させることができ、不給送の解消を図ることができる。また、シート積載台11の設定高さを高くすることで、最上位シートを吸引ベルト21に届きやすくすることができ、不給送の解消を図ることができる。
また、分離ファン63の出力を増加させてもよい。分離ファン63の出力を増加させることで、最上位シートを吸引ベルト側へ浮上させる力が増すため、浮上しにくいシートを吸引ベルト21まで浮き上がらせることができる。
ファンの異常や昇降駆動部65の異常が原因のときに実行する変更制御Bの設定変更は、変更制御Aと同様である。すなわち、浮上ファン62やサイド浮上ファン71の出力を増加させ、シートを浮き上がらせる力を高めたり、上方吸引ファン64の出力を増加させ、シートに対する吸引力を高めたりする。また、シート積載台11の設定高さを高くし、最上位シートを吸引ベルト21に届きやすくする。
また、分離ファン63の出力を増加させてもよい。分離ファン63の出力を増加させることで、最上位シートを吸引ベルト側へ浮上させる力が増すため、浮上不足の解消を図ることができる。
ベルト劣化(摩耗)が原因のときに実行する変更制御Cの設定変更としては、設定到達時間の延長と、ベルト加速度の低下と、ベルト速度の増加である。上述したように、吸引ベルト21の摩耗が進行するにつれて、吸引ベルト21とシートとのスリップ率が増加することで、到達時間に遅れが生じることで不給送となる。従って、設定到達時間を延長させることで、吸引ベルト21の摩耗でシートが吸引ベルト21に対して滑っても、設定到達時間内にシートの先端を給送センサ17に到達することが可能となり、不給送を解消することができる。また、ベルト加速度を低下させることで、シートと吸引ベルト21との間のスリップを抑制することができ、シートの搬送性を改善することができ、設定到達時間内にシートの先端を給送センサ17に到達させることができる。また、吸引ベルト21の速度を増加させることで、吸引ベルト21の摩耗でシートが吸引ベルト21に対して滑っても、設定到達時間内にシートの先端を給送センサ17に到達することが可能となり、不給送を解消することができる。
また、ベルト劣化以外のシート搬送系が原因のときに実行する変更制御Dの設定変更としては、設定到達時間の延長と、ベルト加速度の増減と、ベルト速度の増減である。吸引ベルト21のシート搬送に係わる項目について、すべて行なうことで、シート搬送系が原因のときに不給送の解消を図ることができる。
下記表3〜表6は、変更制御A〜Dにおけるリトライ回数と変更項目の一例を示す表である。
Figure 2020007153
Figure 2020007153
Figure 2020007153
Figure 2020007153
表3〜表6に示すように、初めの複数回のリトライ給送においては、複数の変更項目のうちのひとつを設定変更して、リトライ給送を行なう。例えば、変更制御Aや変更制御Bにおいては、1回目のリトライ給送の際において、浮上系、昇降系、吸引系の変更項目のうち、浮上系の変更項目を変更(浮上ファン62およびサイド浮上ファン71の出力増加)する。2回目のリトライ給送のときは、浮上系以外の問題であると考えられるので、浮上ファン62とサイド浮上ファン71の出力は元に戻して、上方吸引ファン64の出力を増加させる吸引系の変更を行ない二回目のリトライ給送を行なうのである。
上記表3〜表6は、一例であり、調整が細かく変更できる各ファンの出力やシート積載台11の設定高さ、吸引ベルトの速度、吸引ベルト加速度、給送センサ17への設定到達時間に関しては、1度目の設定変更では10%の変更、複数回リトライ給送後の設定変更では20%の変更、さらに複数回リトライ給送後の設定変更では50%の変更とするなど、リトライ回数に応じて増加幅を増やしてもよい。
複数の変更項目のうちのひとつを設定変更して、リトライ給送を行なっても不給送が解消されないとき(S27、S28のYes、S29のNo)は、複数の変更項目のうちの2つ以上を設定変更してリトライ給送を行なう。例えば、変更制御Aや変更制御Bにおいては、浮上系、昇降系、吸引系の変更項目のうちの2つである。複数の変更項目のうちの2つを設定変更のパターンをすべて実行(変更制御AやBにおいては、浮上系と昇降系、浮上系と吸引系、昇降系と吸引系の3パターン)しても、不給送が解消されないときは、変更項目を増やして、リトライ給送を行なう。そして、最後に、すべて変更項目を変更してリトライ給送(n回目のリトライ給送)を行なう。これでも、不給送が解消されないとき(S29のNo)は、ジャム処理を行なうともに、画像形成装置の操作部に所定の表示を行ない(S31)、給送失敗の参照情報として給送情報を記憶する(S30)。
表3に示すように、変更制御Aにおいて、不給送が解消しないときは、偶然の異物混入やシートセットの不適切に原因があると判断し、ジャム処理時に操作部124に偶然の異物混入やシートセットの確認をユーザーに促す表示を行なう。
また、表4に示すように、変更制御Bにおいて、不給送が解消しないときは、フロント送風装置26、サイド送風装置27、上方吸引装置23などの故障が考えられるので、ジャム処理時に操作部124に給送装置200の修理を促す表示を行なう。
また、表5に示すように、変更制御Cにおいて、不給送が解消しないときは、吸引ベルト21の寿命が考えられるので、ジャム処理時に操作部124に吸引ベルト21の交換を促す表示を行なう。
また、表6に示すように、変更制御Dにおいて、不給送が解消しないときは、給送ユニット20の故障が考えられるので、ジャム処理時に操作部124に給送ユニット20の修理を促す表示を行なう。また、浮上検知センサ16が、吸引ベルト21の上流側にあるため、最上位シートが浮上して吸引ベルト21に吸着していることを正しく検知できないおそれもある(実際は、吸引ベルト21にシートが吸着していないのに、浮上検知センサ16が最上位シートが吸着したという誤判定)。よって、変更制御Dを一通り実行して不給送が解消されないときは、変更制御Bを実行して、浮上不足の原因に対応する設定変更を実行するようにしてもよい。
また、例えば、ファンの異常や昇降駆動部65の異常は解消したが、依然として不給送が発生したときは、浮上不足が解消した設定を維持した状態で、表5や表6に示す変更制御Cまたは変更制御Dの一回目の項目を変更してリトライ給送を行なう。
また、本実施形態では、変更制御Aと変更制御Bとは、ジャム処理時以外は、同一の制御であるが、例えば、変更制御Bにおいて、一回目のリトライ給送時の変更する項目を吸引系としたり、変更制御Aでは昇降系の項目の設定変更を行なわないようにしたりして、変更制御Aと変更制御Bとを互いに異ならせてもよい。また、変更制御Aと変更制御Bにおいて、設定変更項目として、分離ファン63の出力アップを加えてもよい。
一方、リトライ給送で正常に給送された場合(S28のNo)は、その設定変更情報と、失敗した給送情報に関連づけて記憶するとともに、リトライ給送の際の給送情報を、成功の給送情報として給送情報蓄積用記憶装置68に記憶する(S30)。
設定変更情報を、失敗の給送情報に関連づけて記憶することで、今後、同様な不給送が発生したとき、この失敗の給送情報の設定変更情報を読み出して、設定変更することで、不給送を解消することができる。
例えば、上方吸引ファン64の回転数不足により、吸引不良による浮上不足が発生し不給送となったする。このときは、リトライ給送時に変更制御Bが実行される。そして、上方吸引ファン64の出力を増加させて、上方吸引ファン64の回転数が上がることで、2回目のリトライ給送で不給送が解消される。このとき、失敗の給送情報には、上方吸引ファン64の不足した実測回転数と、設定変更情報として上方吸引ファン64の出力増加の情報が含まれる。そして、再度、上方吸引ファン64の回転数不足で不給送が発生したときは、図9のステップ15において、蓄積された給送情報の中に、上方吸引ファン64の回転数不足で不給送となった給送情報が読み出され、そのときの設定変更(上方吸引ファン64の出力増加)が適用される。これにより、すばやく、最適な給紙設定に変更することができる。
また、このリトライ給送の際の給送情報を、成功の給送情報として給送情報蓄積用記憶装置68に記憶することで、次の給送の際は、この給送情報に基づいて給送設定がなされる。これにより、ステップ17で特定した原因の不給送の発生を抑制することができる。なお、このリトライ給送の際の成功の給送情報には、リトライ回数も給送情報として記憶される。
これは、上述したようにシートの先端が設定到達時間内に給送センサ17に到達せずに不給送と判定された後に、シートの先端が給送センサ17に到達したり、ある程度、シートが吸引ベルト21により搬送されていたりすることがある。
給送を停止した際に、各ファンの回転も停止するので、シートの吸引ベルト21に吸着している箇所は、自重でシート束へ落下する。この際、シートの先端側が、シート搬送方向とは逆方向へ移動し、最上位シートが元の位置に戻る場合もあるが、完全に元の位置に戻らないこともある。このように、最上位シートが、元の位置に戻らない状態で、リトライ給送された場合は、最適な給送設定でないにも係わらず給送が成功(設定到達時間内にシートの先端が給送センサ17に到達)してしまう。よって、次回の給送時に、リトライ給送成功時の給送情報に基づく給送設定で給送を行なった場合、前回と同じ原因で不給送が生じることになる。そして、連続2回目の不給送のおけるリトライ給送の際に、変更制御A〜Dにおいて、再び1回目の変更項目が変更されると、再び不適切な設定項目が変更されることになり、不給送が解消されないおそれがある。
よって、本実施形態では、リトライ給送の際の成功の給送情報にリトライ回数も給送情報として記憶しておくことで、リトライ給送が成功した次の給送(前回の不給送が発生したときと同じ給送条件の給送)で不給送が発生したときは、前回のリトライ給送時に変更した設定が最適でないと判断できる。これにより、給送設定時に参照した給送情報のリトライ回数の次の変更項目(例えば、前回、1回のリトライ給送で給送を成功したときは、2回目の変更項目)の設定を変更することができ、最適な設定に変更することができる。
また、実測値(吸引ベルト21の実測加速度や実測速度、各ファンの実測回転数、実測到達時間、シート積載台11の実測高さ)が規定範囲にないもの(各ファン、昇降駆動部65、ベルトモータ)について、規定範囲に入るように出力を調整して一回目リトライ給送を行なってもよい。例えば、浮上ファン、上方吸引ファン64、吸引ベルト21の実測速度が規定範囲にないことが確認された場合は、浮上ファン、上方吸引ファン64およびベルトモータの出力を調整して一回目のリトライ給送を行なう。このように、規定範囲に入るように出力を調整して一回目リトライ給送を行なっても不給送が発生した場合は、浮上検知センサ16が、規定の時間までに最上位シートの吸着を検知していないときは、変更制御Bを実施し、浮上検知センサ16が、規定の時間までに最上位シートに吸着していることを検知しているときは、実測到達時間の推移を見て、推移がある場合は、変更制御C,推移がない場合は、変更制御Dを実施する。
不給送の原因は、主に、突発的なもの、各構造(ベルトの摩耗、ファン、ベルトモータ、昇降モータなど)の劣化によるものに分かれてしまうが、各構造の劣化は、蓄積された給送情報(給送の状況に関する情報)に基づいて推移を確認することで把握が可能である。劣化が進行していくにつれて、徐々に実測到達時間が長くなるため、給送条件が変更されずに給送がある程度の期間行なわれた場合、蓄積された給送情報から求めた使用回数と実測到達時間との関係が、例えば、比例の関係となる。従って、蓄積された給送情報から求めた使用回数と実測到達時間との関係(実測到達時間の推移)と、今回の不給送時の実測到達時間とに相関があれば、上記構造の劣化が原因であることを推定できる。
ベルトモータやファンの劣化が進行するにつれて回転数が低下するため、給送条件が変更されずに給送がある程度の期間行なわれた場合、蓄積された給送情報の使用回数とファン実測回転数や、使用回数とベルト速度との関係が例えば、反比例の関係となる。また、昇降モータの劣化が進行するにつれて回転数が低下するため、シート積載台の実測高さが徐々に低くなり、使用回数とシート積載台の実測高さとの関係が例えば、反比例の関係となる。
よって、図9のステップ23で、実測到達時間に推移があると判断されたときは、今回の不給送のファンの実測回転数と、蓄積された給送情報から求めた使用回数とファン実測回転数の関係(例えば、反比例の関係)とに相関があるか否かを調べ、相関があるときは、不給送の原因をファン(浮上ファン、サイド浮上ファン、分離ファンおよび上方吸引ファン)の劣化による回転数の減少(出力値に対する回転数の低下)が原因と判断してもよい。
このように、ファンの劣化による回転数の減少が不給送の原因であると判断される場合、劣化により回転数が減少しているファンの出力値(駆動電圧やDuty比)を上げて、最初のリトライ給送を行なってもよい。また、一回目のリトライ給送は、10%の出力増加、二回目リトライ給送は、不給送時に比べて20%の出力増加というふうに、リトライ給送を行なう度に、出力値を上げる変更制御を行なってもよい。
ベルトモータ61についても、図9のステップ23で、実測到達時間に推移があると判断されたときは、今回の不給送の実測ベルト速度と、蓄積された給送情報の使用回数と実測ベルト速度とから得られた所定関係とに相関があるか否かを調べ、相関があるときは、不給送の原因をベルトモータの劣化による回転数低下が原因と判断してもよい。
よって、ベルトモータの劣化による回転数低下が不給送の原因であると判断される場合、まず、ベルトモータの出力値(駆動電圧やDuty比)を上げて、最初のリトライ給送を行なってもよい。この場合も、一回目のリトライ給送は、10%の出力増加、二回目リトライ給送は、不給送時に比べて20%の出力増加というふうに、リトライ給送を行なう度に、出力値を上げる変更制御を行なってもよい。
また、本実施形態では、昇降センサ41よって最上位シートの上面の高さを検出し、この昇降センサ41の検出信号を検知してから所定時間、昇降駆動部65の昇降モータを駆動させて停止することで、シート積載台の高さを設定高さにさせている。よって、昇降モータの劣化で回転数が低下することで、シート積載台実測高さが徐々に低くなり、これが要因で実測到達時間が徐々に延びる。
従って、図9のステップ23で、実測到達時間に推移があると判断されたときは、今回不給送となったときのシート積載台実測高さと蓄積された給送情報から求めたシート積載台実測高さと使用回数との所定関係とに相関があるか否かを調べる。そして、相関があるときは、不給送の原因を昇降モータの劣化によるシート積載台11の上昇不足が原因と判断してもよい。
昇降モータの劣化によるシート積載台11の上昇不足が不給送の原因であると判断される場合、まず、昇降モータ出力値(駆動電圧やDuty比)を上げて、最初のリトライ給送を行なってもよい。この場合も、一回目のリトライ給送は、10%の出力増加、二回目リトライ給送は、不給送時に比べて20%の出力増加というふうに、リトライ給送を行なう度に、出力値を上げる変更制御を行なってもよい。
なお、この場合のベルト摩耗の原因特定は、今回の不給送の実測到達時間が、蓄積された給送情報から求めた使用回数と実測到達時間との関係に相関はあるが、今回の不給送のベルトの実測速度や各ファンの実測回転数、シート積載台実測高さがほぼ目標値であったり、今回の不給送時のファン回転数やベルト速度等の実測値が、蓄積された給送情報から得られた上記所定関係と相関が認められない(ベルトモータや昇降モータの劣化やファンの劣化ではない)場合は、ベルトの摩耗が原因と特定する。
このように、蓄積された給送情報から不給送の細かな原因特定を行なうことができ、その原因に対応した最適な設定変更を行なって、リトライ給送を行なうことが可能となる。よって、リトライ給送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
また、劣化と判断されたものの出力を増加させているが、劣化と判断されたもの以外の設定項目を変更してもよい。例えば、上方吸引ファン64の劣化による回転不足が要因による給送不良において、駆動電圧やDuty比を上げても、十分に上方吸引ファン64の回転数が上がらない場合や、上方吸引ファン64の駆動電圧が定格電圧に達していたり、Duty比が100%になっていたりしたときは、浮上ファン62、サイド浮上ファン71、分離ファン63のうちの少なくともひとつの出力を増加させたり、シート積載台11の設定高さを高くしたりして、上方吸引ファン64の回転不足による不給紙を解消してもよい。このように、浮上に関する駆動系(上方吸引ファン46、浮上ファン62、サイド浮上ファン71、分離ファン63および昇降モータ)の劣化による不給紙は、他の駆動系の出力アップなどで対応してもよい。
また、各部品の劣化の原因の特定と並行して、シート特性に原因があるか否かの判断を行い、シート特性にも原因がある場合は、変更制御Aと劣化した部品の出力増加とを統合してリトライ給送を行なってもよい。
また、給送の終了時に、蓄積された給送情報から求めた使用回数と実測到達時間との関係(実測到達時間の推移)と、今回の給送時に給送情報として取得した実測到達時間との相関を確認し、相関が認められた場合は、今回の給送時に給送情報として取得した各ファンの実測回転数やベルトの実測速度など確認し、減少しているものがあれば、減少しているものの出力値を上げる制御を行ってもよい。
また、蓄積された給送情報から各ファンの回転数やベルト速度の許容範囲の下限値を求め、その下限値以下となったら、各ファンの出力値や、ベルトモータの出力値を増加させて次回の給送を行なうようにしてもよい。装置の使用環境や装置の使用条件により最適な上記下限値が装置毎に異なる場合があり、予めメーカの試験環境に設置された装置から求めた下限値が、最適な下限値とはならない場合がある。これに対し、蓄積された給送情報から各ファンの回転数やベルト速度の許容範囲の下限値を求めることで、装置毎の最適な下限値で制御することが可能となる。
下限値の求め方としては、例えば、ファンの回転数の許容範囲の下限値を求める場合は、不給送の原因がファンの回転数不足であると判断できる給送情報を特定する。一例としては、不給送時の実測回転数と成功したリトライ給送時のファンの実測回転数とを比較し、ファンの回転数が増えているときは、不給送の原因がファンの回転数不足であると判断できる。また、上記ファンの劣化が原因による回転数不足が不給送の原因と判断された給送情報も、不給送の原因がファンの回転数不足であると判断しできる。このように、ファンの回転数不足と判断された複数の給送情報から、不給送時の実測回転数と、成功したリトライ給送時のファンの実測回転数とから、許容範囲の下限値を求めることができる。ベルト速度についても、同様にして、許容範囲の下限値を求めることができる。
また、例えば、購入して1週間で初ジャムの場合など、装置の使用初期で給送情報蓄積用記憶装置68に給送情報が十分に蓄積されておらず、不給送の原因を特定することができない場合(特に、ベルトの劣化(摩耗)判断や、上述した各部品の劣化判断)は、不給送が発生した際の給送条件でリトライ給送を実施してもよいし、最も給紙効率が高い条件でリトライ給送を実施してもよい。また、リトライ給送を行なわずに、ジャムとして処理してもよい。なお、最も給紙効率が高い条件でリトライ給送を実施する場合は、給送するシートの特性や環境も含めるならば、最も給紙効率が高い条件を規定しにくい。従って、最も給紙効率が高い条件でリトライ給送を実施する場合については、表3〜表6に示すn回目の変更項目またはn−1回目の変更項目をすべてあわせたものにする。例えば、表3〜表6のn回目の変更項目をすべてあわせたものにする場合は、浮上ファン、サイド浮上ファンの出力アップ、昇降追加制御、情報吸引ファン出力アップ、吸引ベルトの加速度低下、吸引ベルトの速度増加、到達時間延長を行って、リトライ給送を実施する。給送枚数が規定値を越え、給送情報蓄積用記憶装置68に給送情報が十分に蓄積されたら、図9に示したリトライ給送制御に切り替える。
また、シートの特性は、セットされたシートの種類情報に基づいて原因の特定が可能であり、ファンの異常や昇降駆動部65の異常は、給送の状況に関する情報(ファンの実測回転数、シート積載台11の実測高さ)で原因の特定が可能であるため、これらの原因特定は、装置の使用初期から行ない、変更制御Aや変更制御Bを行ってもよい。
次に、給送装置の第二実施形態について説明する。
図10は、第二実施形態の給送装置200Aの要部拡大構成図である。
図10に示すように、第二実施形態の給送装置は、戻し分離方式(FRR方式)の給送装置であり、FRR機構150、グリップローラ対155および給送センサ153を備えている。
FRR機構150は、シート積載台154に載置されたシート束Pの最上位シートP1と接触するピックアップローラ151とピックアップローラ151によって搬送されてきたシートP1を一枚に分離して搬送するフィードローラ156とリバースローラ152とを備えている。
フィードローラ156の回転軸には、アーム157が回動自在に取り付けられている。アーム157には、ピックアップローラ151が回転自在に取り付けられている。このアーム157は、プリングなどの弾性部材によりピックアップローラ151がシート束から離間する方向に付勢されている。ソレノイドなどの駆動手段のON/OFFによりピックアップローラ151は、図中矢印X1に示すようにシート束から離間する位置と、シート束の最上位シートP1に当接する位置との間を移動する。具体的には、駆動手段がONとなることで、アーム157を弾性部材の付勢方向とは逆方向に押し込むことで、フィードローラ156の回転軸を回転中心として図中反時計回りに回動することで、ピックアップローラ151がシート束の最上位シートP1に当接する。駆動手段をONからOFFに切り替えると、弾性部材の付勢力によりフィードローラ156の回転軸を回転中心として図中時計回りに回動し、ピックアップローラ151がシート束の最上位シートから離間する位置へ移動する。
リバースローラ152は、トルクリミッタを介して正逆回転可能に支持軸に設けられている。リバースローラ152はモータによりトルクリミッタを介して駆動力が伝達され、図中矢印X4方向に回転するようになっている。
給送センサ153は、フィードローラ156とグリップローラ対155との間に配置されている。
シート束の最上位シートを搬送するときは、ピックアップローラ151がシート束の最上位シートP1に当接させ、ピックアップローラ151を図中矢印X2方向に回動させ、フィードローラ156を図中矢印X3方向に回動させる。ピックアップローラ151を図中矢印X2方向に回動させることで、シート束の上位のシートが摩擦力によってフィードローラ156とリバースローラ152とのニップへ搬送される。
最上位シートP1のみがフィードローラ156とリバースローラ152とのニップに入り込んだ場合には、リバースローラ152に伝わるトルクが大きく、トルクリミッタの作用により、リバースローラ152への駆動力の伝達が解除され、リバースローラ152がフィードローラ156に従動して回転し、フィードローラ156とともに最上位シートP1を送り出す。
一方、複数枚のシートがフィードローラ156とリバースローラ152とのニップに入り込んだ場合には、リバースローラ152にかかるトルクが弱くなり、トルクリミッタを介してリバースローラ152に駆動力が伝達され、リバースローラ152が図中矢印X4方向に回動する。これにより、リバースローラ152に接する下側の2枚目以降のシートP2〜Pnをシート積載台154の方向に戻す。このため、重送されたシートP2〜Pnが分離され、最上位シートP1のみが送り出され、給送される。
この第二実施形態においても、給送を開始してから設定到達時間までにシートの先端が給送センサ153を通過しなかったときは、不給送と判断し、給送を停止する。そして、リトライ給送を行なうことが設定されている場合は、設定を変更してリトライ給送を行ない、リトライ給送を行なうことが設定されていないときは、ジャム処理を行なう。
この第二実施形態においても、フィードローラ156やピックアップローラ151には回転数を検知するエンコーダと光学センサとを有する回転数検知装置が設けられており、フィードローラ156やピックアップローラ151の加速度や速度を実測している。また、この第二実施形態においても、給送情報を蓄積する給送情報蓄積用記憶装置を備えており、給送条件(シート情報、ユーザー設定情報など)、給送状況に関する情報(給送成功/失敗(不給送)の情報、各ローラの実測加速度や実測速度、給送開始からシートが給送センサ153に到達するまでの実測到達時間、シート積載台154の実測高さ、使用回数(給送回数)など)、給送設定情報(各ローラを駆動する給送モータの駆動電圧、ピックアップローラ151を昇降させるソレノイドの駆動電圧、設定到達時間など)を含む給送情報を、給送を行なうごとに給送情報蓄積用記憶装置に記憶する。
この第二実施形態においても、給送情報蓄積用記憶装置に蓄積された給送情報に基づいて、設定変更を行なって、リトライ給送を行なう。
図11は、第二実施形態の給送装置の給送制御の一例を示すフロー図である。
第二実施形態の給送装置においても、蓄積された給送情報に、今回と同じ給送条件の給送条件があるときは、その給送情報の給送設定情報に基づいて、給送設定し、ない場合は、通常の給送設定で、給送を行なう(S51)。
給送が正常に行われたとき(S52のNo)は、そのときの給送情報を、給送情報蓄積用記憶装置に記憶する。一方、設定到達時間内にシートの先端が給送センサ153に到達せずに、「不給送」となり、リトライ給送が設定されているとき(S52のYes、S54のYes)は、蓄積された給送情報の中に、今回と給送情報に一致する給送情報があるか否かをチェックする(S55)。一致するものがあったときは、一致した給送情報の設定変更情報に基づいて設定変更を行なって、リトライ給送を行なう(S56,S64)。
一方、一致する給送情報がなかったときは、蓄積された給送情報と今回の不給送の給送情報とから、不給送の原因を特定する(S57)。
具体的には、蓄積された給送情報からシートの種類毎に到達時間ずれの傾向が見られる場合で、シートが変更されている場合は、シート特性が原因による不給送と判断する(S58のYes)。シートが変更されていない場合は、蓄積された給送情報から実測到達時間の推移を確認する。蓄積された使用回数と実測到達時間との関係が所定の関係(例えば、正比例の関係)であれば、ローラの劣化(摩耗)が不給送の原因であると判断する(S60のYes)。
また、シートが変更されておらず(S58のNo)、実測到達時間が測定できないときや、今回の不給送の実測到達時間に推移が見られないとき(S60No)は、その他の突発的な原因による不給送と判断する。
シートの特性が原因と判断したとき(S58のYes)は、下記表8に示す変更制御Fを実行(S59)し、ローラの劣化(摩耗)が原因と特定したとき(S60のYes)は、下記表7に示す変更制御Eを実行(S61)し、その他の突発的な要因のとき(S58No,S60No)のときは、下記表9に示す変更制御Gを実行する(S62)。
Figure 2020007153
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ローラが摩耗することで、ローラとシートとのスリップ率が高まることで、設定到達時間内にシートの先端が給送センサ153に到達しなかったものと考えられる。従って、ローラ摩耗が原因とする不給送のときに行なう変更制御Eの設定変更項目としては、表7示すように、ローラの加速度(ピックアップローラの加速度)の低下、ローラの速度増加、設定到達時間の延長、シート積載台の高さ変更となる。ローラの加速度を低下させることで、シートとピックアップローラとの間のスリップを抑制することができ、シートの搬送性を改善することができ、設定到達時間内にシートの先端を給送センサ17に到達させることができる。また、ローラの速度を増加させることで、シートがローラに対して滑っても、設定到達時間内にシートの先端を給送センサに到達することが可能となり、不給送を解消することができる。また、設定到達時間を延長させることでも、シートがローラに対して滑っても、設定到達時間内にシートの先端を給送センサ17に到達することが可能となり、不給送を解消することができる。また、シート積載台154を上昇させることで、ピックアップローラとシートとの当接圧を高めることができ、シートとピックアップローラとの間のスリップを抑制することができ、シートの搬送性を改善することができ、設定到達時間内にシートの先端を給送センサ17に到達させることができる。
また、シート特性が原因による不給送の場合は、シートが光沢紙など、ローラに対してすべりやすい特性のシートであることが主な要因であると考えられるので、表8に示すように、シート特性が原因のときに実行する変更制御Fの変更項目は、変更制御Eと同一となっている。この例では、変更制御Fの変更項目は、変更制御Eと同一としているが、適宜、異ならせてもよい。また、設定変更を行なう項目の順番を、変更制御Eと異ならせてもよい。
また、その他の突発的な要因のときに実行する変更制御Gについて、表9に示すように、シート給送に係るすべての項目について、変更する。
変更制御E〜Gについても、実施形態と同様、初めの複数回のリトライ給送においては、複数の変更項目のうちのひとつを設定変更して、リトライ給送を行なう(S63)。複数の変更項目のうちのひとつを設定変更して、リトライ給送を行なっても不給送が解消されないとき(S64のYes、S65のNo)は、複数の変更項目のうちの2つを設定変更してリトライ給送を行なう。複数の変更項目のうちの2つを設定変更のパターンをすべて実行しても不給送が解消されないときは、設定変更項目をさらにひとつ増やしてリトライ給送を行なう。このように、設定変更項目を増やしていき、最後に、すべて変更項目を変更してリトライ給送(n回目のリトライ給送)を行なう。これでも、不給送が解消されないとき(S65のYes)は、ジャム処理を行なうともに、画像形成装置の操作部に所定の表示を行ない(S67)、給送失敗の参照情報として給送情報を記憶する(S66)。
表7に示すように、変更制御Eにおいて、n回のリトライ給送でも不給送が解消されないときは、ローラの寿命と判断し、ジャム処理時に、画像形成装置の操作部にローラの交換を促す表示を行なう。
表8に示すように、変更制御Fにおいて、n回のリトライ給送でも不給送が解消されないときは、偶然の異物混入やシートセットの不適切に原因があると判断し、ジャム処理時に操作部124に偶然の異物混入やシートセットの確認をユーザーに促す表示を行なう。
また、変更制御Fにおいて、n回のリトライ給送でも不給送が解消されないときは、給送装置の修理を促す表示を行なう。
設給送定を変更してリトライ給送(S63)を行ない、正常にシートが給送されたとき(S64のNo)は、上述した実施形態と同様、今回の失敗した給送情報に変更した設定項目を関連づけて記憶するとともに、リトライ給送時の給送情報を成功の給送情報として、リトライ回数とともに記憶する(S67)。
この第2実施形態においては、不給送が発生した際に、シートがある程度搬送されるため、リトライ給送において、不給送とならずに搬送された給送の設定が、原因に応じた最適な給送設定ではない可能性がある。従って、次の給送で、リトライ給送において、不給送とならずに搬送された給送の設定で給送を行なって、同様の不給送が発生したときは、リトライ回数を読み出して、表7の一回目の設定変更ではなく、前回の設定変更の続きから(例えば、前回、2回目設定変更でリトライ給送が成功しているときは、3回目から)設定変更を行なう。これにより、最適な給送設定を見つけ出すことができる。
また、この第二実施形態においても、蓄積された給送情報に基づいて、給送モータの劣化が不給送の原因か否かを判断する処理を行なってもよい。給送モータの劣化によるローラの回転速度の低下は、今回の実測到達時間の推移が見られ(使用回数と今回の実測到達時間と、蓄積された使用回数と実測到達時間とから求めた関係とに所定の相関が認められ)、かつ、今回の不給送のローラの実測速度が、蓄積された給送情報から求めた使用回数と実測速度との関係に相関があったときは、ローラを駆動する給送モータの劣化によるローラの回転速度の低下が不給送の原因であると判断する。一方、今回の不給送のローラの実測速度と、蓄積された給送情報から求めた使用回数と実測速度との関係との間に相関が認めらない場合は、給送ローラの摩耗と判断する。
給送モータの劣化が不給送の原因と判断したときは、給送モータの出力を上げて、リトライ給送を行なう。または回転加速度を下げ、用紙の搬送確実性を上げる。
給送モータの劣化の判定や、給送ローラの摩耗(劣化)判定は、ある程度、給送情報が蓄積されないと判断ができないので、この実施形態2においても、給送情報がある程度蓄積されるまでは、図11に示すフローを実施せず、不給送が発生した際の給送条件でリトライ給送を実施したり、最も給紙効率が高い条件でリトライ給送を実施したり、リトライ給送を行なわずに、ジャムとして処理したりしてもよい。
また、給送情報蓄積用記憶装置68は、情報通信網たるインターネット通信網を介してシート給送装置に接続されたサーバなどでもよい。複数のシート搬送装置同士をケーブルなど利用して物理的に接続させて、機器同士での情報交換が可能な状態も情報通信網の一つの種類として含める。
図12は、給送情報蓄積用記憶装置を、情報通信網たるインターネット通信網を介して複数のシート給送装置に接続されたサーバ168(または管理元168)とした一例について説明する図である。
図12の群Jは、サーバ168がインターネット通信網を介してシート給送情報を記憶・管理するシート給送装置の群であり、200A1〜200A3、200B、200C1、200C2、200D〜200Gのシート給送装置が含まれる。シート給送装置200A1〜200A3、200B、200C1、200C2、200D〜200Gは、インターネット網に接続された同機種または互換性のあるシート給送装置である。また、群Hを構成するシート給送装置200A1〜200A3や、群Iを構成するシート給送装置200C1、C2は、同じ管理者や同じ場所に設置されたシート給送装置であり、使用している環境や使用状況が似通ったものである。また、図中Kは、特定の国や地域を示しており、図中Lは、サーバ168と同様に群Hや群Jのような機器群を持ち、機器群を管理するサーバY(管理元Y)を示す。特に図中Yは、サーバ168と情報を共有または交換可能なことを示している。
シート給送装置200A1〜200A3、200B、200C1、200C2、200D〜200Gのシート給送情報がインターネット通信網を介してサーバ168へ送信され、サーバ168のHDDなどの記憶手段に蓄積されていく。サーバ168へ送信される各シート給送情報のシート給送情報には、例えば、シート給送装置の管理情報や顧客の問い合わせ情報などのどの使用者のシート給送装置かを特定可能な情報を含んでいる。
例えば、図12に示すシステム構成において、シート給送装置200A1に不給送が発生したときは、インターネット通信網を介してサーバ168にアクセスし、サーバ168に蓄積されているこのシート給送装置200A1に対応する失敗の給送情報のみならず、他のシート給送装置の失敗の給送情報から今回の給送情報と一致するものがある否かを調べる。複数のシート給送装置から送られてきた大量の給送情報を参照することができるので、今回の給送情報と一致する給送情報が見つかる可能性が高まる。その結果、今回の不給送を解決できる最適な給送設定に変更してリトライ給送を行なうことができる可能性が高まり、リトライ給送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
また、今回の給送情報と一致するものがなく、蓄積された給送情報と今回の給送情報とから原因を特定するときも、複数のシート給送装置の給送情報も参照にして原因の特定を行なうことできる。従って、精度よく原因の特定を行なうことができる。また、使用初期でも原因の特定を行なうことができる。
ただし、使用環境などは、まったくの同条件ではないため、そのシート給送装置に対応する蓄積した給送情報のみを用いた場合に比べて、原因の特定確度や、今回の給送情報と一致する失敗した給送情報に関連づけて記憶されている変更した給送設定情報でリトライ給送したときの成功率が下がるおそれもある。従って、サーバ168蓄積された複数のシート給送装置のシート給送情報を用いるか、シート給送装置の記憶装置に蓄積されたこのシート給送装置にのみ対応するシート給送情報を用いるかをユーザーが設定できるようにしてもよい。
また、サーバ168に蓄積する給送情報として、湿度や温度などの使用環境情報などを含めてもよい。サーバ168に蓄積された給送情報を、SDカードや外付けHDDなどにダウンロードしてもよい。その場合、SDカードであれば、シート給送装置内のカードソケットに挿入し、外付けHDDであれば、シート給送装置内のUSBポートを介して外付けHDDと接続するようにしてもよい。反対に個々のシート給送装置または画像形成装置に蓄積された給送情報を、SDカードや外付けHDDに保存し、別機器やサーバーに給送情報を移してもよい。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
シート積載台11などのシート積載手段に積載されたシートを搬送する吸引ベルト21などのシート搬送手段と、シートの搬送不良を検知する搬送不良検知手段(本実施形態では、給送センサ17と給送装置制御部66とで構成)と、搬送不良検知手段が、搬送不良を検知したとき、リトライ搬送を行なう給送装置制御部66などの制御手段とを有するシート給送装置200などのシート搬送装置において、シート搬送を行なったときの給送情報などのシート搬送情報を蓄積していく給送情報蓄積用記憶装置68などの記憶手段を備え、制御手段は、記憶手段に蓄積されているシート搬送情報に基づいて給送設定などの搬送設定を変更してリトライ搬送を行なう。
シート搬送を行なったときのシート搬送情報を記憶手段に蓄積していくことで、蓄積したシート搬送情報に基づいて搬送不良の原因を推測し、搬送不良の原因に対応した適切な搬送設定を特定したり、蓄積したシート搬送情報から搬送不良が解消できる適切な搬送設定を特定したりすることが可能となる。よって、記憶手段に蓄積されているシート搬送情報に基づいてリトライ搬送の搬送設定を変更することで、適切な搬送設定に変更することができ、リトライ搬送時の搬送不良の発生を低減することができる。これにより、特許文献1に比べて、ジャム率を低減させることができる。
(態様2)
態様1において、給送情報蓄積用記憶装置68などの記憶手段に蓄積された給送情報などのシート搬送情報(本実施形態における失敗した給送情報)には、搬送不良となったシート搬送情報とリトライ搬送により正常に搬送されたときの搬送設定とが関連づけて蓄積されており、給送装置制御部66などの制御手段は、記憶手段に蓄積された過去の搬送不良となったシート搬送情報に、リトライ搬送前の搬送不良となったシート搬送情報に一致するものがあった場合は、この過去のシート搬送情報に関連づけて蓄積されている搬送設定に変更してリトライ搬送を行なう。
これによれば、図9の制御フローを用いて説明(S15Yes,S16参照)したように、今回の搬送不良の原因に基づいた搬送設定に変更することができ、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。また、最適な搬送設定をすばやく見つけることができる。
(態様3)
態様1または2において、給送装置制御部66などの制御手段は、給送情報蓄積用記憶装置68などの記憶手段に蓄積された給送情報などのシート搬送情報と、リトライ搬送前の搬送不良となったシート搬送情報とに基づいて、搬送不良の原因を推定し、推定した搬送不良の原因に基づいて搬送設定を変更してリトライ搬送を行なう。
これによれば、図9の制御フローを用いて説明(S17〜S27参照)したように、不給送などの搬送不良の原因に基づいて給送設定などの搬送設定を変更してリトライ給送などのリトライ搬送を行なうことができる。これにより、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様4)
態様3において、給送装置制御部66などの制御手段は、給送情報蓄積用記憶装置68などの記憶手段に蓄積された給送情報などのシート搬送情報から、所定期間における搬送状態(例えば、到達時間)の推移を把握し、把握した搬送状態の推移とリトライ搬送前の搬送不良との相関関係に基づいて、搬送不良の原因を推定する。
これによれば、実施形態で説明したように、搬送に係る部品(ベルト摩耗、ベルトモータ、各ファン、昇降モータなど)の劣化が原因による不給紙などの搬送不良を把握することができ、部品の劣化の原因に基づいて給送設定などの搬送設定を変更してリトライ給送などのリトライ搬送を行なうことができる。これにより、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様5)
態様4において、シート積載台11などの積載手段に積載されたシート束に空気を吹き付けて、シート束における上部の複数枚のシートを浮上させる浮上ファン62やサイド浮上ファン71などの送風手段と、浮上させた複数枚のシートのうち、浮上した浮上シートの最上位シートと2番目のシートとの間に空気を吹き付けて、最上位シートと2番目位以降のシートを分離させる分離ファン63などの分離手段と、送風手段によって浮上した浮上シートの最上位シートを吸引ベルト21などのシート搬送手段に吸引する上方吸引ファン64などの吸引手段とを備え、給送情報などのシート搬送情報は、シートの搬送開始からシート搬送手段よりも下流の所定位置にシートが到達するまでの到達時間を含み、制御手段は、前記搬送状態として所定期間における到達時間の推移を把握し、到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、リトライ搬送を行なうに際して、送風手段、分離手段および吸引手段の少なくともひとつの出力を上げる。
これによれば、実施形態で説明したように、浮上ファン62やサイド浮上ファン71などの送風手段、分離ファン63などの分離手段および上方吸引ファン64などの吸引手段は、劣化により徐々に回転数が低下することで徐々に到達時間に遅れが生じる。よって、前記搬送状態として所定期間における到達時間の推移から、これらの劣化状態を把握することができる。これにより、送風手段、分離手段および吸引手段の劣化が原因に対応する給送設定などの搬送設定を変更してリトライ給送などのリトライ搬送を行なうことができる。これにより、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様6)
態様4において、給送情報などのシート搬送情報は、シートの搬送開始からシート搬送手段よりも下流の所定位置にシートが到達するまでの到達時間を含み、給送装置制御部66などの制御手段は、搬送状態として所定期間における到達時間の推移を把握し、到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、リトライ搬送を行なうに際して、シート搬送手段のシート搬送速度およびシート搬送手段の加速度の少なくともひとつを変更する。
これによれば実施形態で説明したように、吸引ベルト21などシート搬送手段を駆動するベルトモータなどの駆動源が、劣化することで、徐々に回転数が低下し、シート搬送手段の加速度や速度が徐々に低下していく、従って、所定期間における到達時間が除々に長くなり、所定期間における到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、上記駆動源の劣化が不給紙などの搬送不良の原因と推定できる。よって、リトライ搬送を行なうに際して、シート搬送手段のシート搬送速度およびシート搬送手段の加速度の少なくともひとつを変更することで、上記駆動源の劣化が原因の搬送不良の解消を図ることができ、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様7)
態様4においてシート積載台11などの積載手段を昇降させる昇降駆動部65などの昇降手段とを備え、給送情報などのシート搬送情報は、シートの搬送開始からシート搬送手段よりも下流の所定位置にシートが到達するまでの到達時間を含み、給送装置制御部66などの制御手段は、搬送状態として所定期間における到達時間の推移を把握し、到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、リトライ搬送を行なうに際して、積載手段を上昇させる。
これによれば、実施形態で説明したように積載手段を昇降させる昇降駆動部65の昇降モータなどの駆動源が劣化して回転数が低下することで、シート積載台11などの積載手段の規定の高さに対する位置が徐々に下がってくる。その結果、徐々に到達時間が長くなってくる。よって、到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、昇降駆動部65などの昇降手段の劣化が原因による不給紙などの搬送不良と推定できる。よって、到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、リトライ搬送を行なうに際して、積載手段を上昇させることで、降手段の劣化が原因による搬送不良の解消を図ることができ、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、搬送不良検知手段は、吸引ベルト21などのシート搬送手段よりも下流に設けられシート搬送手段により搬送されたシートを検知する給送センサ17などのシート検知センサを有し、シート搬送情報は、シートの搬送を開始してからシート検知センサがシートを検知するまでの到達時間情報を含む。
これによれば、実施形態で説明したように、蓄積された給送情報などの搬送情報から、到達時間の推移を把握することができ、搬送に係る部品劣化が原因による不給紙を推定することができる。
(態様9)
態様1乃至8いずれかにおいて、シート搬送情報は、搬送されるシート情報を含む。
これによれば、実施形態で説明したように、蓄積されたシート情報から、搬送状態が変化することや、シートが変更されたことを検出することができ、蓄積されたシート搬送情報から、シート搬送不良の原因が、シートの特性によるものか否かを推定することが可能となる。
(態様10)
態様1乃至9いずれかにおいて、シート搬送情報は、シート搬送時の搬送設定を含む。
これによれば、図9のS11で説明したように、シート搬送を行なうときに、蓄積されたシート搬送情報から、最適な搬送設定を特定することができ、蓄積されたシート搬送情報に基づいて最適な搬送設定で、シート搬送を行なうことが可能となり、搬送不良の発生を抑制することができる。
(態様11)
態様1乃至10いずれかにおいて、吸引ベルト21などのシート搬送手段の駆動状態を検知する回転数検知装置2などの駆動状態検知手段を有し、シート搬送情報は、駆動状態検知手段により検知されたシート搬送手段の駆動状態(ベルト速度やベルト加速度)を含む。
これによれば、実施形態で説明したように、蓄積されたシート搬送情報から、駆動状態検知手段により検知されたシート搬送手段の駆動状態(実測ベルト速度や実測ベルト加速度)の推移を把握し、シート搬送手段を駆動するベルトモータ61などの駆動源の劣化状態を把握することが可能となる。これにより、シート搬送不良の原因が、シート搬送手段の駆動源の劣化を原因とするか否かを推定することが可能となる。
(態様12)
態様1乃至11いずれかにおいて、リトライ搬送を行なうに際して変更する搬送設定は、シート搬送手段のシート搬送速度およびシート搬送手段の加速度の少なくとも一方である。
これによれば、実施形態で説明したように、シート搬送系が原因による不給紙を解消することができ、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様13)
態様1乃至12いずれかにおいて、シート積載台11などの積載手段に積載されたシート束に空気を吹き付けて、前記シート束における上部の複数枚のシートを浮上させる浮上ファン62やサイド浮上ファン71などの送風手段と、浮上した浮上シートの最上位シートと2番目のシートとの間に空気を吹き付けて、最上位シートと2番目位以降のシートを分離させる分離ファン63などの分離手段と、浮上シートの最上位シートを吸引ベルト21などのシート搬送手段に吸引する上方吸引ファン64などの吸引手段とを備え、リトライ搬送を行なうに際して変更する搬送設定は、前記送風手段、前記分離手段および前記吸引手段の少なくともひとつである。
これによれば、実施形態で説明したように浮上不足が原因による不給紙を解消することができ、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様14)
態様1乃至13いずれかにおいて、搬送不良検知手段は、シート搬送手段よりも下流に設けられ吸引ベルト21などのシート搬送手段により搬送されたシートを検知する給送センサなどのシート検知センサを有し、シートの搬送を開始してから設定到達時間までにシート検知センサがシートを検知しないときは、搬送不良と判断するものであって、リトライ搬送を行なうに際して、変更する搬送設定は、設定到達時間である。
これによれば、実施形態で説明したように、シート搬送系やベルト摩耗などのシート搬送手段の摩耗が原因による不給紙などのシート搬送不良を解消することができ、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様15)
態様1乃至14いずれかにおいて、リトライ搬送を行なうに際して、変更する搬送設定は、シート積載台11などの積載手段の高さである。
これによれば、実施形態で説明したように、浮上不足やシート特性が原因による不給紙などのシート搬送不良を解消することができ、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。
(態様16)
態様1乃至15いずれかにおいて、給送装置制御部66などの制御手段は、搬送不良が解消するまで毎回搬送設定を変更して複数回リトライ搬送を実施し、複数回リトライ搬送を実施しても、搬送不良が解消されない場合は、ユーザーにシートの搬送に関わる部品に異常がある旨を報知する。
これによれば、実施形態で説明したように、ユーザーに装置の修理を促すことができる。
(態様17)
態様1乃至16いずれかにおいて、インターネット通信網などの情報通信網を介して、他のシート給送装置などのシート搬送装置の給送情報などのシート搬送情報が記憶された外部記憶手段と通信可能である。
これによれば、実施形態で説明したように、他のシート搬送装置を含めた大量のシート搬送情報に基づいて、給送設定などの搬送設定を変更してリトライ搬送を行なうことができる。これにより、不給送などの搬送不良を解決できる最適な搬送設定でリトライ搬送を行なえる可能性が高まり、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。また、使用初期の最初の搬送不良においても、サーバ168などの外部の記憶手段に蓄積された他のシート搬送装置のシート搬送情報から、搬送不良を解決可能な最適な搬送設定に変更することができる。
(態様18)
態様17において、制御手段は、サーバ168などの外部記憶手段に記憶された他のシート搬送装置のシート搬送情報に基づいて搬送設定を変更してリトライ搬送を行なう。
これによれば、実施形態で説明したように、外部の記憶手段に蓄積された他のシート搬送装置のシート搬送情報に基づいて、給送設定などの搬送設定を変更してリトライ搬送を行なうことができる。これにより、不給送などの搬送不良を解決できる最適な搬送設定でリトライ搬送を行なえる可能性が高まり、リトライ搬送の成功率を高めることができ、ジャム率の低減を図ることができる。また、使用初期の最初の搬送不良においても、サーバ168などの外部の記憶手段に蓄積された他のシート搬送装置のシート搬送情報から、搬送不良を解決可能な最適な搬送設定に変更することができる。
(態様19)
シートに画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段へ向けてシートを搬送するシート搬送装置とを備えた画像形成装置において、前記シート搬送装置として、態様1乃至16いずれかのシート搬送装置を用いた。
これによれば、ジャム率を良好に低減することができる。
1 :画像形成システム
2 :回転数検知装置
2a :エンコーダ板
2b :光学センサ
3 :下方吸引エアチェンバー
10 :収容トレイ
11 :シート積載台
16 :浮上検知センサ
17 :給送センサ
18 :グリップローラ対
20 :給送ユニット
21 :吸引ベルト
22a :張架ローラ
22b :張架ローラ
23 :上方吸引装置
25 :下方吸引装置
25a :下方吸引ノズル
26 :フロント送風装置
26a :浮上ノズル
26b :分離ノズル
27 :サイド送風装置
27a :サイド浮上ノズル前
27b :サイド浮上ノズル後
28 :サイドフェンス
29 :エンドフェンス
31 :エアチェンバー
31a :浮上連通路
31b :分離連通路
32 :分離シャッター
33 :下方吸引エアチェンバー
34 :下方吸引シャッター
41 :昇降センサ
46 :上方吸引ファン
61 :ベルトモータ
62 :浮上ファン
63 :分離ファン
64 :上方吸引ファン
65 :昇降駆動部
66 :給送装置制御部
67 :上位制御部
68 :給送情報蓄積用記憶装置
69 :下方吸引ファン
71 :サイド浮上ファン
100 :画像形成装置
122 :表示部
123 :操作パネル
124 :操作部
150 :FRR機構
151 :ピックアップローラ
152 :リバースローラ
153 :給送センサ
154 :シート積載台
155 :グリップローラ対
156 :フィードローラ
157 :アーム
200 :シート給送装置
P :シート束
P1 :最上位シート
特開平8−169632号公報

Claims (19)

  1. シート積載手段に積載されたシートを搬送するシート搬送手段と、
    シートの搬送不良を検知する搬送不良検知手段と、
    前記搬送不良検知手段が、前記搬送不良を検知したとき、リトライ搬送を行なう制御手段とを有するシート搬送装置において、シート搬送を行なったときのシート搬送情報を蓄積していく記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記記憶手段に蓄積されているシート搬送情報に基づいて搬送設定を変更してリトライ搬送を行なうことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 請求項1に記載のシート搬送装置において、
    前記記憶手段に蓄積されたシート搬送情報には、搬送不良となったシート搬送情報とリトライ搬送により正常に搬送されたときの搬送設定とが関連づけて蓄積されており、
    前記制御手段は、前記記憶手段に蓄積された過去の搬送不良となったシート搬送情報に、リトライ搬送前の搬送不良となったシート搬送情報に一致するものがあった場合は、この過去のシート搬送情報に関連づけて蓄積されている搬送設定に変更してリトライ搬送を行なうことを特徴とするシート搬送装置。
  3. 請求項1または2に記載のシート搬送装置において、
    前記制御手段は、前記記憶手段に蓄積されたシート搬送情報と、リトライ搬送前の搬送不良となったシート搬送情報とに基づいて、搬送不良の原因を推定し、推定した搬送不良の原因に基づいて搬送設定を変更してリトライ搬送を行なうことを特徴とするシート搬送装置。
  4. 請求項3に記載のシート搬送装置において、
    前記制御手段は、前記記憶手段に蓄積されたシート搬送情報から、所定期間における搬送状態の推移を把握し、把握した搬送状態の推移とリトライ搬送前の搬送不良との相関関係に基づいて、搬送不良の原因を推定することを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項4に記載のシート搬送装置において、
    前記シート積載手段に積載されたシート束に空気を吹き付けて、前記シート束における上部の複数枚のシートを浮上させる送風手段と、
    浮上させた複数枚のシートのうち、
    浮上した浮上シートの最上位シートと2番目のシートとの間に空気を吹き付けて、最上位シートと2番目位以降のシートを分離させる分離手段と、
    前記送風手段によって浮上した浮上シートの最上位シートを前記シート搬送手段に吸引する吸引手段とを備え、
    前記シート搬送情報は、シートの搬送開始からシート搬送手段よりも下流の所定位置にシートが到達するまでの到達時間を含み、
    前記制御手段は、前記搬送状態として所定期間における前記到達時間の推移を把握し、前記到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、リトライ搬送を行なうに際して、前記送風手段、前記分離手段および前記吸引手段の少なくともひとつの出力を上げることを特徴とするシート搬送装置。
  6. 請求項4に記載のシート搬送装置において、
    前記シート搬送情報は、シートの搬送開始からシート搬送手段よりも下流の所定位置にシートが到達するまでの到達時間を含み、
    前記制御手段は、前記搬送状態として所定期間における前記到達時間の推移を把握し、前記到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、リトライ搬送を行なうに際して、シート搬送手段のシート搬送速度およびシート搬送手段の加速度の少なくとも一方を変更することを特徴とするシート搬送装置。
  7. 請求項4に記載のシート搬送装置において、
    前記シート積載手段を昇降させる昇降手段とを備え、
    前記シート搬送情報は、シートの搬送開始からシート搬送手段よりも下流の所定位置にシートが到達するまでの到達時間を含み、
    前記制御手段は、前記搬送状態として所定期間における前記到達時間の推移を把握し、前記到達時間の推移と、リトライ搬送前の搬送不良となった到達時間とに相関関係があった場合は、リトライ搬送を行なうに際して、前記シート積載手段を上昇させることを特徴とするシート搬送装置。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記搬送不良検知手段は、前記シート搬送手段よりも下流に設けられ前記シート搬送手段により搬送されたシートを検知するシート検知センサを有し、
    前記シート搬送情報は、シートの搬送を開始してから前記シート検知センサがシートを検知するまでの到達時間情報を含むことを特徴とするシート搬送装置。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記シート搬送情報は、搬送されるシート情報を含むことを特徴とするシート搬送装置。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記シート搬送情報は、シート搬送時の搬送設定を含むことを特徴とするシート搬送装置。
  11. 請求項1乃至10いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記シート搬送手段の駆動状態を検知する駆動状態検知手段を有し、
    前記シート搬送情報は、前記駆動状態検知手段により検知された前記シート搬送手段の駆動状態を含むことを特徴とするシート搬送装置。
  12. 請求項1乃至11いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    リトライ搬送を行なうに際して変更する搬送設定は、シート搬送手段のシート搬送速度およびシート搬送手段の加速度の少なくとも一方であることを特徴とするシート搬送装置。
  13. 請求項1乃至12いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記シート積載手段に積載されたシート束に空気を吹き付けて、前記シート束における上部の複数枚のシートを浮上させる送風手段と、
    浮上した浮上シートの最上位シートと2番目のシートとの間に空気を吹き付けて、最上位シートと2番目位以降のシートを分離させる分離手段と、
    浮上シートの最上位シートを前記シート搬送手段に吸引する吸引手段とを備え、
    リトライ搬送を行なうに際して変更する搬送設定は、前記送風手段、前記分離手段および前記吸引手段の少なくともひとつであることを特徴とするシート搬送装置。
  14. 請求項1乃至13いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記搬送不良検知手段は、前記シート搬送手段よりも下流に設けられ前記シート搬送手段により搬送されたシートを検知するシート検知センサを有し、シートの搬送を開始してから設定到達時間までに前記シート検知センサがシートを検知しないときは、搬送不良と判断するものであって、
    リトライ搬送を行なうに際して、変更する搬送設定は、前記設定到達時間であることを特徴とするシート搬送装置。
  15. 請求項1乃至14いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    リトライ搬送を行なうに際して、変更する搬送設定は、前記シート積載手段の高さであることを特徴とするシート搬送装置。
  16. 請求項1乃至15いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記制御手段は、搬送不良が解消するまで毎回搬送設定を変更して複数回リトライ搬送を実施し、複数回リトライ搬送を実施しても、搬送不良が解消されない場合は、ユーザーにシートの搬送に関わる部品に異常がある旨を報知することを特徴とするシート搬送装置。
  17. 請求項1乃至16いずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    情報通信網を介して、他のシート搬送装置のシート搬送情報が記憶された外部記憶手段と通信可能であることを特徴とするシート搬送装置。
  18. 請求項17に記載のシート搬送装置において、
    前記制御手段は、前記外部記憶手段に記憶された前記他のシート搬送装置のシート搬送情報に基づいて搬送設定を変更してリトライ搬送を行なうことを特徴とするシート搬送装置。
  19. シートに画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段へ向けてシートを搬送するシート搬送装置とを備えた画像形成装置において、前記シート搬送装置として、請求項1乃至16いずれか一項に記載のシート搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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