JP2020005069A - 画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜行量に応じた原稿の斜行補正を行うことで、原稿から読み取られた画像の品質を向上する。【解決手段】画像読取装置は、原稿トレイから給紙された前記原稿を搬送路に搬送し、必要であれば搬送された原稿に対してメカニカルな斜行補正を行う(S1204)。その後、原稿の斜行角度を判定し(S1209)、斜行角度が3.1度以上であれば(S1209:Y)再度メカニカルな斜行補正を行う。その他の場合には(S1209:N)、原稿を読み取って得られる画像に対してデジタル斜行補正(S1241)を行う。また、ユーザーからの入力を受け付け、斜行角度が3.1度以上であった場合に、ユーザーからの入力に応じてデジタル斜行補正を行うかを判定する。【選択図】図12

Description

本発明は、原稿の画像(原稿画像)に記録された画像情報を読み取る画像読取装置の技術に関する。
複写機、ファクシミリ等の画像形成装置には、原稿画像を光学的に読み取るために画像読取装置が設けられるものがある。画像読取装置は、これらの画像読取装置は、原稿台ガラス上に載置された原稿を読み取るだけでなく、複数の原稿を一度の操作で読み取ることができるよう、自動原稿給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)を備える場合もある。ADFを用いることで、複数枚の原稿から連続した原稿画像の読み取りが可能となる。原稿は、ADFが備える原稿トレイに載置され、この原稿トレイから連続して画像読取装置へ給紙される。画像読取装置は、ADFから給紙される原稿を搬送しながら光学的に読み取って、該原稿の原稿画像を表す画像データを生成するスキャン動作を行う。画像データは、画像形成装置へ送信され、画像形成装置による画像形成に用いられる。
製造コストを抑えるために、ADFにて原稿の両面を読み取るために、原稿トレイから給紙された原稿に対して読取ユニットを1つ用意した画像形成装置も知られている。この画像読取装置は、表面、裏面を順番に読取ユニットで原稿画像を読み込めるようにADF内で原稿を搬送して反転可能な構成としている。そのようなADFでは、原稿を排紙トレイに積載する際に、裏面を読み終わった時点ですぐに排紙トレイに排出するのではなく、排紙トレイ上での面順が正しくなるように、もう一度反転させてから排紙トレイに排出する。
ADFで原稿を1枚ずつ搬送し画像読取ユニットにより原稿画像を読み取る場合、画像読取ユニットやADFの組み付け精度や原稿の搬送に用いるローラの製造誤差等に起因して、読取画像に傾きが生じることがある。また、原稿が傾いた状態でADFの給紙トレイに載置された場合にも読取画像に傾きが生じることがある。
画像読取装置において読取画像に生じる傾きについては、原稿画像の読み取り後に、読み取られた画像から原稿の斜行量を算出し、算出した斜行量に基づいて読取画像の傾きを画像処理により補正する技術が知られている。例えば、特許文献1は、読取画像からエッジを抽出し、抽出したエッジから原稿の端部を判定することで原稿画像領1域を特定して原稿の傾きを算出する技術を開示している。
特許文献2は、画像読取装置において、原稿の表面及び裏面のそれぞれに対して、読取画像から原稿先端を特定し、特定した原稿先端から原稿の傾きを算出する画像処理回路を設ける技術を開示している。
特許文献3は、斜行検知手段、メカニカルな斜行補正手段、及び画像補正による斜行補正手段を備えるとともに原稿搬送の反転機構を有した画像読取装置を開示している。開示された画像読取装置は、当該原稿の初回の読取時に、斜行検知手段により判明した斜行角度に応じてメカニカルな斜行補正機構による斜行補正を実施するか、画像補正による斜行補正を実施するかのいずれかを決定する。その決定は、当該原稿のすべて(表面読取、裏面読取、面合わせのために読取なしの搬送も含む)、あるいは当該原稿以降のすべての原稿を処理するまで継続される。
特開2013−123119号 特許第5376907号 特開2013−146034号
特許文献3に開示された技術では、一度決定した情報に応じて切り替えた制御を当該原稿の読み取りがすべて終わるまで継続するので、以下のような課題が存在する。
原稿の斜行検知角度が基準値以下で、メカニカルな斜行補正が不要と判断された場合、斜行補正手段は画像補正による斜行補正を行うが、実際には、画像読取は、原稿を反転機構により一旦反転させた後に行われる。斜行検知から画像読取までに所定量の搬送を行う間に原稿の主走査方向の搬送挙動を制限する機構はないので、原稿の状態、厚み、ローラ形状や各搬送ローラの搬送速度などの条件により、必ずしも当初検知した斜行角度が維持されるとは限らない。その結果、原稿の斜行角度が当初は基準値以下であっても実際に画像を読み取るタイミングにおいては基準値を超える場合もあり得る。
この時、画像補正による斜行補正の補正量の上限を超えていると、読み取った画像に対して斜行補正が不十分となるか、もしくは原稿サイズをはみ出す部分の領域においては画欠けが発生するなどの可能性がある。
逆に、原稿の斜行検知角度が基準値以上で、メカニカルな斜行補正が必要と判断された場合、斜行補正手段はメカニカルな斜行補正を行う。この際、斜行補正が行われ、反転機構により原稿を一旦反転させた後に画像読み取りが行われる。斜行補正が行われると斜行角度が是正されて基準値以下になり、斜行角度が基準値以下のまま保持されて搬送が継続されるが、その後の原稿や装置の状態によっては、斜行角度が基準値を超える場合もあり得る。
特許文献3では、一部の搬送ローラの回転を一時的に止めた所に原稿先端を所定時間衝突させて押し込む制御をさせることで、メカニカルな斜行補正を行い、斜行角度を是正する。その際には原稿の衝突音が発生し、また押し込んでいる間は原稿先端の進みが停止しているので、その停止時間により読取終了までの時間が長くなる。このような制御が継続して行われることで、必要以上に衝突音が発生し、かつ、停止時間の累積により読取終了までの時間が長くなるおそれがある。
本発明は、上記の問題に鑑み、斜行量に応じた原稿の斜行補正を行うことで、原稿から読み取られた画像の品質を向上することを目的とする。
本発明の画像読取装置は、原稿が載置される原稿トレイと、前記原稿トレイから給紙された前記原稿を搬送路に搬送する搬送手段と、搬送された原稿の斜行を補正する原稿斜行補正手段と、前記原稿斜行補正手段により斜行補正された前記原稿から原稿画像を読み取る原稿読取手段と、前記原稿画像の読み取りが行われた後の原稿を前記原稿斜行補正手段へと搬送する戻り搬送路と、前記原稿読取手段で読み取られた前記原稿画像の斜行量を検知する斜行量検知手段と、前記検知された斜行量に応じて前記原稿画像に対して斜行補正を行う斜行画像補正手段と、を有する。画像読取装置は、前記斜行量が検知された原稿を、検知された斜行量に応じて、1)前記斜行画像補正手段に搬送するか、または、2)前記原稿を前記戻り搬送路へと搬送するか、を判定する制御手段を有する。
を有する。
本発明によれば、斜行量に応じた原稿の斜行補正を行うことで、原稿から読み取られた画像の品質が向上される。
画像読取装置の概略構成図。 (a)、(b)は画像読取装置の制御部の機能構成図。 (a)〜(c)は斜行解消方法の説明図。 原稿画像に対する画像処理の説明図。 (a)〜(d)は原稿の斜行検知方法の説明図。 (a)は斜行量を算出可能な原稿状態、(b)は斜行量を算出できない原稿状態の説明図。 (a1)〜(a4)は搬送路上でのリードセンサと原稿との位置関係を表す図。 (b1)〜(b4)は搬送路上でのリードセンサと原稿との位置関係を表す図。 (b5)、(b6)は搬送路上でのリードセンサと原稿との位置関係を表す図。 (a)〜(d)は、斜行補正の説明図。 (a)〜(d)は、補正前の画像と補正後の画像の説明図。 画面操作時の処理を示したフローチャート。 読取動作設定画面の表示例。 操作画面の操作時に実行される処理のフローチャート。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
第1実施形態
<画像読取装置の構成例>
図1は、本実施形態のADFを含む画像読取装置の概略構成を示す断面図である。本実施形態の画像読取装置1000は、原稿束Sに含まれる原稿の画像を読み取る画像読取部(以下、リーダと呼ぶ)200と、自動原稿給紙部(以下、ADFと呼ぶ)100とを備える。また、図1の例では、リーダ200にコントローラ300が設けられるものとしているが、画像読取装置1000の外部に設けられたコントローラ300に画像読取装置1000を接続する構成としてもよい。ADF100は、原稿を画像読取装置1000へ連続して1枚ずつ給紙可能である。画像読取装置1000は、搬送される原稿の画像を読み取る。
(ADFの構成)
ADF100は、原稿トレイ30、搬送路34、及び排紙トレイ31を備える。原稿トレイ30には、読取対象となる原稿が載置される。原稿トレイ30は、原稿検知センサ16と、2個の原稿サイズセンサ10、11とを備える。原稿検知センサ16は、原稿トレイ30上の原稿を検知して、原稿の有無を判定するための原稿検知手段である。原稿サイズセンサ10は、原稿トレイ30に載置された原稿の幅方向の長さ(搬送方向に直交する方向の長さ)を検知する。原稿サイズセンサ11は、原稿トレイ30に載置された原稿の長さ方向の長さ(搬送方向の長さ)を検知する。
搬送路34は、原稿トレイ30に積載された原稿を1枚ずつ画像読取装置1000の読取位置を経由して排紙トレイ31に排出するための経路である。搬送路34には、原稿の搬送方向の上流側から順に、給紙ローラ1、分離ローラ2、搬送ローラ3、搬送ローラ4、原稿読取プラテンローラ5、搬送ローラ6、及び反転ローラ7が設けられる。分離ローラ2には、搬送路34を挟んで対向する位置に分離パッド8が設けられる。また、分離ローラ2と搬送ローラ3との間にはレジストセンサ13が設けられる。
各ローラは、原稿を搬送路34に沿って搬送する。搬送路34には、原稿の搬送方向の上流側から順に、分離後センサ12、リードセンサ14、及び排紙センサ15等の各種センサが設けられる。分離後センサ12は、分離ローラ2と搬送ローラ3との間の分離ローラ2近傍に配置される。リードセンサ14は、搬送ローラ3と搬送ローラ4との間の搬送ローラ4の近傍に配置される。排紙センサ15は、搬送ローラ6と反転ローラ7との間の反転ローラ7近傍に配置される。各センサは、搬送路34を搬送される原稿を検知する。
排紙センサ15と反転ローラ7との間にはフラッパ9が設けられている。片面原稿読み取りを行う場合には、フラッパ9は原稿により持ち上げられ、フラッパ9を通過した原稿は排紙トレイ31に排紙される。一方、後述する両面読み取りを行う場合、原稿は、その一方の面(表面)が読み取られた後に搬送ローラ6を通過してフラッパ9を持ち上げて進み、フラッパ9を介して反転パス18へと送られる。その後、原稿は他方の面(裏面)が読み取られた後にフラッパ9を持ち上げて進み、排紙トレイ31に排紙される。
(画像読取装置の構成)
画像読取装置1000は、ADF100に対向する位置に、流し読みガラス201、原稿台ガラス202、及び表面用基準白板219を備える。画像読取装置1000は、ミラー205、206、レンズ207、光学式の読取ユニット209、CCD(Charge Coupled Device)センサユニットである読取センサ210を内部に備える。また、画像読取装置1000には、リーダ200及びADF100を含む画像読取システムとしての全体を制御する装置であるコントローラ300も設けられている。
読取ユニット209及び読取センサ210は、原稿の表面の原稿画像を読み取る読取ユニットを構成する。流し読みガラス201は、原稿読取プラテンローラ5に対向する位置に配置される。原稿台ガラス202は、ADF100を用いずに原稿画像を読み取る際に原稿が載置される。原稿は、読み取られる面が下向きになるように原稿台ガラス202に載置される。表面用基準白板219は、流し読みガラス201と原稿台ガラス202との間に設けられ、シェーディングによる白レベルの基準データを作成する際に読み取られる。
読取ユニット209は、光源ランプ203及びミラー204を備える。光源ランプ203は、ADF100の搬送路34に対して流し読みガラス201越しに光を照射する。照射された光は搬送路34を搬送される原稿の表面により反射される。原稿による反射光は、ミラー204、205、206で反射されてレンズ207により読取センサ210の受光面に集光される。読取センサ210は、受光した反射光を光電変換することで、原稿画像を表す画像信号を生成する。光源ランプ203が光を照射する搬送路34上の位置が、画像読取装置1000による読取位置となる。読取ユニット209は、原稿の搬送方向に対して直交する方向を1ラインとして光を照射する。そのために、原稿の搬送方向に対して直交する方向が主走査方向となる。原稿の搬送方向は、主走査方向に直交しており、副走査方向と同じ方向になる。
なお、原稿台ガラス202上の原稿を読み取る場合、読取ユニット209は、矢線R方向に移動しながら光を照射する。この場合、矢線R方向が副走査方向となる。表面用基準白板219を読み取る場合、読取ユニット209は、表面用基準白板219の直下まで移動して、表面用基準白板219に光を照射する。
<ブロック図の説明>
図2(a)、(b)は、ADFを含む本実施形態の画像読取装置1000の制御部の機能構成図である。図2(a)は、リーダ200及びADF100の機能構成を表し、図2(b)はコントローラ300の機能構成を表す。以下、リーダ200及びADF100について説明する。
図2(a)を参照すると、CPU(A)251は、リーダ200及びADF100の各ユニットを統括的に制御する中央演算処理装置である。ROM(A)252は、CPU(A)251が実行すべき制御内容をプログラムとして格納した記憶装置である。RAM(A)253は、CPU(A)251が制御を行うのに必要な作業領域として使用される記憶装置である。
CPU(A)251には、画像読取機能を実現するために、光源ランプ203、読取センサ210、および読取ユニット209を副走査方向に移動させるための光学系モーター226が接続されている。また、CPU(A)251には、画像メモリ(A)260、画像処理部261および画像転送部(A)255も接続されている。読取センサ210は、原稿の画像を走査し、1ラインごとに読み取りを行うセンサである。
画像メモリ(A)260は、読取センサ210により読み取られた画像データを一時的に格納する記憶装置である。画像処理部261は、画像メモリ(A)260に格納された読取画像に対し、必要に応じて後述する画像処理による補正を行う。画像転送部(A)255は、画像処理部261及び後述する斜行画像補正部270により画像処理が施された画像データを、後述するコントローラ300の画像メモリ(B)306に転送する。
CPU(A)251には、原稿搬送機能を実現するために、各種搬送用のローラを駆動する搬送系モーター111、搬送経路の各所に設けられた搬送系センサ110がそれぞれ接続されている。搬送系センサ110には、図1に示される分離後センサ12、リードセンサ14及び排紙センサ15が含まれる。
CPU(A)251には、原稿トレイ30上の原稿の有無を判断する原稿検知センサ16が接続されている。また、CPU(A)251には、反転ローラ7を上下方向に移動して原稿と離間/接触させるためのソレノイド113、及び搬送系モーター111と搬送ローラ3との接続/遮断を行うクラッチ112が接続されている。
CPU(A)251には、バックアップ部256が接続されている。バックアップ部256は、リーダ200及びADF100の制御に使用する作業用データの一部や、機体ごとに設定を持つ場合の設定値等を保存するための記憶装置である。また、CPU(A)251には、読取センサ210により読み取られた原稿画像の斜行補正を実現するために、斜行量検知手段としての斜行検知部(α)271及び斜行画像補正部270が接続されている。斜行検知部(α)271による斜行検知機能、斜行画像補正部270による斜行補正機能の詳細は後述する。
<コントローラ300>
図2(b)の制御ブロック図を参照すると、コントローラ300は、リーダ200、ADF100を含む画像読取システム全体を制御する装置である。CPU(B)301は、コントローラ300の各ユニットを統括的に制御する中央演算装置である。ROM(B)302は、CPU(B)301が実行すべき制御内容をプログラムとして格納した記憶装置である。RAM(B)303は、CPU(B)301が制御を行うために必要な作業領域として使用される記憶装置である。
画像転送部(B)308は、画像転送部(A)255から画像を受信し、画像メモリ(B)306へ格納する。操作部304は、ユーザーからの画像読取システム全体に対する動作指示やユーザーへのメッセージ表示及び読み取られた画像の表示を行うためのものであり、CPU(B)301との間で通信して所望の表示や入力を実施する。
CPU(B)301は、CPU(A)251との通信ライン401を介して、画像読取制御に関する制御コマンドのやり取り及び制御用データの授受を行う。例えば、CPU(B)301は、操作部304からユーザーの画像読取開始指示を受け取り、CPU(A)251に画像読取開始要求を送信する。また、例えば、CPU(B)301は、操作部304からユーザーの原稿サイズ設定指示を受け取り、CPU(A)251に原稿のサイズ(主走査幅及び副走査長)を送信する。
<リーダ200及びADF100の動作の説明>
リーダ200及びADF100の動作について、図1を参照して説明する。
画像読取装置1000の動作中、CPU(A)251は、原稿トレイ30に設けられた原稿検知センサ16の出力を監視し、出力に変化があった場合は、その都度、通信ライン401を介して原稿検知センサ16の出力をCPU(B)301へ通知する。CPU(B)301は、通知された原稿検知センサ16の出力に基づき、原稿トレイ30上に原稿が積載されているか否かを判断する。
リーダ200は、CPU(B)301からの画像読取開始要求に応答して原稿の読み取りを行う。ユーザーから操作部304を介して画像読取開始指示が入力されると、CPU(B)301は、通信ライン401を介してCPU(A)251に画像読取開始要求を送信する。画像読取開始要求は、「固定読み開始要求」または「流し読み開始要求」のいずれかである。「固定読み開始要求」は、原稿台ガラス202上に載置された原稿について、読取ユニット209を、図1の矢線に示す副走査方向に一定速度で走査することで原稿を読み取る「固定読み」の開始を要求するものである。「流し読み開始要求」は、原稿トレイ30に積載された原稿について、読取ユニット209を所定位置に停止させた状態で、ADF100により原稿を搬送しながら原稿を読み取る「流し読み」の開始を要求するものである。
ユーザーから原稿読み取り開始の指示が入力された際に、原稿トレイ30上に原稿が積載されていなければ、CPU(B)301はCPU(A)251へ「固定読み開始要求」を送信する。一方、ユーザーから原稿読み取り開始の指示が入力された際に、原稿トレイ30上に原稿が積載されていれば、CPU(B)301はCPU(A)251へ「流し読み開始要求」を送信する。リーダ200は、CPU(B)301からの画像読取開始要求が「固定読み開始要求」と「流し読み開始要求」のいずれであるかに応じて、固定読みまたは流し読みを開始する。
<ADF100での片面原稿読み取り>
ADF100を使用した片面原稿読み取り動作(片面流し読み)について、図1を参照して説明する。
ADF100は、1枚以上の原稿シートで構成される原稿を積載する原稿トレイ30と、原稿の搬送開始前に原稿が原稿トレイ30より突出して下流へと進出することを防ぐ分離パッド8及び分離ローラ2と、給紙ローラ1とを有する。原稿トレイ30には原稿トレイ30上の原稿の有無を判定するための原稿検知センサ16が設けられている。給紙ローラ1は、原稿トレイ30に積載された原稿の原稿面と接触するように下方に移動し、原稿面と接触した状態で回転する。これにより、原稿の最上面の原稿が給紙される。
給紙ローラ1によって給紙された原稿は、分離ローラ2及び分離パッド8の作用によって1枚に分離される。この分離は、公知の分離技術によって実現されている。また原稿トレイ30上には、原稿搬送方向に対して垂直方向に作動可能とした原稿幅規制板が設けられている。この原稿幅規制板を積載された原稿に当接させることで、原稿分離時の原稿搬送方向とは垂直方向に対する移動を規制し、原稿が斜行して搬送されることを軽減することができる。分離ローラ2と分離パッド8によって分離された原稿は、搬送ローラ3へ搬送される。搬送ローラ3は、原稿の斜行量を軽減することが可能なメカニカル機構を有しており、その具体的な構成については後述する。なお、第1実施形態では、斜行量として斜行角度を用いている。
搬送ローラ3の下流側には、原稿を流し読みガラス201方向へ搬送する給紙路が配置されている。給紙路に送られた原稿は、表面読み取り搬送ローラ4によって表面流し読み位置に搬送される。流し読みガラス201と表面対向部材5の間を通過する原稿の表面に対して光源ランプ203から光が照射される。その反射光は、複数のミラー204、205、206で偏向されて読取センサ210によって原稿画像が1ラインずつ読み取られる。
原稿は、搬送ローラ6によって搬送された後、フラッパ9を押し上げて進み、その後反転ローラ7によって排紙トレイ31まで搬送される。このように、片面原稿読み取りの場合には、反転ローラ7は反転せず、原稿は反転ローラ7を通じて排紙トレイ31に搬送される。原稿トレイ30上に原稿が複数枚ある場合には、最終原稿の表面読み取り及び排紙トレイ31への排紙が終了するまで、先述の原稿からの給紙、分離、搬送処理、表面流し読み位置での片面読取処理、及び排紙処理が繰り返される。
<両面原稿読み取り>
ADF100を使用した両面原稿読み取り動作(両面流し読み)について説明する。ADF100は、1枚以上の原稿シートで構成される原稿を積載する原稿トレイ30と、原稿の搬送開始前に、原稿が原稿トレイ30より突出して下流へと進出することを防ぐ分離パッド8及び分離ローラ2と、給紙ローラ1とを有する。原稿トレイ30には原稿トレイ30上の原稿の有無を判定するための原稿検知センサ16が設けられている。給紙ローラ1は、原稿トレイ30に積載された原稿の原稿面と接触するように下方に移動し、原稿面と接触した状態で回転する。これにより、原稿束の最上面の原稿が給紙される。
給紙ローラ1によって給紙された原稿は、分離ローラ2と分離パッド8の作用によって1枚に分離される。この分離は公知の分離技術によって実現されている。分離ローラ2と分離パッド8によって分離された原稿は、搬送ローラ3へ搬送される。搬送ローラ3は、原稿の斜行量を軽減する、つまり斜行角度を小さくすることが可能な、原稿斜行補正手段としてのメカニカル機構となり、その詳細は後述する。
搬送ローラ3の下流側には、原稿を流し読みガラス201方向へ搬送する給紙路が配置されている。給紙路に送られた原稿は、表面読み取り搬送ローラ4によって表面流し読み位置に搬送される。流し読みガラス201と表面対向部材5の間を通過する原稿の表面に対して光源ランプ203から光が照射される。その反射光は、複数のミラー204、205、206で偏向されて読取センサ210によって原稿の表面画像を1ラインずつ読み取られる。
原稿は、搬送ローラ6によって搬送された後、フラッパ9を押し上げて進み、原稿後端がフラッパ9を抜けた時点で搬送系モーター111の駆動が停止され、停止後は、搬送系モーター111は逆方向に回転するように駆動される。すると反転ローラ7が逆方向に回転し、原稿が先ほどとは反対の方向に搬送される。この時、フラッパ9の規制により原稿は反転パス18に進入する。なお、搬送系モーター111の制御はCPU(A)251により行われる。
反転パス18に進入した原稿は、搬送ローラ3へ搬送される。原稿が搬送ローラ3へ到達すると、搬送系モーター111が停止される。この時に原稿先端が搬送ローラ3で挟持されていることから、CPU(A)251は、反転ローラ7を上下方向に離間させるためのソレノイド113を駆動させて反転ローラ7を離間させる。その後、CPU(A)251は、搬送系モーター111を正方向に回転させて駆動を開始する。これにより、搬送開始前に原稿トレイ30上では上面だった原稿面が今度は下面となった状態となる。その後、片面読取時と同様の制御を実施して、読取センサ210で原稿の読取を行う。これにより、先ほど読み込んだ面とは反対側(裏面)の原稿の読取を行うことができる。
搬送ローラ3が駆動されて原稿搬送が開始されてから、裏面の原稿画像の読み取りが終了して原稿後端が搬送ローラ6を抜けるまでの間の任意のタイミングにおいて、CPU(A)251は、ソレノイド113を駆動して反転ローラ7を当接させる。これにより、原稿裏面読取後に原稿後端が搬送ローラ6を抜けた後も、反転ローラ7により原稿の搬送を継続することができる。
その後、CPU(A)251は、原稿後端がフラッパ9を抜けた時点で再度搬送系モーター111の駆動を停止させた後に、原稿が再度反転パス18に進入するように搬送系モーター111を逆転させ、前述した方法により原稿を逆転方向へ搬送駆動を実施する。CPU(A)251は、原稿が反転パス18を進んで搬送ローラ3に到達した時点で再度搬送系モーター111を停止して正転方向に駆動させ、原稿を搬送させる。
ただし、この場合、原稿表面の読み取りは既に完了しているので、読取センサ210による原稿画像の読取は行わない。搬送ローラ3の駆動による原稿搬送を開始したのち、原稿後端が搬送ローラ6を抜けるまでの間の任意のタイミングにおいて、ソレノイド113を駆動させて反転ローラ7を当接させる。これにより、搬送ローラ6を原稿後端が抜けた後も、反転ローラ7により原稿の搬送を継続することができる。その後の処理については片面原稿読取時と同様に行い、原稿は排紙トレイ31へと搬送される。
原稿が原稿トレイ30上に複数枚ある場合には、最終原稿の表面読み取り及び排紙トレイ31への排紙が終了するまで、先述の原稿からの給紙、分離、搬送処理、表面流し読み位置での片面読取処理、及び排紙処理を繰り返す。
なお、裏面原稿を読み取った後に再度反転パス18へ原稿を搬送しない場合には、原稿は、原稿裏面を読み取るために反転されたままで排紙トレイ31に排紙されることになる。この場合、片面読取時とは異なる面(表面)が上面となって排出されるので、複数枚の原稿を読み取った場合、原稿読取後の原稿のページ順は、原稿トレイ30に原稿束Sを積載させた時とは逆になってしまう。これはユーザーにとって不便をもたらす。従って、第1実施形態では、原稿の裏面を読み取った後に再度原稿を反転させ、原稿の読取は実施せずに排紙を行う。その結果、原稿は片面読取時と同じページ順で排出される。このように裏面読取後に原稿を反転搬送させることを面合わせといい、面合わせのために原稿の読み取りを行わずに原稿を反転させる処理を、空反転と記載する。
<搬送ローラ3を用いた斜行角度軽減制御>
第1実施形態の画像読取装置においては、原稿が分離ローラ2で分離された後と両面読取時の反転後とのそれぞれにおいて原稿先端を搬送ローラ3に衝突させる。そして、原稿をそのまま所定搬送距離に相当する時間分押し込む制御を継続することで、原稿先端の斜行状態を解消している。この斜行状態の解消は、メカニカルな斜行補正であることからメカレジあるいは機械的斜行補正と称される。原稿分離時に原稿幅規制板で原稿を整列した場合であっても、原稿幅規制板の当接具合やユーザーにより原稿が乱雑にセットされたことなどに起因して斜行が発生する場合があり得る。
また、主走査方向の幅が異なる複数枚原稿がセットされることで幅の小さいほうの原稿が原稿幅規制板の少なくとも片側が当接しない状態で搬送される等の理由により、斜行が発生するケースがある。更に、主走査方向に対称な位置に一対のローラを配置して原稿を搬送させる場合、搬送ローラの摩耗度や直径のわずかな違い等に起因して、各ローラの搬送速度差が発生する場合がある。あるいは、原稿搬送中の各搬送ローラの回転速度差や、原稿に対する滑りなどが発生することで、搬送中や反転時にも原稿が斜行していく場合がある。それらを解消するためにも、所定ローラ到達時に原稿の挙動を一時的に規制することで、発生した斜行を解消させる必要がある。
図3(a)〜(c)は、斜行解消方法の説明図である。図3(a)は、ADF100の分離ローラ2から搬送ローラ3にかけての部分の拡大図、図3(b)は、その平面図である。第1実施形態では、搬送ローラ3は同軸の二対のローラで構成されており、各ローラには、クラッチ112を介して搬送系モーター111が接続されている。
以下、原稿が斜行した状態で原稿トレイ30に積載されている場合の画像読取装置1000を説明する。原稿搬送が開始されると、分離ローラ2により原稿が分離されて搬送される。この際、搬送ローラ3を所定時間停止させるために、CPU(A)251は、搬送ローラ3に接続されたクラッチ112をOFFにして搬送系モーター111と搬送ローラ3との接続を遮断する。図3(a)に示されたレジストセンサ13に原稿が到達すると、CPU(A)251は、タイマカウントを開始する。このタイマカウントは、原稿の搬送速度もしくは、搬送系モーター111駆動1周期あたりの原稿進み量を元に、「レジストセンサ13から搬送ローラ3までに到達する搬送分+4mmの搬送」に必要なタイマ値を設定してカウントを行う。
図3(a)では、原稿先端の一部が搬送ローラ3に到達しているが、搬送ローラ3は停止状態であるので、原稿が押し込まれ続ける状態を示している。CPU(A)251でカウントしているタイマが上述のように設定されたタイマ値に到達すると、図3(b)に示されるように原稿にループを形成させる。その結果、原稿先端は、搬送ローラ3の挟持部分に主走査方向に対して水平な状態で突き当てられ、先端の斜行が解消された状態となる。なお、搬送ローラ3より少し上流側の部分では4mm分余計に押し込まれた分、ループ空間内にループ(撓み)を形成している。
その後、CPU(A)251は、クラッチ112をONにして搬送ローラ3と搬送系モーター111とを接続状態にして搬送ローラ3が再度回動され、原稿先端から斜行が解消された状態で下流側へと搬送されることになる(図3(c))。第1実施形態においては、約1度程度の斜行を是正することが可能である。
このレジループ制御を実施するか否かの決定は、条件によって変更可能である。また、レジループ制御を実施しない場合は、クラッチ112をON状態にしておき、レジストセンサ13到達後のタイマカウントをさせなくてもよい。この場合、原稿は、原稿先端が搬送ローラ3到達後もそのまま下流へと搬送させることができる。
上述したタイマ値については、クラッチON/OFFの物理的な断接/切断時間をさらに追加した値としてもよい。また両面読み取りを行う場合など、反転パス18から原稿が到達した際は、搬送系モーター111の回転方向をここで切り替える。そのため、反転パス18から原稿の最後端が到達したときには、CPU(A)251は、タイマ値に搬送系モーター111の停止距離分の時間を追加する。CPU(A)251は、タイマカウントがタイマ値に到達すると、搬送系モーター111の駆動を停止させ、回転方向を切り替えてクラッチをONしたのち再度搬送系モーター111の駆動を再開させる。
<リーダ200の構成例>
次に、リーダ200の動作について、図1を参照しながら説明する。リーダ200は、原稿台ガラス202上に載置された原稿に対しては、図示しない光学系モーターにより移動可能に構成された読取ユニット209を、矢線Rに示す副走査方向に一定速度で走査する。このように走査を行うことで、原稿に記録された画像情報を1ラインずつ光学的に読み取る(固定読み)。また、原稿トレイ30に積載された原稿束Sについては、ADF100の表面対向部材5の中心位置に来るように読取ユニット209を移動し、給紙及び搬送される原稿の表面を上述したように光学的に読み取る(流し読み)。
<シェーディング制御>
表面用基準白板219は、シェーディングによる白レベルの基準データを作成するための白板である。原稿の読み取り前に表面用基準白板219を読取ユニット209で予め読み取って画像処理することで、白レベルの基準データを作成する。
<読取画像処理及び斜行検知>
図4に、第1実施形態でのリーダ200で読み取られた原稿画像に対する画像処理の説明図を示す。なお、特に断りのない限り、以下に説明する処理はCPU(A)251の制御により実行される。
読取センサ210により読み取られた原稿画像の画像データは、斜行検知部(α)271に入力され、かつ、画像メモリ(A)送られる。また、斜行検知部(α)271は、読取センサ210から入力された画像データと、CPU(A)251により予め設定された情報とに基づき、読取画像から原稿の斜行検知を行う。第1実施形態では、予め設定される情報として斜行検知領域を用いている。
画像処理部261は、画像データに対して画像処理を行う。画像処理された画像データは斜行画像補正部270へ入力される。斜行画像補正部270は、入力された画像データに対し、CPU(A)251から予め設定された情報と斜行検知部(α)の斜行検知結果に基づき、画像の斜行を画像処理により補正する。この補正処理は電子的(デジタル)な補正であることから、デジレジあるいはデジタル斜行補正と称される。補正された画像は画像転送部(A)255へと出力される。
斜行検知部(α)271が実行する、読取画像から原稿の斜行検知を行う方法を図5(a)から(d)を参照して説明する。図5(a)は読み取られる原稿を表す。図5(b)は、図5(a)の原稿の表面を流し読みで読み取った読取画像を表す。読取ユニット209で原稿画像を読み取る際には、原稿に斜行が発生する可能性があることから、図5(b)のように予め原稿サイズより大きい領域を読み取る。具体的には、画像読取装置1000として許容する量の上限まで斜行が発生していたとしても、原稿全体を読み取ることが可能なように読取領域を拡大する。読取領域の主走査幅については、読取センサ210で読取可能な最大幅で固定する。読取領域の副走査長については、原稿サイズと読取開始タイミング及び読取終了タイミングにより決定される。
図5(c)は、図5(b)の読取画像のうち斜行検知領域におけるエッジ抽出結果を表している。CPU(A)251は、図5(c)に示されるエッジ抽出結果から原稿先端を判定する。その判定結果及び斜行角度の算出方法を図5(c)、(d)を参照して説明する。CPU(A)251は、抽出したエッジのうち連続するエッジを原稿の影として判定し、原稿の影の内側を原稿と判定する。すなわち、原稿の影の1つ内側の画素が原稿端として判定される。
原稿先端の判定後、CPU(A)251は、図5(d)に示すように、読取領域と原稿の主走査方向の先端の縁とが成す角から、斜行角度θを算出する。また、原稿の左上頂点及び右上頂点の座標も合わせて算出する。特に左上頂点(以下、基準端点と呼ぶ)の座標は、斜行補正の際に回転処理の基準として用いられる。
なお、斜行検知領域の設定と斜行検知する原稿のサイズと傾きにより、斜行角度を算出できない場合が存在する。第1実施形態では、斜行角度を算出できない場合とは、斜行検知領域内に原稿先端部の全体(左端から右端まで)が含まれない場合をさす。
斜行が発生した原稿に関して、斜行角度を算出可能な例を図6(a)に、斜行角度を算出できない例を図6(b)に示す。図6(a)の例では、原稿の傾きは、原稿の左上端及び右上端がいずれも斜線で示される斜行検知領域内に収まる程度に小さい。一方、図6(b)の例では、原稿の右上端が斜行検知領域から外れるまでに原稿の傾きが大きくなっている。このように、設定された斜行検知領域に対し原稿の傾きが大きくなると、原稿先端側の左右いずれか(または両方)の頂点が斜行検知領域から外れてしまい、抽出したエッジから原稿先端部を特定することができずに斜行角度を算出することができなくなる。
斜行検知部(α)271は、斜行検知を行った後、斜行検知結果(斜行角度を算出できたか否か、及び斜行角度を算出できた場合にはその斜行角度と基準端点の座標)をRAM(A)252あるいは斜行検知部271のキャッシュメモリに記録する。CPU(A)251は、記録された斜行検知結果を読み出して使用する。
図7、図8及び図9は、搬送路上でのリードセンサ14と搬送中の原稿との位置関係を表した図である。以下、これらの図を参照して、リードセンサ14で検知した原稿先端に基づいて原稿の読取開始タイミングを決定する方法について説明する。なお、これらの図において、斜行が生じていない例については(a1)〜(a4)で説明し、斜行が生じている例については(b1)〜(b6)の符号を付して説明する。図中に記載した主走査位置および副走査位置は、リードセンサ14の主走査位置および副走査位置を示す。また、LUは原稿左上頂点、RUは原稿右上頂点、Wは読取可能な最大幅、pは先端検知点、Dは原稿を示す。
図7(a1)、(a2)、(a3)、(a4)は、搬送中の原稿に斜行が発生していない場合のリードセンサと原稿との位置関係を表す。図7(a1)及び(a3)は、ADF100の断面図、図7(a2)、(a4)はADF100の湾曲した搬送路を平面に展開した図である。図7(a1)と(a2)、(a3)と(a4)の間の鎖線は、それぞれ2つの図における位置の対応を示している。
図7(a2)、(a4)に示すように、リードセンサ14は、搬送路の中で主走査方向の中心位置に配置されている。原稿が搬送されてその先端がリードセンサ14の位置に達すると、リードセンサ14の出力がOFFからONへ変化する。これにより、CPU(A)251は、「原稿先端がリードセンサ14に達した」と判断する。
ここで、リードセンサ14の副走査位置と表面流し読み位置との間の距離をLとする。図7(a2)において、原稿先端がリードセンサ14に達した後、原稿は距離Lだけ搬送される。斜行が生じなかった場合の原稿位置を図7(a4)に示す。図7(a2)、(a4)に、原稿が斜行していない場合を示す。図示されるように、原稿先端がリードセンサ14に達した後、距離Lだけ原稿を搬送したタイミング(図7(a4)で表した時点)で表面の読取を開始しても、原稿先端全体(原稿の左上頂点〜右上頂点)を読み取ることができる。
図8(b1)、(b2)、(b3)、(b4)及び図9(b5)、(b6)は、搬送中の原稿に斜行が発生している場合のリードセンサと原稿との位置関係を表す。図8(b1)、(b3)及び図9(b5)はADF100の断面図、図8(b2)、(b4)及び図9(b6)は湾曲した搬送路を平面に展開した図である。図8(b1)と(b2)、(b3)と(b4)、及び図9(b5)と(b6)の間の鎖線は、それぞれ2つの図における位置の対応を示している。
図8(b2)においては、原稿が斜行している。従って、リードセンサ14の出力がOFFからONへ変化してCPU(A)251が「原稿先端がリードセンサ14に達した」と判断した時点では、実際には原稿左上頂点はリードセンサ14の副走査位置より下流にある。これは、図8(b2)等に示されるように、原稿の先端検知では原稿の頂点ではなく原稿の主走査方向における中心(以下、先端検知点と記載する)が検知されることに起因する。
図8(b2)においては、原稿の主走査方向における中央がリードセンサ14に達した後、距離Lだけ原稿を搬送し、その搬送において新たな斜行が生じなかった場合の原稿位置は、図8(b4)に示すようになる。このとき、リードセンサ14で検知される原稿の先端検知点は、表面流し読み位置に達している。しかし、原稿左上頂点は表面流し読み位置より下流に位置している。このタイミング(図8(b4)で表した時点)で表面の読取を開始すると、表面流し読み位置より下流に位置している原稿部分については読み取ることができず、読取画像に欠落が生じてしまう。
このように、先端検知点と原稿の頂点との間に、斜行により生じる副走査方向における距離dが生じる。このことから、第1実施形態では、リードセンサ14で先端検知が行われた後に、原稿の搬送距離を(L−d)とすることで、斜行が生じたとしても原稿の頂点が表面流し読み位置よりも上流の位置となるようにする。その結果、上述のような読取画像の欠落を防ぐことができる。
具体的には、距離dを20.0mmとして、図8(b2)において原稿先端がリードセンサ14に達した後、距離(L−20.0mm)だけ原稿を搬送する。その搬送において新たな斜行が生じなかった場合の原稿位置は、図9(b6)に示すようになる。このとき、先端検知点は表面流し読み位置の20.0mm上流に位置している。また、原稿左上頂点は表面流し読み位置より上流に位置しており、このタイミングで表面の読取を開始すれば、読取画像に欠落は発生しない。第1実施形態においては、原稿画像先端側の欠落を防ぐために、原稿先端がリードセンサ14に達した後、距離(L−20.0mm)だけ原稿を搬送したタイミングで表面読取を開始する。すなわち、先端検知点が表面読み取り開始位置に達する20.0mm手前から、画像読取を開始する。
この場合、先端側と同様に、原稿画像後端側の欠落を防ぐため、リードセンサ14の出力がONからOFFへ変化する。そして、CPU(A)251は、「原稿後端がリードセンサ14に達した」と判断した後、距離(L+20.0mm)だけ原稿を搬送したタイミングで表面読取を終了する。すなわち、原稿後端のうちリードセンサ14で検知した箇所(以下、後端検知点と呼ぶ)が表面読み取り開始位置に達した20.0mm後に、画像読取を終了する。なお、dの値は20.0mmに限られず、原稿の頂点が表面流し読み位置よりも上流となる範囲で任意に設定することができる。
こうして得られた読取画像に対し、斜行検知部(α)271において斜行検知を行う。原稿を読み取る際には、原稿自体の厚みにより、原稿端の外側に影が生じる。第1実施形態においては、斜行検知部(α)271では、この影を検知して原稿先端を判定し、斜行角度を算出する。具体的には、読取画像のうち斜行検知領域の画像についてエッジ抽出を行った後、連続したエッジを抽出して、原稿先端部の影及び原稿先端を判定し、原稿先端から斜行角度を算出する。斜行検知領域は、後述するように、原稿先端部全体が含まれるように設定されている。
<画像処理>
図4に戻ると、画像処理部261は、画像メモリ260から読み出された画像データの入力を受ける。画像処理部261は、入力された画像データに対し、CPU(A)251から予め設定された情報に基づき、画像データ上のスジ画像等のゴミ画像の検知及び補正の画像処理を施す。
<斜行補正とコントローラ300への画像転送>
図4に示すように、画像処理部261により画像処理された画像データは、斜行画像補正部270へ入力される。斜行画像補正部270は、入力された画像データに対し、CPU(A)251から予め設定された情報に基づき、画像の斜行を画像処理により補正(デジタル斜行補正)し、補正した画像を画像転送部(A)255へ出力する。
図10(a)〜(d)に、第1実施形態における斜行補正の説明図を示す。図10(a)は、補正を行う前の原稿画像を示し、原稿画像は右肩下がりに斜行角度θだけ傾いている。また、斜行検知部(α)271による斜行検知により、原稿の斜行角度θ及び基準端点の座標が算出されている。
斜行画像補正部270は、CPU(A)251から予め設定された原稿の主走査幅と副走査長、斜行角度及び基準端点の座標に基づき、入力された画像データの各画素について出力の可否及び出力の順番を制御して画素の並べ替えを行う。
図10(b)は、図10(a)の画像に対し斜行補正を行った結果の画像を表している。以下の斜行補正は、特に断りのない限り斜行画像補正部270が実行する。図10(c)は、図10(a)の左上部を拡大した図であり、四角に区切られた各領域はそれぞれ一画素を表している。図10(d)は、同じく図10(b)の左上部を拡大した図である。画素の並べ替え方法について、図10(c)、(d)を用いて説明する。
斜行検知方法で説明したように、原稿の読取時には原稿端部分に影が生じる。原稿の影より内側が原稿領域となり、特に原稿の影の1つ内側の画素が原稿端となる。原稿の影及びその外側にある背景は原稿外領域となる。原稿領域内の画素を順に選択し出力していくことで、画素の並べ替えを行う。
画素の出力(並べ替え)は、基準端点から始まり、主走査方向(図10(a)〜(d)における左右方向)のラインごとに、画像先端側(図10(a)〜(d)の上側)から順に行われる。主走査方向1ラインの中では、画像左端側(図10(a)〜(d)の左側)から順に行われる。図10(c)の場合であれば、基準端点である画素1−1から始まり、画素1−2、画素1−3、・・・の順に画素の出力が行われる。図10(c)における画素“m−n”(m、nは整数)は補正後の画像における、先頭からm番目のラインにある、左端からn番目の画素を示す。
画素の出力は、斜行角度θ、基準端点、及びその画素が原稿外領域か否か、に基づき行われる。図7(c)の場合、基準端点の情報により画素1−1を出力した後、画素1−1の右の画素を確認する。しかし画素1−1の右の画素は原稿の影であるので、原稿外領域と判定される。そこで次に画素1−1の右下の画素を確認する。画素1−1の右下にある画素1−2は原稿外領域でなく、また既に出力済みでもないため、その画素を画素1−2として出力する。画素1−2の出力後は、右隣の画素が原稿外領域でなく、また既に出力済みでもないため、その画素を画素1−3として出力する。
斜行画像補正部270は、入力された画像データに対し以上の処理を繰り返し、原稿全体の画素を順に出力する。出力された画素は画像転送部(A)255に入力される。画像転送部(A)は、入力された画素を順にコントローラ300へと転送する。コントローラ300は、送られてきた画素をラインごとに順番に並べることで、図7(d)に示される補正後の画像を得る。また、原稿外領域の画素は並べ替え処理において出力されないので、補正後の画像は、図7(b)に示すように原稿領域が切り出されたものになる。
<斜行角度判定後の動作>
以下、斜行補正の特徴等について記載する。上述したように、第1実施形態の画像読取装置はデジタル斜行補正の機能も有していることから、必ずしも機械的斜行補正は必要ではない。機械的斜行補正を行う場合には搬送ローラ3への原稿の衝突音や搬送系モーター加減速音が発生するが、機械的斜行補正を行わない場合にはそれらがなくなるかもしくは軽減されるので、静穏性に有利である。また原稿搬送速度の加減速やレジループ作成のための押し込み搬送距離(4mm)がなくなるので、生産性の面でも有利である。
しかし、機械的斜行補正を行わずにすべてデジタル斜行補正により斜行補正を行うと、原稿エッジ判定及び斜行補正に必要な画像データを格納するメモリの容量は斜行角度に比例して増大し、コストアップの要因となってしまう。また、原稿先端が読み取り位置に到達する前からの読み出し開始位置も、斜行角度が大きくなるほど手前から開始し、更に原稿後端が読み取り位置を抜けた後の読み出し終了位置も後方に延ばす必要がある。その結果、複数枚の原稿を読み取る場合の原稿間の距離も広くする必要があり、原稿の搬送時間が長くなることから生産性が不利になる。
これらのことから、デジタル斜行補正を使用する際に斜行検知角度が所定角度以上である場合は搬送制御上の制約を設ける必要が生じる。このような制約として、例えば、所定の限界角度値までは斜行補正を行うが限界角度値を超えると斜行補正は行わないことが挙げられる。また、ユーザーのセットした原稿の先端が破れている場合や、変形原稿などの影響で正常な斜行補正ができない可能性を考慮して斜行補正そのものを禁止することも挙げられる。以下、これらの制約を行うか否かを判定する所定角度を限界角度として、限界角度値を3.0度とした例を示す。なお、限界角度値はこの値に限らず任意に設定してよい。
図11(a)、(b)は、それぞれ、斜行角度が限界角度値以下である場合の補正前の画像と補正後の画像を表す。また、図11(c)、(d)は、それぞれ、斜行角度が限界角度値を超える値(3.1度)である場合の補正前の画像と補正後の画像を表す。図11(a)では、斜行角度θは限界角度値の3.0度以下であり、かつ、読み取られた画像は読取領域内にある。従って、図11(b)に示されるように、補正後の画像は画欠け領域は発生していない。
一方、原稿の斜行検知角度が3.1度である図11(c)の場合、限界角度を超えていることから、図11(d)に示されるように補正を行っても3.1−3.0=0.1度の斜行が残った状態でコントローラ300へ転送されることになる。この場合、図11(d)の基準端点より外側の領域は画欠けすることになる。
搬送ローラ3を用いた斜行角度軽減制御に関連して説明したように、第1実施形態におけるADF100は、装置構成上、両面読取モードの場合は反転パス18内で原稿を反転させる必要がある。従って、原稿を分離して原稿の表面及び裏面の読み取りが完了するまでに搬送される距離が長い。セットした原稿の厚み(坪量)が64g紙などの標準的な厚さの原稿であれば特に問題は発生しない。しかし、42g紙以下などの薄紙、あるいは128g紙以上の厚紙など、原稿の坪量が標準値から外れるに従って、同じ原稿搬送制御をしても、搬送される原稿の挙動が異なる場合がある。
また、標準的な厚さであっても原稿の表面性によっては、搬送時にローラ上で滑りが発生するなど、搬送途中に原稿がより斜行する可能性がある。搬送距離が長いとその分斜行角度も大きくなっていく可能性がある。その結果、原稿読取時に斜行検知角度が3.1度以上になり、補正後の画像が画欠けするリスクが高まるおそれがある。
このように斜行角度が限界角度値を超えることによる画欠けを防止するためには、何らかの方法により原稿の斜行角度を限界角度値以下に収める必要がある。第1実施形態では、斜行角度が限界角度値を超える場合には、原稿に対して機械的斜行補正を実行してデジタル斜行補正により補正可能となるように斜行角度を是正する。一方、斜行角度が限界角度値以下である場合には、機械的斜行補正を行わずにデジタル斜行補正による補正を行う。
第1実施形態では、機械的斜行補正を行うか否かを判定するための判定値を設定し、斜行角度がこの判定値を超えた場合に機械的斜行補正を行う。この判定値は、デジタル斜行補正が可能な角度である限界角度値よりも小さい値に設定する。以下にその理由を説明する。
仮に原稿の斜行角度が3.0度(図11(a))となる斜行が原稿の搬送中に生じた場合、その面における斜行は、デジタル斜行補正により図11(b)のように斜行角を0.0度まで補正できる。しかし、両面読取の際には反転動作があり、更に搬送距離が長くなる。そのため、反転後に他面側の原稿が読取センサ到達するまでに斜行角度が増大し、図11(c)のように斜行角度としての斜行角度が3.1度を超えることもあり得る。
その場合、反転後の斜行検知で初めて斜行角度が限界角度値を超えたと判定される。斜行角度が限界角度値を超える場合にはデジタル斜行補正では画欠けが生じることから、その後さらに原稿を反転させて機械的斜行補正を行う必要がある。従って、更なる反転のための搬送及び読取動作が必要となってしまう。このような更なる反転のための搬送などを回避するために、第1実施形態では、判定値を2.0度とし、その角度よりも大きい場合は機械的斜行補正を行う。これにより、反転後に斜行角度が増加して、上述した更なる反転が必要となる自体を回避することが可能となり、通常の両面読取制御と同じ回数だけの反転制御で済むようになるため、無駄が生じない。
<原稿読取動作>
本発明を実施した場合の画像読取制御について、図12を元に説明する。図12は、ADF100を用いて原稿の流し読みを実施する際に、CPU(A)251がROM(A)252に格納されているプログラムを実行することにより実行される処理を表したフローチャートである。
第1実施形態では、ユーザーが操作部304において原稿読取のスタート指示をすることで、CPU(a)251が図12の処理を開始する。
<片面読取モード>
以下、原稿の斜行角度が3.1度として検出され、その後の搬送でもこの斜行角度が変わらない場合を説明する。なお、特に断りのない限り、以下の処理はCPU(A)251が実行する。
CPU(A)251は、「同面変数」及び「読取面転送済変数」を初期化する(S1200)。同面変数は、表面、裏面のそれぞれについて、S1206の原稿読み取りが行われた回数を表す変数である。原稿分離後に機械的斜行補正を行わないようにするために、CPU(A)251は、判定変数に「不要」を示す情報として「N」を格納する。判定変数は、機械的斜行補正を実行するか否かを判定するために設定された変数である。
次に、CPU(A)251は、給紙ローラ1及び分離ローラ2などにより原稿を給紙させる(S1202)。原稿が搬送ローラ3に到達すると、CPU(A)251は、判定変数を参照する(S1203)。S1201で機械的補正判定変数にはNが格納されているので、CPU(A)251は、機械的斜行補正を実行せずに(S1203:N)S1205へ進む。なお、判定変数に「必要」を示す「Y」が格納されていた場合は(S1203:Y)、S1203において、先述した機械的斜行補正を実行し(S1204)、原稿の斜行状態を是正する。
CPU(A)251は、現在の搬送面に対して読み取りが必要か否かを判定する(S1205)。画像を取得してコントローラ300へ転送することが必要である場合、及び、コントローラ300への転送はしないが、斜行検知を実行する必要がある場合は「必要」である。従って、この場合(S1205:Y)は原稿読取を行う(S1206)。一方、両面読取モードで原稿両面の読み取りが終了した後の面合わせのための空搬送時は、搬送面に対する読取は「不要」である。CPU(A)251は、搬送面の読み取りが必要である場合は、S1206へと処理を進める。搬送面に対する読み取りが不要である場合、CPU(A)251は、S1244へと処理を進める。
最初に、表面の画像読取を実行する場合に、搬送面の読み取りが必要であることから、CPU(A)251は、S1206の処理を実行する。
原稿が搬送されて読取ユニット209に接近した場合、CPU(A)251は、所定のタイミングに基づき、S1206において読取センサ210を駆動させて1ラインずつ原稿読取を実施する。次に、CPU(A)251は、全ラインについて読取をしたかを判断する(S1207)。全ライン読み取りが完了していない場合(S1207:N)、CPU(A)251は、再度S1206へと処理を戻す。全ライン分読み取りが終わった場合(S1207:Y)、CPU(A)251は、S1208へと処理を進める。S1208では、斜行検知部(α)271が原稿の斜行量として斜行角度を検知する。
S1208が実行された後、CPU(A)251は、検知された斜行角度に応じて、原稿を斜行画像補正部270に搬送するか、または、反転パス18へと搬送するか、を判定する。第1実施形態では、CPU(A)251は、検知した斜行角度がある値以上(3.1度以上)であるか否かの判定を行う(S1209)。斜行角度が3.1度未満であった場合(S1209:N)は、デジタル斜行補正により補正可能であるので、CPU(A)251は、S1240へと処理を進めて画像をコントローラ300へ転送する。S1240の処理については後述する。斜行角度が3.1度以上であった場合(S1209:Y)、機械的斜行補正が必要であることから、CPU(A)251は、S1210へと処理を進める。
S1210では、CPU(A)251は、同面変数を参照して、同一面に対してS1206の原稿読み取りが1回目の読み取りであるか否かの判定を行う。この判定は、第1実施形態の画像読取装置が反転構成であり、原稿反転後同じ処理を実行することが可能であることから、必要以上の反転制御を実施しないために設けている判断処理である。例えば、原稿先端の破れや角折れなど、斜行検知で正しく角度判定、及び斜行補正できないと判定され得る場合がある。また、原稿トレイに設置された時点での斜行角度が非常に大きく、斜行角度を補正するための機械的斜行補正を何回も繰り返すことが必要となってしまう場合もある。このため、反転する回数には制限が設けられている。
第1実施形態では、反転回数を1回までとする。同面変数はS1200で初期化されているので、原稿の表面の読取は1回目と判定される(S1210:Y)。CPU(A)251は、同面変数に、表面の読み取りが1回行われたことを示す情報を格納する。CPU(A)251は、反転後に機械的斜行補正が「必要」であることから、機械的斜行補正が必要であることを示すために、判定変数に「Y」を格納する(S1211)。その後、CPU(A)251は、原稿を反転パス18へと搬送して原稿の反転処理を実施し(S1212)、S1203を再度実行する。この場合、片面読取モードで表面の斜行角度が3.1度以上なので反転を行っていることから、反転後の読取面は裏面側となる。ここで、機械的斜行補正を実施したことによる効果を確認するため、CPU(A)251は、S1203で機械的斜行補正が必要であると判定し(S1203:Y)、上述したようにS1204〜S1207を実行して斜行検知を実施する(S1208)。
その後、CPU(A)251は、再度S1209で斜行角度が3.1度以上であるか否かを判定し、3.1度以上である場合(S1209:Y)、S1210を実行する。S1206の原稿読み取りは原稿の裏面に対して1回行われており、かつ、裏面についての同面変数は初期値のままであるので、1回目の読み取りと判定される(S1210:Y)。従って、CPU(A)251は、同面変数に裏面の読み取りが1回行われたことを示す情報を格納して、S1211及びS1212を実行してS1203へと処理を進める。この場合、変転後の読取面が表面となり、上述したようにS1203〜1208を実行して原稿の表面の2回目の読み取り及び斜行検知を行う。
なお、第1実施形態では同面1回目の場合には再度機械的斜行補正を行うものとして、原稿の各面について機械的斜行補正回数を2回までとしている。しかし、同面n回目(n=1、2..)までの場合に再度機械的斜行補正を行うものとしてもよい。この場合S1210は「同面n回目以下?」となり、機械的斜行補正を行う回数は(n+1)回となる。これにより、斜行角度が3.1度以上と判定された回数が所定回数以上[(n+1)回以上]となった場合には、原稿は反転パス18には送られず、S1240が実行される。
S1209で再度斜行角度が3.1度未満である場合(S1209:N)、CPU(A)251は、S1240へと処理を進める。S1209で再度斜行角度が3.1度以上であった場合、CPU(A)251は、S1210の判定を行う。この時点で、同面変数には、表面の読み取りが1回行われたことを示す情報が格納されているので、同面2回目と判定され、判定結果はNとなる(S1210:N)。従って、この場合も、CPU(A)251は、画像をコントローラ300へ転送するためにS1240へと処理を進める。
S1240では、CPU(A)251は、画像転送が必要か否かの判断を行う。具体的には、CPU(A)251は、コントローラ300から要求された読取面の画像データがあるか否かを参照し、一致した場合は転送を行う。この例では片面モードであり、表面側の画像読取を行ったことからコントローラへと転送が可能である。そのためCPU(A)251は、転送が必要であると判定し(S1240:Y)、CPU(A)251は、斜行画像補正部270に原稿画像の斜行補正を実行させる(S1241)。その後、CPU(A)251は、斜行補正が完了した画像ラインの画像データをコントローラ300へ転送する(S1242)。
CPU(A)251は、画像データ全ラインがコントローラ300へ転送完了したかを判断する(S1243)。未転送のラインがあれば転送は未完了であると判定し(S1243:N)、再度S1241を実行する。転送すべき画像ラインの転送がすべて完了している場合(S1243:Y)、CPU(A)251は、ユーザーが事前に指定した読取モードに対して、必要な読取面はすべて転送済であるか否かの判定を行う(S1244)。この例は片面モードであることから、表面側画像が転送されていれば画像転送要求は満たされる。従って、CPU(A)251は、必要な読取面はすべて転送済であると判定し(S1244:Y)、面合わせが必要か否かを判定する(S1245)。
この例は片面モードであって原稿の反転は行われないことから、CPU(A)251は、面合わせを行う必要はないと判定し(S1245:N)、原稿トレイ30に原稿が残っているかを判定する(S1247)。原稿が残っている場合(S1247:Y)、CPU(A)251は、再度S1200を実行する。原稿が残っていない場合(S1247:N)、処理が終了される。
<両面読取モード>
次に、両面モードにおける処理を説明する。両面モードでは、いくつかのパターンが存在するので、個別のパターンごとに説明を行う。
<表面、裏面のいずれも画像転送必要時の読取で斜行検知角度0.0度〜1.9度以下の場合>
1)CPU(A)251は、画像読取を開始した後、原稿表面の読み取り処理を実行する。
この例では、CPU(A)251は、S1200からS1208までは片面読取モードと同じ処理を実行する。CPU(A)251は、S1208を実行した後、斜行角度が3.1度以上であるかを判定する。この例では原稿の斜行角度が1.9度以下なので、判定結果はNとなり(S1209:N)、CPU(A)251は、転送が必要か否かを判定する(S1240)。この時点で表面画像は読み取り済で転送する必要があることから、判定結果はYとなり(S1240:Y)、CPU(A)251は、斜行補正を行い(S1241)、斜行補正された画像をコントローラ300へと転送する(S1242)。
CPU(A)251は、転送が完了したかを判定し(S1243)、完了していない場合(S1243:N)は再度S1241を実行する。完了している場合(S1243:Y)、CPU(A)251は、表面、裏面の各画像が転送済みであるか否かを判定する(S1244)。この時点では読取面転送済変数は初期化された状態であり、原稿の裏面の読み取り及び転送はされていないので、判定結果はNとなる(S1244:N)。
CPU(A)251は、読み取られた原稿画像の斜行角度が所定のしきい値度以上であるかを判定する(S1220)。第1実施形態では、このしきい値を2.0度とした。また、この例では斜行角度は1.9度なので、機械的斜行補正が不要であり、判定結果はNとなる(S1220:N)。CPU(A)251は、S1201での処理と同様に判定変数をNとし(S1230)、原稿を反転させる(S1212)。なお、原稿が反転搬送路を搬送される際に原稿の斜行角度が大きくなることもあるので、上述したしきい値は、S1209での限界角度値よりも小さい値とした。
反転後、CPU(A)251は、S1203に戻り、裏面側の読取のための処理を実行する。S1203では先ほどの機械的斜行補正の判定変数はNとなっているので判定結果はNとなり(S1203:N)、CPU(A)251は、機械的斜行補正を行わずにS1205を実行する。
2)CPU(A)251は、表面読み取り時と同様にS1205〜S1209を実行する。この例では斜行角度は1.9度以下であるので、S1209の判定結果はNとなる(S1209:N)。その後、CPU(A)251は、転送が必要か否かを判定する(S1240)。この時点では原稿の裏面を転送する必要があるので判定結果はYとなり(S1240:Y)、CPU(A)251は、上述の表面のときと同様に裏面側の読取画像に対し斜行補正及び画像転送を実行する(S1241〜S1243)。この時点で、原稿の裏面も転送済みであるので、S1244における読取面がすべて転送済みかの判定はYとなる(S1244:Y)。
3)CPU(A)251は、面合わせが必要かを判定する(S1245)。この時点で原稿は反転して裏面が読み取られる状態になっているので、そのまま原稿を排出すると原稿のページ順が逆転することから、判定結果はYとなる(S1245:Y)。ここで、原稿の表面、裏面ともに読み取り済であり、原稿の読み取りは不要であることから機械的斜行補正も不要である。従って、CPU(A)251は、判定変数をNとし(S1246)、原稿を反転する(S1212)。
CPU(A)251は、S1212で反転を行った後、S1203に戻って空反転のための処理を実行する。この時点では機械的斜行補正の判定変数はNとなっているので(S1203:N)、読み取りが必要かを判定する(S1205)。この時点での処理は面合わせの処理であり、読み取りが不要なので判定結果はNとなり(S1205:N)、CPU(A)251は、読取面が転送済であるかを判定する(S1244)。読取面は転送済であるので判定結果はYとなり(S1244:Y)、CPU(A)251は、面合わせが必要かを判定する(S1245)。この時点で原稿の面合わせは不要であるので判定結果はNとなり(S1245:N)、CPU(A)251は、原稿トレイ30に原稿が残っているかを判定する(S1247)。原稿が残っている場合(S1247:Y)、CPU(A)251は、再度S1200を実行する。原稿が残っていない場合(S1247:N)、CPU(A)251は、処理を終了する。
<表面、裏面ともに画像転送必要時の読取で斜行検知角度2.0度〜3.0度の場合>
4)CPU(A)251は、画像読取を開始した後、原稿表面の読み取り処理を実行する。CPU(A)251は、S1200からS1209処理を実行し、S1209の判定結果がNであることからS1240〜S1244を実行する。これらの処理は上述した表面、裏面のいずれも画像転送必要時の読取で斜行検知角度0.0度〜1.9度以下の場合の処理と同様である。
CPU(A)251は、S1244を実行した後に斜行角度が2.0度以上であるかを判定する(S1220)。この例では斜行角度は2.0〜3.0度であるので反転後の機械的斜行補正が必要であり、判定結果はYとなる(S1220:Y)。その後、CPU(A)251は、機械的斜行補正の判定変数「必要」の情報としてYを格納し、原稿を反転させる(S1212)。
S1212で反転を行った後、CPU(A)251は、裏面側の読取のための処理を実行する。まず、CPU(A)251は、機械的斜行補正が必要であるかを判定する(S1203)。機械的斜行補正の判定変数がYであることから、CPU(A)251は、機械的斜行補正が必要であると判定し(S1203:Y)機械的斜行補正を行って(S1204)原稿の斜行角度を是正する。
その後、CPU(A)251は、両面モードで斜行角度が0.0度〜1.9度以下の場合の2)に記載した処理と同一の処理を実行し、処理を終了する。
<表面、裏面ともに画像転送必要時の読取で斜行検知角度が3.1度以上の場合>
5)CPU(A)251は、画像読取を開始した後、原稿表面の読み取り処理を実行する。CPU(A)251は、片面読み取りモードの例と同様にS1200〜S1208を実行した後にS1209を実行する。この例では斜行角度は3.1度以上であるので、S1209の判定結果はYとなる。この場合機械的斜行補正を行って斜行角度を是正した上で再度表面読み取りが必要となる。
なお、第1実施形態では、斜行角度は0.1度単位で検出されるので、限界角度を3.0度とした場合における「限界角度を超える」ことを「斜行角度が3.1度以上」として記載する。従って、CPU(A)251は、同面に対する原稿読み取りが1回目であるか否かを判定する。この時点では原稿の表面に対する1回目の判定であり、同面変数は初期値のままなので、判定結果はYとなる(S1210:Y)。CPU(A)251は、同面変数に表面の読み取りが1回行われたことを示す情報を格納し、判定変数をYとして(S1211)原稿の反転を行う(S1212)。
6)原稿の反転後、CPU(A)251は、裏面側で原稿の斜行角度を検知し、次の表面側の処理を決定するための処理を実行する。そのために、CPU(A)251は、機械的斜行補正が必要かを判定する(S1203)。S1211で判定変数がYとなっていることから、判定結果はYとなり(S1203:Y)、CPU(A)251は、搬送ローラ3を制御して機械的斜行補正を行い(S1204)、原稿の斜行角度を是正して原稿の読み取りが必要かを判定する(S1205)。この時点で、機械的斜行補正の結果を確認する必要があるので判定結果はYとなる(S1205:Y)。その後、CPU(A)251は、S1206〜S1208の原稿読み取り及び斜行検知を行い、斜行角度が3.1度以上であるかを判定する(S1209)。
斜行角度が3.0度未満であれば、CPU(A)251は、S1240以降の処理を実行する。この例では、斜行角度が依然として3.1度以上であることから、S1209の判定結果はYとなり(S1209:Y)、S1210の判定が実行される。この時点では原稿の裏面に対して原稿読み取りは1回目であるので判定結果はYとなり(S1210:Y)、CPU(A)251は、判定変数をYとして(S1211)、原稿の反転を行う(S1212)。その結果、原稿が読み取られる面は表面に戻る。
7)原稿が反転されて表面が読み取られる状態になった後、CPU(A)251は、原稿の表面に対して原稿の斜行角度を検知し、機械的斜行補正が必要かを判定する(S1203)。S1211で判定変数がYとなっていることから、判定結果はYとなり(S1203:Y)、CPU(A)251は、搬送ローラ3を制御して機械的斜行補正を行い、原稿の斜行角度を是正して原稿の読み取りが必要かを判定する(S1205)。この時点で、機械的斜行補正の結果を確認する必要があるので判定結果はYとなる(S1205:Y)。その後、CPU(A)251は、S1206〜S1208の原稿読み取り及び斜行検知を行い、斜行角度が3.1度以上であるかを判定する(S1209)。斜行角度が3.1度以上の場合(S1209:Y)、CPU(A)251は、処理をS1240に進める。
一方、斜行角度が3.1度以上ではない場合は、CPU(A)251は、S1210の判定を行うが、この時点で表面の読み取りが2回目となっているので、判定結果はNとなる。従って、S1209での斜行角度の判定結果がYの場合、Nの場合のいずれにおいても、CPU(A)251は、転送が必要かを判定する(S1240)。この段階では表面、裏面ともに画像転送が行われていないので、判定結果はYとなる(S1240:Y)。なお、転送が不要な場合(S1240:N)には、CPU(A)251は、処理をS1244に進める。
CPU(A)251は、斜行画像補正部270により原稿画像の斜行補正を実行させる(S1241)。この際、S1241での斜行補正で補正可能な角度は最大でも3.0度までであり、斜行角度が3.1度以上の場合であっても3.0度までの補正が行われる。従って、この場合には図11(d)に示されるように画欠けが発生する。
CPU(A)251は、斜行補正が完了した画像ラインの画像データをコントローラ300へ転送し(S1242)、画像データ全ラインがコントローラ300へ転送完了したかを判断する(S1243)。CPU(A)251は、未転送のラインがあれば転送は未完了であると判定し(S1243:N)、再度S1241を実行する。転送すべき画像ラインの転送がすべて完了している場合(S1243:Y)、CPU(A)251は、処理をS1244に進める。
8)CPU(A)251は、表面、裏面の各画像が転送済みであるか否かを判定する(S1244)。この時点では読取面転送済変数は初期化された状態であり、原稿の裏面の読み取り及び転送はされていないので、判定結果はNとなり(S1244:N)、CPU(A)251は、斜行角度が2.0度以上であるかを判定する(S1220)。この例では斜行角度が3.1度以上なので判定結果はYとなり(S1220:Y)、CPU(A)251は、S1221で機械的斜行補正の判定変数にYを格納して原稿を反転させ裏面を読み取り可能な状態とする(S1212)。この時点で原稿表面側の読取及び画像転送処理が終了する。
S1212で原稿を反転した後は、原稿の裏面側の読取のための処理が実行される。CPU(A)251は、機械的斜行補正が必要であるかを判定する(S1203)。判定変数はS1221でYに設定されているので、CPU(A)251は、機械的斜行補正が必要であると判定し(S1203:Y)機械的斜行補正を行って(S1204)原稿の斜行角度を是正する。
その後、CPU(A)251は、現在の搬送面に対して読み取りが必要か否かを判定する(S1205)。この時点では原稿の裏面は読み取られていないので読み取りが必要であり、判定結果はYとなり(S1205:Y)、原稿読取が行われる(S1206)。その後、CPU(A)251は、全ラインについて読取をしたかを判断する(S1207)。全ライン読み取りが完了していない場合(S1207:N)、CPU(A)251は、再度S1206へと処理を戻す。全ライン分読み取りが終わった場合(S1207:Y)、CPU(A)251は、S1208へと処理を進める。S1208では、CPU(A)251は、斜行検知部(α)271により原稿の斜行角度を検知させる。
CPU(A)251は、検知した斜行角度が3.1度以上であるかの判定を行う(S1209)。斜行角度が3.1度以上であった場合(S1209:Y)、機械的斜行補正が必要となる。この場合、CPU(A)251は、読み取りがS1210へと処理を進める。斜行角度が3.1度未満であった場合は、デジタル斜行補正により補正可能であるので、画像をコントローラ300へ転送するために、CPU(A)251は、S1240へと処理を進める。
この例では、表面、裏面のいずれも画像転送必要時の読取で斜行検知角度が3.1度以上であることから、S1209の判定結果はYとなり(S1209:Y)、同面1回目であるかの判定が行われる。
また、この例では、S1240の転送が必要か否かの判定を行うごとに、S1210の同面変数を初期値に戻すものとした。従って、同面での判定は1回目であると判定され、CPU(A)251は、S1211に処理を進める。なお、他の実施形態では、このような同面変数の初期化を行わないものとしてもよい。この場合、CPU(A)251は、同面1回目ではないと判定し(S1210:N)、処理をS1240へと進める。
第1実施形態では、上述した同面変数の初期化を行っていることから、S1210の判定結果はYとなり(S1210:Y)、CPU(A)251は、判定変数をYとして(S1211)原稿を反転させる(S1212)。その結果、原稿の表面が読み取り可能となる。
9)CPU(A)251は、S1203に戻り、上記6)に示したようにS1203〜S1212に示される機械的斜行補正、原稿読み取り、斜行検知、デジタル斜行補正、画像転送及び原稿の反転処理を実行する。ただし、上記4)では原稿の裏面に対して機械的斜行補正等を行って反転により原稿を表面とする処理となっているが、9)での処理は、原稿の表面に対して機械的斜行補正等を行って反転により原稿を裏面とする処理となる。
10)原稿を反転して裏面とした後、CPU(A)251は、S1203に戻り、上記7)に示したように、S1203〜S1210を実行する。ただし、上記7)では原稿の表面に対して機械的斜行補正、デジタル斜行補正及び表面の画像転送を行っているが、10)での処理では、原稿の裏面に対して機械的斜行補正、デジタル斜行補正及び裏面の画像転送を行う。
また、上記7)と同様に、S1209での斜行角度の判定結果がNであったとしても、S1210の判定結果はNとなるのでS1240が実行される。その後、CPU(A)251は、上記5)と同様にS1240〜S1243を行ってS1244へと処理を進める。S1241の斜行補正では、上記7)と同様に、斜行角度が3.1度以上であっても、補正する角度は3.0度までとなる。
この時点では表面、裏面ともに転送済であるので、CPU(A)251は、読取面はすべて転送済であると判定し(S1244:Y)、処理をS1245に進める。
11)CPU(A)251は、上述した表面、裏面のいずれも画像転送必要時の読取で斜行検知角度0.0度〜1.9度以下の場合の3)と同様の処理を行って処理を終了する。従って、S1245の判定結果はY(S1245:Y)となり、S1246で判定変数がNとされ、S1212で原稿が反転されて表面が読み取り可能な状態とされる。その後、CPU(A)251は、S1203〜S1205,S1244、S1245、及びS1247を実行する。原稿が残っている場合(S1247:Y)、CPU(A)251は、再度S1200を実行する。原稿が残っていない場合(S1247:N)、CPU(A)251は、処理を終了する。
以上のように、片面読み取り及び両面読み取りの各モードと、斜行検知角度とに応じた動作例を示した。
なお、原稿の斜行検知角度は機械的斜行補正で是正される。原稿の表面に対して検知された斜行角度が3.1度以上であったとしても、機械的斜行補正により裏面側ではそれ以下の角度になる場合もある。従って、上記のフローチャートの説明は一例であり、S1209等の判定結果は、実際に検知された斜行角度に応じて変更され得る。
両面モード時に表面で3.1度以上であった場合に、上述した例では表面側の転送が終わってから裏面側の読取と画像転送を実施している。しかし、コントローラ300に対する画像転送順の規定がなされている場合は、最初の裏面側の時に読み取った画像を転送し、その後反転後に表面側の画像読取と画像転送を実行してもよい。その場合、原稿の反転回数を減らすことが可能である。
S1209では、表面で検知された斜行角度が3.1度以上で、裏面で斜行角度を検知した後に、表面で検知された斜行角度が再度3.1度以上であった場合には、例外処理を実行してもよい。例外処理としては、デジタル斜行補正を実行しないか、あるいは斜行補正を3.0度までとすることが例示される。この場合は操作パネルを通じてユーザーにその旨を通知するなどしてもよい。
第2実施形態
<機械的斜行補正の実施有無の切り替え>
第1実施形態では、斜行検知角度に応じて機械的斜行補正を行う画像読取について説明した。しかし、第1実施形態で反転制御が入った場合、読取画像の品質は向上するものの、原稿が排紙トレイ31に排紙されるまでにかかる時間が長くなる。一方、機械的斜行補正をしない場合、斜行角度が3.1度以上になるとコントローラ300へ転送される画像には欠落部が発生するので、原稿に画像を形成して排紙が完了するまでの時間は短くなるものの画像品質は落ちてしまう。
このことから、第2実施形態では、ユーザーによる読取動作モード選択のための設定画面を表示して、画像品質と生産性のいずれを優先とするかを決定可能とした。
図13に、ユーザーによる読取動作設定画面の表示例を示す。また、図14に、図13の操作画面を操作した場合に実行される処理のフローチャートを示す。図13において、枠1103は、入力部としてのコントローラ300の操作部304に設けられた画面表示部全体の枠を示し、その内側は液晶タッチパネルによって構成された表示エリアである。画面上には、読取動作を画像優先、速度優先のいずれのモードにするかを選択するためのボタン1101、1102、1105、1106が設けられている。
ボタン1101は画像優先モード、ボタン1102は速度優先モードをそれぞれ選択するためのボタンであり、ボタン1105は設定取り消し、ボタン1106は選択された設定を確定するためのボタンである。第2実施形態では、操作部304の初期メニュー画面(図示せず)からユーザーはタッチパネルを通じて各ボタンの選択を入力するものとしたが、入力方法としてはマウス、キーボード等任意の入力手段を用いることができる。
画像優先モードは、画像読取装置1000を画像優先モードで動作させるモードである。画像優先モードが設定されると、画像読取装置1000は、検知した斜行角度に応じて反転動作を行い、反転後に機械的斜行補正を実行する。
速度優先モードは、生産性を優先する、つまり読取処理を完了するまでの時間を短縮することを優先する設定ボタンであり、このモードが選択されると、画像読取装置1000は、斜行検知角度にかかわらず機械的斜行補正は実行しない。
具体的には、図12のフローチャートを参照すると、CPU(A)251は、S1209で斜行角度が3.1度以上であるか否かを判定している。しかし、第2実施形態で速度優先モードが選択されている場合、CPU(A)251は、S1209での判定結果にかかわらず、あるいは判定自体を行わずにS1240へと処理を進める。この場合、S1240では、空反転時を除き、CPU(A)251はS1241へと処理を進める。
同様に、速度優先モードが選択されている場合、S1220では、CPU(A)251は、S1241での判定結果にかかわらず、あるいは判定自体を行わずにS1230へと処理を進める。
以下、図13の操作画面を操作した場合に実行される処理を説明する。初期メニュー画面を表示した状態から読取動作設定が選択されて図13の読取動作設定画面に遷移すると、図14に示すフローチャートに示される処理が実行される。なお、特に断りのない限り、図14に示された各処理は、CPU(B)301によって実行される。
読取動作設定画面が表示されると、CPU(B)301は、現在の動作モード情報を格納する(S1400)。この例では、現在の動作モード情報を変数Aとして格納している。
次に、CPU(B)301は、図13に示されるボタンのいずれかが選択されたか否かを判定し(S1401)、選択されていない場合は再度S1401を実行する。いずれかのボタンが選択されると、CPU(B)301は、どのボタン選択されたかを判定する(S1402)。
ボタン1101が選択された場合、CPU(B)301は、画像優先モード情報を変数Aに格納し(S1410)、S1401に戻る。ここで、画像優先モードは、画像読取装置1000を画像優先モードで動作させるモードである。画像優先モードが設定されると、画像読取装置1000は、検知した斜行角度に応じて反転動作を行い、反転後に機械的斜行補正を実行する。
ボタン1102が選択された場合、CPU(B)301は、速度優先モード情報を変数Aに格納し(S1420)、S1401に戻る。
ボタン1105が選択された場合、ユーザーは読取動作設定画面での設定取り消しを選択しているので、CPU(B)301は、リーダ200のCPU(A)251に対して動作モード情報を送信せずに初期メニュー画面に戻り(S1404)、処理を終了する。
ボタン1106が選択された場合、CPU(B)301は、リーダ200のCPU(A)251に対し、変数Aに格納された動作モード情報を送信する(S1403)。これにより、変数Aに格納された動作モードへと切り換えがなされ、画面は初期メニュー画面に戻り、読取動作設定が終了される。
CPU(A)251は、図11のフローチャートを動作させる場合、必要に応じてこの送信された情報を使用して画像読取装置1000を動作させる。
以上説明したように、第1及び第2実施形態では、読取センサによる原稿の読取を行うたびに斜行角度の検知を行うことで原稿の斜行検知を複数回行っている。そして、斜行角度の検知結果に応じて、メカニカルな斜行補正、デジタル斜行補正のそれぞれを単独で実行するか、あるいは組み合わせて実行するかなどを決定している。その結果、従来技術に比較して必要に応じて斜行補正をより正確に実行することができ、読み取られた画像の品質が向上する。
また、最初の1枚目の原稿の斜行角度を1回検知し、その結果により斜行補正をどのように実行するかを決定すると従来技術よりも、原稿を読み取って得られる画像の品質が向上する。また、メカニカルな斜行補正では斜行補正時の騒音が問題となるが、第1及び第2実施形態では、メカニカルな斜行補正の実行回数が抑制されるので、静音性も向上している。
以上、本発明を第1実施形態及び第2実施形態により説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。

Claims (9)

  1. 原稿が載置される原稿トレイと、
    前記原稿トレイから給紙された前記原稿を搬送路に搬送する搬送手段と、
    搬送された原稿の斜行を補正する原稿斜行補正手段と、
    前記原稿斜行補正手段により斜行補正された前記原稿から原稿画像を読み取る原稿読取手段と、
    前記原稿画像の読み取りが行われた後の原稿を前記原稿斜行補正手段へと搬送する戻り搬送路と、
    前記原稿読取手段で読み取られた前記原稿画像の斜行量を検知する斜行量検知手段と、
    前記検知された斜行量に応じて前記原稿画像に対して斜行補正を行う斜行画像補正手段と、
    を備えた画像読取装置であって、
    前記斜行量が検知された原稿を、検知された斜行量に応じて、1)前記斜行画像補正手段に搬送するか、または、2)前記原稿を前記戻り搬送路へと搬送するか、を判定する制御手段を有することを特徴とする、画像読取装置。
  2. 前記制御手段は、前記検知された斜行量が第1の値以上であった場合に、前記原稿を前記戻り搬送路に搬送すると判定することを特徴とする、
    請求項1に記載の画像読取装置。
  3. ユーザーからの入力を受け付ける入力部を更に有し、
    前記制御手段は、前記斜行量検知手段により検知した斜行量が前記第1の値以上であった場合に、前記入力部を通じたユーザーからの入力に応じて、前記原稿を前記戻り搬送路に搬送するかを判定することを特徴とする、
    請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記制御手段は、前記斜行量検知手段によって検知された斜行量が前記第1の値以上であっても、前記第1の値以上であると判定された回数が所定回数以上となった場合は、前記原稿を前記斜行画像補正手段へと搬送すると判定することを特徴とする、
    請求項2に記載の画像読取装置。
  5. 前記戻り搬送路は、前記原稿を反転させる反転搬送路であり、前記原稿は、前記反転搬送路を通じて搬送されることで、原稿読取手段で読み取られる面が前記原稿の一方の面から他方の面へと変更されることを特徴とする、
    請求項1に記載の画像読取装置。
  6. 前記制御手段は、前記原稿のそれぞれの面について、前記斜行量検知手段によって検知された斜行量が第1の値以上であると判定された回数が所定回数以上となったかを判定し、所定回数以上となった面については、前記原稿を前記斜行画像補正手段に搬送すると判定することを特徴とする、
    請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 前記制御手段は、前記斜行画像補正手段により前記画像が補正された後に、前記原稿の斜行量が第2の値以上であるか否かを判定し、第2の値以上である場合には、前記原稿斜行補正手段により前記原稿の斜行を補正することを特徴とする、
    請求項2に記載の画像読取装置。
  8. 前記第2の値は前記第1の値よりも小さい値であることを特徴とする、
    請求項7に記載の画像読取装置。
  9. 前記原稿斜行補正手段は、前記原稿を搬送する搬送ローラの回転を所定時間停止させ、停止した前記搬送ローラに前記原稿を搬送して突き当てることで、前記原稿の斜行を補正することを特徴とする、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像読取装置。
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