JP2019518780A - 虚血性潰瘍及び伸展線の処置用組成物 - Google Patents

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ウィッテル ホセ ベルナベウ
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Abstract

本発明は、伸展線、及び/又は好ましくは虚血由来の皮膚潰瘍を軽減、改善、予防、及び/又は治療するために使用される組成物に関する。本発明はまた、組成物、医薬形態、及びこれらの使用に関する。

Description

本発明は、医学及び薬学の分野に含まれ、伸展線及び潰瘍、好ましくは皮膚潰瘍、及び特に虚血由来の潰瘍を処置するために使用される医薬の製造における、ベンゾチアゼピン、その薬学的に許容できる塩、溶媒和物、及び水和物の使用に関する。
線状萎縮症(striae distensae)(SD又は伸展線)を上手く処置することは、常に困難なことであり続けている。Nardelliは、1936年にこれらの病変を最初に形態的に正しく描写し、このときにNardelliは、これらの病変を線状皮膚萎縮症(striae atrophicae)と分類した。伸展線の厳密な由来は依然として未知であり、伸展線の進行を担う因子は依然として理解されていない。SDの原因ははっきりとしていないものの、いくつかの理論が提案されてきた(Elsaieら,2009.Dermatol Surg 35:563−573)。
SDを高解像のエピルミネスセンス比色分析評価することにより、4つの異なる種類:striae alba、striae rubra、striae caerulea、及びstriae nigraが識別されている。メラノサイトメカノバイオロジーの直接的及び間接的影響は、異なる色のSDに著しい影響を有すると思われる(Pierard & Hermans 2006.JEADV 20:282−7)。伸展線の組織学は瘢痕の組織学であり、SDが進行することは、創傷治癒又は瘢痕形成の進行になぞらえられてきた。初期段階では、炎症性の変化が目立つ場合があるが、その後、表皮は薄く平坦となる。最近のSDは、細静脈の周りの、深く、かつ表在性の血管周囲リンパ球性浸潤を示している。
真皮網状層の上部3分の1に存在するコラーゲン結合が伸び、皮膚表面に平行に並べられる。後期段階において、乳頭間***の平坦化、並びにコラーゲン及びエラスチンの喪失により、表皮が菲薄化する。
SDの進行の際の、文献での異なる仮説のいくつかとしては、以下が挙げられる:
1.感染症が、微生物毒素により組織を損傷するストリアトキシン(striatoxin)の放出をもたらす。
2.結合組織構造の破壊(例えば、妊娠、肥満、重量挙げ)をもたらす可能性のある、伸びの機械的効果。
3.体の特定の領域のサイズの増加をもたらす、青年期に見られる通常の成長、及び思春期中の伸び。
4.体におけるステロイドホルモン量の増加;
クッシング症候群、線維芽細胞に異化効果を有する、局所又は全身ステロイド療法。
5.遺伝因子(エーラス・ダンロス症候群を有するヒトにおける、妊娠中に伸展線が存在しないこと、及び、マルファン症候群に対してはさほど重要でない診断基準の1つとして伸展線が存在することは、遺伝学が重要な役割を果たしていることを示唆している)。
6.妊娠、妊娠誘発高血圧症用の医薬、ヒト免疫不全ウイルス、又は、結核及び腸チフスなどの疾患と関連する、免疫抑制の段階。
7.慢性肝疾患との関連。
いくつかの処置が提案されてきたが、安定したものは1つも存在しない。何人かは、時間が唯一のSDの処置であり、時間が経てば通常の状態に戻る、と示唆しているが、これは正しくはないようである。少し前には、SDを処置する最も効果的な段階は、活性段階の間、即ち瘢痕化プロセスが完了する前であることもまた示唆されていた。第1の信頼のおける処置法には、トレチノインクリームの使用が伴った。様々な結果と共に、後の方法、例えばVerum(予防効果がある)、Alphastria(予防効果がある)、オイルを用いたマッサージ(予防効果がある)、グリコール酸及びトリクロロ酢酸を用いたピーリングが報告された。最も広範に使用されているレーザー処置である、585nmのフラッシュランプポンピングパルス色素レーザー(PDL)を用いたレーザー処置が、最近では代替として現れている。
潰瘍に関しては、潰瘍形成は通常、0.18〜2%の全体的な有症率で下肢に発生し、年齢が65歳を超える患者では有症率は5%である。下肢における大部分(約70%)の潰瘍形成は、静脈型である。虚血由来の動脈型潰瘍は通常、10〜30%を占める。他のソースによると、年齢が65歳を超えるヒトにおける動脈潰瘍の有症率は、8〜11%を占める。年齢が60歳以下の対象では、有症率は約2%である。
虚血由来の潰瘍の発症は、いくつかの因子によるものである場合がある:潰瘍は、皮膚脈管構造状態の結果として生じ得、これは転じて、別の基礎疾患(慢性静脈不全、アテローム性動脈硬化症、真性糖尿病、血管炎、血栓形成傾向、全身性硬化症など)によるものである場合がある;他の場合では、潰瘍は医学処置又は外科処置の結果である場合がある。虚血由来の潰瘍が、患者の別の疾患を処置するために適用される処置と同時に生じる場合、医師は、この別の基礎疾患の処置を中断して潰瘍を予防するか否かを、この判断が伴う全てのリスクと問題を含めて、決定する必要があり得る。
主として経口経路で投与される、より一般的な外傷ケアが、虚血由来の潰瘍の処置に使用されている。血圧、コレステロール、及び糖尿病用の医薬が、アスピリン、又は他の抗凝血物質若しくは抗血小板医薬と共に、通常処方される。場合によっては、血管への対比色素の注射からなる試験である血管造影像を実施することができ、特別なX線を利用して閉塞を識別する。他の場合、血流を回復するために、バイパス手術が必要となる場合がある。虚血由来の潰瘍の発症は、(凍瘡の場合のように)より高い有症率を伴って、より一般的で広範囲にわたる病理で、また、より深刻な病理(例えば、糖尿病から生じる合併症)で、生じる場合があることを明記しておかなければならない。いくつかの例を以下に示す。
−凍瘡(凍傷性紅斑、より一般的には凍傷)は、例えば、虚血由来の潰瘍をもたらし得る。凍瘡は、寒気と接触した後に肢端の位置で見出される、炎症性の紅斑性、及び多くの場合、掻痒病変の進行からなる。合併症は、痛みを伴う亀裂、重感染の形成、又は実際の潰瘍形成となる局所的なものであり得る。凍瘡に関係する疫学的データは多くは存在しないが、凍瘡は、低温の季節中、及び寒冷気候の地域においては非常に一般的である。いくつかの論文では、イングランドにおける毎年10%の罹患率について言及している。一般に、凍瘡は通常、より頻繁に若い女性に影響を及ぼす。凍瘡の処置は主に、寒気への曝露を最小限にするための処置に焦点を当てており、これらの処置により改善しない患者に対しては、薬理学療法を指定している。凍瘡の患者は、関係する領域を、適切に遮蔽された衣類、手袋、又は履物を用いて暖かく保ち、好適な保護を用いることなく寒気に曝露しないように助言されている。患者は、血管疾患へのタバコ中毒の有害な影響が原因で、禁煙するようにも奨励されている。凍瘡に対する、他の処置の有効性に関するデータは制限されている。局所用コルチコステロイド及びニフェジピン(心血管疾患に対して必要とされている)は特に、最も幅広く使用されている薬理学療法である。臨床での実施において、凍瘡により引き起こされる病変の分析を加速させるために、中潜在能から高潜在能の局所用コルチコステロイドが処方されているが、コルチコステロイドを用いた局所療法の有効性を確認した試験は、未だに発見されていない。皮膚萎縮は、この処置の潜在的な有害反応である。他の療法、例えば、コルチコステロイド、経口プレドニゾン、プラゾシン、ペントキシフィリン、ニコチンアミド、局所用ミノキシジル、ニトログリセリンペースト、及び局所用タクロリムスの病巣内注射の使用についての、別の報告が存在する。しかし、これらの療法の有効性を測定するために、更に追加の研究が必要とされている。
−真性糖尿病は、潰瘍、例えば糖尿病性足部潰瘍が生じ得る別の疾患である。いくつかの推定では、国際糖尿病連合に従うと、糖尿病患者の数は2035年には5億人を超えるまでに増加するであろうことが予測されている。糖尿病患者の脚部潰瘍の罹病性は、年齢、性別、健康状態、及び社会的要因により変化する。糖尿病性足部潰瘍の一年間での発生についての推定は、先進国において、糖尿病患者の2.5〜10.7%の範囲となっている。教育、発達した療法、又は一体化したヘルスケアインフラが存在しないことが原因で、罹患率は途上国のほうが高い可能性がある。下肢の更に深刻な潰瘍では、四肢の切断が必要となり得る。合併症及び不適切な取り扱いにより生じる切断は、高価である。アメリカでは、肢の切断では、平均で約7万ドル、全体のヘルスケアシステムについては毎年300億ドルのコストがかかっている。EUでは、切断は、糖尿病性足部潰瘍の処置コストが症例1件あたり5万ユーロ(56,687ドル)を上回って増加し得る。
−全身性硬化症(又は強皮症)は、皮膚、及び体の他の部分における、瘢痕組織に似た組織の蓄積からなる自己免疫疾患である。これにより、小さな動脈壁を覆う細胞もまた損傷する。この疾患の世界規模の有症率は、1年で住人100万人あたり242件の症例であると推定され、その発生は、1年で住人100万人あたり0.6〜19件の症例の範囲であり、男性よりも女性に約3倍も影響を及ぼす。
皮膚潰瘍を処置するために使用される、市販されている主な製品に関しては、以下が含まれる:
・アルプロスタジル(静脈内投与用の注射液)
・ケタンセリン+ベンゾカイン(ゲル)
・カタラーゼ+ゲンタマイシンサルフェート(ゲル)
・クロラムフェニコール+デオキシリボヌクレアーゼ+フィブリノリジン(軟膏)
・クロルヘキシジン塩酸塩+ジフェンヒドラミン+ヒドロコルチゾンアセテート(クリーム)
・クロステボル+ネオマイシンサルフェート(局所/膣経路用のクリーム)
・アラントイン(軟膏)
・コラゲナーゼ(軟膏)
・クロストリジウムヒストリチクムコラゲナーゼ+ネオマイシンサルフェート(軟膏)
・ベンダザク(眼経路用の溶液、経口経路用の錠剤、局所塗布用のクリーム及び軟膏)
・ブロメライン(軟膏)
・ブクラデシン(軟膏)
・リゾチーム塩酸塩(局所塗布用の軟膏及び貼付剤)
・ネピデルミン(軟膏)
・ポリデオキシリボヌクレオチド(軟膏、局所使用用の溶液、筋肉注射液、皮下注射液、及び眼投与用の溶液)
・ナトリウムアセクサメート(軟膏)
・トラフェルミン(スプレー)
・トレチノイン(軟膏)
・ウシフィブリノリジン+ウシデオキシリボヌクレアーゼ(軟膏)
・トロラミン+スルファセタミドナトリウム(軟膏)
これらの製品に加えて、この指示のために販売される製品の大部分は、潰瘍から生じる潜在的な感染症に対抗するための、抗生物質及び抗菌薬である。したがって、これらは、疾患の原因を標的化しない、対症療法としてより良く説明される。皮膚潰瘍に対して開発されている製品に関して、前臨床段階に依然として存在する、別の更なる8種類の製品に加えて、臨床開発の段階IIでは、4種類の製品が存在する。しかし、これらの大部分は、褥瘡に対して開発されている。
具体的には、凍瘡(凍傷)の処置で示される以下の製品が、識別されている:
・ベータメタゾンバレレート+ゲンタマイシンサルフェート(クリーム)
・ヒドロコルチゾンアセテート(局所塗布用のクリーム及びエマルション、直腸投与用のエアゾールフォーム)
・ペントサンポリ硫酸ナトリウム(軟膏)
・コンドロイチン硫酸ナトリウム(ゲル、クリーム、軟膏、及びローション)
・トリアムシノロンアセトニド(クリーム及び軟膏)
上述の疾患(伸展線及び皮膚潰瘍)に対する多数の治療方法が存在するが、いずれの方法も、他の方法よりも適合しているわけではない。これらの問題、及びそれらに由来する問題に対する効果的な新規の代替物を明確にするために、更なる研究及び臨床試験が必要である。
発明の簡単な説明
本発明の第1の態様は、伸展線を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、一般式(I)
Figure 2019518780
[式中、Rは0〜9回存在することができ、各Rは、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホネート、ペルハロアルキル、−OR、−N(R、−CN、−C(=Z)R、−C(=Z)OR、−C(=Z)N(R、−N(R)−C(=Z)R、−N(R)−C(=Z)N(R、−OC(=Z)R、及び−SR、−SOR、−SOからなる群から独立して選択され、
式中、Zは酸素又は硫黄であり、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル−アルケニル、C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖アルキニル、C−Cシクロアルキル−シクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されている。
Xは酸素、硫黄、NR、C(Rからなる群から選択され、
式中、Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−C、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されているか、あるいは、
2つのR及びXが、C−Cシクロアルキル、複素環、アリール、又はヘテロアリールを形成することができ、任意に置換されている。
は、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホネート、ペルハロアルキル、−OR、−N(R、−CN、−C(=Z)R、−C(=Z)−OR、−C(=Z)N(R、−N(R)−C(=Z)R、−N(R)−C(=Z)N(R、−OC(=Z)R、及び−SR、−SOR、−SOからなる群から選択され、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されている。
は、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、任意に置換された−C(=Z)R、−C(=Z)OR、及び−C(=Z)N(Rからなる群から選択され、式中、Zは酸素又は硫黄であり、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されており、
Yは酸素又は硫黄である。]
の化合物、又はその任意の塩、好ましくは任意の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できるエステル、互変異性体、多形体、水和物、又は異性体、プロドラッグ、誘導体、溶媒和物、若しくは類似体、又はこれらの任意の組み合わせ(以下、本発明の化合物)の使用に関する。
あるいは、第1の態様は、伸展線を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために用いられる、本発明の化合物に関する。
本発明の本態様の好ましい実施形態において、化合物は、式(II)のジルチアゼム、即ち、CAS番号が42399−41−7である、cis−(+)−[2−(2−ジメチルアミノエチル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−オキソ−6−チア−2−アザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7,9,11−トリエン−4−イル]エタノエートである。
Figure 2019518780
第2の態様は、皮膚潰瘍を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、本発明の化合物、又はその任意の塩、好ましくは任意の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できるエステル、互変異性体、多形体、水和物、又は異性体、プロドラッグ、誘導体、溶媒和物、若しくは類似体、又はこれらの任意の組み合わせの使用に関する。あるいは、第2の態様は、皮膚潰瘍を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために用いられる、本発明の化合物、又はその任意の塩、好ましくは任意の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できるエステル、互変異性体、多形体、水和物、又は異性体、プロドラッグ、誘導体、溶媒和物、若しくは類似体、又はこれらの任意の組み合わせに関する。
本発明の本態様の好ましい実施形態において、皮膚潰瘍は虚血性潰瘍である。より好ましくは、これらの潰瘍は、異なる臨床管理を有する虚血由来の潰瘍である。
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、虚血性潰瘍の発生と共に引き起こされる疾患の処置のために使用される。より好ましくは、虚血性潰瘍の発生と共に引き起こされる疾患は、凍瘡、表皮水疱症、静脈不全、血管炎、コラーゲン異常症(例えば、全身性エリテマトーデス及び全身性強皮症などがあるが、これらに限定されない)、縫合披裂により引き起こされる潰瘍、術後の皮膚虚血性危険状態(皮弁若しくは皮膚片)、糖尿病性微小血管障害により引き起こされる皮膚潰瘍(糖尿病性足病変)、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。
第3の態様は、伸展線を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、少なくとも1種の本発明の化合物、又は互変異性体、薬学的に許容できる塩、誘導体、又はこれらのプロドラッグを含む組成物(以下、本発明の組成物)の使用に関する。あるいは、第3の態様は、伸展線を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために用いられる、本発明の組成物に関する。
本態様の好ましい実施形態において、本発明の組成物は医薬組成物である。本態様の別の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に許容できる担体、又は薬学的に許容できるビヒクル及び/若しくは賦形剤を更に含む。
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は化粧用組成物である。
第4の態様は、皮膚潰瘍を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、あるいは、皮膚潰瘍を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために用いられる、本発明の組成物の使用に関する。
本発明の本態様の好ましい実施形態において、皮膚潰瘍は虚血性潰瘍である。より好ましくは、これらの潰瘍は、異なる臨床管理を有する虚血由来の潰瘍である。
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、虚血性潰瘍の発生と共に引き起こされる疾患の処置のために使用される。より好ましくは、虚血性潰瘍の発生と共に引き起こされる疾患は、凍瘡、表皮水疱症、静脈不全、血管炎、コラーゲン異常症(例えば、全身性エリテマトーデス及び全身性強皮症などがあるが、これらに限定されない)、縫合披裂により引き起こされる潰瘍、術後の皮膚虚血性危険状態(皮弁若しくは皮膚片)、糖尿病性微小血管障害により引き起こされる皮膚潰瘍(糖尿病性足病変)、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。
線状萎縮症(striae distensae)を伴う腹部皮膚潰瘍(図1a)、及び局所ジルチアゼムによる処置後に治癒した皮膚潰瘍(図1b)。 凍瘡の患者(図2A)。12時間毎にジルチアゼムを適用する、3日後の臨床応答(図2B)。 12ヶ月の進行における、慢性潰瘍の表皮水疱症の患者(図3A)。12時間毎にジルチアゼムで処置した、4週間後の臨床応答(図3B)。 脚部における、血管遅鈍性潰瘍の臨床応答。 腹部手術後の縫合披裂(図5A)。クロルヘキシジンで、その後12時間毎に2%ジルチアゼムクリームで3週間治癒した後の、端が鬱血した深部潰瘍の披裂の図(図5B)。
本発明の医薬としての使用
本発明者らは、線状萎縮症(striae distensae)及び虚血由来の皮膚潰瘍を2%のジルチアゼムクリームで処置することが効果的であることを発見した。
したがって、本発明の第1の態様は、伸展線を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、一般式(I)
Figure 2019518780
[式中、Rは0〜9回存在することができ、各Rは、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホネート、ペルハロアルキル、OR、−N(R、−CN、−C(=Z)R、−C(=Z)OR、−C(=Z)N(R、−N(R)−C(=Z)R、−N(R)−C(=Z)N(R、−OC(=Z)R、及び−SR、−SOR、−SOからなる群から独立して選択され、
式中、Zは酸素又は硫黄であり、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル−アルケニル、C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖アルキニル、C−Cシクロアルキル−シクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されている
Xは酸素、硫黄、NR、C(Rからなる群から選択され、
式中、Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−C、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されているか、あるいは、
2つのR及びXが、C−Cシクロアルキル、複素環、アリール、又はヘテロアリールを形成することができ、任意に置換されている。
は、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホネート、ペルハロアルキル、−OR、−N(R、−CN、−C(=Z)R、−C(=Z)OR、−C(=Z)N(R、−N(R)−C(=Z)R、−N(R)−C(=Z)N(R、−OC(=Z)R、及び−SR、−SOR、−SOからなる群から選択され、式中、Zは酸素又は硫黄であり、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されている。
は、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、任意に置換された−C(=Z)R、−C(=Z)OR、及び−C(=Z)N(Rからなる群から選択され、式中、Zは酸素又は硫黄であり、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されており、
Yは酸素又は硫黄である。]
の化合物、又はその任意の塩、好ましくは任意の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できるエステル、アミド、互変異性体、多形体、水和物、又は異性体、プロドラッグ、誘導体、溶媒和物、若しくは類似体、又はこれらの任意の組み合わせ(以下、本発明の化合物)の使用に関する。あるいは、第1の態様は、伸展線を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために用いられる、本発明の化合物に関する。
用語「伸展線」とは、筋、細片(strip)、又は線に似た皮膚の不規則な領域を意味する。伸展線は、ヒトが成長する、急激に体重が増える、又は特定の状態若しくは疾患を示す場合に観察することができる。伸展線は、皮膚があまりに速く伸びた場合に生じる可能性がある。伸展線は多くの場合、妊娠中に女性の腹部が大きくなった際に観察することができる。伸展線はまた、急速に肥満になった子どもでも生じる可能性がある。同様に、伸展線は思春期を通して急成長する男の子及び女の子でも生じる可能性がある。伸展線の最も一般的な場所は、胸、股関節部、大腿、臀部、腹部、及び側面に見出すことができる。伸展線は、赤みがかった艶のある平行線の形態で、そして薄い皮膚の形態で生じ、時間と共に白みがかり、瘢痕のように見える。伸展線は僅かにくぼむ場合があり、通常の皮膚とは異なる肌触りを有する場合がある。伸展線はまた、コラーゲンの異常形成の結果として、又は、コラーゲン形成と干渉する医薬品若しくは化学物質の結果として発生する場合がある。伸展線は同様に、コルチゾン化合物の継続使用、糖尿病、クッシング病、及び産後期間と関係する場合がある。原因としては、以下のいずれかが挙げられ得る:クッシング症候群、エーラス・ダンロス症候群、妊娠、思春期、肥満、及び/又はコルチゾン系スキンクリームの過剰使用(アメリカ国立医学図書館)。
本発明の本態様の好ましい実施形態において、化合物は、式(II)のジルチアゼム、即ち、CAS番号42399−41−7のcis−(+)−[2−(2−ジメチルアミノエチル)−5−(4−メトキシフェニル)−3−オキソ−6−チア−2−アザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7,9,11−トリエン−4−イル]エタノエートである。
Figure 2019518780
本記載を通して、「ジルチアゼム」は塩酸塩に限定されず、むしろ、塩酸塩ではないあらゆる全ての塩を含む。更に、「ジルチアゼム」は、遊離塩基化合物を含む。示すように、本発明の範囲は、(2R,3S)異性体、(2S,3R)異性体、及び(2R,3R)異性体を含む、ジルチアゼムの他のジアステレオマーの使用もまた含む。本発明の範囲は、光学的に不活性の混合物、及びラセミ混合物を含む、前述の異性体のあらゆる全ての混合物の使用もまた含む。
第2の態様は、皮膚潰瘍を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、本発明の化合物、又はその任意の塩、好ましくは任意の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できるエステル、アミド、互変異性体、多形体、水和物、又は異性体、プロドラッグ、誘導体、溶媒和物、若しくは類似体、又はこれらの任意の組み合わせの使用に関する。あるいは、第2の態様は、皮膚潰瘍を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために用いられる、本発明の化合物、又はその任意の塩、好ましくは任意の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できるエステル、アミド、互変異性体、多形体、水和物、又は異性体、プロドラッグ、誘導体、溶媒和物、若しくは類似体、又はこれらの任意の組み合わせに関する。
用語「虚血由来の皮膚潰瘍」とは、血流が不足する場合に皮膚に生じる潰瘍(外傷)を意味する。血流の不足は、細胞死及び組織損傷を引き起こす。大部分の虚血性潰瘍は、足部及び脚部で生じる。これらは通常、治癒の遅い外傷である。動脈閉塞(アテローム性動脈硬化症)は、虚血性潰瘍の最も一般的な原因である:
・動脈閉塞は、脚部へ健康な血液を供給するのを防ぐ。これは、脚部の組織が、十分な栄養素及び酸素を受け取らないことを意味する。
・栄養素が不足することにより細胞死が引き起こされ、組織が損傷される。
・十分な血流を受け取らない損傷した組織はまた、更にゆっくりと治癒する傾向にある。
皮膚が炎症を起こし、流体が脚部に形成する皮膚の状態もまた、虚血性潰瘍を引き起こす可能性がある。多くの場合、血行が不十分なヒトもまた、糖尿病が原因で足部に神経損傷又は潰瘍を有する。神経損傷により、足が擦れる靴の部分を知覚するのがより困難になり、潰瘍又はただれを引き起こす。潰瘍が形成されると、血流が不足し、治癒が困難になる(アメリカ国立医学図書館)。
好ましくは、虚血性潰瘍は、動脈不全、静脈不全、微小循環欠陥(糖尿病、強皮症などのリウマチ疾患などにおけるような)に付随し、血栓形成傾向又は凝固性亢進(腫瘍、全身狼瘡などのリウマチ疾患などによる)の一次又は二次状態であるか、あるいは、虚血性潰瘍は、医原性(抗血管新生内科処置、又は、カテーテル挿入などの外科若しくは侵襲性操作に付随する)が原因である可能性がある。
本発明の本態様の好ましい実施形態において、皮膚潰瘍は虚血性潰瘍である。より好ましくは、これらの潰瘍は、異なる臨床管理を有する虚血由来の潰瘍である。
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、虚血性潰瘍の発生と共に引き起こされる疾患の処置のために使用される。より好ましくは、虚血性潰瘍の発生と共に引き起こされる疾患は、凍瘡、表皮水疱症、静脈不全、血管炎、コラーゲン異常症(例えば、全身性エリテマトーデス及び全身性強皮症などがあるが、これらに限定されない)、縫合披裂により引き起こされる潰瘍、術後の皮膚虚血性危険状態(皮弁若しくは皮膚片)、糖尿病性微小血管障害により引き起こされる皮膚潰瘍(糖尿病性足病変)、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。
第3の態様は、伸展線を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、少なくとも1種の本発明の化合物、又は互変異性体、薬学的に許容できる塩、誘導体、又はこれらのプロドラッグを含む組成物(以下、本発明の組成物)の使用に関する。あるいは、第3の態様は、伸展線を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために用いられる、本発明の組成物に関する。
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、唯一の活性成分として本発明の化合物を含むが、他の薬学的に許容できるビヒクル及び賦形剤を含んでよい。
本態様の別の好ましい実施形態において、本発明の組成物は医薬組成物である。本態様の別の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に許容できる担体、又は薬学的に許容できるビヒクル及び/若しくは賦形剤を更に含む。
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は化粧用組成物である。化粧用組成物は、化粧品として許容できる賦形剤を含んでよい。
第4の態様は、皮膚潰瘍を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、あるいは、皮膚潰瘍を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために用いられる、本発明の組成物の使用に関する。
本発明の本態様の好ましい実施形態において、皮膚潰瘍は虚血性潰瘍である。より好ましくは、これらの潰瘍は、異なる臨床管理を有する虚血由来の潰瘍である。
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、虚血性潰瘍の発生と共に引き起こされる疾患の処置のために使用される。より好ましくは、虚血性潰瘍の発生と共に引き起こされる疾患は、凍瘡、表皮水疱症、静脈不全、血管炎、コラーゲン異常症(例えば、全身性エリテマトーデス及び全身性強皮症などがあるが、これらに限定されない)、縫合披裂により引き起こされる潰瘍、術後の皮膚虚血性危険状態(皮弁若しくは皮膚片)、糖尿病性微小血管障害により引き起こされる皮膚潰瘍(糖尿病性足病変)、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、唯一の活性成分として本発明の化合物を含むが、他の薬学的に許容できるビヒクル及び賦形剤を含んでよい。
本態様の別の好ましい実施形態において、本発明の組成物は医薬組成物である。本態様の別の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に許容できる担体、又は薬学的に許容できるビヒクル及び/若しくは賦形剤を更に含む。
本発明の化粧品としての使用
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は化粧用組成物である。化粧用組成物は、化粧品として許容できる賦形剤を含んでよい。
したがって、本発明の別の態様は、皮膚萎縮症で使用するための、化粧用組成物(以下、本発明の化粧用組成物)に関する。好ましくは、皮膚萎縮症は伸展線である。より好ましくは、伸展線は線状萎縮症(striae albicans)、線状皮膚萎縮症(striae atrophicae)、及び線状萎縮症(striae distensae)から選択される。
妊娠、体重増加後に現れる、又は疾患及び投薬が原因で現れる伸展線は、「線状萎縮症(striae distensae)」という名称で知られている。伸展線にはいくつかの名称が与えられており、CIE−10ではL90.6と分類されており、それ自体、線状萎縮症(striae albicans)、線状皮膚萎縮症(striae atrophicae)、及び線状萎縮症(striae distensae)を含む。
式(I)及び/又は(II)により表される本発明の化合物は、多重結合の存在に応じて異性体を含むことができ、キラル中心の存在に応じて、光学異性体又は鏡像異性体を含む。個々の異性体、鏡像異性体、又はジアステレオ異性体、及びこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。即ち、用語「異性体」は、異性体の任意の混合物、例えばジアステレオマー、ラセミ化合物など、そして更に、これらの光学的に活性な異性体、又はこれらの異なる割合の混合物もまた意味する。個々の鏡像異性体又はジアステレオ異性体、及びこれらの混合物は、従来技術により分離することができる。
式(I)及び/又は(II)の化合物のプロドラッグもまた、本発明の範囲内に含まれる。本明細書で使用する場合、用語「プロドラッグ」は、式(I)及び/又は(II)の化合物の任意の誘導体、例えば、非限定的に、個体に投与した際に、前述した個体内で式(I)及び/又は(II)の前記化合物に直接的に、又は間接的に転換可能な、エステル(金属塩のカルボン酸エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、スルホン酸エステルなど)、カルバメート、アミドなどを含む。有利には、前記誘導体は、個体に投与した際に、式(I)及び/又は(II)の化合物の生物学的利用能を増加させる、あるいは、式(I)及び/又は(II)の化合物の生物学的区画への放出を増強させる化合物である。前記誘導体の性質は、個体に投与可能であり、式(I)の化合物を個体の生物学的区画に提供することができるのであれば、重要ではない。前記プロドラッグは、当業者に知られている従来の方法により調製することができる。
本明細書で使用する場合、用語「誘導体」は、薬学的に許容できる化合物、即ち、医薬又は食料組成物の製造で使用可能な式(I)及び/又は(II)の化合物の誘導体、並びに、薬学的に許容できる誘導体の調製において有用であり得ることから、薬学的に許容できない誘導体の両方を含む。
本発明の化合物は、遊離化合物又は溶媒和物としての結晶形であることができる。この意味において、本明細書で使用する場合、用語「溶媒和物」は、薬学的に許容できる溶媒和物、即ち、医薬の製造において使用可能な式(I)及び/又は(II)の化合物の溶媒和物、並びに、薬学的に許容できる溶媒和物又は塩の調製において有用であり得る、薬学的に許容できない溶媒和物の両方を含む。薬学的に許容できる溶媒和物の性質は、薬学的に許容できるのであれば、重要ではない。特定の実施形態では、溶媒和物は水和物である。溶媒和物は、当業者に知られている従来の溶媒和法により得ることができる。
治療での適用において、式(I)及び/又は(II)の化合物、これらの塩、プロドラッグ、あるいは溶媒和物は、薬学的に許容できる、又は実質的に純粋な形態である、即ち、希釈剤及び担体などの通常の医薬品添加物を除いて、薬学的に許容できるレベルの純度を有し、かつ、通常の用量レベルで毒性であると考えられる材料を含まないのが好ましい。活性成分の純度レベルは、好ましくは50%を超え、より好ましくは70%を超え、更により好ましくは90%を超える。好ましい実施形態において、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグの純度レベルは95%を超える。
本発明の組成物に使用可能な、薬学的に許容できるアジュバント及びビヒクルは当業者に知られており、治療用組成物の製造で一般に使用されるアジュバント及びビヒクルである。
本明細書で使用する意味において、表現「治療的有効量」とは、所望の効果を生み出すために計算される、薬理学的性質により決定される治療作用を発展可能な作用物質又は化合物の量を意味し、通常はとりわけ、患者の年齢及び状態、変化又は障害の重篤度、並びに、投与経路及び頻度を含む、化合物に特有の特徴により決定される。
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜7.5重量%、更により好ましくは1重量%〜5重量%、及び更にはるかにより好ましくは1.5重量%〜2.5重量%の割合で、本発明の化合物を含む。本発明の特定の実施形態では、本発明の組成物中における本発明の化合物の割合は、約2重量%である。より好ましくは、本発明の化合物はジルチアゼムであるの。別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、唯一の活性成分として本発明の化合物を含むが、薬学的に許容できるビヒクル及び/又は賦形剤を含んでよい。より好ましくは、本発明の化合物は上述した濃度で存在し、更により好ましくは、本発明の化合物はジルチアゼムである。
本発明で記載する化合物、その塩、プロドラッグ、及び/又は溶媒和物、並びにこれらを含有する医薬組成物を、他の追加の薬剤又は活性成分と共に使用して、併用療法をもたらすことができる。前記追加の薬剤は、同じ医薬組成物又は化粧用組成物の一部であることができる、あるいは、これらは個別の組成物の形態で提供されることが可能であるため、式(I)若しくは式(II)の化合物、又はその塩、プロドラッグ、若しくは溶媒和物を含む、医薬組成物又は化粧用組成物と同時に投与してもよく、又は同時に投与しなくてもよい。
したがって、別の好ましい実施形態において、医薬組成物又は化粧用組成物は、別の活性成分を更に含む。好ましくは、この活性成分は、モイスチャライジング活性成分及び/又はファーミング活性成分である。モイスチャライジング活性成分は、湿潤剤、吸蔵能力を有する分子、及び/又は脂質と共に配合することができる。他方では、ファーミング活性成分は、タンパク質合成の様々な再生機能、テンシング機能、及び刺激機能を有する植物抽出物に加えて、配合物に、エラスチン及びコラーゲンを含むことを特徴とする。ファーミング化粧品の配合物は通常、上述のモイスチャライジング活性成分に加えて、結合組織を再生する活性成分、及びテンシング活性成分で構成される。
より好ましくは、活性成分は、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、低分子量ポリエチレングリコール(PEG400)、アセトアミド誘導体、グルコースエーテル、ベタイン、糖異性体、蜜蝋、ラノリン、ペトロラタム、天然モイスチャライジング因子類似体(ピロリジンカルボン酸、尿素、乳酸/乳酸ナトリウム、糖類、アラントイン)、乳酸塩コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、キトサン、ガラクトマンナン、ケイ素、エキナケア・アングスティフォリア、ミモザ・テヌイフローラ、又はTepezcohuite抽出物、アボカド油及びシアバター不鹸化物、ツボクサ及び/若しくはビタミンA、又はレチノール及び/若しくはビタミンEからなる一覧から選択されるの。
本明細書で使用する場合、用語「活性成分」、「活性物質」、「薬学的活性物質」、又は「薬学的活性成分」は、疾患の診断、治癒、緩和、処置、又は予防において薬理活性、又は別の異なる効果をもたらし得る、あるいは、ヒト又は他の動物の体の構造又は機能に影響を及ぼす、任意の成分を意味する。この用語は、薬剤の製造において化学変化を促進し、薬剤中に、認識された変化形態で存在し、特定の活性又は硬化をもたらす成分を含む。
本発明の剤形
本発明の別の態様は、本発明の化合物又は本発明の組成物を含む剤形(以下、本発明の剤形)に関する。
本明細書において、「剤形」とは、添加剤含有又は非含有であり、好適な投薬、保存、投与、及び生物学的利用能に関する物理的特徴を有する、1種以上の活性成分の混合物を意味するものとして理解される。
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物及び剤形は、局所投与に好適である。局所投与が可能な形態としては、非限定的に、プラスター、軟膏、ペースト、クリーム、溶液、懸濁液、エマルション、ローション、塗布薬、ゲル、ヒドロゲル、ヒドロコロイド、フォーム、粉末、又はこれらの任意の組み合わせがある。
「プラスター」又は「貼付剤」は、皮膚との直接接触を更に可能にし、体温で軟化する閉塞作用及び軟化作用を付与することに加え、支持体及び保護材として機能する1つの生地、プラスチック、又は接着材片上に伸びた、1種又は複数の活性成分、及び1種又は複数の添加剤を含有する固体形態又は半固体形態からなる剤形である。
「軟膏」又は「蝋膏」とは、質量及び稠度を付与する好適な基剤に組み込まれた、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤を含有する、軟性の稠度を有する調製物からなる剤形である。軟膏又は蝋膏は皮膚及び粘膜に塗布され、接着する。この基剤は脂溶性又は水溶性であることができ、通常無水、又は最大で20%の水を含有することができる。水で洗い流せる、又は取り除くことができる基剤を含有する場合、親水性軟膏とも呼ばれる。
「ペースト」とは、石鹸と組み合わせた弱研磨性又は弱吸水性の脂肪性又は水性基剤中の、高濃度の不溶性粉末(20%〜50%)をベースにして調製される、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤を含有する半固体からなる剤形である。
「クリーム」とは、エマルション、通常は、水中油型エマルションを得るために必要な、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤を含有する液体又は半固体調製物からなる、含水量が20%を超える剤形である。
「溶液」とは、水中に1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤を溶解させることにより得られる、外部使用又は内部使用を意図した、透明で均質な液体調製物からなる剤形である。注射可能な溶液、並びに目及び耳を対象にする溶液は、滅菌溶液でなければならない。
「懸濁液」とは、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤を含有する2つの相で構成される分散系からなる剤形である。複数の相の1つである、連続相又は外部相は通常、液体又は半固体であり、分散相又は内部相は、不溶性であるが、外部相で分散可能な固体(活性成分)で構成される。注射可能な懸濁液は、滅菌されていなければならない。
「エマルション」とは、通常、互いに混和性でない2つの液体から構成され、分散相が、混和性でないビヒクル内に分布した小球で構成されている、不均質な系からなる剤形である。分散相は内部相としても知られており、分散方法は、外部相又は連続相として知られている。エマルションとしては、油中水型エマルション又は水中油型エマルションが挙げられ、これらは半固体又は液体として存在することができる。1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤は、外部相又は内部相に存在することができる。
「ローション」とは、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤を含有する溶液、懸濁液、又はエマルションとして存在することができる剤形であり、ローションの分散剤は主に水である。
「塗布薬」とは、水性、アルコール性、又は脂肪性ビヒクルと共に、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤を含有する、液体、溶液、又はエマルションの形態の調製物からなる剤形である。
「ゼリー」とは、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤を含有する半固体コロイドからなる剤形であり、ゼリーの水溶性基剤は通常、トラガカントゴムなどのゴムからなり、使用される他の基剤は、グリセリン、ペクチン、アルギネート、ボログリセリン化合物、カルボキシメチルセルロースなどの合成誘導体又は天然物質である。
「ゲル」とは、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の添加剤、水、アルコール、又は油であることができる液体中の固体を、液相中にトラップされた粒子のネットワークが形成されるように含有する半固体調製物からなる剤形である。
ヒドロゲルとは、固体のように見えるコロイド状態の系、例えば熱凝固アルブミン、冷却によりゲル化したゼラチンなどである。ヒドロゲルの性質の1つは、吸水及び水に溶解した物質が原因の、膨潤及び体積増加であり、これは、コロイド状材料により形成される生命体の全ての組織で共有される性質である。
「コロイド」は、分散相(マトリックス)及び分散化相(充填物)により形成される材料である。分散化相が水である場合、コロイドは「ヒドロコロイド」と呼ばれる。ヒドロコロイドは、分散相が豊富である場合に凝固(溶液から固体ゲルに転移)可能であり、分散相が少ない場合は凝集(ゲルから溶液へに転移)可能であることを特徴とする。
本発明の剤形は、0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜7.5重量%、更により好ましくは1重量%〜5重量%、及び更にはるかにより好ましくは1.5重量%〜2.5重量%の割合で、本発明の化合物を含むのが好ましい。本発明の特定の実施形態では、本発明の組成物中における本発明の化合物の割合は、約2重量%である。より好ましくは、本発明の化合物はジルチアゼムであるの。別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、唯一の活性成分として本発明の化合物を含むが、薬学的に許容できるビヒクル及び/又は賦形剤を含んでよい。より好ましくは、本発明の化合物は上述した濃度で存在し、更により好ましくは、本発明の化合物はジルチアゼムである。
上述の配合物は、従来の方法、例えば、異なる国の薬局方、及び別の参照テキストに記載されているものを使用して調製することができる。
本明細書で使用する場合、用語「医薬」とは、ヒト及び動物における、疾患の予防、診断、軽減、処置、又は治療に使用される任意の物質を意味する。
本発明の化合物、組成物、又は剤形は、任意の好適な方法、例えば静脈内注射により、及び経口、局所、又は非経口経路を通して、投与することができる。患者にとっての利便性により、及び、処置される疾患の性質により、局所投与が好ましい。
本発明の化合物の投与量は、選択される化合物の相対的な有効性、処置される疾患の重篤度、及び患者の体重に左右される。しかし、本発明の化合物は、1日に1回以上、例えば、合計投与量が0.1〜1000mg/kg/日で、1日に1、2、3、又は4回投与される。患者の年齢及び状態に応じて、投与量を変化させる、そして投与経路を修正する必要があり得ることを考慮するのが重要である。
本発明の化合物及び組成物を、併用療法において他の薬用製品と共に使用することができる。他の薬剤は、同時、又は異なる時間の投与に関して、同じ組成物の一部、又は別の異なる組成物の一部であってよい。
明細書及び特許請求の範囲を通して、単語「を含む(comprises)」及びこの変化形は、他の技術的特徴、追加、成分、又は工程を除外することを意図しない。当業者にとって、本発明の他の目的、利点、及び特徴は、明細書から一部、そして本発明の実施から一部推定されるであろう。以下の実施例及び図面は例として提供され、本発明を限定することを意図するものではない。
本発明の実施例
実施例1
本実施例は、左小脳橋角に切除可能な星状膠細胞腫(II段階)を5年間病歴として持つ、11歳の子どもの症例に関する。初期処置は、腫瘍の臨床安定性及び放射線安定性のために、2年間にわたる観察で構成された。次いで、疾患は進行し、患者は、4種類の異なる一連の化学療法:テモゾロミド、TPCV(チオグアニン−プロカルバジン−ロムスチン−ビンクリスチン)、ビンブラスチナ(vinblastina)、及びシスプラチン−イリノテカンによる連続処置を受けた(それぞれ、3ヶ月、5ヶ月、2ヶ月、及び4ヶ月)。他方では、患者は、合計で54Gy投与量の、局所放射線療法も受けた。この患者では、これらの処置による制御は得られず、疾患は進行し、症状が悪化した。前記症状はしゃっくり、嚥下困難、及び測定障害で構成された。症状を制御するために、患者は、高投与量のデキサメタゾンを用いる長期間の処置を受け、腹部には、複数の紫色の線状萎縮症(striae distensae)が進行した。最終的に、患者は2週間毎に10mg/kgのベバシズマブを用いる処置を開始し、放射線サインの安定性及び制御が達成されたが、全身コルチコステロイド療法を引き続き必要とした。ベバシズマブによる20ヶ月の処置(40サイクル)の後、患者では、コルチコステロイドにより誘発された3つの線状萎縮症(striae distensae)を伴う皮膚潰瘍が進行した(図1a)。
ジルチアゼムは、患者の治療可能性として考えられた。病院の薬局委員会(Comision de Farmacia)は、薬剤の特別な使用を認め、親の同意が得られた。腫瘍の全症候及び進行を制御した唯一の処置であったため、この患者に対する薬剤の重要な利点により、ベバシズマブを用いる処置の継続を行う決定がなされた。
患者を1日2回、2%ジルチアゼムクリームで処置し、ポリウレタン包帯で外傷をケアした。ジルチアゼムを用いる処置への応答は、素晴らしかった。ベバシズマブを一時中止する必要なく、潰瘍は4週間で完全に治癒した(図1b)。局所ジルチアゼムの一時中止後、患者では伸展線の場所にある、新しい潰瘍化病変が進行したが、これはジルチアゼムで再び処置することにより解決した。9ヶ月追跡した後、患者はベバシズマブでの処置を受け続け、放射線安定性が達成され、潰瘍がなくなった。
実施例2.本実施例は、寒い季節の間に、痛みの発生及び痒みの発生伴う、長年にわたり両手が凍瘡の患者に関する。この患者は、数多くの痛みを伴う、ひび割れた紅斑性〜紫色の病変を伴う両手の凍瘡が原因で、病変の医療を求めている。2%ジルチアゼムクリームを用いる12時間毎の処置を開始し、処置から3日後、病変及び全症候の完治を確認できた。
実施例3.本実施例は、毎日痛みと滲出を伴う、1年を超えて進行している、胸部領域における劣性の異栄養性表皮水疱症、及び慢性潰瘍の、3歳の男子患者に関する。2%ジルチアゼムクリームを用いる12時間毎の処置を開始し、患者は、処置から4週間後に、良好な耐性及び部分応答を示す。
実施例4.本実施例は、通常の治癒で消えない、脚部に血管遅鈍性潰瘍を数年間にわたり持つ、全身性エリテマトーデス患者に関する。2%ジルチアゼムクリームを用いる処置を開始し、6ヶ月後、潰瘍の完治が達成された。
実施例5.本実施例は、リンパ管奇形の腹部手術後に縫合披裂を示す、生後2週間の新生児に関する。通常の治癒を用いると、披裂にいかなる改善も見られないまま進行が7日間続いた後、2%ジルチアゼムクリームを用いた12時間毎の処置を開始すると、処置の3週間後に、披裂の完治が達成された。

Claims (15)

  1. 伸展線を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、一般式(I):
    Figure 2019518780
    [式中、Rは0〜9回存在することができ、各Rは、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホネート、ペルハロアルキル、−OR、−N(R、−CN、−C(=Z)R、−C(=Z)OR、−C(=Z)N(R、−N(R)−C(=Z)R、−N(R)−C(=Z)N(R、−OC(=Z)R、及び−SR、−SOR、−SOからなる群から独立して選択され、
    式中、Zは酸素又は硫黄であり、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル−アルケニル、C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖アルキニル、C−Cシクロアルキル−シクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されており、
    Xは酸素、硫黄、NR、C(Rからなる群から選択され、
    式中、Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−C、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されているか、あるいは、
    2つのR及びXが、C−Cシクロアルキル、複素環、アリール、又はヘテロアリールを形成することができ、任意に置換されており、
    は、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホネート、ペルハロアルキル、−OR、−N(R、−CN、−C(=Z)R、−C(=Z)OR、−C(=Z)N(R、−N(R)−C(=Z)R、−N(R)−C(=Z)N(R、−OC(=Z)R、及び−SR、−SOR、−SOからなる群から選択され、式中、Zは酸素又は硫黄であり、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されており、
    は、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール、任意に置換された−C(=Z)R、−C(=Z)OR、及び−C(=Z)N(Rからなる群から選択され、式中、Zは酸素又は硫黄であり、式中、各Rは、水素、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルケニル、任意に置換された直鎖又は分枝鎖C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、及びC−C10シクロアルケニル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に置換されており、
    Yは酸素又は硫黄である。]
    の化合物、又はその任意の塩、好ましくは任意の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できるエステル、互変異性体、多形体、水和物、又は異性体、プロドラッグ、誘導体、溶媒和物、若しくは類似体、又はこれらの任意の組み合わせの使用。
  2. 前記化合物は、式(II)
    Figure 2019518780
    のジルチアゼム、又はその任意の塩、好ましくは任意の薬学的に許容できる塩、薬学的に許容できるエステル、互変異性体、多形体、水和物、又は異性体、プロドラッグ、誘導体、溶媒和物、若しくは類似体、又はこれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の化合物の使用。
  3. 虚血由来の皮膚潰瘍を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、請求項1又は2に記載の化合物の使用。
  4. 伸展線を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物の使用。
  5. 虚血由来の皮膚潰瘍を予防、軽減、改善、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物の使用。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物は、0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜7.5重量%、更により好ましくは1重量%〜5重量%、及び更にはるかにより好ましくは1.5重量%〜2.5重量%の濃度で存在する、請求項4又は5に記載の組成物の使用。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物は、約2重量%の濃度で存在する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  8. 前記化合物はジルチアゼムである、請求項4〜7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  9. 前記組成物は医薬組成物である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  10. 前記組成物は、薬学的に許容できるビヒクル及び/又は薬学的に許容できる賦形剤を更に含む、請求項4〜9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  11. 前記組成物は、別の活性成分を更に含む、請求項4〜10のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  12. 伸展線を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物を含む剤形の使用、又は請求項4〜13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  13. 虚血由来の皮膚潰瘍を予防、改善、軽減、及び/又は処置するために使用される医薬の製造における、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物を含む剤形の使用、又は請求項4〜13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  14. 前記剤形が、プラスター、軟膏、ペースト、クリーム、溶液、懸濁液、エマルション、ローション、塗布薬、ゲル、ヒドロゲル、ヒドロコロイド、フォーム、粉末、又はこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項12又は13に記載の剤形の使用。
  15. 伸展線に対して使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物を含む化粧用組成物。
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