JP2019506433A - ペーストタイプのグラスアイオノマーセメントを製造するためのパーツキット、その製造方法及び使用 - Google Patents

ペーストタイプのグラスアイオノマーセメントを製造するためのパーツキット、その製造方法及び使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、歯科使用のためのグラスアイオノマー組成物を調製するためのパーツキットであって、キットはペーストAとペーストBとを含み、ペーストAが、水と、酸反応性無機充填剤Aと、フィロシリケートと、を含み、ペーストBが、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤Bと、任意にキレート剤と、を含む、パーツキットに関する。本発明はまた、歯科用セメント、歯科用充填材料、歯科用コアビルドアップ材料若しくは歯科用根管充填材料としての、又はそれらを調製するための、ペーストのキット又はパーツを組み合わせることによって得ることができる硬化性組成物、及びこのような組成物の使用にも関する。

Description

本発明は、グラスアイオノマーセメント(GIC)を製造するためのパーツキットであって、セメントは、2種のペーストを混合することによって得ることができる、パーツキットに関する。
グラスアイオノマーセメントは、30年有余にわたり、歯科修復治療のために使用されてきた。
典型的には、グラスアイオノマーセメントは、粉末/液体系として提供されている。
一般に、粉末部分は、アルカリ性で反応性のガラス粉末を含み、液体部分は水に溶解したポリ酸を含む。
混合後、アルカリガラス粉末によりポリ酸を中和する。中和プロセスでは、Ca2+、Sr2+又はAl3+などのイオンがアルカリガラス粉末から溶出される。これらのイオンは引き続き、脱プロトン化されたポリ酸を架橋し、混合物の硬化をもたらし、最終的に硬化した材料となる。
混合装置が利用できない場合、粉末粒塊及び/又は空気含有物を含まない均質混合物を得るために従う必要がある脱気プロトコルにより、粉末と液体とを手で混合することは施術者にとって困難であることが多い。
結果として、施術者は粉末部分及び液体部分を推奨比で使用しないことが多いが、意図的に過剰の液体部分を使用することにより、混合物の粘度を低減させて、手による混合をより好都合にする。
しかし、この変更は多くの場合、より低い機械的特性をもたらし、その結果として、長期性能に悪影響を及ぼし、更に製品の苦情の数を増加させる場合がある。
それ故、本来から容易な混合能力が備わっているペースト/ペースト系が有益であり、したがって、非常に望ましい。
従来の粉末/液体系をペースト/ペースト系に変換するための1つの方法は、粉末部分に(a)水、及び液体部分に(b)非反応性充填剤を添加することによるものである。
残念なことに、ガラス粉末に水を単純に添加することは、多くの場合、混合目的に好ましくないレオペクシーのペーストをもたらす。
更に、一部の充填剤は、不活性として分類されているものであっても、ポリ酸とゆっくりと反応するため、液体部分に非反応性充填剤を添加することもまた、いずれにせよ容易なことではない。これは、時間の経過とともにそれぞれのペーストの粘度の増加により、不十分な貯蔵寿命がもたらされる場合がある。
特許文献では、これらの問題に対処しようとする異なるアプローチが記載されている。
米国特許第6,719,834号(Braunら)は、a)少なくとも1種の金属陽イオン放出性化合物及びb)固体状態に変換可能な1種以上の多価電解質という、少なくとも2つの反応相手を含有する多価電解質セメントに関し、多価電解質のうちの少なくとも1種が、少なくとも部分的に水溶性であり、反応パートナー(a)及び/又は(b)のうちの少なくとも一部が、有機表面コーティング剤でコーティングされている。多価電解質セメントは、貯蔵安定的であり、容易に混合できる。
米国特許公開第2007/0072957(A1)号(Noguchiら)は、第1のペーストと第2のペーストとを含む歯科用ペーストグラスアイオノマーセメント組成物を記載しており、第1のペーストは、とりわけ、20〜60重量%の不飽和カルボン酸ポリマー、10〜60重量%の、不飽和カルボン酸ポリマーと反応せず水中で単分散状態にない充填剤、0.1〜10重量%のコロイダルシリカ、20〜60重量%の水を含み、第2のペーストは、50〜85重量%のフルオロアルミノシリケートガラス粉末、0.01〜10重量%の増粘剤、及び20〜45重量%の水を含む。
米国特許公開第2007/0254998(A1)号(Orlowskiら)は、(1)石英、ガラス、酸化アルミニウム、シリカ又は任意の組み合わせを含む無機充填剤(最大30重量%)を有するアクリル酸モノマーから製造された水性ペースト又は粘性液体と、(2)塩基性ガラス、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する水溶性/混和性モノマー又はプレポリマーを含むペーストと、を含む2部型グラスアイオノマー組成物に関する。
米国特許第6,872,244(B2)号(Kobayashiら)は、2つのペーストのセメント組成物を記載している。第1のペーストはポリアクリル系ポリマー及び水を含有し、(2)第2のペーストはフルオロアルミノシリケートガラス、水溶性増粘剤及び水を含有する。
米国特許第5,965,632号(Orlowskiら)は、両方のペーストが好ましくは類似した粘稠性を有する2つのペースト状グラスアイオノマー歯科用セメント系に関する。第1のペーストは、石英、ガラス、酸化アルミニウム、シリカ、若しくは任意の組み合わせから選択される不活性無機充填剤、又は、石英、ガラス、SiO、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び任意の組み合わせから選択される無機充填剤と、ポリアクリル酸又はそのコポリマーの水溶液と、様々な添加剤と、を含有し、第2のペーストは、親水性アクリル系モノマー又はポリマーの水溶液中に懸濁したアルカリ性フルオライド含有ガラスと、石英、ガラス、酸化アルミニウム又は任意の組み合わせから選択される最大10重量%の不活性無機充填剤と、を含有する。両ペーストに、ヒドロキシアルキルセルロース、親水性シリカ、ポリアクリル酸又はポリビニルピロリドンなどの有機又は無機増粘剤を添加して、所望の粘稠性を得ることができる。
米国特許第5,814,682(Rusinら)号は、最大3つのペーストA、B、及びCを含むグラスアイオノマーセメント系を用いて、暫定的な人工装具を歯牙構造に合着する方法について記載している。ペーストAと、ペーストB又はペーストCのいずれかとを混合した後、異なる機械的特性を有する歯科用セメントが得られる。第1のペーストは水混和性酸性ポリマーを含有し、第2のペーストは、得られるセメントにおいて低い剪断接着力が得られる酸反応性充填剤を含有し、第3のペーストは、得られるセメントにおいて高い剪断接着力が得られる酸反応性充填剤を含む。
米国特許公開第2012/0295214(A1)号(Wangら)は、酸反応性ガラス、水及びモノマーなどの液体、並びにこれらの任意の組み合わせを含む第1のペーストと、水混和性ポリ酸、水及びモノマーなどの液体、並びにこれらの任意の組み合わせを含む第2のペーストと、を含む硬化性歯科用組成物を調合する方法について記載している。
欧州特許第2 163 233(B1)号(Katoら)は、(1)フルオロアルミノシリケート(FAS)ガラス粉末、FASガラスと反応しない液体成分であって、多価アルコール、アルコール、アセトン、又はジオキサンからなる群から選択される1つである液体、水、及び蛍光試薬を含む第1のペーストと、(2)リン酸及び/又はカルボキシポリ酸、水、並びに酸と反応しない粉末を含む第2のペーストと、を含むペーストタイプの歯科用セメントに関する。
欧州特許第0 510 211(A1)号(Masuharaら)は、(1)55〜90重量%のガラス粉末、0.1〜2.0重量%の水溶性ポリマー、及び9.9〜44.9重量%の水を含むペーストと、(2)40〜75重量%のポリカルボン酸又はコポリマーを含む液体と、を含むグラスアイオノマーセメント系について記載している。
英国特許第2 021 123(A)号(Harveyら)は、(a)ポリカルボン酸の濃縮された非ゲル化水溶液と、(b)金属酸化物又は多価陽イオン含有ガラス粉末の水性懸濁液と、を混合することにより形成される、歯科において有用な手術用セメントに関する。好ましくは(a)及び(b)は、両方とも、ペーストとして提供される。可能な増粘剤として、コロイド状ベントナイト又は水溶性樹脂及びメチルセルロースのようなガムが挙げられる。
米国特許第4,337,186号(Crispら)は、組成物の凝結を促進する金属塩を含有する、ポリ(カルボキシレート)セメントを形成するために、水の存在下で硬化可能な粉末/液体組成物に関する。
しかし、提案された溶液はいずれも完全に満足させるものではない。
したがって、高剪断速度においてであっても容易に混合することができ、硬化後に適切な物理的特性(曲げ強度及び/又は圧縮強度のような)を示す、グラスアイオノマーセメントを提供することが、本発明の目的である。
理想的には、グラスアイオノマーセメントは、貯蔵寿命中安定した製品として提供することができる。
グラスアイオノマーセメントの成分をパッケージングデバイスから容易に展開することができる場合、それもまた望ましいことがある。
この目的は、パーツキット、及びパーツキットのペーストを特許請求の範囲及び本明細書に記載のように混合したときに得られたものである、又は得ることができるグラスアイオノマーセメント組成物によって達成することができる。
一実施形態によれば、歯科使用のためのグラスアイオノマー組成物を調製するためのパーツキットは、ペーストAとペーストBとを含み、
ペーストAが、
水と、
酸反応性無機充填剤Aと、
フィロシリケート、特に、2:1の層状シリケートから選択される、カルシウムイオン及びナトリウムイオンを含むフィロシリケートと、を含み、
ペーストBが、
水と、
ポリ酸と、
キレート剤又は錯化剤と、
非酸反応性充填剤Bと、を含む。
本発明はまた、2つのコンパートメント、すなわちコンパートメントAとコンパートメントBとを備え、コンパートメントAが、ペーストAを収容し、コンパートメントBが、ペーストBを収容し、ペーストAとペーストBとが、本明細書に記載されたものであり、コンパートメントAとコンパートメントBとの双方が、ノズル、又は静的混合チップのエントランスオリフィスを受容するためのインターフェース(interface)を備える、本明細書に記載のパーツキットを貯蔵するための装置を対象とする。
更に、本発明は、歯科用目的のための、具体的には歯科用セメント、歯科用充填材料、歯科用コアビルドアップ材料、又は歯科用根管充填材料としての、パーツキット、及び本明細書に記載のそれぞれのペーストを混合して得ることができ、又は得られたものであるセメント組成物を、使用する方法を特徴とする。
更なる実施形態によれば、本発明は、ペーストタイプのグラスアイオノマーセメント組成物を製造するための、特に、貯蔵安定性グラスアイオノマーセメント組成物を製造するための、本明細書に記載されているようなフィロシリケートの使用を対象とする。
更なる実施形態によれば、本発明は、本明細書に記載されているようなフィロシリケートの、特に本明細書に記載されているペーストタイプのグラスアイオノマーセメント用のペースト形成剤としての使用を対象とする。
定義
別段の定義がされていない限り、本明細書では、以下の用語は、所与の意味を有する。
「歯科用組成物」又は「歯科使用のための組成物」又は「歯科分野で使用するための組成物」は、歯科分野で使用できる任意の組成物である。この点において、組成物は、患者の健康にとって有害であるべきでなく、したがって、組成物から出て移動することができる有害及び有毒な成分を含まない。歯科用組成物は、典型的には硬化性組成物であり、これは、約30分、又は約20分、又は約10分の時間枠内での、約15〜50℃、又は約20〜40℃の範囲の温度を含む周囲条件において硬化され得る。これよりも高い温度は、患者に痛みをもたらすことがあり、患者の健康に有害な場合があるため、推奨されない。歯科用組成物は、典型的に、同程度の小容量、すなわち約0.1〜約100mL、又は約0.5〜約50mL、又は約1〜約30mLの範囲の容量で、施術者に提供される。したがって、有用なパッケージングデバイスの貯蔵容量は、これらの範囲内である。
「重合性成分」は、例えば、重合若しくは化学的架橋を起こす加熱、又は例えば放射線誘導重合若しくは例えばレドックス開始剤の使用による架橋によって硬化され得る又は固化され得る、任意の成分である。重合性成分は、1つのみ、2つ、3つ、又はそれ以上の重合性基を含有することができる。重合性基の典型例としては、例えば、(メチル)アクリレート基中に存在するビニル基等の不飽和炭素基が挙げられる。
本明細書に記載のセメント組成物は、組成物全体に対して、約0.5、又は1重量%を上回る量の重合性成分を含有しない。本明細書に記載のセメント組成物は、本質的に、(メタ)アクリレート基を有する重合性成分を含まない。
「モノマー」は、オリゴマー又はポリマーに重合することで分子量が増加する、重合性基((メタ)アクリレート基を含む)を有する化学式により特徴付けられ得る任意の化学物質である。通常、モノマーの分子量は、与えられた化学式に基づいて単純に算出することができる。
本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を指す短縮語である。例えば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリルオキシ基(すなわち、CH=CH−C(O)−O−)及び/又はメタクリルオキシ基(すなわち、CH=C(CH)−C(O)−O−)のいずれかを指す短縮語である。
「開始剤」は、例えばレドックス/自己硬化化学反応、又は放射線誘導反応によって、又は加熱誘導反応によって、重合性成分又はモノマーの硬化プロセスを始めることができるか、又は開始することができる物質である。
「粉末」は、振盪されるか、又は傾けられる際に流動性になる多数の微細な粒子からなる乾燥したバルク固体を意味する。
「粒子」は、幾何学的に測定し得る形状を有する固体である物質を意味する。粒子は、典型的には、例えば粒体の粒径又は直径に関して解析することができる。
粉末の平均粒径は、粒径分布の積算曲線から得られ、特定の粉末混合物の測定粒径の算術平均と定義される。それぞれの測定は、市販の粒度計(例えばCILAS Laser Diffraction Particle Size Analysis Instrument)を用いて行うことができる。
粒径の測定に関する用語「d50/μm」は、解析される容量内の粒子のうちの50%がxμmを下回る径を有することを意味する。例えば100μm(d50)を下回る粒径の値は、解析される容量内で、粒子の50%が100μmを下回る径を有することを意味する。
「ペースト」は、液体中に分散した、軟らかく、粘性の固体の塊を意味する。「粘性の」は、約50Pas(23℃において)を上回る粘度を意味する。
「液体」は、周囲条件(例えば23℃)において成分を少なくとも部分的に分散させ得る、又は溶解させ得る任意の溶媒又は液体を意味する。液体は、典型的には、約10Pasを下回る、又は約8Pasを下回る、又は約6Pasを下回る粘度を有する。
「グラスアイオノマーセメント」又は「GIC」は、水の存在下、酸反応性ガラスとポリ酸との反応によって硬化する(curing or hardening)セメントを意味する。
「樹脂改質グラスアイオノマーセメント」又は「RM−GIC」は、重合性成分、開始剤系、及び典型的には2−ヒドロキシル−エチル−メタクリレート(HEMA)を更に含有するGICを意味する。
「酸反応性充填剤」は、(ポリ)酸の存在下で化学的に反応して硬化反応に至らせる充填剤を意味する。
「非酸反応性充填剤」は、(ポリ)酸と周囲条件(例えば23℃)にて混合した場合、30分以内に化学硬化反応を示さない充填剤を意味する。
酸反応性充填剤を非酸反応性充填剤と区別するために、次の試験が行われ得るか、又は行われることになる。パートAとパートBとを質量比3:1で混合して、組成物を調製し、ここで、パートAは、分析されることになる充填剤が100重量%を占め、パートBは、ポリ(アクリル酸コマレイン酸)(Mw:約20,000±3,000)が43.6重量%、水が47.2重量%、酒石酸が9.1重量%、安息香酸が0.1重量%を占める。
非酸反応性充填剤の例としては、石英ガラス又は酸化ストロンチウム系ガラスが挙げられる。更なる例は、本明細書中で以下に示す。
「陽イオン低減アルミノシリケートガラス」は、ガラス粒子の表面領域中の陽イオンの含有量がガラス粒子の内側領域に比べて低いガラスを意味する。これらのガラスは、ポリアクリル酸水溶液との接触の際に、典型的な酸反応性充填剤と比べて、はるかにゆっくりと反応する。陽イオン低減は、ガラス粒子の表面処理により達成できる。好適な表面処理としては、酸洗浄(例えばリン酸での処理)、ホスフェートでの処理、酒石酸等のキレート剤での処理、及びシラン又は酸性若しくは塩基性シラノール溶液での処理が挙げられるが、これらに限定されない。
「ポリ酸」又は「ポリアルケン酸」は、複数の(例えば10個を上回る、又は20個を上回る、又は50個を上回る)酸性繰り返し単位を有するポリマーを意味する。つまり、酸性繰り返し単位は、ポリマー主鎖に結合しているか、又はポリマー主鎖から垂れ下がっている。
「錯化剤又はキレート剤」は、部分を含み、カルシウム又はマグネシウムのような金属イオンとともに錯体を形成できる低分子の試剤、例えば酒石酸を意味する。
「フィロシリケート」は、Siを有するシリケート四面体のシートを形成するシリケートである。フィロシリケートは、例えば互いに配列されたシート又は層の数に従って、更に小群に分類することができる。
フィロシリケートはシリケート層の数で分類することができる。この分類に関しては、より詳細な記述をUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry(Wiley−VCH),2005,Silicatesの特に表4に見出すことができる。
「貯蔵安定性組成物」は、顕著な性能上の問題(例えば曲げ強度又は圧縮強度の低下)を示すことのない、及び/又は時間の経過とともに硬化しない、及び/又は時間の経過とともに分離しない、適切な期間(例えば周囲条件下で少なくとも約12ヶ月)貯蔵できる組成物である。貯蔵安定性を測定するのに好適な試験は、下の実施例のセクションにおいて示す。
「硬化性(”hardenable”or“curable”)」が意味するのは、例えば追加の硬化系、例えば化学的架橋、放射線誘導重合又は架橋の必要なしに、グラスアイオノマーセメント反応を実施することにより、組成物を硬化又は固化できることである。
組成物が特定の成分を「本質的又は実質的に含まない」というのは、組成物がこの成分を本質的な特徴として含有しない場合である。したがって、この成分が、それだけであれ、他の成分若しくは他の成分の要素と組み合わせてであれ、組成物に意図的に添加されることはない。
特定の成分を本質的に含まない組成物がこの成分を含有する量は、通常は、組成物又は材料の全体に対して、約1重量%未満又は約0.5重量%未満又は約0.1重量%未満又は約0.01重量%未満である。組成物は、この成分を一切含有しなくてもよい。しかしながら、少量のこの成分の存在が、例えば使用される原料中に含有される不純物により、不可避であることもある。
「周囲条件」は、本発明の組成物が、貯蔵及び取扱い中に通常さらされる条件を意味する。周囲条件は、例えば、約900〜約1100mbarの圧力、約−10〜約60℃の温度、及び約10〜約100%の相対湿度であってもよい。実験室では、周囲条件は、約23℃及び約1013mbarに調整される。歯科及び歯列矯正分野では、周囲条件は、合理的には、約950〜約1050mbarの圧力、約15〜約40℃の温度、及び約20〜約80%の相対湿度と理解される。
本明細書で使用される「a」、「an」、「the」、「少なくとも1種の」、及び「1種以上の」は、互換的に使用される。
「含む(comprises)」又は「含有する(contains)」という用語及びそれらのバリエーションは、これらの用語が本明細書及び特許請求の範囲で記載される場合、限定的な意味を有しない。「含む(comprising)」という用語は、更に限定的な表現である「から本質的になる」及び「からなる」をも含む。
更に本明細書では、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に含まれる全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む)。
用語に「(s)」を付加することは、その用語が単数形及び複数形を含むべきことを意味する。例えば、「添加剤(additive(s))」という用語は、1種の添加剤及び複数(例えば2種、3種、4種等)の添加剤を意味する。
特に指示のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される要素の量、物理的特性の測定値、例えば下に記載するもの等を表す全ての数は、全ての例で「約」という用語により修飾されていると理解されるべきである。
本明細書に記載のペーストタイプのグラスアイオノマーセメント組成物を製造するためのパーツキットは、いくつかの有利な特性を有する。
従来のグラスアイオノマー材料が、通常、粉末/液体系として提供されている一方、ペースト/ペースト系は、2種の成分の手による混合操作を単純化させるだけでなく、2種の成分が例えば静的混合装置を用いて混合される場合に、いわゆる自動混合系の適用も可能にする。
自動混合系で適切に混合されるためには、それぞれのペーストは、適切な粘度を有する必要がある。粘度が高すぎる場合、静的混合カニューレを介してペーストに圧力をかけることが難しくなり得る。
粘度を調整するために、典型的には水のような溶媒、及び増粘剤又はペースト形成剤を組成物に添加する。
従来技術で示唆されている多くの増粘剤は、水溶性であるため、十分な量の水を必要とし、ガラス粉末が均質に分散可能なゲル状構造体を形成する。
しかしながら、含水量が多すぎることになる場合、硬化組成物の機械的特性の低下がもたらされ得る。
特定の分類の増粘剤又はペースト形成剤を入念に選択することにより、グラスアイオノマーセメントの製造に用いられる従来の粉末/液体系を、ペースト/ペースト系に変換することができることを見出した。
本明細書に記載されているパーツキット又はグラスアイオノマーセメントを配合するために使用されるフィロシリケートは、水溶性ではなく、上記の目的のうちの1つ以上を解決するのに特に有用であることが判明した。そこで、高剪断速度においてであっても、それぞれのペーストを混合することが可能となる。
パーツキットのそれぞれのペーストはまた、パッケージングデバイスから容易に展開することができる。
しかし、更なる成分が添加されているという事実にもかかわらず、本明細書に記載の得られたグラスアイオノマーセメント組成物は、硬化後に適切な機械的特性を示す。
機械的特性は、ペースト/ペースト系から得られた他のグラスアイオノマーセメントについての従来技術で報告された機械的特性よりも更に優れている場合がある。
これは、粉末をペーストに変換するために必要とされる追加の液体成分に起因して驚くべきことであり、ペースト/ペースト系から得られた、もたらされるセメントの機械的特性は、粉末/液体系から得られたセメントの機械的特性と比較して低いと予想される。
所望であれば、本明細書に記載のグラスアイオノマーセメントは、いわゆる自動混合システムにおいても提供することができ、このようなシステムから低い押出力で送達することができる。
更に、ペーストがかなりの低粘度を有していても、それぞれのペーストは貯蔵安定性であり、すなわち、貯蔵中に相分離を示さないことを見出した。
本発明のフィロシリケートを使用した場合、それぞれのペーストは、貯蔵中、特に水の量に関してその成分の分離が少ないことを示した。
本明細書に記載のパーツキットは、2種のペーストを含む。これらの2種のペーストの混合の際に、更なるペーストの形態にある組成物が得られる。その組成物は、いわゆるグラスアイオノマーセメント反応によって硬化する。
本明細書に記載のパーツキットは、ペーストAを含む。
ペーストAは、水を含有する。
水は、蒸留水、脱イオン水、又は単なる水道水であってよい。典型的には、脱イオン水が使用される。
水の量は、適切な取扱い特性及び混合特性を提供するのに、並びに特にセメント反応において、イオン輸送を許容するのに、十分であるべきである。
水は、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも5、又は少なくとも7、又は少なくとも10重量%、
上限:最大45、又は最大40、又は最大35重量%、
範囲:5〜45、又は7〜40、又は10〜35重量%、
(重量%はペーストAの重量に対するものである)で存在する。
水の量が少なすぎると、得られるペーストの作業可能な粘稠性を得ることが難しくなり得る。
水の量が多すぎると、同様に、得られるペーストの作業可能な粘稠性を得ることが難しくなり得る。更に、所望の機械的特性を実現するのが難しくなり、ペーストが貯蔵中に分離し得る。
ペーストAは、酸反応性無機充填剤Aを含有する。
酸反応性充填剤Aの性質及び構造は、所望の結果を達成することができない場合を除いて、特に限定されない。酸反応性充填剤Aは、グラスアイオノマーセメント反応を経ることができなければならない。
一実施形態によれば、酸反応性充填剤Aは、以下のパラメータ:
平均粒径:1〜25μm、
(d10/μm):0.5μm〜3μm;(d50/μm):2μm〜7μm;(d90/μm):6μm〜15μm、
脱イオン水(約5のpHを有する)10mL中で5分間撹拌された充填剤1gの分散体のpH値:5〜8、又は5〜7、のうちの少なくとも1つ以上又は全てによって特徴づけることができる。
酸反応性充填剤Aの平均粒径が上に概説した範囲を上回る場合、本明細書に記載のパーツキットの部分中に含有されている組成物を混合したときに得られる組成物の粘稠性は、適切なものとはならず、所望の機械的特性は、負の影響を受けることがある。
酸反応性充填剤Aの平均粒径が、上に概説した範囲を下回る場合、凝結時間は速すぎることになる。
好適な酸反応性充填剤Aとしては、金属酸化物、金属水酸化物、ハイドロキシアパタイト、アルミノシリケートガラス及びフルオロアルミノシリケートガラスを含む酸反応性ガラスが挙げられる。
典型的な金属酸化物としては、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛が挙げられる。
典型的な金属水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
典型的な酸反応性ガラスとしては、アルミノシリケートガラス、特に、フルオロアルミナシリケート(「FAS」)ガラスが挙げられる。
FASガラスが特に好ましい。FASガラスは、典型的には、ガラスを硬化性組成物の他の成分と混合するときに、硬化歯科用組成物が得ることができるよう、十分な量の溶出性陽イオンを含有する。
FASガラスはまた、典型的には、硬化組成物が抗う触原性を有するのに十分な量の溶出性フルオライドイオンを含有する。
ガラスは、フルオライド、シリカ、アルミナ、及び他のガラス形成要素を含有する融解物から、FASガラス製造技術における当業者によく知られている技術を用いて作ることができる。FASガラスは、典型的には、十分に微細化された粒子の形態であるので、他のセメント成分と都合よく混合することができ、得られた混合物が口腔内に使用されるときに、良好に機能する。
好適なFASガラスは、当業者によく知られており、多種多様な民間の供給元から入手可能であり、多くは、商品名Ketac(商標)Molar、又はKetac(商標)Fil Plus(3M Oral Care(Seefeld,Germany))、及びFUJI(商標)IX(GC(Tokyo,Japan))で市販されているものなどの現在入手可能なグラスアイオノマーセメント中に見出される。
フルオロアルミノシリケートガラスは、シリカ、アルミナ、氷晶石及び蛍石の混合物を融合することにより調製できる。
有用な酸反応性ガラスはまた、Si/Al比によっても特徴づけることができる。1.5又は1.4又は1.3未満のSi/Al比(重量%による)を有する充填剤が有用であることが見出された。
好適な酸反応性充填剤はまた、例えばSchott AG(Germany)、又はSpeciality Glass(US)から市販されている。
所望であれば、酸反応性充填剤Aの混合物を使用することができる。
酸反応性充填剤Aは、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも45、又は少なくとも50、又は少なくとも55重量%、
上限:最大95、又は最大90、又は最大85重量%、
範囲:45〜95、又は50〜90、又は55〜85重量%、
(重量%はペーストAの重量に対するものである)で存在する。
酸反応性充填剤の量が多すぎる場合、本明細書に記載のパーツキットのペーストの混合はより難しくなり得る。更に、同様に、もたらされる組成物の、適切な粘稠性及び許容される機械的特性を得ることが難しくなり得る。
酸反応性充填剤の量が低すぎる場合、好適なペーストを配合することはより難しくなり得る。更に、機械的特性が劣るものとなり得る。
ペーストAは、フィロシリケートをも含む。
フィロシリケートは、レオロジー添加剤、特にペーストを形成するのに好適な添加剤として機能する。
一実施形態によれば、フィロシリケートは、2:1の層状シリケートから選択される。
2:1の層状シリケートとしては、タルク−ピロフィライト型鉱物、スメクタイト型鉱物、バーミキュライト型鉱物、イライト型鉱物、グリマー型鉱物、雲母型鉱物、及びこれらの混合物が挙げられる。
2:1の層状シリケートとしては、更にモンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、タルク、ウィレムセアイト(willemseite)、パイロフィライト、スチブンサイト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、フォルコンスカイト(volkonskite)、金雲母、黒雲母、紅雲母、白雲母、イライト、海緑石、セラドナイト、及びこれらの混合物も挙げられる。
フィロシリケートは、典型的には、個別の層の間に位置するイオンを含有する。
一実施形態によれば、フィロシリケートはカルシウム及び/又はナトリウムイオンを含有する2:1の層状シリケートである。
特定の理論に束縛されるものではないが、特に、上記のフィロシリケートは、貯蔵安定性ペーストを製造するのに十分な量の水を吸収することができ、したがって時には好ましいと考えられる。
カルシウム及びナトリウムイオンを含有する2:1の層状シリケートの使用は、少量のみの層状シリケートを使用する場合であっても、良好な機械的特性を有する貯蔵安定性ペースト/ペースト組成物の製造を容易にする。
フィロシリケートの粒径は特に限定されない。
平均粒径は、典型的には、約100μm未満、又は約80μm未満、又は約70μm未満である。
フィロシリケートの2重量%水性分散液(約5のpHを有する脱イオン水)は、典型的には5〜11の範囲のpH値を有する。
特に水中で膨潤可能なフィロシリケートが有用であることが判明した。所望であれば、X線回折分析(XRD)により膨潤特性を調べることもできる。
フィロシリケートは、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも0.1、又は少なくとも0.2、又は少なくとも0.5重量%、
上限:最大30、又は最大25、又は最大20重量%、
範囲:0.1〜30、又は0.2〜25、又は0.5〜20重量%、
(重量%はペーストAの重量に対するものである)で存在する。
一実施形態によれば、本明細書に記載のパーツキットのペーストAは、ペーストAの重量に対して、0.1〜15重量%、又は0.2〜12重量%、又は0.2〜10重量%の量で2:1の層状シリケートを含有する。
別の実施形態によれば、本明細書に記載のパーツキットのペーストAは、ペーストAの重量に対して、0.1〜2重量%、又は0.2〜1.5重量%、又は0.2〜1.2重量%の量で2:1の層状シリケートを含有する。
フィロシリケートに対する酸反応性無機充填剤の比は、典型的には、重量比として、10:1〜1,000:1、又は10:1〜100:1の範囲である。
ペーストAは、典型的には、以下の特徴:
密度:1.5〜3.0g/cm
pH値:5〜10、又は5〜8(脱イオン水10mL中に分散させて5分間撹拌した1gのペーストAについてpH指示薬で測定して)、
貯蔵安定性であること、
のうちのいずれか、2つ以上、又は全てによって特徴づけることができる。
所望であれば、貯蔵安定性は、実施例セクションに記載のとおりに測定することができる。
ペーストBもまた、水を含有する。ペーストB中に含有される水は、ペーストAについて説明したとおりである。
水は、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも5、又は少なくとも7、又は少なくとも9重量%、
上限:最大60、又は最大55、又は最大50重量%、
範囲:5〜60、又は7〜55、又は9〜50重量%、
(重量%はペーストBの重量に対するものである)で存在する。
ペーストBは、ポリ酸を含有する。
ポリ酸の性質及び構造もまた、所望の結果を達成することができない場合を除いて、特に限定されない。しかしながら、ポリ酸は、グラスアイオノマー材料中で、良好な貯蔵性、取扱い特性及び混合特性を付与するのに十分な、並びに良好な材料特性をもたらすのに十分な分子量を有するべきである。
一実施形態によれば、ポリ酸は、以下のパラメータ:
固体である(23℃において)、
分子量(Mw):約2,000〜約250,000、又は約4,000〜約100,000(ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリアクリル酸ナトリウム塩の標準物質に対して評価する)、のうちの少なくとも1つ以上又は全てによって特徴づけることができる。
ポリ酸の分子量が高すぎる場合、本明細書に記載のパーツキット中に含有されている組成物を混合したときに得られるペーストの作業可能な粘稠性を得ることが、難しくなり得る。更に、組成物の調製も、難しくなり得る。加えて、得られた混合物又は組成物の粘着性が高くなりすぎる(すなわち、適用のために使用される歯科用機器に接着する)ことがある。
ポリ酸の分子量が低すぎる場合、得られたペーストの粘度は低すぎるものになり得、機械的特性は劣ったものになり得る。
典型的には、ポリ酸は、複数の酸性繰り返し単位を有するポリマーである。
本明細書に記載のセメント組成物のために使用されるポリ酸は、重合性基を実質的に含まない。
ポリ酸は、完全に水溶性である必要はないが、典型的には、他の水性組成物と組み合わせたときに実質的な沈降を被らないように、少なくとも十分、水混和性である。
ポリ酸は、例えば酸反応性充填剤及び水の存在下で、硬化性であるが、エチレン性不飽和基は含有しない。
すなわち、ポリ酸は、不飽和酸を重合することにより得られたポリマーである。しかしながら、本製造方法により、ポリ酸は、回避できない微量の(例えば使用されるモノマーの量に対して、最大1、又は0.5、又は0.3重量%)遊離モノマーを依然として含有し得る。
典型的には、不飽和酸は、炭素、硫黄、リン、又はホウ素のオキシ酸(すなわち酸素含有酸)である。より典型的には、それは、炭素のオキシ酸である。
好適なポリ酸としては、例えばポリアルケン酸、例えば不飽和モノ−、ジー、又はトリカルボン酸のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。
ポリアルケン酸は、不飽和脂肪族カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、グルタコン酸、アコニット酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸、及びチグリン酸の単独重合及び共重合によって調製することができる。
好適なポリ酸としてはまた、マレイン酸とエチレンとの交互コポリマー(例えばモル比1:1で)が挙げられる。
好適なポリ酸はまた、以下の文献:米国特許第4,209,434号(Wilsonら)、米国特許第4,360,605号(Schmittら)にも記載されている。ポリ酸の説明に関するこれらの文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
好適なポリ酸はまた、例えば3M ESPE(例えばKetac(商標)Fil Plus Handmix)、又はGC(例えばFuji(商標)IX GP Handmix)製の市販の製品の液体の成分中の水溶液として含まれる。
ポリ酸の量は、酸反応性充填剤と反応し、所望の硬化特性を有するアイオノマー組成物を提供するのに十分であるべきである。
ポリ酸は、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも3、又は少なくとも5、又は少なくとも10重量%、
上限:最大80、又は最大75、又は最大70重量%、
範囲:3〜80、又は5〜75、又は10〜70重量%、
(重量%はペーストBの重量に対するものである)で存在する。
ポリ酸の量が多すぎる場合、本明細書に記載のパーツキット中に含有される組成物を混合したときに得られるペーストの作業可能な粘稠性を得ることが、難しくなり得る。更に、組成物の調製が難しくなり得る。加えて、得られた混合物又は組成物は、粘着性が高くなりすぎることがある(すなわち適用のために使用される歯科用器具に接着してしまう)。
ポリ酸の量が少なすぎる場合も、本明細書に記載の部品のキット中に含有される組成物を混合するときに、得られたペーストの作業可能な粘稠度を得ることが難しくなり得る。更に、所望の機械的特性を達成するのが難しくなり得る。
ペーストBは、非酸反応性充填剤Bを含有する。
一実施形態によれば、非酸反応性充填剤Bは、約10μm未満の平均粒径によって特徴づけることができる。
好適な非酸反応性充填剤Bの例としては、天然に産出するか、又は合成の材料があり、以下が挙げられるが、これらに限定されない。シリカ(Degussa AG(Hanau,Germany)製のシリカである「OX50」、「130」「150」及び「200」を含む商品名「AEROSIL(商標)」、並びにWacker(Munich,Germany)製の「H15」、「H20」、「H2000」を含むHDK、並びにCABOT Corp.(Tuscola,IL)製のシリカであるCAB−O−SIL M5で入手可能なものなどの例えばサブミクロンの焼成シリカ)、石英、クリストバライト(例えば、Sikron(商標)SF6000)、ボロシリケートガラス、アルミナ、チタニア及びジルコニア粒子、並びにこれらの混合物。
非酸反応性充填剤Bの粒子は、典型的には、シランで表面処理されていない。
非酸反応性充填剤Bは、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも2、又は少なくとも5、又は少なくとも7重量%、
上限:最大90、又は最大80、又は最大75重量%、
範囲:2〜90、又は5〜80、又は7〜75重量%、
(重量%はペーストBの重量に対するものである)で存在する。
所望であれば、ペーストAはまた、ペーストBに含有される非酸反応性充填剤と同一であっても異なっていてもよい、非酸反応性充填剤を含有することができる。
ペーストBは、錯化剤又はキレート剤を含有する。用語「錯化剤又はキレート剤」は、互換的に用いられる。
錯化剤又はキレート剤の性質及び構造もまた、所望の結果を達成することができない場合を除いて、特に限定されない。
錯化剤は、典型的には硬化性組成物の硬化特性の調整用、特に作業時間調整用に使用される。
錯化剤は、以下のパラメータ:
溶解性:水に可溶である(23℃において少なくとも50g/水1L)、
分子量:50〜500g/mol、又は75〜300g/mol、
のうちの少なくとも1つ以上又は全てによって特徴づけることができる。
錯化剤の特定の例としては、酒石酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、サリチル酸、メリト酸、ジヒドロキシ酒石酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、2,4及び2,6ジヒドロキシ安息香酸、ホスホノカルボン酸、ホスホノコハク酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。
更なる例は、例えば米国特許第4,569,954号(Wilsonら)に見出すことができる。この文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
錯化剤は、典型的には、ポリ酸のみを含有するペースト、すなわちペーストBに加えられる。
錯化剤は、典型的には、以下の量:
下限:少なくとも0.1、又は少なくとも1.0、又は少なくとも1.5重量%、
上限:最大15、又は最大12、又は最大10重量%、
範囲:0.1〜15、又は1.0〜12、又は1.5〜10重量%、
(重量%はペーストBの重量に対するものである)で存在する。
ペーストBは、典型的には、以下の特徴:
粘度:100〜50,000Pas(23℃、直径15mm、剪断速度20s−1)、
密度:1.3〜2.0g/cm
pH値:1〜4(脱イオン水10mL中に分散させて約5分間撹拌した1gのペーストについてpH指示薬で測定して)、
のうちのいずれか、2つ以上、又は全てによって特徴づけることができる。
本明細書に記載のパーツキットの、ペーストA、又はペーストB、又はペーストA及びペーストB、のいずれかはまた、溶媒も含有することができる。
溶媒又は共溶媒の添加は、組成物の粘度及び粘稠性を調整するのに役立ち得る。
使用され得る溶媒の例としては、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール)、ポリアルコール/ポリオール(例えばポリエチレングリコール、エチレングリコール、グリセロール)、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書に記載のパーツキットの、ペーストA、又はペーストB、又はペーストA及びペーストBはまた、添加剤も含有することができる。
存在し得る添加剤としては、指示薬、染料、顔料、界面活性剤、緩衝剤、安定剤、保存剤(例えば安息香酸)が挙げられる。
上記の添加剤のうちの任意のものの組み合わせもまた、利用され得る。当業者は、所望の結果を達成するために、過度の実験をすることなく、このような添加剤のうちの任意の1種の選択及び量を選択することができる。
これらの成分が存在する必要性はないが、存在する場合、個々の成分は、典型的には、ペーストそれぞれ(A又はB)の重量に対して、5重量%未満、又は3重量%未満、又は1重量%未満の量で存在する。
これらの成分の有用な範囲としては、ペーストA又はBそれぞれの重量に対して、0.01〜5重量%、又は0.05〜3重量%、又は0.05〜1重量%が挙げられる。
本発明はまた、本明細書に記載のパーツキットのそれぞれのペーストを混合したときに得られる組成物にも関する。
一実施形態によれば、本明細書に記載のパーツキットの2種のペーストを混合することによって得られたものであるか、又は得ることができるセメント組成物は、硬化の前に又はその際に、以下のパラメータ:
凝結時間:約10分又は8分又は6分の範囲内、
作業時間:約7分又は約5分又は3分の範囲内、
のうちの少なくとも1つ又は両方を満たす。
所望であれば、硬化の挙動は、以下の実施例のセクションでより詳しく説明されるように、測定することができる。
本明細書に記載のセメント組成物は、典型的には、施術者が、組成物を適切に混合することだけでなく、組成物を、クラウン、ブリッジ、根管又は義歯の表面に適用することをも可能にするのに十分な作業時間を有する。
更に、本明細書に記載のセメント組成物は、施術者にとって時間の節約になり、患者にとって好都合な、適切な凝結時間を有する。
別の実施形態によれば、本明細書に記載のパーツキットの2種のペーストを混合することによって得られたものであるか、又は得ることができるセメント組成物は、硬化後に、以下のパラメータ:
曲げ強度:EN−ISO 9917−2:2010に従って測定して、約20又は約25MPaを上回り、ただし、組成物を被覆するため、ガラススラブがホイルの代わりに使用される、
圧縮強度:EN−ISO 9917−1/2007に従って測定して、約60MPaを上回り、又は約80MPaを上回り、又は約100MPaを上回り、ただし、組成物を被覆するためにガラススラブがホイルの代わりに使用される、
のうちの少なくとも1つ以上、時には全てを満たす。
所望であれば、これらのパラメータは、以下の実施例のセクションで記載されるように測定することができる。
市販されている最新技術のグラスアイオノマーセメントと比べ、本明細書に記載のセメント組成物は、容易に混合することができ、かつ凝結時間のような他の重要なパラメータに影響を及ぼすことなく、適切な、圧縮強度のような機械的特性を有する。
本明細書に記載のパーツキットの、ペーストAとペーストBとを混合したときに得られるグラスアイオノマーセメント組成物は、典型的には、以下のとおり特徴づけることができる。
水を、以下の量で含むこと:
下限:少なくとも6、又は少なくとも8、又は少なくとも10重量%、
上限:最大40、又は最大35、又は最大30重量%、
範囲:6〜40、又は8〜35、又は10〜30重量%。
酸反応性充填剤Aを、以下の量で含むこと:
下限:少なくとも20、又は少なくとも25、又は少なくとも30重量%、
上限:最大50、又は最大45、又は最大40重量%、
範囲:20〜50、又は25〜45、又は30〜40重量%。
非酸反応性充填剤Bを、以下の量で含むこと:
下限:少なくとも1、又は少なくとも2、又は少なくとも3重量%、
上限:最大50、又は最大45、又は最大40重量%、
範囲:1〜50、又は2〜45、又は3〜40重量%。
ポリ酸を、以下の量で含むこと:
下限:少なくとも1、又は少なくとも2、又は少なくとも5重量%、
上限:最大45、又は最大40、又は最大35重量%、
範囲:1〜45、又は2〜40、又は5〜35重量%。
錯化剤を、以下の量で含む:
下限:少なくとも0.05、又は少なくとも0.5、又は少なくとも0.75重量%、
上限:最大6、又は最大5、又は最大4重量%、
範囲:0.05〜6、又は0.5〜5、又は0.75〜4重量%、
フィロシリケートを、以下の量で含むこと:
下限:少なくとも0.05、又は少なくとも0.1、又は少なくとも0.25、又は少なくとも0.5重量%、
上限:最大15、又は最大12、又は最大10、又は最大2重量%、
範囲:0.05〜15、又は0.1〜12、又は0.25〜10、又は0.5〜2重量%。
上記の量に関して、重量%は、パーツキットのペーストを混合したときに得られる組成物全体の重量を指す。
ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物中に含有されている充填剤A及びBの量は、典型的には、50重量%を上回る、又は55重量%を上回る、又は60重量%を上回る。
低い含水量と組み合わされた高い充填剤含有量は、典型的には、硬化組成物の機械的特性、例えば圧縮強度を改善するのに役立つ。
ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の含水量は、35重量%を下回る、又は30重量%を下回る。
低い含水量は、典型的には、圧縮強度のような物理的特性を改善するのに役立つ。
本明細書に記載のパーツキットのペーストは、それぞれのペーストの個々の成分を単に混合することによって製造することができる。
必要であれば、充填剤粒子を、当業者に既知の設備、例えばボールミルを使用して、所望の粒径にミリングできる。
混合は、手によるか、又は混合機若しくは混錬機のような機械装置により、達成することができる。混合の期間は、組成物及び混合装置に応じて様々であってよく、均質なペーストを得るのに十分長い期間であるべきである。
本明細書に記載のパーツキットは、異なる実施形態において施術者に提供され得る。
ペーストは、別々の封着可能な容器(例えばプラスチック、ガラス又は金属で作製された)中に収容され得る。
使用のために、施術者は、適切な分量のペースト状の成分を容器から取り、その分量を混合パッド上、手で混合してもよい。
好ましい実施形態によれば、ペーストは、貯蔵装置の別々のコンパートメント中に収容される。
貯蔵装置は、典型的には、それぞれのペーストを貯蔵するための2つのコンパートメントを備え、各コンパートメントには、それぞれのペーストを送達するためのノズルが備えられている。一旦、適切な分量が送達されたら、次いで、ペーストは、混合パッド上、手で混合され得る。
別の好ましい実施形態によれば、貯蔵装置は、静的混合チップを受容するためのインターフェースを有する。混合チップは、それぞれのペーストを混合するために使用される。静的混合チップは、例えばSulzerMixpac companyから市販されている。
好適な貯蔵装置は、カートリッジ、注射器及びチューブを含む。
貯蔵装置は、典型的には2つのハウジング又はコンパートメントを備え、これは、ノズルを有する前端、及び後端、及び少なくとも1つの、ハウジング又はコンパートメント中で移動可能なピストンを有する。
使用可能なカートリッジは、例えば米国特許公開第2007/0090079号(Keller)、又は米国特許第5,918,772号(Kellerら)に記載され、その開示は、参照により組み込まれる。使用可能なカートリッジの一部は、例えば、SulzerMixpac AG(Switzerland)から市販されている。使用可能な静的混合チップは、例えば米国特許公開第2006/0187752号(Keller)、又は米国特許第5,944,419号(Streiff)に記載され、その開示は、参照により組み込まれる。使用され得る混合チップは、同様に、SulzerMixpac AG(Switzerland)から市販されている。
他の好適な貯蔵装置は、例えば、国際公開第2010/123800号(Boehmら)、同第2005/016783号(Reidtら)、同第2007/104037号(Broylesら)、同第2009/061884号(Boehmら)、特に図14に示す装置に記載されている。これらの参考文献の内容も、同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
あるいは、本明細書に記載のペースト/ペースト組成物は、2つの個々の注射器中で提供することができ、その個々のペーストは、手で混合されてから使用することができる。
したがって、本発明はまた、2つのコンパートメント、すなわちコンパートメントAとコンパートメントBとを備え、コンパートメントAは、ペーストAを収容し、コンパートメントBは、ペーストBを収容し、ペーストAとペーストBとは本明細書に記載されたものであり、コンパートメントAとコンパートメントBとの双方は、ノズル、又は静的混合チップのエントランスオリフィスを受容するためのインターフェースを備える、本明細書に記載のパーツキットを貯蔵するための装置を対象とする。
ペーストAとペーストBとの混合比は、典型的には、容積比として、5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3、更により好ましくは1:1〜である。
あるいは、ペーストAとペーストBとの混合比は、典型的には、重量比として、6:1〜1:6、好ましくは4:1〜1:4である。
それぞれのペーストを混合したときに得られたものであるか、又は得ることができる組成物は、歯科用セメント、歯科用充填材、歯科用コアビルドアップ材料、又は歯科用根管充填材料として、又はそれらを製造するために、特に有用である。
典型的な適用は、
a)ペーストAとペーストBとを混合して硬化性組成物を得る工程、
b)硬化性組成物を、歯の硬組織表面に適用する工程、
c)硬化対象の組成物を硬化させる工程、
を含む。
加えて、本明細書に記載のパーツキットは、典型的には、使用指示書を含む。
使用指示書は、典型的には、パーツキットの貯蔵方法、パーツキットのペーストの混合方法、及び/又はペーストを混合して得られた組成物の、歯の硬組織表面への適用方法の、助言を含む。
一実施形態によれば、本発明は、以下のとおりに特徴づけられるパーツキットに関する。
ペーストAが、
10〜35重量%の量の水と、
50〜90重量%の量の酸反応性無機充填剤Aであって、1〜15μmの範囲の平均粒径を有し、金属酸化物、金属水酸化物、ハイドロキシアパタイト、フルオロアルミノシリケートガラス、及びこれらの混合物から選択される、酸反応性無機充填剤Aと、
2:1の層状シリケートから選択される、0.5〜10重量%の量で存在するフィロシリケートと、を含み、
ペーストBが、
10〜45重量%の量の水と、
5〜70重量%の量のポリ酸と、
0.1〜12重量%の量の錯化剤と、
5〜70重量%の量の非酸反応性充填剤Bであって、0.01〜15μmの範囲の平均粒径を有し、石英、シリカ、アルミナ、チタン、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、非酸反応性充填剤Bと、を含み、
重量%が、ペーストA又はペーストBそれぞれの重量に対するものであり、
ペーストAとペーストBのいずれも、ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の重量に対して、1重量%を上回る量の重合性成分を含まない。
典型的には、本明細書に記載のパーツキットの、ペーストAとペーストBのいずれも、又はペーストA及びペーストBも、ペーストA又はペーストBの重量に対する重量%として、以下の成分:
a)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量のヒドロキシルエチルメタクリレート(HEMA)、
b)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量の重合性成分、
c)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量の、重合性成分又はモノマーを硬化するのに好適な開始剤成分、
d)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量の、メトキシフェノール又は3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルオールのような阻害剤、
e)1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る量の、ゼオライトのような乾燥剤、
のうちのいずれをも、単独でも組み合わせでも含有しない。
したがって、本明細書に記載のパーツキットの粉末部分と液体部分とを混合したときに得られる組成物は、いわゆる樹脂改質グラスアイオノマーセメント(RM−GIC)ではなく、したがって、重合に基づく硬化系を含有しない。
具体的には、本明細書に記載のセメント組成物は、レドックス開始剤系、又は熱的誘導開始剤系、又は放射線誘導開始系を含有しない。
特に、本明細書に記載のセメント組成物は、組成物全体の重量に対して、1重量%を上回る、又は0.5重量%を上回る、又は0.1重量%を上回る量の、以下の成分:
(a)及び(b)
(b)及び(c)
(a)、(b)及び(c)
(b)、(c)及び(d)
(a)、(b)、(c)及び(d)
を含有しない。
すなわち、本明細書に記載のセメント組成物は、典型的には、これらの組成物のいずれをも、単独でも組み合わせでも本質的に含まない。
本発明の歯科用組成物中で使用される全ての成分は、十分に生体適合性とされ、すなわち、この組成物は、生体組織内で、有毒反応、有害反応又は免疫反応を引き起こさない。
本明細書に引用した特許、特許文献、及び刊行物の全開示は、それぞれが個別に組み込まれたかのごとく、それらの全体が参照により組み込まれる。本発明に対する様々な修正及び変更が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなしに、当業者に明らかとなると考えられる。上記の明細書、実施例及びデータは、本発明の組成物及び方法の、製造及び使用の説明を提供する。本発明は、本明細書に開示の実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の多くの代替的実施形態が、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく実施できることを理解するであろう。
以下の実施例は、本発明の範囲を例示するために記載され、それを限定するために記載されるのではない。
別段の指定がない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり、全ての水は脱イオン水であり、全ての分子量は重量平均分子量である。更に、別段の指定がない限り、全ての実験は、周囲条件(23℃、1013mbar)において実施した。
試験方法
混合ペーストの粘度
混合ペーストの粘度は、23℃で回転しながら一定の剪断速度のプレート/プレートジオメトリ(PP15)を有するPhysica MCR301レオメータ(Anton Paar,Graz,Austria)を用いて、測定した。プレートの直径は15mmであり、プレート間の間隙は0.25mmに設定した。両方のペーストを1:1の重量比で20秒間、手で混合した後、混合物(約160mg)をプレート上に置いた。手での混合開始1分後に粘度を測定した。1秒あたり1データポイントを記録した。測定時間を15秒とし、最後の5データポイントを平均化することにより、粘度を測定した。剪断速度200s−1で粘度を測定した。どの測定も2回行った。
ペーストBの粘度
所望であれば、ペーストBの粘度は、23℃で回転しながら一定の剪断速度20s−1のプレート/プレートジオメトリ(PP15)を有するPhysica MCR301レオメータ(Anton Paar,Graz,Austria)を用いて、測定することができる。プレートの直径は15mmであった。また、プレート間の間隙は0.25mmに設定する。ペーストB(約160mg)をプレート上に置く。1秒あたり1データポイントを記録する。測定時間を60秒とし、最後の5データポイントを平均化することにより、粘度を測定する。
圧縮強度(CS)
圧縮強度の測定を、EN−ISO9917−1:2007に従って実施した。ただし、組成物を被覆するために、ガラススラブをホイルの代わりに使用する。直径4mm、高さ6mmの円筒形の標本を使用した。材料の標本は、スプリット型を用いて、室温、相対湿度50%において調製した。型を顕微鏡スライド上に置き、気泡の混入を回避するよう、混合材料を徹底して充填した。充填された型を、すぐに別のガラススラブを用いて被覆し、わずかな圧力でねじクランプに固定し、過剰の材料を押し出した。アセンブリ全体を36℃の水中に保存した。混合開始1時間後に、型から標本を取り出し、すぐに36℃の水中に入れた。各材料につき6つの標本を調製した。混合開始24時間後に材料を測定した。測定前に、各標本の正確な直径を測定した。クロスヘッド速度1mm/分で作動するZwick万能試験機(Zwick GmbH&Co.KG,Ulm,Germany)を使用して、圧縮負荷を適用することにより、標本の強度を測定した。結果を、6回の反復の平均として報告した。
作業時間
所望であれば、以下のプロトコルに従って作業時間を測定することができる。
混合ペーストの作業時間は、28℃で振動しながら一定の剪断速度のプレート/プレートジオメトリ(PP08)を有するPhysica MCR301レオメータ(Anton Paar,Graz,Austria)を用いて、測定することができる。プレートの直径は8mmであり、プレート間の間隙は0.75mmに設定する。1:1の重量比でペーストを手で混合する。次いで、約200mgの混合物を円筒形プラットフォーム上に置く。振動測定(周波数1.25Hz、変形1.75%)における時間に依存してtanδを測定する。その後、カスタマイズされたアルゴリズムを用いて、作業時間を算出する。
貯蔵安定性
市販のLUMiFuge110装置を使用して、ペースト分離に関する貯蔵安定性を測定した。装置は、中で強い遠心力が試料に加えられている間に、試料の空間分解透過光プロファイルの観点から、試料が検査される、分析的な遠心分離器である。
分離安定性試験は、約2050g(=4000rpm)の平均遠心荷重で10時間実施した。120秒後毎にデータポイントを測定することにより、300の単独分離プロファイルを記録した。市販の測定セル(LUM10mm,PC,Rect.Synthetic Cell(110−132xx))を使用した。
所望であれば、透明相(分離した)と不透明相との間の分離線の移動速度を測定することにより、試料の沈降速度を評価することができる。線形回帰を用いて、測定開始(0秒)と17、000秒(約5時間の実施時間)との間で清澄速度を測定することができる。どの測定も典型的には2回行う。
密度
所望であれば、ペーストの密度は、規定の容積の容器中にペーストを充填することによって、並びにペーストを含む場合、及び含まない場合の、容器を秤量することによって測定することができる。規定の容積で割った重量の差により、ペーストの密度を得る。
押出力
所望であれば、Zwick Z020機(Zwick Roell Comp.)を試験装置として使用して、グラスアイオノマーセメント組成物の押出力を測定することができる。試験装置に容器のためのホルダーを取り付け、ピストンに対して圧力をかけるための小さなスタンプを容器内に挿入し、貯蔵容器を封止する。スタンプの寸法は、市販の単一容器ディスペンサで使用されているものと一致させた。供給速度を1.0mm/秒に設定する。初期の降伏点を超えた(始点から約6mm〜9mm)後に力を測定する。6つの個々の測定値に対する平均値として押出力を測定することができる。
粒径
所望であれば、平均粒径を含む粒径分布を、Cilas1064(FA.Quantacrome)粒径検出装置を用いて測定することができる。測定中、試料を正確に分散させるために超音波を使用した。
分子量
所望であれば、分子量(Mw)を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、ポリアクリル酸ナトリウム塩の標準物質に対して測定することができる。具体的には、次の設備が有用であることを見出した。2PSS Suprema3000A、8300mm、10μmのカラムを備えたPSS SECurity GPC System;溶出剤:84mMのNa2HPO4+200ppmのNaN3:流速:1mL/分。
Figure 2019506433
調製例
ペーストA(非酸性ペースト)の一般的な調製
FASガラスにペースト形成剤を添加し、振盪することにより粉末を混合した。次いで、手で混合することにより脱イオン水を粉末混合物に添加した。市販のSpeedMixer(商標)DAC150SP(Hauschild,Germany)を使用して、1×90秒、2700RPMを適用することにより、混合物を混合した。乾燥による水の損失を防止するために、ペーストをアルミナ管に貯蔵する。
ペーストB(酸性ペースト)の一般的な調製
ポリアクリル酸溶液の調製
44重量%ポリ酸2と、9.1重量%酒石酸と、0.1重量%安息香酸との、24.8gの水溶液に、15.2gのポリ酸1を、手で混合することにより添加した。次いで、市販のSpeedMixer(商標)DAC150SP(Hauschild,Germany)を使用して、90秒、3000RPMを適用することにより、混合物を混合した。ポリ酸1を一晩かけて完全に溶解させた。その後、混合物を再び混合した(90秒、3000RPM)。
ペーストBの調製
35.0gの上記ポリアクリル酸溶液に、30.0gの非酸反応性充填剤(クリストバライト粉末)を、手で混合することにより添加した。次いで、市販のSpeedMixer(商標)DAC150SP(Hauschild,Germany)を使用して、2×90秒、2700RPM及び1×15秒、2300RPMを適用することにより、混合物を混合した(各混合工程後、室温まで冷却した)。乾燥による水の損失を防止するために、ペーストをアルミナ管に貯蔵した。
グラスアイオノマー組成物
組成
以下の実施例により、記載されたペースト形成剤の効果を異なる量で実証する。この点において、FASガラスの一部は、ペースト形成剤に所定量置換されている。
Figure 2019506433
Figure 2019506433
Figure 2019506433
それぞれのペーストを1:1(重量で)の混合比で、スパチュラ及び混合パッドを用いて、手で混合することにより、それぞれの組成物を得た。
得られた組成物を、その物理的/機械的特性に関して分析した。
Figure 2019506433
Figure 2019506433
本発明によるペーストを手で混合するのに必要な力は、粘度値(高剪断速度について)から取得することができるように、比較例のペーストを混合するのに必要な力よりも低かった。
更に、両方のペーストを好都合な1:1の比で混合することができ、予測可能な臨床結果を可能にした。
本発明によるグラスアイオノマーセメントはまた、圧縮強度値によって示されるように、適切な機械的特性を示した。
分離速度の値から取り出すことができるように、本発明による非酸性ペーストAは、比較例の非酸性ペーストAと比較して(分離分析から取得することができるように)、より良好な貯蔵安定性も示した。

Claims (13)

  1. 歯科使用のためのグラスアイオノマー組成物を調製するためのパーツキットであって、前記キットはペーストAとペーストBとを含み、
    ペーストAが、
    水と、
    酸反応性無機充填剤Aと、
    フィロシリケートであって、カルシウムイオン及びナトリウムイオンを含む2:1の層状シリケートから選択されるフィロシリケートと、を含み、
    ペーストBが、
    水と、
    ポリ酸と、
    非酸反応性充填剤Bと、
    任意に、キレート剤と、を含む、パーツキット。
  2. 前記フィロシリケートは、タルク−ピロフィライト鉱物、スメクタイト鉱物、バーミキュライト鉱物、イライト鉱物、グリマー鉱物、雲母鉱物、及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載のパーツキット。
  3. 前記フィロシリケートは、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、タルク、ウィレムセアイト、パイロフィライト、スチブンサイト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、フォルコンスカイト、金雲母、黒雲母、紅雲母、白雲母、イライト、海緑石、セラドナイト、及びこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載のパーツキット。
  4. 前記フィロシリケートは、ペーストAの重量に対して、0.1〜30重量%の量で使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーツキット。
  5. ペーストAが、以下のパラメータ:
    密度:1.5〜3.0g/cm
    pH値:脱イオン水10mL中に分散させて5分間撹拌した1gのペーストAについてpH指示薬で測定して5〜10、
    のうちの少なくとも1つ以上によって特徴づけられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーツキット。
  6. ペーストBが、以下のパラメータ:
    粘度:23℃にて剪断速度20s−1で測定して、100〜50,000Pas、
    密度:1.3〜2.0g/cm
    pH値:脱イオン水10mL中に分散させて5分間撹拌した1gのペーストBについてpH電極で測定して1〜4、
    のうちの少なくとも1つ以上によって特徴づけられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーツキット。
  7. ペーストAとペーストBとを組み合わせたときに得られる前記組成物の含水量が、30重量%を下回る、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーツキット。
  8. ペーストAとペーストBのいずれも、以下の成分:
    約1重量%を上回る量の重合性成分、
    約1重量%を上回る量の、重合性成分を硬化するのに好適な開始剤成分、
    約0.5重量%を上回る量の、2−ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム、
    のうちの少なくとも1つ以上又は全てを含まず、
    重量%が、前記ペーストA又はペーストBそれぞれの重量に対するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーツキット。
  9. 以下のとおりに特徴づけられる請求項1〜8のいずれか一項に記載のパーツキット:
    ペーストAが、
    10〜35重量%の量の水と、
    50〜90重量%の量の前記酸反応性無機充填剤Aであって、1〜15μmの範囲の平均粒径を有し、金属酸化物、金属水酸化物、ハイドロキシアパタイト、フルオロアルミノシリケートガラス、及びこれらの混合物から選択される、前記酸反応性無機充填剤Aと、
    2:1の層状シリケートであり、0.5〜10重量%の量で存在するフィロシリケートと、を含み、
    ペーストBが、
    10〜45重量%の量の水と、
    5〜70重量%の量の前記ポリ酸と、
    0.1〜12重量%の量の前記キレート剤と、
    5〜70重量%の量の前記非酸反応性充填剤Bであって、0.01〜15μmの範囲の平均粒径を有し、石英、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物から選択される、前記非酸反応性充填剤Bと、を含み、
    重量%が、前記ペーストA又はペーストBそれぞれの重量に対するものであり、
    ペーストAとペーストBのいずれも、ペーストAとペーストBとを混合したときに得られる組成物の重量に対して1重量%を上回る量の重合性成分を含まない。
  10. 歯科使用のための硬化組成物であって、前記硬化組成物は請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーツキットのペーストAとペーストBとを混合して、前記混合物を硬化させることによって得ることができ、又は得られたものであり、以下のパラメータ:
    曲げ強度:EN−ISO 9917−2:2010に従って測定して、20MPaを上回る、
    圧縮強度:EN−ISO 9917−1/2007に従って測定して、60MPaを上回る、
    のうちの少なくとも1つ以上により特徴づけられる、硬化組成物。
  11. 2つのコンパートメント、すなわちコンパートメントAとコンパートメントBとを備え、コンパートメントAが、ペーストAを収容し、コンパートメントBが、ペーストBを収容し、ペーストAとペーストBとが、請求項1〜10のいずれか一項に記載されたものであり、コンパートメントAとコンパートメントBとの双方が、ノズル、又は静的混合チップのエントランスオリフィスを受容するためのインターフェースを備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーツキットを貯蔵するための装置。
  12. 歯科用セメント、歯科用充填材料、歯科用コアビルドアップ材料又は歯科用根管充填材料としての、又はそれらを調製するための、請求項12に記載の組成物、請求項13に記載の装置、又は請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーツキットの、使用。
  13. ペーストタイプのグラスアイオノマーセメント用のペースト形成剤としてのフィロシリケートの使用であって、前記フィロシリケートが、請求項1〜6のいずれか一項に記載されているようなカルシウムイオン及びナトリウムイオンを含む2:1の層状シリケートから選択される、使用。
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