JP2019217924A - 車両および制御方法 - Google Patents

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繁弘 本田
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Abstract

【課題】運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供すること。【解決手段】車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、を備えた車両であって、前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する。【選択図】図13

Description

本発明は、自動運転車両に関する。
車両の走行中に、所定の走行継続条件が不成立となった場合に、車両を減速して停止させる停止制御が提案されている。その一例として、特許文献1にはこうした制御を行った後、運転者のドア開放操作等を無効化して運転者が意図せずに車外に出ることを防止する一方、救護活動のために車外からドア開放等を可能とする技術が開示されている。
特開2014−24368号公報
停止時に車両がドアロックの状態にあると、運転者を車両の内部に留めて保護する点で有利である。一方、停止時に車両のドアがアンロックの状態にあると、運転者が円滑に車外に脱出する点や車外から運転者の救護活動を行う点で有利である。そして、運転者の安全性の点でドアロックとアンロックのどちらが有利となるかは、車両の状況により異なる。
本発明の目的は、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することにある。
本発明によれば、例えば、
車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
を備えた車両であって、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する、
ことを特徴とする車両が提供される。
本発明によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。
実施形態に係る車両及び制御システムのブロック図。 実施形態に係る車両及び制御システムのブロック図。 制御システムのブロック図。 (A)および(B)は走行制御例を示す説明図。 実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート。 実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート。 実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート。 実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート。 実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート。 実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート。 (A)〜(D)は停止制御における停止位置の例を示す説明図。 実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート。 (A)は実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート、(B)はドアロック/アンロックの例を示す説明図。 (A)〜(C)はドアロック/アンロックの例を示す説明図。 (A)及び(B)はドアロックの状態に関する報知例を示す説明図。 (A)は実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート、(B)はドアロック/アンロックの例を示す説明図。 (A)は実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート、(B)及び(C)はドアロック/アンロックの例を示す説明図。 (A)は実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート、(B)はドアロック/アンロックの例を示す説明図。 (A)及び(B)は実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート、(C)はドアロック/アンロックの例を示す説明図。 (A)は実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート、(B)はドアロック/アンロックの例を示す説明図。 (A)及び(B)はアンロックの抑制例を示す説明図。 (A)及び(B)は実施形態の制御システムで実行される処理例を示すフローチャート。
<第一実施形態>
図1〜図3は、本発明の一実施形態に係る車両V及びその制御システム1のブロック図である。図1および図2において、車両Vはその概略が平面図と側面図とで示されている。車両Vは一例としてセダンタイプの四輪の乗用車であり、4つのドアD1〜D4を有している。本実施形態における車両Vは、前列に2つのシート、後列に2つのシートを有する。前列の右側のシートが運転席、左側のシートが助手席である。ドアD1及びD3は車両Vの右側面のドアであり、ドアD2及びD4は車両Vの左側面のドアである。
ドアD1、D2を運転席側、助手席側で区別すると、ドアD1は運転席の右側のドアであり、ドアD2は助手席側のドアである。仮に、前列の左側のシートが運転席、右側のシートが助手席であった場合は、ドアD2は運転席の右側のドアであり、ドアD1は助手席側のドアである。
制御システム1は、制御装置1Aと制御装置1Bとを含む。図1は制御装置1Aを示すブロック図であり、図2は制御装置1Bを示すブロック図である。図3は主に、制御装置1Aと制御装置1Bとの間の通信回線ならびに電源の構成を示している。
制御装置1Aと制御装置1Bとは車両Vが実現する一部の機能を多重化ないし冗長化したものである。これによりシステムの信頼性を向上することができる。制御装置1Aは、例えば、自動運転制御や、手動運転における通常の動作制御の他、危険回避等に関わる走行支援制御も行う。制御装置1Bは主に危険回避等に関わる走行支援制御を司る。走行支援のことを運転支援と呼ぶ場合がある。制御装置1Aと制御装置1Bとで機能を冗長化しつつ、異なる制御処理を行わせることで、制御処理の分散化を図りつつ、信頼性を向上できる。
本実施形態の車両Vはパラレル方式のハイブリッド車両であり、図2には、車両Vの駆動輪を回転させる駆動力を出力するパワープラント50の構成が模式的に図示されている。パワープラント50は内燃機関EG、モータMおよび自動変速機TMを有している。モータMは車両Vを加速させる駆動源として利用可能であると共に減速時等において発電機としても利用可能である(回生制動)。
<制御装置1A>
図1を参照して制御装置1Aの構成について説明する。制御装置1Aは、ECU群(制御ユニット群)2Aを含む。ECU群2Aは、複数のECU20A〜29Aを含む。各ECUは、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェース等を含む。記憶デバイスにはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。各ECUはプロセッサ、記憶デバイスおよびインタフェース等を複数備えていてもよい。なお、ECUの数や、担当する機能については適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、あるいは、統合することが可能である。なお、図1および図3においてはECU20A〜29Aの代表的な機能の名称を付している。例えば、ECU20Aには「自動運転ECU」と記載している。
ECU20Aは、車両Vの走行制御として自動運転に関わる制御を実行する。自動運転においては車両Vの駆動(パワープラント50による車両Vの加速等)、操舵または制動の少なくとも一つを、運転者の運転操作に依らず自動的に行う。本実施形態では、駆動、操舵および制動を自動的に行う。
ECU21Aは、車両Vの周囲状況を検知する検知ユニット31A、32Aの検知結果に基づいて、車両Vの走行環境を認識する環境認識ユニットである。検知ユニット31A、32Aが検知する対象には、車両Vの周辺を走行する他車両も含まれる。ECU21Aは周辺環境情報として物標データを生成する。
本実施形態の場合、検知ユニット31Aは、撮像により車両Vの周囲の物体を検知する撮像デバイス(以下、カメラ31Aと表記する場合がある。)である。カメラ31Aは車両Vの前方を撮影可能なように、車両Vのルーフ前部でフロントウィンドウの車室内側に取り付けられる。カメラ31Aが撮影した画像の解析により、物標の輪郭抽出や、道路上の車線の区画線(白線等)を抽出可能である。
本実施形態の場合、検知ユニット32Aは、光により車両Vの周囲の物体を検知するLight Detection and Ranging(LIDAR:ライダ)であり(以下、ライダ32Aと表記する場合がある)、車両Vの周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。本実施形態の場合、ライダ32Aは5つ設けられており、車両Vの前部の各隅部に1つずつ、後部中央に1つ、後部各側方に1つずつ設けられている。ライダ32Aの数や配置は適宜選択可能である。
ECU29Aは、検知ユニット31Aの検知結果に基づいて、車両Vの走行制御として走行支援(換言すると運転支援)に関わる制御を実行する走行支援ユニットである。
ECU22Aは、電動パワーステアリング装置41Aを制御する操舵制御ユニットである。電動パワーステアリング装置41Aは、ステアリングホイールSTに対する運転者の運転操作(操舵操作)に応じて前輪を操舵する機構を含む。電動パワーステアリング装置41Aは操舵操作をアシストしたり、あるいは、前輪を自動操舵するための駆動力を発揮するモータや、モータの回転量を検知するセンサや、運転者が負担する操舵トルクを検知するトルクセンサ等を含む。
ECU23Aは、油圧装置42Aを制御する制動制御ユニットである。ブレーキペダルBPに対する運転者の制動操作はブレーキマスタシリンダBMにおいて液圧に変換されて油圧装置42Aに伝達される。油圧装置42Aは、ブレーキマスタシリンダBMから伝達された液圧に基づいて、四輪にそれぞれ設けられたブレーキ装置(例えばディスクブレーキ装置)51に供給する作動油の液圧を制御可能なアクチュエータであり、ECU23Aは油圧装置42Aが備える電磁弁等の駆動制御を行う。本実施形態の場合、ECU23Aおよび油圧装置23Aは電動サーボブレーキを構成し、ECU23Aは、例えば、4つのブレーキ装置51による制動力と、モータMの回生制動による制動力との配分を制御する。
ECU24Aは、自動変速機TMに設けられている電動パーキングロック装置50aを制御する停止維持制御ユニットである。電動パーキングロック装置50aは、主としてPレンジ(パーキングレンジ)選択時に自動変速機TMの内部機構をロックする機構を備える。自動変速機TMの内部機構をロックすると、車両Vの停止を機械的に維持することができる。運転者がPレンジを選択する操作(例えばシフトレバーに対する選択操作)は停止維持操作の一つである。ECU24Aは電動パーキングロック装置50aによるロックおよびロック解除を制御可能である。
ECU25Aは、車内に情報を報知する情報出力装置43Aを制御する車内報知制御ユニットである。情報出力装置43Aは例えばヘッドアップディスプレイ等の表示装置や音声出力装置を含む。更に、振動装置を含んでもよい。ECU25Aは、例えば、車速や外気温等の各種情報や、経路案内等の情報を情報出力装置43Aに出力させる。
ECU26Aは、車外に情報を報知する情報出力装置44Aを制御する車外報知制御ユニットである。本実施形態の場合、情報出力装置44Aは方向指示器(ハザードランプ)であり、ECU26Aは方向指示器として情報出力装置44Aの点滅制御を行うことで車外に対して車両Vの進行方向を報知し、また、ハザードランプとして情報出力装置44Aの点滅制御を行うことで車外に対して車両Vへの注意力を高めることができる。
ECU27Aは、パワープラント50を制御する駆動制御ユニットである。本実施形態では、パワープラント50にECU27Aを一つ割り当てているが、内燃機関EG、モータMおよび自動変速機TMのそれぞれにECUを一つずつ割り当ててもよい。ECU27Aは、例えば、アクセルペダルAPに設けた操作検知センサ34aやブレーキペダルBPに設けた操作検知センサ34bにより検知した運転者の運転操作や車速等に対応して、内燃機関EGやモータMの出力を制御したり、自動変速機TMの変速段を切り替える。なお、自動変速機TMには車両Vの走行状態を検知するセンサとして、自動変速機TMの出力軸の回転数を検知する回転数センサ39が設けられている。車両Vの車速は回転数センサ39の検知結果から演算可能である。
ECU28Aは、車両Vの現在位置や進路を認識する位置認識ユニットである。ECU28Aは、ジャイロセンサ33A、GPSセンサ28b、通信装置28cの制御および検知結果あるいは通信結果の情報処理を行う。ジャイロセンサ33Aは車両Vの回転運動を検知する。ジャイロセンサ33Aの検知結果等により車両Vの進路を判定することができる。GPSセンサ28bは、車両Vの現在位置を検知する。通信装置28cは、地図情報や交通情報を提供するサーバと無線通信を行い、これらの情報を取得する。データベース28aには、高精度の地図情報を格納することができ、ECU28Aはこの地図情報等に基づいて、車線上の車両Vの位置をより高精度に特定可能である。
入力装置45Aは運転者が操作可能に車内に配置され、運転者からの指示や情報の入力を受け付ける。
<制御装置1B>
図2を参照して制御装置1Bの構成について説明する。制御装置1Bは、ECU群(制御ユニット群)2Bを含む。ECU群2Bは、複数のECU21B〜28Bを含む。各ECUは、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェース等を含む。記憶デバイスにはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。各ECUはプロセッサ、記憶デバイスおよびインタフェース等を複数備えていてもよい。なお、ECUの数や、担当する機能については適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、あるいは、統合することが可能である。なお、ECU群2Aと同様、図2および図3においてはECU21B〜28Bの代表的な機能の名称を付している。
ECU21Bは、車両Vの周囲状況を検知する検知ユニット31B、32Bの検知結果に基づいて、車両Vの走行環境を認識する環境認識ユニットであると共に、車両Vの走行制御として走行支援(換言すると運転支援)に関わる制御を実行する走行支援ユニットである。検知ユニット31B、32Bが検知する対象には、車両Vの周辺を走行する他車両も含まれる。ECU21Bは周辺環境情報として物標データを生成する。
なお、本実施形態では、ECU21Bが環境認識機能と走行支援機能とを有する構成としたが、制御装置1AのECU21AとECU29Aのように、機能毎にECUを設けてもよい。逆に、制御装置1Aにおいて、ECU21Bのように、ECU21AとECU29Aの機能を一つのECUで実現する構成であってもよい。
本実施形態の場合、検知ユニット31Bは、撮像により車両Vの周囲の物体を検知する撮像デバイス(以下、カメラ31Bと表記する場合がある。)である。カメラ31Bは車両Vの前方を撮影可能なように、車両Vのルーフ前部でフロントウィンドウの車室内側に取り付けられる。カメラ31Bが撮影した画像の解析により、物標の輪郭抽出や、道路上の車線の区画線(白線等)を抽出可能である。本実施形態の場合、検知ユニット32Bは、電波により車両Vの周囲の物体を検知するミリ波レーダであり(以下、レーダ32Bと表記する場合がある)、車両Vの周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。本実施形態の場合、レーダ32Bは5つ設けられており、車両Vの前部中央に1つ、前部各隅部に1つずつ、後部各隅部に一つずつ設けられている。レーダ32Bの数や配置は適宜選択可能である。
ECU22Bは、電動パワーステアリング装置41Bを制御する操舵制御ユニットである。電動パワーステアリング装置41Bは、ステアリングホイールSTに対する運転者の運転操作(操舵操作)に応じて前輪を操舵する機構を含む。電動パワーステアリング装置41Bは操舵操作をアシストしたり、あるいは、前輪を自動操舵するための駆動力を発揮するモータや、モータの回転量を検知するセンサや、運転者が負担する操舵トルクを検知するトルクセンサ等を含む。また、ECU22Bには後述する通信回線L2を介して操舵角センサ37が電気的に接続されており、操舵角センサ37の検知結果に基づいて電動パワーステアリング装置41Bを制御可能である。ECU22Bは、運転者がステアリングホイールSTを把持しているか否かを検知するセンサ36の検知結果を取得可能であり、運転者の把持状態を監視することができる。つまり、センサ36は乗員の状態を検知する検知ユニットの一つである。
ECU23Bは、油圧装置42Bを制御する制動制御ユニットである。ブレーキペダルBPに対する運転者の制動操作はブレーキマスタシリンダBMにおいて液圧に変換されて油圧装置42Bに伝達される。油圧装置42Bは、ブレーキマスタシリンダBMから伝達された液圧に基づいて、各車輪のブレーキ装置51に供給する作動油の液圧を制御可能なアクチュエータであり、ECU23Bは油圧装置42Bが備える電磁弁等の駆動制御を行う。
本実施形態の場合、ECU23Bおよび油圧装置23Bには、四輪それぞれに設けられた車輪速センサ38、ヨーレートセンサ33B、ブレーキマスタシリンダBM内の圧力を検知する圧力センサ35が電気的に接続され、これらの検知結果に基づき、ABS機能、トラクションコントロールおよび車両Vの姿勢制御機能を実現する。例えば、ECU23Bは、四輪それぞれに設けられた車輪速センサ38の検知結果に基づき各車輪の制動力を調整し、各車輪の滑走を抑制する。また、ヨーレートセンサ33Bが検知した車両Vの鉛直軸回りの回転角速度に基づき各車輪の制動力を調整し、車両Vの急激な姿勢変化を抑制する。
また、ECU23Bは、車外に情報を報知する情報出力装置43Bを制御する車外報知制御ユニットとしても機能する。本実施形態の場合、情報出力装置43Bはブレーキランプであり、制動時等にECU23Bはブレーキランプを点灯可能である。これにより後続車に対して車両Vへの注意力を高めることができる。
ECU24Bは、後輪に設けられている電動パーキングブレーキ装置(例えばドラムブレーキ)52を制御する停止維持制御ユニットである。電動パーキングブレーキ装置52は後輪をロックする機構を備え、車両Vの停止を機械的に維持することができる。運転者が電動パーキングブレーキ装置52の作動を選択する操作(例えばパーキングレバーに対する選択操作)は停止維持操作の一つである。ECU24Bは電動パーキングブレーキ装置52による後輪のロックおよびロック解除を制御可能である。
ECU25Bは、車内に情報を報知する情報出力装置44Bや、ドアD1〜D4の車内側にそれぞれ設けられたドアインジケータ25aを制御する車内報知制御ユニットである。本実施形態の場合、情報出力装置44Bはインストルメントパネルに配置される表示装置を含む。ECU25Bは情報出力装置44Bに車速、燃費等の各種の情報を出力させることが可能である。ドアインジケータ25aは車両Vの前後方向に延びる帯状の発光体である。本実施形態の場合、ドアインジケータ25aはドアD1〜D4のロック及びアンロックの少なくともいずれか一方の状態を運転者に報知する。例えば、ドアD1がアンロックの状態にある場合、ドアD1のドアインジケータ25aを緑色で発光させる。また、ドアD2がロックの状態にある場合、ドアD2のドアインジケータ25aを赤色で発光させる。これにより運転者は、どのドアが開閉可能で、どのドアが開閉不能であるのかを直ぐに認知できる。このようなドアD1〜D4のロック及びアンロックの報知は、情報出力装置44Bでも可能である。例えば、ドアD1がアンロックの状態にある場合、情報出力装置44Bによって「右ドア 開閉可能」といったメッセージを表示することで報知する。ドアD2がロックの状態にある場合、情報出力装置44Bによって「左ドア 開閉不能」といったメッセージを表示することで報知する。このようなメッセージは音声で報知されてもよい。
ECU26Bは、電動ドアロック装置26aを制御するドアロック制御ユニットである。電動ドアロック装置26aはドアD1〜D4にそれぞれ設けられており、個別に動作可能である。ECU26Bは、電動ドアロック装置26aの動作状態を、閉状態のドアを車体に固定して開閉不能とするドアロック状態と、閉状態のドアを車体に固定せずに開閉可能とするアンロック状態とに制御可能である。ECU26Bは、また、操作検知ユニット26bと電気的に接続されている。操作検知ユニット26bは、例えば、運転者が操作可能に運転席付近に設けられた集中ドアロック/アンロックスイッチ、各ドアD1〜D4の室内側のドアハンドルの操作(ドア開放操作)を検知するセンサ等である。車両Vの停止中に、運転者が操作検知ユニット26bの検知対象である操作部材に対してロック解除指示操作を行って、操作検知ユニット26bがこれを検知した場合、ECU26Bは電動ドアロック装置26aをアンロック状態に制御する。なお、運転者のロック解除指示は音声で受け付ける装置であってもよい。
ECU27Bは、乗員の状態を検知する検知ユニット27aの検知結果に基づいて乗員の状態を認識する状態認識ユニットである。認識の対象は乗員全員でもよいが、運転者のみであってもよい。検知ユニット27aは、本実施形態の場合、車室内を撮影するカメラである(以下、カメラ27aと表記する場合がある)。カメラ27aの撮影画像により、運転者が健全か否かを判別することが可能である。例えば、運転者の視線の移動を認識することにより車両Vの周辺監視を行っているか否かを判別でき、周辺監視を行っていると認められる場合、運転者が健全であると判別できる。或いは、運転者の瞳を認識することにより、運転者が覚醒しているか意識不明かを判別でき、覚醒していると認められる場合、運転者が健全であると判別できる。或いは、運転者の手足の動きを認識することにより、運転者が運転操作を行っているか否かを判別でき、運転操作を行っていると認められる場合、運転者が健全であると判別できる。
なお、検知ユニット27aとしては、カメラ27aに代えて、或いは、併用して、生体センサであってもよい。生体センサとしては、例えば、心拍数センサ、血圧センサ、体温センサ等を挙げることができる。このような生体センサの検知結果は、運転者が健全か否かを判別するための情報として活用できる。
ECU28Bは通信装置28aを備えた通信制御ユニットである。ECU28Bは、車車間通信又は路車間通信により車両Vの周辺を走行する他車両を検知することが可能である。つまり、通信装置28aは他車両を検知するユニットとして利用可能である。
入力装置45Bは運転者が操作可能に車内に配置され、運転者からの指示や情報の入力を受け付ける。
<通信回線>
ECU間を通信可能に接続する、制御システム1の通信回線の例について図3を参照して説明する。制御システム1は、有線の通信回線L1〜L7を含む。通信回線L1には、制御装置1Aの各ECU20A〜27A、29Aが接続されている。なお、ECU28Aも通信回線L1に接続されてもよい。
通信回線L2には、制御装置1Bの各ECU21B〜28Bが接続されている。また、制御装置1AのECU20Aも通信回線L2に接続されている。通信回線L3は、ECU20AとECU21Bを接続し、通信回線L4は、ECU20AとECU21Aを接続する。通信回線L5はECU20A、ECU21AおよびECU28Aを接続する。通信回線L6はECU29AとECU21Aを接続する。通信回線L7はECU29AとECU20Aを接続する。
通信回線L1〜L7のプロトコルは同じであっても異なっていてもよいが、通信速度、通信量や耐久性等、通信環境に応じて異ならせてもよい。例えば、通信回線L3およびL4は通信速度の点でEthernet(登録商標)であってもよい。例えば、通信回線L1、L2、L5〜L7はCANであってもよい。
制御装置1Aは、ゲートウェイGWを備えている。ゲートウェイGWは、通信回線L1と通信回線L2を中継する。このため、例えば、ECU21Bは通信回線L2、ゲートウェイGWおよび通信回線L1を介してECU27Aに制御指令を出力可能である。
<電源>
制御システム1の電源について図3を参照して説明する。制御システム1は、大容量バッテリ6と、電源7Aと、電源7Bとを含む。大容量バッテリ6はモータMの駆動用バッテリであると共に、モータMにより充電されるバッテリである。
電源7Aは制御装置1Aに電力を供給する電源であり、電源回路71Aとバッテリ72Aとを含む。電源回路71Aは、大容量バッテリ6の電力を制御装置1Aに供給する回路であり、例えば、大容量バッテリ6の出力電圧(例えば190V)を、基準電圧(例えば12V)に降圧する。バッテリ72Aは例えば12Vの鉛バッテリである。バッテリ72Aを設けたことにより、大容量バッテリ6や電源回路71Aの電力供給が遮断あるいは低下した場合であっても、制御装置1Aに電力の供給を行うことができる。
電源7Bは制御装置1Bに電力を供給する電源であり、電源回路71Bとバッテリ72Bとを含む。電源回路71Bは、電源回路71Aと同様の回路であり、大容量バッテリ6の電力を制御装置1Bに供給する回路である。バッテリ72Bは、バッテリ72Aと同様のバッテリであり、例えば12Vの鉛バッテリである。バッテリ72Bを設けたことにより、大容量バッテリ6や電源回路71Bの電力供給が遮断あるいは低下した場合であっても、制御装置1Bに電力の供給を行うことができる。
<冗長化>
制御装置1Aと、制御装置1Bとが有する機能の共通性について説明する。同一機能を冗長化することで制御システム1の信頼性を向上できる。また、冗長化した一部の機能については、全く同じ機能を多重化したのではなく、異なる機能を発揮する。これは機能の冗長化によるコストアップを抑制する。
[アクチュエータ系]
〇操舵
制御装置1Aは、電動パワーステアリング装置41Aおよびこれを制御するECU22Aを有している。制御装置1Bもまた、電動パワーステアリング装置41Bおよびこれを制御するECU22Bを有している。
〇制動
制御装置1Aは、油圧装置42Aおよびこれを制御するECU23Aを有している。制御装置1Bは、油圧装置42Bおよびこれを制御するECU23Bを有している。これらはいずれも車両Vの制動に利用可能である。一方、制御装置1Aの制動機構はブレーキ装置51による制動力と、モータMの回生制動による制動力との配分を主要な機能としたものであるのに対し、制御装置1Bの制動機構は姿勢制御等を主要な機能としたものである。両者は制動という点では共通するものの、互いに異なる機能を発揮する。
〇停止維持
制御装置1Aは、電動パーキングロック装置50aおよびこれを制御するECU24Aを有している。制御装置1Bは、電動パーキングブレーキ装置52およびこれを制御するECU24Bを有している。これらはいずれも車両Vの停車を維持することに利用可能である。一方、電動パーキングロック装置50aは自動変速機TMのPレンジ選択時に機能する装置であるのに対し、電動パーキングブレーキ装置52は後輪をロックするものである。両者は車両Vの停止維持という点では共通するものの、互いに異なる機能を発揮する。
〇車内報知
制御装置1Aは、情報出力装置43Aおよびこれを制御するECU25Aを有している。制御装置1Bは、情報出力装置44B、インジケータ25aおよびこれらを制御するECU25Bを有している。これらはいずれも運転者に情報を報知することに利用可能である。一方、情報出力装置43Aは例えばヘッドアップディスプレイであり、情報出力装置44Bは計器類などの表示装置である。両者は車内報知という点では共通するものの、互いに異なる表示装置を採用可能である。
〇車外報知
制御装置1Aは、情報出力装置44Aおよびこれを制御するECU26Aを有している。制御装置1Bは、情報出力装置43Bおよびこれを制御するECU23Bを有している。これらはいずれも車外に情報を報知することに利用可能である。一方、情報出力装置44Aは方向指示器(ハザードランプ)であり、情報出力装置43Bはブレーキランプである。両者は車外報知という点では共通するものの、互いに異なる機能を発揮する。
〇相違点
制御装置1Aは、パワープラント50を制御するECU27Aを有しているのに対し、制御装置1Bは、パワープラント50を制御する独自のECUは有していない。本実施形態の場合、制御装置1Aおよび1Bのいずれも、単独で、操舵、制動、停止維持が可能であり、制御装置1Aまたは制御装置1Bのいずれか一方が性能低下あるいは電源遮断もしくは通信遮断された場合であっても、車線の逸脱を抑制しつつ、減速して停止状態を維持することが可能である。また、上記のとおり、ECU21Bは通信回線L2、ゲートウェイGWおよび通信回線L1を介してECU27Aに制御指令を出力可能であり、ECU21Bはパワープラント50を制御することも可能である。制御装置1Bがパワープラント50を制御する独自のECUを備えないことで、コストアップを抑制することができるが、備えていてもよい。
また、制御装置1Bは、ドアロック装置26aを制御するECU26Bを有しているのに対し、制御装置1Aは有していない。しかし、これを制御装置1Aに設けてもよく、或いは、同様の機能を有する制御ユニットを制御装置1Aにも設けてもよい。なお、制御装置1AのECU20AやECU29Aは、通信回線L1やL2を介してECU26Bと通信を行って制御指令を出力したり、逆に、情報を取得することも可能である。
[センサ系]
〇周囲状況の検知
制御装置1Aは、検知ユニット31Aおよび32Aを有している。制御装置1Bは、検知ユニット31Bおよび32B、通信装置28aを有している。これらはいずれも他車両の検知等、車両Vの走行環境の認識に利用可能である。一方、検知ユニット32Aはライダであり、検知ユニット32Bはレーダである。ライダは一般に形状の検知に有利である。また、レーダは一般にライダよりもコスト面で有利である。特性が異なるこれらのセンサを併用することで、物標の認識性能の向上やコスト削減を図ることができる。検知ユニット31A、31Bは共にカメラであるが、特性が異なるカメラを用いてもよい。例えば、一方が他方よりも高解像度のカメラであってもよい。また、画角が互いに異なっていてもよい。
制御装置1Aと制御装置1Bとの比較でいうと、検知ユニット31Aおよび32Aは、検知ユニット31Bおよび32Bと検知特性が異なってもよい。本実施形態の場合、検知ユニット32Aはライダであり、一般に、レーダ(検知ユニット32B)よりも物標のエッジの検知性能が高い。また、レーダにおいては、ライダに対して一般に、相対速度検出精度や対候性に優れる。
また、カメラ31Aをカメラ31Bよりも高解像度のカメラとすれば、検知ユニット31Aおよび32Aの方が検知ユニット31Bおよび32Bよりも検知性能が高くなる。これらの検知特性およびコストが異なるセンサを複数組み合わせることで、システム全体で考えた場合にコストメリットが得られる場合がある。また、検知特性の異なるセンサを組み合わせることで、同一センサを冗長させる場合よりも検出漏れや誤検出を低減することもできる。
〇車速
制御装置1Aは、回転数センサ39を有している。制御装置1Bは、車輪速センサ38を有している。これらはいずれも車速を検知することに利用可能である。一方、回転数センサ39は自動変速機TMの出力軸の回転速度を検知するものであり、車輪速センサ38は車輪の回転速度を検知するものである。両者は車速が検知可能という点では共通するものの、互いに検知対象が異なるセンサである。
〇ヨーレート
制御装置1Aは、ジャイロ33Aを有している。制御装置1Bはヨーレートセンサ33Bを有している。これらはいずれも車両Vの鉛直軸周りの角速度を検知することに利用可能である。一方、ジャイロ33Aは車両Vの進路判定に利用するものであり、ヨーレートセンサ33Bは車両Vの姿勢制御等に利用するものである。両者は車両Vの角速度が検知可能という点では共通するものの、互いに利用目的が異なるセンサである。
〇操舵角および操舵トルク
制御装置1Aは、電動パワーステアリング装置41Aのモータの回転量を検知するセンサを有している。制御装置1Bは操舵角センサ37を有している。これらはいずれも前輪の操舵角を検知することに利用可能である。制御装置1Aにおいては、操舵角センサ37については増設せずに、電動パワーステアリング装置41Aのモータの回転量を検知するセンサを利用することでコストアップを抑制できる。尤も、操舵角センサ37を増設して制御装置1Aにも設けてもよい。
また、電動パワーステアリング装置41A、41Bがいずれもトルクセンサを含むことで、制御装置1A、1Bのいずれにおいても操舵トルクを認識可能である。
〇制動操作量
制御装置1Aは、操作検知センサ34bを有している。制御装置1Bは、圧力センサ35を有している。これらはいずれも、運転者の制動操作量を検知することに利用可能である。一方、操作検知センサ34bは4つのブレーキ装置51による制動力と、モータMの回生制動による制動力との配分を制御するために用いられ、圧力センサ35は姿勢制御等に用いられる。両者は制動操作量を検知する点で共通するものの、互いに利用目的が異なるセンサである。
○相違点(乗員の状態の検知)
制御装置1Bは、乗員の状態の検知に関し、ECU22Bが運転者がステアリングホイールSTを把持しているか否かを検知するセンサ36の検知結果を取得可能であり、また、検知ユニット27aの検知結果に基づいて乗員の状態を認識するECU27Bを有しているのに対し、制御装置1Aは有していない。しかし、制御装置1Aにおいてセンサ36の検知結果を取得可能としたり、検知ユニット27a及びECU27Bを制御装置1Aに設けてもよく、或いは、同様の機能を有する構成を制御装置1Aにも設けてもよい。なお、制御装置1AのECU20AやECU29Aは、通信回線L1やL2を介してECU22BやECU27Bと通信を行って制御指令を出力したり、逆に、情報を取得することも可能である。
[電源]
制御装置1Aは電源7Aから電力の供給を受け、制御装置1Bは電源7Bから電力の供給を受ける。電源7Aまたは電源7Bのいずれかの電力供給が遮断あるいは低下した場合でも、制御装置1Aまたは制御装置1Bのいずれか一方には電力が供給されるので、電源をより確実に確保して制御システム1の信頼性を向上することができる。電源7Aの電力供給が遮断あるいは低下した場合、制御装置1Aに設けたゲートウェイGWが介在したECU間の通信は困難となる。しかし、制御装置1Bにおいて、ECU21Bは、通信回線L2を介してECU22B〜28Bと通信可能である。
[制御装置1A内での冗長化]
制御装置1Aは自動運転制御を行うECU20Aと、走行支援制御を行うECU29Aとを備えており、走行制御を行う制御ユニットを二つ備えている。
<制御機能の例>
制御装置1Aまたは1Bで実行可能な制御機能は、車両Vの駆動、制動、操舵の制御に関わる走行関連機能と、運転者に対する情報の報知に関わる報知機能と、を含む。
走行関連機能としては、例えば、車線維持制御、車線逸脱抑制制御(路外逸脱抑制制御)、車線変更制御、前走車追従制御、衝突軽減ブレーキ制御、誤発進抑制制御を挙げることができる。報知機能としては、隣接車両報知制御、前走車発進報知制御を挙げることができる。
車線維持制御とは、車線に対する車両の位置の制御の一つであり、図4(A)に模式的に示すように、車線内に設定した走行軌道TJ上で車両を自動的に(運転者の運転操作によらずに)走行させる制御である。車線逸脱抑制制御とは、車線に対する車両の位置の制御の一つであり、図4(B)に模式的に示すように、白線または中央分離帯WLを検知し、車両が線WLを超えないように自動的に操舵を行うものである。車線逸脱抑制制御と車線維持制御とはこのように機能が異なっている。
車線変更制御とは、車両が走行中の車線から隣接車線へ車両を自動的に移動させる制御である。前走車追従制御とは、自車両の前方を走行する他車両に自動的に追従する制御である。衝突軽減ブレーキ制御とは、車両の前方の障害物との衝突可能性が高まった場合に、自動的に制動して衝突回避を支援する制御である。誤発進抑制制御は、車両の停止状態で運転者による加速操作が所定量以上の場合に、車両の加速を制限する制御であり、急発進を抑制する。
隣接車両報知制御とは、自車両の走行車線に隣接する隣接車線を走行する他車両の存在を運転者に報知する制御であり、例えば、自車両の側方、後方を走行する他車両の存在を報知する。前走車発進報知制御とは、自車両およびその前方の他車両が停止状態にあり、前方の他車両が発進したことを報知する制御である。これらの報知は上述した車内報知デバイス(情報出力装置43A、情報出力装置44B等)により行うことができる。
ECU20A、ECU29AおよびECU21Bは、これらの制御機能を分担して実行することができる。どの制御機能をどのECUに割り当てるかは適宜選択可能である。
<制御例>
<モード切替>
制御システム1の制御例について説明する。図5はECU20Aが実行する運転モードの切り替え処理を示すフローチャートである。
S1では運転者から運転モードの切替操作があったか否かを判定する。運転者は例えば入力装置45Aに対する操作により、自動運転モードと手動運転モードとの切り替え指示が可能である。切替操作があった場合はS2へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
S2では切替操作が自動運転を指示するものであるか否かを判定し、自動運転を指示するものである場合はS3へ進み、手動運転を指示するものである場合はS4へ進む。S3では自動運転モードが設定され、また、機能制限が設定される。機能制限の設定については後述する。S4で自動運転制御が開始される。S5では手動運転モードが設定され、また、S3で制限した機能の復帰が設定される。S6では手動運転制御が開始される。
手動運転制御では、運転者の運転操作にしたがって、車両Vの駆動、操舵、制動を行う。その際、ECU29Aは、検知ユニット31Aの検知結果にしたがって、適宜、運転支援制御を実行することができる。また、ECU21Bは、検知ユニット31B、32Bの検知結果にしたがって、適宜、運転支援制御を実行することができる。
自動運転制御では、ECU20AがECU22A、23A、27Aに制御指令を出力し車両Vの操舵、制動、駆動を制御し、運転者の運転操作に依らずに自動的に車両Vを走行させる。ECU20Aは、車両Vの走行経路を設定し、ECU28Aの位置認識結果や、周辺環境情報(物標の検知結果)を参照して、設定した走行経路に沿って車両Vを走行させる。
手動運転モード、自動運転モードにおける、上述した制御機能に関するECU20A、ECU29AおよびECU21Bの分担例について説明する。
例えば、手動運転モードにおいては、ECU29Aが検知ユニット31Aの検知結果に基づいて衝突軽減ブレーキ制御および誤発進抑制制御を行う。また、ECU21Bが検知ユニット31Bおよび32Bの検知結果に基づいて車線逸脱抑制制御、隣接車両報知制御および前走車発進報知制御を行う。
自動運転モードでは、ECU20Aが、車線維持制御、車線変更制御、前走車追従制御、衝突軽減ブレーキ制御を実行する。また、ECU29Aが衝突軽減ブレーキ制御および誤発進抑制制御を実行する。ECU20AとECU29Aとで衝突軽減ブレーキ制御をそれぞれ行うことで安全性を向上することができる。
手動運転モードで行われる各制御機能を自動運転モードでも行うと、類似の機能が干渉したり、意味が無い機能が実行される場合がある。上述したS3における機能の制限やS5における機能の復帰は、ECU29AやECU21Bの機能制限と復帰に関する処理である。この処理ではECU20AはECU29AやECU21Bの機能制限指示や復帰指示を送信することができ、ECU29AやECU21Bはこの指示に従う。
例えば、自動運転モード中に車線維持制御が実行され、所定の方向に操舵されているときに車線逸脱抑制制御が介入することで逆の操舵指示が発生すると、制御が干渉する。よって、車線維持制御が実行されている場合は車線逸脱抑制制御を制限することが好ましい。また、自動運転モード中は発進が自動化されるため、前走車発進報知制御を行う必要性は低い。よって、このような制御機能は自動運転モードの設定と共に機能制限を設定する。これにより、車両制御の安定性を向上することができる。
一方、衝突軽減ブレーキ制御や誤発進抑制制御は自動運転モードにおいても機能することで安全性の向上に寄与する。よって、このような制御機能は自動運転モードの設定後も制限されることなく機能させることができる。
機能制限は、その制御機能を無効にしてもよいし、有効だが効果が薄いものとしてもよい。また、制御機能の制限は、自動運転モードか否かで切り替えられるのではなく、自動運転モード中の個別の制御内容に応じて切り替えられてもよい。例えば、車線変更制御により車両が車線変更中の場合、システム側が隣接車線の他車両との位置関係を解析して車線変更を実行しているので、運転者に対して隣接車線の他車両を通知する意味合いが低い。したがって、車線変更制御中は、隣接車両報知制御を制限してもよい。
<物標の認識>
自動運転制御により、走行軌道TJ上で車両Vを走行させる場合、物標の認識が重要となる。物標の検知結果としては、検知ユニット31A、32Aの検知結果、検知ユニット31B、32Bの検知結果、通信装置28aが取得した情報(車車間通信や路車間通信)を統合した物標データを生成し、利用することができる。物標データは、ECU21Aが生成・更新した物標データと、ECU21Bが生成・更新した物標データとをECU20Aが統合すること生成・更新することができる。物標データは、例えば、物標毎に付されるID、物標の位置情報、物標の移動速度の情報、物標の形状の情報、物標の分類を含む。生成した物標データを基準として自動運転制御を実行することにより、走行環境の認識に関してより信頼性の高い制御を実行することができる。
<制御指令の競合の回避>
制御機能の分担に関し、上述した分担例ならびに機能制限例を採用すると、例えば、自動運転モードにおいては、ECU29AおよびECU20Aがそれぞれ衝突軽減ブレーキ制御を実行する。これにより制御指令が競合する場合がある。例えば、ECU29Aが検知ユニット31Aの検知結果に基づいてECU23Aに制御指令を送信し、油圧装置42Aの作動による制動を実行する一方、ECU20Aが物標データD3に基づいてECU23Aに制御指令を送信し、油圧装置42Aの作動による制動を実行すると両者が競合する場合がある。競合を回避するために、例えば、ECU20Aが競合する制御指令を調停するようにしてもよい。調停の方法としては、各ECUがECU20Aを経由して制御指令を出力するようにし、ECU20Aが競合する制御指令の選択等を行う方法を挙げることができる。ECU20AとECU21Bについても同様である。競合が発生し得る制御指令については、ECU21Bが対応するECUに直接制御指令を送信せず、ECU20Aを介して送信することでECU20Aが競合する制御指令の選択等を行い、制御指令の競合を回避することができる。
<停止制御>
制御システム1は、車両Vの走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に、自動的に車両Vを減速して停止させる停止制御を実行する。走行継続条件とは、例えば、運転の続行が困難な状況に陥っていないこと、或いは、当該状況に陥る可能性が低いことであり、具体的には、例えば、制御システム1の性能低下に陥っていないことや、運転者の状態が低下していないことである。制御システム1の性能低下とは、例えば、車両Vの走行制御或いは走行支援に関わるECU20A、ECU29A、ECU21Bの性能が低下している場合、電源遮断の場合、通信遮断の場合等を挙げることができる。運転者の状態低下としては、例えば、運転者の体調不良、意識の低下等を挙げることができる。なお、目標地点への運転の途中で交差点で停止する等、交通法規により車両Vを停止させることは運転の一部であり、走行継続条件の不成立にはあたらないことは言うまでもない。
<停止制御の具体例1>
制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御の例について説明する。図6はその一例を示すECU20AおよびECU29Aの処理例を示すフローチャートである。制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御は自動運転モードが設定されている間、周期的に行うことができる。
ECU20AとECU29Aは、互いの通信状態を確認する処理を行う(S11、S21)。例えば、一方が他方へ応答要求を出力し、応答があるか否かを判定する。あるいは、一方が他方へ情報を送信し、他方は受信した情報が予め定められている情報か否かを判定する。
ECU29AはS12で、S11の処理結果が規定状態か否かを判定する。規定状態とは例えばECU20Aからの信号の受信を確認できた場合であり、規定状態ではないとは例えばECU20Aからの信号の受信を確認できない場合である。信号の受信を確認できた場合とは、例えば、予め定められている情報通りの信号が受信できた場合である。信号の受信を確認できない場合とは、信号を受信できなかった場合の他、信号は受信したものの、正確な信号(上記の例で言えば、予め定められている情報)ではなかった場合である。
規定状態である場合、ECU20Aは性能低下がないと判定して処理を終了する。規定状態でない場合はS13へ進み、停止制御を開始する。ECU29Aは、ECU25Aに報知を指示し、情報出力装置43Aに車両Vが減速して停止する旨を出力させて運転者に報知させる。また、ECU26Aに報知を指示し、情報出力装置44Aを点滅させて(ハザードランプ)後続車両に注意を促す。そして、ECU23Aに制動を指示し、車両Vを減速させる。同一車線上で車両Vを停止させることを目的とする場合、検知ユニット31Aの検知結果に基づいて車両Vが車線を逸脱しないようにECU22Aに操舵を指示してもよい(車線逸脱抑制制御)。この場合、自動運転モード中であることにより、車線逸脱抑制制御が制限されている場合であっても、ECU29Aはこれを実行する。
停止制御を開始した後、ECU20AはS14で運転者に自動運転から手動運転への切り替え(テイクオーバー)を要求する。この切替要求は例えば情報出力装置43Aに切替要求を表示することにより行う。S15では切替要求に運転者が同意したか否かを判定する。運転者は例えば入力装置45Aにより同意の意思表示を行うことができる。もしくは操舵トルクセンサにて運転者の操舵を検出結果に基づき同意の意思表示を行うことができる。
運転者の同意があった場合、S16へ進み、停止制御を終了しつつ手動運転モードを設定する。手動運転モードに切り替わったことにより、制御装置1Aおよび1Bの各ECUは運転者の運転操作に応じて車両Vの走行を制御することになる。ECU29Aは、また、制御装置1Aの各ECU21A〜26A、制御装置1Bの各ECU22B〜25BへECU20Aからの制御指令を無視するように指示してもよい。なお、ECU20Aに性能低下の可能性があるため、ECU29Aは情報出力装置43Aに整備工場に車両Vを持ち込むことを促すメッセージ等を出力してもよい。
運転者の同意が確認できない場合、停止制御の進行により車両Vはやがて停止する。S17ではECU29Aは回転数センサ39の検知結果から車両Vの停止を判定し、停止したと判定するとECU24Aに電動パーキングロック装置50aの作動を指示して車両Vの停止を維持する。
次に、ECU20Aの処理について説明する。ECU20AはS22で、S21の処理結果が規定状態か否かを判定する。ここでの規定状態も例えばECU29Aからの信号の受信を確認できた場合であり、規定状態ではないとは例えばECU29Aからの信号の受信を確認できない場合である。信号の受信を確認できた場合とは、例えば、予め定められている情報通りの信号が受信できた場合である。信号の受信を確認できない場合とは、信号を受信できなかった場合の他、信号は受信したものの、正確な信号(上記の例で言えば、予め定められている情報)ではなかった場合が含まれる。
規定状態である場合、ECU29Aは性能低下がないと判定して処理を終了する。規定状態でない場合はS23へ進み、停止制御を開始する。ECU29Aが性能低下にあったとしても、ECU20Aは自動運転制御を継続可能ではある。しかし、その後、ECU20Aが性能低下に至る場合を想定して、ECU29Aに性能低下の可能性がある場合、停止制御を行う。ここでの停止制御は、本実施形態では、ECU29Aが実行する停止制御と同様である。なお、ECU29AとECU20Aとが実行する停止制御が異なる停止制御であってもよい。例えば、ECU20Aが実行する停止制御は、減速度合がECU29Aよりも緩やかであったり、徐行を含むものであってもよい。
本実施形態におけるECU20Aの停止制御について説明する。ECU20Aは、ECU25Aに報知を指示し、情報出力装置43Aに車両Vが減速して停止する旨を出力させて運転者に報知させる。また、ECU26Aに報知を指示し、情報出力装置44Aを点滅させて(ハザードランプ)後続車両に注意を促す。そして、ECU23Aに制動を指示し、車両Vを減速させる。同一車線上で車両Vを停止させることを目的とする場合、検知ユニット31A、32Aの検知結果に基づいて車両Vが車線を逸脱しないようにECU22Aに操舵を指示してもよい(車線逸脱抑制制御)。
停止制御を開始した後、ECU20AはS24で運転者に自動運転から手動運転への切り替え(テイクオーバー)を要求する。この切替要求は例えば情報出力装置43Aに切替要求を表示することにより行う。S25では切替要求に運転者が同意したか否かを判定する。運転者は例えば入力装置45Aにより同意の意思表示を行うことができる。もしくは操舵トルクセンサにて運転者の操舵を検出結果に基づき同意の意思表示を行うことができる。
運転者の同意があった場合、S26へ進み、停止制御を終了しつつ手動運転モードを設定する。手動運転モードに切り替わったことにより、制御装置1Aおよび1Bの各ECUは運転者の運転操作に応じて車両Vの走行を制御することになる。ECU20Aは、また、制御装置1Aの各ECU21A〜26A、制御装置1Bの各ECU22B〜25BへECU29Aからの制御指令を無視するように指示してもよい。なお、ECU29Aに性能低下の可能性があるため、ECU20Aは情報出力装置43Aに整備工場に車両Vを持ち込むことを促すメッセージ等を出力してもよい。
運転者の同意が確認できない場合、停止制御の進行により車両Vはやがて停止する。S27ではECU20Aは回転数センサ39の検知結果から車両Vの停止を判定し、停止したと判定するとECU24Aに電動パーキングロック装置50aの作動を指示して車両Vの停止を維持する。
なお、本実施形態では、S11およびS21で通信状態確認処理を行うようにしたが、この処理は、ECU20AとECU29Aとが車両制御のために行う通信処理の中で行ってもよい。規定状態か否かの判定方法としては、チェックサムを確認して正常な制御信号が連続で所定回数受信できない場合に規定状態ではないと判定してもよい。また、アライブカウンタを利用した判定方法であってもよい。
<停止制御の具体例2>
制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御の別の例について説明する。ECU20Aが自動運転モード中に自動運転制御を続行可能か否かの判定を周期的に行い、続行困難と判定した場合はECU29Aに制御を移行する指示を送信してもよい。図7はその一例を示すフローチャートである。
S31でECU20Aは制御装置1Aの状態確認処理を行う。ここでは、例えば、ECU20Aはセルフチェックを行う。S32ではS31の処理結果に基づき、自動運転制御を続行困難か否かを判定する。続行困難と判定した場合はS33へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S33ではECU29Aへ制御の移行指示を出力する。その際、制御機能を制限していた場合は復帰を設定する。
ECU20Aから制御の移行指示を受信したECU29Aは、S34で停止制御を開始する。S34からS38の処理は図6のS13〜S17の処理と同じであり、停止制御と自動運転から手動運転への切替要求に関する処理を行う。以上により処理が終了する。なお、本実施形態では、ECU20Aから制御の移行指示を受信したECU29Aが停止制御を開始することとしたが、加速制御も含む自動運転制御を一定期間引き継いでもよい。
<停止制御の具体例3>
制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御の別の例について説明する。図8は、図6の停止制御に関わるECU20AとECU21Bの処理例を示す。同図の処理は、図6の処理と基本的に同様の流れとなっており、自動運転モードが設定されている間、周期的に行うことができる。
ECU20AとECU21Bは、互いの通信状態を確認する処理を行う(S41、S51)。例えば、一方が他方へ応答要求を出力し、応答があるか否かを判定する。
ECU21BはS42で、S41の処理結果が規定状態か否かを判定する。規定状態とは例えばECU20Aからの信号の受信を確認できた場合であり、規定状態ではないとは例えばECU20Aからの信号の受信を確認できない場合である。信号の受信を確認できた場合とは、例えば、予め定められている情報通りの信号が受信できた場合である。信号の受信を確認できない場合とは、例えば、信号を受信できなかった場合の他、信号は受信したものの、正確な信号(上記の例で言えば、予め定められている情報)ではなかった場合である。
規定状態である場合、ECU20Aの性能低下はないと判定して処理を終了する。規定状態でない場合はS43へ進み、停止制御を開始する。ECU21Bは、ECU24Bに報知を指示し、表示装置44Bに車両Vが減速して停止する旨を表示させて運転者に報知させる。また、ECU23Bに報知を指示し、ブレーキランプ43Bを点灯または点滅させて後続車両に注意を促す。なお、ライトECU26Aに報知を指示して情報出力装置44Aの作動(ハザードランプの点滅)であってもよい。そして、ECU23Bに制動を指示し、車両Vを減速させる。同一車線上で車両Vを停止させることを目的とする場合、検知ユニット31B、32Bの検知結果に基づいて車両Vが車線(あるいは道路区分線を)逸脱しないようにECU22Bに操舵を指示してもよい(車線逸脱抑制制御)。
停止制御を開始した後、ECU21BはS44で運転者に自動運転から手動運転への切り替え(テイクオーバー)を要求する。この切替要求は例えば表示装置44Bに切替要求を表示することにより行う。S45では切替要求に運転者が同意したか否かを判定する。運転者は例えば入力装置45Bにより同意の意思表示を行うことができる。もしくは操舵トルクセンサにて運転者の操舵を検出結果に基づき同意の意思表示を行うことができる。
運転者の同意があった場合、S46へ進み、停止制御を終了しつつ手動運転モードを設定する。ここでの設定は、例えば、ECU21Bが、制御装置1Aの各ECU21A〜26A、制御装置1Bの各ECU22B〜28Bへ自動運転モードが終了し、ECU20Aからの制御指令を無視するように指示する処理であってもよい。制御装置1Aおよび1Bの各ECUは運転者の運転操作に応じて車両Vの走行を制御することになる。但し、ECU20Aに性能低下の可能性があるため、ECU21Bは表示装置44Bに整備工場に車両Vを持ち込むことを促すメッセージ等を表示してもよい。
運転者の同意が確認できない場合、停止制御の進行により車両Vはやがて停止する。S47ではECU21Bは車輪速センサ38の検知結果から車両Vの停止を判定し、停止したと判定するとECU24Bに電動パーキングブレーキ装置52の作動を指示して車両Vの停止を維持する。
次に、ECU20Aの処理について説明する。ECU20AはS52で、S51の処理結果が規定状態か否かを判定する。ここでの規定状態も例えばECU21Bからの信号の受信を確認できた場合であり、規定状態ではないとは例えばECU21Bからの信号の受信を確認できない場合である。信号の受信を確認できた場合とは、例えば、予め定められている情報通りの信号が受信できた場合である。信号の受信を確認できない場合とは、例えば、信号を受信できなかった場合の他、信号は受信したものの、正確な信号(上記の例で言えば、予め定められている情報)ではなかった場合である。
規定状態である場合、ECU21Bは性能低下が無いと判定して処理を終了する。規定状態でない場合はS53へ進み、停止制御を開始する。ECU21Bが性能低下にあったとしても、ECU20Aは自動運転制御を継続可能ではある。しかし、その後、ECU20Aが性能低下に至る場合を想定して、ECU21Bに性能低下の可能性がある場合、停止制御を行う。ここでの停止制御は、本実施形態では、ECU21Bが実行する停止制御と同様であり、車両Vを減速させて停止させる。但し、利用するデバイスが異なる。なお、ECU21BとECU20Aとが実行する停止制御が異なる走行制御であってもよい。例えば、ECU20Aが実行する停止制御は、減速度合がECU21Bよりも緩やかであったり、徐行を含むものであってもよい。
本実施形態におけるECU20Aの停止制御について説明する。ECU20Aは、ECU25Aに報知を指示し、情報出力装置43Aに車両Vが減速して停止する旨を出力させて運転者に報知させる。また、ECU26Aに報知を指示し、情報出力装置44Aを点滅させて(ハザードランプ)後続車両に注意を促す。そして、ECU23Aに制動を指示し、車両Vを減速させる。同一車線上で車両Vを停止させることを目的とする場合、検知ユニット31A、32Aの検知結果に基づいて車両Vが車線を逸脱しないようにECU22Aに操舵を指示してもよい(車線逸脱抑制制御)。
停止制御を開始した後、ECU20AはS54で運転者に自動運転から手動運転への切り替え(テイクオーバー)を要求する。この切替要求は例えば情報出力装置43Aに切替要求を表示することにより行う。S55では切替要求に運転者が同意したか否かを判定する。運転者は例えば入力装置45Aにより同意の意思表示を行うことができる。もしくは操舵トルクセンサにて運転者の操舵を検出結果に基づき同意の意思表示を行うことができる。
運転者の同意があった場合、S57へ進み、停止制御を終了しつつ手動運転モードを設定する。手動運転モードに切り替わったことにより、制御装置1Aおよび1Bの各ECUは運転者の運転操作に応じて車両Vの走行を制御することになる。ECU20Aは、また、制御装置1Aの各ECU21A〜26A、29A、制御装置1Bの各ECU22B〜25BへECU21Bからの制御指令を無視するように指示してもよい。なお、ECU21Bに性能低下の可能性があるため、ECU20Aは情報出力装置43Aに整備工場に車両Vを持ち込むことを促すメッセージ等を出力してもよい。
運転者の同意が確認できない場合、停止制御の進行により車両Vはやがて停止する。S56ではECU20Aは回転数センサ39の検知結果から車両Vの停止を判定し、停止したと判定するとECU24Aに電動パーキングロック装置50aの作動を指示して車両Vの停止を維持する。以上のように、制御装置1A、1Bのいずれもが、停止制御を実行することができる。
なお、本実施形態では、S41およびS51で通信状態確認処理を行うようにしたが、この処理は、ECU20AとECU21Bとが車両制御のために行う通信処理の中で行ってもよい。規定状態か否かの判定方法としては、チェックサムを確認して正常な制御信号が連続で所定回数受信できない場合に規定状態ではないと判定してもよい。また、アライブカウンタを利用した判定方法であってもよい。
なお、図8の例では、S43で開始される停止制御ではECU21Bが制御装置1Bの各デバイスを制御した。ここで、S42で規定状態と判定した場合であっても、制御装置1AのECU20A以外のデバイスが、性能低下等が無く動作可能であり、利用可能な場合がある。したがって、S43の停止制御ではECU21Bが、制御装置1Aの検知ユニット31A、32AやECU21A〜26Aの少なくともいずれかを利用して停止制御を実行してもよい。同様に、S53で開始される停止制御ではECU20Aが、制御装置1Bの検知ユニット31B、32BやECU22B〜25Bの少なくともいずれかを利用して停止制御を実行するようにしてもよい。
<停止制御の具体例4>
制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御の別の例について説明する。ECU20Aが自動運転モード中に自動運転制御を続行可能か否かの判定を周期的に行い、続行困難と判定した場合はECU21Bに制御を移行する指示を送信してもよい。図9はその一例を示すフローチャートである。
S61でECU20Aは制御装置1Aの状態確認処理を行う。ここでは、例えば、通信により、制御装置1Aの各ECU21A〜29Aの状態を確認する処理を行う。S62ではS61の処理結果に基づき、自動運転制御が続行困難か否かを判定する。続行困難と判定した場合はS63へ進み、そうでない場合は処理を終了する。例えば、いずれかのECUから応答が無い場合等、自動運転制御に支障が生じる状態が確認された場合は続行困難と判定する。S63ではECU21Bへ制御の移行指示を出力する。その際、制御機能を制限していた場合は復帰を設定する。
ECU20Aから制御の移行指示を受信したECU21Bは、S64で停止制御を開始する。S64からS68の処理は図8のS43〜S47の処理と同じであり、停止制御と自動運転から手動運転への切替要求に関する処理を行う。以上により処理が終了する。なお、本実施形態では、ECU20Aから制御の移行指示を受信したECU21Bが停止制御を開始することとしたが、加速制御も含む自動運転制御を一定期間引き継いでもよい。 <停止制御の具体例5>
運転者の状態低下を条件として開始される停止制御の例について説明する。図10はその一例を示すフローチャートである。同図の処理は自動運転モードにおいて実行してもよいし、手動運転モードにおいて実行してもよい。
S71でECU27Bは乗員の状態確認処理を行う。ここでは、検知ユニット27aの検知結果を取得して、運転者の状態を解析する。S72ではS71の処理結果に基づき、運転者が健全か否かを判別する。運転者が健全である場合は処理を終了し、健全でない場合はS73へ進む。S73ではECU20Aに対して、運転者が健全でない可能性があることを通知する。
通知を受けたECU20Aは、S74で運転者に対して応答要求を行う。応答要求は例えば、情報出力装置44Aによる表示や音声であって、運転者に特定の操作や発声等を求める。S75ではS74の応答要求に対して運転者が応答したか否かを判定する。応答があれば処理を終了し、応答が無ければS76で停止制御を開始する。停止制御の進行により車両Vはやがて停止する。S77ではECU29Aは回転数センサ39の検知結果から車両Vの停止を判定し、停止したと判定するとECU24Aに電動パーキングロック装置50aの作動を指示して車両Vの停止を維持する。
<停止制御における停止位置>
停止制御における車両Vの停車位置は、現在走行中の車線と同じであってもよいし、別の位置であってもよい。図11(A)〜図11(C)は停止位置の例を示す図である。各図において、L1、L2はそれぞれ走行継続可能領域(車線)を示し、L0は走行継続不能領域(路肩等)を示している。
図11(A)の例は現在走行中の車線L2において停止制御を開始し、車線L2上で車両Vの停止を完了した例である。つまり、停止完了位置は車線L2上の位置である。図11(B)の例は現在走行中の車線L2において停止制御を開始し、隣接する車線L1に車線変更をして車両Vの停止を完了した例である。つまり、停止完了位置は車線L1上の位置である。図11(C)の例は現在走行中の車線L1において停止制御を開始し、走行継続不能領域L0に車線変更して走行継続不能領域L0で車両Vの停止を完了した例である。つまり、停止完了位置は走行継続不能領域L0である。
停止制御において車両Vを停止する位置は、その候補を地図データ等から導出し、最も安全性が高い位置を選択して決定することができる。図11(D)はその概念図である。車線L1を走行中の車両Vにおいて停止制御が開始されると、停止位置の候補R0〜R2が地図データ等から導出される。停止位置R0は、走行継続不能領域L0上の位置である。停止位置R1、R2は、それぞれ車線L1、L2上の位置である。停止位置の候補R0〜R2の中から、停止位置を選択するにあたっては、周辺の交通状況、車線変更の有無、停止位置の安全度等の観点から各停止位置のスコアリングをして、スコアが良好ないずれか一つを選択することができる。そして、停止制御においては、選択した停止位置を制御上の停止目標位置として、当該停止目標位置に車両Vを走行させる。
<ドアロック制御>
ECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例について説明する。本実施形態では、停止制御が開始された場合と、その他の場合(通常の場合という)とで異なる制御を行う。図12は通常の場合においてECU26Bが実行するドアロック制御の例を示しており、車両Vに対して乗員が搭乗した後の制御例を示している。
<通常の制御>
S81では、各ドアD1〜D4の電動ドアロック装置26aがアンロック中か否かを判定する。ECU26Bは、例えば、その記憶デバイスにおいて各ドアD1〜D4の電動ドアロック装置26aの状態を示す情報を格納し、更新することで現在の状態を認識可能である。各ドアD1〜D4の電動ドアロック装置26aがアンロック中であればS82へ進み、ロック中であればS85へ進む。
S82では操作検知ユニット26bの検知結果を取得してドアロック指示(集中ドアロックスイッチに対する操作等)があったか否かを判定し、ドアロック指示があればS84へ進み、無ければS83へ進む。S83では車両Vが走行中か否かを判定し、走行中であればS84へ進み、停止中であれば処理を終了する。走行中か否かは例えば回転数センサ39或いは車輪速センサ38の検知結果により判定することができる。S84では電動ドアロック装置26aを駆動して各ドアD1〜D4をロックする。このような処理により、車両Vの走行中は各ドアD1〜D4がロックされた状態となる。
S85では車両Vが停止中か否かを判定し、停止中であればS86へ進み、走行中であれば処理を終了する。停止中か否かは例えば回転数センサ39或いは車輪速センサ38の検知結果により判定することができる。S86では操作検知ユニット26bの検知結果を取得してロック解除指示があったか否かを判定し、ロック解除指示があればS88へ進み、無ければS87へ進む。S87では停止維持操作に対応する停止維持動作が行われたか否かを判定し、停止維持動作が行われればS88へ進み、無ければ処理を終了する。S88では、全ドアD1〜D4又はロック解除指示に対応したドアをアンロックする。
<停止制御時の制御>
次に、停止制御が開始された場合のドアロック制御について説明する。停止時に車両Vがドアロックの状態にあると、運転者を車両Vの内部に留めて保護する点で有利である。停止時に車両Vのドアがアンロックの状態にあると、運転者が円滑に車外に脱出する点や車外から運転者の救護活動を行う点で有利である。そして、停車制御により車両Vが停止される場所は車線上である場合や、路肩等、比較的安全性の高い場所の場合もあり得る。つまり、運転者の安全性の点でドアロックとアンロックのどちらが有利となるかは、車両Vの状況により異なる。そこで、本実施形態では、停止制御の際の車両Vの状況に応じたドアロック制御を行う。
なお、停車制御が開始されて車両Vが停止した場合は図12に示した通常時のようにロック解除指示(S86)、停止維持(S87)に基づくアンロック(S88)を基本的に抑制する。特に停止維持動作(S87)に基づくアンロック(S88)は行わないものとしている。これにより停止時の車両Vから乗員が安易に車道に出てしまうことを防止できる。
<停止態様に基づくドアロック制御>
停車制御における車両Vの停止態様に基づくドアロック制御について説明する。停止態様としては、例えば、車両Vの周辺路面(走行中の車線、隣接車線、隣接領域など)において、実際に停止した停止完了位置、制御上の停止目標位置、実際に停止した車両Vの停止姿勢を挙げることができる。
<停止完了位置に基づくドアロック制御>
まず、停止完了位置を例にとって説明する。図13(A)はECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例を示すフローチャートであり、停止制御が開始された場合に実行される処理例である。
S91では車両Vが停止したか否かを判定する。停止したか否かは停止制御を実行しているECUからの通知、或いは、回転数センサ39や車輪速センサ38の検知結果により判定することができる。車両Vが停止したと判定した場合はS92へ進む。
S92では停止態様に基づいてアンロックするドアを選択し、S93ではS92で選択したドアに対応する電動ドアロック装置26aを駆動してそのアンロックを行う。選択されていないドアについてはロックを維持する。図13(B)、図14(A)及び図14(B)は停止態様として、停止完了位置に基づいてアンロックするドアを選択する例を示している。停止完了位置の情報は、停止制御を実行しているECUから、或いは位置認識を司るECU28Aから取得可能である。
図13(B)の例は車両Vの停止完了位置が、路肩などの走行継続不能領域L0である。4つのドアD1〜D4のうち、ドアD1及びD3は車道(車線)L1に面している、又は、近い。車線L1は、後続の他車両が走行する可能性は高く、運転者が車線L1上に降車することは望ましくない。よってドアD1及びD3はロックを維持する。ドアD2、D4は走行継続不能領域L0に面している、又は、近い。走行継続不能領域L0を、後続の他車両が走行する可能性は車道に比べて低い。そこで、ドアD2、D4をアンロックする。運転者は例えばドアD2を開放して車外に出ることができる。このように周辺路面が走行継続可能領域と走行継続不能領域とを含む場合、走行継続可能領域に面する又は近いドアについてはロックし、走行継続不能領域に面する又は近いドアについてはアンロックする。
図14(A)の例は車両Vの停止完了位置が、走行継続不能領域L0に隣接した車道(車線)L1である。4つのドアD1〜D4のうち、ドアD1及びD3は車道(車線)L2に面している。車線L2は、後続の他車両が走行する可能性は高く、運転者が車線L2上に降車することは望ましくない。よってドアD1及びD3はロックを維持する。ドアD2、D4は走行継続不能領域L0に面している。走行継続不能領域L0を、後続の他車両が走行する可能性は車道に比べて低い。そこで、ドアD2、D4をアンロックする。運転者は例えばドアD2を開放して車外に出ることができる。
図14(B)の例は車両Vの停止完了位置が、走行継続不能領域L0に隣接しない車道(車線)L2である。4つのドアD1〜D4のうち、ドアD1及びD3は車道(車線)L3に面している。車線L3は、後続の他車両が走行する可能性は高く、運転者が車線L3上に降車することは望ましくない。よってドアD1及びD3はロックを維持する。ドアD2及びD4も車道(車線)L1に面している。車線L1は、後続の他車両が走行する可能性は高く、運転者が車線L1上に降車することは望ましくない。よってドアD1及びD3もロックを維持する。
このように車両Vの停止完了位置により、ドアロックの維持とアンロックとを制御することで、乗員の安全性確保と、車両Vからの降車性を両立したドアロック制御を実現することができる。
図14(C)の例は停止完了位置と停止姿勢とを考慮した制御例を示す。停止姿勢の情報は例えば位置認識を司るECU28Aから取得可能である。図14(C)の例は車両Vの停止完了位置が、走行継続不能領域L0に隣接した車道(車線)L1である。しかし、図14(A)の例と異なり、車両Vの停止姿勢が車線L1の延設方向に対して大きく斜めを向いている。運転者が降車する際、4つのドアD1〜D4のうち、いずれのドアから降車した場合でも車道上に降車する可能性が高い。よってドアD1〜D4の全ドアのロックを維持する。車両Vの停止完了位置に加えて停止姿勢も考慮することで乗員の安全性確保と、車両Vからの降車性を更に両立したドアロック制御を実現することができる。なお、図14(C)の例ではドアD1〜D4の全ドアのロックを維持したが、ドアD1及びD3はアンロックしてもよい。ドアD1又はドアD3から降車する場合は、進行方向で車両Vの前側に降車することになるため、比較的安全性が高いからである。
図13(A)に戻る。S93ではドア状態を運転者に報知する。本実施形態では、上記の通り、ドアによって、ロックが維持されるドアとアンロックされたドアとが混在し得る。ドアロック/アンロックのドア状態を運転者に報知することで運転者が混乱することを防止できる。
図15(A)及び図15(B)は報知例を示す図である。図15(A)はドアインジケータ25aによる報知例である。同図の例ではドアD1及びD3の室内側の面に設けられたドアインジケータ25aは赤色で発光し、ドアD1及びD3がドアロック状態にあることを報知している。ドアD2及びD4の室内側の面に設けられたドアインジケータ25aは緑色で発光し、ドアD2及びD4がアンロック状態にあることを報知している。運転者は、車両Vから脱出する際、どのドアを開放できるか否かを視覚的に認識することができる。
図15(B)の例は表示装置44Bに特定の表示を行うことで報知する例を示している。同図の例では、運転席に着座する運転者に対する表示として、左向きの矢印と共に「出口」との文字が表示されており、助手席側のドアD2がアンロック状態にあることを報知している(ドアD1はドアロック状態。)。このような例においても、運転者は、車両Vから脱出する際、どのドアを開放できるか否かを視覚的に認識することができる。
ドア状態の報知は、表示の他、音声であってもよい。ドア状態の報知は、ドアロック状態にあるドアのみを報知するものでもよいし、アンロック状態にあるドアのみを報知するものでもよい。また、ドア状態の報知の処理は、図15(A)や図15(B)の例のように、運転席側のドアD1と助手席側のドアD2とで、ロック及びアンロックの状態が異なる場合に運転者への報知を行い、状態が同じ場合は報知しない処理であってもよい。ドア状態が異なる場合に報知することで運転者が各ドアのドア状態を認識し易くすることができる。
図13(A)に戻る。S95ではドアD1〜D4の全てがロックされているか否かを判定する。全てロックされている場合、S96へ進む。全てがロックされている状態のままであると運転者が車外に脱出困難なので、S96で所定の条件が成立するとアンロックする。アンロックするドアは全ドアD1〜D4でもよいし、降車時に運転者の安全性が高いと推測される一部のドアであってもよい。アンロックの条件は、例えば、時間の経過(例えば5〜10分)や、救急車や警察車両といった緊急車両の接近が検知された場合である。緊急車両の接近は、検知ユニット31A、32Aの検知結果に基づくECU21Aの環境認識結果、検知ユニット31B、32Bの検知結果に基づくECU21Bの環境認識結果、通信装置28aによるECU28Bの車車間、路車間通信結果、に基づき判定することができる。
<停止目標位置に基づくドアロック制御>
停止態様としての停止目標位置に基づくドアロック制御の例について説明する。停止目標位置に基づくことで停止制御による車両Vの停止前後に早期にドアのアンロックをすることが可能となり、運転者が車両Vから早期に脱出することを可能とする。
図16(A)はECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例を示すフローチャートであり、停止制御が開始された場合に実行される処理例である。図13(A)に示したドアロック制御と異なる処理ついて説明する。図13(A)に示したドアロック制御のS91、S92の処理に代えてS91’、S92’の処理が実行される。
S91’では車両Vの車速が閾値以下か否かを判定し、車速が閾値以下の場合はS92’へ進む。閾値は例えば、数km/hである。車速は例えば回転数センサ39や車輪速センサ38の検知結果により判定することができる。S92’では停止目標位置に基づいてアンロックするドアを選択し、S93ではS92で選択したドアに対応する電動ドアロック装置26aを駆動してそのアンロックを行う。選択されていないドアについてはロックを維持する。停止目標位置の情報は停止制御を実行しているECUから取得可能である。
図16(B)は停止目標位置に基づいてアンロックするドアを選択する例を示している。同図の例は車両Vの停止目標位置Rが、路肩などの走行継続不能領域L0に設定されており、車用Vは停止目標位置Rに到達する直前である。4つのドアD1〜D4のうち、ドアD1及びD3は車道(車線)L1に面している又は近い。車線L1は、後続の他車両が走行する可能性は高く、運転者が車線L1上に降車することは望ましくない。よってドアD1及びD3はロックを維持する。ドアD2、D4は走行継続不能領域L0に面している又は近い。走行継続不能領域L0を、後続の他車両が走行する可能性は車道に比べて低い。そこで、ドアD2、D4をアンロックする。運転者は車両Vの停止後、例えばドアD2を開放して車外に出ることができる。車両Vの停止直前にドアD2、D4はアンロックされているので、車両Vの停止直後に速やかに運転者は車外に脱出できる。
<停止態様と走行環境に基づいたドアロック制御>
停止態様に加えて、車両Vの周辺を走行する他車両の検知結果に基づいてアンロックするドアを選択してもよい。これにより乗員の安全性確保と、車両Vからの降車性を更に両立したドアロック制御を実現することができる。
図17(A)はECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例を示すフローチャートであり、停止制御が開始された場合に実行される処理例である。図13(A)に示したドアロック制御と異なる処理ついて説明する。図13(A)に示したドアロック制御のS92の処理に代えてS97の処理が実行される。
S97では停止態様と、他車両の検知結果を示す走行環境に基づいてアンロックするドアを選択し、S93ではS92で選択したドアに対応する電動ドアロック装置26aを駆動してそのアンロックを行う。選択されていないドアについてはロックを維持する。走行環境の情報は物標データから得ることができる。
図17(B)は停止完了位置と走行環境とに基づいてアンロックするドアを選択する例を示している。図17(B)の例は車両Vの停止完了位置が、走行継続不能領域L0に隣接した車道(車線)L1であり、図14(A)の例と同様である。4つのドアD1〜D4のうち、ドアD1及びD3は車道(車線)L2に面しており、かつ、車線L2上には他車両V’が走行している。よってドアD1及びD3はロックを維持する。ドアD2、D4は走行継続不能領域L0に面している。走行継続不能領域L0を、後続の他車両が走行する可能性は車道に比べて低い。しかし、車両Vと同一車線L1上には後続の他車両V’が走行中である。停止した車両Vを避けるために部分L0に車線を変更する可能性がある。そこで、図14(A)の例と異なりドアD2、D4もロックを維持する。
図17(C)は停止完了位置と走行環境とに基づいてアンロックするドアを選択する別の例を示している。図17(C)の例は車両Vの停止完了位置が、走行継続不能領域L0に隣接しない車道(車線)L2であり、図14(B)の例と同様である。4つのドアD1〜D4のうち、ドアD1及びD3は車道(車線)L3に面しており、ドアD2及びD4も車道(車線)L1に面している。しかし、車両Vの後方に他車両は検知されていない。そこで、4つのドアD1〜D4のうち、走行継続不能領域L0に近いドアD2、D4はアンロックし、ドアD1、D3はロックを維持する。図17(B)、図17(C)の例は、停止態様として停止完了位置を例示したが、停止姿勢を考慮してもよく、また、停止完了位置に代えて停止目標位置であってもよい。
他車両の検知結果とアンロックするドアの選択とは、予め降車安全基準を定めておき、他車両の走行状況がこれを満たす場合にアンロック可能と判定することができる。降車安全基準としては、図17(C)に例示したように、後続車両が検知されないという比較的単純なものであってもよいし、他車両の走行状況を数値化し、降車安全基準はアンロックを許可するか否かを数値化された走行状況と比較する閾値であってもよい。
走行状況を数値化するパラメータとしては、例えば、同一及び隣接車線を走行する他車両の数、車両Vと最近接他車両との距離、最近接他車両の車速、を挙げることができる。数値化される走行状況の指数は、例えば、
指数=他車両数×係数1+車両Vと最近接他車両との距離×係数2+最近接他車両の車速×係数3、
と表現することもできる。指数は車線単位で演算されてもよい。
<停止態様と運転者の状態に基づいたドアロック制御>
停止態様に加えて、運転者の状態に基づいてアンロックするドアを選択してもよい。運転者が健全でない場合は運転者を車両Vの内部に留めて保護する方が安全性が高まる。これにより乗員の安全性確保と、車両Vからの降車性を更に両立したドアロック制御を実現することができる。
図18(A)はECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例を示すフローチャートであり、停止制御が開始された場合に実行される処理例である。図13(A)に示したドアロック制御と異なる処理ついて説明する。図13(A)に示したドアロック制御のS92の処理に代えてS98の処理が実行される。
S98では停止態様と、運転者の状態に基づいてアンロックするドアを選択し、S93ではS92で選択したドアに対応する電動ドアロック装置26aを駆動してそのアンロックを行う。選択されていないドアについてはロックを維持する。運転者の状態の情報は、ECU27Bから得ることができる。
図18(B)は停止完了位置と運転者の状態とに基づいてアンロックするドアを選択する例を示している。図18(B)の例は車両Vの停止完了位置が、路肩などの走行継続不能領域L0であり、図13(B)の例と同様である。4つのドアD1〜D4のうち、ドアD1及びD3は車道(車線)L1に面している。車線L1は、後続の他車両が走行する可能性は高く、運転者が車線L1上に降車することは望ましくない。よってドアD1及びD3はロックを維持する。ドアD2、D4は走行継続不能領域L0に面している。走行継続不能領域L0を、後続の他車両が走行する可能性は車道に比べて低い。しかし、運転者の状態の判定の結果は、健全でない、であった。運転者が走行継続不能領域L0に降車した後、車線L1へ向かう場合もあり得る。そこで、ドアD2、D4もアンロックせずにドアロック状態を維持する。図18(B)の例は、停止態様として停止完了位置を例示したが、停止姿勢を考慮してもよく、また、停止完了位置に代えて停止目標位置であってもよい。
このように、運転者の状態を考慮することにより、運転者の安全性を高めることができる。図18(B)の例の他に、ドアロック制御の例としては、運転者が健全でないと判定した場合には、全てのドアのドアロック状態を維持し、運転者が健全であると判定した場合には停車態様に基づいてアンロックするドアを選択してもよい。
運転者が健全でないと判定した場合であっても、運転者以外に同乗者が居る場合には、同乗者が健全であると判定した場合には、停車態様に基づいてアンロックするドアを選択してもよい。その場合、運転席に隣接したドアはロックを維持してもよい。
<運転者の状態に基づいてアンロックするか否かを決定する例>
図13(A)の例では、S95において全ドアD1〜D4のロックが維持されている場合は、S96において所定の条件成立によりアンロックを行うこととした。しかし、全ドアD1〜D4のロックが維持されているか否かに関わらず、運転者がロック解除指示をした場合にアンロックしてもよい。但し、運転者が健全でない場合は誤ってロック解除指示を行ったり、或いは、降車の際に安全性が低下する場合がある。そこで、運転者がロック解除指示をした場合、運転者の状態に基づいてアンロックするか否かを決定してもよい。
図19(A)はECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例を示すフローチャートであり、停止制御が開始された場合に実行される処理例である。図13(A)に示したドアロック制御と異なる処理ついて説明する。図13(A)の例とS94までの処理は同じで、S94でドア状態を報知した後、S95を省略し、S96’の処理が実行される。図19(B)はS96’の処理例を示すフローチャートである。
S101では運転者からロック解除指示があるか否かを判定し、ロック解除指示がある場合はS102へ進み、無い場合はS105へ進む。S102では運転者の状態の情報をECU27Bから取得する。S103ではS102で取得した情報から運転者が健全であるか否かを判定し、健全である場合はS104へ進み健全でない場合はS105へ進む。
S104ではドアのアンロックを行う。アンロックの対象は、S101で指示された個別のドアであってもよいし、全ドアD1〜D4であってもよいし、路肩に面したドア等、システム側で選択した比較的降車時の安全性が高いドアであってもよい。図19(C)は全ドアD1〜D4のロックが維持されている状態で、運転者がロック解除指示を出した状態を模式的に示している。運転者が健全である場合はドアD1がアンロックされ、健全でない場合は全ドアD1〜D4のロックが引き続き維持される。
図19(B)に戻り、S105では他の処理を行う。ここでは、例えば、図13(A)のS96と同様の処理(全ドアがドアロック状態の場合に、時間の経過や緊急車両の到来によりアンロックする処理)や、図19(B)の処理の終了処理等を行う。
このように、運転者の状態を考慮することにより、運転者の安全性を高めることができる。運転者以外に同乗者が居る場合において、同乗者がロック解除指示を行い、かつ、同乗者が健全であると判定した場合には、ドアのアンロックを行ってもよい。
<第二実施形態:停止制御の開始理由に基づくドアロック制御>
第一実施形態では停止制御の際の車両Vの停止態様に着目してドアロック制御を行ったが、他の要素に着目してドアロック制御を行うこともできる。本実施形態では、停止制御の開始理由である、走行継続条件の不成立の内容(以下、不成立内容ともいう。)によって停止制御開始後のドアロック制御の異ならせるものである。具体的には、運転者の状態低下を理由として停止制御を開始した場合(図10)には、制御システム1の性能低下を理由として停止制御を開始した場合(図6〜図9)よりも、停止制御の開始後におけるドアのアンロックを抑制する。これにより、例えば、判断能力が低下している運転者を車両Vの内部に留めて保護し易くすることができる。
図20(A)は本実施形態におけるECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例を示すフローチャートであり、停止制御が開始された場合に実行される処理例である。
S111では車両Vが停止したか否かを判定する。停止したか否かは停止制御を実行しているECUからの通知、或いは、回転数センサ39や車輪速センサ38の検知結果により判定することができる。車両Vが停止したと判定した場合は運転者のロック解除指示によるアンロックを可能とすべくS112へ進む。なお、本実施形態では車両Vの停止を条件として運転者のロック解除指示を受け付け可能としたが、車両Vの車速が閾値以下であることを条件としてもよい。この場合、閾値は例えば数km/hである。
S112では運転者からロック解除指示があるか否かを判定し、ロック解除指示がある場合はS113へ進み、無い場合はS115へ進む。S113では、今回の停止制御が開始された原因である不成立内容の種類を確認する。不成立内容の種類の情報は停止制御を開始したECUから取得することができる。不成立内容が運転者の状態低下に関するものであればロック解除指示を無効としてS115へ進み、制御システム1の性能低下であればロック解除指示を有効に取扱い、S114へ進む。
S114ではドアのアンロックを行う。アンロックの対象は、S112で指示された個別のドアであってもよいし、全ドアD1〜D4であってもよいし、路肩に面したドア等、システム側で選択した比較的降車時の安全性が高いドアであってもよい。図20(B)はS112〜S114の処理を模式的に示す説明図である。
同図の例では全ドアD1〜D4がロックされている状態で運転者がロック解除指示を行った場合を示している。制御システム1の性能低下を理由に停止制御を開始した場合にはロック解除指示に対応してドアD2がアンロックされている。一方、運転者の状態低下を理由に停止制御を開始した場合にはロック解除指示が無効とされ、全ドアD1〜D4のロックが維持されている。
図20(A)に戻る。S115では所定の条件の成立によりドアのアンロックを行う。条件の成立までは全ドアD1〜D4のロックが維持される。アンロックの条件は、例えば、救急車や警察車両といった緊急車両の接近が検知された場合である。緊急車両の接近は、検知ユニット31A、32Aの検知結果に基づくECU21Aの環境認識結果、検知ユニット31B、32Bの検知結果に基づくECU21Bの環境認識結果、通信装置28aによるECU28Bの車車間、路車間通信結果、に基づき判定することができる。アンロックするドアは全ドアD1〜D4でもよい。
以上のように、本実施形態では制御システム1の性能低下を理由として停止制御を開始した場合には運転者が車両Vからの脱出を行い易くなる一方、運転者の状態低下を理由に停止制御を開始した場合には運転者を車両Vの内部に留めて保護し易くすることができる。
なお、ドアのアンロックの抑制は図20(A)に例示したようにロック解除指示の有効化/無効化に限られない。図21(A)及び図21(B)はアンロックの抑制の有無の例を示している。
図21(A)は制御システム1の性能低下を理由として停止制御を開始した場合のドアロック制御の例を例示している。車両Vが走行継続不能領域L0や、走行継続不能領域L0に隣接する車線L1に停止した場合、ロック解除指示に対して比較的安全な部分L0に面したドアD2、D4をアンロックしている。ドアD1、D3はロックを維持している。
図21(B)は運転者の状態低下を理由として停止制御を開始した場合のドアロック制御の例を例示しており、図21(A)の例に対してアンロックが抑制されている例を示している。車両Vが走行継続不能領域L0に停止した場合、図21(A)の例と同様にロック解除指示に対して比較的安全な部分L0に面したドアD2、D4をアンロックしている。一方、車両Vが走行継続不能領域L0に隣接する車線L1に停止した場合、部分L0に面したドアD2、D4のアンロックは行わず、ロックを維持している(アンロックの抑制)。運転者が降車したとき車線L1上を歩行する可能性を考慮したものである。
アンロックの抑制はこれ以外にも様々な方法が考えられる。例えば、アンロックされるドアD1〜D4に制約をつけてもよい。また、車両Vの周辺を走行する他車両の走行状態に関する制約をつけてもよい。例えば、運転者の状態低下を理由として停止制御を開始した場合、他車両の交通量が閾値を下回る、或いは、他車両が存在しないことを条件としてロック解除指示を有効に受け付けるようにしてもよい。また、時間的な制約であってもよい。例えば、運転者の状態低下を理由として停止制御を開始した場合、車両Vの停止から一定時間の経過を条件としてロック解除指示を有効に受け付けるようにしてもよい。また、ドア状態を報知してもよい。
<第三実施形態:抑制時間の計時によるドアロック制御>
第一実施形態では停止制御の際の車両Vの停止態様に着目してドアロック制御を行ったが、他の要素に着目してドアロック制御を行うこともできる。本実施形態では、停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、抑制時間が経過するまでドアのアンロックを抑制する。過渡期におけるアンロックを抑制することで、運転者が落ち着いた行動をとることができる。
図22(A)はECU26Bによる抑制時間の管理処理の例を示すフローチャートである。S121では抑制時間の計時開始タイミングが到来したか否かを判定し、到来した場合はS122へ進む。S122では抑制時間の計時を開始し、抑制時間中であることを示す抑制フラグをONにする。抑制フラグはECU26Bの記憶デバイスの特定の記憶領域を用いてON/OFFが更新される情報である。S123ではS122で計時を開始した抑制時間が経過したか否かを判定し、経過した場合はS124へ進む。S124では抑制時間の計時を終了し、抑制フラグをOFFとする。
抑制時間の計時開始タイミングは、例えば、停止制御の開始時、停止制御による車両Vの停車時、停止制御による車両Vの停止の維持動作完了時のいずれかである。抑制時間は運転者が周辺監視を行うために十分な時間を設定することができる。例えば数分である。抑制時間は固定時間であってもよいし、可変時間であってもよい。可変時間とする場合、車両Vの周辺環境、運転者の状態、停止制御の開始から車両の停止までの経過時間、車両Vの状態、停止制御が開始された原因となった不成立内容の少なくともいずれか一つに基づいてその長さが設定されてもよい。
車両Vの周辺環境としては、他車両の検知結果に基づく周辺車両の走行状態であってもよい。その情報はECU21A、ECU21B、ECU28Bから得ることができる。例えば、周辺車両が多い場合、周辺車両の速度が速い場合、周辺車両が車両Vに近い場合は相対的に抑制時間を長くして、運転者の周辺監視をより確実なものとする。
運転者の状態は、運転者の健康状態であってもよい。その情報はECU27Bから得ることができる。例えば、運転者が健全でない場合、健全である場合よりも相対的に抑制時間を長くして、運転者の周辺監視をより確実なものとする。
停止制御の開始から車両Vの停止までの経過時間は、ECU26Bが計時してもよいし、停止制御を開始したECUが計時して当該ECUから取得してもよい。例えば、経過時間が短い場合は相対的に抑制時間を長くして、運転者の周辺監視をより確実なものとする。なお、抑制時間の計時開始を停止制御の開始と共に行う場合、抑制時間の長さは車両Vの停止タイミングにより変動し得る。例えば、抑制時間の、予め定めた基準時間を経過しても車両Vの停止に至らなかった場合は抑制時間は終了する。
車両Vの状態としては、例えば、車両Vの一部の機能の性能状態であってもよい。例えば、一部の機能に性能低下がある場合は相対的に抑制時間を短くし、運転者の車両Vからの脱出を速やかに可能とする。
不成立内容については、例えば、制御システム1の性能低下を理由として停止制御を開始した場合は抑制時間を相対的に短くし、運転者の状態低下を理由として停止制御を開始した場合は抑制時間を相対的に長くする。前者は運転者の車両Vからの脱出を速やかに可能とし、後者は運転者の周辺監視をより確実なものとする。
図22(B)は本実施形態におけるECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例を示すフローチャートであり、停止制御が開始された場合に実行される処理例である。
S131では車両Vの車速が閾値以下であるか否かを判定し、閾値以下であればS132へ進む。車速は回転数センサ39や車輪速センサ38の検知結果により判定することができる。この場合、閾値は例えば数km/hである。なお、車両Vの停止を条件としてもよい。
S132では運転者からロック解除指示があるか否かを判定し、ロック解除指示がある場合はS133へ進む。S133では抑制フラグがONか否かを判定し、ONであればロック解除指示を無効として処理を終了する。抑制フラグがOFFであればロック解除指示を有効に取扱い、S134へ進む。
S134ではドアのアンロックを行う。アンロックの対象は、S132で指示された個別のドアであってもよいし、全ドアD1〜D4であってもよいし、路肩に面したドア等、システム側で選択した比較的降車時の安全性が高いドアであってもよい。
以上のように、本実施形態では抑制時間の間はドアのアンロックが抑制されるので、運転者に周辺監視の時間を確保でき、周辺監視が不十分な状態での降車を回避できる。なお、ドアのアンロックの抑制はロック解除指示の有効化/無効化に限られず、第二実施形態において説明した図21(A)及び図21(B)のアンロックの抑制の有無の例のように、抑制中であってもアンロックが許可される場合があってもよい。
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の車両は、
車両のドア(例えばD1-D4)のロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段(例えば1,26B)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段(例えば1,20A,21A,21B)と、
を備えた車両(例えばV)であって、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する(例えば図13-図19)。
この実施形態によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。特に、停止制御の際の車両の状況に応じたドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。
2.上記実施形態では、
前記停止態様は、前記停止制御における前記車両の停止目標位置又は停止完了位置を少なくとも含む。
停止目標位置に基づくことでより迅速なアンロックを可能とし、停止完了位置に基づくことでより適切なアンロックドアの選択が可能となる。
3.上記実施形態では、
前記車両は、運転席側のドア(例えばD1)、助手席側のドア(例えばD2)を含み、
前記停止制御の際に前記車両が走行する周辺路面が、走行継続可能領域(例えばL1-L3)と走行継続不能領域(例えばL0)とを含む場合、前記ドアロック制御手段は、
前記走行継続可能領域に面する又は近い前記ドアについてはロックとし、
前記走行継続不能領域に面する又は近い前記ドアについてはアンロックとする。
この実施形態によれば、運転者の降車時の安全性を向上することができる。
4.上記実施形態の車両は、
前記車両の周辺を走行する他車両を検知する他車両検知手段(例えば31A,31B,32A,32B,28a)を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止態様と前記他車両検知手段の検知結果とに基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する(例えば図17)。
この実施形態によれば、他車両の走行状態を考慮したドアロック制御が可能となる。
5.上記実施形態では、
前記車両は、運転席側のドア(例えばD1)、助手席側のドア(例えばD2)を含み、
前記ドアロック制御手段は、
前記他車両検知手段の検知結果に基づく前記他車両の走行状況が、予め定めた降車安全基準を満たす場合は、少なくとも一部の前記ドアをアンロックとし、
前記他車両検知手段の検知結果に基づく前記他車両の走行状況が、前記降車安全基準を満たさない場合は、前記運転席側のドア及び前記助手席側のドアをロックとする。
この実施形態によれば、運転者の降車時の安全性を向上することができる。
6.上記実施形態では、
前記ドアのロック及びアンロックの少なくともいずれか一方の状態を、運転者に報知する報知手段(例えば26a,44B)を更に備える。
この実施形態によれば、運転者にドア状態を容易に認識させることができる。
7.上記実施形態では、
前記車両は、運転席側のドア(例えばD1)、助手席側のドア(例えばD2)を含み、
前記報知手段は、前記運転席側のドアと前記助手席側のドアとで、ロック及びアンロックの状態が異なる場合に運転者への報知を行う(例えば図15(A)(B))。
この実施形態によれば、運転者の混乱を回避できる。
8.上記実施形態の車両は、
運転者の状態を検知する状態検知手段(例えば27a)を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止態様と前記状態検知手段の検知結果とに基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する(例えば図18(A))。
この実施形態によれば、運転者の健康状態を考慮したドアロック制御が可能となる。
9.上記実施形態では、
前記ドアロック制御手段は、
前記検知結果により運転者が健全であると判定される場合は、前記停止態様に基づいて前記ドアのロックとアンロックとを制御し、
前記検知結果により運転者が健全でないと判定される場合は、前記ドアをロックとする。
この実施形態によれば、運転者の安全性を向上できる。
10.上記実施形態の車両は、
運転者の状態を検知する状態検知手段(例えば27a)を更に備え、
ロックされた前記ドアに対して運転者からロック解除指示があった場合、前記ドアロック制御手段は前記状態検知手段の検知結果に基づいて、前記ドアをアンロックとするか否かを決定する(例えば図19(B))。
この実施形態によれば、運転者の健康状態を考慮しつつロック解除指示に対応することができる。
11.上記実施形態では、
前記ドアロック制御手段は、
前記検知結果により運転者が健全であると判定される場合は、前記ロック解除指示に応じて前記ドアをアンロックとし、
前記検知結果により運転者が健全でないと判定される場合は、前記ロック解除指示に応じない。
この実施形態によれば、運転者の安全性を向上できる。
12.上記実施形態の車両は、
車両のドア(例えばD1-D4)のロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段(例えば1,26B)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段(例えば1,20A,21A,21B)と、
を備えた車両(例えばV)であって、
前記所定の走行継続条件が、前記車両の性能に関わる第一の条件と、運転者の状態に関わる第二の条件と、を含み、
前記ドアロック制御手段は、前記第二の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合には、前記第一の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合よりも、前記停止制御の開始後における前記ドアのアンロックを抑制する(例えば図20(A))。
この実施形態によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。特に健康状態が良好でない運転者の安全性を向上することができる。
13.上記実施形態の車両は、
緊急車両の接近を検知する緊急車両検知手段(例えば31A,31B,32A,32B,28a)を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御により前記車両が停止した後、前記緊急車両検知手段が前記緊急車両の接近を検知した場合、前記ドアをアンロックとする(例えばS115)。
この実施形態によれば、緊急車両の到来時に運転者を迅速に降車させることができる。
14.上記実施形態の車両は、
車両のドア(例えばD1-D4)のロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段(例えば1,26B)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段(例えば1,20A,21A,21B)と、
を備えた車両(例えばV)であって、
前記ドアロック制御手段は、前記車両の停止を機械的に維持させるための停止維持動作が行われた場合に、前記ドアをアンロックとする自動解除制御を実行可能であり(例えばS87,S88)、
前記自動解除制御の実行は、前記停止制御によって前記車両を停止した場合には、前記停止制御によらずに前記車両を停止した場合よりも抑制される。
この実施形態によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。特に、停車制御時には自動解除制御を抑制して運転者の安全性を向上できる。
15.上記実施形態の車両は、
車両のドア(例えばD1-D4)のロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段(1,26B例えば)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段(例えば1,20A,21A,21B)と、
を備えた車両(例えばV)であって、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、該抑制時間が経過するまで前記ドアのアンロックを抑制する(例えば図22(A)(B))。
この実施形態によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。特に、停車制御時に運転者が周辺を監視する時間を確保してその安全性を向上できる。
16.上記実施形態では、
前記抑制時間は、前記停止制御の開始、前記停止制御による前記車両の停止、又は、前記停止制御による前記車両の停止後における該車両の停止を機械的に維持させる機構の作動、のいずれかから計時される。
これらのタイミングからの計時によって、運転者が周辺を監視する時間を適切に確保しやすくなる。
17.上記実施形態では、
前記抑制時間は、前記車両の周辺環境、前記車両の運転者の状態、前記停止制御の開始から前記車両の停止までの経過時間、前記車両の状態、前記所定の走行継続条件の不成立の内容、の少なくともいずれか一つに基づいて、その長さが設定される時間である。
この実施形態によれば、停車制御時の状況に応じて、運転者が周辺を監視する時間を十分に確保することが可能となる。
18.上記実施形態の制御方法は、
車両(例えばV)の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程(例えば図6-図10)と、
前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御工程(例えば図13-図19)と、を備える。
この実施形態によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。特に、停止制御の際の車両の状況に応じたドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。
19.上記実施形態の制御方法は、
車両(例えばV)の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程(例えば図6-図10)と、
前記停止制御が実行された場合に、前記車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御工程(例えば図20(A))と、を備え、
前記所定の走行継続条件が、前記車両の性能に関わる第一の条件と、運転者の状態に関わる第二の条件と、を含み、
前記ドアロック制御工程では、前記第二の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合には、前記第一の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合よりも、前記停止制御の開始後における前記ドアのアンロックを抑制する。
この実施形態によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。特に健康状態が良好でない運転者の安全性を向上することができる。
20.上記実施形態の制御方法は、
車両(例えばV)の制御方法であって、
前記車両の停止を機械的に維持させるための停止維持動作が行われた場合に、前記車両のドアをアンロックとする自動解除制御工程(例えばS87,S88)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程(例えば図6-図10)と、を備え、
前記自動解除制御工程の実行は、前記停止制御によって前記車両を停止した場合には、前記停止制御によらずに前記車両を停止した場合よりも抑制される。
この実施形態によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。特に、停車制御時には自動解除制御を抑制して運転者の安全性を向上できる。
21.上記実施形態の制御方法は、
車両(例えばV)の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程(例えば図6-図10)と、
前記停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、該抑制時間が経過するまで前記車両のドアのアンロックを抑制するドアロック制御工程(例えば図22(A)(B))と、を備える。
この実施形態によれば、運転者の安全性確保と、車両からの降車性とを両立したドアロック/アンロックに関する制御技術を提供することができる。特に、停車制御時に運転者が周辺を監視する時間を確保してその安全性を向上できる。
V 車両、1 車両用制御システム、1A 制御装置、1B 制御装置、20A ECU、21A ECU、21B ECU、26B ECU D1〜D4 ドア

Claims (21)

  1. 車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
    前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
    を備えた車両であって、
    前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する、
    ことを特徴とする車両。
  2. 請求項1に記載の車両であって、
    前記停止態様は、前記停止制御における前記車両の停止目標位置又は停止完了位置を少なくとも含む、
    ことを特徴とする車両。
  3. 請求項1に記載の車両であって、
    前記車両は、運転席側のドア、助手席側のドアを含み、
    前記停止制御の際に前記車両が走行する周辺路面が、走行継続可能領域と走行継続不能領域とを含む場合、前記ドアロック制御手段は、
    前記走行継続可能領域に面する又は近い前記ドアについてはロックとし、
    前記走行継続不能領域に面する又は近い前記ドアについてはアンロックとする、
    ことを特徴とする車両。
  4. 請求項1に記載の車両であって、
    前記車両の周辺を走行する他車両を検知する他車両検知手段を更に備え、
    前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止態様と前記他車両検知手段の検知結果とに基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する、
    ことを特徴とする車両。
  5. 請求項4に記載の車両であって、
    前記車両は、運転席側のドア、助手席側のドアを含み、
    前記ドアロック制御手段は、
    前記他車両検知手段の検知結果に基づく前記他車両の走行状況が、予め定めた降車安全基準を満たす場合は、少なくとも一部の前記ドアをアンロックとし、
    前記他車両検知手段の検知結果に基づく前記他車両の走行状況が、前記降車安全基準を満たさない場合は、前記運転席側のドア及び前記助手席側のドアをロックとする、
    ことを特徴とする車両。
  6. 請求項1に記載の車両であって、
    前記ドアのロック及びアンロックの少なくともいずれか一方の状態を、運転者に報知する報知手段を更に備える、
    ことを特徴とする車両。
  7. 請求項6に記載の車両であって、
    前記車両は、運転席側のドア、助手席側のドアを含み、
    前記報知手段は、前記運転席側のドアと前記助手席側のドアとで、ロック及びアンロックの状態が異なる場合に運転者への報知を行う、
    ことを特徴とする車両。
  8. 請求項1に記載の車両であって、
    運転者の状態を検知する状態検知手段を更に備え、
    前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止態様と前記状態検知手段の検知結果とに基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する、ことを特徴とする車両。
  9. 請求項8に記載の車両であって、
    前記ドアロック制御手段は、
    前記検知結果により運転者が健全であると判定される場合は、前記停止態様に基づいて前記ドアのロックとアンロックとを制御し、
    前記検知結果により運転者が健全でないと判定される場合は、前記ドアをロックとする、
    ことを特徴とする車両。
  10. 請求項1に記載の車両であって、
    運転者の状態を検知する状態検知手段を更に備え、
    ロックされた前記ドアに対して運転者からロック解除指示があった場合、前記ドアロック制御手段は前記状態検知手段の検知結果に基づいて、前記ドアをアンロックとするか否かを決定する、
    ことを特徴とする車両。
  11. 請求項10に記載の車両であって、
    前記ドアロック制御手段は、
    前記検知結果により運転者が健全であると判定される場合は、前記ロック解除指示に応じて前記ドアをアンロックとし、
    前記検知結果により運転者が健全でないと判定される場合は、前記ロック解除指示に応じない、
    ことを特徴とする車両。
  12. 車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
    前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
    を備えた車両であって、
    前記所定の走行継続条件が、前記車両の性能に関わる第一の条件と、運転者の状態に関わる第二の条件と、を含み、
    前記ドアロック制御手段は、前記第二の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合には、前記第一の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合よりも、前記停止制御の開始後における前記ドアのアンロックを抑制する、
    ことを特徴とする車両。
  13. 請求項12に記載の車両であって、
    緊急車両の接近を検知する緊急車両検知手段を更に備え、
    前記ドアロック制御手段は、前記停止制御により前記車両が停止した後、前記緊急車両検知手段が前記緊急車両の接近を検知した場合、前記ドアをアンロックとする、
    ことを特徴とする車両。
  14. 車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
    前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
    を備えた車両であって、
    前記ドアロック制御手段は、前記車両の停止を機械的に維持させるための停止維持動作が行われた場合に、前記ドアをアンロックとする自動解除制御を実行可能であり、
    前記自動解除制御の実行は、前記停止制御によって前記車両を停止した場合には、前記停止制御によらずに前記車両を停止した場合よりも抑制される、
    ことを特徴とする車両。
  15. 車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
    前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
    を備えた車両であって、
    前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、該抑制時間が経過するまで前記ドアのアンロックを抑制する、
    ことを特徴とする車両。
  16. 請求項15に記載の車両であって、
    前記抑制時間は、前記停止制御の開始、前記停止制御による前記車両の停止、又は、前記停止制御による前記車両の停止後における該車両の停止を機械的に維持させる機構の作動、のいずれかから計時される、
    ことを特徴とする車両。
  17. 請求項15に記載の車両であって、
    前記抑制時間は、前記車両の周辺環境、前記車両の運転者の状態、前記停止制御の開始から前記車両の停止までの経過時間、前記車両の状態、前記所定の走行継続条件の不成立の内容、の少なくともいずれか一つに基づいて、その長さが設定される時間である、
    ことを特徴とする車両。
  18. 車両の制御方法であって、
    前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程と、
    前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御工程と、を備える、
    ことを特徴とする制御方法。
  19. 車両の制御方法であって、
    前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程と、
    前記停止制御が実行された場合に、前記車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御工程と、を備え、
    前記所定の走行継続条件が、前記車両の性能に関わる第一の条件と、運転者の状態に関わる第二の条件と、を含み、
    前記ドアロック制御工程では、前記第二の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合には、前記第一の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合よりも、前記停止制御の開始後における前記ドアのアンロックを抑制する、
    ことを特徴とする制御方法。
  20. 車両の制御方法であって、
    前記車両の停止を機械的に維持させるための停止維持動作が行われた場合に、前記車両のドアをアンロックとする自動解除制御工程と、
    前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程と、を備え、
    前記自動解除制御工程の実行は、前記停止制御によって前記車両を停止した場合には、前記停止制御によらずに前記車両を停止した場合よりも抑制される、
    ことを特徴とする制御方法。
  21. 車両の制御方法であって、
    前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程と、
    前記停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、該抑制時間が経過するまで前記車両のドアのアンロックを抑制するドアロック制御工程と、を備える、
    ことを特徴とする制御方法。
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