JP2019217924A - 車両および制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
を備えた車両であって、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する、
ことを特徴とする車両が提供される。
図1〜図3は、本発明の一実施形態に係る車両V及びその制御システム1のブロック図である。図1および図2において、車両Vはその概略が平面図と側面図とで示されている。車両Vは一例としてセダンタイプの四輪の乗用車であり、4つのドアD1〜D4を有している。本実施形態における車両Vは、前列に2つのシート、後列に2つのシートを有する。前列の右側のシートが運転席、左側のシートが助手席である。ドアD1及びD3は車両Vの右側面のドアであり、ドアD2及びD4は車両Vの左側面のドアである。
図1を参照して制御装置1Aの構成について説明する。制御装置1Aは、ECU群(制御ユニット群)2Aを含む。ECU群2Aは、複数のECU20A〜29Aを含む。各ECUは、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェース等を含む。記憶デバイスにはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。各ECUはプロセッサ、記憶デバイスおよびインタフェース等を複数備えていてもよい。なお、ECUの数や、担当する機能については適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、あるいは、統合することが可能である。なお、図1および図3においてはECU20A〜29Aの代表的な機能の名称を付している。例えば、ECU20Aには「自動運転ECU」と記載している。
図2を参照して制御装置1Bの構成について説明する。制御装置1Bは、ECU群(制御ユニット群)2Bを含む。ECU群2Bは、複数のECU21B〜28Bを含む。各ECUは、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェース等を含む。記憶デバイスにはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。各ECUはプロセッサ、記憶デバイスおよびインタフェース等を複数備えていてもよい。なお、ECUの数や、担当する機能については適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、あるいは、統合することが可能である。なお、ECU群2Aと同様、図2および図3においてはECU21B〜28Bの代表的な機能の名称を付している。
ECU間を通信可能に接続する、制御システム1の通信回線の例について図3を参照して説明する。制御システム1は、有線の通信回線L1〜L7を含む。通信回線L1には、制御装置1Aの各ECU20A〜27A、29Aが接続されている。なお、ECU28Aも通信回線L1に接続されてもよい。
制御システム1の電源について図3を参照して説明する。制御システム1は、大容量バッテリ6と、電源7Aと、電源7Bとを含む。大容量バッテリ6はモータMの駆動用バッテリであると共に、モータMにより充電されるバッテリである。
制御装置1Aと、制御装置1Bとが有する機能の共通性について説明する。同一機能を冗長化することで制御システム1の信頼性を向上できる。また、冗長化した一部の機能については、全く同じ機能を多重化したのではなく、異なる機能を発揮する。これは機能の冗長化によるコストアップを抑制する。
〇操舵
制御装置1Aは、電動パワーステアリング装置41Aおよびこれを制御するECU22Aを有している。制御装置1Bもまた、電動パワーステアリング装置41Bおよびこれを制御するECU22Bを有している。
制御装置1Aは、油圧装置42Aおよびこれを制御するECU23Aを有している。制御装置1Bは、油圧装置42Bおよびこれを制御するECU23Bを有している。これらはいずれも車両Vの制動に利用可能である。一方、制御装置1Aの制動機構はブレーキ装置51による制動力と、モータMの回生制動による制動力との配分を主要な機能としたものであるのに対し、制御装置1Bの制動機構は姿勢制御等を主要な機能としたものである。両者は制動という点では共通するものの、互いに異なる機能を発揮する。
制御装置1Aは、電動パーキングロック装置50aおよびこれを制御するECU24Aを有している。制御装置1Bは、電動パーキングブレーキ装置52およびこれを制御するECU24Bを有している。これらはいずれも車両Vの停車を維持することに利用可能である。一方、電動パーキングロック装置50aは自動変速機TMのPレンジ選択時に機能する装置であるのに対し、電動パーキングブレーキ装置52は後輪をロックするものである。両者は車両Vの停止維持という点では共通するものの、互いに異なる機能を発揮する。
制御装置1Aは、情報出力装置43Aおよびこれを制御するECU25Aを有している。制御装置1Bは、情報出力装置44B、インジケータ25aおよびこれらを制御するECU25Bを有している。これらはいずれも運転者に情報を報知することに利用可能である。一方、情報出力装置43Aは例えばヘッドアップディスプレイであり、情報出力装置44Bは計器類などの表示装置である。両者は車内報知という点では共通するものの、互いに異なる表示装置を採用可能である。
制御装置1Aは、情報出力装置44Aおよびこれを制御するECU26Aを有している。制御装置1Bは、情報出力装置43Bおよびこれを制御するECU23Bを有している。これらはいずれも車外に情報を報知することに利用可能である。一方、情報出力装置44Aは方向指示器(ハザードランプ)であり、情報出力装置43Bはブレーキランプである。両者は車外報知という点では共通するものの、互いに異なる機能を発揮する。
制御装置1Aは、パワープラント50を制御するECU27Aを有しているのに対し、制御装置1Bは、パワープラント50を制御する独自のECUは有していない。本実施形態の場合、制御装置1Aおよび1Bのいずれも、単独で、操舵、制動、停止維持が可能であり、制御装置1Aまたは制御装置1Bのいずれか一方が性能低下あるいは電源遮断もしくは通信遮断された場合であっても、車線の逸脱を抑制しつつ、減速して停止状態を維持することが可能である。また、上記のとおり、ECU21Bは通信回線L2、ゲートウェイGWおよび通信回線L1を介してECU27Aに制御指令を出力可能であり、ECU21Bはパワープラント50を制御することも可能である。制御装置1Bがパワープラント50を制御する独自のECUを備えないことで、コストアップを抑制することができるが、備えていてもよい。
〇周囲状況の検知
制御装置1Aは、検知ユニット31Aおよび32Aを有している。制御装置1Bは、検知ユニット31Bおよび32B、通信装置28aを有している。これらはいずれも他車両の検知等、車両Vの走行環境の認識に利用可能である。一方、検知ユニット32Aはライダであり、検知ユニット32Bはレーダである。ライダは一般に形状の検知に有利である。また、レーダは一般にライダよりもコスト面で有利である。特性が異なるこれらのセンサを併用することで、物標の認識性能の向上やコスト削減を図ることができる。検知ユニット31A、31Bは共にカメラであるが、特性が異なるカメラを用いてもよい。例えば、一方が他方よりも高解像度のカメラであってもよい。また、画角が互いに異なっていてもよい。
制御装置1Aは、回転数センサ39を有している。制御装置1Bは、車輪速センサ38を有している。これらはいずれも車速を検知することに利用可能である。一方、回転数センサ39は自動変速機TMの出力軸の回転速度を検知するものであり、車輪速センサ38は車輪の回転速度を検知するものである。両者は車速が検知可能という点では共通するものの、互いに検知対象が異なるセンサである。
制御装置1Aは、ジャイロ33Aを有している。制御装置1Bはヨーレートセンサ33Bを有している。これらはいずれも車両Vの鉛直軸周りの角速度を検知することに利用可能である。一方、ジャイロ33Aは車両Vの進路判定に利用するものであり、ヨーレートセンサ33Bは車両Vの姿勢制御等に利用するものである。両者は車両Vの角速度が検知可能という点では共通するものの、互いに利用目的が異なるセンサである。
制御装置1Aは、電動パワーステアリング装置41Aのモータの回転量を検知するセンサを有している。制御装置1Bは操舵角センサ37を有している。これらはいずれも前輪の操舵角を検知することに利用可能である。制御装置1Aにおいては、操舵角センサ37については増設せずに、電動パワーステアリング装置41Aのモータの回転量を検知するセンサを利用することでコストアップを抑制できる。尤も、操舵角センサ37を増設して制御装置1Aにも設けてもよい。
制御装置1Aは、操作検知センサ34bを有している。制御装置1Bは、圧力センサ35を有している。これらはいずれも、運転者の制動操作量を検知することに利用可能である。一方、操作検知センサ34bは4つのブレーキ装置51による制動力と、モータMの回生制動による制動力との配分を制御するために用いられ、圧力センサ35は姿勢制御等に用いられる。両者は制動操作量を検知する点で共通するものの、互いに利用目的が異なるセンサである。
制御装置1Bは、乗員の状態の検知に関し、ECU22Bが運転者がステアリングホイールSTを把持しているか否かを検知するセンサ36の検知結果を取得可能であり、また、検知ユニット27aの検知結果に基づいて乗員の状態を認識するECU27Bを有しているのに対し、制御装置1Aは有していない。しかし、制御装置1Aにおいてセンサ36の検知結果を取得可能としたり、検知ユニット27a及びECU27Bを制御装置1Aに設けてもよく、或いは、同様の機能を有する構成を制御装置1Aにも設けてもよい。なお、制御装置1AのECU20AやECU29Aは、通信回線L1やL2を介してECU22BやECU27Bと通信を行って制御指令を出力したり、逆に、情報を取得することも可能である。
制御装置1Aは電源7Aから電力の供給を受け、制御装置1Bは電源7Bから電力の供給を受ける。電源7Aまたは電源7Bのいずれかの電力供給が遮断あるいは低下した場合でも、制御装置1Aまたは制御装置1Bのいずれか一方には電力が供給されるので、電源をより確実に確保して制御システム1の信頼性を向上することができる。電源7Aの電力供給が遮断あるいは低下した場合、制御装置1Aに設けたゲートウェイGWが介在したECU間の通信は困難となる。しかし、制御装置1Bにおいて、ECU21Bは、通信回線L2を介してECU22B〜28Bと通信可能である。
制御装置1Aは自動運転制御を行うECU20Aと、走行支援制御を行うECU29Aとを備えており、走行制御を行う制御ユニットを二つ備えている。
制御装置1Aまたは1Bで実行可能な制御機能は、車両Vの駆動、制動、操舵の制御に関わる走行関連機能と、運転者に対する情報の報知に関わる報知機能と、を含む。
<モード切替>
制御システム1の制御例について説明する。図5はECU20Aが実行する運転モードの切り替え処理を示すフローチャートである。
自動運転制御により、走行軌道TJ上で車両Vを走行させる場合、物標の認識が重要となる。物標の検知結果としては、検知ユニット31A、32Aの検知結果、検知ユニット31B、32Bの検知結果、通信装置28aが取得した情報(車車間通信や路車間通信)を統合した物標データを生成し、利用することができる。物標データは、ECU21Aが生成・更新した物標データと、ECU21Bが生成・更新した物標データとをECU20Aが統合すること生成・更新することができる。物標データは、例えば、物標毎に付されるID、物標の位置情報、物標の移動速度の情報、物標の形状の情報、物標の分類を含む。生成した物標データを基準として自動運転制御を実行することにより、走行環境の認識に関してより信頼性の高い制御を実行することができる。
制御機能の分担に関し、上述した分担例ならびに機能制限例を採用すると、例えば、自動運転モードにおいては、ECU29AおよびECU20Aがそれぞれ衝突軽減ブレーキ制御を実行する。これにより制御指令が競合する場合がある。例えば、ECU29Aが検知ユニット31Aの検知結果に基づいてECU23Aに制御指令を送信し、油圧装置42Aの作動による制動を実行する一方、ECU20Aが物標データD3に基づいてECU23Aに制御指令を送信し、油圧装置42Aの作動による制動を実行すると両者が競合する場合がある。競合を回避するために、例えば、ECU20Aが競合する制御指令を調停するようにしてもよい。調停の方法としては、各ECUがECU20Aを経由して制御指令を出力するようにし、ECU20Aが競合する制御指令の選択等を行う方法を挙げることができる。ECU20AとECU21Bについても同様である。競合が発生し得る制御指令については、ECU21Bが対応するECUに直接制御指令を送信せず、ECU20Aを介して送信することでECU20Aが競合する制御指令の選択等を行い、制御指令の競合を回避することができる。
制御システム1は、車両Vの走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に、自動的に車両Vを減速して停止させる停止制御を実行する。走行継続条件とは、例えば、運転の続行が困難な状況に陥っていないこと、或いは、当該状況に陥る可能性が低いことであり、具体的には、例えば、制御システム1の性能低下に陥っていないことや、運転者の状態が低下していないことである。制御システム1の性能低下とは、例えば、車両Vの走行制御或いは走行支援に関わるECU20A、ECU29A、ECU21Bの性能が低下している場合、電源遮断の場合、通信遮断の場合等を挙げることができる。運転者の状態低下としては、例えば、運転者の体調不良、意識の低下等を挙げることができる。なお、目標地点への運転の途中で交差点で停止する等、交通法規により車両Vを停止させることは運転の一部であり、走行継続条件の不成立にはあたらないことは言うまでもない。
制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御の例について説明する。図6はその一例を示すECU20AおよびECU29Aの処理例を示すフローチャートである。制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御は自動運転モードが設定されている間、周期的に行うことができる。
制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御の別の例について説明する。ECU20Aが自動運転モード中に自動運転制御を続行可能か否かの判定を周期的に行い、続行困難と判定した場合はECU29Aに制御を移行する指示を送信してもよい。図7はその一例を示すフローチャートである。
制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御の別の例について説明する。図8は、図6の停止制御に関わるECU20AとECU21Bの処理例を示す。同図の処理は、図6の処理と基本的に同様の流れとなっており、自動運転モードが設定されている間、周期的に行うことができる。
制御システム1の性能低下を条件として開始される停止制御の別の例について説明する。ECU20Aが自動運転モード中に自動運転制御を続行可能か否かの判定を周期的に行い、続行困難と判定した場合はECU21Bに制御を移行する指示を送信してもよい。図9はその一例を示すフローチャートである。
運転者の状態低下を条件として開始される停止制御の例について説明する。図10はその一例を示すフローチャートである。同図の処理は自動運転モードにおいて実行してもよいし、手動運転モードにおいて実行してもよい。
停止制御における車両Vの停車位置は、現在走行中の車線と同じであってもよいし、別の位置であってもよい。図11(A)〜図11(C)は停止位置の例を示す図である。各図において、L1、L2はそれぞれ走行継続可能領域(車線)を示し、L0は走行継続不能領域(路肩等)を示している。
ECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例について説明する。本実施形態では、停止制御が開始された場合と、その他の場合(通常の場合という)とで異なる制御を行う。図12は通常の場合においてECU26Bが実行するドアロック制御の例を示しており、車両Vに対して乗員が搭乗した後の制御例を示している。
S81では、各ドアD1〜D4の電動ドアロック装置26aがアンロック中か否かを判定する。ECU26Bは、例えば、その記憶デバイスにおいて各ドアD1〜D4の電動ドアロック装置26aの状態を示す情報を格納し、更新することで現在の状態を認識可能である。各ドアD1〜D4の電動ドアロック装置26aがアンロック中であればS82へ進み、ロック中であればS85へ進む。
次に、停止制御が開始された場合のドアロック制御について説明する。停止時に車両Vがドアロックの状態にあると、運転者を車両Vの内部に留めて保護する点で有利である。停止時に車両Vのドアがアンロックの状態にあると、運転者が円滑に車外に脱出する点や車外から運転者の救護活動を行う点で有利である。そして、停車制御により車両Vが停止される場所は車線上である場合や、路肩等、比較的安全性の高い場所の場合もあり得る。つまり、運転者の安全性の点でドアロックとアンロックのどちらが有利となるかは、車両Vの状況により異なる。そこで、本実施形態では、停止制御の際の車両Vの状況に応じたドアロック制御を行う。
停車制御における車両Vの停止態様に基づくドアロック制御について説明する。停止態様としては、例えば、車両Vの周辺路面(走行中の車線、隣接車線、隣接領域など)において、実際に停止した停止完了位置、制御上の停止目標位置、実際に停止した車両Vの停止姿勢を挙げることができる。
まず、停止完了位置を例にとって説明する。図13(A)はECU26Bによる電動ドアロック装置26aの制御例を示すフローチャートであり、停止制御が開始された場合に実行される処理例である。
停止態様としての停止目標位置に基づくドアロック制御の例について説明する。停止目標位置に基づくことで停止制御による車両Vの停止前後に早期にドアのアンロックをすることが可能となり、運転者が車両Vから早期に脱出することを可能とする。
停止態様に加えて、車両Vの周辺を走行する他車両の検知結果に基づいてアンロックするドアを選択してもよい。これにより乗員の安全性確保と、車両Vからの降車性を更に両立したドアロック制御を実現することができる。
指数=他車両数×係数1+車両Vと最近接他車両との距離×係数2+最近接他車両の車速×係数3、
と表現することもできる。指数は車線単位で演算されてもよい。
停止態様に加えて、運転者の状態に基づいてアンロックするドアを選択してもよい。運転者が健全でない場合は運転者を車両Vの内部に留めて保護する方が安全性が高まる。これにより乗員の安全性確保と、車両Vからの降車性を更に両立したドアロック制御を実現することができる。
図13(A)の例では、S95において全ドアD1〜D4のロックが維持されている場合は、S96において所定の条件成立によりアンロックを行うこととした。しかし、全ドアD1〜D4のロックが維持されているか否かに関わらず、運転者がロック解除指示をした場合にアンロックしてもよい。但し、運転者が健全でない場合は誤ってロック解除指示を行ったり、或いは、降車の際に安全性が低下する場合がある。そこで、運転者がロック解除指示をした場合、運転者の状態に基づいてアンロックするか否かを決定してもよい。
第一実施形態では停止制御の際の車両Vの停止態様に着目してドアロック制御を行ったが、他の要素に着目してドアロック制御を行うこともできる。本実施形態では、停止制御の開始理由である、走行継続条件の不成立の内容(以下、不成立内容ともいう。)によって停止制御開始後のドアロック制御の異ならせるものである。具体的には、運転者の状態低下を理由として停止制御を開始した場合(図10)には、制御システム1の性能低下を理由として停止制御を開始した場合(図6〜図9)よりも、停止制御の開始後におけるドアのアンロックを抑制する。これにより、例えば、判断能力が低下している運転者を車両Vの内部に留めて保護し易くすることができる。
第一実施形態では停止制御の際の車両Vの停止態様に着目してドアロック制御を行ったが、他の要素に着目してドアロック制御を行うこともできる。本実施形態では、停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、抑制時間が経過するまでドアのアンロックを抑制する。過渡期におけるアンロックを抑制することで、運転者が落ち着いた行動をとることができる。
1.上記実施形態の車両は、
車両のドア(例えばD1-D4)のロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段(例えば1,26B)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段(例えば1,20A,21A,21B)と、
を備えた車両(例えばV)であって、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する(例えば図13-図19)。
前記停止態様は、前記停止制御における前記車両の停止目標位置又は停止完了位置を少なくとも含む。
前記車両は、運転席側のドア(例えばD1)、助手席側のドア(例えばD2)を含み、
前記停止制御の際に前記車両が走行する周辺路面が、走行継続可能領域(例えばL1-L3)と走行継続不能領域(例えばL0)とを含む場合、前記ドアロック制御手段は、
前記走行継続可能領域に面する又は近い前記ドアについてはロックとし、
前記走行継続不能領域に面する又は近い前記ドアについてはアンロックとする。
前記車両の周辺を走行する他車両を検知する他車両検知手段(例えば31A,31B,32A,32B,28a)を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止態様と前記他車両検知手段の検知結果とに基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する(例えば図17)。
前記車両は、運転席側のドア(例えばD1)、助手席側のドア(例えばD2)を含み、
前記ドアロック制御手段は、
前記他車両検知手段の検知結果に基づく前記他車両の走行状況が、予め定めた降車安全基準を満たす場合は、少なくとも一部の前記ドアをアンロックとし、
前記他車両検知手段の検知結果に基づく前記他車両の走行状況が、前記降車安全基準を満たさない場合は、前記運転席側のドア及び前記助手席側のドアをロックとする。
前記ドアのロック及びアンロックの少なくともいずれか一方の状態を、運転者に報知する報知手段(例えば26a,44B)を更に備える。
前記車両は、運転席側のドア(例えばD1)、助手席側のドア(例えばD2)を含み、
前記報知手段は、前記運転席側のドアと前記助手席側のドアとで、ロック及びアンロックの状態が異なる場合に運転者への報知を行う(例えば図15(A)(B))。
運転者の状態を検知する状態検知手段(例えば27a)を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止態様と前記状態検知手段の検知結果とに基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する(例えば図18(A))。
前記ドアロック制御手段は、
前記検知結果により運転者が健全であると判定される場合は、前記停止態様に基づいて前記ドアのロックとアンロックとを制御し、
前記検知結果により運転者が健全でないと判定される場合は、前記ドアをロックとする。
運転者の状態を検知する状態検知手段(例えば27a)を更に備え、
ロックされた前記ドアに対して運転者からロック解除指示があった場合、前記ドアロック制御手段は前記状態検知手段の検知結果に基づいて、前記ドアをアンロックとするか否かを決定する(例えば図19(B))。
前記ドアロック制御手段は、
前記検知結果により運転者が健全であると判定される場合は、前記ロック解除指示に応じて前記ドアをアンロックとし、
前記検知結果により運転者が健全でないと判定される場合は、前記ロック解除指示に応じない。
車両のドア(例えばD1-D4)のロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段(例えば1,26B)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段(例えば1,20A,21A,21B)と、
を備えた車両(例えばV)であって、
前記所定の走行継続条件が、前記車両の性能に関わる第一の条件と、運転者の状態に関わる第二の条件と、を含み、
前記ドアロック制御手段は、前記第二の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合には、前記第一の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合よりも、前記停止制御の開始後における前記ドアのアンロックを抑制する(例えば図20(A))。
緊急車両の接近を検知する緊急車両検知手段(例えば31A,31B,32A,32B,28a)を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御により前記車両が停止した後、前記緊急車両検知手段が前記緊急車両の接近を検知した場合、前記ドアをアンロックとする(例えばS115)。
車両のドア(例えばD1-D4)のロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段(例えば1,26B)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段(例えば1,20A,21A,21B)と、
を備えた車両(例えばV)であって、
前記ドアロック制御手段は、前記車両の停止を機械的に維持させるための停止維持動作が行われた場合に、前記ドアをアンロックとする自動解除制御を実行可能であり(例えばS87,S88)、
前記自動解除制御の実行は、前記停止制御によって前記車両を停止した場合には、前記停止制御によらずに前記車両を停止した場合よりも抑制される。
車両のドア(例えばD1-D4)のロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段(1,26B例えば)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段(例えば1,20A,21A,21B)と、
を備えた車両(例えばV)であって、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、該抑制時間が経過するまで前記ドアのアンロックを抑制する(例えば図22(A)(B))。
前記抑制時間は、前記停止制御の開始、前記停止制御による前記車両の停止、又は、前記停止制御による前記車両の停止後における該車両の停止を機械的に維持させる機構の作動、のいずれかから計時される。
前記抑制時間は、前記車両の周辺環境、前記車両の運転者の状態、前記停止制御の開始から前記車両の停止までの経過時間、前記車両の状態、前記所定の走行継続条件の不成立の内容、の少なくともいずれか一つに基づいて、その長さが設定される時間である。
車両(例えばV)の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程(例えば図6-図10)と、
前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御工程(例えば図13-図19)と、を備える。
車両(例えばV)の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程(例えば図6-図10)と、
前記停止制御が実行された場合に、前記車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御工程(例えば図20(A))と、を備え、
前記所定の走行継続条件が、前記車両の性能に関わる第一の条件と、運転者の状態に関わる第二の条件と、を含み、
前記ドアロック制御工程では、前記第二の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合には、前記第一の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合よりも、前記停止制御の開始後における前記ドアのアンロックを抑制する。
車両(例えばV)の制御方法であって、
前記車両の停止を機械的に維持させるための停止維持動作が行われた場合に、前記車両のドアをアンロックとする自動解除制御工程(例えばS87,S88)と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程(例えば図6-図10)と、を備え、
前記自動解除制御工程の実行は、前記停止制御によって前記車両を停止した場合には、前記停止制御によらずに前記車両を停止した場合よりも抑制される。
車両(例えばV)の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程(例えば図6-図10)と、
前記停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、該抑制時間が経過するまで前記車両のドアのアンロックを抑制するドアロック制御工程(例えば図22(A)(B))と、を備える。
Claims (21)
- 車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
を備えた車両であって、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する、
ことを特徴とする車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
前記停止態様は、前記停止制御における前記車両の停止目標位置又は停止完了位置を少なくとも含む、
ことを特徴とする車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
前記車両は、運転席側のドア、助手席側のドアを含み、
前記停止制御の際に前記車両が走行する周辺路面が、走行継続可能領域と走行継続不能領域とを含む場合、前記ドアロック制御手段は、
前記走行継続可能領域に面する又は近い前記ドアについてはロックとし、
前記走行継続不能領域に面する又は近い前記ドアについてはアンロックとする、
ことを特徴とする車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
前記車両の周辺を走行する他車両を検知する他車両検知手段を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止態様と前記他車両検知手段の検知結果とに基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する、
ことを特徴とする車両。 - 請求項4に記載の車両であって、
前記車両は、運転席側のドア、助手席側のドアを含み、
前記ドアロック制御手段は、
前記他車両検知手段の検知結果に基づく前記他車両の走行状況が、予め定めた降車安全基準を満たす場合は、少なくとも一部の前記ドアをアンロックとし、
前記他車両検知手段の検知結果に基づく前記他車両の走行状況が、前記降車安全基準を満たさない場合は、前記運転席側のドア及び前記助手席側のドアをロックとする、
ことを特徴とする車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
前記ドアのロック及びアンロックの少なくともいずれか一方の状態を、運転者に報知する報知手段を更に備える、
ことを特徴とする車両。 - 請求項6に記載の車両であって、
前記車両は、運転席側のドア、助手席側のドアを含み、
前記報知手段は、前記運転席側のドアと前記助手席側のドアとで、ロック及びアンロックの状態が異なる場合に運転者への報知を行う、
ことを特徴とする車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
運転者の状態を検知する状態検知手段を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合、前記停止態様と前記状態検知手段の検知結果とに基づいて、前記ドアのロックとアンロックとを制御する、ことを特徴とする車両。 - 請求項8に記載の車両であって、
前記ドアロック制御手段は、
前記検知結果により運転者が健全であると判定される場合は、前記停止態様に基づいて前記ドアのロックとアンロックとを制御し、
前記検知結果により運転者が健全でないと判定される場合は、前記ドアをロックとする、
ことを特徴とする車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
運転者の状態を検知する状態検知手段を更に備え、
ロックされた前記ドアに対して運転者からロック解除指示があった場合、前記ドアロック制御手段は前記状態検知手段の検知結果に基づいて、前記ドアをアンロックとするか否かを決定する、
ことを特徴とする車両。 - 請求項10に記載の車両であって、
前記ドアロック制御手段は、
前記検知結果により運転者が健全であると判定される場合は、前記ロック解除指示に応じて前記ドアをアンロックとし、
前記検知結果により運転者が健全でないと判定される場合は、前記ロック解除指示に応じない、
ことを特徴とする車両。 - 車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
を備えた車両であって、
前記所定の走行継続条件が、前記車両の性能に関わる第一の条件と、運転者の状態に関わる第二の条件と、を含み、
前記ドアロック制御手段は、前記第二の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合には、前記第一の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合よりも、前記停止制御の開始後における前記ドアのアンロックを抑制する、
ことを特徴とする車両。 - 請求項12に記載の車両であって、
緊急車両の接近を検知する緊急車両検知手段を更に備え、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御により前記車両が停止した後、前記緊急車両検知手段が前記緊急車両の接近を検知した場合、前記ドアをアンロックとする、
ことを特徴とする車両。 - 車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
を備えた車両であって、
前記ドアロック制御手段は、前記車両の停止を機械的に維持させるための停止維持動作が行われた場合に、前記ドアをアンロックとする自動解除制御を実行可能であり、
前記自動解除制御の実行は、前記停止制御によって前記車両を停止した場合には、前記停止制御によらずに前記車両を停止した場合よりも抑制される、
ことを特徴とする車両。 - 車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御手段と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御手段と、
を備えた車両であって、
前記ドアロック制御手段は、前記停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、該抑制時間が経過するまで前記ドアのアンロックを抑制する、
ことを特徴とする車両。 - 請求項15に記載の車両であって、
前記抑制時間は、前記停止制御の開始、前記停止制御による前記車両の停止、又は、前記停止制御による前記車両の停止後における該車両の停止を機械的に維持させる機構の作動、のいずれかから計時される、
ことを特徴とする車両。 - 請求項15に記載の車両であって、
前記抑制時間は、前記車両の周辺環境、前記車両の運転者の状態、前記停止制御の開始から前記車両の停止までの経過時間、前記車両の状態、前記所定の走行継続条件の不成立の内容、の少なくともいずれか一つに基づいて、その長さが設定される時間である、
ことを特徴とする車両。 - 車両の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程と、
前記停止制御が実行された場合、前記停止制御における前記車両の停止態様に基づいて、前記車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御工程と、を備える、
ことを特徴とする制御方法。 - 車両の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程と、
前記停止制御が実行された場合に、前記車両のドアのロックとアンロックとを制御するドアロック制御工程と、を備え、
前記所定の走行継続条件が、前記車両の性能に関わる第一の条件と、運転者の状態に関わる第二の条件と、を含み、
前記ドアロック制御工程では、前記第二の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合には、前記第一の条件の不成立により前記停止制御を開始した場合よりも、前記停止制御の開始後における前記ドアのアンロックを抑制する、
ことを特徴とする制御方法。 - 車両の制御方法であって、
前記車両の停止を機械的に維持させるための停止維持動作が行われた場合に、前記車両のドアをアンロックとする自動解除制御工程と、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程と、を備え、
前記自動解除制御工程の実行は、前記停止制御によって前記車両を停止した場合には、前記停止制御によらずに前記車両を停止した場合よりも抑制される、
ことを特徴とする制御方法。 - 車両の制御方法であって、
前記車両の走行中に所定の走行継続条件が不成立となった場合に前記車両を減速して停止させる停止制御を実行する運転制御工程と、
前記停止制御が実行された場合に抑制時間を計時し、該抑制時間が経過するまで前記車両のドアのアンロックを抑制するドアロック制御工程と、を備える、
ことを特徴とする制御方法。
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