JP2019203964A - 画像形成方法およびそれに用いられる静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真方式の画像形成において、例えば厚みが薄くて軟らかいフィルムなどの記録媒体に対しても、高い接着性を有するトナー画像を形成すること。【解決手段】静電荷像現像用のトナーを用いて、記録媒体にトナー像を形成する工程を含む電子写真方式の画像形成方法であって、前記記録媒体は、厚み70μm以下のフィルムであり、前記トナーは、フェノール樹脂を含むトナー粒子を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成方法およびそれに用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化および高速化に対応した電子写真用のトナーの開発が要求されている。トナーに含まれるバインダー樹脂には、スチレンアクリル樹脂や低温定着性に優れたポリエステル樹脂が用いられるほか、複数の性能を同時に満たすために、複数の樹脂の複合化なども検討されている。また、印刷メディアの多様化に伴い、従来の紙だけでなく、フィルムなどの表面に印刷する、いわゆるラベル印刷用途や包装材用途への展開も始まっている。
そのような用途に用いられるフィルムへの印刷方法として、例えばポリエステル樹脂と、ポリプロピレン系ワックスとを含む結着樹脂組成物を含む静電荷像現像トナーを用いて、電子写真法によりポリプロピレンフィルムに印刷する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2016−218448号公報
ところで、包装材用途の一つである軟包装材の印刷物は、印刷後にロール状態で長時間保管され、次の工程で、平面に引き延ばされ加工される。また、包装形態に加工された後も、例えば袋詰め包装の場合、包装物の形状変形に伴い、トナー画像もあらゆる方向への力が加わる。このような過激な変形を余儀なくされる軟包装材上の画像においても、画像の劣化が起こらないような画像形成が求められている。
しかしながら、特許文献1のようなトナーを用いても、前述した包装材用途の一つである軟包装材(例えば厚みが薄くて軟らかいフィルムなど)との密着性は不十分であり、軟包装材上における画像の劣化を十分に抑制することはできなかった。したがって、過激な変形を余儀なくされる軟包装材上においても、画像の劣化が起こらないようにするためには、印刷物に変形が加わっても、トナー画像層が記録媒体に十分に追随することが必要であり、そのためには、トナー画像層と記録媒体の接着性を向上させることが必要である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電子写真方式の画像形成において、例えば厚みが薄くて軟らかいフィルムなどの記録媒体に対しても、接着性の高いトナー画像を形成することができる画像形成方法を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の構成によって解決することができる。
本発明の画像形成方法は、静電荷像現像用トナーを用いて、記録媒体に定着されたトナー像を形成する工程を含む電子写真方式の画像形成方法であって、前記記録媒体は、厚み70μm以下のフィルムであり、前記トナーは、結着樹脂としてフェノール樹脂を含むトナー粒子を含む。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー粒子を含み、トナー粒子は、ビニル樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種以上の非晶性樹脂と、フェノール樹脂とを含み、前記フェノール樹脂の含有量が、前記非晶性樹脂と前記フェノール樹脂の合計に対して5〜30質量部であり、かつ前記非晶性樹脂と前記フェノール樹脂の合計が、前記トナー粒子に対して70質量%以上である。
本発明によれば、電子写真方式の画像形成において、例えば厚みが薄くて軟らかいフィルムなどの記録媒体に対しても、記録媒体に対して高い接着性を有するトナー画像を形成することができる。
図1は、本実施の形態で用いられる画像形成装置の構成例を模式的に示す図である。 図2は、他の実施の形態におけるロール状に収容される記録媒体を用いた画像形成方法を実施するための画像形成装置の構成例を模式的に示す図である。 図3は、実施例における画像の曲げ試験の内容を説明するための図である。
本発明の一実施の形態に係る画像形成方法は、静電荷像現像用トナーを用いて、記録媒体上に定着されたトナー画像を形成する工程を含む、電子写真方式の画像形成方法である。
本発明者らは、鋭意検討した結果、トナー粒子に、結着樹脂としてフェノール樹脂を含有させることで、例えば軟包装材などのフィルムに対しても高い接着性が得られること、それにより印刷物に変形が加わっても、画像の劣化を抑制できることを見出した。
この理由は明らかではないが、以下のように推測される。フェノール樹脂は、主鎖にフェノール基を有することにより、当該フェノール基のベンゼン環が面として、記録媒体であるフィルムの表面と密着しやすく、トナー画像とフィルムとの接着性が高まると考えられる。また、フェノール樹脂の一の分子のベンゼン環と、他の分子のフェノール基の弱い陽性(δ+)を帯びた水素との間で相互作用(静電的引力)が生じやすく、それによりトナー画像の強度(靱性)が高まりやすく、変形に対する追随性が高まりやすいと考えられる。それにより、印刷物に変形が加わっても、画像の劣化を抑制できると考えられる。
また、結着樹脂として、ベンゼン環を有する非晶性樹脂をさらに含有させることで、非晶性樹脂のベンゼン環と、フェノール樹脂のフェノール基の弱い陽性(δ+)を帯びた水素との間でも相互作用(静電的引力)が生じるため、トナー画像の強度(靱性)が一層高まりやすく、変形に対する追随性がさらに高まると考えられる。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
まず、画像形成方法に用いる静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)およびそれを用いた現像剤について説明する。
1.トナー
トナーは、トナー粒子の集合体でありうる。トナー粒子は、トナー母体粒子と、必要に応じて外添剤とを含む。
1−1.トナー母体粒子
トナー母体粒子は、少なくともフェノール樹脂を含む結着樹脂を含み、必要に応じて他の成分をさらに含みうる。具体的には、トナー母体粒子は、結着樹脂からなる連続相と、他の成分からなる分散相とを有しうる。
(結着樹脂)
結着樹脂は、少なくともフェノール樹脂を含む。フェノール樹脂は、得られるトナー画像に柔軟性や記録媒体との良好な接着性を付与しうる。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを付加縮合させて得られる重合体でありうる。そのようなフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒下で反応させて得られるノボラック型樹脂であってもよいし、フェノール類とアルデヒド類とをアルカリ性触媒下で反応させて得られるレゾール型樹脂であってもよい。
フェノール類の例には、フェノール、クレゾール、キシレノール、カテコール、ナフトール、アルキルフェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノール類などが含まれる。アルデヒドの例には、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラールなどが含まれる。
フェノール樹脂の融点は、例えば65〜100℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。フェノール樹脂の融点は、例えば示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/minで昇温したときの、吸熱ピークのピーク温度として測定することができる。
フェノール樹脂の含有量は、結着樹脂の合計(好ましくはフェノール樹脂と後述する非晶性樹脂の合計)100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましい。フェノール樹脂の含有量が5質量部以上であると、得られるトナー画像に良好な柔軟性や記録媒体に対する良好な接着性を付与しうるため、得られるトナー画像の軟包装材などの記録媒体に対する接着性を高めやすい。フェノール樹脂の含有量が30質量部以下であると、非晶性樹脂の含有量が少なくなりすぎないため、トナー画像を記録媒体に定着させる際の、トナー画像層の熱溶融性が損なわれにくく、記録媒体に対する接着性が損なわれにくい。フェノール樹脂の含有量は、結着樹脂の合計(好ましくはフェノール樹脂と後述する非晶性樹脂の合計)100質量部に対して、5〜20質量部であることがより好ましく、10〜15質量部であることがさらに好ましい。
結着樹脂は、定着したトナー画像の記録媒体との接着性およびトナー画像自体の強度(靱性)の確保や、トナーとして機械的ストレスへの強度の確保の観点で、非晶性樹脂をさらに含むことが好ましい。機械的ストレスに弱いと、現像機内でのトナー割れなどの不具合が発生しやすくなる。
非晶性樹脂は、公知のトナーの結着樹脂として用いられる非晶性樹脂の中から適宜選ぶことができる。非晶性樹脂の例には、ビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、ポリブチレンサクシネート、ウレタン樹脂、ウレア樹脂が含まれる。非晶性樹脂は、1種類で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、樹脂フィルムなどの記録媒体との接着性を高めやすい観点から、ビニル樹脂や非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
ビニル樹脂は、ビニル系単量体を重合して得られる重合体である。ビニル系単量体の例には、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、オレフィン類、ハロゲン化オレフィン系モノマー、ジオレフィン系モノマー、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、N−ビニル化合物およびその他のビニル化合物が含まれる。ビニル系単量体は、一種で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
スチレン系単量体の例には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレンおよびp−n−ドデシルスチレンが含まれる。
(メタ)アクリル酸系単量体の例には、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびアクリルアミドが含まれる。
オレフィン類の例には、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1および4−メチルペンテン−1が含まれる。ハロゲン化オレフィン系モノマーの例には、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンが含まれる。ジオレフィン系モノマーの例には、ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンが含まれる。
ビニルエステル類の例には、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルおよびギ酸ビニルが含まれる。ビニルエーテル類の例には、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルn−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテルおよびビニルシクロヘキシルエーテルが含まれる。ビニルケトン類の例には、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルヘキシルケトンが含まれる。N−ビニル化合物の例には、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドールおよびN−ビニルピロリドンが含まれる。その他のビニル化合物の例には、ビニルナフタレンおよびビニルピリジンが含まれる。
ビニル樹脂の例には、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体の共重合体(スチレンアクリル樹脂)が含まれる。スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体の共重合比は、例えばスチレン系単量体/(メタ)アクリル酸系単量体=50/50〜95/5(質量比)、好ましくは70/30〜90/10(質量比)としうる。
ポリエステル樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)とを重縮合反応させて得られる重合体のうち、非晶性を示すものである。
多価カルボン酸は、分子中にカルボキシ基を2つ以上有する化合物である。多価カルボン酸の例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;これらのカルボン酸の無水物、炭素数1〜3のアルキルエステルなどが含まれる。これらの多価カルボン酸は、1種で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、分子中にヒドロキシ基を2つ以上有する化合物である。多価アルコールの例には、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどの飽和脂肪族ジオール;フマル酸などの不飽和脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などの、芳香環を含むジオール(芳香族ジオール)が含まれる。これらの多価アルコールは、1種で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂は、スチレンアクリル樹脂で変性されていてもよい。スチレンアクリル樹脂で変性された非晶性ポリエステル樹脂とは、非晶性ポリエステル樹脂のユニットと、スチレンアクリル樹脂のユニットとを有する樹脂をいう。
これらの中でも、トナー画像の強度(靱性)を高める観点では、ベンゼン環を有するモノマーユニットを含むビニル樹脂や非晶性ポリエステル樹脂が好ましく、ベンゼン環を有するモノマーユニットを樹脂の主鎖ではなく側鎖に含むビニル樹脂や非晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。そのような樹脂の好ましい例として、スチレンアクリル樹脂が挙げられる。
非晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、トナー画像の熱溶融性を得やすくする観点などから、16000〜60000であることが好ましく、25000〜40000であることがより好ましい。非晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定することができる。
非晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、20〜70℃であることが好ましい。非晶性樹脂のガラス転移点は、例えば示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/minで昇温したときの、ガラス転移に相当する変位点により測定することができる。
結着樹脂の含有量(好ましくはフェノール樹脂と非晶性樹脂の合計量)は、トナー母体粒子に対して60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
(他の成分)
トナー母体粒子は、本実施の形態の効果が得られる範囲において、結着樹脂以外の他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分の例には、着色剤や離型剤が含まれる。
着色剤には、公知の着色剤を用いることができ、顔料や染料などでありうる。黒色用の着色剤の例には、カーボンブラックおよび磁性粉が含まれる。カーボンブラックの例には、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックおよびランプブラックが含まれる。磁性粉の例には、マグネタイトおよびフェライトが含まれる。
マゼンタまたはレッド用の着色剤の例には、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238および同269が含まれる。
オレンジまたはイエロー用の着色剤の例には、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180および同185が含まれる。
グリーンまたはシアン用の着色剤の例には、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66およびC.I.ピグメントグリーン7が含まれる。
また、染料の例には、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93および同95が含まれる。
着色剤の数平均一次粒子径は、種類により異なるが、概ね10〜200nmであることが好ましい。着色剤は、例えば、樹脂微粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で凝集系に添加することにより、トナー母体粒子に導入することが可能である。また、着色剤はその表面をカップリング剤などの表面処理剤で処理して使用されてもよい。
着色剤の含有量は、トナー母体粒子に対して20質量%以下であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、3〜7質量%であることがさらに好ましい。
トナー母体粒子は、白トナー、光輝トナーや顔料を含まない透明トナーでもよい。
白用の着色剤の例には、酸化チタン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、チタンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイトなどの無機顔料;ポリスチレン樹脂粒子、尿素ホリマリン樹脂粒子などの有機顔料などが含まれる。また、白用の着色剤の例には、中空構造を有する顔料(例えば、中空シリカなどの無機顔料)などが含まれる。また、光輝用の着色剤の例には、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛などの金属粉末、酸化チタンや黄色酸化鉄を被覆した雲母、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩などの被覆薄片状無機結晶基質、単結晶板状酸化チタン、塩基性炭酸塩、酸オキシ塩化ビスマス、天然グアニン、薄片状ガラス粉、金属蒸着された薄片状ガラス粉などが含まれる。
離型剤は、ワックスでありうる。ワックスは、トナー母体粒子の材料に使用可能な公知の化合物から適宜に選ぶことができ、一種でもそれ以上でもよい。ワックスの例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油などの植物系ワックス;ミツロウなどの動物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素ワックス類、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル、ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、ソルビタンモノステアレート、コレステリルステアレートなどのエステルワックス類などが含まれる。
これらのなかでも、記録媒体(特に樹脂フィルム)とトナー画像との接着を阻害しにくい観点から、炭化水素ワックス類が好ましい。
ワックスの融点は、通常、40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。ワックスの融点が上記範囲内であることは、トナーの低温定着性および耐熱安定性の両方を高める観点から好ましい。
ワックスの含有量は、トナー母体粒子に対して20質量%以下であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、3〜7質量%であることがさらに好ましい。
(トナー母体粒子の製造方法)
トナー母体粒子は、公知の製法によって作製することが可能である。例えば、混錬粉砕法や、乳化凝集法により作製することが可能である。
混練粉砕法は、結着樹脂、着色剤さらに必要に応じて離型剤や添加剤を混合し、混練機により混練処理を行った後、粉砕処理を行う方法である。さらに、必要に応じて分級処理を行うことにより、トナー母体粒子を作製してもよい。
乳化凝集法は、水系媒体中に乳化分散させた樹脂粒子や離型剤を含んだ樹脂粒子と着色剤分散液など、トナー母体粒子を構成する材料の水系分散物を凝集、合一させることによって作製する方法である。
なお、水系媒体とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒の例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンおよびテトラヒドロフランが含まれる。当該有機溶媒は、得られる樹脂を溶解しないアルコール系の有機溶媒であることが好ましい。
水系媒体中に上記材料液を分散する方法には、機械的せん断力による分散方法などの公知の分散方法を採用することが可能である。このような分散方法に用いられる分散装置の例には、高速回転するロータを備えた市販の分散装置「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製、同社の登録商標)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン、および、圧力式のホモジナイザーが含まれる。
材料液は、通常、重合開始剤および有機溶媒を含む。また、材料液は、トナー母体粒子の作製に好適なさらなる成分をさらに含んでもよい。このようなさらなる成分の例には、連鎖移動剤、分散安定剤および界面活性剤が含まれる。
重合開始剤としては、公知の油溶性あるいは水溶性の重合開始剤を使用することができる。油溶性の重合開始剤の例には、アゾ系またはジアゾ系重合開始剤および過酸化物系重合開始剤が含まれる。
アゾ系またはジアゾ系重合開始剤の例には、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルおよびアゾビスイソブチロニトリルが含まれる。
過酸化物系重合開始剤の例には、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパンおよびトリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンが含まれる。
また、水溶性の重合開始剤の例には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、ならびに、過酸化水素、が含まれる。
材料液中の重合開始剤の量は、重合性単量体1質量部に対して、0.005〜0.1質量部であることが好ましく、0.01〜0.05質量部であることがより好ましい。
有機溶媒は、重合性単量体および重合開始剤を溶解するが、重合生成物に対する相溶性が低く、当該重合生成物の相分離を促進し、かつ当該重合性単量体の重合による皮膜の形成を妨げない成分であることが好ましい。当該有機溶媒の例には、炭素数8〜18、特に炭素数12〜18の飽和炭化水素類、芳香族炭化水素類、および、脂肪酸エステル類、が含まれる。特に好ましくは、トルエン、酢酸エチルおよびヘキサデカン、が挙げられる。
連鎖移動剤は、樹脂粒子における分子量調整のために用いられ、その例には、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマーが含まれる。
分散安定剤は、水系媒体中に分散させた重合性単量体を重合したり、水系媒体中に分散させた樹脂粒子等を凝集、融着してトナー母体粒子を作製する際に、トナー母体粒子の材料を水系媒体中に安定して分散させておく観点から好ましい。当該分散安定剤の例には、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等のものがある。また、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物および高級アルコール硫酸ナトリウムが含まれる。なお、上記分散安定剤には、一般には界面活性剤とされている成分であっても使用することが可能である。
界面活性剤は、水系媒体中で重合性単量体を用いて重合を行う場合、当該重合性単量体を含有する上記材料液の油滴を水系媒体中に均一に分散させる観点から好ましい。当該界面活性剤の例には、イオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が含まれる。
イオン性界面活性剤の例には、スルホン酸塩、硫酸エステル塩および脂肪酸塩が含まれる。当該スルホン酸塩の例には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、および、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、が含まれる。
硫酸エステル塩の例には、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、および、オクチル硫酸ナトリウムが含まれる。脂肪酸塩の例には、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、および、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、が含まれる。
ノニオン性界面活性剤の例には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、および、ソルビタンエステル、が含まれる。
このように構成されるトナー母体粒子は、そのままトナー粒子としてもよいが、流動性、帯電性、クリーニング性など向上させる観点から、トナー母体粒子に外添剤を添加してなるトナー粒子としてもよい。
1−2.外添剤
外添剤は、公知の外添剤であってよい。外添剤の例には、無機微粒子、有機微粒子および滑剤が含まれる。外添剤の添加により、トナー粒子の流動性や帯電性、クリーニング性が向上する。外添剤は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子の例には、シリカ、酸化チタン、アルミナおよびチタン酸ストロンチウムの微粒子が含まれる。無機微粒子は、その表面が疎水化処理されていてもよい。
シリカ微粒子の例には、日本アエロジル株式会社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、および、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5、が含まれる。
酸化チタン微粒子の例には、日本アエロジル株式会社製の市販品T−805、T−604、テイカ株式会社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン工業株式会社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、および、出光興産株式会社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC、が含まれる。
アルミナ微粒子の例には、日本アエロジル株式会社製の市販品RFY−C、C−604、および、石原産業株式会社製の市販品TTO−55、が含まれる。
有機微粒子の例には、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子が含まれ、具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体の微粒子が含まれる。
滑剤の例には、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、リシノール酸などの高級脂肪酸の金属塩が含まれる。ステアリン酸の金属塩の例には、ステアリン酸の亜鉛塩、アルミニウム塩、銅塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩が含まれる。オレイン酸の金属塩の例には、オレイン酸の亜鉛塩、マンガン塩、鉄塩、銅塩およびマグネシウム塩が含まれる。パルミチン酸の金属塩の例には、パルミチン酸の亜鉛塩、銅塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩が含まれる。リノール酸の金属塩の例には、リノール酸の亜鉛塩およびカルシウム塩が含まれる。リシノール酸の金属塩の例には、リシノール酸の亜鉛塩およびカルシウム塩が含まれる。
外添剤は、数平均一次粒径が4〜800nmの粒子であることが好ましい。
外添剤の含有量は、トナー母体粒子100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
1−3.トナー粒子の構造・物性
トナー粒子は、単層構造であってもよいし、コア−シェル構造であってもよい。ここで、コア−シェル構造とは、内側に配置されたコア部と、コア部の表面に配置されたシェル部と、を有する構造を意味する。
[メジアン径(D50v)]
トナー粒子の粒径は、非常に微小なドット画像(たとえば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベル)を忠実に再現する観点から、体積基準におけるメジアン径(D50v)で3〜8μmであることが好ましい。
一般に、トナーには、写真画像の色再現を忠実に行えることが要求されるが、上記のような粒径を有するトナー粒子を含むトナーによれば、写真画像を構成するドット画像を微小化しやすく、印刷画像と同等以上の高精細写真画像を得ることができる。特に、オンデマンド印刷と呼ばれる数百部から数千部レベルでプリント注文を受ける印刷分野では、高精細な写真画像の入った高画質プリントを迅速にユーザへ納品することが可能となる。
トナー粒子の体積基準メジアン径(D50v)は、マルチサイザー3(ベックマン コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTON II(ベックマン コールター社製、ISOTONは同社の登録商標)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、「マルチサイザー3」のアパチャー径は50μmのものを使用する。
[変動係数(CV値)]
また、トナー粒子の体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、2〜21%であることが好ましい。このCV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、それだけトナー粒子の大きさが揃っていることを意味する。すなわち、大きさの揃ったトナー粒子が得られることになるので、デジタル画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能となる。また、写真画像をプリントするにあたり、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルあるいはそれ以上の高画質の写真画像を作成することが可能となる。
体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表し、以下の式によって定義される。下記式中、「σv」は体積基準の粒度分布における標準偏差を表し、「D50v」は体積基準の粒度分布におけるメジアン径を表す。CV値は、例えばトナー粒子の分級によって調整することが可能である。
CV値(%)=(σv/D50v)×100
[軟化点]
また、トナー粒子の軟化点(Tsp)は、70〜110℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましい。着色剤は、一般に、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するが、軟化点を上記の範囲とすることで、定着時にトナー粒子に加わる熱の着色剤に対する影響をより低減させることが可能となる。したがって、着色剤に負担をかけずに画像形成が行えるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。また、トナー粒子の軟化点を上記の範囲とすることにより、低い温度でのトナー画像の定着を行うことが可能となり、電力消費の低減を実現した環境に優しい画像形成が可能となる。
トナー粒子の軟化点は、たとえば、以下の方法を単独で、あるいは、組み合わせることにより制御が可能である。
(1)樹脂形成に用いる単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により樹脂の分子量を調節する。
(3)ワックスの種類や添加量を調節する。
また、トナー粒子の軟化点は、例えば、フローテスターCFT−500(株式会社島津製作所製)を用い、トナー粒子を高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×106Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、降下量5mmの時の温度を軟化点とすることにより求めることができる。
1−4.トナー粒子の製造方法
トナー粒子は、トナー母体粒子に、前述の外添剤を添加することによって調製することができる。外添剤の添加方法の例には、タービュラーミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機などの公知の混合装置を使用して添加する方法が含まれる。
得られたトナー粒子は、そのまま一成分現像剤(磁性または非磁性の一成分現像剤)として用いてもよいし、キャリア粒子をさらに含む二成分現像剤として用いてもよい。
2.現像剤
現像剤は、前述のトナー粒子を含む一成分現像剤であってもよいし、前述のトナー粒子と、キャリア粒子とを含む二成分現像剤であってもよい。
二成分現像剤に含まれるキャリア粒子は、二成分現像剤のキャリア粒子として使用可能な公知の粒子を用いることができる。キャリア粒子の例には、磁性粒子、樹脂で表面が被覆された樹脂被覆磁性粒子、および、樹脂粒子中に磁性粒子が分散されている磁性粒子分散型樹脂粒子、が含まれる。
磁性粒子の材料の例には、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金、が含まれる。中でも、磁性粒子は、フェライト粒子であることが好ましい。
キャリア粒子の体積基準粒径は、15〜100μmであることが好ましく、25〜80μmであることがより好ましい。また、キャリア粒子の飽和磁化値は、20〜80emu/g(2.0×10−2〜8.0×10−2A・m2/g)であることが好ましい。このような粒径と飽和磁化値を有するキャリア粒子は、画像形成時に現像スリーブ上に柔らかな磁気ブラシを形成し、鮮鋭性に優れたトナー画像を形成する観点から好ましい。体積平均粒径および飽和磁化値は、それぞれ、公知の測定装置により測定が可能である。具体的には、体積基準粒径は、湿式分散器を備えたレーザー回折式粒度分析装置「HELOS」(シンパテック社製)により、飽和磁化は「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定が可能である。
トナー粒子のキャリア粒子に対する含有量は、2〜10質量%であることが好ましい。
二成分現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子とを公知の方法で混合することにより得られる。また、混合に用いられる混合装置は、限定されず、その例には、ナウターミキサ、WコーンおよびV型混合機が含まれる。
次に、前述のトナーまたは現像剤を用いた画像形成方法について説明する。
3.画像形成方法
本実施の形態の画像形成方法は、電子写真方式の画像形成方法であって、前述のトナーを用いて、記録媒体上にトナー画像を形成する工程を含む。
当該トナー画像を形成する工程は、具体的には、以下の1)〜4)の工程を含みうる。
1)電子写真感光体の表面に、静電潜像を形成する潜像形成工程
2)電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を、前述のトナーを含む現像剤で現像して、トナー画像を形成する現像工程
3)電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を、記録媒体の表面に転写する転写工程
4)記録媒体の表面に担持されているトナー画像を熱定着させる定着工程
(記録媒体)
記録媒体は、トナー画像を保持するための部材である。記録媒体には、公知の媒体を用いることができ、その例には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、コート紙などの塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用または包装材用のフィルム、および布が含まれる。中でも、ラベル印刷などに適していることなどから、フィルムが好ましく、樹脂フィルムがより好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ONY)、無延伸ナイロン(CNY)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、およびPLA(ポリ乳酸)が含まれる。
本実施の形態に係る画像形成方法では、前述のトナーを用いることから、トナー画像は柔軟性が良好であり、かつ軟包装材などの変形しやすい記録媒体に対する接着性も良好である。そのため、本実施の形態に係る画像形成方法で用いられる記録媒体は、変形しやすい樹脂フィルムであることがより好ましく、前述のトナーに含まれるフェノール樹脂との親和性が高く、高い接着性が得られやすい観点から、芳香環を含む樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS))を主成分とするフィルムであることがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とするフィルムであることが特に好ましい。なお、「主成分とする」とは、フィルムの全質量に対する含有量が60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であることをいう。
記録媒体は、所定の大きさを有するシートの形態であってもよいが、トナー画像が定着された後にロール状に巻き取られる形態であることが好ましい。画像形成後の巻き取りは、包装加工の効率的な大量生産を実施するのに好適であり、画像形成後の記録媒体(フィルム)をロール形態での保管し、次工程以降の包装加工に用いることが可能となる。記録媒体は、表面処理を施されているものでも、表面処理を施されていないものでも、どちらでも良い。表面処理方法としては、コロナ処理、プラズマ処理などが挙げられる。コスト的な面からは、表面処理はない方が好ましく、画像の接着性の面では、表面処理が施されている方が好ましい。
記録媒体の厚みは、厚すぎると軟包装材として加工適性が不十分となることがあり、薄すぎると破断リスクが高まるために、軟包装材としての加工適性が不十分となることがある。軟包装材としての十分な加工適性を発現させる観点から、記録媒体の厚みは、20〜70μmであることが好ましく、30〜55μmであることがより好ましい。
画像形成方法は、公知の画像形成装置を用いて行うことができる。以下、図を用いてさらに説明する。
(画像形成装置)
図1は、本実施の形態で用いられる画像形成装置100の構成例を模式的に示す図である。
画像形成装置100は、いわゆるタンデム型カラー画像形成装置であり、図1に示されるように、原稿画像を読み取るための原稿画像読取装置SCと、トナー画像を形成するための四つの画像形成部と、画像形成部で形成されたトナー画像を記録媒体Pに転写するための転写装置と、記録媒体Pを搬送するための給紙搬送装置と、記録媒体Pが担持する未定着のトナー画像を記録媒体Pに定着させるための定着手段としての熱ロール式の定着装置50とを有する。
原稿画像読取装置SCは、原稿の画像情報を読み取り、YMCKの各色の画像データに変換し、対応する色の画像データを、後述する露光装置3に送る。
四つの画像形成部は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の四色の画像を形成するための装置であり、例えば、図1の上からYMCKの順で配置されている。それぞれの画像形成部は、感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、およびクリーニング装置6を有する。
感光体1は、例えばドラム状の有機感光体であり、帯電装置2は、例えばコロナ放電による非接触の帯電装置である。露光装置3は、例えばレーザー発振装置であり、現像装置4は、YMCKのいずれかの色の二成分現像剤を収容する二成分現像剤用の現像装置である。一次転写ローラ5は、例えば、中間転写ベルト7を介して感光体1に向けて自在に付勢される帯電ローラであり、クリーニング装置6は、例えば、感光体1の表面に当接するゴム製の弾性ブレードを有するブレードクリーニング装置である。上記二成分現像剤は、本実施の形態のトナーである。
転写装置は、無端状の中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7を張設する複数のローラ8と、二次転写ローラ9と、クリーニング装置10とを有する。ローラ8は、一つ以上の駆動ローラを含み、駆動ローラ以外の従動ローラを含んでいてもよい。二次転写ローラ9は、例えば、搬送されてくる記録媒体Pを介して中間転写ベルト7との間にニップ部を形成可能なる帯電ローラであり、クリーニング装置10は、例えば、中間転写ベルト7の表面に当接する弾性ブレードを有するブレードクリーニング装置である。
給紙搬送装置は、記録媒体Pを収容する給紙カセット11と、給紙カセット11から記録媒体Pを取り出すための給紙ローラ12と、記録媒体Pを二次転写ローラ9のニップ部まで搬送するための搬送ローラ13と、搬送されている記録媒体Pの位置を制御するためのレジストローラ14と、定着装置50から排出された記録媒体Pを機外へ排出するための排出ローラ15と、機外に排出された記録媒体Pを収容するための排紙トレイ16とを有する。記録媒体Pは、例えば、OHP用シートのような樹脂製のシートである。
このように構成された画像形成装置100において、画像形成部では、回転駆動する感光体1の表面が帯電装置2からの電圧の印加によって帯電する。帯電した感光体1の表面に、露光装置3がYMCKの対応する色の画像データに応じたレーザー光を照射して静電潜像を形成する。静電潜像が形成された感光体1の表面には、現像装置4からトナー粒子が供給され、当該トナー粒子が静電潜像の部分に付着して静電潜像が現像される。
それぞれの画像形成部において形成された、感光体1の表面に担持されているYMCKのそれぞれの色のトナー画像は、一次転写ローラ5からの電圧の印加により、回動する中間転写ベルト7上に逐次重なるように転写されて、合成されたカラートナー画像が中間転写ベルト7上に形成される。一次転写ローラ5は、一次転写時のみに感光体1に当接してもよく、例えば、黒色画像用の画像形成部における一次転写ローラ5は、常時、感光体1に当接しており、他の色用の一次転写ローラ5は、一次転写時のみに感光体1に当接する。
一次転写後の感光体1の表面における転写残トナーなどの付着物は、クリーニング装置6によって当該表面から除去される。
給紙カセット11内に収容された記録媒体P(例えば普通紙)は、給紙ローラ12により給紙カセット11から取り出され、搬送ローラ13、レジストローラ14を経て二次転写ローラ9に搬送される。中間転写ベルト7上のカラートナー画像は、二次転写ローラ9からの電圧の印加により、記録媒体P上に転写される。二次転写ローラ9は、例えば、二次転写時のみ中間転写ベルト7に向けて付勢される。
二次転写後の中間転写ベルト7の表面における転写残トナーなどの付着物は、クリーニング装置10によって当該表面から除去される。
記録媒体P上のカラートナー画像は、定着装置50の加熱加圧により記録媒体Pの表面に定着される。こうして、定着したカラートナー画像が記録媒体Pに形成される。カラートナー画像が形成された記録媒体Pは、排出ローラ15を経て排紙トレイ16上に搬送される。上記の工程の繰り返しにより、記録媒体P上に定着したトナー画像が次々と形成される。
図2は、ロール状に収容される記録媒体Pを用いた画像形成方法を実施するための画像形成装置の構成例を模式的に示す図である。
画像形成装置200は、ロール状の記録媒体Pを収容する収容部201と、記録媒体Pの連続するシートを上記給紙搬送装置の上流部に搬送するための搬送ユニット202と、定着トナー画像が形成された記録媒体Pを後送するための搬送ユニット203と、搬送ユニット203から搬送される記録媒体Pをロール状に収納するための収納部204とをさらに有する以外は、画像形成装置100と実質的に同じ構成を有する。記録媒体Pは、例えば、軟包装材に用いられるPET製の一連のシートである。
このように構成された画像形成装置200では、搬送ユニット202を介して収容部201から記録媒体Pが連続して二次転写ローラ9に向けて搬送され、定着装置50でトナー画像が定着された記録媒体Pが搬送ユニット203を介して収納部204でロール状に収納される以外は、画像形成装置100によるトナー画像の形成と同様にトナー画像が記録媒体Pに形成される。
画像形成装置200によるトナー画像の形成においても、トナー画像は、記録媒体Pに対して十分な柔軟性と接着性とを有している。よって、トナー画像の定着後に記録媒体Pがロール状に収納されても、トナー画像の割れおよび剥がれが抑制される。また、後の加工時において、トナー画像が形成された記録媒体Pがロールから送り出されるときにおいても、トナー画像の剥がれが抑制される。
前述の通り、過激な変形を余儀なくされる軟包装材上においても、画像の劣化が起こらないようにするためには、印刷物に変形が加わっても、トナー画像が、記録媒体の変形に対して十分に追随することが好ましく、そのためには、トナー画像の良好な柔軟性と、記録媒体への良好な接着性を有することが必要とされる。
本実施の形態では、トナーを構成するトナー粒子が、結着樹脂としてフェノール樹脂を含む。それにより、得られるトナー画像は、良好な柔軟性と記録媒体に対する良好な接着性とを有するため、記録媒体に依らずに、例えば軟包装材などに対しても高い接着性を有しうる。その結果、印刷物に変形が加わっても、トナー画像が、変形する記録媒体に対して十分に追随することができるため、例えば印刷物が軟包装材として使用されても、トナー画像の剥がれなどに起因する画像の劣化を抑制することができる。
1.非晶性樹脂の調製
<非晶性樹脂1の作製>
純水1150質量部に0.1モル/LのNa3PO4水溶液390質量部を投入し、クレアミックス(エムテクニック社製)で10,000rpmで撹拌処理した。これに1.0モル/LのCaCl2水溶液58質量部を徐々に添加して、Ca3(PO4)2を含む分散液を調製した。
次に、下記化合物を混合、溶解させて、重合性単量体組成物を調製した。
スチレン:80質量部
n−ブチルアクリレート:20質量部
過酸化ベンゾイル:2質量部
そして、上記重合性単量体組成物を、クレアミックスで6,000rpmにさらに撹拌させた前記分散液中に添加し、さらに20分間撹拌処理して、重合性単量体組成物の液滴が分散してなる重合性単量体組成物分散液を調製した。
得られた重合性単量体組成物分散液を、撹拌装置、温度センサ、冷却管および窒素導入管を備えた反応容器に投入し、窒素気流下で撹拌しながら反応容器内の温度60℃にして5時間の重合処理を行った。さらに、反応容器内の温度を80℃に昇温させて、5時間の重合処理を行った後、反応容器を室温まで冷却した。生成した樹脂に、塩酸を添加して、Ca3(PO4)2を溶解させた後、水洗、ろ過、乾燥処理を経て、非晶性樹脂1(スチレンアクリル樹脂)を作製した。
得られた非晶性樹脂1の数平均分子量(Mn)は24,000、重量平均分子量(Mw)は32,000、ガラス転移温度は59℃であった。
<非晶性樹脂2の作製>
下記成分を、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:245.0質量部
テレフタル酸:67質量部
フマル酸:48質量部
1.4−シクロへキサンジオール(CHDO):40質量部
得られた溶液に、エステル化触媒としてTi(OBu)4を0.4質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。得られた反応液を200℃まで冷却した後、減圧下(20kPa)にて、反応により生成する樹脂の軟化点が所望の軟化点に達するまで反応を行った。次いで、脱溶剤を行い、非晶性樹脂2(非晶性ポリエステル樹脂)を得た。
得られた非晶性樹脂2の重量平均分子量(Mw)は19000であり、ガラス転移温度Tgは61℃であった。
<非晶性樹脂3の作製>
リンゴ酸0.4質量部と、二酸化ゲルマニウム1質量部とを、100質量部の88質量%乳酸水溶液に溶解させて、水溶液を得た。得られた水溶液5.4質量部を、コハク酸100質量部と1,4−ブタンジオール89質量部とに添加した。反応系内を窒素雰囲気にした後、220℃で1時間反応させ、次いで230℃まで昇温を行いながら1.5時間かけて70Paまで減圧した。その後、さらに2時間反応させて重合を進行させ、軟化点125℃の非晶性樹脂3(ポリブチレンサクシネート樹脂、PBS)を得た。
得られた非晶性樹脂3の重量平均分子量(Mw)は160,000であり、ガラス転移温度は、65℃であった。
2.トナー粒子の調製
2−1.トナー母体粒子の調製
<トナー母体粒子1の調製>
下記成分を、下記の組成比で混合した。
非晶性樹脂1(非晶性樹脂):980質量部
ノボラック樹脂1364A(DIC株式会社製、融点80〜90℃)(フェノール樹脂):20質量部
KET Blue(DIC株式会社製、銅フタロシアニン着色剤)(着色剤):50質量部
ボントロン E−84(オリエント化学(株)製、サリチル酸亜鉛錯体)(荷電制御剤):10質量部
炭化水素ワックス(HNP−51、融点77℃、日本精蝋(株)製)(離型剤):55質量部
得られた混合物を、結着樹脂の添加量(非晶性樹脂とフェノール樹脂の合計量)が1000質量部となるように計量し、容量9リットルのヘンシェルミキサ(三井鉱山(株)製)に投入し、撹拌羽根の回転数を2000rpmに設定して5分間、混合処理した。
得られた混合物を、押出混錬機PCM−30(池貝化工機(株)製)にて130℃で溶融混錬処理し、冷却後、メッシュ目開きが2mmのフェザーミル(ホソカワミクロン(株)製)で粗粉砕処理した。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機クリプトロンKTM−0型(川崎重工業(株)製)で平均粒径7μmになるまで微粉砕処理した後、気流式分級機IDS−2型(日本ニューマチック(株)製)で粗粉成分を除去した。さらに、機械式分級機50ATP(ホソカワミクロン(株)製)で微粉成分を除去した。このようにして、メジアン径D50v:6.8μmのトナー母体粒子1を得た。
<トナー母体粒子2〜7および17の作製>
トナー母体粒子1の調製において、表1に示されるように非晶性樹脂およびフェノール樹脂の配合量を変更し、トナー母体粒子2〜7および17を調製した。
得られたトナー母体粒子1〜7および17の樹脂組成を、表1に示す。
Figure 2019203964
<トナー母体粒子8〜10および18の調製>
トナー母体粒子2〜4および17の調製において、それぞれ非晶性樹脂1を非晶性樹脂2に変更して、トナー母体粒子8〜10および18を調製した。
<トナー母体粒子11〜13の調製>
トナー母体粒子2〜4の調製において、それぞれ炭化水素ワックス(HNP−51、日本精蝋(株)製、融点77℃)をエステルワックス(WEP−3、日油(株)製)に変更してトナー母体粒子11〜13を調製した。
<トナー母体粒子14および15の調製>
トナー母体粒子3および9の調製において、それぞれノボラック樹脂1364A(DIC株式会社製)をレゾール樹脂AH−5600(DIC株式会社製、アルキルフェノール型、融点85〜95℃)に変更して、トナー母体粒子14および15を調製した。
<トナー母体粒子16の調製>
トナー母体粒子3の調製において、非晶性樹脂1を非晶性樹脂3に変更して、トナー母体粒子16を調製した。
<トナー母体粒子19の調整>
トナー母体粒子17の調製において、炭化水素ワックス(HNP−51、日本精蝋(株)製、融点77℃)をエステルワックス(WEP−3、日油(株)製)に変更してトナー母体粒子19を調製した。
2−2.トナー粒子の調製
<トナー粒子1調製>
100質量部のトナー母体粒子1に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.6質量部、および疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)により、回転翼周速35mm/秒、32℃で20分間混合した後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去した。このように外添剤処理を施し、トナー粒子1(メジアン径D50v:6.8μm、軟化点:115℃)を調製した。
<トナー粒子2〜19の調製>
トナー母体粒子1に代えて、トナー母体粒子2〜19をそれぞれ用いた以外はトナー母体粒子1の作製と同様にして、トナー粒子2〜19のそれぞれを調製した。
得られたトナー粒子1〜19の組成を、表2に示す。
Figure 2019203964
2−3.現像剤の調製
<現像剤1〜19の調製>
上記調製したトナー粒子1〜19のそれぞれと、フェライト粒子をアクリル樹脂で被覆した平均粒径35μmのキャリア粒子とを混合処理して、トナー粒子の濃度が8質量%の二成分現像剤である現像剤1〜19をそれぞれ調製した。
3.画像形成と評価
[実施例1]
図2に示すような画像形成装置200として、カラー複写機bizhub PRESS C71cf(コニカミノルタ株式会社製)により、上記調製した現像剤1を用いて、記録媒体上に、トナー付着量が8g/m2のベタ画像を形成した。なお、定着温度、トナー付着量、システム速度を自由に設定できるように改造し、定着温度185℃、システム速度270mm/secにて、画像形成を行った。この画像形成装置では、記録媒体がロール状に巻かれた状態から画像形成装置内を搬送され、トナー画像が形成された後に再びロール状に巻かれる。このように、ロール状に巻かれて設置され、印刷後には再びロール状に巻かれて格納される記録媒体に画像を形成した。
記録媒体には、厚さ40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(透明、PET)を用いた。
[実施例2〜16、比較例1、2および5]
現像剤の種類を表3に示されるように変更した以外は実施例1と同様に、記録媒体に画像を形成した。
[実施例17〜21、比較例3、4および6]
記録媒体の種類および現像剤の種類を表3に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして記録媒体上に画像を形成した。なお、表3において、PP:ポリプロピレンフィルム(厚み40μm)、PET(コロナ処理):実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み40μm)の表面にコロナ処理を施したもの、である。
実施例1〜21および比較例1〜6で得られた画像の曲げに対する画像耐性を、以下の方法で評価した。
[曲げに対する画像耐性]
現像剤の定着画像を有する上記フィルム(F)の画像部を、図3に示すように、5mm径の円柱40の外周面に沿って90°まで曲げ、その後まっすぐに(180°まで)に伸ばす上記画像部の屈伸運動を1秒間に2往復の速度で500回、750回、1000回、1250回および1500回繰り返し、それぞれの回数の屈伸運動を行った上記画像部の画像を、「JKワイパー」(日本製紙クレシア株式会社製)を用いて、5.0kPaの荷重をかけて5cm擦り、当該画像部における画像の剥がれの有無を確認し、以下の基準により評価した。
1は、実用上問題があるレベルであり、2以上は実用上問題ないレベルである。
1:500回時点で画像の剥がれが発生
2:500回時点では画像の剥がれはないが、750回時点で画像の剥がれが発生
3:750回時点では画像の剥がれはないが、1000回時点で画像の剥がれが発生
4:1000回時点では画像の剥がれはないが、1250回時点で画像の剥がれが発生
5:1250回時点では画像の剥がれはないが、1500回時点で画像の剥がれが発生
6:1500回時点でも画像の剥がれがない
実施例1〜21および比較例1〜6の評価結果を、表3に示す。
Figure 2019203964
表3に示されるように、現像剤1〜16を用いた実施例1〜21では、形成された画像の曲げ耐久性が少なくとも500回以上といずれも高いことがわかる。
これに対し、現像剤17または18を用いた比較例1〜4や現像剤19を用いた比較例5および6では、形成された画像の曲げ耐久性が500回に満たず、不十分であることがわかる。
本発明によれば、電子写真方式のフルカラー画像において、柔軟性に富む樹脂製の記録媒体に、曲げ耐久性に優れるトナー画像を形成することができる。よって、本発明によれば、電子写真方式における画像形成のさらなる普及が期待される。
1 感光体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写ローラ
6、10 クリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 ローラ
9 二次転写ローラ
11 給紙カセット
12 給紙ローラ
13 搬送ローラ
14 レジストローラ
15 排出ローラ
16 排紙トレイ
40 円柱
50 定着装置
100、200 画像形成装置
201 収容部
202、203 搬送ユニット
204 収納部
F フィルム
P 記録媒体
SC 原稿画像読取装置

Claims (8)

  1. 静電荷像現像用トナーを用いて、記録媒体に定着されたトナー像を形成する工程を含む電子写真方式の画像形成方法であって、
    前記記録媒体は、厚み70μm以下のフィルムであり、
    前記トナーは、結着樹脂としてフェノール樹脂を含むトナー粒子を含む、
    画像形成方法。
  2. 前記フェノール樹脂の含有量は、前記結着樹脂の合計100質量部に対して5〜30質量部である、
    請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナー粒子に含まれる前記結着樹脂は、ビニル樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種以上の非晶性樹脂を含む、
    請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記トナー粒子は、離型剤として炭化水素系ワックスを含む、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記記録媒体は、前記トナー像が形成された後にロール状に巻き取られる、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記フィルムは、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするフィルムである、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記フィルムの厚みは、20〜70μmである、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. トナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、
    前記トナー粒子は、ビニル樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種以上の非晶性樹脂と、フェノール樹脂とを含み、
    前記フェノール樹脂の含有量が、前記非晶性樹脂と前記フェノール樹脂の合計に対して5〜30質量部であり、かつ
    前記非晶性樹脂と前記フェノール樹脂の合計が、前記トナー粒子に対して70質量%以上である、
    静電荷像現像用トナー。
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