JP2019202635A - 乗物用照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の出射範囲を複数の範囲に分けてシーンに合わせた種々の視覚効果を付与可能でありながら一体感のある照明装置を提供する。【解決手段】(A)それぞれが独立して点灯・消灯を切り替え可能な複数の発光部30,32と、(B)それら発光部30,32を収容し、(a)乗物室に向かって光を出射する光出射部42と(b)光出射部42に対向する箇所に設けられて光を反射する光反射部44とを有する発光部収容体40と、を備えさせ、光反射部44を、複数の谷部44b,44cと山部44aとを有して光出射部42に向かって膨らんだ山谷形状とするとともに、自身の光出射部42側の頂を結ぶ稜線Lが、光出射部42に当接するあるいは光出射部42の近傍に位置する構成とし、複数の発光部30,32を複数の谷部44b,44cにそれぞれ配する。【選択図】図3
Description
本発明は、乗物用照明装置に関する。
下記特許文献1には、車両の内装材に設けられた乗物用照明装置が記載されている。その乗物用照明装置は、半透明レンズの背後に複数の表示層を設けた積層型透明照明装置である。詳しく言えば、下記特許文献1に記載の乗物用照明装置は、ハウジングと、そのハウジング内に収容されてそれぞれが表示を有する透明光学素子からなる複数の層と、それら複数の層の各々に連結された複数の光源と、を備え、複数の層の各々を選択的に点灯させることで、それら複数の層の各々に形成された表示を組み合わせて、種々の視覚効果を創出することが可能なものとなっている。
上記特許文献1に記載の乗物用照明装置は、平たく言えば、それぞれが光源と透明光学素子とからなる複数の照明装置を平面的に重ねて利用することで、種々の視覚効果を付与することが可能なものであった。一方で、ある範囲を部分的に点灯・消灯させることで種々の視覚効果を付与したいとの要望もあり、複数の照明装置を利用し、ある平面状に複数の照明装置の各々の出射範囲を定めれば、その要望に容易に応えられる。しかしながら、単に、複数の照明装置を乗物用内装材に設けただけでは、乗物用内装材の意匠面としては、比較的煩雑なものとなってしまう虞がある。
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、光の出射範囲を複数の範囲に分けてシーンに合わせた種々の視覚効果を付与可能でありながら一体感のある照明装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の乗物用照明装置は、
乗物用内装材に設けられた乗物用照明装置であって、
それぞれが独立して点灯・消灯を切り替え可能な複数の発光部と、
複数の前記発光部を収容し、乗物室に向かって光を出射する光出射部と、前記光出射部に対向する箇所に設けられて光を反射する光反射部とを有する発光部収容体と、
を備え、
前記光反射部が、複数の谷部と山部とを有して前記光出射部に向かって膨らんだ山谷形状とされるとともに、自身の前記光出射部側の頂を結ぶ稜線が、前記光出射部に当接する、あるいは、前記光出射部の近傍に位置する構成とされ、
複数の前記発光部が、複数の前記谷部にそれぞれ配されたことを特徴とする。
乗物用内装材に設けられた乗物用照明装置であって、
それぞれが独立して点灯・消灯を切り替え可能な複数の発光部と、
複数の前記発光部を収容し、乗物室に向かって光を出射する光出射部と、前記光出射部に対向する箇所に設けられて光を反射する光反射部とを有する発光部収容体と、
を備え、
前記光反射部が、複数の谷部と山部とを有して前記光出射部に向かって膨らんだ山谷形状とされるとともに、自身の前記光出射部側の頂を結ぶ稜線が、前記光出射部に当接する、あるいは、前記光出射部の近傍に位置する構成とされ、
複数の前記発光部が、複数の前記谷部にそれぞれ配されたことを特徴とする。
このように構成された乗物用照明装置は、発光部収容体の内部が光反射部の山谷形状によって複数の範囲に分けられており、それら複数の範囲ごとに対応する発光部の点灯・消灯を切り替えることで、種々の視覚効果を得ることができる。なお、この構成の乗物用照明装置は、乗物室外側に位置する光反射部が山谷形状とされることで、発光部収容体の内部が仕切られているため、発光部ごとの光の出射範囲の境界の存在感が弱くされている。さらに言えば、この構成の乗物用照明装置は、発光部収容体の内部を光反射部に壁等を立設するようにして仕切った場合に比較して、光の出射範囲の境界の存在感をより一層弱くすること、換言すれば、光の出射範囲の境界の存在感をほぼなくすことが可能であり、光出射部を複数の出射範囲に分け、各範囲の点灯・消灯を切り替えることで、シーンに合わせた視覚効果を付与することができるにも拘らず、照明装置としては一体感のあるものとなっている。
この構成の乗物用照明装置において、複数の発光部は2つ以上あればよい。また、稜線の形状は、直線、曲線、それらの複合など、乗物用内装材に合わせて、自由に設定することが可能である。さらに、発光部は、その形状、材質、色等は特に限定されず、種々のものを採用可能であり、複数の発光部の各々を、互いに異なるものとしてもよい。
上記構成において、前記光反射部の前記稜線が、前記光出射部に当接する構成とすることができる。あるいは、上記構成において、前記光反射部の前記稜線が、前記光出射部に当接せずに前記光出射部の近傍に位置する構成とすることもできる。
前者のように構成された乗物用照明装置によれば、光の出射範囲を明確に分割することができる。一方、後者のように構成された乗物用照明装置においては、稜線と光出射部との隙間から、隣接する出射範囲側に僅かに光を漏れさせることができるため、光の出射範囲の境界付近をぼやかしたように点灯させることができる。
上記構成において、前記光出射部は、前記光反射部側の面に、凹凸を有するとともに、光を透過ないし反射するハーフミラー層が形成されたものであるとすることができる。
このように構成された乗物用照明装置は、凹凸形状およびハーフミラー層が形成された光出射部と、光反射部とが、合わせ鏡のように機能し、立体的で奥行き感のある視覚的効果を生じさせることができる。
上記構成において、前記光反射部は、前記稜線が直線的に延びるものとされ、前記稜線から両側に傾斜して延びる2つの傾斜面を有するとともに、前記2つの傾斜面の各々の前記稜線と反対側の端辺側に前記稜線と平行に延びる2本の前記谷部を有しており、当該乗物用照明装置が、前記発光部を2つ備え、それら2つの前記発光部が2本の前記谷部にそれぞれ配された構成とすることができる。
このように構成された乗物用照明装置は、光出射部の点灯範囲が2分割されたものである。この構成の乗物用照明装置は、例えば、左右方向、上下方向、斜め方向に分割した構成とすることができる。
前記稜線が直線的に延びる態様において、2つの前記発光部の各々が、光源と、前記谷部に沿って延びる長手状をなし、長手方向における一端から前記光源の光が入射され、その入射された前記光源からの光を導光しつつ発光する導光体と、を備えた構成とすることができる。
この構成の乗物用照明装置は、発光部の構成が特定されており、例えば、光源をハウジング外に設け、導光体をハウジング外から内部に挿入して延設する構成とすることができる。そのような構成とすれば、ハウジング内にムラなく光を入れることができる。
また、上述した稜線が直線的に延びる態様において、前記乗物用内装材が、車両のサイドドアの車室内面を構成するドアトリムであり、前記稜線が、車両前後方向に延びるものとされ、2つの前記発光部の各々が、前記稜線の上方側と下方側とにそれぞれ配された構成とすることができる。
このように構成された乗物用照明装置は、第1発光部と第2発光部との点灯・消灯を変更することで、車両の走行状態や乗員の乗降時等、シーンに合わせた種々の視覚効果を付与することができる。また、運転者や乗員に対して側方から効果的に視覚的な刺激を付与することができるため、例えば、緊急時等の注意喚起等に用いることも可能である。
上述した乗物用内装材がドアトリムとされた態様において、前記光出射部が、乗物室内側かつ下方側に向く第1光出射面と、乗物室内側かつ上方側に向く第2光出射面とを有するものとすることができる。
このように構成された乗物用照明装置において、第2光出射面から出射される光は、上方側に向かって出射されるため、乗員の視界に入り易い。したがって、この構成の乗物用照明装置は、例えば、緊急時等の注意喚起等に、第2光出射面に対応する発光部を消灯させた状態から点灯させた状態とすることで、乗員に対して視覚的刺激を効果的に付与することができる。また、第1光出射面から出射される光は、下方側に向かって出射されるため、車両への乗降時に足元を照らすように構成することができる。
上記構成において、前記光出射部は、乗物室内側の面である光出射面が平面状に形成されたものとすることができる。
このように構成された乗物用照明装置は、乗物室内からは平面状に見えるにも拘らず、各発光部に対応する光の出射範囲が分けられており、それら発光部の境界の存在感を、より一層なくし、より一体感のある照明装置となる。
本発明によれば、光の出射範囲を複数の範囲に分けてシーンに合わせた種々の視覚効果を付与可能でありながら一体感のある照明装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
本発明の第1実施例の乗物用照明装置10を搭載した車両を、図1に、車室内からの視点において示している。本乗物用照明装置10は、サイドドア12の車室内面を構成する乗物用内装材としてのドアトリム14に設けられている。サイドドア12は、運転席側(車幅方向右側)と助手席側(車幅方向左側)とにそれぞれ設けられ、車両前方側の概して上下方向に延びる回動軸を中心として回動することで、開閉可能な構成とされている。サイドドア12の上部には、ウインドウ16が設けられている。本乗物用照明装置10は、運転席側のサイドドア12と助手席側のサイドドア12との両者に設けられている。それら2つの乗物用照明装置10は、同様の構成であるため、以下の説明においては、運転席側のサイドドア12を代表して説明することとする。
ドアトリム14は、図1に示すように、ウインドウ16の下方に配されており、概して矩形状の本体部14aと、その本体部14aの上方において車両前後方向に延びて前端部が車両前方側かつ車室内側に向かって延び出した延出部14bとを、含んで構成されている。その延出部14bは、車両前方に向かうにつれて湾曲した形状をなし、その湾曲した部分が車室内側に向かって延び出している。そして、その延出部14bは、図1に示すように、フロントピラー18の基部付近まで延び出して、先端部が、インストゥルメントパネル20と重なるように配されている。
延出部14bには、本乗物用照明装置10および表示装置22(詳しく言えば、その一部)が設けられている。次に、図2〜図5を参照しつつ、それら乗物用照明装置10および表示装置22について説明する。なお、各図において、車両前方および車両後方をFRおよびRRの矢印でそれぞれ示し、車両上方および車両下方をUPおよびDWの矢印でそれぞれ示し、車室内側(乗物室内側)および車室外側(乗物室外側)をINおよびOUTの矢印でそれぞれ示す。
まず、表示装置22は、簡単に説明するが、いわゆるリアプロジェクションタイプの表示装置である。表示装置22は、延出部14bに設けられた透過型スクリーン24と、映像光をその透過型スクリーン24に向けて投射する投射ユニット(図示省略)と、を含んで構成される。表示装置22は、例えば、図2に示すように、車両の後方側の視界を表示することで、電子サイドミラーとして用いることや、図5に示すように、予め記憶された映像データをもとに、注意喚起表示やイルミネーション表示等を表示することが可能とされている。
次に、本発明の乗物用照明装置10について詳しく説明する。本乗物用照明装置10は、図2に示すように、独立して点灯・消灯可能な2つの発光部である第1発光部30および第2発光部32を備えている。それら第1発光部30および第2発光部32は、同じ構成のものであり、光源30a,32aと、導光棒(導光体)30b,32bとを含んで構成される。
2つの発光部30,32は、それぞれ点灯状態を制御可能なものとなっている。具体的には、光源30a,32aが、例えば、照度や光色等を一定範囲で変更可能なLEDを主体として構成されており、点灯・消灯を切り替え可能とされるとともに、点灯時においては、相対的に明るい高照度から暗い低照度の範囲で段階的に照度を変更可能とされている。また、光源30a,32aは、それぞれ発光色が赤、緑および青のLED素子を有し、各発光色の混合比により光色を変更することも可能とされている。
導光棒30b,32bは、長手状の導光材料によって構成されている。導光材料とは、ほぼ透明で光を透過させる合成樹脂材料であり、本実施例では、アクリル樹脂である。導光棒30b,32bは、長手方向における一端が光源30a,32aと対向した状態で配され、その一端から光源30a,32aの光が入射される。そして、導光棒30b,32bは、入射された光が、内部で全反射を繰り返して導光されつつ、導光される光の一部が外周面から出射されるように構成されている。ちなみに、発光部は、上記導光棒30b,32bのような導光体を有するものに限定されず、光源もLEDに限定されず、種々のタイプのものを採用可能である。
本乗物用照明装置10は、第1発光部30の導光棒30bと第2発光部32の導光棒32bとを内部に収容する発光部収容体としてのハウジング40を備えている。ハウジング40は、図2に示すように、平面視で長方形状のものであり、ドアトリム14を構成するボード部材に固定されて、ハウジング40の一面が、延出部14bの車室内面の一部を形成している。ハウジング40は、図3に示すように、自身の車室内側の部分を構成し延出部14bの車室内面を形成する第1ハウジング部材42と、その第1ハウジング部材42に対向して配され自身の車室外側の部分を構成する第2ハウジング部材44とからなる。そして、上述した第1発光部30の導光棒30bが、ハウジング40の下端側に沿って配されるとともに、第2発光部32の導光棒32bが、ハウジング40の上端部に沿って配されている。
第1ハウジング部材42は、透光性の高い合成樹脂(例えば、アクリル、PET、ポリカーボネイト)からなり、第1発光部30と第2発光部32との光を車室内に向かって透過可能なものである。つまり、第1ハウジング部材42は、光出射部として機能するものとなっている。ちなみに、本実施例においては、第1ハウジング部材42は、ポリカーボネイトからなる。なお、この第1ハウジング部材42は、表示装置22の透過型スクリーン24と一体的に成形されてもよい。一方、第2ハウジング部材44は、車室内側の、第1ハウジング部材42と対向する面に、光を鏡面反射する反射層46が形成さており、光を第1ハウジング部材42に向かって反射する光反射部として機能するものとなっている。その反射層46は、アルミニウム等の金属膜からなり、例えば、基材の表面に蒸着によって成膜されている。以下の説明において、第1ハウジング部材42を、レンズ部材42と呼び、第2ハウジング部材44を、反射部材44と呼ぶこととする。
反射部材44は、図3に示すように、底面の形状が、車両前後方向における断面がくの字形状のものとされ、レンズ部材42に向かって膨らんだ山谷形状とされている。詳しく言えば、反射部材44は、上下方向における中央に山部44aを有するものとなっており、上下方向における中央に前後方向にその山部44aの頂を結ぶ線が延びている、つまり、上下方向における中央に前後方向に延びる稜線Lが形成されている。
また、反射部材44は、その稜線Lの下方側および上方側に稜線Lと平行に延びる2本の谷部44b,44cを有するものとなっている。換言すれば、反射部材44は、稜線Lから、車室外側かつ下方側、および、車室外側かつ上方側に向かって傾斜する傾斜面44d,44eを有し、その傾斜面44d,44eの稜線Lとは反対側の端辺側に2本の谷部44b,44cを有していると考えることもできる。そして、前述した第1発光部30の導光棒30bが、下方側の谷部44bに沿って配されるとともに、第2発光部32の導光棒32bが、上方側の谷部44cに沿って配されているのである。
図3に示すように、反射部材44の稜線Lは、レンズ部材42の内面(車室外側面)42bに当接している。つまり、ハウジング40の内部は、反射部材44が山谷形状とされていることによって、上下に仕切られている。つまり、ハウジング40の内部には、2つの空間である下側空間SDWと上側空間SUPとが形成されている。そして、下側空間SDWが、第1発光部30によって点灯・消灯させられ、上側空間SUPが、第2発光部32によって点灯・消灯させられるように構成されている。つまり、それら下側空間SDWと上側空間SUPとは、独立して点灯・消灯させられる構成とされているのである。換言すれば、レンズ部材42は、車室内側の面である光出射面42aが平面形状とされているが、第1発光部30の光が、光出射面42aの下側半分である第1光出射面42a1からのみ出射し、第2発光部32の光が、光出射面42aの上側半分である第2光出射面42a2からのみ出射するように構成されているのである。
レンズ部材42は、図3に示すように、車室内側の面である光出射面42aが平面形状であるのに対して、車室外側の面(反射部材44側の面)42bが凹凸形状とされている。簡単に説明するが、その車室外側面42bは、底面が菱形の四角錘形状の凹所がほぼ隙間なく形成されたような凹凸形状(いわゆる、ダイヤカット)とされている。ちなみに、レンズ部材42の車室外側面42bは、稜線Lに沿う箇所のみ凹所が形成されておらず、上下方向における中央に稜線Lを当接させる被当接部42b1が形成されている。また、その凹凸形状とされた車室外側面42bには、光を透過ないし反射するハーフミラー層50が形成されている。なお、本乗物用照明装置10においては、ハーフミラー層50は、透過率が5%程度となるアルミニウム等の金属膜であり、例えば、スパッタリングによって基材の表面に成膜されている。本乗物用照明装置10は、この透過率の低いレンズ部材42の存在によって、ハウジング40内の2つの発光部30,32を乗員がほぼ視認できないように構成されるとともに、凹凸形状をデザインとして乗員に視認させることが可能となっている。
本乗物用照明装置10は、以上のような構成により、反射部材44の反射層46が、レンズ部材42のハーフミラー層50との間で反射された光の虚像を乗員に視認させるような構成となっている。この虚像は、ハーフミラー層50で反射される回数に応じて複数結像され、合わせ鏡で見られる像のように、反射回数に応じて小さくなり、奥行き感のある連続した像となる。つまり、本乗物用照明装置10は、立体的で奥行き感のある視覚的効果を生じさせることが可能となっているのである。
なお、本乗物用照明装置10は、前述したように、第1発光部30と第2発光部32との各々を独立して制御することで、第1光出射面42a1と第2光出射面42a2との各々からの光を独立して制御することが可能に構成されている。つまり、本乗物用照明装置10は、第1光出射面42a1と第2光出射面42a2との各々からの光を制御することで、シーンに合わせた視覚効果を付与することができる。つまり、本乗物用照明装置10は、シーンに合わせた視覚効果を付与することができるにも拘らず、光出射面42aが平面上に形成されて、照明装置として一体感のあるものとなっているのである。また、本実施例の乗物用照明装置10は、反射部材44の稜線Lがレンズ部材42の車室外側面42bに当接する構成とされており、第1発光部30の点灯範囲と第2発光部32の点灯範囲とを明確に分けることが可能となっている。
以下に、シーンに合わせた視覚効果のいくつかの例を、簡単に説明する。例えば、通常の車両走行時において、図3および図5に示すように、第2発光部32を消灯して第1発光部30を点灯し、下側半分の第1光出射面42a1からのみ光を出射させるようにして、乗員の視界に入りにくい加飾照明として用いることができる。ちなみに、その場合には、表示装置22は、サイドミラーとして機能している。
また、その第1発光部30のみを点灯させた状態から、図5および図6に示すように、第2発光部32をも点灯させて、光出射面42a全面から光を出射させるようにすることで、緊急時等に乗員へ視覚刺激を付与することができ、緊急時等の注意喚起を行うようにすることもできる。ちなみに、その場合には、表示装置22は、アラート表示を行っている。なお、通常の走行時において、第1発光部30と第2発光部32との両者を同じ明るさで点灯させておき、緊急時に第2発光部32の光を明るくすることで、乗員へ視覚刺激を付与することも可能である。
さらに、車両走行時に第1発光部30のみを点灯させて、車両を停車させている場合に、第1発光部30と第2発光部32との両者を点灯させるようにすることで、走行時と停車時との加飾照明を異なるものとすることもできる。なお、本乗物用照明装置10は、上述した態様以外にも、種々の態様で利用することが可能である。
<変形例>
上記実施例の変形例の乗物用照明装置70を、図7に示す。上記実施例の乗物用照明装置10は、反射部材44の稜線Lが上下方向における中央に前後方向に延びるように形成されていたが、本変形例の乗物用照明装置70においては反射部材72の稜線L´が、上下方向における中央より上側よりに形成されている。つまり、本変形例の乗物用照明装置70においては、レンズ部材74における稜線L´より下側の第1光出射面74aが、稜線L´より上側の第2光出射面74bより、上下方向の幅が大きくされているのである。
上記実施例の変形例の乗物用照明装置70を、図7に示す。上記実施例の乗物用照明装置10は、反射部材44の稜線Lが上下方向における中央に前後方向に延びるように形成されていたが、本変形例の乗物用照明装置70においては反射部材72の稜線L´が、上下方向における中央より上側よりに形成されている。つまり、本変形例の乗物用照明装置70においては、レンズ部材74における稜線L´より下側の第1光出射面74aが、稜線L´より上側の第2光出射面74bより、上下方向の幅が大きくされているのである。
第2実施例の乗物用照明装置80の断面図を図8に示す。第2実施例の乗物用照明装置80は、第1実施例の乗物用照明装置10と、ほぼ同様の構成であるため、第1実施例の乗物用照明装置10と同じ構成要素のものついては、同じ符号を用い、その説明は簡便に行うあるいは省略するものとする。
第2実施例の乗物用照明装置80は、第1実施例の乗物用照明装置10とは、レンズ部材82の形状が、第1実施例におけるレンズ部材42の形状と異なる。詳しく言えば、レンズ部材42の車室外側面42bには、反射部材44の稜線Lを当接させる被当接部42b1が設けられていたが、第2実施例におけるレンズ部材82は、車室外側面82bの前面に、底面菱形の四角錘形状の凹所が形成されており、被当接部は設けられていない。つまり、第2実施例の乗物用照明装置80においては、図8に示すように、反射部材44の稜線Lが、レンズ部材82の車室外側面82bの近傍に位置しており、そのレンズ部材82の車室外側面82bとの間に僅かに隙間が設けられているのである。
第2実施例の乗物用照明装置80においては、第1発光部30と第2発光部32との一方のみを点灯させた場合において、他方に対応する出射面からも僅かに光が漏れることになるのである。例えば、図8に示すように、第1発光部30のみを点灯させた場合には、その第1発光部30に対応するレンズ部材82の第1光出射面82a1からだけでなく、第2光出射面82a2の稜線Lに近い部分からも第1発光部30の光が出射することになる。つまり、第2実施例の乗物用照明装置80は、第1発光部30と第2発光部32との一方のみを点灯させた場合に、第1発光部30による点灯範囲と、第2発光部32による点灯範囲との境界付近をぼやかすことができる。
第3実施例の乗物用照明装置90の断面図を図9に示す。第3実施例の乗物用照明装置90は、第1実施例の乗物用照明装置10と、ほぼ同様の構成であるため、第1実施例の乗物用照明装置10と同じ構成要素のものついては、同じ符号を用い、その説明は簡便に行うあるいは省略するものとする。
第3実施例の乗物用照明装置90は、第1実施例の乗物用照明装置10とは、乗員から見た外観が異なるものなっている。具体的には、第1実施例の乗物用照明装置10は、外観が平面状(光射出面42aが平面状)であったのに対して、第3実施例の乗物用照明装置90は、上下方向における中央部が車室内側に向けて膨出するような立体的な形状となっている。第3実施例の乗物用照明装置90は、まず、レンズ部材92が、車両前後方向における断面がくの字形状のものとされることで、上下方向における中央部が車室内側に向かって膨出した形状となっている。つまり、レンズ部材92は、下側に位置する第1光出射面92a1が、鉛直方向に対して下方を向くように傾斜する面とされるとともに、第2光出射面92a2が、鉛直方向に対して上方を向くように傾斜する面とされる。ちなみに、反射部材94は、第1実施例における反射部材44と同様の形状のものであり、上下方向における中央に前後方向に延びる稜線Lが形成されたものである。そして、その稜線Lが、レンズ部材92の車室外側面92bに形成された被当接部92b1に当接するように構成されている。つまり、第3実施例の乗物用照明装置90は、第1発光部30の光が第1光出射面92a1から車室内側かつ下方に向けて出射されるとともに、第2発光部32の光が第2光出射面92a2から車室内側かつ上方に向けて出射される。
第3実施例の乗物用照明装置90においては、上方側に向かって出射される第2光出射面92a2からの光が、乗員の視界に入り易い。したがって、第3実施例の乗物用照明装置90は、例えば、緊急時等の注意喚起等において、第2発光部32を消灯させた状態から点灯させた状態とすることで、乗員に対して視覚的刺激を効果的に付与することができる。また、第1光出射面92a1から出射される光は、下方側に向かって出射されるため、乗員の車両への乗降時に足元を照らすように構成することができる。
<他の実施例>
上記実施例の乗物用照明装置においては、上下に2つの点灯範囲に分割されていたが、左右や、斜め方向にも分割してもよい。また、稜線が直線的に延びるものとされていたが、それに限定されない。稜線は、途中で折れた形状とされてもよく、曲線とされてもよい。また、上記実施例の乗物用照明装置においては、反射部材が2つの谷部を有するものとされるとともに、それら2つの谷部に対応する2つの発光部を備えるものとされていたが、反射部材が3つ以上の谷部を有するものとされてもよく、乗物用照明装置が3つ以上の発光部を備えていてもよい。なお、1つの谷部に対して、1つの発光部である必要はなく、2以上の発光部が配されていてもよい。
上記実施例の乗物用照明装置においては、上下に2つの点灯範囲に分割されていたが、左右や、斜め方向にも分割してもよい。また、稜線が直線的に延びるものとされていたが、それに限定されない。稜線は、途中で折れた形状とされてもよく、曲線とされてもよい。また、上記実施例の乗物用照明装置においては、反射部材が2つの谷部を有するものとされるとともに、それら2つの谷部に対応する2つの発光部を備えるものとされていたが、反射部材が3つ以上の谷部を有するものとされてもよく、乗物用照明装置が3つ以上の発光部を備えていてもよい。なお、1つの谷部に対して、1つの発光部である必要はなく、2以上の発光部が配されていてもよい。
本乗物用照明装置は、乗物用内装材に合わせて点灯範囲を複数に分割し、反射部材を、その分割した境界に合わせた稜線を有する形状のものとすることで、容易に、点灯範囲を複数に分割しつつ、照明装置としては一体感のあるものとすることができる。
10…乗物用照明装置、12…サイドドア、14…ドアトリム、30…第1発光部、30a…光源、30b…導光棒〔導光体〕、32…第2発光部、32a…光源、32b…導光棒〔導光体〕、40…ハウジング〔発光部収容体〕、42…第1ハウジング部材(レンズ部材)〔光出射部〕、42a…光出射面、44…第2ハウジング部材(反射部材)〔光反射部〕、44a…山部、44b,44c…谷部、44d,44e…傾斜面、46…反射層、50…ハーフミラー層、L…稜線、70…乗物用照明装置(変形例)、72…反射部材、74…レンズ部材、L´…稜線、80…乗物用照明装置(第2実施例)、82…レンズ部材、90…乗物用照明装置(第3実施例)、92…レンズ部材、92a1…第1光出射面、92a2…第2光出射面、94…反射部材
Claims (9)
- 乗物用内装材に設けられた乗物用照明装置であって、
それぞれが独立して点灯・消灯を切り替え可能な複数の発光部と、
複数の前記発光部を収容し、乗物室に向かって光を出射する光出射部と、前記光出射部に対向する箇所に設けられて光を反射する光反射部とを有する発光部収容体と、
を備え、
前記光反射部が、複数の谷部と山部とを有して前記光出射部に向かって膨らんだ山谷形状とされるとともに、自身の前記光出射部側の頂を結ぶ稜線が、前記光出射部に当接する、あるいは、前記光出射部の近傍に位置する構成とされ、
複数の前記発光部が、複数の前記谷部にそれぞれ配された乗物用照明装置。 - 前記光反射部の前記稜線が、前記光出射部に当接する構成とされた請求項1に記載の乗物用照明装置。
- 前記光反射部の前記稜線が、前記光出射部に当接せずに前記光出射部の近傍に位置する構成とされた請求項1に記載の乗物用照明装置。
- 前記光出射部は、前記光反射部側の面に、凹凸を有するとともに、光を透過ないし反射するハーフミラー層が形成されたものである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用照明装置。
- 前記光反射部は、
前記稜線が直線的に延びるものとされ、前記稜線から両側に傾斜して延びる2つの傾斜面を有するとともに、前記2つの傾斜面の各々の前記稜線と反対側の端辺側に前記稜線と平行に延びる2本の前記谷部を有しており、
当該乗物用照明装置が、前記発光部を2つ備え、それら2つの前記発光部が2本の前記谷部にそれぞれ配された請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗物用照明装置。 - 2つの前記発光部の各々が、
光源と、
前記谷部に沿って延びる長手状をなし、長手方向における一端から前記光源の光が入射され、その入射された前記光源からの光を導光しつつ発光する導光体と、
を備えた請求項5に記載の乗物用照明装置。 - 前記乗物用内装材が、車両のサイドドアの車室内面を構成するドアトリムであり、
前記稜線が、車両前後方向に延びるものとされ、
2つの前記発光部の各々が、前記稜線の上方側と下方側とにそれぞれ配された請求項5または請求項6に記載の乗物用照明装置。 - 前記光出射部が、乗物室内側かつ下方側に向く第1光出射面と、乗物室内側かつ上方側に向く第2光出射面とを有する請求項7に記載の乗物用照明装置。
- 前記光出射部は、乗物室内側の面である光出射面が平面状に形成されたものである請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の乗物用照明装置。
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JP2018098712A Pending JP2019202635A (ja) | 2018-05-23 | 2018-05-23 | 乗物用照明装置 |
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JP (1) | JP2019202635A (ja) |
-
2018
- 2018-05-23 JP JP2018098712A patent/JP2019202635A/ja active Pending
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