JP2019202438A - 偽造防止用印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カラーコピー機等の複写機の分解能に左右されることなく、複写時に連続階調を有する潜像画像が出現する印刷物を提供する。【解決手段】 本発明は、複写機で再現される第1のインキで形成した第1の要素によって連続階調を有する潜像画像のポジ画像を形成し、第1のインキと色相が同じで、かつ、第1のインキより明度が高い第2のインキで形成した第2の要素によって潜像画像のネガ画像を形成して成り、印刷物上では一定濃度として視認されるが、複写時に第2の要素が消失することで、連続階調を有する潜像画像が出現する偽造防止用印刷物である。【選択図】 図1

Description

本発明は、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書、重要書類等の偽造、改ざんの防止が求められる印刷物において、カラー複写機又はモノクロ複写機により複写した場合に容易に真偽判別することができる偽造防止用印刷物に関するものである。
銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書、重要書類等の印刷物において、偽造、改ざん防止策は重要な要素である。これらの印刷物の偽造、改ざん防止策は、主に、幾何学模様を多様化した図柄をデザインに用いる方法と、印刷物に対して何らかの手段と作用を加えることで、目視では認識することができない潜像が現出する方法がある。前者の代表的な例は、証券印刷物等のデザインに広く用いられる地紋、彩紋模様、レリーフ模様等があり、後者の代表的な例は、潜像凹版やカラー複写機で色が正常に再現されないような機能性インキ、コピー防止画線等がある。
前述の地紋、彩紋模様、レリーフ模様等は、基本的には一定の画線幅による曲画線の集合によって模様を構成しているものであり、印刷物のデザイン等の意匠性を加味した偽造、改ざん防止策とすることができる。模様を複雑にすることによって、偽造物において同一の模様を作製することを困難とし、カラー複写機では再現されにくい色彩を用いることや、複雑な曲画線を用いることでカラー複写機、モノクロ複写機又はスキャナの走査入出力に対してモアレを発生させることで偽造防止策としての役割を高めている。
また、前述の模様類は、証券印刷物等のデザインにおいて世界的に広く用いられるとともに、銀行券、株券、債券等の金銭的価値を有する印刷物の模様として古くから用いられ、現在でも高級感を印象付けるデザインとして重要な模様となっている。したがって、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書、重要書類等の印刷物において、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等は、デザイン上欠かすことのできない模様である。しかしながら、最近では、高機能化した写真製版装置、カラー複写機又はモノクロ複写機の出現によって、十分な偽造、改ざん防止効果をもたらしていないという欠点がある。
また、前述の印刷物に対し、何らかの手段と作用を加えることで、目視では認識することができなかった潜像を複写物に現出させる方法の代表的な技術として、一般的にコピー防止画線と称する一連の技術がある。また、用紙の表面に網点で潜像を印刷し、万線で潜像と同濃度の背景を同時印刷し、背景を含む潜像の上面に装飾模様をコピーで再現されない程度の薄色の透明インキで重ね刷りすることにより、印刷物表面を体裁よく仕上げ、コピーにかけると模様は見えなくなり、背景は再現されるとともに、潜像は再現されず、背景と潜像の濃度差が歴然となって複写物であることが一見して分かるといった方法は、これまでも数多くの出願がある。
それらの発明の多くは、網点、万線等の点及び/又は線が一定周期で連続配置する画線群(以下「スクリーンパターン」という。)の粗密によって潜像が施され、印刷物に示すように、印刷面全体の模様が均一濃度を持ったスクリーンパターンとなっている。この潜像が施された印刷物において、カラー複写機又はモノクロ複写機によって複写した際、再生されない密構成のスクリーンパターンと、再生される粗構成のスクリーンパターンとは、複写物の模様に濃度差が生じて、再生される粗構成のスクリーンパターンに対して、再生されない密構成のスクリーンパターンの潜像部分が現出するようにして、複写物であることが一目瞭然となるようにしたものである。
また、本出願人も、用紙表面に網点、万線等のパターンから成る潜像と、潜像周囲に前述の潜像とは粗密が異なるパターンから成る背景を1色で同時印刷した印刷物において、潜像を施した潜像模様が肉眼では識別されないことを特徴とする複写防止に適する印刷物として、潜像をカムフラージュするための別の模様や薄色の透明インキ、さらには、淡色の重ね刷りを施さず、白抜きの円形模様や、全面的なスクリーンパターンに対する部分的なスクリーンパターンの網点パーセントを増加した同心円模様等で、カムフラージュする方法を既に出願している(例えば、特許文献1参照)。
また、万線と網点のいずれか一方を構成子として潜像を形成し、かつ、他方を構成子として背景を形成し、万線が50線10%、網点が150線10%であるフィルム原版において、潜像の画線と背景の画線の全体をカムフラージュするために、175線10%の網点から成る地紋を組み込み、一度刷りで用紙に印刷を施すという画線構成が既に出願されている(例えば、特許文献2参照)。
また、本出願人は、曲線状の集合模様として、潜像を施さない部分の画線を連続線、潜像を施した部分の画線を基本線方向に一定の間隔で配列された形状の画線から成る定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、基本線方向に連続した一つの画線部と非画線部から成る一周期に相当する部分の画線面積の総和が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前述の潜像部における画線部と非画線部から成る一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しくし、さらに、潜像を施した部分の定周期断絶線となっている画線において、定周期断絶線の画線同士が交差する部分で、画線同士のどちらか一方の画線を、もう一方の画線の画線幅の範囲内で削除することを特徴とした複写防止模様の作成方法及びその印刷物を出願している(例えば、特許文献3参照)。
また、本出願人は、直線又は曲線状の1本又は複数の直線又は曲線から成る画線模様を、潜像を施さない部分の画線を実線で、潜像を施した部分の画線を、基本線方向を基準として等距離により複数に分岐し、複数に分岐した画線がそれぞれ一定の間隔で配列された形状の画線から成る定周期断絶線で構成した印刷物において、潜像を施した部分の画線は基本線方向に複数に分岐した画線部と非画線部から成る一周期に相当する部分の画線面積の総和が、潜像を施さない部分の実線のうち、前述の潜像部における画線部と非画線部から成る一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しくすることにより、複写すると非視認性となり、複写前に視認される画像を構成する画線は、前述の潜像部における画線部と非画線部から成る一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積より大きくするといった印刷物を出願している(例えば、特許文献4参照)。この印刷物は、カラー複写機又はモノクロ複写機での複写後には、不可視画像であった潜像が出現し、可視画像であった模様が入れ替わるように観察することができることで真偽判別性を高めている。
また、本出願人は、複写機で再生される第1の大きさの画線と、複写機で再生されない第2の大きさの画線によって同一濃度の背景部を形成し、さらには、複写機で再生されない第3の大きさの画線によって可視画像部を形成することで、印刷物を通常光下で観察した場合には、背景部上に形成された可視画像部の濃度によって可視画像が観察されるが、印刷物を複写機で複写した場合、可視画像部を形成する第3の大きさの画線と、背景部を形成する第2の大きさの画線は再生されないことで、可視画像とは全く異なる潜像画像が出現する、画像のチェンジ効果を備えた複写、改ざん防止印刷物を出願している(例えば、特許文献5参照)。
さらに、本出願人は、印刷物上に形成された可視画像と複写機で複写した際に出現する潜像画像がチェンジする効果を有し、かつ、複写物に出現する潜像画像を写真画像のような連続階調画像とすることができる偽造防止用印刷物を出願している(例えば、特許文献6参照)。この印刷物は、連続階調を有する潜像画像を潜像画線の大小(太細)により形成し、潜像画線と濃度を反転させたカムフラージュ画線を複写機で再現されない大きさの画線で形成することで、印刷物を視認しても潜像画像は確認されないが、複写機で複写した場合にカムフラージュ画線が消失し、連続階調を有する潜像画像が出現するものである。
特許第2695523号公報 実用新案第3010365号公報 特許第3268418号公報 特許第3689786号公報 特許第5692663号公報 特開2016−172340号公報
しかしながら、特許文献1及び2の印刷物は、近年の高機能化された製版及び印刷出力装置を用いた場合、その画線構成を容易に再現することができてしまうことで複写防止機能が発揮されないことがあった。
また、特許文献3及び4の印刷物は、複写時の効果は向上したものの、可視画像であった模様が完全に入れ替わるものでなく、可視画像と潜像が重なっている部分については可視画像が優先され、潜像が部分的に欠けた状態となり、複写後に視認される画像の視認性を向上させるという課題があった。
また、特許文献5の印刷物は、印刷物と複写物において、可視画像と複写物に出現する潜像画像が完全に入れ替わることから、複写後に視認される画像の視認性は向上したが、可視画像と潜像画像を形成する規則的な画線が、残る又は消失するというオン・オフの関係により画像のチェンジ効果を創出しており、潜像画像自体が2値画像であることから、可視画像が消失し、潜像画像が出現した複写物の画像を加工することで偽造品を作成する方法に対しては、高い偽造抵抗力を有するものではないという課題が残されていた。
また、特許文献6の印刷物は、連続階調を有する潜像画像を形成することで、複写物を加工する行為に対して極めて高い複写防止効果を有しているが、潜像画像を形成する潜像画線及びカムフラージュ画線を「線」と「点」で構成していることから、特許文献3から5までと同様に、潜像画像の視認性が複写機に搭載されたバンドパス・フィルタ等の画像処理性能に左右され、カムフラージュ画線が完全に消失しない場合がある。そのため、複写防止効果が十分ではないという課題が残されていた。
さらに、特許文献1から6までの印刷物は、オフセット印刷等の有版方式におけるロングラン印刷では微細な画線消失が避けられず、必然的に印刷安定性が悪くなるという課題が残されていた。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、印刷物上に形成された印刷模様と複写機で複写した際に出現する連続階調を有する潜像画像がチェンジする効果を有し、かつ、複写機で再現される潜像画線を低明度(濃色)インキで印刷し、複写機で再現されないカムフラージュ画線を200線/インチ未満の高明度(淡色)インキで印刷することで、ロングラン印刷での十分な印刷安定性が得られ、複写物に対して確実に連続階調を有する潜像画像を出現させる偽造防止用印刷物及びその作製方法に関するものである。
本発明の偽造防止用印刷物は、基材上の少なくとも一部に連続階調を有する潜像画像が形成された印刷領域を有し、印刷領域は、第1のインキによって潜像画像のポジ画像に応じて面積率が異なって形成された第1の要素と、第1のインキと色相が同じで、かつ、第1のインキより明度が高い第2のインキによって、潜像画像のネガ画像に応じて面積率が異なって形成された第2の要素を有し、印刷領域における単位面積当たりに形成された第1の要素と第2の要素を加味した明度が同一として形成されたことを特徴とする偽造防止用印刷物である。
また、本発明の偽造防止用印刷物における第1の要素及び/又は第2の要素は、文字、記号又は図形によって形成されたことを特徴とする偽造防止用印刷物である。
さらに、本発明の偽造防止用印刷物における印刷領域は、第2のインキで形成された第3の要素を有し、第3の要素によって可視画像が形成されたことを特徴とする偽造防止用印刷物である。
本発明の偽造防止用印刷物は、高明度(濃度)な第2のインキで形成された第2の画像が、複写機の解像度等の性能に依存することなく確実に消失することから、複写機を用いた偽造行為を確実に防止することができる。
また、本発明の偽造防止用印刷物は、複写物に視認される画像を複雑な連続階調を有する画像とすることができることから、顔画像等を含む身分証明書、卒業証書等に用いた場合に複写物上に形成された顔写真と潜像画像を比較することで、容易に真偽判別することができる。
さらに、本発明の偽造防止用印刷物は、連続階調を有する潜像画像のポジ画像を形成する第1の要素を低明度(濃色)な第1のインキで印刷し、潜像画像のネガ画像を形成する第2の要素を、ロングラン印刷に耐え得る大きさで、かつ、高明度(濃色)な第2のインキで印刷することにより、ロングランでの高い印刷安定性を保つことができる。
第1の実施の形態における印刷物の構成を示す図。 第1の実施の形態における複写物の構成を示す図。 特定の領域内において潜像画像を形成する第1の要素と第2の要素を示す図。 第1の実施の形態における特定の領域内の変形例を示す図。 第1の実施の形態における曲線上の万線パターンの例を示す図。 第2の実施の形態における印刷物中の領域を示す図。 第2の実施の形態における複写物中の領域を示す図。 第2の実施の形態における印刷物中の領域を示す図。 第2の実施の形態における複写物中の領域を示す図。 第3の実施の形態における印刷物の構成を示す図。 第3の実施の形態における複写物の構成を示す図。 特定の領域内において潜像画像を形成する第1の要素と第2の要素を示す図。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明するが、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態における偽造防止用印刷物(以下「印刷物」という。)について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施の形態における印刷物(1)を示すものであり、基材上に複写防止機能を有する印刷模様(2)が形成されたものである。図1の拡大図に示すように、印刷模様(2)は、複写時に再生される大きさの第1の要素(3)と、複写時に再生されない濃度の第2の要素(4)が形成される。すなわち、第1の要素(3)は低明度(濃色)な第1のインキで印刷され、第2の要素(4)は高明度(淡色)な第2のインキで印刷されている。
第1の要素(3)は、規則的に一定ピッチで形成された万線パターンであり、潜像画像を形成する濃淡画像に合わせて第1の要素(3)の幅を形成することで、潜像画像を形成している。本実施の形態では万線パターンのピッチは508μm(50線/インチ相当)である。一方、第2の要素(4)は、大小の網点等によって形成され、特定の領域内における第1の要素(3)と第2の要素(4)とが加味された明度が一定になるように、潜像画像の階調を表現する第1の要素(3)の幅の増減に合わせて第2の要素(4)の面積率を変化させて形成される。
第2の要素(4)は、カラー複写機等の複写機で再生されない要素として形成する必要があるため、50〜80線/インチ程度の高明度(淡色)インキで印刷される。第2のインキの明度は、複写機で再生されない明度に設定すればよいが、第1の要素(3)と第2の要素(4)とが加味された明度を一定に保つため、第1の要素(3)の2倍以上の面積率で形成した場合に、一定明度で形成できるように設定すればよい。
第1の実施の形態における印刷物(1)では、第2の要素(4)の面積率を60%以下としているが、特定の領域内における第1の要素(3)と第2の要素(4)とを合計した明度を一定に保つため、第1の要素(3)濃度が最大濃度で形成された状態と同じ濃度が得られ、かつ、ロングラン印刷に耐えうる大きさで形成できればこの限りではない。少なくとも、第2の要素(4)を複写機で再生されにくい高明度(淡色)なインキで形成すれば、同様の効果を得ることができる。
図2は、第1の実施の形態における印刷物(1)の複写物(5)を示すものである。図2に示すように、複写物(5)における複写模様(6)は、第1の要素(3)の幅を増減させていることで形成された潜像画像が可視化される。これは、図2の拡大図に示すように、複写機で再生されない明度で形成された第2の要素(4)が複写物(5)では消失するため、特定の領域内において同一明度で観察された状態が保たれなくなり、潜像画像の濃淡を表現している第1の要素(3)の濃度差がそのまま再現され、複写模様(6)となって可視化されるものである。
次に、第1の実施の形態における印刷物(1)の構成について、図3を用いて説明する。図3は、印刷模様(2)全体の濃度を、第1のインキで面積率を20%で構成した場合の濃度に合わせる構成として、第1の要素(3)と第2の要素(4)の関係を示すものである。第1の要素(3)は、潜像画像のポジ画像(3a)をそのまま再現するものであり、画像を面積率0%〜20%で表現することができる潜像画像に濃度補正し、低明度(濃色)インキで形成され、また、第2の要素(4)は、潜像画像のネガ画像(4a)を形成するものであり、第1の要素(3)が潜像画像の最も淡い濃度の要素として配置された場合の最大値である、ロングランでの高い印刷安定性を保つため、50〜80線/インチ程度の粗い網点とし、面積率は60%以下の要素で表現することができるネガ画像まで濃度補正し、高明度(淡色)インキで形成した要素を用いることで、特定の領域内において同一明度を保つことができる。
図3に示すように、低明度(濃色)インキの要素で形成される潜像画像のポジ画像(3a)の最も淡色部分、すなわち0%を形成する場合、第1の要素(3)の面積率は同様に0%で形成し、第1の要素(3)の濃度を補う高明度(淡色)インキによって面積率60%で形成された第2の要素(4)を形成することで、特定の領域内に所定の明度を設けることができる。万線パターンの線数は50線/インチであることから、万線パターンのピッチ(P)は508μmとなっている。
同様に、面積率が5%の第1の要素(3)が形成された場合、約45%の第2の要素(4)が形成され、10%の第1の要素(3)が形成された場合、約35%の第2の要素(4)が形成され、15%の第1の要素(3)が形成された場合、約15%の第2の要素(4)が形成され、20%の第1の要素(3)が形成された場合、0%として第2の要素(4)が配置されない状態となる。以上の法則性を成すことにより、潜像画像のポジ画像(3a)の連続階調において全体の明度を同一に保つことで、印刷模様(2)内に形成された潜像画像を可視化されない状態として形成することができる。すなわち、本発明でいう、単位面積当たりに形成された第1の要素(3)と第2の要素(4)を加味した明度が同一とは、第1の要素(3)の面積率の変動に合わせて第2の要素(4)が形成されることで、見掛け上、等色として視認されるものである。
また、図3では、特定の領域内における第1の要素(3)及び第2の要素(4)を同一明度にすることで説明したが、明度はこれに限定されるものではなく、また、第1の要素(3)の低明度(濃色)インキと、第2の要素(4)の高明度(淡色)インキの色については、複写防止効果に応じて適時設定すればよく、面積率もこの限りではない。
図4は、第1の実施の形態の印刷物(1)における特定の領域内の変形例を示すものであり、前述したとおり、図3に示された各々の特定の領域内における明度を同一にすることができれば、第1の要素(3)と第2の要素(4)の形状、配置位置等は特に限定されず、例えば、図4(a)に示すように、第1の要素(3)と第2の要素(4)とを同じ位置に設けた万線パターンとしてもよいし、図4(b)に示すように、万線パターンの面積率が低くなる部分において最低要素幅を保った形状としてもよい。すなわち、印刷で表現し得る要素形状は、本発明の範囲内である。また、図4(c)に示すように、第1の要素(3)と第2の要素(4)とを同じ位置に設けた網点パターンとしてもよい。さらに、図4(d)に示すように、第1の要素(3)と第2の要素(4)とを同じ位置に設けた「文字」の形態で形成してもよい。
また、特定の領域内とは、第1の要素(3)と第2の要素(4)とを含む領域であり、特定の領域内において第1の要素(3)と第2の要素(4)とが万線パターンを有するものであれば、図5に示したように全体として曲線上の万線パターンを形成することができる。これにより、万線パターンについては、波万線、同心円万線等の様々なパターンを適用でき、第1の要素(3)によってデザイン性を考慮した地紋模様等を形成することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態における印刷物(1)について説明する。第2の実施の形態における印刷物(1)は、図4(d)に示された変形例の第1の要素(3)と第2の要素(4)とを用いて、印刷物全体が「文字」を敷き詰めた地紋模様となる構成である。図6は、第2の実施の形態における印刷物(1)の一部の領域を示したものであり、図6(a)に示す領域(7)は、第1の要素(3)と第2の要素(4)によって形成された「文字」状の要素が形成されており、第1の要素(3)を、図の上部から下部にかけて面積率を増加させた形態としている。また、第1の要素(3)と同じ位置に設けた第2の要素(4)は、領域(7)内の明度が同一になるように、図の下部から上部にかけて面積率を増加させた形態としている。これにより、領域(7)内の明度が同じ状態となり、潜像画像が視認されない状態となる。
また、図6(b)に示す領域(8)は、第1の要素(3)と第2の要素(4)によって形成された「文字」状の要素が形成されており、第1の要素(3)を、図の左から右にかけて面積率を増加させた形態としている。また、第1の要素(3)と同じ位置に設けた第2の要素(4)は、領域(8)内の明度が同一になるように、図の右から左にかけて面積率を増加させた形態としている。これにより、領域(8)内の明度が同じ状態となり、潜像画像が視認されない状態となる。なお、使用する「文字」については、書体を限定するものではなく、特定の意味を成す文章、記号等のいわゆる文字メディアとしての役割を成すものであってもよい。
図7は、第2の実施の形態における印刷物(1)を複写した複写物の一部を示すものである。図7(a)に示す複写物中の領域(9)は、図6(a)に示された領域(7)が複写された状態であり、第2の要素(4)が複写によって消失したことで、図の上部から下部にかけて面積率が高い形態の第1の要素(3)のみが観察される。一方、図7(b)に示す複写物中の領域(10)は、図6(b)に示された領域(8)が複写された状態であり、第2の要素(4)が複写によって消失したことで、図の左から右にかけて面積率が高い形態の第1の要素(3)のみが観察される。
図8は、第2の実施の形態における印刷物(1)の印刷模様(11)を示すものであり、印刷物全体を「文字」状の第1の要素(3)と第2の要素(4)で形成することで、一定の面積率により形成されたものである。これらの第1の要素(3)及び第2の要素(4)は、図4(d)に示された第1の要素(3)と第2の要素(4)とを備えている。
図8に示す二種類の要素は、図3に示された法則性を用いて、潜像画像が第1の要素(3)で施されていることにより、第2の要素(4)によって潜像画像が可視化されない状態として形成されている。
図9は、図8に示す印刷模様(11)を複写した複写模様(12)状態を示すものであり、複写機で再現される第1の要素(3)で形成された潜像画像が再現され、複写機で再現されない第2の要素(4)が消失することで、潜像画像が出現したものである。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態における印刷物(1)について説明する。第3の実施の形態における印刷物(1)は、図10に示すように、第1の要素(3)及び第2の要素(4)が形成された領域内に、更に第3の要素(13)が形成することで可視画像が形成されたものである。第3の要素(13)は、第2の要素(4)と同様に、高明度(淡色)な第2のインキで印刷されている。
図11は、第3の実施の形態における印刷物(1)の複写物(5)を示すものである。図11に示すように、複写物(5)における複写模様(6)は、第1の要素(3)の幅を増減させていることで形成された潜像画像が可視化される。これは、図11の拡大図に示すように、複写機で再生されない明度で形成された第2の要素(4)及び第3の要素(13)が複写物(5)では消失するため、図10に示す印刷模様(2)における可視画像と特定の領域内において第1の要素(3)及び第2の要素(4)の関係で保たれていた同一明度の関係が保たれなくなり、潜像画像の濃淡を表現している第1の要素(3)の濃度差がそのまま再現され、複写模様(6)となって可視化されるものである。
次に、第3の実施の形態における印刷物(1)の構成について、図12を用いて説明する。図12は、図3で説明した第1の要素(3)と第2の要素(4)の関係のなかに、第3の要素(13)によって可視画像(13a)を形成した例を示すものである。
図12に示すように、可視画像(13a)の最も高濃度な要素は、第1の要素(3)及び第2の要素(4)によって一定の明度に保たれていた領域内に最大9%の面積率で形成される。第3の要素(13)の配置については、第1の要素(3)及び第2の要素(4)が形成された領域と重ならないように形成されていればよく、第2の要素(4)の面積率に第3の要素(13)の面積率を加えた面積率で形成してもよい。
1 印刷物
2 印刷模様
3 第1の要素
3a 潜像画像のポジ画像
4 第2の要素
4a 潜像画像のネガ画像
5 複写物
6 複写模様
7 印刷物中の領域
8 印刷物中の領域
9 複写物中の領域
10 複写物中の領域
11 印刷模様
12 複写模様
13 第3の要素
13a 可視画像

Claims (3)

  1. 基材上の少なくとも一部に連続階調を有する潜像画像が形成された印刷領域を有し、
    前記印刷領域は、第1のインキによって前記潜像画像のポジ画像に応じて面積率が異なって形成された第1の要素と、前記第1のインキと色相が同じで、かつ、前記第1のインキより明度が高い第2のインキによって、前記潜像画像のネガ画像に応じて面積率が異なって形成され第2の要素を有し、
    前記印刷領域における単位面積に形成された前記第1の要素と前記第2の要素を加味した明度が同一として形成されたことを特徴とする偽造防止用印刷物。
  2. 前記第1の要素及び/又は前記第2の要素は、文字、記号又は図形によって形成されたことを特徴とする請求項1記載の偽造防止用印刷物。
  3. 前記印刷領域は、前記第2のインキで形成された第3の要素を有し、
    前記第3の要素によって可視画像が形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の偽造防止用印刷物。
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