JP2019200313A - 空中像表示装置 - Google Patents

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【課題】光学系の配置スペースが限られる条件下でも、立体的な意匠性のある、照明・表示機能を備えた空中像表示装置を提供する。【解決手段】第1の光源と、第2の光源と、表面側に配設されたハーフミラーからなる第1の光学部材と、前記ハーフミラーの反射面に対置された再帰反射シートを少なくとも含む第2の光学部材とを備え、前記第1の光源から発光されて、前記第1の光学部材に反射され、さらに前記第2の光学部材の前記再帰反射シートにより再帰反射された光により、空中に実像を表示するとともに、前記第2の光源から発光され、前記第1の光学部材と、前記第2の光学部材の間での多重反射された光により、前記実像の背景に複数の虚像を表示するように構成されている空中像表示装置とする。【選択図】図3

Description

本発明は、空中像表示装置に関し、具体的には空中に投影される実像と多重反射される虚像の組み合わせにより、立体的な意匠性を有する照明を提供し得る空中像表示装置に関する。
ドアトリム、ルーフライニング、インストルメントパネル、スカッフ等の車両の内装部材は、操作用や装飾用の目的で、照明装置を備えている。またカップホルダ、灰皿、スカッフプレート、コンソールボックス、オーバーヘッドコンソール、グローブボックスなども、意匠性向上やアクセサリの位置標示のため、照明装置を備える場合がある。
従来から車載ディスプレイの画像などをユーザに視認させる手段として、実像を空中に表示させる装置(空中像表示装置)の利用が検討されている。特許文献1には、ディスプレイから発光される光を少なくとも1枚のミラー及び屈折率分布型レンズ素子または複数のマイロレンズプレートを用いて空中に表示させる装置が開示されている。
空中像を表示させる手段として、再帰性反射部材(素子)の利用も検討されている。特許文献2には、表示パネルから発せられる光をハーフミラーで反射した後、再帰反射性素子で反射し、前記ハーフミラーを透過させて空中に結像する装置が開示されている。
空中像を他の表示と組み合わせる技術も検討されている。特許文献3には、電子ディスプレイや装置類の表示面を奥壁に設けるとともに、それよりも観察者側に実鏡映像結像光学系を設け、被観察物の実像を空中映像として表示する装置が開示されている。
特許第3451387号 特開2014−13319号公報 特許第5001888号
照明装置や表示装置に空中像表示機能を付与する場合、結像光学系を配置するスペースが必要となる。特に装置の内装部材の表面から空中像までの距離が大きいほど、空中像としての視認上、像が表面から浮き上がって見える効果は大きくなるが、そのためには、結像光学系の寸法を大きくとる必要を生じる。特許文献1、3は、車載ディスプレイに空中像表示機能を組み込む技術を記載しており、特許文献2も表示パネルの画像を空中に表示させる装置を記載している。これらの装置を利用して運転席前面の車両制御用のディスプレイに空中像表示機能を付与する場合には、ある程度のスペースを確保することも可能である。他方、例えば、車両の天井や床面、スカッフなどの内装部材など、確保できるスペースの厚みに制約がある。またドアトリムや中央コンソールなどでも、空中像表示用の光学系のために大きなスペースを確保することは難しい。
本発明は、光学系の配置スペースに制約がある条件下でも、立体的な意匠性を有する空中像表示機能を備える空中像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の空中像表示装置は、第1の光源と、第2の光源と、前記内装部材の表面側に配置されたハーフミラー(第1のハーフミラー)からなる第1の光学部材と、前記ハーフミラーの反射面に対置された再帰反射シートを少なくとも含む第2の光学部材とを備えており、前記第1の光源から発光されて、前記第1の光学部材に反射され、さらに前記第2の光学部材の前記再帰反射シートにより再帰反射された光により、空中に実像を表示するとともに、前記第2の光源から発光され、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材のフレネル反射によって多重反射された光により、前記実像の背景に複数の虚像を表示する。
上記構成の空中像表示装置によれば、第1の光源と第1の光学部材と第2の光学部材により構成される発光表示部(第1の発光表示部)が実像を表示するとともに、第2の光源と第1の光学部材と第2の光学部材により構成される発光表示部(第2の発光表示部)により表示される複数の虚像(多重反射による鏡像)が奥行のある背景像を形成するため、光学系の設置スペースの制約により、部材表面と空中像との距離を大きくとれない条件下にあっても、表示される空中像が前記虚像を背景に浮き上がって観察され、立体的な意匠性を有する照明・表示機能を発揮することができる。
前記空中像表示装置において、前記第2の光学部材が、前記再帰反射シートの表面側に配置されたハーフミラー(第2のハーフミラー)をさらに備えていてもよい。この場合、多重反射による虚像(鏡像)の形成は、表面側の第1のハーフミラーと、これに対置された第2のハーフミラーの間での多重反射により行われる。その際、再帰反射シートのフレネル反射よりもハーフミラーの反射率が高いため、背景像をなす虚像の明るさを向上させることができる。また、ハーフミラーの反射率を変更することにより、背景像をなす虚像の明るさを調整することができる。
前記空中像表示装置において、前記第2の光学部材の再帰反射シートと、前記ハーフミラー(第2のハーフミラー)の間に、遮光シートが配置されていてもよい。再帰反射シート上の遮光シートの使用により、空中像の二次像の形成を抑制し、空中像をより鮮明に観察することができる。
上記構成の空中像表示装置において、前記遮光シートは光透過率が連続的または段階的に変化するグラデーションシートであってもよい。グラデーションシートを用いることにより、視認角度を低くした場合における、空中像の不連続的な途切れによる意匠性の低下を避けることができる。
前記空中像表示装置において、前記実像を背景となる虚像の輝度より大きな(明るい)輝度を有するものとすることが好ましい。これによって、空中像をより明瞭に視認できる。
上記空中像表示装置は、全反射ミラーをさらに備え、前記第1の光源から照射された光が、該全反射ミラーに入射して反射され、表面側の第1のハーフミラーに入射するよう構成されたものであってもよい。第1のハーフミラーで一旦反射した光は再帰反射シートで反射し、前記表面側ハーフミラーを透過して空中像を結像する。
この構成の空中像表示装置によれば、光源に対する面対称位置よりも高い位置に実像を表示することができ、より立体的な意匠にすることができる。
前記空中像表示装置において、前記第1の光源に対して表面側に、庇部(遮光板)を配置してもよい。
前記空中像表示装置は、内装部材(例えば、車両用内装部材)の照明装置として使用することができる。その場合、内装部材は、内部に収納空間を備える内装部材であってもよい。例えば、上記の多重反射による複数の虚像により、内部の収納空間の形状を模倣するように設計してもよい。
本発明の空中像表示装置によれば、多重反射により形成される虚像(鏡像)を利用して照明や表示に奥行を演出し、これを背景として空中像を表示することにより、光学系の設置スペースに制約がある条件においても、空中像が背景の中に明瞭に浮き上がって観察される立体的な意匠性のある照明・表示効果を得ることができる。
空中像(実像)の結像プロセスを示す、模式断面図である。 複数の虚像の形成プロセスを示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る空中像表示装置の光学系の構成を示す模式断面図である。 図3に示す光学系の変形例を示す模式断面図である。 図4に示す光学系の変形例を示す模式断面図である。 図5Aに示す光学系を低角で視認した場合の空中像の見え方を示す模式断面図である。 図5Aに示す光学系の変形例を示す模式断面図である。 図4に示す光学系の変形例を示す模式断面図である。 図3に示す光学系の変形例を示す模式断面図である。 自動車の運転席近傍の内装部材を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る空中像表示装置を照明装置として備えるカップホルダの構成を示す模式的な斜視図である。 図8に示すカップホルダが備える照明装置の、照明ユニットの構成を示す斜視図である。 図8に示すカップホルダが備える照明装置の、光学系の組み付け途中の状態を示す斜視図である。 図8に示すカップホルダが備える照明装置の、光学系の組み付け途中の状態を示す斜視図である。 図8に示すカップホルダが備える照明装置点灯時の、虚像と実像の見え方を示す斜視図である。 図12に示す照明装置点灯時に、第2の実像が観察される様子を示す図である。 図12に示す照明装置の照明ユニットの再帰反射シート上に遮光シートを設置した場合に、実像に途切れが現れる様子を示す斜視図である。 図12に示す照明装置の照明ユニットの再帰反射シート上にグラデーションシートを設置した場合の実像の見え方を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、ハーフミラーと再帰反射シートによって、空中像が結像されるプロセスを説明するための概略図である。観察者(VE)は、図の左上の位置から空中像を見るものとする。それぞれ支持体(図示せず)に設置された光源(発光体)1、2が、表面側に設置された第1の光学部材O1と第2の光学部材O2の間に配置されており、視認者側に第1の光源1が、これに対向する側に第2の光源2が設置されている。ここでは、第1の光学部材O1は第1のハーフミラー3からなり、第2の光学部材O2は、再帰反射シート(再帰性反射部材)4からなる。なお、本明細書の記載で表面側とは、内装部材の表面側、より具体的には、内装部材に含まれる照明装置の表面側(視認者側)を示すものとする。
第1の光源1上の発光部位PLから上側の矢印に示される方向に出た光L1は、表面側ハーフミラー3の反射面上の部位P1で一部反射されて再帰反射シート4に入射し、再帰反射シート4の部位P2で入射方向に(入射光と逆向きに進む光として)反射される。この再帰反射された光の一部は、第1のハーフミラー3を透過して外方に発光する。他方、発光部位PLから下の矢印で示される方向に発光した光L2は、第1のハーフミラー3の反射面上の部位P3で一部反射されて再帰反射シート4に入射し、再帰反射シート4の部位P4で入射方向に反射され、一部は第1のハーフミラー3を透過して外方に発光する。二方向に発光した光は、空中の一箇所PRで交わる。同様のプロセスにより、発光部位PLから第1のハーフミラー3の方向に出た各方向の光は、空中の部位PRで交わり、PRに発光部位PLの実像が形成される。このようなプロセスにより、光源1の第1の実像S1が、ハーフミラー3に対し、ほぼ面対称となる空中位置に形成され、観察者VEに視認される。
なお、図1および以下の説明において、図面の寸法比は実際の寸法比を示すものではなく、ハーフミラー、再帰反射性シート等の板状(シート状)光学部材の厚みは、説明のため強調されている。また、例えば、図1では部位P1でハーフミラー3を透過する光や実像から観察者の方向への光など、説明内容に関係しない光の光路は、図示を省略する。また、図示と説明の簡略化のため、光学部材の界面における屈折は図示していない。
ハーフミラー3と再帰反射シート4の組み合わせは、再帰反射シートの表面でフレネル反射が生じるため合わせ鏡構造としても機能する。図2に示すように、第2の光源2から発光して第1の光学部材O1(第1のハーフミラー3)と第2の光学部材O2(ここでは再帰反射シート4)との間で多重反射を生じ、再帰反射シート4で反射してハーフミラー3を透過した光LTが見せる鏡像は、光源から深さ方向に分布する複数の虚像F1・・・Fnとして視認される。その際、反射光LRの強度は次第に減衰するので、虚像の明るさも、F1からFnへと次第に減衰する。なお、ここで観察される虚像の個数nは、光学系の設計に依存する。
図3で示すように、本発明の空中像表示装置では、図1、2で説明したプロセスにより、光源2の多重反射像が複数の虚像F1・・・Fnとして観察され、これを背景として光源1の実像S1が観察される。すなわち、第1の光源と第1の光学部材O1(第1のハーフミラー3)と第2の光学部材O2(再帰反射シート4)とは、実像S1を表示する第1の発光表示部E1を構成し、第2の光源と第1の光学部材O1と第2の光学部材O2とは、虚像F1・・・Fnを表示する第2の発光表示部E2を構成する。つまり、第1の光学部材O1と第2の光学部材O2は、実像S1を結像する光学系と、虚像F1・・・Fnを結像する光学系の両方の役割を持つ。この構成によれば、第1のハーフミラー3と再帰反射シート4の間隔が狭く、実像S1の実際の浮き上がり距離が小さい場合でも、虚像F1・・・Fnが深さ方向に奥行のある像を視認させるため、実像S1を明確に空中像として認識でき、立体的な照明効果を提供することができる。なお、第1の光源1と、第2の光源2には、輝度および/または色の異なる光源を用いてもよい。例えば、第2の光源の発光輝度を第1の光源1の発光輝度よりも小さく(暗く)することにより、実像S1の輝度を、第1の虚像の輝度より大きなものとしてもよい。
図4は、図3に示す空中像表示装置の変形例を示す概念図である。この装置では、表面側の第1のハーフミラー3に対向する反射面を有する第2のハーフミラー5が、第2の光学系O2において、再帰反射シート4の表面側に設置されている。第2の光源2から発光される光の多重反射は、第1のハーフミラー3と第2のハーフミラー5の間でフレネル反射により行われ、第2のハーフミラー5上の鏡像が、虚像F1・・・Fnとして視認される。第1の光源1から発光され、第1のハーフミラー3で反射された光は、第2のハーフミラー5を透過した後、再帰反射シート4により再帰反射され、空中像S1を結像する。この第2のハーフミラー5の反射率を調整することにより、背景となる虚像(多重反射像)F1・・・Fnの明るさを所望に応じて調整することができる。
なお、図4に矢印で示すように、第1の光源1から出射して表面側の第1のハーフミラー3で反射された光は、第2のハーフミラー5で一部反射され、第1のハーフミラー3で再度反射されて第2のハーフミラー5に入光する。この光が、再帰反射シート4に到達して再帰反射されると、実像S1の上に第2の実像S2が形成される。例えば後述するカップホルダの蓋を空中像表示装置とした場合における、実像S1、S2の見え方を図13Aに示している。
図4に示したような構成を用い、二枚のハーフミラーの合わせ鏡構造から得られる複数の実像を用いて照明デザインを行うことも可能であるが、第1の実像S1のみを鮮明に表示したい場合には、意図しない第2の実像S2の視認は意匠性を低下させる要因となる。
図5Aは、図4で説明した空中像表示装置の光学系の更に別の変形例を示す概念図である。この装置では、図4について説明した照明装置の第2のハーフミラーと、再帰反射シート4との間、再帰反射シートの上に、さらに遮光シート6が挿入されている。この再帰反射シート上の遮光シート6を用いることにより再帰反射シート4への入光を制限し、第2の実像の視認を防止または抑制することができる。
ここで遮光シート6は、第2の実像S2を形成する光を吸収するために第1の光源1から離間した位置(第2の光源2側の位置)に配置される。再帰反射シート上の遮光シート6の配置される範囲は、実像S1の視認を妨げず、かつ、第2の実像S2を視認させないよう適切に設定される。なお、再帰反射シート上の遮光シート6は、第2のハーフミラー5の下位に配置されているので、第2のハーフミラー5による虚像F1・・・Fnの形成には影響しない。
実像S1を視認する角度が限定的であり、再帰反射シート上の遮光シート6が適切に設定できる場合は問題ないが、視認する角度範囲が比較的広い場合、実像S1の視認を妨げず、かつ、第2の実像S2を視認させないよう適切に配置することができなくなる場合がある。
図5Bは、図5Aと同じ構成の空中像表示装置において、視認角度を低くした場合を示す模式断面図である。図に示すように、視認角度が低い場合、実像S1の上部を形成する光が、再帰反射シート上の遮光シート6の領域にかかってしまい、実像S1の上部(図の破線部)が表示されなくなる。その場合、例えば後述の図13Bに示すように、表示が切れていることが視認されるため、意匠性が著しく低下する。
図6は再帰反射シート上の遮光シート6を、光の吸収率が面方向で連続的(または段階的)に変化するシート60(グラデーションシート)としたものである。吸収率の小さな部位(光透過率の大きな部位)が、第1の光源1側に配置される。
本構成においては、視認角度を低くした場合において、実像S1の上部を形成する光が、再帰反射シート上の遮光シート60の光吸収領域にかかっても、吸収率の変化が連続的(もしくは段階的)であるため、実像S1の上部の表示も後述の図13Cに示すように段階的に減衰する(暗くなる)。そのため、意匠性の低下を防止もしくは低減することができる。
図7は、図3と同様の装置において、再帰反射シート上に遮光シート60を設けた構成を示す、模式断面図である。図7のようにハーフミラー5が存在しない場合においても、再帰反射シート上の遮光シート60の表面フレネル反射により、第2の光源の虚像F1・・・Fnを形成することができ、さらに、第2の実像の視認を防止または抑制する効果を得られる。
図8は、空中像表示装置の光学系の更に別の変形形態を説明するための図である。ここでは、第1の光源1からの発光は落射方向に行われ、まず、全反射ミラー7に入射する。全反射ミラー7で反射した光は表面側の第1のハーフミラー3で一部反射されて再帰反射シート4に入射し、再帰反射して実像S1を結像する。図3〜7に示す形態では、実像S1が形成される位置は、第1の光源1の、ハーフミラー3に対しほぼ面対称の位置となるが、図8の形態では、より高い位置に実像が表示されることになる。この実施形態において実像S1の形成される位置は、全反射ミラー7によって生じる第1の光源1の虚像fの、ハーフミラー3に対してほぼ面対称の位置となる。なお、ここでは全反射ミラー7の視認を避けるため、ハーフミラー3上に遮光層8を積層している。
以下、本発明の空中像表示装置に使用される各部材について説明する。
[光源]
ここで使用される光源は特に限定されず、電球、液晶ディスプレイ等の画像表示装置利用も妨げないが、設置スペースが限られる条件下では、発光ダイオード(LED)が好適に利用できる。例えば、複数の発光体が所定間隔で配置された光源としては、市販のLEDテープを用いてもよい。例えば(株)ルーチ製フラットフレックスや、林テレンプ製LED−ASSYを使用することができる。第1の光源と第2の光源に同じ発光体を用いてもよいが、実像と虚像で、輝度および/または発光色の異なるものとすることが好ましい。ロゴや幾何学的パターンを表示する場合には、所望の形状の切り抜きを設けた遮光性部材を光源の前に配置すればよく、その際、カラーシートを透過させて着色してもよい。
[ハーフミラー]
通常のハーフミラーとしては、無機ガラスやアクリル等の有機ガラスの表面に、錫、銀等の金属薄膜を蒸着したものを使用することができ、市販品を用いてもよい。その際、蒸着膜の膜厚により、ミラーの反射率と透過率を調整することができる。
[再帰反射シート]
再帰反射シート(再帰反射部材)は、入射光をほぼその光路に沿った方向に反射するものである。再帰反射部材としては、プリズム型の再帰反射部材や、マイクロビーズ型の再帰反射部材のシートが各種市販されており、例えば日本カーバイド工業(株)製RF−AN、日本カーバイド工業(株)製ニッカライトEGなどを用いることができる。
[遮光シート]
再帰反射シート上の遮光シートとしては有機または無機の透明部材の表面に黒色の印刷を施したシートを用いることができる。また、透明部材の中に、カーボン粒子等の光吸収剤を分散させたシートを用いることができ、適宜市販品の中から選択できる。その際、印刷の濃度、または光吸収剤の密度を変化させることにより、光吸収率が連続的または段階的に異なるグラデーションシートとすることができる。図5A、Bに示した実施形態においては、表面のフレネル反射を必要としないため黒色の紙を用いてもよい。
上記の空中像表示装置の用途は特に限定されず、車両、航空機、船舶等の乗物の内装や外装における照明装置や表示装置、建築物の照明やインテリア、屋外における照明や表示、広告等、多様な用途に応用することができる。例えば、自動車等の車両の内装部材を本発明の空中像表示装置が設けられた照明装置を備える構成としてもよく、その場合も照明装置を設置する内装部材は特に制限されない。例えば、自動車等の車両のカップホルダ、灰皿、スカッフプレート、コンソールボックス、オーバーヘッドコンソール、グローブボックス等をこのような照明装置を具備する構成とすることができる。これらの内装部材は、収納空間を備えるものであるが、多重反射により形成される虚像は、深さ方向に視認されるため、光源の配置などによって、観察される虚像の形状で、収納空間の形状を模倣することも可能である。
本発明に係る空中像表示装置の構成は、上記に説明したものに限定されず、各種の変更が可能である。例えば、多重反射による背景像を形成する光源や空中像を形成する光源は各一個に限定する必要はなく、照明デザインに応じて複数の光源を用いてもよい。図8に示す装置は、図3に示す光学系の変形例であるが、図4〜図7に示すように、下側ハーフミラー5や再帰反射シート上の遮光シート6、60を備える構成としてもよい。
以下、本発明に係る空中像表示装置を利用した照明装置付き内装部材の具体的実施形態の一例として、空中像表示機能を有する照明装置(空中像表示装置)を備えるカップホルダについて説明する。図9は、自動車の車内の運転席周辺部を模式的に示した図である。ここでは、ペダルや計器類は、簡略化のため図示していない。運転席9の右にはドアトリム10、左にはセンターコンソール11があり(ハンドル12の位置に応じ、左右は逆でもよい)、これらドアトリム10やセンターコンソール11に、飲料缶や飲料カップ13を保持するカップホルダ(ドリンクホルダ)14を設けている。
図10は、照明装置付き内装部材の一実施形態としてのカップホルダ14の構成を模式的に示す斜視図である。カップホルダ14は、飲料カップ13などを収納するため、ほぼ円錐台形の内面を有する本体14aと、本体14aにヒンジ14bを介して接続されたキャップ(蓋部)14cを備え、キャップ14cは、図9A〜9Cに示す照明装置15として構成されており、ハーネス14dを介して電源(図示せず)に接続されている。
図11Aは、キャップ14cを構成する照明装置15の光源ユニットの構成を示す図である。第1の光源15aはプレート上に設置された複数のLED発光体15bから構成され、その電源端子15cは、コネクタ15dを介してハーネス14dに接続される。第2の光源15eは、複数のLED発光体15fが配列されたテープからなり、外筒15g(本例ではアルミニウム製)の内周面に固定され、その電源端子15hは、コネクタ15dを介してハーネス(電源ハーネス)14dに接続されている。
図11Bは、光源を収納した照明装置15の組付途中の状態を示す図である。ここでは、コネクタ15dとハーネス14dは図示を省略する。第1の光源15aには、所望のロゴマークを切り抜いた遮光部材15iが下向きに傾いた状態で設置されており、出光は下向きに行われる。第2の光源15eには、光学系の内周面にそってパターン状の切り抜きを設けた遮光部材15jが配置されている。第1の光源15aの下には全反射ミラー15kが設置されており、上には全反射ミラ−15kからの反射光の視認を避けるため、遮光板15lが設置されている。全反射ミラー15kよりも第2の光源15e寄りには、再帰反射シート15mが設置されている。
図11Cは、上記の光学系の上面にハーフミラー15nを設置した状態を示す図である。
第1の光源として青色LEDを使用し、第2の光源として白色LEDを使用して11A〜11Cに示す光学系を組み込んだキャップ14cを製作し、観察を行ったところ、図12に示すように、リング状に配列した青色の発光パターンが下方に向けて明度を下げながら複数観察され、その深み感のある背景に、白色のロゴが空中像として浮き上がって観察された。
なお、上で説明したように、ロゴパターンの第1の空中像S1の上に、第2の空中像S2が暗く観察されるが(図13A)、これは図5A〜図7に示す構成を用い、再帰反射シート上の遮光シートを用いることにより、視認を避けることができる。その際、視認角度が低いことによるロゴパターンの途切れ(図13B)による意匠性の低下は、遮光シートをグラデーションシートとすることにより避けることができる(図13C)。
産業利用の可能性
本発明の空中像表示装置は、各種乗り物や建築物等における内装部材を照明装置付き内装部材とする際に利用することができ、その他、屋内、屋外における照明、表示、広告等の用途で使用することができる。その際、実像と虚像の組み合わせによる立体感のある意匠性を付与することができるため、光学系の配置スペースに制約があるような用途でも利用度が高い。
1、15a 第1の光源
2、15e 第2の光源
3、15n 表面側ハーフミラー(第1のハーフミラー)
4、15m 再帰反射シート
5 下側ハーフミラー(第2のハーフミラー)
6、60 遮光シート
7、15k 全反射ミラー
8 遮光部材
9 運転席
10 ドアトリム
11 センターコンソール
12 ハンドル
13 飲料カップ
14 カップホルダ
14a カップホルダ本体
14b ヒンジ
14c キャップ
14d ハーネス
15 照明装置
15b、15f LED
15g 外筒
15c、15h 電源端子
15d コネクタ
15l 庇部
15i、15j 遮光部材
E1 第1の発光表示部
E2 第2の発光表示部
F1〜Fn、f 虚像
S1、S2 実像

Claims (9)

  1. 第1の光源と、
    第2の光源と、
    前記内装部材の表面側に配置されたハーフミラーからなる第1の光学部材と、
    前記ハーフミラーの反射面に対置された再帰反射シートを少なくとも含む第2の光学部材とを備え、
    前記第1の光源から発光されて、前記第1の光学部材に反射され、さらに前記第2の光学部材の前記再帰反射シートにより再帰反射された光により、空中に実像を表示するとともに、
    前記第2の光源から発光され、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材との間でのフレネル反射によって多重反射された光により、前記実像の背景に複数の虚像を表示するように構成されている、
    空中像表示装置。
  2. 請求項1に記載の空中像表示装置において、前記第2の光学部材が、前記再帰反射シートの表面側に配置されたハーフミラーをさらに備え、前記虚像が、該第2の光学部材のハーフミラーと、前記第1の光学部材のハーフミラーとの間の多重反射により形成されることを特徴とする、空中像表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の空中像表示装置において、前記第2の光学部材の前記ハーフミラーと、前記再帰反射シートとの間に、再帰反射シートに入射する光を抑制するための遮光シートが配置されていることを特徴とする、空中像表示装置。
  4. 請求項3に記載の空中像表示装置において、前記の再帰反射シートに入射する光を抑制するための遮光シートが、光透過率が連続的又は段階的に変化するグラデーションシートとなっていることを特徴とする、空中像表示装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の空中像表示装置において、前記実像の輝度が、前記虚像の輝度よりも大きいことを特徴とする、空中像表示装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の空中像表示装置において、全反射ミラーをさらに備え、前記第1の光源から照射された光が、該全反射ミラーに入射して反射され、前記第1の光学部材のハーフミラーに入射するよう構成されていることを特徴とする、空中像表示装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の空中像表示装置において、前記第1の光源の表面側に配置された、遮蔽部材を備えることを特徴とする、空中像表示装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の空中像表示装置を照明装置として備える照明装置付き内装部材。
  9. 請求項8に記載の照明装置付き内装部材において、該内装部材の内部に収納空間を備え、前記第2の発光表示部が表示する複数の虚像が、前記収納空間の形状を模倣するように表示されることを特徴とする、照明装置付き内装部材。
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