JP2019199835A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタが異常であると診断することができる内燃機関の排気浄化装置を提供すること。【解決手段】排気浄化装置20は、排気通路13を流れる排気に含まれるPMを捕集するフィルタ22を備えるとともに、酸化機能を有するフィルタ装置21と、排気通路13におけるフィルタ22よりも上流側とフィルタ22よりも下流側との差圧であるフィルタ前後差圧を導出する差圧導出部31と、排気に含まれる一酸化窒素の酸化によって二酸化窒素がフィルタ装置21内で生成される状況下で、規定期間におけるフィルタ前後差圧の上昇量が判定上昇量以上であるときに、フィルタ22が異常であると診断する診断部32とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、排気通路を流れる排気に含まれるパティキュレート・マターを捕集するフィルタを備えるとともに、同フィルタの異常を診断する機能を有する内燃機関の排気浄化装置に関する。
特許文献1には、排気通路を流れる排気に含まれるパティキュレート・マターを捕集するフィルタを備える排気浄化装置の一例が記載されている。
フィルタのパティキュレート・マターの捕集量が規定量を越えると、フィルタによってパティキュレート・マターをさらに捕集することが困難となる。このようにフィルタの捕集能力が低下した場合には、捕集能力を回復させるための再生処理が実施されることがある。再生処理としては、例えば、未燃燃料をフィルタに供給することによって、同フィルタに捕集されているパティキュレート・マターを燃焼させる処理が知られている。
フィルタのパティキュレート・マターの捕集量が規定量を越えると、フィルタによってパティキュレート・マターをさらに捕集することが困難となる。このようにフィルタの捕集能力が低下した場合には、捕集能力を回復させるための再生処理が実施されることがある。再生処理としては、例えば、未燃燃料をフィルタに供給することによって、同フィルタに捕集されているパティキュレート・マターを燃焼させる処理が知られている。
フィルタが正常である場合、上記のような再生処理が実施されると、フィルタに捕集されているパティキュレート・マターが燃焼するため、同フィルタの温度が上昇する。その結果、排気がフィルタを通過するに際して温度が上昇するため、排気通路におけるフィルタよりも上流側と同フィルタよりも下流側との温度差が大きくなる。一方、フィルタが異常である場合、上記再生処理が実施されても、フィルタに捕集されているパティキュレート・マターを好適に燃焼させることができないことがある。この場合、フィルタの温度があまり上昇しないため、排気がフィルタを通過しても温度があまり上昇しない。その結果、上記温度差があまり大きくならない。したがって、再生処理の実施中における当該温度差を基に、フィルタが正常であるか異常であるかを診断することができる。
排気浄化装置として、排気通路におけるフィルタよりも上流に酸化触媒が配置されているものが知られている。こうした排気浄化装置では、上記のような再生処理が実施されているときにおける、排気通路における酸化触媒よりも上流側とフィルタよりも下流側との温度差を基に、フィルタが正常であるか異常であるか否かを診断することが考えられる。
しかしながら、再生処理中では、酸化触媒が発熱することがある。この場合、酸化触媒を通過した高温の排気がフィルタに流入することになる。すると、フィルタが異常であるために同フィルタに捕集されているパティキュレート・マターがあまり燃焼しなかったとしても、排気通路における酸化触媒よりも上流側とフィルタよりも下流側との温度差が大きくなる。その結果、実際にはフィルタが異常であるにも拘わらず、フィルタが正常であると診断されるおそれがある。
上記課題を解決するための内燃機関の排気浄化装置は、排気通路を流れる排気に含まれるパティキュレート・マターを捕集するフィルタを備えるとともに、酸化機能を有するフィルタ装置と、前記排気通路における前記フィルタよりも上流側と同フィルタよりも下流側との差圧であるフィルタ前後差圧を導出する差圧導出部と、排気に含まれる一酸化窒素の酸化によって二酸化窒素が前記フィルタ装置内で生成される状況下で、規定期間における前記フィルタ前後差圧の上昇量が判定上昇量以上であるときに、前記フィルタが異常であると診断する診断部と、を備えている。
フィルタにおけるパティキュレート・マターの捕集量が多いほど、排気がフィルタを通過しにくくなる分、フィルタ前後差圧が大きくなりやすい。
上記構成によれば、フィルタ装置が酸化機能を有しているため、フィルタ装置では、排気中の一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生成される。フィルタが正常である場合、フィルタに捕集されているパティキュレート・マターを二酸化窒素によって酸化させることによって、同フィルタを再生することができる。すなわち、フィルタにおけるパティキュレート・マターの捕集量の増大を抑制できる。その結果、フィルタ前後差圧が大きくなりにくい。
上記構成によれば、フィルタ装置が酸化機能を有しているため、フィルタ装置では、排気中の一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生成される。フィルタが正常である場合、フィルタに捕集されているパティキュレート・マターを二酸化窒素によって酸化させることによって、同フィルタを再生することができる。すなわち、フィルタにおけるパティキュレート・マターの捕集量の増大を抑制できる。その結果、フィルタ前後差圧が大きくなりにくい。
一方、フィルタが異常である場合、フィルタ装置内では、二酸化窒素を用いたパティキュレート・マターの酸化が行われにくい。この場合、フィルタでは、酸化するパティキュレート・マターの量よりも新たに捕集されるパティキュレート・マターの量の方が多くなりやすい。すなわち、フィルタにおけるパティキュレート・マターの捕集量が増大してしまう。その結果、フィルタ装置内で二酸化窒素が生成される状況下であってもフィルタ前後差圧が大きくなりやすい。
上記構成では、フィルタ装置内で二酸化窒素が生成される状況下で規定期間におけるフィルタ前後差圧の上昇量が算出される。フィルタが正常である場合、フィルタ前後差圧があまり変化しないため、上記上昇量が大きくなりにくい。一方、フィルタが異常である場合、上記のようにフィルタ前後差圧が大きくなるため、上記上昇量が大きくなる。そして、算出した上記上昇量が判定上昇量以上であるときに、フィルタが異常であると診断することができる。
以下、内燃機関の排気浄化装置の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1には、本実施形態の排気浄化装置20を備える内燃機関10が図示されている。図1に示すように、内燃機関10を構成する複数(図1では4つ)の気筒11内では、吸気通路12から導入された吸入空気と、燃料噴射弁から噴射された燃料とを含む混合気が燃焼される。混合気の燃焼によって各気筒11内で生じた排気は、排気通路13に排出される。
図1には、本実施形態の排気浄化装置20を備える内燃機関10が図示されている。図1に示すように、内燃機関10を構成する複数(図1では4つ)の気筒11内では、吸気通路12から導入された吸入空気と、燃料噴射弁から噴射された燃料とを含む混合気が燃焼される。混合気の燃焼によって各気筒11内で生じた排気は、排気通路13に排出される。
排気浄化装置20は、排気通路13に設けられているフィルタ装置21と、制御装置30とを備えている。フィルタ装置21は、排気通路13を流れる排気に含まれるパティキュレート・マター(以下、「PM」という。)を捕集するフィルタ22と、フィルタ22よりも排気上流に配置されている酸化触媒23とを有している。なお、PMとは、燃料が燃え切らなかったために生じる煤のことであり、炭素(C)を主成分とするものである。
酸化触媒23は、担体の表面に白金などの貴金属が担持されたものである。酸化触媒23では、排気中の炭化水素(HC)が酸化されて水(H20)と二酸化炭素(CO2)とが生成される。また、排気中の一酸化炭素(CO)が酸化されて二酸化炭素(CO2)が生成される。さらに、排気中の一酸化窒素(NO)が酸化されて二酸化窒素(NO2)が生成される。すなわち、酸化触媒23を備えるフィルタ装置21は、酸化機能を有している。
なお、酸化触媒23の雰囲気温度が所定の作用温度領域に含まれるときに、このような酸化触媒23の酸化機能が作用する。しかし、酸化触媒23の雰囲気温度が作用温度領域の下限温度TMPLL未満である場合、一酸化窒素が酸化されにくくなる、つまり二酸化窒素が生成されにくくなる。一方、酸化触媒23の雰囲気温度が作用温度領域の上限温度TMPULよりも高い場合、二酸化窒素が一酸化窒素と酸素(O2)とに分解されやすい。
フィルタ22は、多孔質性のセラミックで構成されている。そして、フィルタ22の表面には、PMの酸化を促進するための触媒が担持されている。なお、本実施形態では、フィルタ22は、排気通路13において酸化触媒23とは間隔をあけて配置されている。
排気浄化装置20では、排気浄化装置20内で生成された二酸化窒素、すなわち酸化触媒23で生成された二酸化窒素やフィルタ22自身で生成した二酸化窒素によって、フィルタ22に捕集されているPMを燃焼させることができる。すなわち、フィルタ22では、以下の反応式(式1)に示すような二酸化窒素と炭素との化学反応によって、二酸化炭素を生成させることができる。このように二酸化窒素を用いたフィルタ22の再生のことを、「パッシブ再生」ともいう。こうしたパッシブ再生は、排気浄化装置20の雰囲気温度が上記作用温度領域に含まれるときに行われる。
制御装置30は、フィルタ22が正常であるか異常であるかを診断するための機能部として、差圧導出部31及び診断部32を有している。
差圧導出部31は、差圧センサ55の出力信号を基に、フィルタ前後差圧DPFを算出する。
差圧導出部31は、差圧センサ55の出力信号を基に、フィルタ前後差圧DPFを算出する。
診断部32は、フィルタ装置21内で二酸化窒素が発生する状況下で、フィルタ22が異常であるか正常であるかを診断する。フィルタ22が正常である場合、フィルタ装置21内で二酸化窒素が発生していると、二酸化窒素によってフィルタ22に捕集されているPMの燃焼が促進される。そのため、PMを含む排気がフィルタ22に流入する状況下であってもフィルタ前後差圧DPFはあまり大きくならない。一方、フィルタ22に何らかの異常が発生している場合、フィルタ装置21内で二酸化窒素が発生する状況下であっても、フィルタ22に捕集されているPMがあまり燃焼されない。この場合、PMを含む排気がフィルタ22に流入しているため、フィルタ22内でのPMの燃焼量よりも、フィルタ22に新たに捕集されるPMの量のほうが多くなる。その結果、フィルタ前後差圧DPFが大きくなる。つまり、ここでいう「フィルタ22の異常」とは、フィルタ装置21内で二酸化窒素が発生する状況下であっても、フィルタ22に捕集されているPMがあまり燃焼されない事象のことである。
次に、図2を参照し、フィルタ22が正常であるか異常であるかを診断する際の処理手順について説明する。
はじめのステップS11において、診断をするための前提条件が成立しているか否かの判定が行われる。本実施形態では、以下に示す条件(1),(2),(3)の何れもが成立しているときに、前提条件が成立していると判定する。
(1)第1の排気温TEX1が規定温度範囲内であること。
(2)第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが自己酸化判定温度TMPTh1未満であること。
(3)フィルタ22におけるPMの捕集量の算出値Xが規定量XTh以上であると判定できること。
はじめのステップS11において、診断をするための前提条件が成立しているか否かの判定が行われる。本実施形態では、以下に示す条件(1),(2),(3)の何れもが成立しているときに、前提条件が成立していると判定する。
(1)第1の排気温TEX1が規定温度範囲内であること。
(2)第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが自己酸化判定温度TMPTh1未満であること。
(3)フィルタ22におけるPMの捕集量の算出値Xが規定量XTh以上であると判定できること。
第1の排気温TEX1が規定温度範囲の下限未満である場合、酸化触媒23が活性化せず、すなわち酸化触媒23で二酸化窒素が生成されにくく、フィルタ22に流入する二酸化窒素の量が少ない可能性がある。この場合、フィルタ22が正常であってもパッシブ再生を行いにくくなる。一方、第1の排気温TEX1が規定温度範囲の上限よりも高い場合、二酸化窒素が一酸化窒素と酸素とに分解され、パッシブ再生を行いにくくなる。つまり、パッシブ再生が行いやすい温度雰囲気であるか否かを第1の排気温TEX1を基に判定するための基準として、規定温度範囲が設定されている。
第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが高温すぎると、フィルタ22に捕集されているPMが自己酸化しやすくなる。そのため、フィルタ22に捕集されているPMが自己酸化しやすい温度雰囲気であるか否かの判断基準として、自己酸化判定温度TMPTh1が設定されている。この自己酸化判定温度TMPTh1は、作用温度領域の上限温度TMPULと同じ温度、又は上限温度TMPULよりも高い温度に設定されている。
フィルタ22におけるPMの捕集量の算出値Xが少ない場合、フィルタ22が異常であってもフィルタ前後差圧DPFがあまり大きくならない。すなわち、上記診断を行うことができない。そこで、上記診断を行うことができる程度にPMの捕集量が多くなっているか否かの判断基準として、規定量XThが設定されている。
例えば、フィルタ22におけるPMの捕集量の算出値Xは、各気筒11からのPMの排出量を基に算出することができる。PMの排出量は、機関回転速度及び燃料噴射弁の燃料噴射量によって変わる。そのため、機関回転速度及び燃料噴射弁の燃料噴射量と、気筒11からのPMの排出量との関係を示す公知のマップを用いることにより、排出量を求めることができる。
ステップS11において、前提条件が成立していない場合(NO)、前提条件が成立するまでステップS11の判定が繰り返される。一方、前提条件が成立している場合(S11:YES)、処理が次のステップS12に移行される。ステップS12において、第1のフィルタ前後差圧DPF1の取得条件が成立しているか否かの判定が行われる。すなわち、ステップS12では、排気通路13を流れる排気の流量が規定流量以上であるときに、取得条件が成立していると判定される。排気の流量が少ないと、フィルタ22に多くのPMが捕集されていたとしても、フィルタ前後差圧DPFがあまり大きくならない。そこで、上記診断を行うことができる程度にフィルタ前後差圧DPFが大きくなるか否かの判断基準として規定流量が設定されている。
ここで、排気通路13を流れる排気の流量は、吸入空気量GAとある程度相関している。そこで、例えば、吸入空気量GAに基づいて排気の流量を推定演算し、この排気の流量の推定値を用い、ステップS12の判定が行われる。
ステップS12において、取得条件が成立していない場合(NO)、取得条件が成立するまでステップS12の判定が繰り返される。一方、取得条件が成立している場合(S12:YES)、処理が次のステップS13に移行される。ステップS13において、差圧導出部31によって、現時点のフィルタ前後差圧DPFが第1のフィルタ前後差圧DPF1として算出される。なお、ステップS13の算出処理では、所定の算出期間内におけるフィルタ前後差圧DPFの平均値を第1のフィルタ前後差圧DPF1として算出するようにしてもよい。
そして、次のステップS14において、第2のフィルタ前後差圧DPF2の取得条件が成立しているか否かの判定が行われる。すなわち、ステップS14では、以下に示す条件(4),(5),(6)の何れもが成立しているときに、取得条件が成立していると判定される。
(4)第1のフィルタ前後差圧DPF1が取得された時点からのフィルタ22におけるPMの捕集量の算出値Xの増加量が判定増加量ΔXTh以上であること。
(5)第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが下限判定温度TMPTh2以上であること。
(6)第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが上限判定温度TMPTh3未満であること。
(4)第1のフィルタ前後差圧DPF1が取得された時点からのフィルタ22におけるPMの捕集量の算出値Xの増加量が判定増加量ΔXTh以上であること。
(5)第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが下限判定温度TMPTh2以上であること。
(6)第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが上限判定温度TMPTh3未満であること。
PMの捕集量の算出値Xの増加量とは、パッシブ再生によってフィルタ22に捕集されているPMが燃焼していないという仮定の下で算出される値である。すなわち、PMの捕集量の算出値Xの増加量は、第1のフィルタ前後差圧DPF1が取得された時点からの各気筒11からのPMの排出量の積算値に応じた値である。
下限判定温度TMPTh2は、上記作用温度領域の下限温度TMPLLと同じ、又は下限温度TMPLLよりも僅かに低い温度に設定されている。そのため、第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが下限判定温度TMPTh2未満である場合、フィルタ装置21内で二酸化窒素がほとんど生成されない。
上限判定温度TMPTh3は、下限判定温度TMPTh2よりも高い温度である。例えば、上限判定温度TMPTh3は、自己酸化判定温度TMPTh1と同じである。そのため、第2の排気温TEX2及び第3の排気温TEX3の何れもが上限判定温度TMPTh3以上である場合、フィルタ22に捕集されているPMが自己酸化しやすくなる。
ステップS14において、取得条件が成立していない場合(NO)、取得条件が成立するまでステップS14の判定が繰り返される。一方、取得条件が成立している場合(S14:YES)、処理が次のステップS15に移行される。ステップS15において、差圧導出部31によって、現時点のフィルタ前後差圧DPFが第2のフィルタ前後差圧DPF2として算出される。なお、ステップS15の算出処理では、所定の算出期間内におけるフィルタ前後差圧DPFの平均値を第2のフィルタ前後差圧DPF2として算出するようにしてもよい。
そして、次のステップS16において、診断部32によって、第2のフィルタ前後差圧DPF2と第1のフィルタ前後差圧DPF1との差分ΔDPFが判定上昇量ΔDPFTh以上であるか否かの判定が行われる。本実施形態では、第1のフィルタ前後差圧DPF1が取得されてから第2のフィルタ前後差圧DPF2が取得されるまでの期間が「規定期間」に相当する。すなわち、第1のフィルタ前後差圧DPF1が取得された時点からのフィルタ22におけるPMの捕集量の算出値Xの増加量が「0」から判定増加量ΔXThになるまでの期間が、「規定期間」に相当するということができる。そのため、差分ΔDPFが、規定期間におけるフィルタ前後差圧DPFの上昇量に相当する。差分ΔDPFが判定上昇量ΔDPFTh以上であるときは、フィルタ22に捕集されているPMの燃焼量よりもフィルタ22に新たに捕集されるPMの量の方が多いと判定できるため、フィルタ22が異常であると診断する。一方、差分ΔDPFが判定上昇量ΔDPFTh未満であるときは、フィルタ22に捕集されているPMの燃焼量よりもフィルタ22に新たに捕集されるPMの量のほうが多いとの判定がなされないため、フィルタ22が正常であると診断する。
そして、ステップS16において、差分ΔDPFが判定上昇量ΔDPFTh以上である場合(YES)、処理が次のステップS17に移行される。ステップS17において、異常フラグFLG1にオンがセットされるとともに、正常フラグFLG2にオフがセットされる。異常フラグFLG1は、フィルタ22が異常であると診断されたときにオンがセットされるフラグである。正常フラグFLG2は、フィルタ22が正常であると診断されたときにオンがセットされるフラグである。そして、一連の処理が終了される。
一方、ステップS16において、差分ΔDPFが判定上昇量ΔDPFTh未満である場合(NO)、処理が次のステップS18に移行される。ステップS18において、異常フラグFLG1にオフがセットされるとともに、正常フラグFLG2にオンがセットされる。そして、一連の処理が終了される。
次に、図3を参照し、本実施形態の作用及び効果について説明する。
機関運転が行われている場合、各気筒11内から排気が排気通路13に排出される。そして、フィルタ装置21には、排気に含まれるPMがフィルタ22に捕集される。そして、フィルタ装置21の雰囲気温度が作用温度領域に含まれている場合、フィルタ装置21の酸化機能が作用するため、フィルタ装置21内では一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生成される。すなわち、フィルタ装置21の酸化触媒23で一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生成され、当該二酸化窒素がフィルタ22に供給される。また、フィルタ22自身にも酸化機能があるため、フィルタ22内でも、一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生成される。
機関運転が行われている場合、各気筒11内から排気が排気通路13に排出される。そして、フィルタ装置21には、排気に含まれるPMがフィルタ22に捕集される。そして、フィルタ装置21の雰囲気温度が作用温度領域に含まれている場合、フィルタ装置21の酸化機能が作用するため、フィルタ装置21内では一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生成される。すなわち、フィルタ装置21の酸化触媒23で一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生成され、当該二酸化窒素がフィルタ22に供給される。また、フィルタ22自身にも酸化機能があるため、フィルタ22内でも、一酸化窒素が酸化されて二酸化窒素が生成される。
本実施形態では、このようにフィルタ装置21内で二酸化窒素が生成される状況下で、フィルタ22の診断が行われる。図3に示すようにタイミングt11で第1のフィルタ前後差圧DPF1の取得条件が成立すると、タイミングt11におけるフィルタ前後差圧DPFが第1のフィルタ前後差圧DPF1として取得される。そして、タイミングt12で、タイミングt11からのフィルタ22によるPMの捕集量の算出値Xの増加量が判定上昇ΔXTh以上になる。すると、タイミングt12におけるフィルタ前後差圧DPFが第2のフィルタ前後差圧DPF2として取得される。すなわち、タイミングt11からタイミングt12間での期間が、「規定期間」に相当する。そして、第2のフィルタ前後差圧DPF2と第1のフィルタ前後差圧DPF1との差分ΔDPFが判定上昇量ΔDPFTh以上であるか否かの判定が行われる。
フィルタ22が正常である場合、フィルタ装置21ではパッシブ再生が行われる。すなわち、フィルタ22内では、二酸化窒素を用いたPMの燃焼が促進される。そのため、上記差分ΔDPFが大きくなりにくい。その結果、差分ΔDPFが判定上昇量ΔDPFTh未満となり、フィルタ22が正常であると診断される。
一方、フィルタ22が異常である場合、フィルタ22に二酸化窒素が供給されたり、フィルタ22内で二酸化窒素が生成されたりしても、フィルタ22に捕集されているPMがあまり燃焼されない。そのため、フィルタ22内では、二酸化窒素を用いて燃焼されるPMの量よりも、フィルタに新たに捕集されるPMの量のほうが多くなりやすい。すなわち、上記差分ΔDPFが大きくなる。その結果、差分ΔDPFが判定上昇量ΔDPFTh以上となり、フィルタ22が異常であると診断することができる。
したがって、本実施形態では、第1の排気温TEX1と第3の排気温TEX3との差が大きくならなくても、フィルタ22が異常であるときには異常と診断することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・フィルタ装置は、フィルタ22自身が酸化機能を有しているため、酸化触媒23を備えない構成であってもよい。この場合、フィルタ22では、フィルタ22自身で生成された二酸化窒素を用いてPMを燃焼させることとなる。この場合であっても、フィルタ22が異常であるときには、フィルタ22が正常であるときよりもPMの捕集量が増大しやすい。そのため、第2のフィルタ前後差圧DPF2と第1のフィルタ前後差圧DPF1との差分ΔDPFと判定上昇量ΔDPFThとを用いることにより、フィルタ22が正常であるか異常であるかを診断することができる。
・規定期間を、第1のフィルタ前後差圧DPF1が導出された時点から、同時点から規定時間が経過した時点までの期間としてもよい。
・排気通路13を流れる排気の流量によって、フィルタ前後差圧DPFの大きさが変わるため、判定上昇量ΔDPFThを排気の流量に応じて可変としてもよい。
・排気通路13を流れる排気の流量によって、フィルタ前後差圧DPFの大きさが変わるため、判定上昇量ΔDPFThを排気の流量に応じて可変としてもよい。
10…内燃機関、13…排気通路、20…排気浄化装置、21…フィルタ装置、22…フィルタ、31…差圧導出部、32…診断部。
Claims (1)
- 排気通路を流れる排気に含まれるパティキュレート・マターを捕集するフィルタを備えるとともに、酸化機能を有するフィルタ装置と、
前記排気通路における前記フィルタよりも上流側と同フィルタよりも下流側との差圧であるフィルタ前後差圧を導出する差圧導出部と、
排気に含まれる一酸化窒素の酸化によって二酸化窒素が前記フィルタ装置内で生成される状況下で、規定期間における前記フィルタ前後差圧の上昇量が判定上昇量以上であるときに、前記フィルタが異常であると診断する診断部と、を備える
内燃機関の排気浄化装置。
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