JP2019196492A - 粘着テープ - Google Patents

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泰志 石堂
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由貴 石川
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Abstract

【課題】光学フィルムの固定に好適に用いられる、被着体に対する高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性とを両立した粘着テープを提供する。【解決手段】少なくとも、アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーと架橋性官能基含有モノマーとを含有するモノマー混合物をリビングラジカル重合して得られた、重量平均分子量30万〜200万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを60重量%以上含有するポリマー成分と、粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、前記アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーは、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート又はイソオクチルアクリレートであり、前記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が60重量%以上であり、前記粘着剤層のゲル分率が50重量%以下である粘着テープ。【選択図】 なし

Description

本発明は、光学フィルムの固定に好適に用いられる、被着体に対する高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性とを両立した粘着テープに関する。
画像表示装置又は入力装置を搭載した携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)においては、組み立てのために粘着テープが用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールの光学フィルムに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために粘着テープが用いられている。
このような粘着テープは、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられる(例えば、特許文献1、2)。
光学フィルムの固定に用いられる粘着テープには、粘着力の他に、耐ひずみ応力性が要求される。即ち、粘着テープにより固定された光学フィルムが高温にさらされた場合、粘着テープと光学フィルムとの線膨張係数の相違により、両者の伸び縮みの挙動に相違が生じる。粘着テープと光学フィルムとが強固に固定されていると、その伸び縮みの挙動の相違によって生じた応力が光学フィルムに残存し、光学歪みの原因となる。粘着テープと光学フィルムとの固定を緩やかにすると、光学歪みの発生は抑えられるが、粘着力が不充分になるという問題が発生する。このように、一般に粘着力と耐ひずみ応力性とはトレードオフの関係にあった。
とりわけ近年の大型の携帯電子機器における部品の接着固定においては、重量の大きな部品又は部材を貼り合わせる必要があり、粘着テープにかかる負荷が大きくなっている。また、近年の携帯電子機器では、表示画面の周辺を狭くしてより広い画面を確保する、いわゆる狭額縁化が進んでおり、狭額縁化した携帯電子機器では画面の周辺部の幅が極めて狭いため、接着面積が狭くとも確実に部材を固定できる高い粘着力、とりわけ定荷重を負荷したときに剥がれにくい、高い定荷重剥離性が求められている。
従って、電子機器部品の光学フィルムの固定に用いられる粘着テープには、従来以上に被着体に対する高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性の両立が要求されるようになってきている。
特開2009−242541号公報 特開2009−258274号公報
本発明は、上記現状に鑑み、光学フィルムの固定に好適に用いられる、被着体に対する高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性とを両立した粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーと架橋性官能基含有モノマーとを含有するモノマー混合物をリビングラジカル重合して得られた、重量平均分子量30万〜200万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを60重量%以上含有するポリマー成分と、粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、前記アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーは、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート又はイソオクチルアクリレートであり、前記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が60重量%以上であり、前記粘着剤層のゲル分率が50重量%以下である粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーを主成分とし、架橋性官能基含有モノマーを含有するモノマー混合物をリビングラジカル重合して得られた、重量平均分子量30万〜200万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーを主成分とし、かつ、架橋剤を用いて粘着剤層のゲル分率を50重量%以下とすることにより、被着体に対する高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性とを両立できる粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の粘着テープは、リビングラジカル重合して得られたアクリル系ポリマー(本明細書中「リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー」ともいう)を含有するポリマー成分を含有する粘着剤層を有する。
上記粘着剤層が上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを含有することにより、本発明の粘着テープは、被着体に対する高い定荷重剥離性と耐ひずみ応力性とを両立することができる。
上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーは、少なくともアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーと架橋性官能基含有モノマーとを含有するモノマー混合物を原料として、リビングラジカル重合、好ましくは有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーである。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合によれば、例えばフリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有するポリマーが得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができるため、粘着テープが剥がれにくくなり、被着体に対する定荷重剥離性が向上する。
図1にリビングラジカル重合を説明する模式図を示した。リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合では、生長末端ラジカルが失活することなく、また反応中に新しくラジカル種が発生することもなく、反応が進行する。その反応途中では、全てのポリマー鎖が均一にモノマーと反応しながら重合し、全てのポリマーの組成は均一に近づく。そのため、架橋性官能基含有モノマー12は、リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー1の全てのポリマーに含まれる。このようなリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー1を、架橋剤を用いて架橋すると、ほとんど全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができる。とりわけ架橋性官能基含有モノマーを含まない低分子量成分が少ないため、ゲル分率50重量%以下の架橋であっても、全てのポリマー鎖が架橋に関与する確率が向上する。図2に、リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーでは、全てのポリマーの組成は均一であり、架橋性官能基含有モノマーを含むことから、すべてのポリマー鎖が架橋に関与している。なお、図2では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。このように、ほとんど全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができることから、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮できる粘着テープを得ることができる。
本発明の効果は、従来のフリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを用いても得ることはできない。
図3にフリーラジカル重合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合では、反応中に連続的にラジカル種が発生してモノマーに付加し、重合が進行する。そのためフリーラジカル重合では、反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー23や、反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー24が生成する。そのため、架橋性官能基を含有するアクリル系ポリマーをフリーラジカル重合で製造すると、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーが生成してしまう。このようなフリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー2を、架橋剤を用いて架橋しても、架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーは、ポリマー鎖間での架橋に関与することができない。図4に、フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーでは、ポリマーの組成が不均一であり、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーを含むことから、架橋に関与できないポリマー鎖が存在している。なお、図4では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。薄い粘着テープとして被着体に貼着して荷重を付加したときに、架橋に関与できない架橋性官能基含有モノマーを含まない部位から剥離が発生してしまうことから、被着体に対する定荷重剥離性を発揮することはできない。
リビングラジカル重合のなかでも、有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合は、他のリビングラジカル重合とは異なり、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基及びニトリル基等の架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーをいずれも保護することなく、同一の開始剤で重合して均一な分子量及び組成を有するポリマーを得ることができる。このため、架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーを容易に共重合することができる。
上記有機テルル重合開始剤は、リビングラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、有機テルル化合物、有機テルリド化合物等が挙げられる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機テルリド化合物として、例えば、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−sec−ブチルジテルリド、ジ−tert−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。これらの有機テルリド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記有機テルル重合開始剤に加えて、重合速度の促進を目的として重合開始剤としてアゾ化合物を用いてもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーの原料となるモノマー混合物は、少なくとも、アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーと架橋性官能基含有モノマーとを含有する。
上記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量は60重量%以上である。主成分としてアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーを含有することにより、得られる本発明の粘着テープは、高い耐ひずみ応力性を発揮することができる。上記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量は80重量%以上であることが好ましい。
上記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量の上限は特に限定されないが、他のモノマー成分、即ち架橋性官能基含有モノマーの配合量等を考慮すると、99.99重量%程度が実質的な上限である。
上記アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート等のアルキル基が環構造を含まないオクチル基の構造異性体であるアクリル酸アルキルエステルモノマーが挙げられる。なかでも、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレートが好ましく、2−エチルヘキシルアクリレートがより好ましい。
上記架橋性官能基含有モノマーは、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーに架橋性官能基を挿入する役割を有する。
上記架橋性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、グリジシル基、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調整が容易であることから、水酸基又はカルボキシル基が好ましく、水酸基がより好ましい。
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記架橋性官能基含有モノマーとして水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、上記モノマー混合物中の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は30重量%である。上記水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルの含有量が0.01重量%未満であると、得られる粘着剤層が柔らかくなりすぎて、耐熱性が低下することがあり、30重量%を超えると、得られる粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなったり、耐ひずみ応力性が低下してしまったりすることがある。
上記架橋性官能基含有モノマーとしてカルボキシル基を有するアクリル系モノマーを用いる場合、上記モノマー混合物中の含有量は限定されないが、好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は10重量%である。上記カルボキシル基を有するアクリル系モノマーの含有量が0.1重量%未満であると、得られる粘着剤層が柔らかくなりすぎて、耐熱性が低下することがあり、10重量%を超えると、得られる粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなったり、耐ひずみ応力性が低下してしまったりすることがある。
上記混合モノマーは、上記アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマー、架橋性官能基含有モノマー以外の他のラジカル重合性モノマーを含有してもよい。上記他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、他の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、上記アクリル系モノマーに加えて、ビニル化合物をモノマーとして用いてもよい。
上記他の(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ビニル化合物は特に限定されず、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−アクリロイルモルフォリン、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらのビニル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合においては、分散安定剤を用いてもよい。上記分散安定剤として、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0〜110℃が好ましい。
上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)の下限が30万、上限が200万である。上記重量平均分子量が30万未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、耐熱性が低下する。上記重量平均分子量が200万を超えると、塗工時の粘度が高すぎて塗工し難くなり、上記粘着剤層の厚みムラを発生させてしまうことがある。上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)の好ましい下限は40万、好ましい上限は150万である。
上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーは、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜2.5である。上記分子量分布が2.5を超えると、上記リビングラジカル重合において生成した低分子量成分等が増えるため、粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下する。上記分子量分布の好ましい上限は2.0であり、より好ましい上限は1.8であり、更に好ましい上限は1.7である。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
上記粘着剤層は、ポリマー成分として、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー以外のポリマー、例えば、フリーラジカル重合により得られたポリマー等を含有してもよい。
ただし、上記ポリマー成分中における上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーの含有量の下限は60重量%であり、ポリマー成分の全量(100重量%)が上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーであることが好ましい。ポリマー成分中の上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーの含有量を60重量%以上とすることにより、被着体に対する高い定荷重剥離性を発揮することができる。
なお、後述する粘着付与樹脂は、ポリマー成分には含まない。
上記粘着剤層は、ゲル分率が50重量%以下である。
フリーラジカル重合アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層を有する粘着テープでは、定荷重剥離性の優れるゲル分率に設定すると耐ひずみ応力性が低下してしまい、耐ひずみ応力性が優れるゲル分率に設定すると定荷重剥離性が低下してしまうというトレードオフの関係のため、ゲル分率を15〜35%の間というやや狭い領域内で調整せざるを得なかった。
一方、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層を有する粘着テープでは、ゲル分率が80重量%以上であると接着力が低下して、剥離時に糊残りしないという性能が発揮されることが知られている。このことは、ゲル分率を80重量%未満とすることにより接着力が上昇することを意味する。しかしながら、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーをポリマー成分として含有する粘着剤層を有する粘着テープにおいて、薄くとも剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮でき、更に耐ひずみ応力性の良好なゲル分率の範囲については知られていなかった。
本発明者らは、鋭意検討の結果、モノマー成分として2−エチルヘキシルアクリレートを含有するリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層のゲル分率を50重量%以下とすることにより、被着体に対して高い定荷重剥離性と粘着剤凝集力を発揮でき、かつ、高い耐ひずみ応力性を発揮できることを見出した。これは、リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーは、含有する全てのポリマーの組成が均一で架橋性官能基を有することから、全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができるため、充分な粘着剤凝集力を発揮できることができ、かつ、定荷重剥離力が向上するためと考えられる。
上記ゲル分率が50重量%を超えると、上記粘着剤層が硬くなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下する。上記ゲル分率は、45重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましい。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記範囲のゲル分率の粘着剤層を得るために、上記粘着剤層は架橋剤を含有する。上記架橋剤の種類又は量を適宜調整することによって、上記粘着剤層のゲル分率を上記範囲に調整しやすくなる。上記架橋剤は特に限定されず、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーの架橋性官能基の種類に応じて、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等を選択して用いる。
例えば、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーが架橋性官能基として水酸基を有する場合、架橋剤として例えばイソシアネート系架橋剤を用いることにより、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋させることができる。また、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーが架橋性官能基としてカルボキシル基を有する場合、架橋剤として例えばエポキシ系架橋剤又はアジリジン系架橋剤を用いることにより、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー架橋させることができる。リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーは、含有する全てのポリマーの組成が均一で、架橋性官能基を有することから、全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができる。このため、薄い粘着テープであっても剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性と粘着剤凝集力を発揮できる粘着テープを得ることができる。
なかでも、基材に対する密着安定性に優れるため、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記イソシアネート系架橋剤として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)、マイテックNY260A(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記架橋剤の配合量は、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー100重量部に対して好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が5重量部であり、より好ましい下限が0.1重量部、より好ましい上限が3重量部である。この範囲内で、上記粘着剤層のゲル分率を50重量%以下に調整できる。
上記粘着剤層は、更に、粘着付与樹脂を含有することが好ましい。上記粘着剤層が粘着付与樹脂を含有することにより、粘着テープの被着体に対する定荷重剥離性が向上する。なかでも、架橋性官能基を有する粘着付与剤を用いる場合には、架橋剤を介して上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーと架橋させることができる。
上記粘着付与樹脂は、水酸基価の好ましい下限が25、好ましい上限が55である。上記水酸基価が上記範囲を外れると、粘着テープの被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。上記水酸基価のより好ましい下限は30、より好ましい上限は50である。
なお、水酸基価は、JIS K1557(無水フタル酸法)により測定できる。
上記粘着付与樹脂は、軟化温度の好ましい下限が70℃、好ましい上限が170℃である。上記軟化温度が70℃未満であると、上記粘着付与樹脂が柔らかすぎて定荷重剥離性が低下することがある。上記軟化温度が170℃を超えると、上記粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。上記軟化温度のより好ましい下限は120℃である。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記粘着付与樹脂は特に限定されず、ロジンエステル系樹脂等のロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。なかでも、ロジンエステル系樹脂、テルペンフェノール樹脂が好ましい。
上記ロジンエステル系樹脂とは、アビエチン酸を主成分とするロジン樹脂、不均化ロジン樹脂及び水添ロジン樹脂、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)等を、アルコールによってエステル化させて得られた樹脂である。エステル化に用いたアルコールの水酸基の一部がエステル化に使用されずに樹脂内に含有されることで、水酸基価が上記範囲に調整される。アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
なお、ロジン樹脂をエステル化した樹脂がロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂をエステル化した樹脂が不均化ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂をエステル化した樹脂が水添ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂をエステル化した樹脂が重合ロジンエステル樹脂である。
上記テルペンフェノール樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られた樹脂である。
上記不均化ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製スーパーエステルA75(水酸基価23、軟化温度75℃)、同社製スーパーエステルA100(水酸基価16、軟化温度100℃)、同社製スーパーエステルA115(水酸基価19、軟化温度115℃)、同社製スーパーエステルA125(水酸基価15、軟化温度125℃)等が挙げられる。上記水添ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製パインクリスタルKE−359(水酸基価42、軟化温度100℃)、同社製エステルガムH(水酸基価29、軟化温度70℃)等が挙げられる。上記重合ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製ペンセルD135(水酸基価45、軟化温度135℃)、同社製ペンセルD125(水酸基価34、軟化温度125℃)、同社製ペンセルD160(水酸基価42、軟化温度160℃)等が挙げられる。
上記テルペン系樹脂としては、例えば、ヤスハラケミカル社製YSポリスターG150(軟化点150℃)、同社製YSポリスターT100(軟化点100℃)、同社製YSポリスターG125(軟化点125℃)、同社製YSポリスターT115(軟化点115℃)、同社製YSポリスターT130(軟化点130℃)等が挙げられる。
これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与樹脂の含有量は、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が40重量部である。上記含有量が5重量部未満であると、粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。上記含有量が40重量部を超えても、ガラス転移温度(Tg)の上昇により上記粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなることがある。
上記粘着剤層は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤等の添加剤等のその他の樹脂等を含有していてもよい。
本発明の粘着テープは、薄い粘着テープであっても剥がれにくいため、用途に応じて上記粘着剤層、及び、後述する基材を薄くすることができる。
上記粘着剤層の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、好ましい下限が1μm、好ましい上限が100μmである。上記厚みが1μm未満であると、粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。上記厚みが100μmを超えると、薄い粘着テープが得られないことがある。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は3μm、より好ましい上限は75μmであり、更に好ましい下限は5μm、更に好ましい上限は25μmである。
本発明の粘着テープは、基材を有するサポートタイプであってもよいし、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。サポートタイプの場合には、基材の片面に上記粘着剤層が形成されていてもよいし、両面に上記粘着剤層が形成されていてもよい。
上記基材は特に限定されないが、樹脂フィルム、樹脂発泡体、紙、不織布、ヤーンクロス布等が挙げられる。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、PETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム等が挙げられる。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。
上記ヤーンクロス布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたもの等が挙げられる。
特にディスプレイモジュールの組み立てにおいて用いられる両面テープの場合には、光透過防止のために黒色印刷された基材、光反射性向上のために白色印刷された基材、金属蒸着されたフィルム基材等も用いることができる。
上記基材の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、例えばフィルム基材の場合には1〜100μmが好ましく、5〜75μmがより好ましい。上記基材の厚みが1μm未満であると、粘着テープの機械的強度が低下することがある。上記基材の厚みが100μmを超えると、粘着テープの腰が強くなりすぎて、被着体の形状に沿って密着させて貼り合わせることが困難になることがある。
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを、必要に応じて上記粘着付与樹脂、上記架橋剤等のその他の配合成分と共に混合し、攪拌して粘着剤溶液を調製し、続いて、この粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて粘着剤層を形成し、得られた粘着剤層を基材の片面又は両面に転着させる方法、基材に直接塗工乾燥させる方法等が挙げられる。粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて形成した粘着剤層を、基材なしでそのままノンサポートタイプの粘着テープとしてもよい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性とを両立できることから、携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)において、光学フィルムを固定する用途に特に好適に用いることができる。
本発明によれば、光学フィルムの固定に好適に用いられる、被着体に対する高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性とを両立した粘着テープを提供することができる。
リビングラジカル重合を説明する模式図である。 リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図である。 フリーラジカル重合を説明する模式図である。 フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図である。 実施例における光学フィルム歪みの程度を測る試験方法を示した模式図である。 実施例における定荷重剥離試験の試験方法を示した模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(アクリル系ポリマーの調製)
(合成1)
(合成1−1)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモーイソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
(合成1−2)
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、合成例1−1で製造した2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチル19μL、V−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)1.4mg、酢酸エチル1mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、表1に示す混合モノマー(2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート、BA:ブチルアクリレート、EA:エチルアクリレート、AAc:アクリル酸、HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合計100g、重合溶媒として酢酸エチル66.5gを投入し、60℃で20時間重合反応を行い、リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー含有溶液を得た。
得られたリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(合成2〜6)
2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルの仕込み量、V−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)の仕込み量、及び、混合モノマーの組成を表1のようにした以外は、合成1と同様にしてリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー含有溶液を得て、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(合成7)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル50gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)150mgを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、表1に示す混合モノマーの合計100gを2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)150mgを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、フリーラジカル重合ポリマー含有溶液を得た。
合成1と同様にして、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
Figure 2019196492
(実施例1〜6、比較例1〜3)
上記で得られたラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、架橋剤としてコロネートL(イソシアネート系架橋剤、日本ポリウレタン社製)、粘着付与樹脂としてペンセルD135(重合ロジンエステル、荒川化学社製)及びYSポリスターG125(テルペン系粘着付与樹脂、ヤスハラケミカル社製)を表2に示す所定量添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。厚み50μmの離型処理したPETフィルムに、得られた粘着剤溶液を、乾燥後に糊厚みが7.5μmとなるように塗工した後、70℃で10分間乾燥させ、粘着テープを得た。なお、粘着剤層の両側の表面には、粘着剤層を保護するための離型フィルムを積層した。
得られた粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、離型フィルムを剥離除去した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
(評価)
実施例、比較例で得られた粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)光学フィルムの光学歪み試験
図5に光学フィルム歪みの程度を測る試験方法を示した模式図を示した。温度変化による光学フィルムの伸縮変形を粘着剤層で緩和できるかどうかを、図5に示したような試験サンプルを高温条件にさらす方法により評価した。
両面粘着テープを2.5mm幅の額縁状に打ち抜いた試験片30の一方の面の離型フィルムを剥離除去して、露出した粘着剤層上に、図5のように、窓枠4インチ、枠幅5mm、100mm×63mmのPCフレーム31と、88mm×51mmのBEFシート32(TBEF II GMV2(24))とを貼りあわせた。この時に、試験片30とPCフレーム31、試験片30とBEFシート32のそれぞれの接着幅は1mmになるよう調整した。
次に、試験片30の反対面の離型フィルムを剥離除去して、露出した粘着剤層上にガラス板33を貼りあわせ、10Kgの錘を10秒間のせることで、貼着させた。その後、23℃、相対湿度50%の条件下で少なくとも24時間静置することにより、試験サンプル34を作製した。
試験サンプル34を85℃のオーブンに入れて96時間にわたって静置した。しかる後、30分以上かけてゆっくりと常温まで戻し、光学フィルムの歪みがないかを以下の基準により評価した。
◎:歪みが全く認められなかった
○:歪みは認められたものの、画像に影響はなかった
×:歪みが認められ、画像に影響があった
(2)ポリカーボネート(PC)板に対する定荷重剥離性
図6に定荷重剥離試験の試験方法を示した模式図を示した。図6に示したように、得られた両面粘着テープを幅20mm×長さ50mmの短冊状に裁断して試験片41を作製し、この試験片41の表面から離型フィルムを剥離除去して粘着剤層を露出させ、ポリカーボネート板40上に粘着剤層が対向した状態となるように載せた。
次いで、上記試験片41の裏面から離型フィルムを剥離除去して、露出した粘着剤層上に厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(図示せず)を積層した後、上記試験片41の裏面上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラを一往復させることにより、試験片41とポリカーボネート板40とを貼着させ、23℃、相対湿度50%の条件下で24時間静置することにより試験サンプル42を作製した。
次に、この試験サンプル42を85℃のオーブンに入れ、図6に示したように、試験サンプル42の試験片41の一端に、この試験片41に貼着面に対して垂直方向に負荷がかかるように50g錘43を取り付け、試験片41がポリカーボネート板40から落下するまでの時間を測定した。測定値をもとに、以下の基準により定荷重剥離性を評価した。
○:落下時間が1時間以上であった
×:落下時間が1時間未満であった
Figure 2019196492
本発明によれば、光学フィルムの固定に好適に用いられる、被着体に対する高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性とを両立した粘着テープを提供することができる。
1 リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー
11 架橋性官能基を含まないモノマー
12 架橋性官能基含有モノマー
2 フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー
21 架橋性官能基を含まないモノマー
22 架橋性官能基含有モノマー
23 反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー
24 反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー
30 試験片
31 PCフレーム
32 BEFシート
33 ガラス板
34 試験サンプル
40 PC板
41 試験片
42 試験サンプル
43 50g錘

Claims (5)

  1. 少なくとも、アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーと架橋性官能基含有モノマーとを含有するモノマー混合物をリビングラジカル重合して得られた、重量平均分子量30万〜200万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを60重量%以上含有するポリマー成分と、粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、
    前記アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーは、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート又はイソオクチルアクリレートであり、
    前記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が60重量%以上であり、
    前記粘着剤層のゲル分率が50重量%以下である
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. 前記粘着付与樹脂の水酸基価が25以上55以下である、請求項1記載の粘着テープ。
  3. 前記粘着付与樹脂の軟化温度が70℃以上170℃以下である、請求項1又は2記載の粘着テープ。
  4. 前記粘着付与樹脂は、ロジンエステル系樹脂又はテルペンフェノール樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の粘着テープ。
  5. 前記粘着付与樹脂の含有量が、前記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー100重量部に対して、5重量部以上40重量部以下である、請求項1〜4いずれかに記載の粘着テープ。
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