JP2015124302A - グラファイトシート用両面粘着テープ - Google Patents
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Abstract
Description
これらの場合、薄い両面粘着テープでは強度が不足するため、両面粘着テープを剥がす際の強い力でグラファイトシートにクラック又は折りシワが発生してしまい、貼り直した際に放熱性が低下するという問題点があった。
以下、本発明を詳述する。
しかしながら、フリーラジカル重合は、分子量及び分子量分布、共重合体組成等を充分に制御できず、低分子量成分が生成したり、共重合の場合であってもホモポリマーが生成したりするという欠点がある。本発明者らは、このような低分子量成分又はホモポリマーが、両面粘着テープを電子部品から剥がれやすくしたり、グラファイトシートごと両面粘着テープを電子部品から剥離するときに、粘着剤層の剛性が不足するためにグラファイトシートにクラック又は折りシワを発生させたりする原因となっていると考え、フリーラジカル重合ではなく「リビングラジカル重合」により得られたポリマーを用いることを検討した。
本発明者らは、基材の両面に粘着剤層を有するグラファイトシート用両面粘着テープにおいて、少なくとも一方の粘着剤層に、リビングラジカル重合により得られた特定範囲の分子量分布(Mw/Mn)の(メタ)アクリルポリマーを用いることにより、薄い両面粘着テープであっても電子部品から剥がれにくい一方で、グラファイトシートごと電子部品から剥離するときにはグラファイトシートにクラック又は折りシワを発生させることなく剥離することができるグラファイトシート用両面粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本発明の両面粘着テープを用いてグラファイトシートを電子部品に貼り付ける際には、このような(メタ)アクリルポリマーを含有する粘着剤層が電子部品側となるように用いられることが好ましい。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合であるため、分子量及び分子量分布、共重合体組成等を制御しやすく、低分子量成分の生成及び共重合せずに生じるホモポリマーの生成を抑えることができる。このため、上記粘着剤層が上記(メタ)アクリルポリマーを含有することにより、本発明の両面粘着テープは、薄い両面粘着テープであっても電子部品から剥がれにくい一方で、グラファイトシートごと電子部品から剥離するときにはグラファイトシートにクラック又は折りシワを発生させることなく剥離できるものとなる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0〜110℃が好ましい。
上記分子量分布が2.5を超えると、上記リビングラジカル重合において生成した低分子量成分等が増えるため、両面粘着テープが電子部品から剥がれやすくなったり、グラファイトシートごと両面粘着テープを電子部品から剥離するときにグラファイトシートにクラック又は折りシワが発生したりする。上記分子量分布の好ましい上限は2.0であり、より好ましい上限は1.8である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、(メタ)アクリルポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
上記(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ロジンエステル系樹脂とは、アビエチン酸を主成分とするロジン樹脂、不均化ロジン樹脂及び水添ロジン樹脂、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)等を、アルコールによってエステル化させて得られた樹脂である。エステル化に用いたアルコールの水酸基の一部がエステル化に使用されずに樹脂内に含有されることで、水酸基価が上記範囲に調整される。アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。なお、ロジン樹脂をエステル化した樹脂がロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂をエステル化した樹脂が不均化ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂をエステル化した樹脂が水添ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂をエステル化した樹脂が重合ロジンエステル樹脂である。
上記テルペンフェノール樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られた樹脂である。
上記テルペン系樹脂としては、例えば、ヤスハラケミカル社製YSポリスターG150(軟化点150℃)、同社製YSポリスターT100(軟化点100℃)、同社製YSポリスターG125(軟化点125℃)、同社製YSポリスターT115(軟化点115℃)、同社製YSポリスターT130(軟化点130℃)等が挙げられる。
これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、水酸基価は、JIS K1557(無水フタル酸法)により測定できる。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
また、上記ゲル分率の下限は特に限定されないが、好ましい下限は1重量%である。上記ゲル分率が1重量%未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、耐熱性が低下することがある。上記ゲル分率のより好ましい下限は5重量%である。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、両面粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記架橋剤の配合量は、上記(メタ)アクリルポリマー100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
なお、本発明の両面粘着テープを用いてグラファイトシートを電子部品に貼り付ける際には、上記他方の粘着剤層がグラファイトシート側となるように用いられることが好ましい。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルムや、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルムや、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルムや、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。上記ヤーンクロス布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたもの等が挙げられる。
上記基材は、透明な樹脂からなる基材であってもよく、網目状の構造を有する基材であってもよく、孔が開けられた基材であってもよい。
上記基材の厚みが1μm未満であると、両面粘着テープの機械的強度が低下することがある。上記基材の厚みが6μmを超えると、両面粘着テープの腰が強くなりすぎて、電子部品の形状に沿って密着させて貼り合わせることが困難になることがある。上記それぞれの粘着剤層の厚みが1μm未満であると、両面粘着テープが剥がれやすくなることがある。上記それぞれの粘着剤層の厚みが6μmを超えると、薄い両面粘着テープが得られないことがある。
上記グラファイトシートは、面方向に高い熱伝導性を有し、面方向の熱伝導性と厚み方向の熱伝導性とに大きな異方性があるため、電子機器、精密機器等のスポットで熱が高くなる電子部品において有効に熱を拡散することができる。上記グラファイトシートとしては、天然黒鉛粉末をシート化して得られた天然グラファイトシート、高分子フィルムを熱処理して得られた人工グラファイトシート等が挙げられる。なかでも、薄型で面方向に高い熱伝導性を有するため、人工グラファイトシートが好ましい。
上記ポリイミドフィルムは、他の高分子フィルムよりも炭化及び黒鉛化が進行しやすいため、熱拡散率、熱伝導率及び電気伝導度が低温で均一に高くなりやすく、かつ、熱拡散率、熱伝導率及び電気伝導度そのものも高くなりやすい。また、厚みが薄い場合に加え、厚い場合においても熱伝導性の高いグラファイトが得られる。また、得られるグラファイトが結晶性に優れ、耐熱性、折り曲げ性に優れ、保護フィルムと貼り合わせた場合に、表面から黒鉛が落ちにくいグラファイトシートが得られやすい。
上記高分子フィルムを熱処理する際、その熱処理温度としては、最低でも2000℃以上が必要であり、最終的には2400℃以上、より好ましくは2600℃以上、更に好ましくは2800℃以上となることが好ましい。このような熱処理温度にすることにより、熱伝導性に優れたグラファイトを得ることができる。熱処理温度が高いほど良質のグラファイトへの転化が可能であるが、経済性の観点からはできるだけ低温で良質のグラファイトに転化できることが好ましい。2500℃以上の超高温を得るには、通常はグラファイトヒーターに直接電流を流して、そのジュ−ル熱を利用した加熱が行なわれる。
(リビングラジカル重合ポリマーの合成)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモ−イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
得られたリビングラジカル重合ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(フリーラジカル重合ポリマーの合成)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル50gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、表1に示すモノマーの合計100gを2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、フリーラジカル重合ポリマー含有溶液を得た。合成1と同様にして、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
合成1又は2で得た固形分換算で100重量部の(メタ)アクリルポリマー(リビングラジカル重合ポリマー又はフリーラジカル重合ポリマー)含有溶液に対して、表2に示す所定量の架橋剤(IPDI:イソホロンジイソシアネート)、粘着付与樹脂(ペンセルD135、重合ロジンエステル、荒川化学工業社製)を添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。
離型処理したPETフィルムに、得られた粘着剤溶液を、乾燥後に表2に示す粘着剤層の厚みとなるように塗工した後、70℃で10分間乾燥させ粘着剤層を形成させた。この粘着剤層を表2に示す厚みの両面粘着テープとなるように基材の両面に転着させ、両面粘着テープを得た。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
実施例、比較例で得られた両面粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表2に示した。
一方の粘着面を裏打ちした幅20mm長さ50mmの両面粘着テープの他方の粘着面をポリプロピレン(PP)板に貼り付け、測定サンプルとした。この測定サンプルを23℃50%湿度で一晩養生した後、60℃で90°の方向に20gの荷重をつりさげ、30分後に観察し、ポリプロピレン板から剥がれた両面粘着テープの剥離距離を測定した。
◎:剥離距離が5mm以下
○:剥離距離が5mmを超えるが10mm以下
△:剥離距離が10mmを超えるが15mm以下
×:剥離距離が15mmを超える
両面粘着テープの一方の粘着面に対して幅20mm長さ50mm厚み15μmのグラファイトシートを貼り、他方の粘着面に対して鋼板(SUS板)を貼り、測定サンプルとした。この測定サンプルを23℃50%湿度で一晩養生した後、23℃の測定環境下でグラファイトシートごと両面粘着テープを鋼板(SUS板)に対して90°の方向に引き剥がした。グラファイトシートごと剥がした両面粘着テープを目視観察することにより、グラファイトシートの破損の有無を評価した。
Claims (2)
- 基材の両面に粘着剤層を有するグラファイトシート用両面粘着テープであって、
前記両面の粘着剤層のうちの少なくとも一方の粘着剤層が、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5の(メタ)アクリルポリマーを含有する
ことを特徴とするグラファイトシート用両面粘着テープ。 - 両面粘着テープの総厚みが3〜18μm、基材の厚みが1〜6μm、それぞれの粘着剤層の厚みが1〜6μmであることを特徴とする請求項1記載のグラファイトシート用両面粘着テープ。
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