JP2019190545A - 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット - Google Patents

摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2019190545A
JP2019190545A JP2018082901A JP2018082901A JP2019190545A JP 2019190545 A JP2019190545 A JP 2019190545A JP 2018082901 A JP2018082901 A JP 2018082901A JP 2018082901 A JP2018082901 A JP 2018082901A JP 2019190545 A JP2019190545 A JP 2019190545A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sun roller
roller
speed reducer
traction
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018082901A
Other languages
English (en)
Inventor
宏樹 濱田
Hiroki Hamada
宏樹 濱田
吉岡 宏泰
Hiroyasu Yoshioka
宏泰 吉岡
松田 靖之
Yasuyuki Matsuda
靖之 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2018082901A priority Critical patent/JP2019190545A/ja
Publication of JP2019190545A publication Critical patent/JP2019190545A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

【課題】高い伝達効率が得られ、しかも小型軽量化が図れる摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニットを提供する。【解決手段】摩擦ローラ式減速機100は、一対のサンローラ素子35,37の外側端面に対向して配置されたローディングディスク51と、外側端面42及びローディングディスク51の片側端面52のそれぞれに形成されるカム溝と、対面するカム溝同士の間に配置される転動体と、を有するローディングカム機構50を備える。一対のサンローラ素子35,37の対向側端面41,43同士の間に画成され、サンローラ素子35,37同士が軸方向に離反する軸方向力を、充填されるトラクション油の圧力によって発生させる圧力室61を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニットに関する。
電気自動車の駆動源となる電動モータの出力軸に接続され、モータ出力軸の回転を減速して駆動輪に伝達する摩擦ローラ式減速機が知られている(特許文献1、2)。この摩擦ローラ式減速機は、図8(A)に一例として示すように、モータ出力軸に接続される入力軸301に取り付けられたサンローラ303と、サンローラ303の外周面に転がり接触する複数の中間ローラ305と、サンローラ303と同心に配置され内周面に中間ローラ305が転がり接触するリングローラ307と、ローディングカム機構309と、を有する。リングローラ307は、減速機の出力軸に接続される。上記構成の摩擦ローラ式減速機は、サンローラ303が、電動モータからの回転トルクを、中間ローラ305を介してリングローラ307に伝達する。このリングローラ307の回転トルクが減速機の出力軸から取り出される。
図示例のサンローラ303は、一対のサンローラ素子311、313からなる。一方のサンローラ素子311は、入力軸301に固定される。他方のサンローラ素子313は、入力軸301に回転方向に関して固定され、軸方向に関して移動可能に支持される。サンローラ素子313のサンローラ素子311と反対側の背面には、ローディングディスク315が配置される。このローディングディスク315は、入力軸301に固定される。サンローラ素子313の背面と、この背面に対面するローディングディスク315の片側端面には、それぞれカム溝317、319が形成され、カム溝317、319の間に玉321が配置される。このローディングカム機構309により、図8(B)に示すように入力軸301からの回転トルクが増大すると、回転トルクの増大に伴って、サンローラ素子313の軸方向移動に伴う中間ローラ305へのトラクション面法線方向の法線力が高められる。
上記のローディングカム機構309は、サンローラ303の軸方向片側のみに配置されている。この構成以外にも、図9に示すように、カム溝317が形成されたサンローラ素子314に対面してローディングカム機構309Aが配置され、サンローラ素子313に対面してローディングカム機構309Bが配置された構成、つまり、サンローラ素子313,314からなるサンローラ303Aの軸方向両側にローディングカム機構309A,309Bが配置された構成にもできる。
特開2012−207778号公報 特開2014−190537号公報
サンローラ素子311,313に軸方向力を付与する機構としては、図8(A)、(B)や図9に示す入力トルクに応じて押付力を付与するローディングカム機構等の機械式カムや、バネ等による固定押付式の機構が多く採用される。固定押付式は、特に低トルク条件下で動力伝達効率が低下する。そのため、低トルク領域での効率向上のためには、機械式カムを採用することが有効である。
しかし、トラクション油の限界トラクション係数(グロススリップ発生に対する閾値)は温度依存性があり、常温状態と比較して、例えば100℃を超える高温や、例えば0℃未満の低温では特に限界トラクション係数が低下する。機械式カムの場合、いかなる運転状態でもグロススリップを発生させないために、想定される運転状態下での最低の限界トラクション係数に対し、相当の余裕を設けて、設計トラクション係数を設定するのが一般的である。その場合、常温状態では限界トラクション係数と設計トラクション係数との差が大きくなり、トラクション面の法線力が過剰な状態となる。このため、動力伝達効率向上や、減速機の小型軽量化にはなお改善の余地がある。
一方、いかなる運転状態でも限界トラクション係数に対し十分かつ一定の余裕をもって法線力を付与できる手段として、油圧式のローディングデバイスがある。
しかしながら、油圧式のローディングデバイスは、油圧変化の指令に対して応答性が悪いという不利がある。モータのトルク変化は、トルク変化指令に対し反応が極めて速い。例えば、指令入力からトルクの立ち上がりまでの反応速度は10msである。機械式カムは応答速度が極めて速いため、モータのトルク変化に対して十分追従して推力を発生できる。しかし、油圧式のローディングデバイスは、このトルク変動速度に十分追従できない可能性があり、グロススリップ発生の懸念が残る。
そこで本発明は、高い伝達効率が得られ、しかも小型軽量化が図れる摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニットの提供を目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 入力軸と同心に配置されるサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置され、出力軸に連結されるリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記サンローラ、前記リングローラ、前記中間ローラの各ローラ間の転がり接触面に作用する伝達トルクの大きさに比例した押し付け力を前記転がり接触面に付与するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
前記サンローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のサンローラ素子を有し、前記サンローラ素子同士は、前記入力軸の軸方向に相対移動可能、且つ回転方向に固定された状態で前記入力軸にそれぞれ支持され、
前記ローディングカム機構は、
一方の前記サンローラ素子の軸方向外側における外側端面に対向して配置されたローディングディスクと、
前記外側端面、及び当該外側端面に対向する前記ローディングディスクの片側端面のそれぞれに形成され、円周方向に沿って軸方向深さが変化するカム溝と、
対面する前記カム溝同士の間に配置される転動体と、
を備え、
前記サンローラ素子の前記対向側端面同士の間に画成され、前記サンローラ素子同士が前記軸方向に離反する軸方向力を、充填されるトラクション油の圧力によって発生させる圧力室を有する
摩擦ローラ式減速機。
(2) (1)に記載の摩擦ローラ式減速機と、
前記圧力室にトラクション油を供給する油圧供給部と、
前記トラクション油の温度を検出する油温検出部と、
検出された前記トラクション油の温度に応じて前記圧力室内の油圧を増減させる圧力制御部と、
を備える減速機ユニット。
本発明によれば、高い動力伝達効率が得られ、しかも減速機自体の小型軽量化を図ることができる。
本発明の摩擦ローラ式減速機の一部断面斜視図である。 摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。 図2のサンローラ素子のA−A線断面図である。 (A)、(B)はサンローラ素子の軸方向位置を圧力室内の油圧によって変更する様子を示す説明図である。 駆動ローラと従動ローラに作用する法線力と接線力との関係を示す説明図である。 トラクション油の温度に対するトラクション係数の特性カーブを示すグラフである。 減速機ユニットの概略的なブロック構成図である。 (A),(B)は従来のローディングカム機構の模式的な動作説明図である。 従来の他のローディングカム機構の模式的な動作説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<摩擦ローラ式減速機の基本構成>
図1は摩擦ローラ式減速機の一部断面斜視図である。
摩擦ローラ式減速機100は、動力を発生するモータ(不図示)に接続される入力軸11と、出力軸13とが同心に配置され、入力軸11から入力される回転動力を出力軸13に減速しながら伝達する。この摩擦ローラ式減速機100は、入力軸11と同軸上に配置されるサンローラ15と、リングローラ17と、複数の中間ローラ19とを備える。リングローラ17は、リングローラホルダ21によって出力軸13と連結される。また、中間ローラ19は、サンローラの外周面とリングローラの内周面に転がり接触し、揺動ホルダ25とキャリア27を介してハウジング20に支持される。
中間ローラ19は、中間ローラ19の中心軸上に延設される一対の支持軸22が、それぞれ転がり軸受23を介して揺動ホルダ25に支持される。揺動ホルダ25は、詳細な説明を省略するが、支持軸22を入力軸11と平行にした状態でキャリア27に支持される。キャリア27は、上記構成の中間ローラ19を支持する複数の揺動ホルダ25を、円周方向に沿った配置位置で支持する。
入力軸11は、その軸心に沿ってトラクション油が供給される油路31が形成される。入力軸11のハウジング20側における一端側には油圧供給部33が接続される。油圧供給部33は、油路31内にトラクション油を供給する。
<摩擦ローラ式減速機の各部の詳細>
次に、摩擦ローラ式減速機100の各部の構成を順次説明する。
図2は摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。
サンローラ15は、入力軸11の中心線Axに沿った方向(以下、軸方向と称する)に並設された一対のサンローラ素子35,37を有する。サンローラ素子35,37は、軸方向に対面し合う対向側端面41,43の間に隙間を設けた状態で、互いに入力軸11と同心に配置される。
サンローラ素子35,37の転がり接触面35a,37aは、サンローラ素子同士が互いに対向する対向側端面41,43から軸方向反対側の外側端面45,47に向かって、入力軸11の中心線Axまでの半径距離が長くなる傾斜面にされている。また、中間ローラ19の転がり接触面19aは、中間ローラ19の外周面の軸方向中央部から軸方向両端に向かうに従ってそれぞれ半径距離が小さくなる方向に傾斜した傾斜面として形成される。
図1に示すリングローラ17の転がり接触面17aは、軸方向と平行な円筒面形状である。なお、リングローラ17の転がり接触面17aは、凹曲面、特に凹球面の一部として形成してもよい。その場合、中間ローラ19の外周面の軸断面形状は、凹球面の曲率と同じかそれより小さい曲率の凸球面の一部として形成される。
サンローラ15の内周面と、入力軸11の外周面との間には、円筒状の中間シャフト12が配置される。
ここで、図3に図2のサンローラ素子35のA−A線断面図を示す。なお、図3は図2のサンローラ素子37のB−B線断面図と同一であるので、ここではサンローラ素子35について説明する。
図2、図3に示すように、中間シャフト12は、軸方向中央部の内周面及び外周面にそれぞれスプライン12sを有する。サンローラ素子35は、軸方向内側の内周面35bにスプライン溝を有し、入力軸11は、中間シャフト12の内周面側のスプライン12sに対面する外周面39にスプライン溝を有する。サンローラ素子35は、これらスプライン溝の係合によって、回転方向に固定され、かつ軸方向へスライド可能な状態で入力軸11に支持される。これにより、入力軸11からの回転トルクは、スプライン溝によってサンローラ素子35に伝達される。また、サンローラ素子37についても同様に、スプライン溝の係合により回転トルクが伝達される。そして、サンローラ素子35,37の対向側端面41,43側の内周面と、これらに対応する入力軸11の外周面には、径方向に突起する不図示のインロー部が形成される。これらスプライン溝により確実な動力伝達が行われ、インロー部によってサンローラ素子35,37、中間シャフト12、及び入力軸11の高精度な同軸が確保される。
図2に示すように、サンローラ素子35のサンローラ素子37とは反対側に、ローディングカム機構50が設けられる。ローディングカム機構50は、サンローラ素子35の外側端面42に対面して配置されたローディングディスク51を有する。このローディングディスク51は、サンローラ素子35へ向かう軸方向移動が可能に、入力軸11に支持される。サンローラ素子35の外側端面42と、この外側端面45に対面するローディングディスク51の片側端面52には、前述の図8(A),(B)に示す構成と同様の、円周方向に沿って軸方向深さが変化するカム溝53,54がそれぞれ形成される。カム溝53,54の間には、転動体となる玉55が配置される。このローディングカム機構50により、入力軸11からの回転トルクが増大するほど、サンローラ素子35の軸方向移動に伴う中間ローラ19へのトラクション面法線方向の法線力が高められる。
入力軸11にはローディングディスク51に対面する大径部56が設けられる。この大径部56の側面とローディングディスク51との間には、予圧ばね57が配置される。予圧ばね57は、皿バネからなり、入力軸11の回転によらずにローディングディスク51をサンローラ素子35に向けて付勢する。この予圧ばね57によって、サンローラ素子35の中間ローラ19に対するトラクション面の法線力が最低限確保される。
入力軸11には、サンローラ素子37の軸方向外側の位置を規制する転がり軸受14が設けられる。転がり軸受14は止め輪46によって軸方向に位置決めされる。また、入力軸11には転がり軸受14に潤滑油を供給する潤滑油供給油路44が中心線Axに沿って形成される。潤滑油供給油路44には転がり軸受14に向かう分岐油路48が接続される。
サンローラ素子37は、対向側端面43の外周部から軸方向内側に突出する突出円筒部58が形成される。突出円筒部58の内周面58aには、サンローラ素子35の対向側端面41側の外周面35cが内嵌される。外周面35cは、転がり接触面35aよりも小径となっている。突出円筒部58の内周面58aとサンローラ素子35の外周面35cは、それぞれ滑らかな円筒面で形成され、軸方向への円滑な相対移動が可能となっている。
突出円筒部58の外周面58bは、サンローラ素子37の転がり接触面37aの最小径部よりも小さな径の円筒面であり、中間ローラ19の転がり接触面19aとは常に非接触となる。
サンローラ素子35の対向側端面41と、サンローラ素子37の対向側端面43と、突出円筒部58の内周面58aと、中間シャフト12の対向側端面41,43間の外周面59で囲まれる円環状の空間は、サンローラ素子35,37同士を軸方向に離反させる軸方向力を発生させる圧力室61となる。
前述した弾性部材としての予圧ばね57は、サンローラ素子35を軸方向に沿って接近させる方向に付勢する。また、予圧ばね57は、後述するトラクション面の面圧がガラス遷移圧力を超えるのに必要な最低限の力をサンローラ素子35,37に付与する。ここで、ガラス遷移圧力とは、加圧流体のせん断応力が急激に上昇する圧力である。一対のローラ間の動力をトラクション面で伝達するためには、ローラ間に存在するトラクション油の圧力をガラス遷移圧力以上にする必要がある。一般に、このガラス遷移圧力は、ローラ間の接触点平均圧力で、概ね0.8GPa以上となる。
この圧力室61は、入力軸11に形成された径方向に延びる分岐油路62を通じて、油路31と接続される。これにより、圧力室61内の油圧が増減制御可能となる。圧力室61は、オイルシール等の複数のシール部材63によって圧力室外部と仕切られており、圧力付与時におけるトラクション油の漏れが防止される。なお、トラクション油は、ローディングディスク51とサンローラ素子35との間に潤滑油としての役割も果たし、トラクション油を供給することで、カム溝53,54と玉55との間のフレッチングを防止できる。なお、ローディングカム機構50には、玉55の遠心力の影響を排除するため、複数の玉55を保持して玉55の径方向移動を規制する保持器を設置してもよい。
図4(A),(B)はサンローラ素子35の軸方向位置を圧力室61内の油圧によって変更する様子を示す説明図である。
図4(A)に示すように、圧力室61に充填されたトラクション油の圧力が低い場合には、サンローラ素子35には、予圧ばね57(図2参照)の弾性力と、ローディングカム機構50による入力軸11からの回転トルクに応じた付勢力とによる軸方向力が作用する。そのため、サンローラ素子35,37の転がり接触面35a,37aと中間ローラ19の転がり接触面19aにそれぞれ作用する法線力は、上記軸方向力に応じた圧力にされる。
一方、図4(B)に示すように、油圧供給部33(図1参照)が油路31と分岐油路62を通じて圧力室61内の油圧を増加させると、サンローラ素子35をローディングディスク51側に離間させる軸方向力が発生する。即ち、予圧ばね57の弾性力と、ローディングカム機構50による入力軸11からの回転トルクに応じた付勢力とに抗する抵抗力が発生する。この抵抗力によってサンローラ15、中間ローラ19、リングローラ17のトラクション面に作用する法線力が低減される。
つまり、サンローラ素子35の図中左側への軸方向移動により、傾斜面からなる転がり接触面19a及び転がり接触面35a,37aの当接面における法線力が低減された状態となる。
また、油圧供給部33によって圧力室61内の油圧を減少させると、再び図4(A)に示すように、サンローラ素子35がローディングディスク51から離間する方向に移動し、各転がり接触面19a、19b、35a、37aの法線力が増大する。
この圧力室61内の油圧を増減調整することで、軸方向力Fが調整され、各転がり接触面19a,35a,37aの法線力が増減する。これにより、各転がり接触面19a,35a,37aにおけるトラクション係数を、限界トラクション係数により近づけることができる。
上記構成の摩擦ローラ式減速機100によれば、圧力室61に供給する油圧力を、動力を発生するモータ(不図示)からの伝達動力、摩擦ローラ式減速機100が伝達する伝達トルク、軸の回転速度、トラクション油の温度等、各種の運転条件に応じて適宜調整できる。このため、各ローラのトラクション係数を、動的に限界トラクション係数に近づけることができる。その結果、各ローラに過剰な法線力が生じにくくなり、動力伝達効率の向上、及び減速機の小型軽量化と、耐久寿命の向上が図れる。
また、上記構成の摩擦ローラ式減速機100は、油圧供給部33からトラクション油の圧力が圧力室61に供給されることで、一対のサンローラ素子35,37同士がそれぞれ軸方向に離反する方向の軸方向力を発生できる。つまり、サンローラ素子35,37を離反させる軸方向力を圧力室61から発生させることで、従前から用いられていたローディングカム機構(図8(A),(B)及び図9参照)による軸方向力を修正できる。
<減速機ユニットの構成と作用>
次に、上記構成のサンローラ素子35を、圧力室61からの軸方向力により軸方向に駆動し、トラクション面の法線方向の法線力を増減させる減速機ユニットの構成とその作用について説明する。
一般に、本構成の摩擦ローラ式減速機100のようなトラクションドライブにおいては、トラクション面にグロススリップが発生することは、動力伝達面の損傷を伴うため回避する必要がある。トラクションドライブに使用されるトラクション油は、動力伝達点の温度、伝達トルク等に依存して、伝達可能なトルクの大きさが決定される。
ここで、伝達可能な最大トルクは、トルク作用点までの半径距離によらない接線力として考えると、下記(1)式で表現される。
Figure 2019190545
Ftmax:伝達可能な最大接線力
Fc:法線力
μmax:最大トラクション係数
図5は駆動ローラと従動ローラに作用する法線力と接線力との関係を示す説明図である。
駆動ローラ71から従動ローラ73へ負荷される法線力Faは、その反力として従動ローラ73から法線力Fcを生じさせる。この法線力Fcに応じたトラクション面の接線力Ftは、トラクション係数μと法線力Fcの積として求められる。そこで、各ローラを駆動制御する場合には、伝達したいトルク(接線力Ft)に対して、運転時のトラクション係数μが限界トラクション係数μmaxを超えないように法線力Fcを調整する。しかし、限界トラクション係数μmaxは、上記したように、動力伝達点の温度、伝達トルク等の運転条件によって変動する。
図6はトラクション油の温度に対するトラクション係数の特性カーブを示すグラフである。同図に実線で示すように、限界トラクション係数はトラクション油の温度に応じて増減する。従前のローディングカム機構のような機械式ローディングデバイスにおいては、トラクション係数が常に一定値となるため、トラクション油の温度が変化しても、設計トラクション係数が限界トラクション係数を超えないように設定される(破線参照)。しかし、トラクション油の温度によっては、設計トラクション係数と限界トラクション係数との差Δμが特に大きくなる領域がある。差Δμが大きい場合、法線力Fcを過剰に発生させることになり、動力伝達効率の低下や耐久寿命の低下を招くことになる。
そこで、本構成の摩擦ローラ式減速機100は、運転条件の変動に応じて、圧力室61からサンローラ素子35への軸方向力を発生させ、法線力Fcの増減調整を可能としている。そのため、一点鎖線で示すように調整後(修正後)のトラクション係数を、常に限界トラクション係数μmax近くに設定でき、動力伝達効率の向上や耐久寿命の向上に寄与できる。
次に、圧力室61内の油圧を制御する具体的な減速機ユニットの構成とその作用について説明する。
図7は減速機ユニットの概略的なブロック構成図である。
減速機ユニット200は、前述した油圧供給部33を含む摩擦ローラ式減速機100と、トラクション油の温度を検出する油温センサ75と、コントローラ79と、記憶部81と、を備える。
油圧供給部33は、図示しない油圧ポンプに接続され、コントローラ79からの指令に基づいて、図1に示す入力軸11に形成された油路31にトラクション油を供給する。これにより、圧力室61内の油圧が増減駆動される。なお、油圧ポンプは、電動式であってもよく、ポンプ軸と摩擦ローラ式減速機100のいずれかの回転軸とを機械的に結合した機械式であってもよい。
油温センサ75は、図示はしないが、図1に示すサンローラ15の近傍に配置され、トラクション面付近のトラクション油の温度を検出する。油温センサ75は、好ましくは、サンローラ素子35,37の転がり接触面35a,37aに近い外表面に配置される。また、油温センサ75は中間ローラ19側に配置してもよい。
油温センサ75からの出力信号は、コントローラ79に入力される。また、コントローラ79には、摩擦ローラ式減速機100に接続される不図示のモータの駆動状況を表す信号(例えば、回転速度信号、モータ駆動電流やモータ駆動電圧を表す駆動信号等)の伝達トルク情報が入力されてもよい。油温センサ75や各種の伝達トルク情報を出力する情報出力手段は、摩擦ローラ式減速機100の運転条件を検出する運転条件検出部として機能する。
なお、トラクション面の面圧を、トラクション油の油圧を測定する適宜な油圧測定手段から推定し、推定されたトラクション面の面圧を、上記した運転条件の一つして扱うことも可能である。
コントローラ79に接続される記憶部81は、検出された運転条件に対応する圧力室61(図2参照)内の油圧設定値が登録された駆動テーブルを記憶する。コントローラ79は、入力された運転条件に基づいて記憶部81の駆動テーブルを参照して、限界トラクション係数に近いトラクション係数が得られる油圧設定値を求める。コントローラ79は、圧力室61内の油圧が、求めた油圧設定値となるように、サンローラ素子35を軸方向に駆動させる駆動信号を油圧供給部33に出力する。
油圧供給部33は、コントローラ79からの駆動信号に基づき、図示しない油圧モータを駆動して、トラクション油を圧力室61に供給する。これにより、圧力室61内の油圧が所望の圧力に調整され、トラクション面の法線力Fcが過剰にならず、且つ、限界トラクション係数を超えない範囲に設定される。上記の油圧供給部33とコントローラ79は、圧力室61内の油圧を増減させる圧力制御部として機能する。
本構成の減速機ユニット200によれば、経時的に変動する運転条件に応じて、限界トラクション係数を超えず、且つ、限界トラクション係数にできるだけ近いトラクション係数となるように、圧力室61内の油圧を調整する。これにより、摩擦ローラ式減速機の動力伝達効率を向上させ、小型化軽量化が図れる。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
サンローラと、入力軸及び中間シャフトとの間の動力伝達手段は、例えば、角スプライン、ボールスプライン、インボリュートスプライン等の各種のスプラインであってもよい。これ以外にも、キーとキー溝等、入力軸及び中間シャフトとサンローラとの同軸を確保しつつ、動力伝達も可能で、且つ軸方向の相対移動を妨げないものであれば、任意の手段が適用可能である。
また、予圧を付与する弾性部材は、皿バネ以外にもコイルスプリング等、軸方向に予圧力を付与できる手段であれば適用可能である。なお、入力軸は高速回転するため、弾性部材の配置によって動バランスを悪化させないことが好ましい。例えば、皿バネの場合、皿バネの内径部を、入力軸に対する案内部として機能させる構成としてもよい。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 入力軸と同心に配置されるサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置され、出力軸に連結されるリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記サンローラ、前記リングローラ、前記中間ローラの各ローラ間の転がり接触面に作用する伝達トルクの大きさに比例した押し付け力を前記転がり接触面に付与するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
前記サンローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のサンローラ素子を有し、前記サンローラ素子同士は、前記入力軸の軸方向に相対移動可能、且つ回転方向に固定された状態で前記入力軸にそれぞれ支持され、
前記ローディングカム機構は、
一方の前記サンローラ素子の軸方向外側における外側端面に対向して配置されたローディングディスクと、
前記外側端面、及び当該外側端面に対向する前記ローディングディスクの片側端面のそれぞれに形成され、円周方向に沿って軸方向深さが変化するカム溝と、
対面する前記カム溝同士の間に配置される転動体と、
を備え、
前記サンローラ素子の前記対向側端面同士の間に画成され、前記サンローラ素子同士が前記軸方向に離反する軸方向力を、充填されるトラクション油の圧力によって発生させる圧力室を有する
摩擦ローラ式減速機。
この摩擦ローラ式減速機によれば、一対のサンローラ素子の間に形成された圧力室の油圧を増減することで、一方のサンローラ素子への軸方向力を増減できる。これにより、サンローラ素子、中間ローラ、リングローラの各転がり接触面に作用する法線力を変更でき、運転時のトラクション係数を限界トラクション係数に近づけることができる。
また、グロススリップを発生させないだけの必要な軸方向力はローディングカム機構で与えることができるため、モータトルクの急速な増加減に対しても十分な応答性で軸方向力を発生させることができる。これにより、常にグロススリップの発生を抑制できる。
(2) 前記入力軸は、前記圧力室内の油圧を付与する油路を有する(1)に記載の摩擦ローラ式減速機。
この摩擦ローラ式減速機によれば、入力軸を通じて圧力室に油圧が付与されるため、油圧力を供給する油路の煩雑化が避けられる。
(3) 前記サンローラ素子のいずれか一方は、前記対向側端面の外周部から軸方向内側に突出する突出円筒部が形成され、
前記圧力室は、前記突出円筒部の内周面が、前記サンローラ素子のいずれか他方の外周面に内嵌されて形成される(1)又は(2)に記載の摩擦ローラ式減速機。
この摩擦ローラ式減速機によれば、サンローラ素子自体によって圧力室が画成されるため、部品点数を削減できる。
(4) (1)〜(3)のいずれか一つに記載の摩擦ローラ式減速機と、
前記圧力室にトラクション油を供給する油圧供給部と、
前記トラクション油の温度を検出する油温検出部と、
検出された前記トラクション油の温度に応じて前記圧力室内の油圧を増減させる圧力制御部と、
を備える減速機ユニット。
この減速機ユニットによれば、トラクション油の温度変化によって限界トラクション係数が変化しても、この限界トラクション係数に運転時のトラクション係数を近づけることができる。これにより、動力伝達効率と耐久寿命とを共に向上できる。
また、油圧供給部は、油圧式単独のローディングデバイスのものと比較して、ローディングカム機構の発生推力を削減するものであるため、特に高い発生油圧が不要となる。そのため、油圧供給部をより小型化でき、更には、ポンプロスの低減により、動力伝達効率を向上できる。
(5) 前記圧力制御部は、検出された前記トラクション油の温度からトラクション面の限界トラクション係数を推定し、推定された推定限界トラクション係数と前記ローディングカム機構の設計トラクション係数とを比較し、推定限界トラクション係数と前記ローディングカム機構の設計トラクション係数との差が、予め定めた一定値以上となる場合に前記油圧による前記軸方向力を発生させる(4)に記載の減速機ユニット。
この減速機ユニットによれば、推定限界トラクション係数とローディングカム機構の設計トラクション係数との差に応じて、適正なトラクション係数に調整できる。なお、限界トラクション係数の推定は、モータトルク、モータ回転数と、それから推定されるトラクション面発熱量、及び、モータトルクから計算されるトラクション面の接触面圧も考慮して推定することができる。
11 入力軸
13 出力軸
15 サンローラ
17 リングローラ
19 中間ローラ
19a 転がり接触面
31 油路
33 油圧供給部
35,37 サンローラ素子
35a,37a 転がり接触面
41,43 対向側端面
58 突出円筒部
61 圧力室
75 油温センサ
100 摩擦ローラ式減速機
200 減速機ユニット

Claims (5)

  1. 入力軸と同心に配置されるサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置され、出力軸に連結されるリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記サンローラ、前記リングローラ、前記中間ローラの各ローラ間の転がり接触面に作用する伝達トルクの大きさに比例した押し付け力を前記転がり接触面に付与するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
    前記サンローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のサンローラ素子を有し、前記サンローラ素子同士は、前記入力軸の軸方向に相対移動可能、且つ回転方向に固定された状態で前記入力軸にそれぞれ支持され、
    前記ローディングカム機構は、
    一方の前記サンローラ素子の軸方向外側における外側端面に対向して配置されたローディングディスクと、
    前記外側端面、及び当該外側端面に対向する前記ローディングディスクの片側端面のそれぞれに形成され、円周方向に沿って軸方向深さが変化するカム溝と、
    対面する前記カム溝同士の間に配置される転動体と、
    を備え、
    前記サンローラ素子の前記対向側端面同士の間に画成され、前記サンローラ素子同士が前記軸方向に離反する軸方向力を、充填されるトラクション油の圧力によって発生させる圧力室を有する
    摩擦ローラ式減速機。
  2. 前記入力軸は、前記圧力室内の油圧を付与する油路を有する請求項1に記載の摩擦ローラ式減速機。
  3. 前記サンローラ素子のいずれか一方は、前記対向側端面の外周部から軸方向内側に突出する突出円筒部が形成され、
    前記圧力室は、前記突出円筒部の内周面が、前記サンローラ素子のいずれか他方の外周面に内嵌されて形成される請求項1又は請求項2に記載の摩擦ローラ式減速機。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の摩擦ローラ式減速機と、
    前記圧力室にトラクション油を供給する油圧供給部と、
    前記トラクション油の温度を検出する油温検出部と、
    検出された前記トラクション油の温度に応じて前記圧力室内の油圧を増減させる圧力制御部と、
    を備える減速機ユニット。
  5. 前記圧力制御部は、検出された前記トラクション油の温度からトラクション面の限界トラクション係数を推定し、推定された推定限界トラクション係数と前記ローディングカム機構の設計トラクション係数とを比較し、推定限界トラクション係数と前記ローディングカム機構の設計トラクション係数との差が、予め定めた一定値以上となる場合に前記油圧による前記軸方向力を発生させる請求項4に記載の減速機ユニット。
JP2018082901A 2018-04-24 2018-04-24 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット Pending JP2019190545A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018082901A JP2019190545A (ja) 2018-04-24 2018-04-24 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018082901A JP2019190545A (ja) 2018-04-24 2018-04-24 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019190545A true JP2019190545A (ja) 2019-10-31

Family

ID=68389651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018082901A Pending JP2019190545A (ja) 2018-04-24 2018-04-24 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019190545A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002536610A (ja) * 1999-02-12 2002-10-29 ザ ティムケン カンパニー トラクションドライブ式トランスミッション
JP2013104545A (ja) * 2011-11-17 2013-05-30 Nsk Ltd 摩擦ローラ式減速機
JP2016130524A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP2017003046A (ja) * 2015-06-12 2017-01-05 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP2017120121A (ja) * 2015-07-27 2017-07-06 日本精工株式会社 摩擦ローラ式減速機

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002536610A (ja) * 1999-02-12 2002-10-29 ザ ティムケン カンパニー トラクションドライブ式トランスミッション
JP2013104545A (ja) * 2011-11-17 2013-05-30 Nsk Ltd 摩擦ローラ式減速機
JP2016130524A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP2017003046A (ja) * 2015-06-12 2017-01-05 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP2017120121A (ja) * 2015-07-27 2017-07-06 日本精工株式会社 摩擦ローラ式減速機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI566880B (zh) Spindle device
TWI580515B (zh) Spindle device
TWI566879B (zh) Spindle device
JP6805958B2 (ja) 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット
JP2018119620A (ja) 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット
JP2008106923A (ja) 遊星ローラ式変速機
JP2007155039A (ja) トラクション変速装置
WO2016046955A1 (ja) ローディングカム装置及び摩擦ローラ式減速機
JP2019190545A (ja) 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット
JP2019190544A (ja) 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット
JP2017048808A (ja) 摩擦ローラ式減速機
JP6701901B2 (ja) 摩擦ローラ式減速機
JP2018197594A (ja) 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット
JP2018197595A (ja) 摩擦ローラ式減速機及びこれを用いた減速機ユニット
JP2021021417A (ja) 回転伝達装置
CN108457986A (zh) 一种圆柱滚子轴承及其保持架
JPH10286701A (ja) 工作機械の主軸装置
JP6672029B2 (ja) 摩擦係合装置
WO2022186332A1 (ja) 摩擦伝動装置
JP4622255B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2017172763A (ja) 摩擦係合装置
JP2006501410A (ja) 連続可変トロイダル駆動機構を備えた無段変速機
JP6667312B2 (ja) プーリ装置
JP2015209883A (ja) 摩擦ローラ式変速機
JP6458402B2 (ja) 摩擦ローラ式減速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220726