JP2017172763A - 摩擦係合装置 - Google Patents

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健司 庭田
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Abstract

【課題】簡易な構成で摩擦係合部材の摩耗を検知することができる摩擦係合装置を提供する。【解決手段】摩擦係合装置1の筐体10とピストン17とで形成された油室20に、連通路10eを設ける。連通路10eに、リリーフバルブ23を配置する。リリーフバルブ23のバルブピストン23aは、油室20の油圧により開放方向に付勢され、バルブスプリング23bの付勢力により閉鎖方向に付勢される。バルブスプリング23bは、ピストン17がエンドプレート15aに近づくほど、開放方向に移動する。バルブスプリング23bの付勢力は、ピストン17が正常時よりもエンドプレート15a側に移動した際に、油室20の油圧を下回る。【選択図】図3

Description

本発明は、摩擦係合によって入力部材の回転を出力部材に伝達する摩擦係合装置に関する。
従来、変速機に用いられる多板式クラッチのように、入力部材と、入力部材と一体的に回転する第1プレートと、その第1プレートに摩擦係合する第2プレートと、第2プレートと一体的に回転する出力部材とを備え、第1プレートと第2プレートとを摩擦係合させることによって、入力部材の回転を出力部材に伝達する摩擦係合装置が知られている。
この種の摩擦係合装置としては、軸線方向に移動自在なピストンからの押圧力によって、プレート同士を当接させて摩擦係合させる構成のものがある。そのようなピストンとしては、摩擦係合装置の筐体とピストンとの間に配置されたリターンスプリングと、筐体とピストンとの間に構成された油室に供給される油圧とによって、移動するものがある。
このようなピストンを備える摩擦係合装置では、油室にリリーフバルブを設けることによって、ピストン(ひいては、摩擦係合部材であるプレート)に対して過剰な押圧力が加わることを防止する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−032861号公報
特許文献1に記載のような従来の摩擦係合装置では、摩擦係合部材であるプレートは、ある程度の期間使用し続けると、摩耗して薄くなっていく。プレートの厚さが薄くなってしまうと、プレートの押圧力に必要なピストンのストローク量(すなわち、ピストンからプレートに押圧力が加えられるまでに必要なピストンの移動量)が増加してしまう。その結果、摩擦係合装置の応答性が低下してしまうという問題があった。
これに対し、ストロークセンサ等を設けることによって、ピストンのストローク量を測定し、その測定値に基づいて、摩擦係合部材に異常摩耗が発生していないか否かを判断する構成も考えられる。しかし、ストロークセンサを設置すると、装置全体が大型化してしまったり、生産コストが増加してしまったりするという問題がある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で摩擦係合部材の摩耗を検知することができる摩擦係合装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の摩擦係合装置は、駆動源からの駆動力が伝達され回転する入力部材(I)と、前記入力部材(I)と一体的に回転する第1摩擦係合部材(15)と、前記第1摩擦係合部材(15)と軸線方向で重なるように配置されている第2摩擦係合部材(16)と、前記第2摩擦係合部材(16)と一体的に回転し、回転を出力する出力部材(O)と、軸線方向に移動自在であり、前記第1摩擦係合部材(15)及び前記第2摩擦係合部材(16)の一方に対して他方に近づく方向の押圧力を加えるピストン(17)と、前記ピストンを軸線方向一方側に付勢する第1付勢部材(22)と、前記ピストン(17)が内部に配置された筐体(10)とを備え、前記ピストン(17)と前記筐体(10)との間に油室(20)が形成され、前記ピストン(17)は、前記油室(20)に供給された油圧に応じて軸線方向他方側に押圧される摩擦係合装置(1)であって、前記油室(20)に供給されている油圧を検知する油圧センサ(HS)と、前記油室(20)の内部と外部とを連通する連通路(10e)と、前記連通路(10e)に設けられたリリーフバルブ(23)とを備え、前記リリーフバルブ(23)は、前記連通路(10e)を閉鎖可能なバルブピストン(23a)と、前記バルブピストン(23a)を付勢する第2付勢部材(23b)とを有し、前記バルブピストン(23a)は、前記油室(20)の油圧によって開放方向に付勢され、前記第2付勢部材(23b)の付勢力によって閉鎖方向に付勢され、前記第2付勢部材(23b)は、前記ピストン(17)が前記第1摩擦係合部材(15)及び前記第2摩擦係合部材(16)側に移動した際に、前記開放方向に移動し、前記第2付勢部材(23b)の前記付勢力は、前記ピストン(17)が正常時における最大移動位置よりも前記第1摩擦係合部材(15)及び前記第2摩擦係合部材(16)側に移動した際に、前記油室(20)の前記油圧を下回ることを特徴とする。
このように、本発明の摩擦係合装置は、従来の摩擦係合装置にも設けられていた油室のリリーフバルブのバルブピストンを、第2付勢部材の付勢力によって閉鎖方向に付勢している。そのため、第2付勢部材の付勢力が第2付勢部材を開放方向に付勢する油室からの油圧を下回った場合には、リリーフバルブが開放状態となり、油室の油圧が低下する。
ところで、第2付勢部材は、ピストンが摩擦係合部材側に移動した際に、開放方向に移動する。すなわち、第2付勢部材の閉鎖方向の付勢力は、ピストンが摩擦係合部材側に移動するほど低下する。また、第2付勢部材の閉鎖方向の付勢力は、ピストンが正常時における最大移動位置よりも摩擦係合部材側に移動した際に、油圧による開放方向の荷重を下回るように設定されている。
これにより、摩擦係合部材に異常摩耗が生じた際(すなわち、ピストンが正常時における最大移動位置よりも摩擦係合部材側に移動した際)には、リリーフバルブが開放状態となり、油室の油圧が低下する。その結果、油圧を油圧センサによって測定するだけで、摩擦係合部材の異常摩耗を検知することができる。
したがって、本発明の摩擦係合装置によれば、ストロークセンサ等の専用の部材を用いることなく、従来の摩擦係合装置にも配置されていたリリーフバルブ及び油圧センサを用いることによって、摩擦係合部材の摩耗を検知することができる。
実施形態に係る摩擦係合装置の構成を示す断面図。 図1の摩擦係合装置の摩耗が生じていない場合における要部を拡大して示す断面図であり、図2Aは非係合状態を示し、図2Bは係合状態を示す。 図1の摩擦係合装置の摩耗が生じている場合における要部を拡大して示す断面図であり、図3Aは非係合状態を示し、図3Bは係合状態を示す。 図1の摩擦係合装置のピストンの移動量とピストンからリリーフバルブに加わる荷重の関係を示すグラフであり、図4Aは正常時を示し、図4Bは異常摩耗時を示す。 図1の摩擦係合装置の油室に供給された油圧と油圧によってリリーフバルブのバルブピストンに加わる荷重の関係を示すグラフであり、図5Aは正常時を示し、図5Bは異常摩耗時を示す。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る摩擦係合装置について説明する。本実施形態は、摩擦係合装置を車両等の駆動力伝達装置として用いた実施形態である。しかし、本発明の摩擦係合装置は、船舶等、他の乗り物や無人機の駆動力伝達装置の他、他の機構にも搭載し得るものである。
まず、図1及び図2を参照して、いわゆる湿式多板式のクラッチである摩擦係合装置1の構成について説明する。
図1に示すように、摩擦係合装置1は、筒形の装置として構成されている。摩擦係合装置1の開口部の一端側(図1では右側)からは、車両の駆動源からの駆動力が伝達される入力軸I(入力部材)が挿入されている。一方、他端側(図1では左側)からは、摩擦係合装置1を介して伝達された駆動力を車両の駆動輪に伝達する出力軸O(出力部材)が挿入されている。
筒形の摩擦係合装置1は、外周面及び端面を構成するケース10(筐体)と、ケース10の内部に配置され、内周面の一部を構成し、入力軸Iと結合する第1クラッチハブ11と、ケース10の内部で第1クラッチハブ11と同軸に配置され、内周面の他の一部を構成し、出力軸Oと結合する第2クラッチハブ12とを備えている。
ケース10は、筒状の外周側壁部10aと、外周側壁部10aの他端側に設けられ、中央に開口部の設けられた端面部10bと、端面部10bの開口部から軸線方向一方側に延びる筒状の内周側壁部10cとを有している。
第1クラッチハブ11は、摩擦係合装置1の内周面の一部を構成する筒状の第1ボス部11aと、第1ボス部11aから径方向外方側(ケース10の外周面側)に向かって延びる環状の第1環状部11bと、第1環状部11bの第1ボス部11a側とは反対側の端部から軸線方向他端側に延びる第1ガイド部11cとを有している。
第2クラッチハブ12は、摩擦係合装置1の内周面の他の一部を構成する筒状の第2ボス部12aと、第2ボス部12aから径方向外方側に向かって延びる環状の第2環状部12bと、第2環状部12bの第2ボス部12a側とは反対側の端部から軸線方向一方側に延びる第2ガイド部12cとを有している。
第1クラッチハブ11の第1ボス部11aは、筒状の小径部11a1と、小径部11a1と同軸であり、小径部11a1よりも大径の筒状の大径部11a2とで構成されている。
筒状の小径部11a1には、一端側から入力軸Iの先端部が挿入されている。第1クラッチハブ11と入力軸Iとは、入力軸Iの先端部と小径部11a1の内周面の一部とにおいて、スプライン結合されている。
筒状の大径部11a2には、他端側から第2クラッチハブ12の第2ボス部12aが挿入されている。第1クラッチハブ11の大径部11a2の内周面と第2クラッチハブ12の第2ボス部12aの外周面の一端側の部分との間には、第1ボールベアリング13が配置されている。そのため、第1クラッチハブ11は、第2クラッチハブ12(すなわち、出力軸O)に対して、入力軸Iと一体的に相対回転可能となっている。
第2クラッチハブ12の第2ボス部12aは、筒状に構成されており、他端側から出力軸Oの先端部が挿入されている。第2クラッチハブ12と出力軸Oとは、出力軸Oの先端部と第2ボス部12aの内周面の一部とにおいて、スプライン結合されている。
第2クラッチハブ12の第2ボス部12aの外周面の他端側の部分とケース10の内周側壁部10cの内周面との間には、ボールベアリング14が配置されている。そのため、第2クラッチハブ12は、ケース10に対して、出力軸Oと一体的に回転可能となっている。
第1クラッチハブ11の第1ガイド部11cは、筒状に構成されている。第1ガイド部11cの内周面側には、軸線方向に延びる複数の第1溝部11c1が形成されている。第1ガイド部11cの内周面側には、環状のアウタープレート15(第1摩擦係合部材)が、複数配置されている。アウタープレート15の最も他端側のプレートは、後述するスラストベアリング18と当接するエンドプレート15aとなっている。
アウタープレート15の外周側には、第1溝部11c1に対応するようにして、複数の爪部が形成されている。そのため、各々のアウタープレート15は、第1ガイド部11cの内周面側で、軸線方向に移動自在となっている。一方、アウタープレート15は、周方向においては、第1ガイド部11c(すなわち、第1クラッチハブ11及び入力軸I)と一体的に回転する。
第2クラッチハブ12の第2ガイド部12cは、筒状に構成されており、第1クラッチハブ11の第1ガイド部11c及び第1ガイド部11cの内周側に配置されているアウタープレート15よりも内周側に配置されている。第2ガイド部12cの外周面側には、軸線方向に延びる複数の第2溝部12c1が形成されている。第2ガイド部12cの外周面側には、環状のインナープレート16(第2摩擦係合部材)が、複数配置されている。
インナープレート16の内周側には、第2溝部12c1に対応するようにして、複数の爪部が形成されている。そのため、各々のインナープレート16は、第2ガイド部12cの外周面側で、軸線方向に移動自在となっている。一方、インナープレート16は、周方向においては、第2ガイド部12c(すなわち、第2クラッチハブ12及び出力軸O)と一体的に回転する。
複数のアウタープレート15と複数のインナープレート16とは、軸線方向において交互に重なるようにして配置されている。アウタープレート15とインナープレート16とは、ピストン17によって軸線方向一方側に向かって押圧された際に、相互に摩擦係合する。摩擦係合している状態では、アウタープレート15とインナープレート16とが一体的に回転するので、入力軸Iの回転が、第1クラッチハブ11、アウタープレート15、インナープレート16及び第2クラッチハブ12を介して、出力軸Oに伝達される。
なお、摩擦係合装置1では、最も他端側のインナープレート16よりも、最も他端側のアウタープレート15(エンドプレート15a)を、ピストン17側に配置している。しかし、最も他端側のアウタープレート15よりも、最も他端側のインナープレート16を、ピストン17側に配置してもよい。その場合には、スラストベアリング18に当接する最も他端側のインナープレート16をエンドプレートとして構成すればよい。
また、摩擦係合装置1は、ケース10の内部のアウタープレート15及びインナープレート16の他端側に配置された環状のピストン17と、ピストン17とアウタープレート15及びインナープレート16との間に配置されたスラストベアリング18とを備えている。
ピストン17の外周面は、ケース10の外周側壁部10a(具体的には、後述する環状凸部10d)の内周面と摺動可能となっている。一方、ピストン17の内周面は、ケース10の内周側壁部10cの外周面と摺動可能となっている。ピストン17の外周面及び内周面に設けられた溝17aには、ピストン17と外周側壁部10aとの間、又は、ピストン17と内周側壁部10cとの間を液密に封止するO−リング19が配置されている。これにより、ピストン17とケース10との間に、油室20が形成されている。
油室20には、オイルポンプや複数のバルブ等で構成された油圧制御回路HCから、油路を介して、作動油が供給される。油圧制御回路HCから供給される作動油の油圧は、油圧センサHSによって検出される。ピストン17は、油室20の容積の増加に応じて、軸線方向一端側に移動する。
ピストン17の一端側の面には、突起17bが設けられている。突起17bは、ケース10の内周側壁部10cに設けられた環状のスプリング受け部21から軸線方向他方側に延設された突起受け部21aに当接する。これにより、ピストン17の軸線周りの回転が抑制されている。
スプリング受け部21の突起受け部21aよりも径方向内周側の他端側の面とピストン17の一端側の面との間には、リターンスプリング22(第1付勢部材)が配置されている。ピストン17は、リターンスプリング22によって、油室20の容積を縮小させる方向(すなわち、軸線方向他端側)に向かって付勢されている。そのため、ピストン17は、油室20に供給された油圧とリターンスプリング22の付勢力に応じて、軸線方向に移動する。
なお、摩擦係合装置1では、ピストン17を付勢する第1付勢部材としてコイルバネを用いている。しかし、第1付勢部材は、コイルバネに限定されるものではない。例えば、皿バネやウェーブスプリングの他、ゴム等を用いてもよい。
また、ピストン17の一端側の面のエンドプレート15aと対向する位置には、ベアリング支持部17cが設けられている。ベアリング支持部17cとエンドプレート15aとの間には、スラストベアリング18が軸線方向に移動自在な状態で配置されている。ピストン17が一端側に移動した際には、ピストン17からエンドプレート15aに対する押圧力は、スラストベアリング18を介して伝達される。
次に、図2を参照して、アウタープレート15とインナープレート16との摩擦係合について説明する。
図2Aに示すように、油圧制御回路HCから油室20に十分な作動油が供給されていない状態(すなわち、油室20に供給されている油圧がリターンスプリング22の付勢力よりも十分に小さい状態)では、ピストン17は、リターンスプリング22の付勢力と油室20に供給された油圧とが釣り合う位置に復帰する。
これにより、アウタープレート15及びインナープレート16には押圧力が加えられていない状態となるので、アウタープレート15とインナープレート16とが相互に離反した状態(非係合状態)となる。その結果、入力軸Iの回転は、第1クラッチハブ11及びアウタープレート15を介して、インナープレート16、第2クラッチハブ12及び出力軸Oに伝達されない。
一方、図2Bに示すように、油圧制御回路HCから油室20に十分な作動油が供給されている状態(すなわち、油室20に供給されている油圧がリターンスプリング22の付勢力よりも十分に大きい状態)では、ピストン17は、リターンスプリング22の付勢力に抗して、一端側に移動する。
これにより、アウタープレート15及びインナープレート16には押圧力が加えられている状態となるので、アウタープレート15とインナープレート16とが相互に摩擦係合した状態(係合状態)となる。その結果、入力軸Iの回転は、第1クラッチハブ11及びアウタープレート15を介して、インナープレート16、第2クラッチハブ12及び出力軸Oに伝達される。
ところで、アウタープレート15とインナープレート16とは、摩擦によって係合するものである。そのため、ある程度の期間使用し続けると、相互に接触する面で摩耗が生じ、軸線方向における厚さが僅かずつ薄くなっていく。
そこで、図1〜図5を参照して以下に説明するように、摩擦係合装置1では、連通路10e、リリーフバルブ23及び油圧センサHSによって、アウタープレート15やインナープレート16に異常摩耗が発生しているか否かを判定するための判定機構を構成している。
まず、図1を参照して、判定機構の概略構成を説明する。図1に示すように、ケース10は、筒状の外周側壁部10aと、外周側壁部10aの他端側に設けられ、中央に開口部の設けられた端面部10bと、端面部10bの開口部から軸線方向一方側に延びる筒状の内周側壁部10cとを有している。
外周側壁部10aの端面部10b側の端部の内周面には、径方向内周側に突出するようにして環状凸部10dが設けられている。環状凸部10dには、軸線方向に延びる連通路10eが形成されている。連通路10eは、油室20の内部と外部とを連通する。連通路10eには、リリーフバルブ23が配置されている。
環状のピストン17は、外周面で環状凸部10dの内周面と摺動し、内周面で内周側壁部10cの外周面と摺動する。これにより、ピストン17とケース10との間に、油室20が形成されている。油室20に油圧制御回路HCから供給される作動油の油圧は、油圧センサHSによって検出される。
ピストン17の外周部からは、軸線方向において環状凸部10dの一端側の面と重なるように(具体的には、連通路10eの一端側の開口部の一部を覆うように)、径方向外周側に向かって、環状のピストン側受け部17dが延設されている。
リリーフバルブ23は、連通路10eを閉鎖可能な鋼球で形成されたバルブピストン23aと、バルブピストン23aを付勢するバルブスプリング23b(第2付勢部材)とを有している。
バルブピストン23aは、油室20からの油圧によって一端側に向かって(すなわち、開放方向(図1の右方向))に付勢され、バルブスプリング23bの付勢力によって他端側に向かって(すなわち、閉鎖方向(図1の左方向))に付勢されている。
バルブスプリング23bの一端側の端部は、ピストン17のピストン側受け部17dの他端側の面に固定されている。一方、バルブスプリング23bの他端側の端部は、バルブピストン23aに固定されている。すなわち、バルブスプリング23bは、ピストン17がエンドプレート15a側(すなわち、バルブピストン23aの開放方向)に移動した際に、ピストン17と一体的に移動可能となっている。
そのため、バルブスプリング23bからバルブピストン23aに加わる閉鎖方向の付勢力(荷重)は、ピストン17がエンドプレート15a側に移動するほど低下する(図4参照)。また、その付勢力は、ピストン17が正常時における最大移動位置(図2Bに示すピストンの位置)よりもエンドプレート15a側に移動した際に、油室20の油圧を下回るように設定されている。
なお、摩擦係合装置1では、バルブスプリング23bを付勢する第2付勢部材としてバルブスプリング23bとしてコイルバネを用いている。しかし、第2付勢部材は、コイルバネに限定されるものではない。例えば、皿バネやウェーブスプリングの他、ゴム等を用いてもよい。
次に、図2〜図5を参照して、判定機構による異常摩耗の判定方法を説明する。なお、図2は、摩擦係合装置1の摩耗が生じていない場合における要部を拡大して示す断面図であり、図2Aは非係合状態を示し、図2Bは係合状態を示す。また、図3は、摩擦係合装置1の摩耗が生じている場合における要部を拡大して示す断面図であり、図3Aは非係合状態を示し、図3Bは係合状態を示す。
また、図4は、ピストン17の移動量とピストンからリリーフバルブ23のバルブピストン23aに加わる荷重の関係を示すグラフであり、図4Aは正常時を示し、図4Bは異常摩耗時を示す。図5は、油室20に供給された油圧と油圧によってリリーフバルブ23のバルブピストン23aに加わる荷重の関係を示すグラフであり、図5Aは正常時を示し、図5Bは異常摩耗時を示す。
アウタープレート15やインナープレート16に異常摩耗が発生していない場合(正常時)、非係合状態(ピストン17の移動量が「0」の状態)では、図2Aに示すように、ピストン17は、リターンスプリング22による付勢力によって油室20の油圧に抗して、エンドプレート15aに押圧力を加えない位置から移動しない。
このとき、図4Aに示すように、バルブピストン23aには、バルブスプリング23bの付勢力によって、閉鎖方向の荷重F0が加わっている。一方、このとき、油室20の油圧は「0」、又は、非常に低い値である。そのため、図5Aに示すように、バルブピストン23aには、油室20の油圧によって、開放方向には荷重が加えられていない(荷重が「0」)、又は、開放方向にはバルブスプリング23bの付勢力よりも十分に小さい荷重が加わっている。
その結果、バルブピストン23aには閉鎖方向の力が加わり、リリーフバルブ23は閉鎖状態を維持する。そのため、油圧センサHSで検知される値は油圧制御回路HCからの指示通りの値となる。
次に、アウタープレート15やインナープレート16に異常摩耗が発生していない場合(正常時)、係合状態(ピストン17の移動量が「x1」(正常時最大移動位置)の状態)では、図2Bに示すように、ピストン17は、油室20の油圧によって、リターンスプリング22による付勢力に抗して移動する。そのため、ピストン17は、エンドプレート15aに押圧力を加えるように、図2Aの状態よりもエンドプレート15a側に位置する。
このとき、図4Aに示すように、バルブピストン23aには、バルブスプリング23bの付勢力によって、閉鎖方向の荷重F1が加わっている。一方、このとき、図5Aに示すように、バルブピストン23aには、油室20の油圧の変化に応じて、最大で開放方向の荷重F2が加わる。
このとき、閉鎖方向の荷重F1は開放方向の最大の荷重F2よりも大きいので、バルブピストン23aには閉鎖方向の力が加わり、リリーフバルブ23は閉鎖状態を維持する。そのため、油圧センサHSで検知される値は、油圧制御回路HCからの指示通りの値となる。
次に、アウタープレート15やインナープレート16に異常摩耗が発生している場合(異常摩耗時)、非係合状態(ピストン17の移動量が「0」の状態)では、図3Aに示すように、ピストン17は、リターンスプリング22による付勢力によって油室20の油圧に抗して、エンドプレート15aに押圧力を加えない位置から移動しない。
このとき、図4Bに示すように、バルブピストン23aには、バルブスプリング23bの付勢力によって、閉鎖方向の荷重F0が加わっている。一方、このとき、油室20の油圧は「0」、又は、非常に低い値である。そのため、図5Bに示すように、バルブピストン23aには、油室20の油圧によって、開放方向には荷重が加えられていない(荷重が「0」)、又は、開放方向にはバルブスプリング23bの付勢力よりも十分に小さい荷重が加わっている。
その結果、バルブピストン23aには閉鎖方向の力が加わり、リリーフバルブ23は閉鎖状態を維持する。そのため、油圧センサHSで検知される値は、油圧制御回路HCからの指示通りの値となる。
次に、アウタープレート15やインナープレート16に異常摩耗が発生している場合(異常摩耗時)、係合状態(ピストン17の移動量が「x1」(正常時の最大移動位置)よりも大きい「x2」の状態)では、図3Bに示すように、ピストン17は、油室20の油圧によって、リターンスプリング22による付勢力に抗して移動する。そのため、ピストン17は、エンドプレート15aに押圧力を加えるように、図3Aの状態よりもエンドプレート15a側に位置する。
また、この場合においては、アウタープレート15やインナープレート16に異常摩耗が発生しているので、ピストン17のストローク量(すなわち、ピストン17からエンドプレート15aに押圧力が加えられるまでに必要なピストン17の移動量)が増加している。そのため、ピストン17は、正常時における押圧状態(図2Bの状態)よりも、一端側に移動している。
このとき、図4Bに示すように、バルブピストン23aには、バルブスプリング23bの付勢力によって、閉鎖方向の荷重F3が加わっている。一方、このとき、図5Aに示すように、バルブピストン23aには、油室20の油圧の変化に応じて、最大で開放方向の荷重F2が加わる。
閉鎖方向の荷重F3は、ピストン17の移動量に伴って、正常時における押圧時の付勢力による荷重F1よりも低い値となっている。そして、開放方向の荷重F2は、荷重F3を超える状態(例えば、図5Bで点を付して示した位置に対応する状態)となってしまう場合がある。その場合には、バルブピストン23aには開放方向の力が加わり、リリーフバルブ23は開放状態となる。そのため、油室20から作動油が連通路10eを介して排出され、油圧センサHSで検知される値は、油圧制御回路HCからの指示よりも低い値となる。
したがって、連通路10e、リリーフバルブ23及び油圧センサHSによって構成された判定機構を備える摩擦係合装置1では、油圧センサHSの油圧が油圧制御回路HCからの指示よりも低い値となるか否かを検知するだけで、アウタープレート15やインナープレート16の異常摩耗を検知することができる。
すなわち、摩擦係合装置1によれば、ストロークセンサ等の専用の部材を用いることなく、従来の摩擦係合装置にも配置されていたリリーフバルブ23及び油圧センサHSを用いることによって、アウタープレート15やインナープレート16の異常摩耗を検知することができる。
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、リリーフバルブ23を軸線方向に延びる連通路10eに配置している。そして、そのリリーフバルブ23を、連通路10eを閉鎖可能なバルブピストン23aとバルブスプリング23b(第2付勢部材)とで構成している。さらに、バルブスプリング23bは、ピストン17の移動に連動して動くように、ピストン17のピストン側受け部17dに固定されている。
しかし、本発明のリリーフバルブはこのような構成に限定されるものではない。例えば、ピストンと第2付勢部材とは、直接接続されている必要はなく、それらの間に他の部材を挟んで、間接的に接続するようにしてもよい。そのように構成すれば、連通路の向きが軸線方向以外(例えば、径方向)とすることが容易となる。
1…摩擦係合装置、10…ケース(筐体)、10a…外周側壁部、10b…端面部、10c…内周側壁部、10d…環状凸部、10e…連通路、11…第1クラッチハブ、11a…第1ボス部、11a1…小径部、11a2…大径部、11b…第1環状部、11c…第1ガイド部、11c1…第1溝部、12…第2クラッチハブ、12a…第2ボス部、12b…第2環状部、12c…第2ガイド部、12c1…第2溝部、13…第1ボールベアリング、14…第2ボールベアリング、15…アウタープレート(第1摩擦係合部材)、15a…エンドプレート、16…インナープレート(第2摩擦係合部材)、17…ピストン、17a…溝、17b…突起、17c…ベアリング支持部、17d…ピストン側受け部、18…スラストベアリング、19…O−リング、20…油室、21…スプリング受け部、21a…突起受け部、22…リターンスプリング(第1付勢部材)、23…リリーフバルブ、23a…バルブピストン、23b…バルブスプリング(第2付勢部材)、HC…油圧制御回路、HS…油圧センサ、I…入力軸(入力部材)、O…出力軸(出力部材)。

Claims (1)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達され回転する入力部材と、
    前記入力部材と一体的に回転する第1摩擦係合部材と、
    前記第1摩擦係合部材と軸線方向で重なるように配置されている第2摩擦係合部材と、
    前記第2摩擦係合部材と一体的に回転し、回転を出力する出力部材と、
    軸線方向に移動自在であり、前記第1摩擦係合部材及び前記第2摩擦係合部材の一方に対して他方に近づく方向の押圧力を加えるピストンと、
    前記ピストンを軸線方向一方側に付勢する第1付勢部材と、
    前記ピストンが内部に配置された筐体とを備え、
    前記ピストンと前記筐体との間に油室が形成され、
    前記ピストンは、前記油室に供給された油圧に応じて軸線方向他方側に押圧される摩擦係合装置であって、
    前記油室に供給されている油圧を検知する油圧センサと、
    前記油室の内部と外部とを連通する連通路と、
    前記連通路に設けられたリリーフバルブとを備え、
    前記リリーフバルブは、前記連通路を閉鎖可能なバルブピストンと、前記バルブピストンを付勢する第2付勢部材とを有し、
    前記バルブピストンは、前記油室の油圧によって開放方向に付勢され、前記第2付勢部材の付勢力によって閉鎖方向に付勢され、
    前記第2付勢部材は、前記ピストンが前記第1摩擦係合部材及び前記第2摩擦係合部材側に移動した際に、前記開放方向に移動し、
    前記第2付勢部材の前記付勢力は、前記ピストンが正常時における最大移動位置よりも前記第1摩擦係合部材及び前記第2摩擦係合部材側に移動した際に、前記油室の前記油圧を下回ることを特徴とする摩擦係合装置。
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