JP2019181333A - 振動モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルから導出される導線を落下衝撃時に保護することが可能となる振動モータを提供する。【解決手段】筐体の底部1の上側に配置される基板3と、基板の上側に配置されて周方向に導線を巻き回されて構成されるコイル4と、を有する静止部10と、磁石71とおもり72を含み、静止部に対して上下方向に振動可能に支持される振動体7と、底部と振動体の下端部との間に配置される弾性部材8と、を備える。コイルから導出された導出部41は、基板に接続部において接続され、おもりの下端部は、下側へ突出する突起部721を有し、突起部は、軸方向に視て、導出部と接続部よりも径方向外側の径方向位置且つ弾性部材と重なる領域に配置される。【選択図】図2
Description
本発明は、振動モータに関する。
従来、スマートフォン等の各種機器には、振動モータが備えられる。振動モータには、横方向に振動を行うタイプと、縦方向に振動を行うタイプが存在する。ユーザである人間は、横方向の振動よりも縦方向の振動を感じやすい。従来の縦方向振動型のリニア振動モータの一例は、特許文献1に開示される。
特許文献1の振動モータは、固定部と、磁界部と、基板と、振動部と、弾性部材と、を備える。固定部は、下部が開放されたケースと、ケースの内部空間を密閉するブラケットと、を有する。磁界部は、ブラケット上に固定されるマグネットと、マグネット上に固定されるヨークプレートと、を有する。振動部は、コイルと、質量体と、を有する。基板は、コイルの下面に固定される。弾性部材は、ケースと振動部との間に配置される。コイルは、対向するマグネットの外径よりも大きい内径を有し、マグネットの一部はコイルによって形成される空間内に挿入可能である。
基板を介してコイルに通電が行われると、コイルに発生する磁界と、マグネットにより形成される磁界の相互作用により、振動部は縦方向に振動を行う。
上記特許文献1では、コイルから導出される導線は基板に接続されるが、基板と弾性部材とは質量体を縦方向に挟んだ位置に配置されるので、振動モータを誤って落下させたときの落下衝撃時に質量体が大きく移動した場合でも、導線が弾性部材と接触する虞はほぼない。
しかしながら、縦方向リニア振動型モータの設計によっては、落下衝撃時に導線が弾性部材と接触して導線に影響を及ぼす可能性もある。
上記状況に鑑み、本発明は、コイルから導出される導線を落下衝撃時に保護することが可能となる振動モータを提供することを目的とする。
本発明の例示的な振動モータは、筐体と、前記筐体の底部の上側に配置される基板と、前記基板の上側に配置されて周方向に導線を巻き回されて構成されるコイルと、を有する静止部と、磁石とおもりを含み、前記静止部に対して上下方向に振動可能に支持される振動体と、前記底部と前記振動体の下端部との間に配置される弾性部材と、を備え、前記コイルから導出された導出部は、前記基板に接続部において接続され、前記おもりの下端部は、下側へ突出する突起部を有し、前記突起部は、軸方向に視て、前記導出部と前記接続部よりも径方向外側の径方向位置且つ前記弾性部材と重なる領域に配置される構成としている。
例示的な本発明の振動モータによれば、コイルから導出される導線を落下衝撃時に保護することが可能となる。
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、振動モータの中心軸Jの延びる方向を「軸方向」と呼び、軸方向に沿う方向は「上下方向」となる。具体的には、上側をX1、下側をX2として表す。また、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。なお、上記の「上下方向」は、実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向を示すものではない。
<1.振動モータの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る振動モータ15の外観を示す斜視図である。図2は、図1においてA−A線で切断した断面斜視図である。図3は、図1においてA−A線で切断した一部断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る振動モータ15の外観を示す斜視図である。図2は、図1においてA−A線で切断した断面斜視図である。図3は、図1においてA−A線で切断した一部断面図である。
振動モータ15は、大きく分けて、静止部10と、振動体7と、弾性部材8と、を備える。静止部10は、筐体C1と、基板3と、コイル4と、シャフト5と、ヨーク部6を有する。
筐体C1は、底部1と、ケース2を有する。底部(ベースプレート)1は、例えば冷延鋼板で構成される板状部材である。底部1は、中心軸Jに対して垂直方向に拡がる。
ケース2は、上端に蓋部21を有する円筒形状のカバー部材である。すなわち、ケース2は、下端に開口部22を有する。ケース2は、例えばSUS材により構成される。底部1は、略円板状の第1基台部11と、略矩形板状の第2基台部12を有し、第1基台部11と第2基台部12とが径方向に接続された構成を有する。第1基台部11に開口部22を嵌め込むことにより、ケース2は上方から底部1に対して取り付けられ、ケース2は底部1に対して溶接または融着、カシメ等により固定される。第2基台部12は、ケース2の外部に配置される。筐体C1内部に、基板3、コイル4、シャフト5、ヨーク部6、振動体7、および弾性部材8が収容される。
基板3は、コイル4に電流を供給するための配線を有するFPC(フレキシブルプリント基板)であり、上下方向に厚みを有する。基板3は、柔軟性を有し、底部1上に接着または粘着シートにより固定される。基板3は、略円板状の第1基板部31と、略矩形板状の第2基板部32を有し、第1基板部31と第2基板部32とが径方向に接続される構成を有する。第1基板部31は、第1基台部11上に配置される。第1基板部31は、第1ランド部L1および第2ランド部L2(後述の図5で図示)を有する。第1ランド部L1および第2ランド部L2はそれぞれ、コイル4の径方向外側において周方向に円弧状に延びて構成され、上方に露出する。第1ランド部L1および第2ランド部L2のそれぞれには、コイル4から導出される第1導出部41および第2導出部42(後述の図5で図示)が半田付け等により電気的に接続される。
第2基板部32は、第2基台部12上に配置される。第2基板部32は、上方に露出する第1端子部T1および第2端子部T2を有する。第1端子部T1は第1ランド部L1に、第2端子部T2は第2ランド部L2にそれぞれ配線によって接続される。これにより、第1端子部T1と第2端子部T2間に外部より電圧を印加することで、コイル4に電流を供給することができる。
なお、基板3についてのより詳細な構成については、後述する。また、基板については、柔軟性を有しないリジッド基板を用いることも可能である。
シャフト5は、中心軸Jを中心として上下方向に延びる柱状を有し、基部51と突出部52を有する。シャフト5は、例えば切削鋼により構成され、磁性を有する。基部51は、上下方向に延びる円柱状である。突出部52は、基部51より下方に突出する円柱状である。突出部52の径は、基部51の径よりも小さい。
第1基台部11は、中心軸Jを中心として上方に突出する固定部111を有する。固定部111は、第1基板部31を上下方向に貫通する。固定部111は、上下方向に貫通する貫通孔111Aを有する。突出部52を貫通孔111Aに嵌め込んで基部51を固定部111上に載置することで、シャフト5は固定部111に固定される。シャフト5の固定は、突出部52を嵌め込む箇所における圧入またはカシメにより行われる。
コイル4は、例えば融着ポリウレタン銅線で構成される導線を中心軸J周りに上下方向に沿って巻回すことで構成される。コイル4の下部は、固定部111の径方向外側に嵌め込まれる。コイル4の下端面は、第1基板部31と接着または粘着シートにより固定される。コイル4は、シャフト5の径方向外側に配置される。第1導出部41および第2導出部42は、コイル4から引き出される導線となる。
ヨーク部(バックヨーク)6は、例えば冷延鋼板により構成され、磁性を有する。ヨーク部6は、底部61と、壁部62を有する。底部61は、上下方向に厚みを有する略円板状である。
壁部62は、底部61の外縁から下方へ突出する円筒状である。すなわち、壁部62の内周面は、コイル4の外周面の径方向外側に位置し、当該外周面と径方向に対向する。底部61の下面が基部51の上端面に接着または粘着シートにより固定されることで、ヨーク部6はシャフト5に固定される。
振動体7は、磁石71と、おもり72と、ポールピース73と、を有する。磁石71は、例えば焼結ネオジム磁石から構成され、上面視で円環状を有する円筒形状である。おもり72は、例えばタングステン合金により構成され、上面視で円環状を有する略円筒形状である。磁石71は、おもり72の径方向内側に配置される。磁石71の外周面は、おもり72の内周面に対して接着または粘着シートにより固定される。ポールピース73は、例えばSUS材により構成され、磁性を有する円環板状部材である。ポールピース73は、磁石71の下側に配置され、磁石71の下面と接着または粘着シートにより固定される。
弾性部材8は、例えばSUS材により構成される板バネ部材である。ここで、弾性部材8の構成を示すために、振動モータ15の下方一部構成を示す斜視図を図4に示す。弾性部材8は、第1リング部81と、第1リング部81よりも下方に位置する第2リング部82と、第1リング部81および第2リング部82を接続する3つのリング接続部83と、を有する。円環状の第1リング部81の外縁において周方向に等間隔に3つ配置される箇所がそれぞれ、径方向外側に向かいつつ周方向に延びるリング接続部83により第2リング部82の内縁に接続される。このような構成により、弾性部材8は、上下方向に伸縮可能である。
弾性部材8は、振動体7と第1基台部11との間に配置される。第1リング部81の径方向内側にコイル4が配置される。第2リング部82の下面が第1基台部11の上面に溶接または融着により固定されることで、弾性部材8は底部1に固定される。第1リング部81の上面がポールピース73の下面に溶接または融着により固定されることで、弾性部材8は振動体7に固定される。
これにより、振動体7は、上下方向に振動可能に弾性部材8により支持される。磁石71の内周面は、ヨーク部6の外周面より径方向外側に位置し、当該外周面と径方向に対向する。
コイル4に電流を供給することで、コイル4、シャフト5、およびヨーク部6から構成される磁路を通る磁束が発生する。発生した磁束と、磁石71およびポールピース73を磁路とする磁束との相互作用によって、振動体7は上下方向に振動する。従って、振動モータ15は、縦方向振動型のリニア振動モータとなる。
特に、ヨーク部6を先述した底部61と壁部62から構成されるようにしたことで、ヨーク部6と磁石71との径方向距離を短くし、且つ、その短い部分を上下方向に長くすることができるので、振動モータ15のパワーを高めることができる。その際に、底部61の厚みを大きくする必要がないので、振動モータ15の上下方向のサイズが大きくなるのを抑制できる。また、コイル4の上下方向の長さを短くする必要もないので、巻き数が低下して吸引力(リアクタンストルク)が低下することを抑制できる。
また、ヨークの厚みが厚い場合、安価なプレス加工によってヨークを製造することができず、切削部品を使用することになるので高価となる。これに対し、本実施形態のヨーク部6であれば、厚みを大きくする必要がないので、安価なプレス加工を用いることができる。
<2.コイル固定構造の構成>
次に、振動モータ15に備えられるコイル固定構造について説明する。図5は、本実施形態に係るコイル固定構造151を示す斜視図である。
次に、振動モータ15に備えられるコイル固定構造について説明する。図5は、本実施形態に係るコイル固定構造151を示す斜視図である。
コイル固定構造151は、基板3とコイル4を有し、底部1上に配置される。底部1は、第1基台部11と、第2基台部12と、接続台部13を有する。接続台部13は、第1基台部11と第2基台部12を径方向に接続する。
基板3は、第1基板部31と、第2基板部32と、接続基板部33を有する。接続基板部33は、径方向に延びる帯状を有し、第1基板部31と第2基板部32を径方向に接続する。コイル4は、第1基板部31上に固定される。
基板3は、上下方向に積層される層構造として、ベースフィルム部3A、導体部3B、および絶縁部3Cを有する。ベースフィルム部3Aは、例えばポリイミドにより構成され、絶縁性および柔軟性を有する。導体部3Bは、例えば銅箔により構成され、ベースフィルム部3A上に配置される。
導体部3Bは、第1配線部3B1と、第2配線部3B2を有する。第1配線部3B1と第2配線部3B2とは、絶縁される。第1配線部3B1は、第1ランド部L1と、第1端子部T1と、第1接続配線部CN1を有する。第2配線部3B2は、第2ランド部L2と、第2端子部T2と、第2接続配線部CN2を有する。
絶縁部3Cは、導体部3B上に配置され、例えばポリイミドで構成されるレジスト層である。第1ランド部L1および第2ランド部L2は、第1基板部31に含まれる。第1ランド部L1および第2ランド部L2の上方に絶縁部3Cは配置されないため、第1ランド部L1および第2ランド部L2は、上方に露出し、外部との電気的接続が可能となる。
第1端子部T1および第2端子部T2の上方には絶縁部3Cが配置されないため、第1端子部T1および第2端子部T2は、上方に露出し、外部との電気的接続が可能となる。第1端子部T1は、第1接続配線部CN1によって第1ランド部L1と接続される。第2端子部T2は、第2接続配線部CN2によって第2ランド部L2と接続される。第1接続配線部CN1および第2接続配線部CN2の上方には絶縁部3Cが配置される。
コイル4から導出される第1導出部41の端部は、第1ランド部L1に第1接続部151Aにおいて電気的に接続される。コイル4から導出される第2導出部42の端部は、第2ランド部L2に第2接続部151Bにおいて電気的に接続される。第2導出部42は、コイル4の巻始め線であり、第1導出部41は、コイル4の巻終わり線である。第1導出部41および第2導出部42の各ランド部への電気的接続は、半田付け、または抵抗溶接により行われる。
<3.おもりの構成>
上述した図5の状態において弾性部材8を第1基台部11に固定した状態が、上述した図4に示す状態となる。従って、弾性部材8は、コイル4の第1導出部41および第2導出部42、並びに第1接続部151Aおよび第2接続部151Bを上側から覆う。そこで、本実施形態では、誤って振動モータ15を落下させた場合等の落下衝撃時に振動体7が下方へ移動して弾性部材8が変形するが、そのときに弾性部材8が導出部および接続部に接触することを抑制する構成を実現している。このような構成について、以下詳細に説明する。
上述した図5の状態において弾性部材8を第1基台部11に固定した状態が、上述した図4に示す状態となる。従って、弾性部材8は、コイル4の第1導出部41および第2導出部42、並びに第1接続部151Aおよび第2接続部151Bを上側から覆う。そこで、本実施形態では、誤って振動モータ15を落下させた場合等の落下衝撃時に振動体7が下方へ移動して弾性部材8が変形するが、そのときに弾性部材8が導出部および接続部に接触することを抑制する構成を実現している。このような構成について、以下詳細に説明する。
図2および図3に示すように、おもり72の下端部は、下側へ突出する突起部721を有する。突起部721は、おもり72の下端部の径方向外側縁に沿って形成され、上面から視て円環状を有する。すなわち、突起部721は、周方向の全周にわたって配置される。
ここで、図6は、振動モータ15の一部構成において、おもり72における突起部721の上下方向位置で上下方向に対して垂直な切断面にて切断した状態を示す上面視断面図である。図6には、底部1、基板3、コイル4、および突起部721を示す。図6に示す突起部721は、突起部721の下面である。
突起部721は、軸方向に視て、弾性部材8の第2リング部82と重なる。すなわち、突起部721は、弾性部材8が底部1に固定される固定部分と重なる。これにより、振動モータ15を落下させた落下衝撃時に振動体7は下方へ移動して弾性部材8が変形するが、突起部721が第2リング部82と接触するので、振動体7の下方への移動が制限される。従って、弾性部材8における第2リング部82よりも径方向内側の第1リング部81およびリング接続部83の変形が制限され、弾性部材8が各導出部41,42および各接続部151A,151Bと接触することが抑制される。よって、導出部および接続部を保護することが可能となる。
換言すれば、突起部721は、軸方向に視て、導出部41,42と接続部151A,151Bよりも径方向外側の径方向位置且つ第2リング部82と重なる領域に配置される。より具体的には、導出部41,42は、コイル4の下面側から導出されるので、突起部721は、導出部41,42におけるコイル4により上方から覆われる部分以外の部分よりも径方向外側の径方向位置に配置される。導出部41,42におけるコイル4により上方から覆われる部分以外の部分とは、図6に導出部41,42として図示される部分である。
これにより、落下衝撃時に振動体7が下方へ移動しても、突起部721が第2リング部82と接触することで振動体7の移動が制限され、突起部721よりも径方向内側に位置する導出部41,42および接続部151A,151Bの上方に位置する弾性部材8の変形が抑制され、弾性部材8が導出部41,42および接続部151A,151Bに接触することが抑制される。
特に、突起部721をおもり72の下端部における外径側に設けることにより、おもり72における外径側の重量を増やすことができるので、振動体7の振動量を大きくすることができる。また、突起部721の代わりにダンパーによって突起部を形成することも考えられるが、部材点数が増えるので、本実施形態のようにおもりに突起部を形成したほうが追加部材が不要となり望ましい。
なお、突起部721は、軸方向に視て、弾性部材8のリング接続部83と重なる領域に配置してもよい。この場合、落下衝撃時に振動体7が下方へ移動すると、突起部721が可動部分であるリング接続部83と接触し、リング接続部83が変形する。そして、リング接続部83が或る程度変形したところで変形は制限され、振動体7の移動が制限される。これにより、導出部41,42および接続部151A,151Bの上方に位置する弾性部材8の変形が抑制され、弾性部材8が導出部41,42および接続部151A,151Bに接触することが抑制される。但し、上述したように突起部721は、軸方向に視て、固定部分である第2リング部82と重なる領域に配置したほうが、弾性部材8の変形が抑制されるので望ましい。
また、図6に示すように、中心軸Jから第1導出部41を通って延びる径方向線分上の径方向位置および中心軸Jから第1接続部151Aを通って延びる径方向線分上の径方向位置からなる周方向に延びる領域を第1領域R1とする。より具体的には、上述した第1導出部41におけるコイル4により上方から覆われる部分以外の部分に対応する領域が第1領域R1である。
さらに、第1領域R1の周方向一端に隣接する周方向に延びる所定領域を第2領域R2とし、第1領域R1の周方向他端に隣接する周方向に延びる所定領域を第3領域R3とする。
突起部721の一部は、第1領域R1〜第3領域R3からなる円弧状領域に配置される。これにより、突起部721のうち上記円弧状領域に位置する箇所が第2リング部82と接触することで振動体7の移動が制限され、第1導出部41および第1接続部151Aの上方に位置する弾性部材8の変形が抑制され、より確実に第1導出部41および第1接続部151Aを保護することが可能となる。
なお、図6に示す突起部721の構成に限らず、突起部の少なくとも一部が第1領域R1〜第3領域R3からなる領域の少なくとも一部に配置される構成であれば、種々の形態を採ることができる。従って、例えば、第1領域R1〜第3領域R3の全ての領域に配置される円弧状の突起部としてもよいし、第1領域R1〜第3領域R3のうち1つまたは2つの領域にのみ配置される円弧状の突起部としてもよい。
換言すれば、図6に示す突起部721の構成も含めて、突起部は、周方向について、第1導出部41と第1接続部151Aの近傍に位置することが望ましい。なお、これは、突起部と、第2導出部42、第2接続部151Bとの関係についても同様である。
また、図3に示すように、振動体7の下端部は、突起部721よりも径方向内側にポールピース73を有する。突起部721の下面は、ポールピース73の下面よりも下側に位置する。これにより、落下衝撃時に突起部721がより確実に最初に弾性部材8に接触するので、導出部41,42および接続部151A,151Bをより確実に保護することができる。
さらに、ポールピース73より径方向外側、且つ突起部721よりも径方向内側の領域において、おもり72の下面72Aは、ポールピース73の下面よりも上側に位置する。
これにより、落下衝撃時に突起部721がより確実に最初に弾性部材8に接触するので、導出部41,42および接続部151A,151Bをより確実に保護することができる。
また、図3に示すように、突起部721の下側先端部には、面取り形状721Aが形成される。図3では、面取り形状721AはC面としているが、アール等でもよい。これにより、落下衝撃時に突起部721が弾性部材8と接触したときの突起部721に生じる応力集中を緩和することができる。
さらに、面取り形状721Aは、突起部721の下側先端部の径方向内側エッジに設けられる。これにより、突起部721において弾性部材8と干渉し易い径方向内側エッジの干渉を抑制することができる。
<4.突起部の変形例>
先述した突起部721は、周方向の全周にわたって配置される構成であるので、突起部721が弾性部材8に接触したときの弾性部材8に加わる力が分散され、弾性部材8を保護することができる。
先述した突起部721は、周方向の全周にわたって配置される構成であるので、突起部721が弾性部材8に接触したときの弾性部材8に加わる力が分散され、弾性部材8を保護することができる。
ただし、突起部については、以下のような変形例としてもよい。図7は、一変形例に係る突起部を示す上面視断面図である。図7は、先述した図6と同様、突起部の下面を示す。
図7に示す構成では、突起部7211,7212,7213という3つの突起部が周方向に配置される。このように、突起部が複数配置されるので、突起部が弾性部材8に接触したときの弾性部材8に加わる力が分散され、弾性部材8を保護することができる。
また、突起部7211,7212,7213は、周方向に等間隔に配置される。すなわち、突起部7211,7212,7213は、周方向に120°ずつ間隔を空けて配置される。これにより、突起部が弾性部材8に接触したときに振動体7が傾くことが抑制される。
なお、突起部は3つに限らず、2つ以上の任意の個数設けることが可能である。また、複数の突起部のうち少なくとも一つが、先述した図6に示す第1領域R1〜第3領域R3からなる領域の少なくとも一部に配置されることが望ましい。また、複数の突起部の各々に先述した面取り形状を形成することが望ましい。
<5.本実施形態による作用効果>
このように本実施形態に係る振動モータ15は、筐体C1と、筐体C1の底部1の上側に配置される基板3と、基板3の上側に配置されて周方向に導線を巻き回されて構成されるコイル4と、を有する静止部10と、磁石71とおもり72を含み、静止部10に対して上下方向に振動可能に支持される振動体7と、底部1と振動体7の下端部との間に配置される弾性部材8と、を備える。コイル4から導出された導出部41,42は、基板3に接続部151A,151Bにおいて接続され、おもり72の下端部は、下側へ突出する突起部721を有し、突起部721は、軸方向に視て、導出部41,42と接続部151A,151Bよりも径方向外側の径方向位置且つ弾性部材8と重なる領域に配置される。
このように本実施形態に係る振動モータ15は、筐体C1と、筐体C1の底部1の上側に配置される基板3と、基板3の上側に配置されて周方向に導線を巻き回されて構成されるコイル4と、を有する静止部10と、磁石71とおもり72を含み、静止部10に対して上下方向に振動可能に支持される振動体7と、底部1と振動体7の下端部との間に配置される弾性部材8と、を備える。コイル4から導出された導出部41,42は、基板3に接続部151A,151Bにおいて接続され、おもり72の下端部は、下側へ突出する突起部721を有し、突起部721は、軸方向に視て、導出部41,42と接続部151A,151Bよりも径方向外側の径方向位置且つ弾性部材8と重なる領域に配置される。
これにより、落下衝撃時に突起部が下方へ移動して弾性部材と接触することで、突起部よりも径方向内側に位置する導出部および接続部よりも上方に位置する弾性部材の変形が抑制され、弾性部材とコイルの導線および接続部との接触が抑制される。従って、導線および接続部を保護することができる。
また、突起部721は、周方向について、導出部41,42と接続部151A,151Bの近傍に位置する。
これにより、弾性部材が導線および接続部に接触することをより抑制することができ、導線および接続部をより確実に保護することができる。
また、突起部721は、軸方向に視て、弾性部材8が底部1に固定される固定部分(第2リング部82)と重なる。
これにより、落下衝撃時に突起部が弾性部材の固定部分に接触するため、弾性部材の変形を抑制することができる。
また、振動体7の下端部は、突起部721よりも径方向内側にポールピース73を有し、突起部721の下面は、ポールピース73の下面よりも下側に位置する。
これにより、落下衝撃時に突起部がより確実に最初に弾性部材に接触するので、導線等をより確実に保護することができる。
また、ポールピース73より径方向外側、且つ突起部721よりも径方向内側の領域において、おもり72の下面72Aは、ポールピース73の下面よりも上側に位置する。
これにより、落下衝撃時に突起部がより確実に最初に弾性部材に接触するので、導線等をより保護することができる。
また、突起部721は、周方向の全周にわたって配置される。これにより、突起部が弾性部材に接触したときの弾性部材に加わる力が分散され、弾性部材を保護することができる。
また、突起部7211,7212,7213は、周方向に複数配置される。これにより、突起部が弾性部材に接触したときの弾性部材に加わる力が分散され、弾性部材を保護することができる。
また、突起部7211,7212,7213は、周方向に等間隔に配置される。これにより、突起部が弾性部材に接触したときに振動体が傾くことが抑制される。
また、突起部721の下側先端部に面取り形状721Aが設けられる。これにより、突起部が弾性部材と接触したときの突起部に生じる応力集中を緩和することができる。
また、面取り形状721Aは、上記下側先端部の径方向内側エッジに設けられる。これにより、突起部において弾性部材と干渉し易い径方向内側エッジの干渉を抑制することができる。
<6.その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々の変形が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々の変形が可能である。
本発明は、例えばスマートフォン、ウエアラブル機器などに備えられる振動モータに利用することができる。
1・・・底部、11・・・第1基台部、111・・・固定部、12・・・第2基台部、13・・・接続台部、2・・・ケース、21・・・蓋部、22・・・開口部、3・・・基板、31・・・第1基板部、32・・・第2基板部、33・・・接続基板部、3A・・・ベースフィルム部、3B・・・導体部、3C・・・絶縁部、3B1・・・第1配線部、3B2・・・第2配線部、L1・・・第1ランド部、L2・・・第2ランド部、T1・・・第1端子部、T2・・・第2端子部、CN1・・・第1接続配線部、CN2・・・第2接続配線部、4・・・コイル、41・・・第1導出部、42・・・第2導出部、5・・・シャフト、51・・・基部、52・・・突出部、6・・・ヨーク部、61・・・底部、62・・・壁部、7・・・振動体、71・・・磁石、72・・・おもり、721・・・突起部、721A・・・面取り形状、7211〜7213・・・突起部、73・・・ポールピース、8・・・弾性部材、81・・・第1リング部、82・・・第2リング部、83・・・リング接続部、10・・・静止部、15・・・振動モータ、151A・・・第1接続部、151B・・・第2接続部、C1・・・筐体、J・・・中心軸
Claims (10)
- 筐体と、前記筐体の底部の上側に配置される基板と、前記基板の上側に配置されて周方向に導線を巻き回されて構成されるコイルと、を有する静止部と、
磁石とおもりを含み、前記静止部に対して上下方向に振動可能に支持される振動体と、
前記底部と前記振動体の下端部との間に配置される弾性部材と、
を備え、
前記コイルから導出された導出部は、前記基板に接続部において接続され、
前記おもりの下端部は、下側へ突出する突起部を有し、
前記突起部は、軸方向に視て、前記導出部と前記接続部よりも径方向外側の径方向位置且つ前記弾性部材と重なる領域に配置される、
振動モータ。 - 前記突起部は、周方向について、前記導出部と前記接続部の近傍に位置する、請求項1に記載の振動モータ。
- 前記突起部は、軸方向に視て、前記弾性部材が前記底部に固定される固定部分と重なる、請求項1または請求項2に記載の振動モータ。
- 前記振動体の下端部は、前記突起部よりも径方向内側にポールピースを有し、
前記突起部の下面は、前記ポールピースの下面よりも下側に位置する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動モータ。 - 前記ポールピースより径方向外側、且つ前記突起部よりも径方向内側の領域において、前記おもりの下面は、前記ポールピースの下面よりも上側に位置する、請求項4に記載の振動モータ。
- 前記突起部は、周方向の全周にわたって配置される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動モータ。
- 前記突起部は、周方向に複数配置される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動モータ。
- 前記突起部は、周方向に等間隔に配置される、請求項7に記載の振動モータ。
- 前記突起部の下側先端部に面取り形状が設けられる請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の振動モータ。
- 前記面取り形状は、前記下側先端部の径方向内側エッジに設けられる、請求項9に記載の振動モータ。
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