しかしながら、従来の防犯タイプのドアスコープをドアへ装着する際、室内側の金具をコインや回転用治具などで強く締めすぎるとドアが内側に窪むように変形したり、直線部やその近傍が変形したりするなどして損傷する恐れがあった。したがって、このような不具合が生じないように、実際の現場においては、室内側の金具を軽く締めることが多くなり、その結果、室外側に臨む金具が外側から回し易くなって、所望の防犯性能が維持できない恐れがあった。
また、室外側に臨む金具が外側から回し易い状態で取り付けられている場合には、室外側とドアとの密着性能が低いため、これらの間の隙間から雨水などが浸入する恐れもあった。
また、ドアの厚みに対応して、寸法の異なる複数の種類の部品を揃えなければならないため、製造コストが増加するという課題もあった。
本発明は、上記課題を解決するもので、防犯性能を良好に維持できながら、室内筒などの室内側金具を締め込んでもドアが変形することがないように構成することが可能となるとともに、室外側から雨水などが浸入することを防止でき、しかも、ドアの厚みが異なっても同じ部品で対応することが可能なドアスコープを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、ドアに設けられた嵌合孔を介して、室外鍔部を有する室外筒と、室内鍔部を有する室内筒と、が組み付けられ、レンズ類を備えるドアスコープであって、室外筒の後部に組付けられ、室内筒の内側に互いに周方向に相対移動可能な状態で挿入される室内外連結筒と、室内外連結筒と室内筒との間に配設されて、室内筒を室内鍔部がドアの室内面部に密着する方向に付勢するとともに、室外筒を室外鍔部がドアの室外面部に密着する方向に付勢する付勢手段と、を備えていることを特徴とする。
この構成において、このドアスコープをドアに組み付ける際には、室外筒をドアの室外側から挿入し、また、室内外連結筒と室内筒との間に付勢手段を配設させた状態で、室内外連結筒および室内筒などを室内側から挿入して、室内外連結筒を室外筒に組み付ける。これにより、付勢手段の付勢力によって、室外筒はその室外鍔部がドアの室外面部に密着する方向に付勢され、室内筒もその室内鍔部がドアの室内面部に密着する方向に付勢される。また、室外筒および室内外連結筒は、室内筒に対して相対的に回転自在な状態で、ドアスコープをドアに組み付けることができる。
この場合に、室内外連結筒と室内筒とは互いに周方向に移動自在であるため、室内外連結筒を室外筒にねじ込むなどして組み付けても、ドアの室外面部や室内面部が変形することがないように構成することが可能となる。また、ドアスコープの組付け時には、室内外連結筒を最後までねじ込むなどして組付けて、ドアスコープを強固に組み付けることができる。また、室外筒の室外鍔部を回転されることがあっても、室内外連結筒とともに室外筒も回るだけであって、室外筒が外れることがない。また、室外筒は付勢手段の付勢力によって、室外鍔部がドアの室外面部に密着する方向に付勢されているため、室外鍔部をドアの室外面部に対して隙間なく組み付けることが可能となり(パッキンなどを介して密着して組み付けてもよい)、室外側から雨水などが浸入することを防止できる。さらに、ドアの厚みが多少異なっても、付勢手段の伸縮状態がその厚みにより異なるだけで、同じ部品を用いて組み付けることが可能である。
また、本発明のドアスコープは、室外筒のドアの嵌合孔に嵌合する箇所の断面形状およびドアの室外筒に嵌合する箇所の断面形状の少なくとも一方が、直線部や凹凸部などを有しない単なる丸形であり、室外筒を周方向に回転した場合でもドアの嵌合孔に対して周方向には係合しない形状としていることを特徴とする。この構成によれば、室外筒の室外鍔部を回転されることがあっても、室内外連結筒とともに室外筒も回るだけであって、室外筒が外れ易くなることがなく、室外筒のドアの嵌合孔に嵌合する箇所の断面形状を、室外筒を周方向に回転した場合でもドアの嵌合孔に対して周方向には係合しない形状としているので、ドアの嵌合孔が設けられている箇所が変形することがない。
また、本発明のドアスコープは、室内外連結筒の室内側端部に、室内外連結筒を回転する回転用治具に係合可能な治具係合部が形成されていることを特徴とする。この構成によれば、回転用治具を室内側から室内外連結筒の治具係合部に係合させて回転することで、ドアスコープをドアに良好に組み付けることができる。
また、本発明のドアスコープは、室内外連結筒の室外側部分外周に、内側に付勢手段が配置された室内筒の室外側端部に当接して、室内外連結筒と付勢手段と室内筒とを一体化するリング体が嵌合されていることを特徴とする。この構成によれば、室内外連結筒と付勢手段と室内筒とをリング体により一体化することができる。したがって、予めリング体を用いて室内外連結筒と付勢手段と室内筒とをリング体により一体化した後に、ドアが設けられている現場で、それぞれ凹レンズなどを組み付けた室外筒と、室内筒などを一体化した室内外連結筒とを連結するだけで、当該ドアスコープをドアに組み付けることができる。
また、本発明のドアスコープは、室内筒の室内側部分内周に、室内外連結筒を回転する回転用治具を保持できる弾性体が嵌合されていることを特徴とする。これにより、室内外連結筒を回転する際に回転用治具が脱落しない状態で回転することができる。また、予め、回転用治具を室内外連結筒に嵌合させて保持させた状態で、製品を納入することも可能となる。
本発明によれば、室外筒の後部に組付けられ、室内筒の内側に互いに周方向に相対移動可能な状態で挿入される室内外連結筒と、室内外連結筒と室内筒との間に配設されて、室内筒を室内鍔部がドアの室内面部に密着する方向に付勢するとともに、室外筒を室外鍔部がドアの室外面部に密着する方向に付勢する付勢手段と、を備えることにより、ドアの室外面部や室内面部が変形することなく、ドアスコープを強固に組み付けることが可能となって、防犯性能を良好に維持できる。また、例え、室外筒の室外鍔部を回転されることがあっても、室内外連結筒とともに回るだけであって、室外筒が外れることはないため、これによっても防犯性能を良好に維持でき、ドアが変形することもない。また、室外筒は付勢手段の付勢力によって、室外鍔部がドアの室外面部に密着する方向に付勢されており、室外鍔部をドアの室外面部に対して隙間なく組み付けることが可能となり、室外側から雨水などが浸入することを防止できる。さらに、ドアの厚みが多少異なっても、付勢手段の伸縮状態がその厚みにより異なるだけで、同じ部品を用いて組み付けることが可能であるため、製造コストを低減することができる。
また、室内外連結筒の室内側端部に、室内外連結筒を回転する回転用治具に係合可能な治具係合部を形成し、治具係合部が形成されている室内外連結筒を室内筒より室内側に突出させないように(室内筒の内部に位置するように)配置することで、治具係合部が室内側に露出しないように配設できて、安全性を高めることができる。つまり、従来の一般的なドアスコープでは、室内筒の鍔部にコイン等で取り付けるための溝が切られており、この溝が取り付け後も表面に出ているため、触ると手を傷つけてしまう場合があるが、上記構成によれば、室内外連結筒を取り付けると治具係合部(溝)が室内筒の内部に入り込み、手で触れる場所に位置しないため、安全性に優れたものとなる。
また、室内外連結筒の室外側部分外周に、内側に付勢手段が配置された室内筒の室外側端部に当接して、室内外連結筒と付勢手段と室内筒とを一体化するリング体を嵌合させることにより、ドアが設けられている現場では、凹レンズなどを組み付けた室外筒と、室内筒などを一体化した室内外連結筒とを連結するだけで、当該ドアスコープをドアに容易に組み付けることができ、現場での作業性が良好となる。
また、室内筒の室内側部分内周に、室内外連結筒を回転する回転用治具を保持できる弾性体を嵌合することにより、室内外連結筒を回転する際に回転用治具が脱落しない状態で回転することができて便利である。また、予め、回転用治具を室内外連結筒に嵌合させて保持させた状態で、製品を納入することも可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係るドアスコープを、図面に基づき説明する。なお、ドアスコープを構成する各構成要素の説明において、ドアスコープがドアに組み付けられる際に、室外側となる側を前側、室内側となる側を後側とも称する場合がある。
図1〜図3などにおいて、1は玄関用ドアなどのドア、1aはドア1の室外面部、1bはドア1の室内面部、10は、このドア1に組付けられる本発明の実施の形態に係るドアスコープである。図4、図5などに示すように、ドア1には、ドアスコープ10を挿通させて組み付けるための丸形(円形)の嵌合孔(丸孔)2(2a、2b)がドア1の室外面部1aと室内面部1bとを貫通して形成されている。なお、ドア1の嵌合孔2(2a、2b)は直線部や凹凸部などを有しない単なる丸形(円形)である。また、図1における1cは、断熱材(断熱材以外のものでもよい)などで構成されてドア1の室外面部1aと室内面部1bとの間に内装されている内部材である。
図1〜図3および図6〜図8などに示すように、ドアスコープ10は、室外鍔部13aなどを有し、ドア1の室外側から組み付けられる室外筒13と、室外筒13の内部に設けられる一対の凹レンズ11A、11Bと、室内鍔部14aなどを有し、室内側から組み付けられる室内筒14と、室内筒14の内側に互いに周方向に相対移動可能な状態で挿入されて、室外筒13に連結される室内外連結筒15と、室内外連結筒15の内部に設けられる1つの凸レンズ12と、室内外連結筒15と室内筒14との間に配設された付勢手段としての付勢ばね16となどを備えている。また、この実施の形態では、室外筒13の室外鍔部13aとドア1の室外面部1aとの間にパッキン17が装着されるが、パッキン17は必要に応じて設けるとよい。
図6、図7などに示すように、この実施の形態では、室外筒13が外部室外筒13Aと内部室外筒13Bとから構成されている。外部室外筒13Aは、その室外側(前側)端部外周に、外周側に突出する室外鍔部13aが、パッキン17を介してドア1の室外面部1aに密着するように形成されているとともに、室外側内周には、内周側にわずかに突出する突部13bが形成されている。また、室外筒13(外部室外筒13A)のドア1の室外面部1aに嵌合する箇所(嵌合部13f)の断面形状が、直線部や凹凸部などを有しない単なる丸形とされており、これに対応してドア1の室外面部1aの嵌合孔2(2a)も直線部や凹凸部などを有しない単なる丸形(円形)とされている。すなわち、室外筒13(外部室外筒13A)のドア1の室外面部1aに嵌合する箇所(嵌合部13f)の断面形状が、室外筒13を周方向に回転した場合でもドア1の嵌合孔2(2a)に対して周方向には係合しない形状としている。なお、室外鍔部13aの外周面には、外周側程薄肉となるような傾斜面(テーパ面)形状とすると、この室外筒13を室外側から回転し難くなるので好適であるが、これに限るものではない。
外部室外筒13Aは室内側(後側)内周に、内部室外筒13Bに形成された雄ねじ部13cと螺合する雌ねじ部13dが形成されている。そして、外部室外筒13Aの内側に、対となった凹レンズ11A、11Bが嵌め込まれた状態で、外部室外筒13Aの雌ねじ部13dに、内部室外筒13Bの雄ねじ部13cが螺合されることで、凹レンズ11A、11Bが収容された室外筒13が一体化されている。また、室外筒13の内部室外筒13Bの内周には、室内外連結筒15と連結するための雌ねじ部13eが内周面に(より詳しくは後側に開口する状態で)形成されている。すなわち、室外筒13の後部には、室内外連結筒15を組み付けるための雌ねじ部13eが形成されている。
図8、図9などに示すように、室内筒14は、その室内側(後側)端部外周に、外周側に突出してドア1の室内面部1bに密着する室内鍔部14aが形成されている。また、室内筒14は、室外側(前側)端部に内周側に突出する突条部14bが形成され、突条部14bには、付勢手段としての付勢ばね16の室外側端部(前端部分)が当接される。
室内外連結筒15は、内周部の一部に段付部15aが形成され、この室内外連結筒15の内側の段付部15aが形成されている箇所まで、凸レンズ12が室内側(後側)から嵌め込まれた後に、樹脂製などの弾性を有する環状の押さえ材18が室内側(後側)から嵌め込まれて、凸レンズ12が保持される。また、室内外連結筒15の室内側端部(後端部)には外周側に突出する突条部15bが形成され、この突条部15bに、付勢手段としての付勢ばね16の室内側(後側)端部が当接された状態で、室内外連結筒15と室内筒14との間に付勢ばね16が配設される。また、室内外連結筒15の室内側端部(後端部)に形成された突条部15bには、この室内外連結筒15を回転する回転用治具19の先端部19a(図10、図11参照)が係合する治具係合部15cが形成され、この実施の形態では、治具係合部15cは凹形状の溝部が周方向2箇所(周方向180度毎)に形成されて構成されている。なお、治具係合部15cは回転用治具19の先端部19aが係合する形状であればよく、回転用治具19の先端部19aを凹形状、治具係合部15cを凸形状に形成してもよい。
室内外連結筒15は、室外側部分外周(外周面における前側寄り箇所)に、室内外連結筒15と室内筒14との間に付勢ばね16を配設した状態で、これらを一体化するリング体20を嵌め込む溝部15dが形成されている。リング体20は例えば、ナイロンなどの樹脂からなる円環状の弾性体で構成され、室内外連結筒15に嵌め込まれる際には、一時的に径方向に拡げられるよう構成されると好適であるが、これに限るものではなく、円環状の一部が切欠かれた、いわゆる一つ割形状のものを用いてもよい。
さらに、室内外連結筒15は、先端部外周(室外側部分外周であり、より詳しくは、外周面における溝部15dよりも室外側領域)に、雄ねじ部15eが形成されている。この室内外連結筒15の雄ねじ部15eは、一体化された室内外連結筒15、室内筒14、付勢ばね16などが、ドア1内部に室内側から挿入された状態で、室外筒13の雌ねじ部13eに螺合されることで、当該ドアスコープ10が一体化される。
当該ドアスコープ10をドア1に組み付ける際には、前もって、当該ドアスコープ10を製品化する工場などにおいて、凹レンズ11A、11Bを内装した状態で、室外筒13の外部室外筒13Aと内部室外筒13Bとを一体化し、外部室外筒13Aの外周にパッキン17を嵌め込む。(図6、図7参照)
また、並行して、内部に凸レンズ12、押さえ材18を収容した室内外連結筒15の外周に付勢ばね16を前側から嵌め込み、さらにこの外周に室内筒14およびリング体20を前側から嵌め込んで、室内外連結筒15、付勢ばね16、室内筒14などを一体化する。
そして、図10、図11に示すように、ドアスコープ10の組付対象となるドア1がある現場において、ドア1の室外側から室外筒13(凹レンズ11A、11Bが内装されている)を挿入するとともに、また、ドア1の室内側から室内筒14および室内外連結筒15(凸レンズ12や付勢ばね16が内装されている)を挿入し、回転用治具19を室内外連結筒15に係合させて回転することにより、室内外連結筒15の雄ねじ部15eを室外筒13の雌ねじ部13eにねじ込む(締め込む)。これにより、図1に示すように、付勢手段としての付勢ばね16の付勢力によって、室外筒13はその室外鍔部13aがドア1の室外面部1aに密着する方向に付勢され、室内筒14はその室内鍔部14aがドアの室内面部1bに密着する方向に付勢される。また、室外筒13および室内外連結筒15は、室内筒14に対して相対的に回転自在な状態で、ドアスコープ10をドア1に組み付けることができる。
この場合に、室外筒13と室内外連結筒15とは雌ねじ部13eと雄ねじ部15eとで連結され、これらは室内筒14とは分離されている。また、室外筒13(外部室外筒13A)のドア1の室外面部1aに嵌合する箇所(嵌合部13f)の断面形状が、室外筒13を周方向に回転した場合でもドア1の嵌合孔2(2a)に対して周方向には係合しない形状(この実施の形態では、ドア1の嵌合孔2aもこれに嵌合する外部室外筒13Aの断面形状も直線部や凹凸部などを有しない単なる丸形)としている。したがって、室内外連結筒15の雄ねじ部15eを室外筒13の雌ねじ部13eに最後までねじ込んでも、ドア1の室外面部1aや室内面部1bが変形することはなく、したがって、ドアスコープ10の組付け時には、室内外連結筒15を最後までねじ込んで、ドアスコープ10を強固かつ良好に組み付けることができる。また、室内外連結筒15の雄ねじ部15eを室外筒13の雌ねじ部13eに最後までねじ込むことで、凹レンズ11A、11Bと凸レンズ12とが適正位置に配置されて、ピントが合った状態で見ることが可能となる。
また、室外筒13は付勢手段としての付勢ばね16の付勢力によって、室外鍔部13aがドア1の室外面部1aに密着する方向に付勢されているため、室外鍔部13aをドア1の室外面部1aに対して隙間なく組み付けることが可能となり(この実施の形態のようにパッキン17などを介して密着して組み付けてもよい)、室外側から雨水などが浸入することを防止できる。
さらに、図12に示すように、ドア1の厚みが多少異なっても(図12は、図1に示す場合よりも、ドア1が厚い場合を示す)、付勢手段としての付勢ばね16の伸縮状態がその厚みにより異なるよう配置されて、ドアスコープ10を同じ部品を用いて組み付けることが可能であり、この結果、製造コストを低減することができる。すなわち、例え、図12に示す場合よりもさらにドア1の厚みが大きい場合でも、室内外連結筒15に対して室内筒14が相対的に後方になるよう、付勢ばね16が収縮した状態で配置されるだけであり、ドアスコープ10を同じ部品を用いて組み付けることが可能であり、ひいては、製造コストを低減することができる。
また、上記構成によれば、図1などに示すように、室内外連結筒15の室内側端部に、室内外連結筒15を回転する回転用治具19に係合可能な係合部(治具係合部)15cを形成し、係合部(治具係合部)15cが形成されている室内外連結筒15を室内筒14より室内側に突出させないように(室内筒14の内部に位置するように)配置することで、係合部15cが室内側に露出しないように配設できて、安全性を高めることができる。つまり、従来の一般的なドアスコープでは、室内筒の鍔部にコイン等で取り付けるための溝が切られており、この溝が取り付け後も表面に出ているため、触ると手を傷つけてしまう場合があるが、上記構成によれば、室内外連結筒15を取り付けると係合部(治具係合部の溝)15cが室内筒14の内部に入り込み、手で触れる場所に位置しないため、安全性に優れたものとなる。
また、上記構成によれば、室内外連結筒15の室外側部分外周に、内側に付勢ばね16が配置された室内筒14の室外側端部に当接して、室内外連結筒15と付勢ばね16と室内筒14とを一体化するリング体20を嵌合させることにより、ドア1が設けられている現場では、それぞれ凹レンズ11A、11Bなどを組み付けた室外筒13と、室内筒14などを一体化した室内外連結筒15とを連結するだけで、当該ドアスコープ10をドア1に容易に組み付けることができ、現場での作業性が良好となる。
なお、図13〜図16に示すように、室内筒14の室内側部分内周に、室内外連結筒15を回転する回転用治具19を保持できる弾性体21を嵌合してもよい。なお、これらの図における14cは、室内筒14の室内側部分内周に弾性体21を嵌合させるための溝部である。そして、製品として出荷する場合などに、室内外連結筒15や室内筒14に、弾性体21を介して、回転用治具19を保持させた状態で出荷するよう構成してもよい。
このように、室内筒14の室内側部分内周に、室内外連結筒15を回転する回転用治具19を保持できる弾性体21を嵌合することにより、室内外連結筒15を回転する際に回転用治具19が脱落しない状態で回転することができて便利である。また、予め、回転用治具19を室内外連結筒15に嵌合させて保持させた状態で、製品を納入することも可能となる。
また、図13〜図16に示すように、室外筒13の内部に、凹レンズ11A、11Bを、接着剤などを介して装着し、室外筒13自体を1つの部品で構成するようにしてもよく、この場合には、室外筒13の部品点数を削減できる利点がある。
また、上記実施の形態では、ドア1の嵌合孔2aもこれに嵌合する外部室外筒13Aや室外筒13の断面形状も直線部や凹凸部などを有しない単なる丸形である場合を述べたが、これに限るものではなく、室外筒13(外部室外筒13A)のドア1の室外面部1aに嵌合する箇所(嵌合部13f)の断面形状が、室外筒13を周方向に回転した場合でもドア1の嵌合孔2(2a)に対して周方向には係合しない形状であればよい。
例えば、図17に示すように、ドア1の嵌合孔2aが直線部や凹凸部などを有しない単なる丸形である一方、これに嵌合する室外筒13(外部室外筒13A)の断面形状が平面部(直線部)13g(あるいは凹凸部)を有していてもよく、このような構成の場合でも、ドア1に対して、室外筒13(外部室外筒13A)を周方向に回転してもドア1が変形するなどの不具合が発生することは防止できる。
また、図18に示すように、室外筒13(外部室外筒13A)のドア1の嵌合孔2aに嵌合する箇所の断面形状が直線部や凹凸部などを有しない単なる丸形であり、ドア1の嵌合孔2aの断面形状が凹凸部2c(あるいは平面部(直線部))を有していてもよく、このような構成の場合でも、ドア1に対して、室外筒13(外部室外筒13A)を周方向に回転してもドア1が変形するなどの不具合が発生することは防止できる。
また、上記実施の形態では、室内外連結筒15と室内筒14との間に配設される付勢手段としてばね(付勢ばね16)が用いられている場合を述べたが、これに限るものではなく、伸縮する弾性体などを付勢手段として用いてもよい。
また、上記実施の形態では、室外筒13の内部に凹レンズ11A、11Bを設け、室内外連結筒15の内部に凸レンズ12を設けた場合を述べたが、これに限るものではなく、図19、図20に示すように、室外筒13の内部に、凹レンズ11A、11Bおよび凸レンズ12を設けてもよい。また、室外の箇所を拡大して視認できる構成であれば、レンズ以外のもの(例えば撮像手段など)を組み付けるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、室外筒13と室内外連結筒15との組付け構造として、室外筒13に雌ねじ部13cを形成し、室内外連結筒15に雄ねじ部15eを形成した場合を述べた。しかし、これに限るものではなく、図19、図20に示すように、室外筒13の後部に雄ねじ部13fを形成し、これに噛み合うように、室内外連結筒15に雌ねじ部15fを形成してもよい。また、室外筒13と室内外連結筒15とを互いに組付けることが可能な構造であれば、このような組付け構造に限るものではなく、ねじ以外の組付け構造であってもよい。