JP2019167392A - 2液型塗料組成物及び複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】仕上り外観、防食性に優れる高固形分の塗料組成物及び該塗料組成物により得られる塗膜を有する複層塗膜形成方法を提供。【解決手段】水酸基価50〜300mgKOH/gのエポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及び平均粒子径0.01〜5.0μmの硫酸バリウム(D)を含有する組成物であって、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、エポキシ樹脂(A)が30〜90質量%、脂環式炭化水素樹脂(B)が1〜50質量%、ポリイソシアネート化合物(C)が1〜30質量%、硫酸バリウム(D)が1〜100質量%であることを特徴とする2液型塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、仕上り外観及び防食性に優れる高固形分の2液型塗料組成物及び複層塗膜形成方法に関する。
ブルドーザー、油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械又は産業用機械の塗装において、所望の要求性能に応じて、様々な塗料組成物が使用されている。
近年の建機、産機メーカーからの塗料に対する要望として、下塗/上塗塗装仕様におけるウエットオンウエット塗装の仕上り外観及び防食性の向上、塗料の高固形分化がある。
特許文献1には、特に鉄部の防錆作用に優れた一液型下塗り塗料組成物として、エポキシ樹脂および/又は変性エポキシ樹脂を樹脂成分とする塗料組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された下塗り塗料組成物は上塗塗料とのウエットオンウエット適性が不十分であるため、下塗/上塗塗装仕様の仕上り外観が良好ではなく、塗料固形分も低いものであった。
特許文献2には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂ワニスを樹脂成分とする主剤とポリアミドアミン系硬化剤とから構成されるエポキシ樹脂系下塗り塗料と、変性アクリルポリオール樹脂ワニスを樹脂成分とする主剤とイソシアネート樹脂ワニス硬化剤とから構成されるウレタン樹脂系上塗り塗料と、を備えたことを特徴とする超重防食塗料が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載された下塗り塗料組成物は上塗塗料とのウエットオンウエット適性が不十分であるため、下塗/上塗塗装仕様の仕上り外観が不十分であった。
特許文献3には、防食性および耐候性の両方が優れた複層塗膜形成方法として、ウェットオンウェット仕様の下塗り塗膜及び上塗り塗膜からなる複層塗膜において、下塗り塗膜と上塗り塗膜の表面張力の差を限定した方法が開示され、本方法において、樹脂成分として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びイソシアネート化合物を含有する下塗り塗料組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献3に記載された塗膜形成方法で得られた複層塗膜は、防食性が不十分であり、また、ウエットオンウエット性が不十分となって、仕上り外観が低下する場合があった。
特開2008−106177号公報 特開2009−46564号公報 特許第5221822号公報
本発明が解決しようとする課題は、仕上り外観及び防食性に優れる高固形分の塗料組成物及び該塗料組成物により得られる塗膜を有する複層塗膜形成方法を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定水酸基価範囲のエポキシ樹脂、脂環式炭化水素樹脂、ポリイソシアネート化合物及び特定平均粒子径範囲の硫酸バリウムを有する組成物によれば、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.水酸基価50〜300mgKOH/gのエポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及び平均粒子径0.01〜5.0μmの硫酸バリウム(D)を含有する組成物であって、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、エポキシ樹脂(A)が30〜90質量%、脂環式炭化水素樹脂(B)が1〜50質量%、ポリイソシアネート化合物(C)が1〜30質量%、硫酸バリウム(D)が1〜100質量%であることを特徴とする2液型塗料組成物、
2.エポキシ樹脂(A)が、脂肪酸変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂及び脂肪酸アミン変性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である項1に記載の2液型塗料組成物、
3.ポリイソシアネート化合物(C)が、ウレタン変性ポリイソシアネート化合物である項1又は2に記載の2液型塗料組成物、
4.下塗塗膜及び上塗塗膜からなる複層塗膜の、下塗塗膜形成の下塗塗料組成物として、項1〜3のいずれか1項に記載の2液型塗料組成物を塗装する複層塗膜形成方法、
5.項1〜3のいずれか1項に記載の2液型塗料組成物を用いて塗装された建設機械又は産業機械、に関する。
本発明の塗料組成物は、基体樹脂として、エポキシ樹脂及び脂環式炭化水素樹脂を用いているので、速乾性に優れており、硬化剤として、ポリイソシアネート化合物を用いているので、反応性にも優れているため、ウエットオンウエット適性も優れている。さらに、体質顔料成分として、特定の小さい平均粒子径範囲の硫酸バリウムを用いているため得られる塗膜の平滑性も向上するため仕上り外観に優れた複層塗膜を得ることができる。
また、2液型のエポキシ樹脂/ポリイソシアネート化合物硬化系であるため、塗料の高固形分化が可能であり、防食性にも優れている。
したがって、本発明の塗料組成物によれば、仕上り外観及び防食性に優れる高固形分の塗料組成物を得ることができ、本発明の塗料組成物により得られる塗膜により、仕上り外観及び防食性に優れる複層塗膜を得ることができる、という効果を奏することができる。
本発明の塗料組成物(以下、単に、本塗料と略すこともある。)は、水酸基価50〜300mgKOH/gのエポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及び平均粒子径0.01〜5.0μmの硫酸バリウム(D)を含有する組成物である。以下、詳細に述べる。
エポキシ樹脂(A)
エポキシ樹脂(A)は、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られる芳香族系のエポキシ樹脂が好ましい。
該芳香族系のエポキシ樹脂の形成のために用いられるポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン[水添ビスフェノールF]、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン[水添ビスフェノールA]、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂(A)としては、中でも、ビスフェノールAから誘導されるエポキシ樹脂を好適に使用することができる。
エポキシ樹脂(A)としては、変性エポキシ樹脂を好適に使用することができる。変性エポキシ樹脂としては、例えば、脂肪酸変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、脂肪酸アミン変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、ポリエステル変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記変性エポキシ樹脂のうち、特に、脂肪酸変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、脂肪酸アミン変性エポキシ樹脂を好適に使用することができる。
これらのエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、アラキード9201N、アラキード9203N、アラキード9205、アラキード9208、モデピクス401(以上、荒川化学工業株式会社製、商品名)、EPICLON H−405−40、EPICLON H−304−40、EPICLON H−403−45、EPICLON H−408−40(以上、DIC株式会社製、商品名)、EPOMIK R140、EPOMIK R301、EPOMIK R304、EPOMIK R307、EPOMIK U466BT60、EPOMIK U455CT60、EPOMIK U452CT60、エポキー811、エポキー872、エポキー891、(以上、三井化学株式会社、商品名)等を挙げることができる。
エポキシ樹脂(A)は、付着性の観点から、水酸基価は、50〜300mgKOH/g、好ましくは50〜250mgKOH/g、さらに好ましくは、50〜200mgKOH/gの範囲内である。
エポキシ樹脂(A)は、仕上り外観及び硬度の観点から、重量平均分子量は10000以上が好ましく、10000〜20000の範囲内がさらに好ましく、10000〜15000の範囲内がさらに特に好ましい。
本発明の明細書における数平均分子量又は重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した数平均分子量又は重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」「TSKgel G−3000HXL」「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
脂環式炭化水素樹脂(B)
脂環式炭化水素樹脂(B)は、高分子鎖中に環状の炭化水素基を有する炭化水素樹脂である。具体的には例えば、環状オレフィン、すなわちノルボルネン系モノマーの単独重合体又は共重合体等を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素樹脂は、単独で、或いは2種以上を併用して使用することができる。
エポキシ樹脂(A)と脂環式炭化水素樹脂(B)を併用することにより、本発明の塗料組成物の速乾性を向上させることができる。
上記環状オレフィンとしては特に限定されず、例えば、ノルボルネン、メタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノドデカヒドロアントラセン、ジメタノデカヒドロアントラセン、トリメタノドデカヒドロアントラセン、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロシクロペンタジエン、メタノオクタヒドロベンゾインデン、ジメタノオクタヒドロベンゾインデン、メタノデカヒドロベンゾインデン、ジメタノデカヒドロベンゾインデン、メタノオクタヒドロフルオレン、ジメタノオクタヒドロフルオレンやこれらの置換体等を挙げることができる。これらの環状オレフィンは、単独で或いは2種以上を併用して使用することができる。
上記ノルボルネン等の置換体における置換基としては特に限定されず、例えば、アルキル基、アルキリデン基、アリール基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ピリジル基、ハロゲン原子等の公知の炭化水素基や極性基を挙げることができる。これらの置換基は、単独で或いは2種以上を併用して使用することができる。
脂環式炭化水素樹脂(B)は、市販品を使用することができる。具体的には例えば、ジェイエスアール(JSR)社製の商品名「アートン」シリーズや日本ゼオン社製の商品名「ゼオノア」シリーズ、「クイントン」シリーズ等を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物(C)
ポリイソシアネート化合物(C)は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有する化合物である。
ポリイソシアネート化合物(C)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものを使用することができる。具体的には例えば、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物およびその粗製物、これらのポリイソシアネート化合物の変性物等を挙げることができる。 ポリイソシアネート化合物(C)は単独で、或いは2種以上を併用して使用することができる。
上記脂肪族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等を挙げることができる。
上記脂環式ポリイソシアネート化合物の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等を挙げることができる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’, α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等を挙げることができる。
上記芳香族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ビフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等を挙げることができる。
また、上記ポリイソシアネート化合物の変性物としては、具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネート化合物の変性物;及びこれらの2種以上の混合物[例えば、変性MDIとウレタン変性TDIの混合物]等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物の反応性の観点から、上記ポリイソシアネート化合物(C)のうち、ポリイソシアネート化合物の変性物を好適に使用することができる。
上記のポリイソシアネート化合物の変性物のなかでも特に、ウレタン変性ポリイソシアネート化合物、具体的には、ウレタン変性MDI、ウレタン変性TDIを好適に使用することができる。
このようなポリイソシアネート化合物の市販品としては、例えば、タケネートD−165N、タケネートD−102(三井化学社製)等を挙げることができる。
なおエポキシ樹脂(A)とポリイソシアネート化合物(C)との固形分総量を基準にして、固形分量で、エポキシ樹脂(A)60〜90質量%、好ましくは65〜85質量%、ポリイソシアネート化合物(C)10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%の範囲であることが仕上り外観及び防食性の観点から好ましい。
また、本発明の塗料組成物において、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、エポキシ樹脂(A)が30〜90質量%、好ましくは40〜80質量%、脂環式炭化水素樹脂(B)が1〜50質量%、好ましくは10〜50質量%、ポリイソシアネート化合物(C)が1〜30質量%、好ましくは10〜30質量%である。
硫酸バリウム(D)
本発明の塗料組成物は、平均粒子径が0.01〜5μm、好ましくは0.05〜4μm、さらに好ましくは0.05〜3μmの硫酸バリウム(D)を含有する。(以下、平均粒子径0.01〜5μmの硫酸バリウム(D)を単に硫酸バリウム(D)と略称する)。
このような硫酸バリウム(D)の市販品としては、バリファインBF−20(堺化学工業社製、商品名、平均粒子径0.03μmの硫酸バリウム)、BARIACE B−30(堺化学工業社製、商品名、平均粒子径0.3μmの硫酸バリウム)、SPARWITE(スパーワイト)W−5HB(Sino−Can社製、商品名、硫酸バリウム粉末、平均粒子径:1.6μm)等を挙げることができる。
なお本明細書において、平均粒子径は、動的光散乱法による粒度分布測定により得られる値である。具体的には、例えばUPA−EX250(商品名、日機装株式会社製、動的光散乱法による粒度分布測定装置)を用いて測定することができる。
本発明の塗料組成物における硫酸バリウム(D)の量は、仕上り外観及び高固形分化の観点から、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、1〜100質量%、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは10〜75質量%である。
本発明の塗料組成物には、防食性の向上を目的として防錆顔料を含有させることができる。防錆顔料としては、具体的には例えば、酸化亜鉛、亜リン酸塩化合物、リン酸塩化合物、モリブテン酸塩系化合物、ビスマス化合物、金属イオン交換シリカ等を挙げることができる。
上記亜リン酸塩化合物としては、EXPERT NP−1000、EXPERT NP−1020C等の亜リン酸カルシウム化合物、EXPERT NP−1100、EXPERT NP−1102等の亜リン酸アルミニウム化合物を挙げることができる(EXPERTシリーズはいずれも東邦顔料社製、商品名)。
上記リン酸塩化合物としては、金属化合物で処理されたトリポリリン酸2水素アルミニウム等を挙げることができる。上記金属化合物としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、コバルト、スズ、ジルコニウム、チタニウム、ストロンチウム、銅、鉄、リチウム、アルミニウム、ニッケル、及びナトリウムの塩化物、水酸化物、炭酸化物、硫酸物等を挙げることができる。
上記金属化合物で処理されたトリポリリン酸2水素アルミニウムの市販品としては、K−WHITE140、K−WHITE Ca650、K−WHITE450H、K−WHITE G−105、K−WHITE 105、K−WHITE K−82(いずれもテイカ社製、商品名)等を挙げることができる。
上記モリブテン酸塩系化合物の市販品としては、例えば、LFボウセイ M−PSN、LFボウセイ MC−400WR、LFボウセイ PM−300、PM−308(いずれもキクチカラー社製、商品名)等を挙げることができる。
上記ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス及び有機酸ビスマス等を挙げることができる。
上記金属イオン交換シリカとしては、例えば、カルシウムイオン交換シリカ、マグネシウムイオン交換シリカ等を挙げることができる。これらの金属イオン交換シリカとしてはリン酸変性金属イオン交換シリカを使用することもできる。
上記カルシウムイオン交換シリカは、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によって、カルシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。カルシウムイオン交換シリカの市販品としては、SHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303、SHIELDEX AC−3、SHIELDEX C−5(以上いずれもW.R.Grace&Co.社製)、サイロマスク52(富士シリシア社製)等を挙げることができる。
上記マグネシウムイオン交換シリカは、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によって、マグネシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。マグネシウムイオン交換シリカの市販品としては、サイロマスク52M(富士シリシア社製)、ノビノックスACE−110(SNCZ社製・フランス)等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物において防錆顔料を使用する場合、使用量は、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、1〜50質量%、特に10〜40質量%であることが、仕上り外観及び防食性の観点からから好ましい。
本発明の塗料組成物には、所望の色とすることを目的として、着色顔料を使用することができる。着色顔料としては、具体的には、チタン白、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛(グラファイト)、鉄黒(アイアンブラック)、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんがら、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、モノアゾイエロー、オーカー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、透明べんがら、モノアゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレット等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物において着色顔料を使用する場合、使用量は、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、20〜150質量%、特に40〜130質量%であることが、仕上り外観の観点から好ましい。
本発明の塗料組成物には必要に応じて体質顔料(硫酸バリウム(D)を除く)を含有させることができる。
上記体質顔料としては、例えば、クレー、シリカ、硫酸バリウム(硫酸バリウム(D)を除く)、タルク、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、珪藻土、炭酸マグネシウムアルミニウムフレーク、雲母フレーク等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物において体質顔料を使用する場合、使用量は、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、20〜150質量%、特に40〜140質量%、さらに特に40〜130質量%であることが、耐水性及び耐塩水噴霧性の観点から好ましい。
本発明の塗料組成物には、防食性向上を目的としてシランカップリング剤を好適に使用することができる。上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシル基含有シランカップリング剤等を挙げることができる。
上記のうち、アミノ基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤が、防食性向上の観点から好ましい。上記のシランカップリング剤は、単独で或いは2種以上を併用して使用することができる。
シランカップリング剤の市販品としては、KBM−402、KBM−403、KBM−502、KBM−503、KBM−603、KBE−903、KBM−603、KBE−602、KBE−603(いずれも信越シリコーン社製、商品名)等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物においてシランカップリング剤を使用する場合、使用量は、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、0.1〜10質量%、特に0.5〜7質量%、さらに特に0.8〜3.5質量%であることが、防食性及び仕上り外観の観点から好ましい。
本発明の塗料組成物には、塗料の流動性を制御して仕上り外観及び塗装作業性の向上を目的として、レオロジーコントロール剤を使用することができる。
レオロジーコントロール剤としては、具体的には例えば、粘土鉱物(例えば、金属ケイ酸塩、モンモロリロナイト)、アクリル樹脂(例えば、分子中にアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルのポリマー、オリゴマーからなる構造を含むもの)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、アマイド(高級脂肪酸アマイド、ポリアマイド、オリゴマー等)、ポリカルボン酸(分子中に少なくとも2つ以上のカルボキシル基を有する誘導体を含む)、セルロース(ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースエーテル等種々の誘導体を含む)、及びウレタン(分子中にウレタン構造を含むポリマー、オリゴマー等)、ウレア(分子中にウレア構造を含むポリマー、オリゴマー等)、ウレタンウレア(分子中にウレタン構造とウレア構造を含むポリマー、オリゴマー等)等を挙げることができる。
レオロジーコントロール剤の市販品としては、例えば、ディスパロン6900(楠本化成(株)製)、チクゾールW300(共栄社化学(株))等のアマイドワックス;ディスパロン4200(楠本化成(株)製)等のポリエチレンワックス;CAB(セルロース・アセテート・ブチレート、イーストマン・ケミカル・プロダクツ社製)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、疎水化HEC、CMC(カルボキシメチルセルロース)等のセルロース系のレオロジーコントロール剤;BYK−410、BYK−411、BYK−420、BYK−425(以上、ビックケミー(株)社製)等のウレタンウレア系のレオロジーコントロール剤;フローノンSDR−80(共栄社化学(株))等の硫酸エステル系アニオン系界面活性剤;フローノンSA−345HF(共栄社化学(株))等のポリオレフィン系のレオロジーコントロール剤;フローノンHR−4AF(共栄社化学(株))等の高級脂肪酸アマイド系のレオロジーコントロール剤;等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物においてレオロジーコントロール剤を使用する場合、使用量は、エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、0.1〜20質量%、特に0.5〜15質量%、さらに特に0.8〜10質量%の範囲内であることが、仕上り外観及び塗装作業性の観点から好ましい。
本発明の塗料組成物にはさらに必要に応じて、顔料分散剤、表面調整剤、界面活性剤、消泡剤、硬化剤(ポリイソシアネート化合物(C)を除く)、硬化触媒、防腐剤、凍結防止剤等を含有させることができる。
本塗料は、フリー(遊離)のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(C)を構成成分とするため、常温で基体樹脂であるエポキシ樹脂(A)との架橋反応が進行するので、(A)成分及び(B)成分を含有する主剤と、(C)成分を含有する硬化剤との2液型塗料であり、通常、塗装直前に主剤と硬化剤とを混合し、有機溶剤等の溶媒を必要に応じて添加して粘度調整することにより好適に使用される。その際、(D)成分及び必要に応じて使用される成分は、一般に、主剤側に配合しておくことが好ましい。混合は、例えばディスパー、ホモジナイザー等の混合装置を用いて行うことができる。
本明細書において、「高固形分」とは、通常よりも塗装固形分濃度(塗装時の固形分濃度;塗装NV(nonvolatile content)値)が高いことをいう。例えば、本発明の塗料組成物が下塗塗料として使用される場合、高固形分とは塗装固形分濃度が40質量%程度以上のものをいう。本塗料の塗装固形分濃度は、通常、50〜80質量%、特に、55〜75質量%であることが高固形分化及び仕上り外観の両立の観点から好ましい。
なお、固形分は、JIS K5601に規定されている、所定条件下で蒸発によって得られる残さの質量分率である加熱残分として求めることができる。
本発明の塗料組成物の塗装は、例えば、浸漬塗り、刷毛塗り、ロール刷毛塗り、スプレーコート、ロールコート、スピンコート、ディップコート、バーコート、フローコート、静電塗装、エアレス塗装、電着塗装、ダイコート等の塗装方法によって行うことができる。乾燥膜厚は、通常10μm〜150μm、好ましくは30μm〜80μmの範囲内が適している。
被塗物としては、冷延鋼板、黒皮鋼板、合金化亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板等、及びこれらを素材とするブルドーザー、油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械又は産業機械等を挙げることができる。これらは必要に応じて、ショットブラスト、表面調整、表面処理等を施したものであってもよい。
本発明の塗料組成物は、仕上り外観及び防食性に優れ、高固形分とすることができるので、上記被塗物用途の下塗塗料(プライマー塗料)、特にウエットオンウエット仕様の下塗塗膜及び上塗塗膜からなる複層塗膜における下塗塗膜形成の下塗塗料組成物として、好適に使用することができる。
ウエットオンウエット仕様とは、未硬化の下層塗膜上に上層塗膜を形成する複層塗装工程の仕様である。
本発明の複層塗膜形成方法は、下塗塗膜及び上塗塗膜からなる複層塗膜形成方法において、下塗塗膜形成の下塗塗料組成物として、本発明の塗料組成物を塗装する方法である。
本発明の塗料組成物は、ウエットオンウエット適性に優れているので、特に、被塗物上に、本発明の塗料組成物による未硬化塗膜を形成し、該未硬化塗膜上に、上塗塗料組成物による上塗塗膜を形成し、両塗膜を同時に乾燥して塗膜を形成する方法、において好適に使用することができる。
上塗塗膜形成の上塗塗料組成物としては、従来公知の塗料組成物を制限なく使用することができる。具体的には例えば、ウレタン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、弗素樹脂系塗料、油性系塗料、フタル酸樹脂系塗料等を使用することができる。
防食性及び仕上り外観の観点からはエポキシ樹脂及び/又はアクリル樹脂を基体樹脂とし、ポリイソシアネート化合物を架橋剤とする上塗塗料組成物を好適に使用することができる。
上記ウエットオンウエットの塗膜形成方法において、本発明の塗料組成物の塗装は、前記の塗装方法によって行うことができる。乾燥膜厚は、通常10μm〜150μm、好ましくは30μm〜80μmの範囲内が適している。
上記本発明の塗料組成物による未硬化塗膜上への、前記の上塗塗料組成物の塗装は、例えば、浸漬塗り、刷毛塗り、ロール刷毛塗り、スプレーコート、ロールコート、スピンコート、ディップコート、バーコート、フローコート、静電塗装、エアレス塗装、電着塗装、ダイコート等の塗装方法によって行うことができる。乾燥膜厚は、通常、10μm〜150μm、好ましくは30μm〜80μmの範囲内が適している。次いで、常温〜160℃で10〜120分間、好ましくは60〜120℃で20〜90分間乾燥させることにより、複層塗膜を得ることができる。
本発明の塗料組成物を塗装して該未硬化塗膜を形成した後、必要に応じて、常温でのセッティング又は予備加熱を行うこともできる。
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
下塗塗料組成物(プライマー塗料組成物)の製造
実施例No.1 プライマー塗料組成物No.1の製造
以下の工程1〜工程2によって、プライマー塗料組成物No.1を得た。
工程1:
EPOMIK U466BT60(注1)40部(固形分)、BLANC FIXE MICRO(注3)60部、TI−SELECT TS−6200(注9)60部、K−WHITE 105(注10)30部、サンライト SL−1500(注11)80部に、酢酸ブチルを適量加え、サンドミルにて分散し、顔料分散ペーストを得た。
工程2:
上記にて得た顔料分散ペーストに、クイントン1500(注12)を40部(固形分)、ディスパロン A603−20X(注14)1.5部(固形分)を配合し、表面調整剤、消泡剤を加えて攪拌し、酢酸ブチルを加えて、固形分を調整した。さらに塗装直前にタケネートD−102(注15)20部(固形分)、及び酢酸ブチルを加え固形分60%、塗装粘度20秒/25℃(イワタカップで測定)のプライマー塗料組成物No.1を得た。
実施例No.2〜12 プライマー塗料組成物No.2〜No.12の製造
表1の配合内容とする以外は、実施例No.1と同様にして、各プライマー塗料組成物No.2〜12を得た。
Figure 2019167392
比較例No.1〜10 プライマー塗料組成物No.13〜No.22の製造
表2の配合内容とする以外は、実施例No.1と同様にして、各プライマー塗料組成物No.13〜No.22を得た。
Figure 2019167392
(注1)EPOMIK U466BT60:三井化学株式会社、商品名、脂肪酸アミン変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水酸基価108mgKOH/g、重量平均分子量1.3万
(注2)EPOMIK U452CT60:三井化学株式会社、商品名、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水酸基価156mgKOH/g、重量平均分子量1.0万
(注3)BLANC FIXE MICRO:ザハトラーベン株式会社、商品名、硫酸バリウム、平均粒子径0.7μm、吸油量13ml/100g
(注4)硫酸バリウム HF:深州嘉信化工有限責任公司、商品名、硫酸バリウム、平均粒子径0.9μm、吸油量14ml/100g
(注5)SPARWITE W−5HB:Sino−Can Micronized Product co.,Ltd、商品名、硫酸バリウム、平均粒子径1.6μm、吸油量13ml/100g
(注6)BARIFINE BF−20:堺化学工業株式会社、商品名、硫酸バリウム、平均粒子径0.03μm、吸油量24ml/100g
(注7)硫酸バリウムBA:堺化学工業株式会社、商品名、硫酸バリウム、平均粒子径8μm、吸油量8ml/100g
(注8)LAKABAR SF:LAKAVISUTH LTD、商品名、硫酸バリウム、平均粒子径10.4μm、吸油量10ml/100g
(注9)TI−SELECT TS−6200:ケマーズ株式会社、商品名、二酸化チタン
(注10)K−WHITE 105:テイカ株式会社製、商品名、トリポリリン酸二水素アルミニウム
(注11)サンライト SL−1500:竹原化学工業株式会社、商品名、炭酸カルシウム
(注12)クイントン1500:日本ゼオン株式会社、商品名、脂環式炭化水素樹脂(ジシクロペンタジエン・酢酸ビニル共重合物)
(注13)CAB−551−0.01:EASTMAN CHEMICAL PRODUCTS CO.社、商品名、セルロースアセテートブチレート
(注14)ディスパロン A603−20X:楠本化成株式会社、商品名、脂肪酸アマイドワックス
(注15)タケネートD−102:三井化学株式会社、商品名、ウレタン変性ポリイソシアネート化合物、ウレタン変性TDI
(注16)スミジュール N3300:住化コベストロウレタン株式会社、商品名、イソシアヌレート変性HDI(HDIの3量体)
上塗塗料組成物の製造
製造例No.1 アクリル樹脂溶液の製造
スワゾール1000(コスモ石油株式会社製、芳香族炭化水素系溶媒)28部、トルエン85部、スチレン41.6部、n−ブチルアクリレート6.9部、イソブチルメタクリレート19部、プラクセルFM−3(注17)15部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート17部、アクリル酸0.5部、ジ−tert−ブチルハイドロパーオキサイド8部を窒素ガス下で110℃において反応させて、固形分質量濃度45%のアクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂は、酸価3.9mgKOH/g、水酸基価94.9mgKOH/g、重量平均分子量11,000であった。
(注17)プラクセルFM−3:ダイセル化学工業株式会社製、商品名、2−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン変性ビニルモノマー
製造例No.2 上塗塗料組成物No.1の製造例
製造例No.1で得たアクリル樹脂溶液80部(固形分)、TI−SELECT TS−6200(注9)12部、ホスターパームエローH−3G(注18)12部、BARIFINE BF−20(注6)15部、Bayferrox4905(注19)12部及びTINUVIN292(注20)1部を配合し、スワゾール1000(コスモ石油株式会社製、芳香族炭化水素系溶媒)で固形分を調整した混合物を、サンドミルにて分散することによって主剤塗料を得た。さらに塗装直前に、スミジュール N3300(注16)20部(固形分)及びKBM−403(注21)0.5部を混合攪拌し、固形分60%の上塗塗料組成物No.1を得た。
(注18)ホスターパームエローH−3G:クラリアント社製、商品名、ハンザエロー系黄色顔料
(注19)Bayferrox 4905:Lanxess株式会社、商品名、
赤色顔料
(注20)TINUVIN292:BASF株式会社、商品名、光安定化剤
(注21)KBM−403:信越化学株式会社、商品名、エポキシ基含有シランカップリング剤
<複層塗膜形成塗板の作成>
複層塗膜形成塗板No.1の作成
下記の工程1〜工程3によって、複層塗膜形成塗板No.1を得た。
工程1:冷間圧延鋼板(大きさ0.8×70×150mm、パルボンド#3020)に実施例No.1で得られたプライマー塗料組成物No.1を用い、乾燥膜厚が40μmになるようにスプレー塗装し、25℃で3分間セッティングした。
工程2:次いでプライマー塗膜上に、製造例No.2で得られた上塗塗料組成物No.1を用い、カンペ工業用ウレタンシンナー205(関西ペイント社製、2液ウレタン塗料用シンナー)で、上塗塗料組成物No.1 100部に対して、シンナーを10部配合し、乾燥膜厚が40μmになるようにスプレー塗装にてウェットオンウェットで塗装して、上塗塗膜を形成した。
工程3:工程1及び工程2によって得られた複層塗膜を、25℃で10分間セッティングした後、80℃で30分間加熱乾燥させ、さらに室温(20℃)で72時間乾燥させて複層塗膜形成塗板No.1を得た。
複層塗膜形成塗板No.2〜No.12の作成(実施例用)
プライマー塗料組成物を表1の塗料とする以外は、複層塗膜形成塗板No.1と同様にして、複層塗膜形成塗板No.2〜No.12を得た。
複層塗膜形成塗板No.13〜No.22の作成(比較例用)
プライマー塗料組成物を表2の塗料とする以外は、複層塗膜形成塗板No.1と同様にして、複層塗膜形成塗板No.13〜No.22を得た。
塗膜性能試験
各複層塗膜形成塗板について、後記の試験項目につき塗膜性能試験に供した。試験結果を併せて表1及び表2に示す。
性能評価
仕上り外観(注22):各複層塗膜形成塗板の塗面外観を目視で評価した。
◎は、上塗塗膜とプライマー塗膜の混層がなく平滑性が良好で、かつ60度光沢値が90以上であった。
○は、上塗塗膜とプライマー塗膜の混層がなく平滑性が良好で、かつ60度光沢値が75以上90未満であった。
△は、上塗塗膜とプライマー塗膜が混層しており、うねり、ツヤビケ及びチリ肌から選ばれる少なくとも1種の仕上り外観の低下がやや見られ、60度光沢値が60以上75未満であった。
×は、上塗塗膜とプライマー塗膜の混層が著しく、うねり、ツヤビケ、チリ肌から選ばれる少なくとも1種の仕上り外観の低下が著しく、60度光沢値が60未満であった。
鉛筆硬度(注23):各複層塗膜形成塗板を、JIS K 5600−5−4に準じて、試験塗板面に対し約45°の角度に鉛筆の芯を当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。塗膜が破れなかったもっとも硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
◎は、H以上であった。
○は、F以上 H未満であった。
△は、HB以上 F未満であった。
×は、HB未満であった。
付着性(注24):各複層塗膜形成塗板を、JIS K 5600−5−6に準じて、2mm碁盤目試験を行い、碁盤目の残数を評価した。
◎は、分類1以上であった。
○は、分類2以上 分類1未満であった。
△は、分類3以上 分類2未満であった。
×は、分類3未満であった。
防食性(注25):各複層塗膜形成塗板に、ナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて120時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎は、錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm未満(片側)。
○は、錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm以上でかつ3mm未満(片側)。
△は、錆、フクレの最大幅が、カット部から3mm以上でかつ4mm未満(片側)。
×は、錆、フクレの最大幅が、カット部から4mm以上(片側)。
高固形分化も可能な塗料組成物から得られる塗膜により、仕上り外観及び防食性に優れる複層塗膜を有する塗装物品を提供することができる。

Claims (5)

  1. 水酸基価50〜300mgKOH/gのエポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及び平均粒子径0.01〜5.0μmの硫酸バリウム(D)を含有する組成物であって、
    エポキシ樹脂(A)、脂環式炭化水素樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総量を基準にして、
    エポキシ樹脂(A)が30〜90質量%、脂環式炭化水素樹脂(B)が1〜50質量%、ポリイソシアネート化合物(C)が1〜30質量%、硫酸バリウム(D)が1〜100質量%であることを特徴とする2液型塗料組成物。
  2. エポキシ樹脂(A)が、脂肪酸変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂及び脂肪酸アミン変性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の2液型塗料組成物。
  3. ポリイソシアネート化合物(C)が、ウレタン変性ポリイソシアネート化合物である請求項1又は2に記載の2液型塗料組成物。
  4. 下塗塗膜及び上塗塗膜からなる複層塗膜の、下塗塗膜形成の下塗塗料組成物として、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液型塗料組成物を塗装する複層塗膜形成方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液型塗料組成物を用いて塗装された建設機械又は産業機械。
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