JP2019166483A - 複合金属ナノ粒子担持体の製造方法 - Google Patents

複合金属ナノ粒子担持体の製造方法 Download PDF

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慶之 寺本
Yoshiyuki Teramoto
慶之 寺本
佐野 泰三
Taizo Sano
泰三 佐野
金 賢夏
Kenka Kin
賢夏 金
尾形 敦
Atsushi Ogata
敦 尾形
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Abstract

【課題】本発明は、異なる金属成分をそれぞれ含有する第1および第2ナノ粒子を、別工程で順次適正に析出させることにより、担体上に、適正な微細析出形態で複合金属ナノ粒子を析出(担持)させることが可能な複合金属ナノ粒子担持体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の複合金属ナノ粒子担持体1の製造方法は、担体2上に、第1金属成分を含有する第1ナノ粒子3を析出させる第1工程と、第1ナノ粒子3よりも小さな粒子径をもち、第2金属成分を含有する第2ナノ粒子4を、第1ナノ粒子3の表面上に析出させる第2工程とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、複合金属ナノ粒子担持体の製造方法に関する。
銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの貴金属は、高い触媒活性をもつことが知られており、排ガス処理用触媒や燃料電池の電極用触媒として利用されている。しかしながら、これらの貴金属は、いずれも高価であることから、できるだけ少ない使用量で触媒活性が得られることが望ましい。
また、平均粒子径が1μm未満、特に1〜100nmである粒子は、ナノ粒子と呼ばれ、特に、貴金属のナノ粒子は、例えば10μm以上の大きな平均粒子径をもつ一般的な貴金属粒子に比べて、比表面積が大きく、触媒活性が優れていることが知られている。また、2種類以上の金属からなる複合金属ナノ粒子は、それぞれの元素の性質を併せ持つだけではなく、新規な特性を発現することが期待されている。
例えば、特許文献1および非特許文献1には、粒径を制御するため、保護剤として機能するPVP(ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン))を、還元剤および溶媒として機能するトリエチレングリコールに溶解させることによって溶液(1)を調製するとともに、テトラクロロパラジウム酸カリウム([K第1金属Cl])と塩化ルテニウム([RuCl・nHO])を水に溶解させて調整した水溶液(2)を調製した上で、200℃に加熱した溶液(1)に水溶液(2)を噴霧することによって混合液を作製し、この混合液を、室温まで放冷させた後に遠心分離によって、平均粒径が10nm程度の合金微粒子を、混合溶液から分離して得る方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1および非特許文献1の製造方法は、Pd−Ru合金粒子を合成する際に、溶液(1)の加熱や、溶液(1)に対する水溶液(2)の噴霧が必要であり、加えて、粒径を制御するための保護剤(PVP)も必要であるなど、合成プロセスが複雑であるという問題がある。
加えて、上記Pd−Ru合金粒子を触媒として使用する場合には、上記Pd−Ru合金粒子を水に投入した分散液に、アルミナ担体を加え、撹拌し、液をロータリーエバポレータに移し、減圧下で60℃に加熱、乾燥して粉体とし、粉砕した後に円盤状に成形し、破砕し、篩にかけることにより、アルミナ担体に担持された触媒として調製されるものであって、触媒製造プロセスも非常に複雑である。
また、担体上に金属微粒子を担持させる他の方法としては、例えば、含浸法が挙げられる。この方法は、金属塩の水溶液中に担体を含浸させ、その後、乾燥や焼成工程を経ることによって、担体上の金属塩を分解して金属微粒子担持体を作製する方法である。
含浸法は、Ag、Au、Pt、Pd、Rhなどの単一金属を微粒子(ナノ粒子)として担体上に析出させて単一金属ナノ粒子を作製する場合には適した方法であるが、AgとAuなどの2種以上の金属を担体上に析出させて、複合金属ナノ粒子を作製する場合には、粒子径が大きくなる傾向があり、触媒活性を発現するために必要な比表面積を効果的に増加させることができないことから、例えば、粒子径が10nm以下の複合金属ナノ粒子の作製には適さない。
国際公開第2014/045570号
北川宏、"人工ロジウムの開発に成功 〜価格は1/3に、性能はロジウムを凌駕〜"、[online]平成26年1月22日、京都大学等、[平成30年3月5日検索]、インターネット<URL: https://www.jst.go.jp/pr/announce/20140122/index.html>
本発明の目的は、異なる金属成分をそれぞれ含有する第1および第2ナノ粒子を、別工程で順次適正に析出させることにより、担体上に、適正な微細析出形態で複合金属ナノ粒子を析出(担持)させることが可能な複合金属ナノ粒子担持体の製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)担体上に、第1金属成分を含有する第1ナノ粒子を析出させる第1工程と、該第1ナノ粒子よりも小さな粒子径をもち、第2金属成分を含有する第2ナノ粒子を、前記第1ナノ粒子の表面上に析出させる第2工程とを含むことを特徴とする複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
(2)前記第1ナノ粒子の平均粒子径が、100nm以下であり、前記第2ナノ粒子の平均粒子径が、10nm未満である上記(1)に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
(3)前記担体が、アルミナ、シリカ、ジルコニアおよびゼオライトの中から選択される少なくとも1種からなる上記(1)または(2)に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
(4)前記第1工程は、前記担体を、前記第1金属成分を含有する溶液で濡らした後に、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことを含む、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
(5)前記第2工程は、前記担体上に担持される前記第1ナノ粒子の表面を、前記第2金属成分を含有する溶液で濡らした状態で光を照射した後に、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことを含む、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
本発明によれば、担体上に、第1金属成分を含有する第1ナノ粒子を析出させる第1工程と、第1ナノ粒子よりも小さな粒子径をもち、第2金属成分を含有する第2ナノ粒子を、第1ナノ粒子の表面上に析出させる第2工程とを別個に分けて順次行なうことによって、複雑な製造プロセスを採用することなく、簡単な工程だけで、例えば、粒子径が10nm以下の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法の提供が可能になった。
本発明に従う複合金属ナノ粒子担持体の表面の一部を模式的に示した図である。 本発明に従う複合金属ナノ粒子担持体の製造方法のフロー図であり、主な工程については概念図を併せて示す。 (a)および(b)は、本発明例のAg−Au複合金属ナノ粒子担持体のHAADF−STEM画像であって、(a)が倍率100000倍、(b)が倍率400000倍で撮像したものであり、(c)は、(b)の画像を線図で書き表したものである。
<複合金属ナノ粒子担持体>
次に、本発明に従う複合金属ナノ粒子担持体の実施形態について図面を参照しながら以下で説明する。図1は、本実施形態の複合金属ナノ粒子担持体の表面の一部だけを拡大して模式的に示したものである。
図示した本実施形態の複合金属ナノ粒子担持体1は、担体2と、担体2上に、微細析出物として担持された、第1金属成分を含有する複数の第1ナノ粒子3と、これら複数の第1ナノ粒子3の各々の表面上に、第1ナノ粒子3よりも小さな粒子径をもつ超微細析出物として形成された、第2金属成分を含有する複数の第2ナノ粒子4とを有する。すなわち、複合金属ナノ粒子担持体1は、1個の第1ナノ粒子3と複数個の第2ナノ粒子4とで構成された複合金属ナノ粒子7の複数個が担体2上に担持された構造を有している。
複合金属ナノ粒子7は、第1ナノ粒子3を、担体2上に析出させるが、第2ナノ粒子4は、担体2上にはほとんど析出させずに、第1ナノ粒子3の表面上に優先析出させた、いわゆるタンデム型の析出形態(粒子上に粒子が析出する析出形態)を有している。このようなタンデム型の析出形態を有する複合金属ナノ粒子7は、これまでには存在しなかった新規な構造を有するものである。
そして、本実施形態の複合金属ナノ粒子担持体1は、新規なタンデム型の析出形態の複合金属ナノ粒子7を有することによって、第1ナノ粒子3の表面上に多数存在する、第1ナノ粒子3と第2ナノ粒子4との界面が活性点となる結果、高い活性を発現することができる。
第1ナノ粒子3を構成する第1金属成分としては、含浸法などで用いる溶液中での分散安定性の高い金属成分(金属塩)を用いるのが好ましく、例えば、Ag、Pd、Pt、Mnなどの金属成分(金属塩)が挙げられる。
第2ナノ粒子4を構成する第2金属成分としては、(水)溶液中での酸化還元電位が比較的貴な金属成分(金属塩)を用いるのが好ましく、例えば、Au、Cu、Ni、Fe、Ruなどの金属成分(金属塩)が挙げられる。
第1ナノ粒子3の平均粒子径は、できるだけ小さくすること、好ましくは、100nm以下とすることが好ましく、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは10nm以下とする。第1ナノ粒子3の粒子径は、小さくするほど、担体2上に、より多くの第1ナノ粒子3を析出(担持)させることが可能になり、それに伴って、第2ナノ粒子4を析出させることができる第1ナノ粒子3の総表面積も増加する結果、活性点となる第1ナノ粒子3と第2ナノ粒子4との界面の存在個数(または延在長さの合計)も増加するからである。なお、第1ナノ粒子3の平均粒子径の下限値は、第1ナノ粒子3が小さすぎると、第1ナノ粒子3の表面上に第2ナノ粒子4が析出し難くなって、活性点となる、第1ナノ粒子3と第2ナノ粒子4とで形成される界面の存在個数(または延在長さの合計)が不足する傾向があることから、3nm以上とすることが好ましい。
第2ナノ粒子4の平均粒子径は、第1ナノ粒子3の表面上に、多くの第2ナノ粒子4を析出させることが、第1ナノ粒子3と第2ナノ粒子4とで形成される界面の存在個数を増加させることになるため、できるだけ小さくすること、具体的には10nm以下とすることが好ましく、より好ましくは5nm以下、さらに好ましくは1nm以下とする。
なお、ここでいう「ナノ粒子の平均粒子径」は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって得られた複合金属ナノ粒子担持体1を撮像した写真から、複合金属ナノ粒子7を構成する各ナノ粒子3、4ごとに、少なくとも100個以上の粒子径を測定し、測定した粒子径から算出した平均値である。TEMの観察倍率は、特に限定はしないが、例えば、100000倍〜500000倍の範囲とすることが好ましい。
加えて、本発明でいう「微細析出物」とは、例えば、平均粒径が100nm以下の析出物をいい、また、「超微細析出物」とは、微細析出物よりも小さな粒子径をもち、かつ例えば、平均粒径が10nm以下の析出物をいうこととする。
複合金属ナノ粒子担持体1は、第1ナノ粒子3の質量割合が0.1〜10.00質量%であることが好ましく、第2ナノ粒子4の質量割合が0.01〜5.00質量%であることが好ましい。また、第1ナノ粒子3と第2ナノ粒子4の存在割合は、質量比で5:1〜1:2の範囲であることが好ましい。
担体2は、第1ナノ粒子3を担持(析出)できる表面性状を有していればよく、特に限定はないが、例えば、より多くの第1ナノ粒子3を担持できるようにする点で、比表面積が大きくなる多孔質体を用いることが好ましい。また、担体2の形状は、複合金属ナノ粒子7を担持できる形状であればよく、粒状、板状、ハニカム状など種々の形状が挙げられる。さらに、担体2は、使用用途や製造条件にもよるが、200℃以上の耐熱性を有していることがより好ましい。
担体2の材質としては、例えば、セラミックス材料、高分子材料、炭素材料などが挙げられる。
セラミックス材料としては、例えば,アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、カルシア、マグネシア、チタニア、セリア、ジルコニア、セリアジルコニア、ランタナ、ランタナアルミナ、酸化スズ、酸化タングステン、アルミノシリケート(ゼオライト)、アルミノホスフェート、ボロシリケート、リンタングステン酸、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、ペロブスカイト、コージェライト、ムライト,シリコンカーバイドが挙げられる。
高分子材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、プラスチック、ゴム、化学繊維が挙げられる。
炭素材料としては、例えば、活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンが挙げられる。本実施形態では、これらの担体2の中から1種だけを使用するか、又は2種以上を併用してもよい。
<複合金属ナノ粒子担持体の製造方法>
次に、本発明に従う複合金属ナノ粒子担持体1の代表的な製造方法の例を説明する。
本発明の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法は、担体上に、第1金属または第1金属の化合物の形で第1金属成分を含有する複数の第1ナノ粒子を析出させる第1工程と、第1ナノ粒子よりも小さな粒子径をもち、第2金属または第2金属の化合物の形で第2金属成分を含有する複数の第2ナノ粒子を、第1ナノ粒子の表面上に析出させる第2工程とで主に構成されている。
第1工程は、担体上に複数の第1ナノ粒子を析出させる工程であって、担体の表面を、第1金属化合物または第1金属イオンを含有する溶液(以下、単に「第1金属含有溶液」という。)で濡らした後に、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なう工程を含んでいる。
図2は、本実施形態の複合金属ナノ粒子担持体1の製造方法を示したフロー図である。図2に示す第1工程は、担体2を第1金属含有溶液中に浸漬または担体2の表面に第1金属含有溶液を塗布して、担体2に第1金属含有溶液を含浸させる工程(第1金属含浸工程S1)と、担体2に含浸させた第1金属含有溶液中の第1金属成分を含有する第1ナノ粒子3を担体2上に析出させるために、乾燥や焼成を行なう工程(乾燥・焼成工程S2)とで構成されている。
第1金属含有溶液としては、第1金属化合物または第1金属イオンを含有する溶液であればよく、特に限定はしないが、第1金属が、例えば、Agの場合には、硝酸銀水溶液が挙げられ、Pdの場合には、例えばテトラクロロパラジウム酸アンモニウム水溶液、硝酸パラジウム水溶液等が挙げられ、Ptの場合には、テトラクロリド白金(II)酸カリウム水溶液、ヘキサクロリド白金(IV)酸水溶液が挙げられ、Mnの場合には、硝酸マンガン水溶液が挙げられる。また、第1金属含有溶液の溶媒は、水だけには限定されず、有機溶媒を用いることもできる。また、第1工程は、第1金属含浸工程S1に代えて、共沈法を用いた第1金属共沈工程に変更することもできる。
乾燥・焼成工程S2は、乾燥や焼成の処理雰囲気については特に限定する必要はなく、例えば、空気中で行なうことができる。また、乾燥温度は50〜100℃の範囲とし、焼成温度は150〜550℃の範囲とすることが好ましい。加えて、乾燥工程を行なわずに焼成工程だけを行なってもよい。
第2工程は、第1ナノ粒子3よりも小さな粒子径をもつ、第2金属または第2金属化合物からなる複数の第2ナノ粒子4を、第1ナノ粒子3の表面上に析出させる工程であって、担体2上に担持される第1ナノ粒子3の表面を、第2金属化合物または第2金属イオンを含有する溶液(以下、単に「第2金属含有溶液」という。)で濡らした状態で光を照射した後に、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なう工程を含んでいる。
図2に示す第2工程は、第1工程を行なった後の担体2を、第2金属含有溶液中に入れて、好適には撹拌等により分散させた状態で光を照射する工程(第2金属含有溶液中での光照射工程S3)と、遠心分離することによって、生成した複合金属ナノ粒子担持体1の前駆体1Aを、第2金属含有溶液から分離する工程(遠心分離工程S4)と、担体2上のナノ複合粒子(第1ナノ粒子3および第2ナノ粒子4)の前駆体7Aを、第1金属ナノ粒子7に還元等の処理を行うため、乾燥や焼成を行なう工程(乾燥・焼成工程S5)とで構成されている。
本発明では、特に、第2金属含有溶液中での光照射工程S3を行なうことによって、担体2に担持されている、第1金属または第1金属化合物からなる複数の第1ナノ粒子3の表面上で、光照射に起因したプラズモン共鳴を生じさせ、第2金属含有溶液中の第2金属イオンまたは第2金属化合物から、第2金属または第2金属化合物からなる第2ナノ粒子4が、第1ナノ粒子3の表面上に生成し、その後、乾燥・焼成工程S5を行なうことによって、担体2上に担持されている第1ナノ粒子3と、第1ナノ粒子3の表面上に生成した第2ナノ粒子4とが、それぞれ、結果として、第1金属からなる第1ナノ粒子3と第2金属からなる第2ナノ粒子4になり、それによって、担体2上に複合金属ナノ粒子7を担持した複合金属ナノ粒子担持体1を製造することができる。このとき、複合金属ナノ粒子7を構成する第1ナノ粒子3と第2金属粒子4の界面が活性点となっているものと考えられる。
第2金属含有溶液としては、第2金属化合物または第2金属イオンを含有する溶液であればよく、特に限定はしないが、第2金属が、例えば、Auの場合には、塩化金酸水溶液、酢酸金水溶液が挙げられ、Cuの場合には、硝酸銅水溶液、塩化銅水溶液等が挙げられ、Niの場合には硝酸ニッケル水溶液、塩化ニッケル水溶液が挙げられ、Feの場合には硝酸鉄水溶液、酢酸鉄水溶液が挙げられ、Ruの場合には、アセチルアセトナートルテニウムス水溶液、塩化ルテニウム水溶液が挙げられる。また、第2金属含有溶液の溶媒は、水だけには限定されず、有機溶媒を用いることもできる。
第2金属含有溶液中での光照射工程S3において、照射する光としては、第1ナノ粒子3の表面上で生じるプラズモンの光吸収率は、紫外光(波長域:225〜400nm)が最も高く、そこから高波長側(可視光域)に向かうにつれてなだらかに低下していくことから、紫外光を含む光を用いることが、光照射時間を短くできる点で好ましいが、可視光(波長:400〜780nm)だけであっても、プラズモンの光吸収は生じることから、本発明では、紫外光領域から可視光領域までの波長範囲の光を照射できることが好ましい。照射する光の好適な波長域は、例えば225〜600nmの範囲である。
光源としては、例えば水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LEDなどが挙げられ、特に、超高圧水銀ランプを用いることが好ましい。光の照射強度としては、5mW/cm以上であることが、照射時間を短時間(例えば30分以内)にできる点で好ましい。
遠心分離工程S4は、第2金属含有溶液から、複合金属ナノ粒子担持体1またはその前駆体1Aを分離して回収する工程であって、公知の遠心分離装置を用いて行うことができる。
乾燥・焼成工程S5は、担体2に担持されている、第1ナノ粒子3と第2ナノ粒子4を、それぞれ、金属である、第1ナノ粒子3と第2ナノ粒子4の状態に揃えるための処理であって、乾燥・焼成工程S5では、乾燥・焼成工程S5を行なう前の状態が、第1ナノ粒子3および第2ナノ粒子4の一部または全部が金属の状態になっていない場合には、第1ナノ粒子3および第2ナノ粒子4を金属に還元するため、水素ガス雰囲気中にて150〜
500℃、1〜5時間の条件で焼成工程を行なうことが好ましい。
また、乾燥・焼成工程S5を行なう前に、担体上に、既に金属の状態である、第1ナノ粒子3と第2ナノ粒子4が生成されていて、還元処理を行う必要がない場合には、大気中で乾燥や焼成を行なってもよい。また、乾燥工程を省略し、焼成工程のみを行うこともできる。乾燥温度は、例えば50〜100℃の範囲、焼成は、例えば焼成温度が150〜500℃の範囲、焼成時間が1〜5時間であることが好ましい。
尚、上述したところは、この発明の実施形態の例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
HY型ゼオライト粉末(東ソー株式会社製、商品名:HSZ−660HOA)からなる担体1gを、担体に対し、銀金属量が2.0質量%である硝酸銀(AgNO)水溶液5mlに混入し、撹拌によって溶液中に担体を分散させ、エバポレーターにより含浸させた(第1金属(Ag)含浸工程S1)。
次いで、65℃で乾燥を行なった後に、空気中にて500℃、5時間の焼成を行い、担体上に酸化銀からなる複数の第1ナノ粒子を析出させた(乾燥・焼成工程S2)。
その後、第1ナノ粒子を析出させた担体を、担体に対し、金金属量が1.0質量%の塩化金酸(HAuCl)水溶液15mlの入ったビーカーに入れ、超高圧水銀ランプ(ウシオ電機、商品名:XS、500W)の光を30分照射し撹拌することによって、担体上に析出した第1ナノ粒子の表面上に、第2ナノ粒子を析出させて、Ag−Au複合金属ナノ粒子担持体の前駆体を形成させる(第2金属含有溶液中での光照射工程S3)。
その後、Ag−Au複合金属ナノ粒子担持体の前駆体が分散した塩化金酸水溶液を、遠心分離装置(株式会社久保田製作所製、商品名:3700)を用いて遠心分離することによって、前駆体を塩化金酸水溶液から分離した(遠心分離工程S4)。
分離したAg−Au複合金属ナノ粒子担持体の前駆体は、その後、水素ガス雰囲気中で200℃、1時間の焼成を行ない、Ag−Au複合金属ナノ粒子担持体を作製した(乾燥・焼成(還元)工程S5)。Ag−Au複合金属ナノ粒子担持体は、Agナノ粒子の質量割合が2.0質量%であり、Auナノ粒子の質量割合が1.0質量%であった。
図3(a)および図3(b)は、本発明例のAg−Au複合金属ナノ粒子担持体のHAADF−STEM画像であって、図3(a)が倍率100000倍、図3(b)が倍率400000倍で撮像したものであり、図3(c)は、図3(b)の画像を線図で書き表したものである。
本発明例のAg−Au複合金属ナノ粒子担持体は、図3から明らかなように、2nm程度の粒子径をもつAu金属からなる第2ナノ粒子が、6nm程度の粒子径をもつAg金属からなる第1ナノ粒子の表面上に多数析出した、いわゆるタンデム型の複合金属ナノ粒子が担体上に多数存在するのが認められ、また、複合金属ナノ粒子のほとんどが、粒子径30nm以下であるAg−Au複合金属ナノ粒子であり、それらの中で、粒子径10nm以下であるAg−Au複合金属ナノ粒子も多数存在していることもわかる。
1 複合金属ナノ粒子担持体
2 担体
3 第1ナノ粒子
4 第2ナノ粒子
5 光源
6 第2金属含有溶液
7 複合金属ナノ粒子

Claims (5)

  1. 担体上に、第1金属成分を含有する第1ナノ粒子を析出させる第1工程と、
    該第1ナノ粒子よりも小さな粒子径をもち、第2金属成分を含有する第2ナノ粒子を、前記第1ナノ粒子の表面上に析出させる第2工程と
    を含むことを特徴とする複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
  2. 前記第1ナノ粒子の平均粒子径が、100nm以下であり、
    前記第2ナノ粒子の平均粒子径が、10nm未満である請求項1に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
  3. 前記担体が、アルミナ、シリカ、ジルコニアおよびゼオライトの中から選択される少なくとも1種からなる請求項1または2に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
  4. 前記第1工程は、前記担体を、前記第1金属成分を含有する溶液で濡らした後に、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。
  5. 前記第2工程は、前記担体上に担持される前記第1ナノ粒子の表面を、前記第2金属成分を含有する溶液で濡らした状態で光を照射した後に、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合金属ナノ粒子担持体の製造方法。

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