JP2019147573A - ウエハ保護用クッション材 - Google Patents

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Abstract

【課題】塵や埃が発泡材のセル内に侵入することを防止するだけでなく、柔軟性により一層富むウエハ保護用クッション材を提供する。【解決手段】 発泡シートの両面に樹脂フィルムを積層されているウエハ保護用クッション材において、JIS−K6767に準拠して測定された該クッション材の圧縮硬さが、20N以下であり、前記発泡シートの連続気泡率が75%以上である。【選択図】 図1

Description

本発明は、ウエハ保護用クッション材に関する。
ウエハが搬送される場合、ウエハはコインスタック式(横置き)搬送容器に収納した状態で搬送される。ウエハとしては、半導体などの集積回路形成用等の用途で使用するための基板材や、集積回路を搭載した半導体ウエハ等が挙げられる。
コインスタック式搬送容器としては、例えば特許文献1に示すように、容器本体内の空間にウエハ保護用クッション材に挟まれるように一枚以上のウエハを配した状態となるようにウエハ保護用クッション材とウエハを収納して、蓋体を被覆したものが知られている。コインスタック式搬送容器において複数枚のウエハが収納される場合には、ウエハは積層体(ウエハ積層体)の状態で収納され、ウエハ積層体の最下面と最上面にウエハ保護用クッション材が配置され、隣り合うウエハの間には、スペーサが配置される。そしてウエハ保護用クッション材には、樹脂製の発泡材を用いたものが用いられる。このような構成により、搬送時の振動や衝撃によってウエハの損傷が生じる虞の低減が図られる。
コインスタック式搬送容器に収納されるウエハには集積回路が形成されるため、ウエハとともに利用されるウエハ保護用クッション材については、清浄度の高いものが要請される。
しかしながら、ウエハ保護用クッション材は、発泡材を用いたものであることから、製造工程上、塵や埃が発泡材のセル内に侵入してしまう虞があった。
そこで、特許文献1には、ウエハ保護用クッション材として発泡材の両表面に所定範囲の表面抵抗を有する樹脂フィルムを設けたものが提案されている。
特開2013−120796号公報
特許文献1のクッション材は、塵や埃が発泡材のセル内に侵入することを防ぐ点で極めて優れている。
しかしながら、コインスタック式搬送容器に収納されるウエハに形成される集積回路がより高集積化しており極めて精密化してきている。このため、塵や埃が発泡材のセル内に侵入することを防止するだけでなく、柔軟性により一層富むものが要請されてきている。
本発明は、塵や埃が発泡材のセル内に侵入することを防止するだけでなく、柔軟性により一層富むウエハ保護用クッション材を提供することを目的とする。
本発明は、(1)発泡シートの両面に樹脂フィルムを積層されているウエハ保護用クッション材であって、
JIS K 6767に準拠して測定された該クッション材の圧縮硬さが、20N以下であり、
前記発泡シートの連続気泡率が75%以上である、ことを特徴とするウエハ保護用クッション材、
(2)JIS K 6767に準拠して測定された前記クッション材の圧縮永久歪みが、5%以下である、上記(1)に記載のウエハ保護用クッション材、
を要旨とする。
本発明によれば、塵や埃が発泡材のセル内に侵入することを防止するだけでなく、柔軟性により一層富むウエハ保護用クッション材を得ることができる。
図1は、本発明のウエハ保護用クッション材の実施例の1つを模式的に示すための概略断面模式図である。 図2は、本発明のウエハ保護用クッション材の他の実施例の1つを模式的に示すための概略断面模式図である。 図3は、本発明のウエハ保護用クッション材を用いて搬送容器にウエハを収容した状態を模式的に示すための概略分解斜視図である。
[ウエハ保護用クッション材]
本発明は、ウエハ保護用クッション材(以下、単にクッション材と呼ぶことがある。)である。クッション材は、使用時には、容器本体と蓋を備えた搬送容器に収容される。このとき、クッション材は、容器本体の上下端にウエハを覆うように配置される。
(クッション材1の上下面)
図1に例示されるように、本発明のクッション材1は、発泡シート2の上下両面に樹脂フィルム3,3を積層されている。したがって、クッション材1の上下面(表裏面)は、樹脂フィルム3,3の面となっている。このように、クッション材1が、発泡シート2の両面に樹脂フィルム3,3を積層していることで、クッション材1がその表面から発泡シート2の発泡セル内部にまで塵や埃が浸入してしまう虞を効率的に防止することができる。
(クッション材1の周端面1a)
クッション材1の周端面(側周面)1aでは、発泡シート2が樹脂シート3で覆われずに外部に露出した構成となっている。これにより、容器本体7と蓋9を備えた搬送容器10にウエハ5、スペーサ6及びクッション材1を収容した状態において、搬送容器10の外部の塵や埃が容器本体7とクッション材1との隙間を通ってウエハ5に到達しようとしても、クッション材の周端面1aから発泡シート2の発泡セル内に塵や埃が取り込まれるとともに連続気泡の奥方へと入り込みやすく、また、取り込まれた後においては、発泡シート2の帯電性により、その塵や埃をとじこめた状態が維持されやすくなる。
(圧縮硬さ)
クッション材1は、JIS K 6767に準拠して測定されたクッション材1の圧縮硬さが20N以下となっている。クッション材1の圧縮硬さの測定は、圧縮試験機等を用いて具体的に実施することができる。圧縮試験機としては、例えば、株式会社エー・アンド・ディ製、型式RTC−1350Aなどを採用することができる。
クッション材1の圧縮硬さが20N以下であることで、柔軟性に優れたクッション材1を得るという効果が得られる。この効果を得る観点からは、圧縮硬さは、15N以下であることが好ましく、7N以下であることがより好ましい。
(圧縮永久歪み)
クッション材1は、JIS K 6767に準拠して測定されたクッション材1の圧縮永久歪みが5%以下であることが好ましい。クッション材1の圧縮永久歪みの測定は、圧縮試験機等を用いて具体的に実施することができる。圧縮試験機としては、例えば、株式会社エー・アンド・ディ製、型式RTC−1350Aなどを採用することができる。
クッション材1の圧縮永久歪みが5%以下であることで、形状回復性に優れるという効果が得られる。この効果を得る観点からは、圧縮永久歪みは、4%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
(吸水率)
クッション材1は、その吸水率が低いことが好ましく、具体的には、0.01g/cm2以下であることが好ましい。容器本体7と蓋9を備えた搬送容器10にウエハ5、スペーサ6及びクッション材1を収容した状態において、クッション材1が外部の水分を吸ってしまっていると、クッション材1に含まれた水分によってウエハ5が汚染されてしまう虞がある。
(吸水率の測定)
クッション材1の吸水率(%)は、JIS K 6767に準拠した測定方法を用いて具体的に測定することができる。
(発泡シート2)
クッション材1を構成する発泡シート2は、その連続気泡率が75%以上である。発泡シート2の連続気泡率が75%以上であることで、発泡シート2の柔軟性を向上させることができることから、クッション材1の柔軟性を向上させることができる。
(連続気泡率(%)の特定方法)
発泡シート2の連続気泡率(%)は、次のようにASTM D2856に準拠した方法により特定することができる。所定寸法の試験片をきり出し、試験片の体積を算出し、試験片の重さを測定する。試験片と空気比較式比重計を用いてベックマン測定値を求める。セル膜比重は1.0とする。これらの値に基づき、独立気泡率(%)を特定する。連続気泡率(%)は、100から独立気泡率(%)を差し引いた値として特定することができる。
(基材樹脂)
発泡シート2の基材樹脂は、特に限定されないが、ポリエチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを適宜選択することができる。クッション材の吸水率を0.01g/cm2以下とすることをより確実に実現する観点からは、発泡シート2の基材樹脂は、ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
(発泡シート2の厚み)
発泡シート2の厚みは、特に限定されないが、1mm以上20mm以下であることが好ましい。発泡シート2の厚みが1mm未満であると、クッション材3の緩衝性が不十分になってしまう虞を生じ、発泡シート2の厚みが20mmを超えると、搬送容器10にウエハ5を収容するための空間が小さくなってしまう虞を生じる。このような虞をより効果的に抑制する観点からは、発泡シート2の厚みは、3mm以上10mm以下であることがより好ましい。
発泡シート2は、押出し法などで具体的に得ることができる。押出し法により発泡シート2を得る方法としては、例えば、押出機に投入された基材樹脂を溶融させるとともに発泡剤等を圧入して混練した溶融混練物をダイの吐出口から大気圧下に押出発泡させることで具体的に得ることができる。
(樹脂フィルム3)
樹脂フィルム3の材質は、発泡シート2に対して接着可能であれば、特に限定されるものではなく、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、およびポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム等を用いることができる。また、これらフィルムは、インフレーション法や押出し法により連続的に成形することができる。
樹脂フィルム3の厚みは特に限定されるものではないが、10μm以上200μm以下であることが好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂フィルム3の厚みが10μm未満であると、搬送容器10との接触時など、クッション材1を取り扱う際に破れを生じやすくなってしまう虞がある。樹脂フィルム3の厚みが200μmを超えると、クッション材1全体の緩衝性を低下させてしまう虞がある。
樹脂フィルム3については、樹脂フィルム3の帯電によって塵や埃が樹脂フィルム3に引き寄せられてしまう虞を防止するために、樹脂フィルム3の表面抵抗が103Ω以上1012Ω以下であることが好ましく、105Ω以上1010Ω以下であることがより好ましい。樹脂フィルム3の表面抵抗を103以上1012Ω以下にするための構成は特に限定されず、樹脂フィルム3中に導電性フィラーや帯電防止剤を含有させる構成や、樹脂フィルム3の表面に導電性ポリマーの薄膜を設けることが挙げられる。導電性ポリマーの薄膜としては、ポリピロールやポリアニリン、ポリチオフェンの薄膜を挙げることができる。
(樹脂フィルム3の凹凸加工)
樹脂フィルム3は、格子状又はドット状にエンボス加工を施されてもよい。このようにエンボス加工された樹脂フィルム3は、図2に示すような凹凸が形成されたものとなる。クッション材1において、凹凸の形成された樹脂フィルム3が発泡シート2の両面に積層されていると、クッション材1は、その表裏両面に凹凸面4、4を形成した構成を備えることとなる。
このようにクッション材1の表裏両面に凹凸面4,4が形成されていることで、クッション材1の形状回復をより速やかにすることができる。すなわち、クッション材1は、例えば搬送容器10に収納される際、或いは搬送容器10から取り出される際、折れ曲がる場合がある。このとき、クッション材1に大きく深いシワが発生し、クッション材1が折れ曲がった状態から速やかには元の形状に復元しにくくなる場合がある。この点、樹脂フィルム3にエンボス加工することで、表面に微細な凹凸を設けることができ、その結果、大きく深いシワが発生し難くなり、クッション材1が折れ曲がっても速やかに元の形状に復元し易くなる。
[クッション材1の製造]
次に、クッション材1の製造方法について説明する。発泡シート2の両面に樹脂フィルム3を配置させながら一対のロールに通じる。ロールは加熱ロールとなっており、ロール通過時に発泡シート2と樹脂フィルム3が加熱されることで、発泡シート2の表面に樹脂フィルム3がラミネート加工される。こうして、発泡シート2の両面に樹脂フィルム3が積層された積層シートが得られる。なお、得られた積層シートは、円状プレス裁断機で所定寸法に裁断され、クッション材1が得られる。
一対のロールには多数の突起を有するエンボスロールが使用されていてもよい。この場合、積層シートは、発泡シート2の両面にラミネートされた樹脂フィルム3に格子状或いはドット状の凹凸を多数形成したものとなる。このような積層シートを円状プレス裁断機で所定寸法に裁断すれば、クッション材1として表面に凹凸面4を形成したものが得られる。
[クッション材1の使用]
ウエハ保護用クッション材1は、例えば図3に示すような容器本体7と蓋体9とからなる搬送容器10にウエハ5とスペーサ6とともに収納される。ウエハ5は、電子回路を搭載したシリコン基板などを例示することができる。スペーサ6は、隣り合うウエハ5、5の間に介装されてウエハ5、5どうしの直接接触を防ぐためのものである。図3の例では、ウエハ5とスペーサ6は、上下方向に沿って交互に複数枚重ねられてウエハ積層体11をなすとともに容器本体7の収容部8に形成される空間内に収納され、ウエハ積層体11の上下端部それぞれにウエハ保護クッション材1,1が設けられる。したがって、運搬時の振動等により外部から搬送容器10に与えられる衝撃がクッション材1によって緩衝され、外部からの衝撃によってウエハ5が破損してしまう虞を低減させることができる。なお、上下方向については、図3の例では矢印Gで示す。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1.
発泡シートとして、基材樹脂としてポリエチレンを用い発泡剤としてブタン系化学発泡剤を用いて押出発泡させたシート(厚さ6mm)を準備した。
発泡シートの連続気泡率は、ASTM D2856に準じて測定された。具体的には、発泡シートから長さ30mm×幅30mm×厚み6mmの試験片をきり出し、試験片の体積を算出した。また試験片の重さを測定した。さらに、試験片を用いて空気比較式比重計(東京サイエンス社製、型式:1000型)により、ベックマン測定値を求めた。これらの値に基づき、独立気泡率(%)を算出した。連続気泡率(%)は、100から独立気泡率(%)の値を減じることで算出された。結果を表1に示す。
樹脂フィルムとして、低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製、ミラソン(商標)16P)を基材樹脂とし、高分子型帯電防止剤(三井・デュポンポリケミカル社製、エンティラ(商標)SD100)を添加して押出し法にて成形されたフィルム(厚さ20μm)を準備した。このフィルムの表面抵抗値の測定を10回行い、表面抵抗値の範囲を特定した。表面抵抗値の測定は、JIS K 6911に準じて実施された。結果を表1に示す。
発泡シートの両面に樹脂フィルムを配置した状態で、発泡シートと樹脂フィルムを一対の加熱ロールに通して発泡シートの両表面に樹脂フィルムをラミネート加工し、積層シートが形成された。
加熱ロールには、多数のドット状の突起を設けたエンボスロールが用いられた。このため、積層シートには、その表面にドット状の突起を多数形成する凹凸加工が施され、積層シートの表面が凹凸面を形成した。
積層シートを、直径300mmの円形状にプレス裁断機で裁断した。これにより、ウエハ保護用クッション材が得られた。
ウエハ保護用クッション材を用いて、次のように圧縮硬さ、圧縮永久歪みの測定、発塵性試験、ウエハ破損確認試験を行った。結果を表1に示す。
(圧縮硬さ)
クッション材の圧縮硬さは、JIS K 6767(付属書1の3)に準拠して次のように測定された。
先ず、クッション材から試験片素片(長さ50mm×幅50mm)を複数枚切り出し、全厚みが25mmを超えるまで試験片素片を重ね合わせ、これを試験片とした。試験片としては3つ準備された。なお、それぞれの試験片には、目視上、汚れが認められなかった。また、それぞれの試験片は、その側周端面で、発泡シートを露出した構造となっている。
試験片を用いて圧縮試験を行った。圧縮試験は次のように圧縮試験機を用いて実施された。まず、圧縮試験機における互いに平行した状態にて配置される一組の平面板の間に1つの試験片を配置した。このとき、試験片素片の重なり方向と平面板の向き合い方向とが一致する。さらに、23±3℃環境下で一組の平面板の間隔を10mm/分の速度で狭めていき、試験片の厚みが25%圧縮された時点で一組の平面板の間隔を狭めることを停止した。
上述の圧縮試験の後、平面板の間隔を狭めることを停止した状態で20秒間静置し、その状態において試験片に負荷された荷重を圧縮試験機で測定した。残り2つの試験片についても同様の方法を実施して試験片に負荷された荷重を圧縮試験機で測定した。得られた荷重の値を算術平均して、クッション材の圧縮硬さの値(N)とした。なお、圧縮試験機として、株式会社エー・アンド・ディ製、型式RTC−1350Aを用いた。
(圧縮永久歪み)
クッション材の圧縮永久歪みは、JIS K 6767に準拠して次のように測定された。
先ず、上記した圧縮硬さの測定時と同様にして、試験片を3つ準備するとともにまず1つの試験片を用いて圧縮試験を行った。
上述の圧縮試験の後、平面板の間隔を狭めることを停止した状態で22時間静置した。そして、さらに23±3℃環境下で24時間経過した後に試験片の厚みを測定した。このとき測定された厚み(T1)と圧縮試験前の試験片の厚み(T0)に基づき圧縮永久歪みを算出した。圧縮永久歪みは、T1/T0の値として算出される。残り2つの試験片についても同様の方法を実施して3つの試験片について圧縮永久歪みが算出された。算出された値を算術平均して、クッション材の圧縮永久歪みの値とした。なお、圧縮試験機として、株式会社エー・アンド・ディ製、型式RTC−1350Aを用いた。
(発塵性試験)
1枚のクッション材をクリーンルーム内(アメリカ連邦規格(Federal Standard) 209Dの基準でクラス10の清浄度)に1分間静置した後、クッション材の表面に付着する塵や埃の微粒子を1分間吸引するとともに吸引された微粒子の数をカウントした。クッション材の裏面についても表面と同様にして微粒子の数をカウントした。クッション材の表面裏面の両面について、カウントされた微粒子の数の合計を算出し、クッション材1枚あたりの発塵数(個/枚)とした。なお、微粒子は、大きさが直径0.5μm以上のものについてカウントされた。また、微粒子のカウントには、側方散乱方式の気中パーティクルカウンタ(リオン株式会社製、 KM−27型)が用いられた。
(ウエハ破損確認試験)
まず、シリコン製ウエハの搬送容器(アキレス社製、NA−8M)を準備した。搬送容器は、容器本体と蓋を備えるものである。まず、容器本体の底面上に確認試験用クッション材を3枚上下方向に重なり合うように設置した。最上位にある確認試験用クッション材の表面上に、得られたクッション材を1枚重ね置き、その表面上にシリコン製ウエハ(厚み:725μm)を1枚重ね置いた。シリコン製ウエハの表面上に、更に、得られたクッション材を6枚上下方向に重なり合うように設置し、さらに、容器本体に蓋を被せることで、6枚のクッション材のうち最上位にあるクッション材の表面側を覆った。その状態で30分間静置後、ウエハの破損有無を目視にて確認した。
なお、上述の確認試験用クッション材は、次のように得られたシートである。すなわち、発泡シートとして、ポリエチレンを基材樹脂に用い、ブタン系化学発泡剤を発泡剤に用いて押出発泡させたものを準備した(厚さ10mm)。発泡シートの連続気泡率が92.7%であった。そして、この発泡シートの両面に実施例1と同様の樹脂フィルムを配置した状態で、発泡シートと樹脂フィルムを一対の加熱ロールに通して発泡シートの両表面に樹脂フィルムをラミネート加工し、積層シートを得た。この積層シートを実施例1と同様に裁断し、確認試験用クッション材が得られた。
ウエハの破損有無を目視にて確認した結果は、次のように評価された。
(ウエハ破損確認試験の評価)
○(良好):ウエハに破損が認められなかった。
×(不良):ウエハに破損が認められた。
実施例2
加熱ロールとして、突起を設けていないロールを用いて、凹凸加工無しとしたほかは、実施例1と同様にしてウエハ保護用クッション材を得て、圧縮硬さ、圧縮永久歪みの測定、発塵性試験、ウエハ破損確認試験を行った。結果を表1に示す。
参考例1から3
発泡シートとして、基材樹脂としてポリウレタンを用い発泡剤として水を用いて押出発泡させたシート(厚さ6mm)を準備し、凹凸加工無しとして、さらに発泡シートの両表面に樹脂フィルムをラミネート加工しなかったほかは、実施例1と同様にしてウエハ保護用クッション材を得て、圧縮硬さ、圧縮永久歪みの測定、発塵性試験、ウエハ破損確認試験を行った。結果を表1に示す。なお、参考例1から3のウエハ保護用クッション材の表面抵抗値については、発泡シートの表面についての表面抵抗値を測定した他は実施例1と同様にJIS K 6911に準じて表面抵抗値が測定された。また、参考例1から3で使用されたポリウレタンは、ポリウレタンの原料組成物や発泡剤の使用量を参考例1から3で互いに異ならせて準備されたものである。
比較例1
発泡シートとして、基材樹脂としてポリエチレンを用い発泡剤としてブタン系化学発泡剤を用いて押出発泡させたシート(厚さ6mm)において連続気泡率が75%未満であるものを用いた他は、実施例1と同様にしてウエハ保護用クッション材を得て、圧縮硬さ、圧縮永久歪みの測定、発塵性試験、ウエハ破損確認試験を行った。結果を表1に示す。
比較例2
発泡シートとして、基材樹脂としてポリエチレンを用い発泡剤としてブタン系化学発泡剤を用いて押出発泡させたシート(厚さ6mm)において連続気泡率が75%未満であるものを用いた他は、実施例2と同様にしてウエハ保護用クッション材を得て、圧縮硬さ、圧縮永久歪みの測定、発塵性試験、ウエハ破損確認試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1,2の結果から、比較例1,2に対して柔軟性により一層富むとともに圧縮永久歪みも抑制されており、ウエハ破損をより効果的に抑制することのできるウエハ保護用クッション材が得られていることが確認された。また、実施例1,2の結果は、参考例1から3に対して柔軟性により富むとともに、圧縮永久歪みについても遜色ないウエハ保護用クッション材が得られていることが確認された。しかも実施例1,2では、参考例1から3に対して発塵を抑制できる点で優れており、塵や埃が発泡材のセル内に侵入することを効果的に防止できるウエハ保護用クッション材が得られていることが確認された。
Figure 2019147573
1 ウエハ保護用クッション材
2 発泡シート
3 樹脂フィルム
4 凹凸面
5 ウエハ
6 スペーサ
7 容器本体
8 収容部
9 蓋
10 搬送容器
11 ウエハ積層体

Claims (2)

  1. 発泡シートの両面に樹脂フィルムを積層されているウエハ保護用クッション材であって、
    JIS K 6767に準拠して測定された該クッション材の圧縮硬さが、20N以下であり、
    前記発泡シートの連続気泡率が75%以上である、ことを特徴とするウエハ保護用クッション材。
  2. JIS K 6767に準拠して測定された前記クッション材の圧縮永久歪みが、5%以下である、請求項1に記載のウエハ保護用クッション材。
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