JP2006111883A - 帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形品において、金型非接触面や高い絞り比を有する深絞り部でも、金型接触面と同様に優れた帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂(A)と、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンから選択された少なくとも一種のポリエチレン系樹脂(B)と、帯電防止剤(C)とを含む帯電防止性樹脂組成物を調製する。ポリエチレン系樹脂(B)は、エチレンと直鎖状α−C5-8オレフィンとの割合(モル比)が、前者/後者=80/20〜99.9/0.1程度の共重合体であり、かつ密度が0.9〜0.95g/cm3程度の直鎖状低密度ポリエチレンであってもよい。前記樹脂組成物で形成されたシートを熱成形することにより、表裏面双方での帯電防止性に優れた成形品が得られる。
【選択図】なし
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂(A)と、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンから選択された少なくとも一種のポリエチレン系樹脂(B)と、帯電防止剤(C)とを含む帯電防止性樹脂組成物を調製する。ポリエチレン系樹脂(B)は、エチレンと直鎖状α−C5-8オレフィンとの割合(モル比)が、前者/後者=80/20〜99.9/0.1程度の共重合体であり、かつ密度が0.9〜0.95g/cm3程度の直鎖状低密度ポリエチレンであってもよい。前記樹脂組成物で形成されたシートを熱成形することにより、表裏面双方での帯電防止性に優れた成形品が得られる。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体や電子部品等の精密部品の包装材料として適した帯電防止性樹脂組成物、その組成物で構成されたシート、及びそのシートで形成された成形品に関する。
近年、半導体や電子部品用包装材料としては、静電気による障害又は破壊(ESD破壊)や粉塵の付着を防ぐために、少なくとも帯電防止レベルまでの表面導電性が付与されたプラスチック材料が用いられている。半導体や電子部品用包装材料としては、例えば、エンボステープやトレー、マガジン等の電子部品搬送用容器などが挙げられるが、電子機器の製品寿命は短く、電子部品のリニューアルも頻繁に行われる。そこで、電子部品搬送用容器の成形方法は、金型費用のかかる射出成形から、金型が安価で形状修正が容易な真空成形(シートの熱成形)に移行している。
通常、絶縁レベルのプラスチックを帯電防止レベルにするために、低分子量の帯電防止剤の塗布や練り込みが行われている。帯電防止剤を塗布した場合は、即効性に優れるが、成形品を繰り返し使用すると、表面の被膜が除去される虞がある。帯電防止剤を練り込んだ場合は、表面の被膜が除去されても、帯電防止剤のブリードアウトによって帯電防止性が回復する。
しかし、帯電防止剤を練り込んでも、熱成形による絞り度の大きな部位(例えば、容器のコーナー部)では、帯電防止効果が低下し、帯電防止性効果が有効に発現し難い。特に、最近、電子部品搬送用容器において、熱成形品は、射出成形品並みの寸法精度が求められ、成形品の各部位で高い絞りが要求されている。従って、高い絞り比を有する部位でも、充分な帯電防止効果を示す成形品、及びそのためのシートが求められる。
また、電子部品搬送用容器の中で、摩擦や振動によって発生する磨耗紛の発生を嫌う用途では、ポリプロピレン系樹脂で形成された容器が好ましく使用される。しかし、ポリプロピレン系樹脂は、成形条件によって結晶構造が変化しやすく、この変化によって帯電防止性の発現速度が左右される。例えば、金型に接触する面は急冷により帯電防止性の発現が早いが、反対面は徐冷されることにより帯電防止性の発現が遅れる。
特開昭63−105061号公報(特許文献1)には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレンと、帯電防止剤とを含む帯電防止特性を有する熱可塑性樹脂組成物及びこの樹脂組成物を用いたフィルムが開示されている。また、特開平2−308825号公報(特許文献2)には、HDPEとLLDPEとの混合樹脂に、帯電防止剤0.05〜0.68重量%を添加した組成物で構成された一軸延伸包装用フィルムが開示されている。しかし、これらのフィルムは、機械的特性及び耐熱性や、高い絞り比を有する部位や金型非接触面で、帯電防止性の効果や発現が充分でない。
特開平5−38753号公報(特許文献3)には、ポリプロピレンなどのポリオレフィンと、ポリオキシアルキレングリコール類と、空隙率0.75〜0.95の無機多孔質粉体とを含む樹脂組成物で構成された延伸ポリオレフィンフィルムが開示されている。この文献では、無機多孔質の多孔内に帯電防止剤を取り込ませることにより、多量の帯電防止剤の配合を可能とし、帯電防止効果を向上させている。しかし、このフィルムでも、機械的特性が低下し、高い絞り比を有する部位や金型との非接触面での帯電防止性の発現が充分でない。
特開昭63−105061号公報(特許請求の範囲)
特開平2−308825号公報(特許請求の範囲)
特開平5−38753号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、成形品において、金型非接触面や高い絞り比を有する深絞り部でも、金型接触面と同様に高い帯電防止性を付与できるポリオレフィン系樹脂組成物、その組成物で構成されたシート、及びそのシートで形成された成形品を提供することにある。
本発明の他の目的は、ドローダウンなどを生じることがなく、熱成形性及び二次成形性に優れ、高い帯電防止性を成形品の全体に亘り、均一に付与できるポリオレフィン系樹脂組成物、その組成物で構成されたシート、及びそのシートで形成された成形品を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリプロピレン系樹脂と特定のポリエチレン系樹脂と帯電防止剤とを組み合わせることにより、成形品において、金型非接触面及び容器などの成形品の絞り部でも金型接触面と同様に優れた帯電防止性を付与できるポリオレフィン系樹脂組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の帯電防止性樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、直鎖状低密度ポリエチレンで構成されたポリエチレン系樹脂(B)と、帯電防止剤(C)とを含む。前記ポリエチレン系樹脂(B)は、さらに低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。本発明の帯電防止性樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、直鎖状低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンから選択された少なくとも一種のポリエチレン系樹脂(B)と、帯電防止剤(C)とを含んでいてもよい。ポリエチレン系樹脂(B)は、エチレンと直鎖状C3-12α−オレフィンとの割合(モル比)が、前者/後者=80/20〜99.9/0.1程度の共重合体であり、かつ密度が0.9〜0.95g/cm3程度の直鎖状低密度ポリエチレンであってもよい。帯電防止剤(C)は、アミン系帯電防止剤、脂肪酸アミド系帯電防止剤、脂肪酸エステル系帯電防止剤、ポリオキシアルキレン系帯電防止剤等であってもよい。樹脂成分のメルトインデックスについて、ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトインデックスが0.2〜2g/10分程度で、ポリエチレン系樹脂(B)のメルトインデックスが1.2〜10g/10分程度であり、かつポリプロピレン系樹脂(A)のメルトインデックス(MIA)とポリエチレン系樹脂(B)のメルトインデックス(MIB)との割合(MIA/MIB)が、MIA/MIB=1/1.5〜1/30程度であってもよい。帯電防止剤(C)の割合は、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリエチレン系樹脂(B)との合計100重量部に対して、0.1〜5重量部程度である。
本発明には、前記樹脂組成物で形成されたシートも含まれる。本発明には、このシートを熱成形して得られた成形品も含まれる。
本発明には、前記組成物で構成されたシートを熱成形することにより、得られた容器の表裏面双方での帯電防止性を改善する方法も含まれる。
本発明の帯電防止性樹脂組成物を用いると、金型非接触面や高い絞り比を有する深絞り部でも、金型接触面と同様に優れた帯電防止性を有する成形品が得られる。また、二次成形で延伸や配向しても高い帯電防止性を維持でき、成形品全体に亘り均一に帯電防止できる。さらに、二次成形においてドローダウンを抑制できるため、耐熱性や外観に優れた成形品を簡便に得ることができる。また、本発明のシートは、高度な帯電防止性を有するので、半導体や電子部品の搬送容器として有用である。
[ポリプロピレン系樹脂(A)]
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)を含んでいる。ポリプロピレン系樹脂(A)は、具体的には、プロピレンホモポリマー又はプロピレン−α−オレフィン共重合体が含まれる。α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等のα−C2-16(好ましくはC2-8、さらに好ましくはC2-4)オレフィンが例示できる。共重合体において、プロピレンとα−オレフィンとの割合(モル比)が、プロピレン/α−オレフィン=70/30〜100/0、好ましくは80/20〜100/0、さらに好ましくは90/10〜100/0(特に95/5〜100/0)程度である。α−オレフィンの割合が30モル%を超えると、剛性や耐熱性が低下する。用途に応じて、ホモポリマー、共重合体を使い分けることが可能であり、成形品の剛性の点からは、プロピレン含量が90〜100モル%程度のポリマー、例えば、プロピレンホモポリマーが使用でき、帯電防止性の点からは、共重合体が使用できる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)を含んでいる。ポリプロピレン系樹脂(A)は、具体的には、プロピレンホモポリマー又はプロピレン−α−オレフィン共重合体が含まれる。α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等のα−C2-16(好ましくはC2-8、さらに好ましくはC2-4)オレフィンが例示できる。共重合体において、プロピレンとα−オレフィンとの割合(モル比)が、プロピレン/α−オレフィン=70/30〜100/0、好ましくは80/20〜100/0、さらに好ましくは90/10〜100/0(特に95/5〜100/0)程度である。α−オレフィンの割合が30モル%を超えると、剛性や耐熱性が低下する。用途に応じて、ホモポリマー、共重合体を使い分けることが可能であり、成形品の剛性の点からは、プロピレン含量が90〜100モル%程度のポリマー、例えば、プロピレンホモポリマーが使用でき、帯電防止性の点からは、共重合体が使用できる。
共重合体の形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。なお、ブロック共重合体は、弾性率が低下し、シート化したとき、剛性、腰が低下し易い。そのため、ポリプロピレン系樹脂全体は、非ブロック共重合体であるのが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂はアタクチック重合体であってもよく、その立体規則性は、特に限定されず、アイソタクチック、シンジオタクチック、メタロセン触媒により生成するメタロセン構造等が例示できる。これらのうち、簡便性及び経済性の点から、従来より汎用されているアイソタクチック構造を有するポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(A)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトインデックス(MIA)は、0.1〜5g/10分、好ましくは0.2〜2g/10分、さらに好ましくは0.5〜1g/10分程度である。メルトインデックスMIAが高すぎると、弾性率、剛性が低下するとともに、熱成形時にドローダウンしやすくなり、二次成形が困難となる。また、成形品の厚みが不均一になるだけでなく、しわの原因になる。メルトインデックスMIAが低すぎると、押出成形が困難となる。なお、メルトインデックスMIAは、JIS K 7210に準じて、JIS K 7210の表1の条件14(試験温度230℃、試験荷重21.18N)で測定した値である。
[ポリエチレン系樹脂(B)]
帯電防止性を向上させるため、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、さらにポリエチレン系樹脂(B)を含んでいる。このポリエチレン系樹脂(B)は、低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
帯電防止性を向上させるため、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、さらにポリエチレン系樹脂(B)を含んでいる。このポリエチレン系樹脂(B)は、低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.9〜0.95g/cm3、好ましくは0.91〜0.945g/cm3、さらに好ましくは0.91〜0.94g/cm3(特に0.91〜0.93g/cm3)程度である。
前記ポリエチレン系樹脂(B)のうち、特に、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンを用いると、延伸部(配向部)での帯電防止性、特に成形品における高絞り比の部位での帯電防止性の早期発現や効果を高めることができる。また、金型の非接触部でも、接触部と同様に帯電防止性の早期発現や帯電防止性を発揮でき、成形品における表面と裏面との帯電防止性の差異を少なくできる。また、直鎖状低密度ポリエチレンを用いると、少なくともシート表面近傍(例えば、シート表面から5μmまでの深さ)で、直鎖状低密度ポリエチレンが連続相を形成し易い。すなわち、直鎖状低密度ポリエチレンを用いると、シート表面近傍で、直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとが両連続構造(網目構造)を形成している。シートの内部では、ポリプロピレンがマトリックスで直鎖低密度ポリエチレンが分散相である海島構造を形成しているようである。
直鎖状低密度ポリエチレンとは、低圧重合法によって得られる分岐鎖の少ないポリエチレンであって、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンとしては、具体的に、エチレン以外のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−C3-12オレフィンが例示できる。これらのα−オレフィンのうち、好ましくはα−C3-10オレフィン、さらに好ましくはα−C3-8オレフィン、さらに好ましくは直鎖状α−C5-8オレフィン(例えば、1−ヘキサンや1−オクテン等)である。これらのα−オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
直鎖状低密度ポリエチレンにおいて、エチレンとα−オレフィンとの割合(モル比)は、エチレン/α−オレフィン=80/20〜99.9/0.1、好ましくは85/15〜99.5/0.5、さらに好ましくは90/10〜99/1程度である。
ポリエチレン系樹脂(B)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリエチレン系樹脂(B)のメルトインデックス(MIB)は、1〜15g/10分、好ましくは1.2〜10g/10分、さらに好ましくは2〜8g/10分程度である。メルトインデックスMIBが高すぎると、熱成形時にドローダウンしやすく、成形品の厚みが不均一になるだけでなく、しわの原因になる。メルトインデックスMIBが低すぎると、ポリプロピレン系樹脂(A)とのブレンド系において、分散性が悪く、帯電防止性の発現が遅れる虞がある。なお、メルトインデックスMIBは、JIS K 7210に準じて、JIS K 7210の表1の条件4(試験温度190℃、試験荷重21.18N)で測定した値である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、前記両樹脂のメルトインデックスの関係は、ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトインデックスMIAよりもポリエチレン系樹脂(B)のメルトインデックスMIBの方が大きい関係が好ましく、例えば、MIA/MIB=1/1.5〜1/30、好ましくは1/2〜1/20、さらに好ましくは1/3〜1/10程度である。前記メルトインデックス比がこの範囲にあると、少なくともシート表面近傍において、(A)ポリプロピレン系樹脂と(B)ポリエチレン系樹脂とが相分離構造を有し、かつ(B)ポリエチレン系樹脂が連続相を形成し易い。帯電防止剤はポリプロピレン系樹脂(A)相内よりも、ポリエチレン系樹脂(B)相内において移動し易いため、ポリエチレン系樹脂層が表面近傍で連続相を形成すると、帯電防止剤は表面にブリードし易くなり、早期の帯電防止効果が発現される。
前記メルトインデックスの関係は、主に熱成形過程でのドローダウンの点からも規定される。このような関係を有するポリプロピレン系樹脂(A)とポリエチレン系樹脂(B)とを用いてもドローダウンが生じる場合には、ポリエチレン系樹脂(B)として低密度ポリエチレンを使用したり、高溶融張力ポリプロピレンなどをさらに添加してもよい。
ポリプロピレン系樹脂(A)とポリエチレン系樹脂(B)との割合(重量比)は、ポリプロピレン系樹脂(A)/ポリエチレン系樹脂(B)=50/50〜99/1、好ましくは60/40〜95/5、さらに好ましくは65/35〜90/10(例えば、70/30〜90/10)程度である。ポリプロピレン系樹脂(A)の割合が少なすぎると、耐熱性や剛性、弾力性等が低下する。ポリエチレン系樹脂(B)の割合が少なすぎると、帯電防止性の改良効果が低く、特に絞り比が高い部位での帯電防止性の発現が遅れる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、必要であれば、さらに、エチレン系樹脂、例えば、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、分岐鎖状ポリエチレン、低分子量ポリエチレン、アイオノマー、塩素化ポリエチレン等を含んでいてもよい。
[(C)帯電防止剤]
前記組成物と帯電防止剤(C)とを組み合わせると、帯電防止性に優れた樹脂組成物が得られる。
前記組成物と帯電防止剤(C)とを組み合わせると、帯電防止性に優れた樹脂組成物が得られる。
帯電防止剤(C)としては、例えば、ノニオン性帯電防止剤、アニオン性帯電防止剤、カチオン性帯電防止剤、両性帯電防止剤等の帯電防止剤が挙げられる。
ノニオン性帯電防止剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコールと脂肪酸とのエステル、例えば、グリセリンC6-24脂肪酸エステル(特に、グリセリンC8-18脂肪酸エステル)などのグリセリン脂肪酸エステル;これらのグリセリン脂肪酸エステルに対応するショ糖脂肪酸エステル;ソルビタンC6-24脂肪酸エステル(特に、ソルビタンC8-18脂肪酸エステル)などのソルビタン脂肪酸エステル]、ポリオキシエチレンアルキルエーテル[例えば、ポリオキシエチレン(オキシエチレン基平均付加モル数1〜30)C6-24アルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレンC8-18アルキルエーテル)など]、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル[例えば、ポリオキシエチレン(オキシエチレン基平均付加モル数1〜30)C6-24アルキルフェニルエーテル(特に、ポリオキシエチレンC8-18アルキルフェニルエーテル)など]、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(いわゆる、アルキルジエタノールアミン)[例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)C6-24アルキルアミン(特に、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)C8-18アルキルアミン)など]、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン(いわゆる、ヒドロキシアルキルアミンモノエタノールアミン)[例えば、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシC6-24アルキルアミン(特に、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシC8-18アルキルアミン)など]、ポリオキシエチレンアルキルアミン[例えば、ポリオキシエチレン(オキシエチレン基平均付加モル数1〜30)C6-24アルキルアミン(特に、ポリオキシエチレンC8-18アルキルアミン)など]、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪酸アミド[例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)C6-24脂肪酸アミド(特に、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)C8-18脂肪酸アミド)など]、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル[例えば、ポリオキシエチレン(オキシエチレン基平均付加モル数1〜30)C6-24アルキルアミンC6-24脂肪酸エステル(特に、ポリオキシエチレンC8-18アルキルアミンC8-18脂肪酸エステル)など]、アルキルジエタノールアミド[例えば、C6-24アルキルジエタノールアミド(特に、C8-18アルキルジエタノールアミド)など]、ポリオキシエチレンアルキルアミド[例えば、ポリオキシエチレン(オキシエチレン基平均付加モル数1〜30)C6-24アルキルアミド(特に、ポリオキシエチレンC8-18アルキルアミド)など]等が挙げられる。
アニオン性帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸塩[例えば、C6-24アルキルスルホン酸塩(特に、C8-18アルキルスルホン酸塩)など]、アルキルベンゼンスルホン酸塩[例えば、C6-24アルキルベンゼンスルホン酸塩(特に、C8-18アルキルベンゼンスルホン酸塩)など]、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩[例えば、C6-24アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(特に、C8-18アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩)など]、アルキル硫酸エステル塩[例えば、C6-24アルキル硫酸エステル塩(特に、C8-18アルキル硫酸エステル塩)など]、アルキルホスフェート[例えば、C6-24アルキルホスフェート(特に、C8-18アルキルホスフェート)など]等が挙げられる。塩としては、アンモニア、アミン、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)やアルカリ土類金属等との塩が挙げられる。
カチオン性帯電防止剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩[例えば、テトラC1-24アルキルアンモニウム塩(特に、テトラC1-18アルキルアンモニウム塩)など]、トリアルキルベンジルアンモニウム塩[例えば、トリC1-24アルキルベンジルアンモニウム塩(特に、トリC1-18アルキルベンジルアンモニウム塩)など]等が挙げられる。塩としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、過塩素酸等との塩が挙げられる。
両性帯電防止剤としては、アルキルベタイン[例えば、C1-24アルキルベタイン(特に、C1-18アルキルベタイン)など]、アルキルイミダゾリウムベタイン[例えば、C1-24アルキルイミダゾリウムベタイン(特に、C1-18アルキルイミダゾリウムベタイン)など]、ヒドロキシアルキルイミダゾリン硫酸エステル[例えば、ヒドロキシC1-24アルキルイミダゾリン硫酸エステル(特に、ヒドロキシC1-18アルキルイミダゾリン硫酸エステル)]等が挙げられる。
前記帯電防止剤のHLB値は、1〜20、好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜12程度である。
これらの帯電防止剤(C)のうち、ポリオレフィン系樹脂との相溶性との点から、ノニオン性帯電防止剤、特に、アミン系帯電防止剤[前記のN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミンやN−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等]、脂肪酸アミド系帯電防止剤[前記のN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪酸アミドなど]、脂肪酸エステル系帯電防止剤[前記のグリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコールの脂肪酸エステルなど]、ポリオキシアルキレン系帯電防止剤[前記のポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド等]等が好ましい。これらのうち、アルキルジエタノールアミンが汎用され、特に、透明性が必要な場合に好ましい。これらの帯電防止剤(C)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
帯電防止剤(C)の重量平均分子量は、2000以下、好ましくは150〜1000、さらに好ましくは200〜1000程度である。
帯電防止剤(C)の割合は、ポリプロピレン系樹脂(A)及びポリエチレン系樹脂(B)の総量は100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部、さらに好ましくは0.5〜1.5重量部程度である。なお、(A)〜(C)成分の種類によって、最適な範囲は変化し、一概には言えないが、帯電防止剤(C)が多すぎると、樹脂組成物の物性低下や表面のべとつきが発生し汚れの原因となり、帯電防止剤(C)が少なすぎると、帯電防止効果が充分ではない。
[他の添加剤]
本発明の帯電防止性樹脂組成物には、帯電防止効果を調整する目的で、高分子量の帯電防止剤、金属酸化物、カーボンブラック、導電性付与剤、高級アルコール等を加えてもよい。
本発明の帯電防止性樹脂組成物には、帯電防止効果を調整する目的で、高分子量の帯電防止剤、金属酸化物、カーボンブラック、導電性付与剤、高級アルコール等を加えてもよい。
さらに、必要に応じて、着色剤、分散剤、離型剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤等)、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、充填剤等を添加してもよい。
[ポリオレフィン系樹脂シート]
本発明のポリオレフィン系樹脂シートは、前記樹脂組成物で構成されている。シート全体の厚みは、0.01〜3mm、好ましくは0.1〜2mm、さらに好ましくは0.15〜1.5mm程度であってもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂シートは、前記樹脂組成物で構成されている。シート全体の厚みは、0.01〜3mm、好ましくは0.1〜2mm、さらに好ましくは0.15〜1.5mm程度であってもよい。
前記シートは、単層シートであってもよく、複数の層で構成された積層シートであってもよい。積層シートでは、少なくとも一方の最表層を、本発明の樹脂組成物で構成するのが好ましい。積層シートは、共押出法、ヒートラミネーションやドライラミネーション等の方法により調製でき、必ずしも接着剤を必要としない。なお、本発明の樹脂組成物やシートで表層を構成し、中間層を帯電防止剤を含まない層にすることにより、高価な帯電防止剤の使用量を低減することができる。
前記シート(特に、帯電防止剤を含有するシート)は、JIS K 6911に準拠して測定した表面固有抵抗値が、成形後温度20℃、湿度50%RHで2週間経過したとき、1.0×1013Ω/□以下、好ましくは1.0×1012〜1.0×108Ω/□、さらに好ましくは1.0×1011〜1.0×108Ω/□程度であり、帯電防止効果及び帯電防止能の回復力に優れる。
前記シートの製造方法は、特に制限されず、前記樹脂組成物のペレットを、通常の押出し成形機に供給し、溶融混練してダイ[フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラダイ)等]から押出してシート状に成形できる。シートは、延伸(一軸延伸や二軸延伸等)してもよいが、通常、押し出し方向にドロー(引取り)を作用させた未延伸シートである。また、化学発泡剤の添加や発泡ガスの含浸によって、発泡押出成形し、発泡シートとしてもよい。なお、シート成形において、押し出されたシートは、通常、冷却ロール(チルロール)で冷却され、巻き取ることができる。このようなシート成形において、シートの一方の面が冷却されても、シート両面での帯電防止性を向上できる。溶融温度は、150〜250℃、好ましくは200〜240℃程度である。得られたシートはその一面ないし両面に、さらに帯電防止剤、カーボンブラック、金属酸化物等の導電性付与剤、離型剤等を塗布してもよい。
[二次成形品]
本発明のポリオレフィン系樹脂シートは、自由吹込成形、真空成形、折り曲げ加工、圧空成形、マッチモールド成形、熱板成形等の慣用の熱成形などで二次成形することができる。二次成形品としては、例えば、包装用材料、食品用容器、薬品用容器、トレー、エンボステープ又はキャリアテープ、マガジン等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン系樹脂シートは、自由吹込成形、真空成形、折り曲げ加工、圧空成形、マッチモールド成形、熱板成形等の慣用の熱成形などで二次成形することができる。二次成形品としては、例えば、包装用材料、食品用容器、薬品用容器、トレー、エンボステープ又はキャリアテープ、マガジン等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物及びシートでは、金型に対する非接触面のみならず、延伸や配向が生じる熱成形域での帯電防止性も大きく向上できる。より具体的には、収容凹部を成形すると、収容凹部の底壁の内外面及び側壁の内外面での帯電防止性を早期に発現でき、しかも持続できる。そのため、成形容器の積重ねや積重ねた成形容器の取り出し、テープの巻回や巻回したテープの巻き戻しにおいて、剥離帯電することもない。
シートや二次成形品の表面は、表面処理(例えば、コロナ放電やグロー放電等の放電処理、酸処理、焔処理等)を行ってもよい。シートや二次成形品の表面は、導電処理又は帯電防止処理(例えば、帯電防止剤、カーボンブラック、金属酸化物等の導電性付与剤の塗布や混練)や、導電性被膜又は帯電防止層(例えば、導電性インキによる被膜など)を形成してもよい。
本発明のシートは、帯電防止性及びその回復力に優れるとともに、耐熱性や外観等の各種特性に優れるので、前記二次成形品の中でも、静電気障害が懸念される部品又は部材、例えば、半導体や電子部品等の精密部品の包装材料、半導体や電子部品を収容するための収容凹部を有する搬送用成形品(例えば、電子部品搬送用トレー、キャリアテープ等)、液晶などの電子部品用包装材料に有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、実施例における各評価項目の評価方法、及び用いた各成分の内容は以下の通りである。
[表面固有抵抗]
金型で成形して1日間放置した容器の底面及び側面の平坦部を切り抜き、20℃、60%RHで4日間調湿した。JIS K6911に準拠し、金型接触面及び非接触面の表面固有抵抗を測定した。容器の概略断面図を図1に示す。図1に示すように、底面金型接触面の表面抵抗を表面抵抗A、底面金型非接触面の表面抵抗を表面抵抗B、側面金型接触面の表面抵抗を表面抵抗C、側面金型非接触面の表面抵抗を表面抵抗Dとした。
金型で成形して1日間放置した容器の底面及び側面の平坦部を切り抜き、20℃、60%RHで4日間調湿した。JIS K6911に準拠し、金型接触面及び非接触面の表面固有抵抗を測定した。容器の概略断面図を図1に示す。図1に示すように、底面金型接触面の表面抵抗を表面抵抗A、底面金型非接触面の表面抵抗を表面抵抗B、側面金型接触面の表面抵抗を表面抵抗C、側面金型非接触面の表面抵抗を表面抵抗Dとした。
[ドローダウン(DD)量]
成形したシートを、流動方向(MD方向)に240mm、幅方向(TD方向)に50mmの短冊状に任意で切り取り、50mm幅側の両端を固定し、両面からセラミックヒーターで等加熱速度で昇温した(20℃/分)。融点以上に加熱されると、シートは一旦膨張し、次いで張り戻り現象を示し、その後自重で垂れはじめる。175℃における垂れ量(mm)を測定し、MDでのドローダウン(DD)量とした。
成形したシートを、流動方向(MD方向)に240mm、幅方向(TD方向)に50mmの短冊状に任意で切り取り、50mm幅側の両端を固定し、両面からセラミックヒーターで等加熱速度で昇温した(20℃/分)。融点以上に加熱されると、シートは一旦膨張し、次いで張り戻り現象を示し、その後自重で垂れはじめる。175℃における垂れ量(mm)を測定し、MDでのドローダウン(DD)量とした。
[電子顕微鏡による観察方法]
成形したシートを、1,7−オクタジエン(関東化学株式会社)に1時間浸漬し、乾燥後、ドラフト内で四酸化オスミウム(関東化学株式会社)の蒸気に2日間さらし、染色する。染色したシートから超薄切片を調製し、透過型電子顕微鏡によって、厚み方向の観察を行った。
成形したシートを、1,7−オクタジエン(関東化学株式会社)に1時間浸漬し、乾燥後、ドラフト内で四酸化オスミウム(関東化学株式会社)の蒸気に2日間さらし、染色する。染色したシートから超薄切片を調製し、透過型電子顕微鏡によって、厚み方向の観察を行った。
[各成分の内容]
(A)ポリプロピレン系樹脂
PP1:ホモポリプロピレン(トクヤマ(株)製、RW110、MI=0.5)
PP2:ブロックポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、EC9、MI=0.5)
PP3:ホモポリプロピレン(チッソ(株)製、NEWSTREN SH9000、MI=0.3)。
(A)ポリプロピレン系樹脂
PP1:ホモポリプロピレン(トクヤマ(株)製、RW110、MI=0.5)
PP2:ブロックポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、EC9、MI=0.5)
PP3:ホモポリプロピレン(チッソ(株)製、NEWSTREN SH9000、MI=0.3)。
(B)ポリエチレン系樹脂
LLDPE1:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、0144N、MI=1.2)
LLDPE2:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、0234、MI=2)
LLDPE3:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、1014D、MI=9)
LLDPE4:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、2024N、MI=25)
LDPE:低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ペトロセン207、MI=8)
HDPE:高密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ニポロンハード5700、密度0.95g/cm3、MFR=1.0)。
LLDPE1:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、0144N、MI=1.2)
LLDPE2:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、0234、MI=2)
LLDPE3:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、1014D、MI=9)
LLDPE4:直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、2024N、MI=25)
LDPE:低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ペトロセン207、MI=8)
HDPE:高密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ニポロンハード5700、密度0.95g/cm3、MFR=1.0)。
(C)帯電防止剤
帯電防止剤:アルキルジエタノールアミン(花王(株)製、エレストマスター320)。
帯電防止剤:アルキルジエタノールアミン(花王(株)製、エレストマスター320)。
実施例1〜9及び比較例1
表1に示す割合で各成分をドライブレンドした後、押出機(スクリュー径115mm、スクリュー長3200mm)によって、シリンダー温度230℃で溶融混練した後、T−ダイより、ダイ温度230℃でシート状に押し出した。このシート状物を、冷却ロールによって冷却して、幅640mm×厚み0.7mmのシートを製造した。エアギャップは200mmとし、引き取り速度は5.5m/分とした。シーティング後、金型を用いて、図1で示す容器を成形し、1日間室温で放置した。得られたシートのDD量及び容器の表面抵抗値を測定した結果を表1に示す。
表1に示す割合で各成分をドライブレンドした後、押出機(スクリュー径115mm、スクリュー長3200mm)によって、シリンダー温度230℃で溶融混練した後、T−ダイより、ダイ温度230℃でシート状に押し出した。このシート状物を、冷却ロールによって冷却して、幅640mm×厚み0.7mmのシートを製造した。エアギャップは200mmとし、引き取り速度は5.5m/分とした。シーティング後、金型を用いて、図1で示す容器を成形し、1日間室温で放置した。得られたシートのDD量及び容器の表面抵抗値を測定した結果を表1に示す。
表1の結果より、実施例1〜9(特に実施例1〜7)のシートは、帯電防止性及び二次成形性のいずれも優れている。これに対して、比較例1のシートは、帯電防止性が充分でない。
なお、透過型電子顕微鏡観察の結果、実施例1のシートは、表面近傍で、(B)ポリエチレン系樹脂が面方向に伸びた状態で、(A)ポリプロピレン系樹脂との両連続相を形成し、シート内部では、(B)ポリエチレン系樹脂が分散相で(A)ポリプロピレン系樹脂がマトリックスである海島構造を形成しているのが確認された。これに対して、実施例9のシートでは、実施例1に比べて、低粘度の(B)ポリエチレン系樹脂を使用しているにもかかわらず、(B)ポリエチレン系樹脂が分散相で、(A)ポリプロピレン系樹脂がマトリックスである海島構造を形成しているのが確認された。
Claims (11)
- ポリプロピレン系樹脂(A)と、直鎖状低密度ポリエチレンで構成されたポリエチレン系樹脂(B)と、帯電防止剤(C)とを含む帯電防止性樹脂組成物。
- ポリエチレン系樹脂(B)が、エチレンと直鎖状C3-12α−オレフィンとの割合(モル比)が、前者/後者=80/20〜99.9/0.1の共重合体であり、かつ密度が0.9〜0.95g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンである請求項1記載の組成物。
- 帯電防止剤(C)が、アミン系帯電防止剤、脂肪酸アミド系帯電防止剤、脂肪酸エステル系帯電防止剤及びポリオキシアルキレン系帯電防止剤から選択された少なくとも一種である請求項1記載の組成物。
- ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトインデックスが0.2〜2g/10分、ポリエチレン系樹脂(B)のメルトインデックスが1.2〜10g/10分であり、かつポリプロピレン系樹脂(A)のメルトインデックス(MIA)とポリエチレン系樹脂(B)のメルトインデックス(MIB)との割合(MIA/MIB)が、MIA/MIB=1/1.5〜1/30である請求項1記載の組成物。
- 帯電防止剤(C)の割合が、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリエチレン系樹脂(B)との合計100重量部に対して、0.1〜5重量部である請求項1記載の組成物。
- メルトインデックス0.5〜1g/10分のホモポリプロピレン(A)、メルトインデックス2〜8g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び帯電防止剤(C)を含む組成物であって、ホモポリプロピレン(A)のメルトインデックス(MIA)と直鎖状低密度ポリエチレン(B)のメルトインデックス(MIB)との割合(MIA/MIB)が、MIA/MIB=1/1.5〜1/20であり、ホモポリプロピレン(A)と直鎖状低密度ポリエチレン(B)との割合(重量比)が、前者/後者=60/40〜95/5であり、かつ帯電防止剤(C)の割合が、ホモポリプロピレン(A)及び直鎖状低密度ポリエチレン(B)の合計100重量部に対して、0.3〜2重量部である帯電防止性組成物。
- 請求項1記載の樹脂組成物で形成されたシート。
- 請求項1記載の樹脂組成物で形成されたシートであって、少なくともシート表面近傍で、(A)ポリプロピレン系樹脂と(B)ポリエチレン系樹脂との相分離構造を有し、かつ(B)ポリエチレン系樹脂が連続相を形成している請求項7記載のシート。
- 少なくとも請求項1記載の樹脂組成物で形成された層で構成されているシート。
- 請求項7記載のシートを熱成形して得られた成形品。
- 請求項1記載の組成物で構成されたシートを熱成形することにより、得られた容器の表裏面双方での帯電防止性を改善する方法。
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JP2008201036A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Daicel Pack Systems Ltd | 導電性シート及び電子部品包装用成形品 |
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