JP2019038875A - タイヤ - Google Patents

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悟士 石川
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Abstract

【課題】乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能と、低転がり抵抗とを両立したタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部3に配置した一枚以上のベルト層からなるベルト6と、該ベルト6のタイヤ半径方向外側に配置したベルト補強層7A,7Bとを具え、前記トレッド部3を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、特定の熱可塑性樹脂(B)を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤(C)を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、前記ベルト層の被覆ゴムの動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであり、並びに/或いは、前記ベルト補強層7A,7Bの被覆ゴムの動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであることを特徴とする、タイヤである。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤに関するものである。
車両の安全性を向上させる観点から、乾燥路面のみならず、湿潤路面、氷雪路面等の様々な路面上でのタイヤの制動性や駆動性を向上させるために、種々の検討がなされている。例えば、湿潤路面での性能を向上させるために、天然ゴム(NR)やブタジエンゴム(BR)等のゴム成分と共にアロマオイルを配合したゴム組成物をトレッドゴムに用いる手法が知られる(特許文献1)。
また、氷雪路面及び湿潤路面でのグリップ性能を向上させるために、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムを合計30質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、C系樹脂を5〜50質量部配合してなるゴム組成物をトレッドゴムに用いる手法も知られる(特許文献2)。
特開平5−269884号公報 特開2009−256540号公報
しかしながら、上記のアロマオイルを配合する手法において、アロマオイルはNRやBRとの相溶性が高くないため、湿潤路面での性能を向上させる効果が小さく、また、アロマオイルを配合すると、転がり抵抗が上昇するなどの課題があった。また、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムを合計30質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、C系樹脂を5〜50質量部配合してなるゴム組成物においては、乾燥路面における制動性能は高いものではなく、また、マンホール等の、アスファルトと比して滑りやすい路面でのウェット制動性能も充分なものではなかった。
一方、近年、タイヤの荷重を支えるケース部材については、タイヤの転がり抵抗を低減する観点から、ケース部材自体の剛性を低くして、タイヤのトレッドゴムへの入力を低減することが行われている。そのため、トレッドゴムが十分に変形できず、上述の特許文献1又は2に開示のようなゴム組成物をトレッドゴムに用いても、トレッドゴムの性能が十分に発揮されず、タイヤのグリップ性能を十分に向上させることができなかった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能と、低転がり抵抗とを両立したタイヤを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明のタイヤは、トレッド部に配置した一枚以上のベルト層からなるベルトと、該ベルトのタイヤ半径方向外側に配置したベルト補強層と、を具えるタイヤにおいて、
前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤(C)を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、
前記ベルト層及び前記ベルト補強層は、補強コードを被覆ゴムで被覆してなり、
前記ベルト層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであり、並びに/或いは、前記ベルト補強層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであることを特徴とする。
かかる本発明のタイヤは、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能と、低転がり抵抗とを両立することができる。
本発明のタイヤの好適例においては、前記充填剤(C)中のシリカの含有量が50〜100質量%である。この場合、タイヤの転がり抵抗を更に低減しつつ、湿潤路面でのグリップ性能を更に向上させることができる。
ここで、前記充填剤(C)中のシリカの含有量は、90〜100質量%であることが更に好ましい。この場合、タイヤの転がり抵抗を更に低減しつつ、湿潤路面でのグリップ性能を更に向上させることができる。
本発明のタイヤの他の好適例においては、前記ゴム成分(A)が、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを10〜50質量%含む。この場合、タイヤの乾燥路面でのグリップ性能を更に向上させることができる。
本発明によれば、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能と、低転がり抵抗とを両立したタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤの一実施態様の断面図である。
以下に、本発明のタイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
図1は、本発明のタイヤの一実施態様の断面図である。図1に示すタイヤは、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部2と、トレッド部3と、ビード部1に埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたラジアルカーカス5と、トレッド部3に配置した(より詳しくは、ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した)2枚のベルト層からなるベルト6と、該ベルト6のタイヤ半径方向外側でベルト6の全体を覆うように配置したベルト補強層7Aと、該ベルト補強層7Aの両端部のみを覆うように配置した一対のベルト補強層7Bとを具える。
図示例のタイヤにおいて、ラジアルカーカス5は、一枚のカーカスプライから構成されており、また、ビード部1内に夫々埋設した一対のビードコア4間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア4の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明のタイヤにおいて、ラジアルカーカス5のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。ここで、ラジアルカーカス5を構成するカーカスプライは、複数の補強コードを被覆ゴムで被覆してなり、該補強コードとしては、ポリエチレンテレフタレートコード、ナイロンコード、レーヨンコード等の有機繊維コードの他、スチールコードを用いてもよい。
また、図示例のタイヤのベルト6は、二枚のベルト層から構成されており、各ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、更に、二枚のベルト層が、該ベルト層を構成するコードが互いにタイヤ赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト6を構成している。
なお、図中のベルト6は、二枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルト6を構成するベルト層の枚数は、一枚以上であればよく、これに限られるものではない。
また、図示例のタイヤにおいて、ベルト補強層7A,7Bは、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列した補強コードのゴム引き層からなる。該ベルト補強層7A,7Bは、補強コードを被覆ゴムでゴム引きして準備した幅狭のストリップをタイヤ周方向に連続して螺旋状に巻回して形成されている。この場合、タイヤ周方向にジョイント部がないため、タイヤのユニフォミティーが良好となり、また、ジョイント部がないため、ジョイント部への歪集中も防止できる。ベルト補強層7A,7Bの補強コードとしては、ポリエチレンテレフタレートコード、ナイロンコード、レーヨンコード等の有機繊維コードを用いることができる。
なお、図示例のタイヤは、ベルト補強層7A及び7Bを具えるが、ベルト補強層7A及び7Bのいずれか一方が省略されたタイヤも本発明のタイヤの一実施態様である。また、図示例のタイヤにおいては、ベルト補強層7A,7Bはそれぞれ一層であるが、二層以上であってもよい。
ここで、本発明のタイヤは、トレッド部3を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤(C)を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、前記ベルト層及び前記ベルト補強層は、補強コードを被覆ゴムで被覆してなり、前記ベルト層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであり、並びに/或いは、前記ベルト補強層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであることを特徴とする。
本発明のタイヤのトレッドゴムは、ゴム成分(A)の50質量%以上が天然ゴムであり、また、充填剤(C)として、シリカを含むため、走行時の温度付近での損失正接(tanδ)が低下し、タイヤの転がり抵抗を低減できる。
また、本発明のタイヤのトレッドゴムにおいては、熱可塑性樹脂(B)が配合されていることで、弾性率の歪依存性が向上しており、低歪領域での弾性率の低下を抑制しつつ、高歪領域での弾性率を低下させることができる。そのため、本発明のタイヤは、走行時の歪が大きい路面との接地面近傍のトレッドゴムの変形体積を大きくすることができる。
また、本発明のタイヤは、(1)ベルト層の被覆ゴムの、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであり、並びに/或いは、(2)ベルト補強層の被覆ゴムの、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであることで、タイヤケースの剛性が向上しているため、トレッドへの入力が向上し、それによって、路面に対するトレッド表面の歪が大きくなり、その結果として、歪エネルギーロスが向上するため、グリップ性能が向上する。
更に、本発明のタイヤは、上述のように、弾性率の歪依存性が大きいトレッドゴムを使用しており、歪エネルギーが高いため、通常以上に歪エネルギーロスを向上させることができ、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能を更に向上させることができる。
従って、本発明のタイヤは、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能と、低転がり抵抗とを高度に両立することができる。
本発明のタイヤのトレッド部3を構成するトレッドゴムには、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤(C)を20〜120質量部、含むゴム組成物(以下、「トレッド用ゴム組成物」と称することがある。)が用いられる。
前記トレッド用ゴム組成物のゴム成分(A)は、天然ゴム(NR)を50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含む。ゴム成分(A)中の天然ゴムの含有量を50質量%以上とすることで、後述する熱可塑性樹脂(B)の配合による効果が発揮され易くなり、また、タイヤの転がり抵抗を低減できる。
前記ゴム成分(A)は、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を10〜50質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましく、10〜20質量%含むことが特に好ましい。前記ゴム成分(A)がSBRを含むことで、ゴム組成物のガラス転移点(Tg)を高め、乾燥路面でのグリップ性能を更に向上させることができる。また、ゴム成分(A)中のSBRの含有量が10質量%以上であれば、乾燥路面でのグリップ性能をより一層向上させることができ、また、ゴム成分(A)中のSBRの含有量が30質量%以下であれば、トレッドゴムの発熱性を低減できるため、転がり抵抗を低減でき、更には、トレッドゴムの柔軟性が向上するため、湿潤路面でのグリップ性能が更に向上する。
前記ゴム成分(A)は、上述の天然ゴム(NR)及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)の他、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)等を含有してもよい。
前記トレッド用ゴム組成物は、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を含む。該熱可塑性樹脂(B)を含むことで、弾性率の歪依存性が向上し、低歪領域での弾性率の低下を抑制しつつ、高歪領域での弾性率を低下させることができ、走行時の歪が大きい路面との接地面近傍のトレッドゴムの変形体積を大きくすることができる。なお、前記ゴム成分(A)は、上記の通り、天然ゴム(NR)を50質量%以上含有するものであるが、上記の熱可塑性樹脂(B)は、NRとの相溶性が高いため、上記の効果が特に得られ易い。
前記C系樹脂とは、C系合成石油樹脂を指し、該C系樹脂としては、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解によって得られるC留分を、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる脂肪族系石油樹脂が挙げられる。前記C留分には、通常、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン等のオレフィン系炭化水素、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素等が含まれる。なお、前記C系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、エクソンモービルケミカル社製脂肪族系石油樹脂である「エスコレッツ(登録商標)1000シリーズ」、日本ゼオン株式会社製脂肪族系石油樹脂である「クイントン(登録商標)100シリーズ」の内「A100、B170、M100、R100」、東燃化学社製「T−REZ RA100」等が挙げられる。
前記C−C系樹脂とは、C−C系合成石油樹脂を指し、該C−C系樹脂としては、例えば、石油由来のC留分とC留分とを、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体重合体が挙げられ、より具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体等が挙げられる。該C−C系樹脂としては、C以上の成分の少ない樹脂が、ゴム成分との相溶性の観点から好ましい。ここで、「C以上の成分が少ない」とは、樹脂全量中のC以上の成分が50質量%未満、好ましくは40質量%以下であることを言うものとする。前記C−C系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「クイントン(登録商標)G100B」(日本ゼオン株式会社製)、商品名「ECR213」(エクソンモービルケミカル社製)、商品名「T−REZ RD104」(東燃化学社製)等が挙げられる。
前記C系樹脂は、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解により、エチレン、プロピレン等の石油化学基礎原料と共に副生するC留分である、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンを主要なモノマーとする炭素数9の芳香族を重合した樹脂である。ここで、ナフサの熱分解によって得られるC留分の具体例としては、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、γ−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデン等が挙げられる。該C系樹脂は、C留分と共に、C留分であるスチレン等、C10留分であるメチルインデン、1,3−ジメチルスチレン等、更にはナフタレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、p−tert−ブチルスチレン等をも原料として用い、これらのC〜C10留分等を混合物のまま、例えばフリーデルクラフツ型触媒により共重合して得ることができる。また、前記C系樹脂は、水酸基を有する化合物、不飽和カルボン酸化合物等で変性された変性石油樹脂であってもよい。なお、前記C系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、未変性C系石油樹脂としては、商品名「日石ネオポリマー(登録商標)L−90」、「日石ネオポリマー(登録商標)120」、「日石ネオポリマー(登録商標)130」、「日石ネオポリマー(登録商標)140」(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)等が挙げられる。
前記テルペン系樹脂は、マツ属の木からロジンを得る際に同時に得られるテレピン油、或いは、これから分離した重合成分を配合し、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体状の樹脂であり、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂等が挙げられる。該テルペン系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、ヤスハラケミカル株式会社製の商品名「YSレジン」シリーズ(PX−1250、TR−105等)、ハーキュリーズ社製の商品名「ピコライト」シリーズ(A115、S115等)等が挙げられる。
前記テルペン−芳香族化合物系樹脂としては、代表例としてテルペン−フェノール樹脂を挙げることができる。このテルペン−フェノール樹脂は、テルペン類と種々のフェノール類とを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて反応させたり、或いはさらにホルマリンで縮合する方法で得ることができる。原料のテルペン類としては特に制限はなく、α−ピネンやリモネンなどのモノテルペン炭化水素が好ましく、α−ピネンを含むものがより好ましく、特にα−ピネンであることが好ましい。本発明においては、フェノール成分の比率の少ないテルペン−フェノール樹脂が好適である。ここで、「フェノール成分の比率が少ない」とは、樹脂全量中のフェノール成分が50質量%未満、好ましくは40質量%以下であることを指すものとする。なお、熱可塑性樹脂(B)としてテルペン−芳香族化合物系樹脂、特にテルペン−フェノール樹脂を用いれば、さらにハンドリング性能を向上させることもできる。前記テルペン−芳香族化合物系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「タマノル803L」、「タマノル901」(荒川化学工業株式会社製)、商品名「YSポリスター(登録商標)U」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)T」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)S」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)G」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)N」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)K」シリーズ、「YSポリスター(登録商標)TH」シリーズ(ヤスハラケミカル株式会社製)等が挙げられる。
前記ロジン系樹脂は、マツ科の植物の樹液である松脂(松ヤニ)等のバルサム類を集めてテレピン精油を蒸留した後に残る残留物で、ロジン酸(アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸等)を主成分とする天然樹脂、及びそれらを変性、水素添加等で加工した変性樹脂、水添樹脂である。例えば、天然樹脂ロジン、その重合ロジンや部分水添ロジン;グリセリンエステルロジン、その部分水添ロジンや完全水添ロジンや重合ロジン;ペンタエリスリトールエステルロジン、その部分水添ロジンや重合ロジン等が挙げられる。天然樹脂ロジンとして、生松ヤニやトール油に含まれるガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等がある。前記ロジン系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「ネオトール105」(ハリマ化成株式会社製)、商品名「SNタック754」(サンノプコ株式会社製)、商品名「ライムレジンNo.1」、「ペンセルA」及び「ペンセルAD」(荒川化学工業株式会社製)、商品名「ポリペール」及び「ペンタリンC」(イーストマンケミカル株式会社製)、商品名「ハイロジン(登録商標)S」(大社松精油株式会社製)等が挙げられる。
前記ジシクロペンタジエン樹脂は、例えば、AlClやBF等のフリーデルクラフツ型触媒等を用い、ジシクロペンタジエンを重合して得られる樹脂を指す。前記ジシクロペンタジエン樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「クイントン1920」(日本ゼオン製)、商品名「クイントン1105」(日本ゼオン社製)、商品名「マルカレッツM−890A」(丸善石油化学製)等が挙げられる。
前記アルキルフェノール系樹脂は、例えば、アルキルフェノールとホルムアルデヒドとの触媒下における縮合反応によって得られる。該アルキルフェノール系樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、商品名「ヒタノール1502P」(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、日立化成株式会社製)、商品名「タッキロール201」(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業株式会社製)、商品名「タッキロール250−I」(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業株式会社製)、商品名「タッキロール250−III」(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業株式会社製)、商品名「R7521P」、「SP1068」、「R7510PJ」、「R7572P」及び「R7578P」(SI GROUP INC.製)等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂(B)の含有量は、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜50質量部であり、好ましくは10〜30質量部である。熱可塑性樹脂(B)の配合量をゴム成分(A)100質量部に対して5〜50質量部とすることで、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができる。なお、熱可塑性樹脂(B)の配合量が5質量部未満であると、湿潤路面でのグリップ性能が充分に発揮されにくく、一方、50質量部を超えると、耐摩耗性や破壊特性が低下するおそれがある。
前記トレッド用ゴム組成物は、シリカを含有する充填剤(C)を含む。該充填剤(C)の含有量は、前記ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜120質量部であり、好ましくは50〜100質量部である。充填剤(C)の配合量をゴム成分(A)100質量部に対して20〜120質量部とすることで、ゴム成分(A)の柔軟性等の特性を損ねることなく、その補強効果を発揮させることができる。
また、前記充填剤(C)中のシリカの含有量は、50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%である。即ち、前記トレッド用ゴム組成物は、ゴム成分(A)100質量部に対して、シリカが10〜120質量部含まれることが好ましく、45〜100質量部含まれることがより好ましい。充填剤(C)中のシリカの含有量を50〜100質量%とすることで、タイヤの転がり抵抗を低減しつつ、湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができる。また、充填剤(C)中のシリカの含有量を90〜100質量%とすることで、タイヤの転がり抵抗をより一層低減しつつ、湿潤路面でのグリップ性能をより一層向上させることができる。
前記トレッド用ゴム組成物におけるシリカの配合効果は、天然ゴム(NR)と熱可塑性樹脂(B)とが良好に分散した状態で、その柔軟性を損ねることなく、充分な補強性と低発熱性とを付与することができることである。そのため、前記トレッド用ゴム組成物は、その柔軟性により、湿潤路面への追従性が高く、湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができる。
前記シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも、湿式シリカを好適に使用できる。該湿式シリカのBET比表面積は、40〜350m/gであるのが好ましく、150〜300m/gであるのがより好ましく、200〜250m/gであるのがさらに好ましい。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。このようなシリカとしては、東ソー・シリカ工業株式会社製、商品名「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、エボニック社製、商品名「ウルトラジルVN3」等の市販品を用いることができる。該シリカは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記充填剤(C)としては、上述のシリカの他に、カーボンブラック、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等を適宜配合することができる。
前記トレッド用ゴム組成物は、配合するシリカによる転がり抵抗の低減効果をさらに向上させることを目的として、シランカップリング剤をさらに含むことができる。
ここで、前記シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記シランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカ100質量部に対して、好ましくは2〜25質量部の範囲で選定される。シランカップリング剤の配合量が、シリカ100質量部に対して2質量部未満では、カップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、25質量部を超えると、ゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル化防止などの点から、シランカップリング剤のより好ましい配合量は、シリカ100質量部に対して、2〜20質量部の範囲であり、さらに好ましい配合量は5〜18質量部の範囲であり、特に好ましい配合量は5〜15質量部の範囲である。
前記トレッド用ゴム組成物は、さらに、軟化剤(D)を含むことができる。ここで、軟化剤(D)としては、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤や、パーム油、ひまし油、綿実油、大豆油等の植物系軟化剤が挙げられる。軟化剤(D)を配合する場合には、軟化剤(D)としては、取り扱い容易性の観点から、上述した中でも、25℃等の常温で液体であるもの、例えば、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤を配合することが好ましく、また、植物系軟化剤を配合しないことが好ましい。そして、軟化剤(D)を配合する場合には、当該ゴム組成物は、軟化剤(D)を、ゴム成分(A)100質量部に対して、10質量部以下で配合してなるのが好ましく、5質量部以下で配合してなるのがより好ましい。軟化剤(D)の配合量がゴム成分(A)100質量部に対して10質量部以下であることにより、湿潤路面におけるグリップ性能を更に向上させることができる。
前記トレッド用ゴム組成物は、上記ゴム成分(A)、熱可塑性樹脂(B)、充填剤(C)、軟化剤(D)の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して、通常の配合量の範囲内で配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、前記ゴム組成物は、NRを含むゴム成分(A)に、熱可塑性樹脂(B)と、シリカを含む充填剤(C)と、必要に応じ適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
前記トレッドゴムは、特に限定されるものではないが、0℃における歪4%での動的貯蔵弾性率(E’)が6.5〜12.0MPaの範囲が好ましく、8.8〜11.6MPaの範囲が更に好ましい。また、前記トレッドゴムは、特に限定されるものではないが、30℃における歪4%での動的貯蔵弾性率(E’)が3.2〜5.8MPaの範囲が好ましく、4.0〜5.5MPaの範囲が更に好ましい。また、前記トレッドゴムは、特に限定されるものではないが、60℃における歪1%での損失正接(tanδ)が0.13〜0.14の範囲が好ましい。トレッドゴムの動的貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)がこれらの範囲であれば、タイヤの乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能を更に向上させつつ、転がり抵抗を更に低減できる。なお、トレッドゴムの動的貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)は、適用するゴム組成物のゴム成分の種類やブレンド比、配合剤の種類及び量を調整することで、適宜変化させることができる。
前記トレッド用ゴム組成物を、前記トレッドゴムに用いる方法については、公知の方法を採用することができる。例えば、上述のゴム組成物をトレッドゴムに用いて生タイヤを成形し、常法に従って生タイヤを加硫することで製造できる。
前記ベルト層及び前記ベルト補強層は、補強コードを被覆ゴムで被覆してなるが、該ベルト層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであり、並びに/或いは、該ベルト補強層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaである。なお、本発明のタイヤにおいては、少なくとも、ベルト層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであるか、或いは、ベルト補強層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであればよく、ベルト層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaで、且つ、ベルト補強層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであってもよい。ベルト層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであるか、或いは、ベルト補強層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであれば、タイヤのケース部材の剛性が向上し、トレッドへの入力が向上して、トレッドゴムによる効果が十分に発揮され、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができる。また、ベルト層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであり、且つ、ベルト補強層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであれば、タイヤのケース部材の剛性が更に向上し、トレッドへの入力が更に向上して、トレッドゴムによる効果が十分に発揮され、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能を更に向上させることができる。
なお、前記ベルト層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が、32〜40MPaであることが好ましい。また、前記ベルト補強層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が、12〜18MPaであることが好ましい。ベルト層の被覆ゴム及び/又はベルト補強層の被覆ゴムの25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)がこれらの範囲であれば、乾燥路面でのグリップ性能と、湿潤路面でのグリップ性能とを更に向上させることができる。
前記ベルト層の被覆ゴムを構成するゴム組成物の配合については、25℃における歪1%で測定した動的貯蔵弾性率(E’)が所望の範囲となるようにできるものであれば特に限定はされず、公知の配合を適宜用いることができる。
例えば、前記ベルト層の被覆ゴムには、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等のゴム成分に対して、カーボンブラック、シリカ、老化防止剤、コバルト化合物、亜鉛華(酸化亜鉛)、ステアリン酸、硫黄、加硫促進剤等の配合剤を配合してなるゴム組成物を使用することができる。
前記カーボンブラック及びシリカは、充填剤として配合され、これら充填剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、合計で20〜130質量部であることが好ましい。また、前記ベルト層の被覆ゴムの動的貯蔵弾性率(E’)を達成するため、カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましく、また、70質量部以上であることが好ましい。
また、前記硫黄の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜15質量部であることが好ましく、5〜10質量部であることがより好ましい。
一方、前記ベルト補強層の被覆ゴムを構成するゴム組成物の配合については、25℃における歪1%で測定した動的貯蔵弾性率(E’)が所望の範囲となるようにできるものであれば特に限定はされず、公知の配合を適宜用いることができる。
例えば、前記ベルト補強層の被覆ゴムには、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等のゴム成分に対して、カーボンブラック、シリカ、老化防止剤、亜鉛華(酸化亜鉛)、ステアリン酸、硫黄、加硫促進剤等の配合剤を配合してなるゴム組成物を使用することができる。
前記カーボンブラック及びシリカは、充填剤として配合され、これら充填剤の配合量はゴム成分100質量部に対して、合計で20〜130質量部であることが好ましい。また、前記ベルト補強層の被覆ゴムの動的貯蔵弾性率(E’)を達成するため、カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、80質量部以下であることが好ましく、また、60質量部以上であることが好ましい。
また、前記硫黄の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜15質量部であることが好ましく、4〜10質量部であることがより好ましい。
なお、上述したベルト層の被覆ゴム及びベルト補強層の被覆ゴムの動的貯蔵弾性率(E’)は、適用するゴム組成物のゴム成分の種類やブレンド比、配合剤の種類及び量を調整することで、適宜変化させることができる。
本発明のタイヤは、適用するタイヤの種類に応じ、未加硫のゴム組成物を用いて成形後に加硫して得てもよく、又は予備加硫工程等を経た半加硫ゴムを用いて成形後、さらに本加硫して得てもよい。なお、本発明のタイヤのベルト層の被覆ゴム、ベルト補強層の被覆ゴム、トレッドゴム以外の部材は、特に限定されず、公知の部材を使用することができる。
また、本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、該空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製及び評価>
表1に示す配合処方に従い、通常のバンバリーミキサーを用いて、(i)ベルト層の被覆ゴム用のゴム組成物、(ii)ベルト補強層の被覆ゴム用のゴム組成物、(iii)トレッドゴム用のゴム組成物を製造した。また、得られたゴム組成物に対して、下記の方法で動的貯蔵弾性率及び/又は損失正接を測定した。結果を表1に示す。
(1)貯蔵弾性率及び損失正接
ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた加硫ゴムに対して、株式会社上島製作所製スペクトロメーターを用いて、初期荷重160mg、周波数52Hzの条件下で、(i)ベルト層の被覆ゴム用のゴム組成物及び(ii)ベルト補強層の被覆ゴム用のゴム組成物については、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)を測定し、(iii)トレッドゴム用のゴム組成物については、0℃及び30℃における歪4%での動的貯蔵弾性率(E’)と、60℃における歪1%での損失正接(tanδ)を測定した。
Figure 2019038875
*1 天然ゴム: RSS#3
*2 変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム: 変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを使用して製造した変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、Tg=−62℃、合成方法の詳細は以下の通りである。
<*2 変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの合成方法>
以下の条件によって、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを用いてスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを変性して得た、変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン67.5gおよびスチレン7.5gになるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを得た。
*3 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム: JSR株式会社製、商品名「#1500」
*4 熱可塑性樹脂: C−C系樹脂、東燃化学社製、商品名「T−REZ RD104」
*5 カーボンブラックA: N326、東海カーボン社製、商品名「シースト300」
*6 カーボンブラックB: N330、Cabot社製、商品名「Vulcan3」
*7 シリカ: 東ソー・シリカ工業株式会社製、商品名「ニプシルAQ」、BET比表面積=205m/g
*8 老化防止剤: 6PPD、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*9 オイル: 昭和シェル石油社製、商品名「A−1」
*10 コバルト化合物: DIC社製、商品名「NBC−2」
<タイヤの作製及び評価>
得られたゴム組成物を、表2に示す組み合わせで、ベルト層の被覆ゴム、ベルト補強層の被覆ゴム、トレッドゴムに用いて、サイズ195/65R15で、図1に示す構造の乗用車用空気入りラジアルタイヤを作製した。なお、ベルト層の被覆ゴム、ベルト補強層の被覆ゴム、トレッドゴム以外については、いずれの供試タイヤも同一とした。
得られたタイヤに対して、下記の方法で、面内捩じり剛性、トレッド接地圧、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能、転がり抵抗を評価した。結果を表2に示す。
(2)面内捩じり剛性
供試タイヤを6J×15インチのリムに取り付け、210kPaの内圧と4.31kNの荷重を印加しタイヤを捩った際の面内捩り剛性を測定し、比較例1のタイヤの面内捩じり剛性を100として指数表示した。指数値が大きい程、面内捩じり剛性が高いことを示す。
(3)トレッド接地圧
供試タイヤを6J×15インチのリムに取り付け、210kPaの内圧と4.31kNの荷重を印加しトレッド接地圧分布を測定し、比較例1のタイヤのトレッド接地圧を100として指数表示した。指数値が大きい程、トレッド接地圧が高いことを示す。
(4)乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能
供試タイヤを、試験車に装着し、乾燥路面及び湿潤路面での実車試験にて、グリップ性能をドライバーのフィーリング評点で表し、比較例1のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示した。指数値が大きい程、グリップ性能が高いことを示す。
(5)転がり抵抗
供試タイヤを、回転ドラムにより80km/hrの速度で回転させ、荷重を4.82kNとして、転がり抵抗を測定し、比較例1のタイヤの転がり抵抗の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、転がり抵抗が低いことを示す。
Figure 2019038875
表2から、本発明に従う実施例のタイヤは、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能と、低転がり抵抗とを両立できることが分かる。
1:ビード部、 2:サイドウォール部、 3:トレッド部、 4:ビードコア、 5:ラジアルカーカス、 6:ベルト、 7A,7B:ベルト補強層

Claims (4)

  1. トレッド部に配置した一枚以上のベルト層からなるベルトと、該ベルトのタイヤ半径方向外側に配置したベルト補強層と、を具えるタイヤにおいて、
    前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、C系樹脂、C−C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤(C)を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、
    前記ベルト層及び前記ベルト補強層は、補強コードを被覆ゴムで被覆してなり、
    前記ベルト層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が30〜45MPaであり、並びに/或いは、前記ベルト補強層の被覆ゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が10〜20MPaであることを特徴とする、タイヤ。
  2. 前記充填剤(C)中のシリカの含有量が50〜100質量%である、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記充填剤(C)中のシリカの含有量が90〜100質量%である、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記ゴム成分(A)が、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを10〜50質量%含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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