JP2019138177A - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダブロックを、できるだけ軽量化しつつシリンダヘッドとの密着性を高めた構造として提供する。【解決手段】シリンダブロックには、シリンダボアの群を囲うウォータジャケット2が形成されており、ウォータジャケット2のうちボア間部3の外側の部位は、傾斜部4aを有する谷状部4になっている。シリンダブロックのうち、ウォータジャケット2を挟んで谷状部4の外側には、ヘッドボルト穴16が形成されている。ヘッドボルト穴16の下方には、横長メインギャラリーを形成するための油路用ボス14が形成されている。ヘッドボルト穴16を囲うヘッドボルトボスの下方に空所18aが形成されており、ヘッドボルトボスと油路用ボス14とが、空所18aを挟んで前後両側に位置したリブ19a,19bによって繋がっている。【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックに関するものである。
シリンダブロックは内燃機関の必須要素であり、シリンダボアとウォータジャケットが形成されている。また、シリンダブロックには、シリンダヘッドを固定するためのヘッドボルト穴が、ウォータジャケットを囲う位置に複数本形成されている。自動車用の内燃機関は一般に多気筒であり、ウォータジャケットは、ボア間部に向けて入り込んでいる。そして、ヘッドボルト穴はウォータジャケットを囲うように点在しているが、隣り合ったシリンダボアの間では、ヘッドボルト穴は、ボア間部を挟んでウォータジャケットの外側に形成されている。
また、シリンダブロックのうちシリンダボアよりも下方の部位は、クランクウエイトの回転を許容するため、クランク軸心と直交した幅方向に広がる膨出部になっており、膨出部の上端部かその近傍に、クランク軸心方向に長いメインギャラリーを形成していることが多い。ピストンを冷却するオイルジェット装置は、メインギャラリーから分岐した枝通路の終端部に設けていることが多い。
シリンダブロックの長手一側面には、補強用のリブなどか形成されていて複雑な形状になっており、様々な目的により、様々な形態を付加されている(例えば特許文献1〜3)。
実開昭58−074851号のマイクロフィルム 実開昭61−113934号のマイクロフィルム 実開昭64−003015号のマイクロフィルム
さて、シリンダブロックは、燃費の向上のためにできるだけ軽量化することが求められている。そして、ヘッドボルト穴の箇所には、シリンダブロックの長手一側面に突出したヘッドボルトボスが上下に長く形成されているが、これも、ヘッドボルト穴の周囲の肉をできるだけ減らして軽量化するための措置であると云える。
また、シリンダブロックでは、ヘッドボルトの締め付けによってシリンダボアのひずみを引き起こさないように、ウォータジャケットは、ボア間部の近傍部において最も深くなるように設定していることがある。すなわち、ウォータジャケットが、等しい深さの等深部と、等深部の端に連続してボア間部の近傍部に向けて徐々に深さが深くなっていく谷状部とを有する形態になっていることがある。
ここで問題は、ウォータジャケットに谷状部が存在すると、シリンダブロックが、谷状部のうち傾斜部の外側に位置した部位において強度が低下することであり、すると、ボア間部の外側に位置したヘッドボルトを締め込んでも、シリンダブロックのうち谷状部があるエリアは、ヘッドボルトの周囲の僅かの部分だけがシリンダヘッドに強く密着して、ヘッドボルトを挟んでクランク軸線方向に離れた部位はシリンダヘッドとの密着性が悪くなる現象が発生し、結果として、シリンダブロックとシリンダヘッドとの密着性が不均一になるおそれがある。特に、アルミ製のシリンダブロックの場合は、この問題が顕著に現れやすい。
そして、シリンダヘッドとシリンダブロックとの密着性(正確には、シリンダヘッド及びシリンダブロックとカスケットとの密着性)が不均一になると、長期にわたって運転しているうちに、燃焼ガスの漏洩のような不具合が発生することが懸念される。
この点については、シリンダブロックの長手側部の肉厚を厚くすればよいと云えるが、かくすると、シリンダブロックの重量が増大して燃費が悪化するおそれがある。
本願発明このような現状を契機に成されたものであり、シリンダヘッドを均等に密着させ得るような強度を確保しつつ軽量化できるシリンダブロックを提供することを課題としている。
請求項1の発明は、
「シリンダボアがクランク軸心方向に並んで複数形成されていると共に、前記シリンダボアの群を囲うウォータジャケットが、ボア間部の外側において深さが深くなった谷状部となるように形成されており、
更に、前記ボア間部を挟んで前記ウォータジャケットよりも外側の部位に、ヘッドボルトがねじ込まれるヘッドボルト穴を形成しており、クランク軸心と平行な長手一側面のうち前記ヘッドボルト穴の外側の部位に、前記ヘッドボルト穴を囲うヘッドボルトボスが上下に長く形成されている」
という基本構成になっている。
そして、上記基本構成において、前記長手一側面のうち前記ヘッドボルト穴の下方に凹所を形成し、前記凹所を挟んだ両側に、前記ヘッドボルトボスに繋がった一対のリブを形成している。
請求項1の発明の好適な展開例として、請求項2では、前記クランク軸心と直交した側面視で、前記リブの上端が前記ウォータジャケットの最深部近傍と部分的に重なっている。
請求項3の発明は独立した概念であり、
「シリンダボアがクランク軸心方向に並んで複数形成されていると共に、前記シリンダボアの下方の部分は、クランクウエイトの回転を許容するため、クランク軸心と直交した方向に広がった膨出部になっており、
更に、ボア間部を挟んでクランク軸心と反対側に位置した部位に、ヘッドボルトがねじ込まれるヘッドボルト穴を形成しており、クランク軸心と平行な長手一側面のうち前記ヘッドボルト穴の外側の部位に、前記ヘッドボルト穴を囲う断面円弧状のヘッドボルトボスが上下に長く形成されている」
という基本構成になっている。
そして、前記長手一側面のうち前記膨出部の上端部に、クランク軸心に長く延びる主オイル通路を形成する油路用ボスが形成されており、前記ヘッドボルトボスと油路用ボスとがリブで連結されている。
請求項1において、ボア間部の外側に位置したヘッドボルトの引っ張り力は、外側に膨れたヘッドボルトボスを介して一対のリブに作用するが、一対のリブは谷状部の下方部に配置されているため、ヘッドボルトの締め込みによって一対のリブに作用した上向きの引っ張り力を、シリンダブロックのうち谷状部の外側の部分(ヘッドボルトボスをはさんで、クランク軸線方向に向いて前後両側の部分)に広く分散させることができる。
その結果、ヘッドボルトを所定のトルクでねじ込んでも、シリンダブロックをシリンダヘッドに均等に密着させることができる。また、ヘッドボルトボスの下方は空所になっているため、軽量化できると共に、ヘッドボルトの締め付け力が一対のリブを介して広い範囲に作用することを確実化できる(ヘッドボルトの締め込みによる引っ張り力を、リブに効率良く伝えることができる。)。
従って、請求項1では、シリンダブロックをできるだけ軽量化しつつ、燃焼ガスの漏洩のような不具合を防止して、内燃機関の信頼性を向上させることができる。
特に、実施形態のように、ヘッドボルトの下方だけでなく前後両側(クランク軸線を前後方向として前後両側)にも凹所を形成すると、シリンダブロックのうち谷状部の傾斜部の外側に位置した部分は下方を縁切りした状態でリブによって上向きに押される状態になることから、ボア間部の外側に位置したヘッドボルトの引っ張り力を、シリンダブロックのうちウォータジャケットにおける谷状部の外側に位置した部分の全体に対して広く作用させることができるため、シリンダヘッドとの密着性の均一化に一層貢献できる。
シリンダブロックの強度低下は、ウォータジャケットに谷状部が存在することによって発生するものであるが、請求項2の構成では、リブの上部が谷状部の外側に位置しているため、ヘッドボルトの締め付け力を谷状部の外側の壁部にダイレクトに作用させることができる。このため、ヘッドボルトの引っ張り力の分散機能を確実化して、シリンダブロックとシリンダヘッドとの密着性の向上に更に貢献できる。
請求項3において、油路用ボスは補強機能を有しているが、シリンダブロックの膨出部の上端部に形成されているため、特に頑丈な構造になっている。そして、請求項3では、ヘッドボルトボスと油路用ボスとがリブを介して繋がっているため、ヘッドボルトの締め付けに際しての引っ張り力を、油路用ボスに作用させることができる。
そして、油路用ボスはクランク軸心方向に長い形態であるため、ヘッドボルトの締め付けに際しての引っ張り力を、油路用ボスを介してシリンダブロックの膨出部に広く作用させることができる。従って、ボア間部の外側に位置したヘッドボルトを所定のトルクでねじ込んでも、応力集中を抑制して高い締結力を確保できる。その結果、シリンダブロックをできるだけ軽量化しつつ、シリンダヘッドとシリンダブロックとの密着性を高めて、内燃機関の信頼性を向上させることができる。
また、ヘッドボルトの締め付けによる引っ張り力が油路用ボスに広い範囲で作用するため、引っ張り力を分散させて、特定部位に応力が集中することを防止できる。その結果、シリンダブロックがひずみやすくなることを防止きる。この面でも、シリンダヘッドとシリンダブロックとの密着性を高めて、内燃機関の信頼性を向上させることができる。
実施形態に係るシリンダブロックの斜視図である。 シリンダブロックの平面図である(平行斜線は上面の形状を明示するための措置であり、断面の表示ではない。)。 (A)はシリンダブロックの側面図、(B)は(A)の要部拡大図である。 図2の IV-IV視箇所で切断した斜視図である。 図2のB−B視線で切断した斜視図である。 (A)は図1のA−A視断面図、(B)は図2のB−B視断面図である。 図3(B)の VII-VII視平断面図である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1,2に示すように、本実施形態は3気筒内燃機関のシリンダブロックに適用している。従って、上面及びクランク室に開口した3つのシリンダボア1が、クランク軸線方向に並んで形成されている。
本願発明では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、クランク軸線方向を前後方向として、クランク軸線と直交した幅方向を左右方向としている。念のため、図1に方向を明示している。シリンダブロックは、タイミングチェーンが配置される側(一端面)を前として定義している。3つのシリンダボア1は、便宜的に、前から順に、第1、第2の番号を付けて表示することがある。
シリンダブロックはアルミの鋳造品であり、このシリンダブロックには、シリンダボア1の群を囲う閉ループのウォータジャケット2が上向きに開口している。ウォータジャケット2は、ボア間部3に対応した箇所では、ボア間部3に向けて入り込んでおり、かつ、図5や図6(B)に示すように、ボア間部3の近傍部は谷状部4になっている。従って、谷状部4は、図6(B)に明示するように、谷底部4bに向けて傾斜した傾斜部4aを有している。また、谷状部4を除いた部位は、深さが変化しない等深部5になっている。
図6(B)に示すように、谷底部4bは平坦になっており、従って、谷状部4は逆台形状になっているが、側面視でボア間部3の中間部が最も深くなるように、全体としてV形に形成してもよい。その場合、谷底部4bを、丸みを持った鍋形に形成してもよい。
図1に示すように、シリンダブロックの長手一側面6でかつ一端面(前端面)7に寄った部位には、排気ターボ過給機の冷却水取り出し口8を設けている。他方、図2に示すように、ウォータジャケット2のうち、シリンダブロックの一端面7に寄った部位でかつ冷却水取り出し口8と反対側の部位に、ウォータポンプから圧送された冷却水をウォータジャケット2に送る流入口9を形成している。なお、冷却水は、シリンダブロックのウォータジャケット2からシリンダヘッドのウォータジャケットに流入する。
図1,4,5に部分的に表示するように、シリンダブロックの前後両壁部に、クランク軸を回転自在に保持するエンドジャーナル10が形成されている。そして、シリンダブロックのうちシリンダボア1の下方の部位は、クランクアームやカウンターウエイトの回転を許容するため、左右方向に膨れた膨出部(クランクケース)11になっている。図4に示すように、膨出部11の内部のうちボア間部3の下方には隔壁12が一体に形成されており、隔壁12に、カム軸を支持する中間ジャーナル(図示せず)が形成されている。
シリンダブロックの長手一側面(排気側)のうち膨出部11の上端部に、オイルが流れる主オイル通路(横長メインギャラリー)13が、クランク軸線方向に長く延びるように形成されている。そして、図1や図7に示すように、シリンダブロックの長手一側面6には、主オイル通路13を形成するための油路用ボス14が形成されている。
主オイル通路13は長手一側面6の全長に亙って形成されているが、油路用ボス14は、1番目のシリンダボア1と2番目のシリンダボア1とに対応した箇所に、部分的にしか形成されていない。これは、長手一側面6に多数の突起などが形成されているからであり、条件が許せば、油路用ボス14が長手一側面6の略全長にわたって延びるように形成することも可能である。
例えば図4に示すように、シリンダブロックのうち長手一側面6の側でかつ一端面7に寄った部位に、主オイル通路13からオイルをシリンダヘッドに送る縦長オイル通路15が形成されている。
(2).ヘッドボルト・リブ
図2のとおり、シリンダブロックには、シリンダヘッドを固定するヘッドボルト(図示せ)がねじ込まれるヘッドボルト穴16を形成している。ヘッドボルト穴16は、クランク軸心を挟んだ両側に4個ずつ形成されており、中間部の2個は、ウォータジャケット2を挟んでボア間部3の外側に形成されており、前後端の2個は、ウォータジャケット2の前後端部の近くに形成されている。左右の4個のヘッドボルト穴16は一直線状に並んでおり、また、前後に隣り合ったヘッドボルト穴16の間隔寸法は一定になっている。
図1〜3に示すように、ボア間部3の外側に位置したヘッドボルト穴16は、外側から円弧状のヘッドボルトボス17で囲われている。すなわち、外側に膨れた状態で上下に長い姿勢のヘッドボルトボス17の箇所にヘッドボルト穴16を形成している。なお、図4の IV-IV視断面図では、厳密には、ヘッドボルト穴16は現れないが、図4では、ヘッドボルト穴16も実線で表示している。ヘッドボルトボス17は平断面視で円弧状になっているが、台形状のような平断面形状も採用可能である。
図6ではヘッドボルト穴16を仮想線で表示しているが、この図から理解できるように、ヘッドボルト穴16及びヘッドボルトボス17は、ウォータジャケット2における谷状部4の谷底部4bと同じ程度の深さになっている。なお、ヘッドボルトはリーマボルトになっており、従って、ヘッドボルト穴16の内径は段付き状になっているが、一部は簡略して表示している。
ヘッドボルト穴16及びヘッドボルトボス17と油路用ボス14との間には、ある程度の間隔が上下方向に空いている。そして、図1,3,7等に示すように、ヘッドボルト穴16及びヘッドボルトボス17と油路用ボス14との間に側面視角形の凹所18を形成して、凹所18を挟んだ前後両側に、ヘッドボルトボス17と油路用ボス14とに繋がった前後一対のリブ(補強リブ)19a,19bを、側面視でハ字姿勢になるようにして形成している。
ヘッドボルトボス17の前後両側にも、凹所18b,18cが形成されている。凹所18a〜18cの内面は、ウォータジャケット2の内周と同じ程度の外径になっている。つまり、ウォータジャケット2の下方において、気筒の外周面が、凹所18a〜18cの箇所において露出している。これら凹所18a〜18cの存在により、軽量化されていると共に、熱ひずみの発生を防止している。
ヘッドボルトボス17の前後両側に位置した凹所18b,18cは、ヘッドボルトボス17の下方に位置した凹所18aよりも大きな面積になっている。また、手前の凹所18よりも、後ろの凹所18cの方が大きく形成されている。更に、前後両側の凹所18b,18cの底面には、上下長手の突条18eが形成されている。突条18eは、ウォータジャケット2のうち最も左右方向に広がった部分の下方に位置している。
前後の補強リブ19a,19bは前後対称形状にはなっておらず、手前側に位置したリブ19aは長さ(高さ)が短くなっている。これは、冷却水取り出し口8が形成されたボス体と緩衝するためである。冷却水取り出し口8が存在しない場合は、前後対称の形状・高さに形成してもよい。
また、図6(B)に明示するように、リブ19a,19bの上端部は、側面視でウォータジャケット2の谷状部4と部分的に重なっている。すなわち、リブ19a,19bの上端部は、ウォータジャケット2における谷状部4の外側に位置している。
(3).まとめ
さて、シリンダヘッドは8本のヘッドボルトでシリンダブロックに固定されているが、本実施形態のようなリブ19a ,19b等を設けていないと、第1シリンダボア1の前後両側において、シリンダヘッドとシリンダブロックとの密着性が低下する現象が見られた。これは、ウォータジャケット2のうちボア間部3の外側の部位は谷状部4になっていて、ヘッドボルトボス17の下端部を挟んだ左右両側が薄肉になっており、変形しやすいからである。
この点については、ヘッドボルトボス17の下方の部位を、ある程度の前後幅で厚肉に形成したらよいと云えるが、これでは、シリンダブロックに使用する金属材料の両が増大するため、コストが嵩んでしまう。
そこで、本実施形態では、ヘッドボルトボス17の下方に凹所18aを形成すると共に、凹所18aを挟んで前後両側の部位に、ヘッドボルトボス17と油路用ボス14とに繋がったリブ19a,19bを形成したものであり、このように構成する、ヘッドボルトのねじ込みによってヘッドボルトボス17に作用した引っ張り力は、前後のリブ19a,19bを介して、ヘッドボルトボス17の前後両側の範囲に広く作用するため、ヘッドボルトによる引っ張り力を、図5及び図6(B)にXで示す前後両側の広い範囲に分散して作用させて、シリンダヘッドとの密着性を向上できる。
つまり、シリンダブロックはリブ19a,19bの箇所で上下方向の曲げ力と剪断力とが格段に向上しているが、ヘッドボルトボス17とリブ19a,19bとが繋がっているため、ヘッドボルトの引っ張り力がリブ19a,19bを介してヘッドボルトボス17の前後両側の広い範囲に作用するのであり、このため、シリンダブロックがヘッドボルトボス17の前後両側に変形することを大きく抑制して、シリンダブロックとシリンダヘッドとの密着性を向上できるのである。
更に、本実施形態では、ヘッドボルトボス17の前後両側にも凹所18b,18cが形成されているため、例えば図6(B)に示すように、谷状部4の傾斜部4aと前後の凹所18b,18cとの間に傾斜壁部20a,20bが形成されており、前後の傾斜壁部20a,20bは逆ハ字の姿勢を成しているが、傾斜壁部20a,20bとリブ19a,19bとが半径方向(厚さ厚さ方向に)に部分的に重なっているため、リブ19a,19bに作用した上向きの引っ張り力によって傾斜壁部20a,20bが上向きに押し上げられるような状態になる。
その結果、ヘッドボルトの引っ張り力を、谷状部4の外側全体の部分に広く作用させることができて、シリンダブロックとシリンダヘッドとの密着性の向上に一層貢献できる。さて、凹所18a〜18cは軽量化とひずみの防止との役割を持っているが、本実施形態では、凹所18a〜18cを利用して、ヘッドボルトの引っ張り力を、谷状部4の外側の部分が全体的に上向きに引き上げることに有効利用しているといえる。
本願発明では、リブ19a,19bは油路用ボス14に繋がっているが、リブ19a,19bが凹所18の両側にあって引っ張り力が前後に分かれて作用することと、油路用ボス14が前後長手に形成されていて、リブ19a,19bによる引っ張り力が油路用ボス14に分散して作用することとにより、ヘッドボルトの締め付けにより、いわば、谷状部4の外側の部位が、油路用ボス14で全体的に持ち上げられるような状態になる。
従って、谷状部4の外側の部分の肉が上下方向に伸び変形することを防止して、ヘッドボルトを所定のトルクで締め付けつつ、シリンダヘッドをシリンダブロックに均等に密着させる機能が向上する。また、凹所18が存在するため、ヘッドボルトの締め付けによる引っ張り力は前後に分離して油路用ボス14に作用するため、油路用ボス14の広い範囲に引っ張り力を作用させることを確実化できる。
本実施形態では、リブ19a,19bは第1シリンダボア1と第2シリンダボア1との間のボア間部3の一方の外側のみに形成したが、他のボア間部3の外側に形成してもよい。
本願発明は、内燃機関のシリンダブロックに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダボア
2 ウォータジャケット
3 ボア間部
4 ウォータジャケットの谷状部
5 ウォータジャケットの等深部
6 長手一側面(排気側面)
7 一端面(前面)
11 膨出部
13 主オイル通路(横長メインギャラリー)
14 油路用ボス
16 ヘッドボルト穴
17 ヘッドボルトボス
18a〜18c 空所
19a,19b リブ

Claims (3)

  1. シリンダボアがクランク軸心方向に並んで複数形成されていると共に、前記シリンダボアの群を囲うウォータジャケットが、ボア間部の外側において深さが深くなった谷状部となるように形成されており、
    更に、前記ボア間部を挟んで前記ウォータジャケットよりも外側の部位に、ヘッドボルトがねじ込まれるヘッドボルト穴を形成しており、クランク軸心と平行な長手一側面のうち前記ヘッドボルト穴の外側の部位に、前記ヘッドボルト穴を囲うヘッドボルトボスが上下に長く形成されている構成であって、
    前記長手一側面のうち前記ヘッドボルト穴の下方に凹所を形成し、前記凹所を挟んだ両側に、前記ヘッドボルトボスに繋がった一対のリブを形成している、
    内燃機関のシリンダブロック。
  2. 前記クランク軸心と直交した側面視で、前記リブの上端が前記ウォータジャケットの谷状部と部分的に重なっている、
    請求項1に記載した内燃機関のシリンダブロック。
  3. シリンダボアがクランク軸心方向に並んで複数形成されていると共に、前記シリンダボアの下方の部分は、クランクウエイトの回転を許容するため、クランク軸心と直交した方向に広がった膨出部になっており、
    更に、ボア間部を挟んでクランク軸心と反対側に位置した部位に、ヘッドボルトがねじ込まれるヘッドボルト穴を形成しており、クランク軸心と平行な長手一側面のうち前記ヘッドボルト穴の外側の部位に、前記ヘッドボルト穴を囲う断面円弧状のヘッドボルトボスが上下に長く形成されている構成であって、
    前記長手一側面のうち前記膨出部の上端部に、クランク軸心に長く延びる主オイル通路を形成する油路用ボスが形成されており、前記ヘッドボルトボスと油路用ボスとがリブで連結されている、
    内燃機関のシリンダブロック。
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