JP2019137648A - 睫用化粧料 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、若しくはアクリル酸の少なくとも一種と、ウレタンアクリレートとをモノマー単位とする共重合体を含む皮膜形成剤を含有する睫毛用化粧料が、睫への粘着性があり、睫を上向きにカールさせ、目元を際立たせる化粧効果に優れることが記載されている。特許文献2には、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、カーボンブラック、多価アルコール、及び、水溶性皮膜形成剤を含有する水中油型睫用化粧料が、目元を印象付けるツヤや黒さ、クレンジング性、保存安定性に優れることが記載されている。
(A)ヒドロキシモノカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸、芳香族スルホン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上、
(B)被膜形成剤 0.1〜50質量%、
(C)25℃で固形のワックス 0.1〜40質量%、
(D)非イオン界面活性剤 0.1〜20質量%
を含有する睫用化粧料に関する。
また、本発明は、睫カール器を用いて睫全体をカールさせた後、当該睫用化粧料を睫に塗布する、睫のカール形状を持続させる方法に関する。
ヒドロキシモノカルボン酸としては、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシアクリル酸、オキシ酪酸、グリセリン酸等が挙げられ、なかでも乳酸が好ましい。ヒドロキシジカルボン酸としては、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられ、なかでもリンゴ酸が好ましい。
芳香族スルホン酸としては、芳香環を1つ以上含む2−ナフタレンスルホン酸、オキシベンゾンスルホン酸、グアイアズレンスルホン酸等が挙げられ、2−ナフタレンスルホン酸が好ましい。
成分(A)は、これらの塩であっても良く、対イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
成分(A)として、ヒドロキシモノカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸を用いる場合の含有量は、酸として、全組成中に0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、50質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
成分(A)として、芳香族スルホン酸を用いる場合の含有量は、酸として、全組成中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
ワックスは、融点が60〜110℃のものが好ましく、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス等を用いることができる。
具体的には、コメヌカロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、水添ホホバ油等が挙げられる。これらのうち、睫のボリューム感を維持しつつ、睫表面に均一に付着させる点から、少なくともパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスを1種又は2種以上含むものが好ましい。
非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトールの脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性シリコーン、モノ脂肪酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらのうち、乳化安定性に優れ、睫への付着性に優れる点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノ脂肪酸ポリエチレングリコールを1種又は2種以上含むのが好ましい。
なお、HLB(親水性−親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、次のようにして求められる。混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの重量(g)を示す。
グリコールとしては、通常の化粧料に用いられるもので、分子量が62〜1800のものが好ましく、例えば、エチレングリコール(分子量62)、プロピレングリコール(分子量76)、ブチレングリコール(分子量90)、ジエチレングリコール(分子量106)、ジプロピレングリコール(分子量134)、分子量192〜1800のポリプロピレングリコール(重合度3〜30量体)等が挙げられる。
これらのうち、ヒドロキシモノカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸及び芳香族スルホン酸の睫内部への浸透を高める点から、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
W/O型乳化化粧料の場合は、pH2〜7が好ましく、pH3〜6がより好ましい。また、O/W型乳化化粧料の場合は、pH6〜9が好ましく、pH7〜9がより好ましい。
本発明において、pHは、睫用化粧料の水相を20質量倍の水で希釈した際のpH(25℃)により測定される。
pH調整剤としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルカノールアミン;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などの塩基:塩酸、リン酸等の無機酸、成分(A)以外の有機酸などの酸を使用することができる。
このようなpH調整剤を用いて、水相のpHを上記の範囲に調整するのが好ましい。
本発明の睫用化粧料は、睫用美容液、マスカラ下地、マスカラ等として適用することができる。
いずれの場合にも、本発明の睫用化粧料は、マスカラに通常用いられる繊維を針金でねじったブラシや、コーム形状、コイル形状等の塗布具、樹脂を用いてブラシ形状に成形した樹脂成形ブラシなどの塗布具を用いて睫に塗布することができる。
また、睫カール器とは、弓状に形成された固定アーチと、ハンドル部の開閉に応じて前記固定アーチに対して進退動する弓状の可動アーチと、当該可動アーチに固定された弾性体を備え、当該固定アーチ及び弾性体で睫を挟持してカールさせるものである。
表1に示す組成の油中水型マスカラを製造し、上睫のカール効果、5時間後のカール持続、クレンジング後のカール持続及び翌朝のカール持続を評価した。結果を表1に併せて示す。
表1に示す組成の成分(A)、(E)、(F)、水相成分を80℃で均一混合し、水相とする。次に、成分(B)、(C)、(D)、その他成分を105℃にて均一に混合し、70℃まで撹拌冷却する。これに、水相を添加し、室温まで撹拌冷却する。これを脱気することにより、油中水型マスカラを製造した。
(1)上睫のカール効果:
専門評価者5名が、睫カール器を用いて睫全体をカールさせた直後、油中水型マスカラを上睫に塗布し、その直後の状態を目視観察し、上睫の上向き度合いを評価した。結果を5名の積算値で示す。
5:上睫がかなり上向きになっている。
4:上睫が上向きになっている。
3:上睫がやや上向きになっている。
2:上睫があまり上向きにならない。
1:上睫が上向きにならない。
専門評価者5名が、睫カール器を用いて睫全体をカールさせた直後、油中水型マスカラを上睫に塗布し、5時間経過後の状態を目視観察し、上睫の上向き度合いを評価した。結果を5名の積算値で示す。
5:上睫がかなり上向きになっている。
4:上睫が上向きになっている。
3:上睫がやや上向きになっている。
2:上睫があまり上向きにならない。
1:上睫が上向きにならない。
専門評価者5名が、睫カール器を用いて睫全体をカールさせた直後、油中水型マスカラを上睫に塗布し、5時間経過後、メイク落としで睫を洗浄し、乾燥した状態を目視観察し、上睫の上向き度合いを評価した。結果を5名の積算値で示す。
5:上睫がかなり上向きになっている。
4:上睫が上向きになっている。
3:上睫がやや上向きになっている。
2:上睫があまり上向きにならない。
1:上睫が上向きにならない。
専門評価者5名が、睫カール器を用いて睫全体をカールさせた直後、油中水型マスカラを上睫に塗布し、5時間経過後、メイク落としで睫を洗浄し、乾燥、就寝し、翌朝鏡を見た時の状態を目視観察し、上睫の上向き度合いを評価した。結果を5名の積算値で示す。
5:上睫がかなり上向きになっている。
4:上睫が上向きになっている。
3:上睫がやや上向きになっている。
2:上睫があまり上向きにならない。
1:上睫が上向きにならない。
表2に示す組成の水中油型マスカラを製造し、実施例1〜13と同様にして、上睫のカール効果、5時間後のカール持続、クレンジング後のカール持続及び翌朝のカール持続を評価した。結果を表2に併せて示す。
表2に示す組成の油相成分、成分(C)を95℃で攪拌溶融し、油相とする。次に、あらかじめ85℃にて均一混合させた水相成分、成分(D)及び(F)中に、この油相を添加し、室温まで攪拌冷却して、ワックス分散物を製造する。さらに、成分(A)、(B)、(E)、その他成分、ワックス分散物を室温で均一に混合し、脱気することにより、水中油型マスカラを製造した。
実施例1〜13と同様にして、表3に示す組成の油中水型マスカラを製造した。
得られた油中水型マスカラは、上睫のカール効果に優れ、クレンジング後や、翌朝においても、そのカール効果が持続するものである。
Claims (8)
- 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)モノヒドロキシカルボン酸、ジヒドロキシカルボン酸、芳香族スルホン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上、
(B)被膜形成剤 0.1〜50質量%、
(C)25℃で固形のワックス 0.1〜40質量%、
(D)非イオン界面活性剤 0.1〜20質量%
を含有する睫用化粧料。 - 成分(A)の含有量が、酸として0.05〜50質量%である請求項1記載の睫用化粧料。
- 成分(A)に対する成分(B)の質量割合(B)/(A)が、5〜500である請求項1又は2記載の睫用化粧料。
- 成分(A)に対する成分(B)及び(C)の合計含有量の質量割合((B)+(C))/(A)が、6〜1500である請求項1〜3のいずれか1項記載の睫用化粧料。
- さらに、(E)グリコールを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の睫用化粧料。
- 成分(E)の含有量が、0.01〜20質量%である請求項5記載の睫用化粧料。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の睫用化粧料を睫に塗布した後、睫カール器を用いて睫全体をカールさせる、睫のカール形状を持続させる方法。
- 睫カール器を用いて睫全体をカールさせた後、請求項1〜6のいずれか1項記載の睫用化粧料を睫に塗布する、睫のカール形状を持続させる方法。
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