JP2019137092A - 車両安定制御装置 - Google Patents

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良知 渡部
Yoshitomo Watabe
良知 渡部
司朗 門崎
Shiro Kadosaki
司朗 門崎
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Abstract

【課題】タイヤ種類と路面状態を考慮して、車両安定制御を適切に実施することができる技術を提供する。【解決手段】車両安定制御装置は、タイヤ係数算出部と、タイヤ種類判断部と、路面状態判断部と、車両安定制御部とを備える。タイヤ係数算出部は、車両に装着されているタイヤのスリップ比に対する車両加速度の比率を算出し、当該比率の平均値をタイヤ係数として算出する。タイヤ種類判定部は、長期間のタイヤ係数の状況に基づいて、タイヤ種類を判断する。路面状態判断部は、短期間のタイヤ係数の変動に基づいて、路面状態を判断する。タイヤ種類がスタッドレスタイヤであり、且つ、路面状態が低μ状態である期間、車両安定制御部は、路面状態が高μ状態である期間よりも、車両安定制御の作動閾値を低下させる。【選択図】図3

Description

本発明は、車両安定制御を行う車両安定制御装置に関する。
車両の挙動を安定化させる車両安定制御が知られている。車両安定制御としては、VSC(Vehicle Stability Control)やトラクションコントロール(TRC: TRaction Control)が挙げられる。車両安定制御では、車両の挙動を安定化させるために、各車輪の制動力及び/あるいは駆動力が適切に制御される。
特許文献1は、車両のタイヤの種類を走行中に推定するタイヤ種類認識装置を開示している。タイヤ種類認識装置は、車輪の回転速度の変動を抽出し、抽出した回転速度の変動から回転速度変動パターンを抽出する。そして、タイヤ種類認識装置は、抽出した回転速度変動パターンを所定の基準パターンと比較して、タイヤの種類を推定する。更に、タイヤ種類認識装置は、タイヤの種類に基づいて、車両制御パラメータを変更する。
特開2015−101124号公報
上記の特許文献1に開示されている技術によれば、タイヤ種類に基づいて車両制御パラメータが変更される。しかしながら、タイヤ種類だけを考慮する場合、路面状態によっては車両安定制御が適切に実施されないおそれがある。
本発明の1つの目的は、タイヤ種類と路面状態を考慮して、車両安定制御を適切に実施することができる技術を提供することにある。
本発明の1つの観点において、車両に搭載される車両安定制御装置が提供される。
前記車両安定制御装置は、
前記車両に装着されているタイヤのスリップ比に対する車両加速度の比率を算出し、前記比率の平均値をタイヤ係数として算出するタイヤ係数算出部と、
前記タイヤの種類を判断するタイヤ種類判断部と、
路面状態が低μ状態か高μ状態かを判断する路面状態判断部と、
前記車両の挙動を安定化させる車両安定制御を行う車両安定制御部と
を備える。
前記タイヤ係数算出部は、第1期間における前記比率の平均値を第1タイヤ係数として繰り返し算出し、また、前記第1期間よりも短い第2期間における前記比率の平均値を第2タイヤ係数として繰り返し算出する。
前記第1タイヤ係数の最新値が基準タイヤ係数よりも減少し、且つ、減少量が第1閾値を超えている場合、前記タイヤ種類判断部は、前記タイヤの種類がスタッドレスタイヤに変化したと判断し、また、前記基準タイヤ係数を前記最新値に更新する。
前記第1タイヤ係数の最新値が前記基準タイヤ係数よりも増加し、且つ、増加量が第2閾値を超えている場合、前記タイヤ種類判断部は、前記タイヤの種類がサマータイヤに変化したと判断し、また、前記基準タイヤ係数を前記最新値に更新する。
前記第2タイヤ係数が前記基準タイヤ係数よりも減少し、且つ、減少量が第3閾値を超えている場合、前記路面状態判断部は、前記路面状態が前記低μ状態であると判断する。
前記タイヤの種類が前記スタッドレスタイヤであり、且つ、前記路面状態が前記低μ状態である期間、前記車両安定制御部は、前記路面状態が前記高μ状態である期間よりも、前記車両安定制御の作動閾値を低下させる。
本発明によれば、タイヤ種類がスタッドレスタイヤであり、且つ、路面状態が低μ状態である期間、車両安定制御装置は、路面状態が高μ状態である期間よりも、車両安定制御の作動閾値を低下させる。車両がスタッドレスタイヤを装着して“低μ路”を走行中の場合、作動閾値を下げることによって、車両安定制御を効果的に活用することができる。一方、車両がスタッドレスタイヤを装着して“高μ路”を走行中の場合、作動閾値は高いままであるため、車両安定制御の不必要な早期作動を防止することが可能となる。このように、タイヤ種類と路面状態の両方を考慮することによって、車両安定制御を適切に実施することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る車両を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係る車両安定制御装置の構成例を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る車両安定制御装置の制御装置の機能構成を示すブロック図である。 タイヤ特性を説明するための概念図である。 タイヤ係数のタイヤ種類に対する依存性を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係るタイヤ種類判断処理を説明するためのタイミングチャートである。 タイヤ係数の路面状態に対する依存性を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る路面状態判断処理を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態に係る車両安定制御装置による処理の第1の例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る車両安定制御装置による処理の第1の例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る車両安定制御装置による処理の第2の例を示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
1.概要
図1は、本実施の形態に係る車両1を示す概念図である。車両1には、タイヤ10が装着されている。タイヤ10は、フロント側のフロントタイヤ10Fとリア側のリアタイヤ10Rを含んでいる。更に、車両1には、車両安定制御装置20が搭載されている。車両安定制御装置20は、車両の挙動を安定化させる「車両安定制御」を行う。車両安定制御としては、VSC(Vehicle Stability Control)やトラクションコントロール(TRC: TRaction Control)が挙げられる。
車両安定制御装置20は、更に、装着されているタイヤ10の種類(以下、「タイヤ種類」と呼ばれる)を判断する機能を備えている。タイヤ種類としては、サマータイヤ及びスタッドレスタイヤが挙げられる。車両安定制御装置20は、タイヤ種類に応じて、車両安定制御の作動閾値を可変に設定する。作動閾値を低下させることによって、車両安定制御をより作動させやすくなる。
但し、タイヤ種類だけを考慮していては、路面状態によっては車両安定制御が適切に実施されないおそれがある。例えば、車両1がスタッドレスタイヤを装着して“低μ路”を走行中の場合は、作動閾値を下げることによって、車両安定制御を効果的に活用することができる。しかしながら、車両1がスタッドレスタイヤを装着して“高μ路”を走行中の場合にも作動閾値を下げると、車両安定制御が不必要に早く作動するおそれがあり、好ましくない。このように、路面状態を考慮せずにタイヤ種類だけに応じて作動閾値を一律に変えると、車両安定制御が適切に実施されないおそれがある。
そこで、本実施の形態に係る車両安定制御装置20は、タイヤ種類を判断する機能に加えて、路面状態を判断する機能も更に備える。そして、車両安定制御装置20は、タイヤ種類と路面状態の両方を考慮して、車両安定制御の作動閾値を可変に設定する。特に、タイヤ種類がスタッドレスタイヤであり、且つ、路面状態が低μ状態である期間、車両安定制御装置20は、路面状態が高μ状態である期間よりも、車両安定制御の作動閾値を低下させる。
車両1がスタッドレスタイヤを装着して“低μ路”を走行中の場合、作動閾値を下げることによって、車両安定制御を効果的に活用することができる。一方、車両1がスタッドレスタイヤを装着して“高μ路”を走行中の場合、作動閾値は高いままであるため、車両安定制御の不必要な早期作動を防止することが可能となる。このように、本実施の形態によれば、タイヤ種類と路面状態の両方を考慮することによって、車両安定制御を適切に実施することが可能となる。
以下、本実施の形態に係る車両安定制御装置20について更に詳しく説明する。
2.車両安定制御装置の構成例
図2は、本実施の形態に係る車両安定制御装置20の構成例を概略的に示すブロック図である。車両安定制御装置20は、車両1に搭載され、車両安定制御を行う。車両安定制御装置20は、センサ群30、駆動装置40、制動装置50、及び制御装置100を備えている。
センサ群30は、車両1の走行状態を検出する。例えば、センサ群30は、車輪速センサ31、車速センサ32、舵角センサ33、ヨーレートセンサ34、及び横Gセンサ35を含んでいる。車輪速センサ31は、各車輪に設けられており、各車輪の車輪速Vwを検出する。車速センサ32は、車速Vを検出する。舵角センサ33は、舵角を検出する。ヨーレートセンサ34は、実ヨーレートを検出する。横Gセンサ35は、横加速度を検出する。センサ群30は、検出情報を制御装置100に送る。
駆動装置40は、各タイヤ10(車輪)に駆動力を印加する。駆動装置40としては、エンジン、電動機、インホイールモータ等が例示される。
制動装置50は、各タイヤ10に制動力を印加する。制動装置50は、ブレーキアクチュエータを含んでおり、タイヤ10毎に制動力を個別に制御可能である。
制御装置100は、車両1の走行を制御する。典型的には、制御装置100は、プロセッサ及び記憶装置を備えるマイクロコンピュータである。制御装置100は、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。記憶装置には、制御プログラムが格納される。プロセッサが記憶装置に格納された制御プログラムを実行することにより、制御装置100による各種処理が実現される。以下、制御装置100による処理について詳しく説明する。
3.制御装置の機能構成
図3は、本形態に係る車両安定制御装置20の制御装置100の機能構成を示すブロック図である。制御装置100は、機能ブロックとして、タイヤ係数算出部110、タイヤ種類判断部120、路面状態判断部130、及び車両安定制御部140を備えている。以下、各機能ブロックによる処理について詳しく説明する。
3−1.タイヤ係数算出部
図4は、タイヤ特性を説明するための概念図である。横軸は、あるタイヤ10のスリップ比Sを表し、縦軸は、車両1の加速度である車両加速度Aを表している。スリップ比Sがさほど高くない領域においては、車両加速度Aは、スリップ比Sにほぼ比例する。そのようなスリップ比Sと車両加速度Aとの関係は、直線で表される。その直線の横軸(スリップ比Sの軸)に対する傾きは、以下「タイヤ係数K」と呼ばれる。
タイヤ係数算出部110は、車両1の走行中、タイヤ係数Kを繰り返し算出する「タイヤ係数算出処理」を行う。具体的には、タイヤ係数算出部110は、スリップ比Sに対する車両加速度Aの比率(A/S)を繰り返し算出し、所定期間における比率の平均値をタイヤ係数Kとして算出する。スリップ比Sは、車輪速Vwと車速Vから算出される。車両加速度Aは、車速Vから算出される。車輪速Vwは、車輪速センサ31によって検出される。車速Vは、車速センサ32によって検出される、あるいは、各車輪の車輪速Vwから算出される。あるいは、車速Vは、GPS(Global Positioning System)等によって得られる車両1の位置情報から算出されてもよい。
3−2.タイヤ種類判断部
タイヤ種類判断部120は、タイヤ種類を判断する「タイヤ種類判断処理」を行う。このタイヤ種類判断処理では、上記のタイヤ係数Kが利用される。タイヤ種類の判断に利用されるタイヤ係数Kは、以下「第1タイヤ係数K1」と呼ばれる。タイヤ係数算出部110は、比較的長い第1期間P1における比率(A/S)の平均値を、第1タイヤ係数K1として繰り返し算出する。
図5は、第1タイヤ係数K1のタイヤ種類に対する依存性を示している。図5に示されるように、サマータイヤの第1タイヤ係数K1は比較的大きく、スタッドレスタイヤの第1タイヤ係数K1は比較的小さい。つまり、サマータイヤの第1タイヤ係数K1は、スタッドレスタイヤの第1タイヤ係数K1よりも大きい。
タイヤ10が交換された場合、第1タイヤ係数K1は大きく変化する。例えば、タイヤ種類がサマータイヤからスタッドレスタイヤに変わった場合、第1タイヤ係数K1は大きく減少する。従って、第1タイヤ係数K1が大きく減少した場合、タイヤ種類がスタッドレスタイヤに変化したと判断することができる。逆に、第1タイヤ係数K1が大きく増加した場合、タイヤ種類がサマータイヤに変化したと判断することができる。それ以外の場合、タイヤ種類は変化しておらず、既知のままであると判断することができる。
タイヤ種類判断部120は、上記の観点に基づいてタイヤ種類を判断する。第1タイヤ係数K1の増減を判断するためには、第1タイヤ係数K1の最新値と比較される対象が必要である。その比較対象は、以下「基準タイヤ係数KM」と呼ばれる。例えば、基準タイヤ係数KMは、第1タイヤ係数K1の前回値である。タイヤ種類判断部120は、第1タイヤ係数K1の最新値と基準タイヤ係数KMとの差分ΔK1(=KM−K1)を、閾値と比較する。
差分ΔK1が閾値“Kth1”を超えている場合、第1タイヤ係数K1の最新値が基準タイヤ係数KMよりも減少しており、且つ、その減少量が閾値Kth1(第1閾値)を超えている。すなわち、第1タイヤ係数K1の最新値が大きく減少している。この場合、タイヤ種類判断部120は、タイヤ種類がサマータイヤからスタッドレスタイヤに変わったと判断する。そして、タイヤ種類判断部120は、基準タイヤ係数KMを第1タイヤ係数K1の最新値に更新する。
差分ΔK1が閾値“−Kth1”を下回っている場合、第1タイヤ係数K1の最新値が基準タイヤ係数KMよりも増加しており、且つ、その増加量が閾値Kth1(第2閾値)を超えている。すなわち、第1タイヤ係数K1の最新値が大きく増加している。この場合、タイヤ種類判断部120は、タイヤ種類がスタッドレスタイヤからサマータイヤに変わったと判断する。そして、タイヤ種類判断部120は、基準タイヤ係数KMを第1タイヤ係数K1の最新値に更新する。
このように、基準タイヤ係数KMからの第1タイヤ係数K1の相対変化をチェックすることによって、タイヤ10毎のバラツキ及びタイヤ摩耗の影響を受けることなく、タイヤ種類を精度良く判断することが可能となる。
図6は、本実施の形態に係るタイヤ種類判断処理を説明するためのタイミングチャートである。図6には、第1タイヤ係数K1、基準タイヤ係数KM、及びタイヤ種類TYのそれぞれの変遷が示されている。
第1タイヤ係数K1は、第1期間P1毎に算出される。KM(SM)は、サマータイヤの場合の第1タイヤ係数K1の代表値を表す。KM(ST)は、スタッドレスタイヤの場合の第1タイヤ係数K1の代表値を表し、KM(SM)よりも十分に小さい。ここでは、簡単のため、第1タイヤ係数K1は、KM(SM)あるいはKM(ST)の値を取るとする。
最初、タイヤ種類TYは「SM(サマータイヤ)」であり、基準タイヤ係数KMはKM(SM)である。時刻t1、t2において、第1タイヤ係数K1はKM(SM)である。時刻t2と時刻t3の間で、タイヤ10がスタッドレスタイヤに交換される。時刻t3において、第1タイヤ係数K1はKM(ST)となる。差分ΔK1が閾値Kth1を超えるため、タイヤ種類TYは「ST(スタッドレスタイヤ)」に変更される。また、基準タイヤ係数KMはKM(ST)に更新される。
時刻t11、t12において、第1タイヤ係数K1はKM(ST)である。時刻t12と時刻t13の間で、タイヤ10がサマータイヤに交換される。時刻t13において、第1タイヤ係数K1はKM(SM)となる。差分ΔK1が閾値−Kth1を下回るため、タイヤ種類TYは「SM」に変更される。また、基準タイヤ係数KMはKM(SM)に更新される。
3−3.路面状態判断部
図7に示されるように、タイヤ係数Kは、タイヤ種類だけでなく路面状態にも依存して変動する。具体的には、低μ状態の場合のタイヤ係数Kは、高μ状態の場合のタイヤ係数Kよりも小さい。従って、タイヤ係数Kを利用することによって、路面状態が低μ状態となったか否かを判断することもできる。
ここで、路面状態の変動のタイムスケールは、タイヤ10の交換のタイムスケールよりもはるかに短いことに留意されたい。従って、路面状態の判断においては、上記の第1タイヤ係数K1よりもはるかに短期間における「第2タイヤ係数K2」が利用される。すなわち、長期間の第1タイヤ係数K1を利用することによって定常的なタイヤ種類が判断され、短期間の第2タイヤ係数K2を利用することによって過渡的な路面状態が判断される。タイムスケールの異なる2種類のタイヤ係数Kを利用することによって、タイヤ種類と路面状態とを切り分けて判断することができる。
タイヤ係数算出部110は、第1期間P1よりもはるかに短い第2期間P2における比率(A/S)の平均値を、第2タイヤ係数K2として繰り返し算出する。路面状態判断部130は、第2タイヤ係数K2に基づいて、路面状態が低μ状態であるか否かを判断する「路面状態判断処理」を行う。
路面状態判断処理において、路面状態判断部130は、第2タイヤ係数K2を上記の基準タイヤ係数KM(長期間のタイヤ係数K)と比較することによって、第2タイヤ係数K2の短期間の変動を検知する。具体的には、路面状態判断部130は、第2タイヤ係数K2と基準タイヤ係数KMとの差分ΔK2(=KM−K2)を、閾値Kth2と比較する。差分ΔK2が閾値Kth2を超えている場合、第2タイヤ係数K2が基準タイヤ係数KMよりも減少しており、且つ、その減少量が閾値Kth2(第3閾値)を超えている。すなわち、第2タイヤ係数K2が大きく減少している。この場合、路面状態判断部130は、路面状態が低μ状態であると判断する。
図8は、本実施の形態に係る路面状態判断処理を説明するためのタイミングチャートである。図8には、第2タイヤ係数K2及び路面状態RSのそれぞれの変遷が示されている。第2タイヤ係数K2は第2期間P2毎に算出される。最初、路面状態RSは「H(高μ状態)」である。時刻t21において、差分ΔK2が閾値Kth2を超え、路面状態RSが「H」から「L(低μ状態)」に変更される。その後、時刻t22において、差分ΔK2が閾値Kth2以下となり、路面状態RSが「L」から「H」に変更される。
3−4.車両安定制御部
車両安定制御部140は、車両の挙動を安定化させる車両安定制御を行う。車両安定制御としては、VSCやTRCが挙げられる。
例えば、VSCは、車両1の旋回時に、横滑りやスピンを抑えて、車両挙動を安定化させる機能である。より詳細には、車両安定制御部140は、車速Vと舵角に応じた目標ヨーレートを算出する。車速Vは、車速センサ32により検出される。あるいは、車速Vは、車輪速センサ31により検出される各車輪の車輪速Vwから算出されてもよい。舵角は、舵角センサ33により検出される。そして、車両安定制御部140は、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差であるヨーレート偏差を算出する。実ヨーレートは、ヨーレートセンサ34によって検出される。
車両安定制御部140は、ヨーレート偏差に基づいて、アンダーステア傾向あるいはオーバーステア傾向を検出する。例えば、実ヨーレートが目標ヨーレートよりも低い場合、それはアンダーステア傾向を表す。アンダーステア度あるいはオーバーステア度が一定レベル(作動閾値)を超えた場合、車両安定制御部140は、VSCを作動させる。VSCにおいて、車両安定制御部140は、各車輪の制動力と駆動力の少なくとも一方を制御して、車両挙動を安定化させる。制動力の制御は、制動装置50を通して行われる。駆動力の制御は、駆動装置40を通して行われる。
本実施の形態によれば、車両安定制御部140は、タイヤ種類と路面状態の両方を考慮して、車両安定制御の作動閾値を可変に設定する。特に、「タイヤ種類TY=ST(スタッドレスタイヤ)、且つ、路面状態RS=L(低μ状態)」という条件が成立する期間、車両安定制御部140は、その他の期間よりも、車両安定制御の作動閾値を低下させる。
3−5.効果
車両1がスタッドレスタイヤを装着して“低μ路”を走行中の場合、作動閾値を下げることによって、車両安定制御を効果的に活用することができる。一方、車両1がスタッドレスタイヤを装着して“高μ路”を走行中の場合、作動閾値は高いままであるため、車両安定制御の不必要な早期作動を防止することが可能となる。このように、本実施の形態によれば、タイヤ種類と路面状態の両方を考慮することによって、車両安定制御を適切に実施することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、タイヤ係数Kを利用して、タイヤ種類判断処理と路面状態判断処理の両方を実行することができる。具体的には、長期間の第1タイヤ係数K1を利用することによって定常的なタイヤ種類が判断され、短期間の第2タイヤ係数K2を利用することによって過渡的な路面状態が判断される。タイムスケールの異なる2種類のタイヤ係数Kを利用することによって、タイヤ種類と路面状態とを切り分けて判断することができる。タイヤ種類判断処理と路面状態判断処理のそれぞれのために異なるセンサを設ける必要はない。
4.処理フロー例
4−1.第1の例
図9及び図10は、本実施の形態に係る車両安定制御装置20の制御装置100による処理の第1の例を示すフローチャートである。図9及び図10に示されるフローは、一定サイクル毎に繰り返し実行される。基準タイヤ係数KMの初期値は、KM(SM)あるいはKM(ST)に設定される。
第1の例では、車両1が2輪駆動、特に前輪駆動の場合を説明する。この場合、駆動輪は前輪(フロントタイヤ10F)であり、従動輪は後輪(リアタイヤ10R)である。後輪速度は、車速Vと等価なものとして扱われる。
ステップS100において、制御装置100(タイヤ係数算出部110)は、車両加速度Aを取得する。車両加速度Aは、車速Vから算出される。また、制御装置100は、フロントタイヤ10Fのスリップ比Sであるフロントスリップ比Sfを算出する。2輪駆動の場合、フロントスリップ比Sfは、平均前輪速度Vwfと平均後輪速度Vwrに基づく次の式(1)によって精度良く算出される。車輪速Vwは、車輪速センサ31によって検出される。
式(1):Sf=(Vwf−Vwr)/Vwr
続くステップS110において、制御装置100は、フロントスリップ比Sfが算出許容範囲内にあるか否か判定する。算出許容範囲は、車両加速度Aとスリップ比Sとの間に比例関係がある範囲であり、下限値S1と上限値S2との間の範囲として定義される。フロントスリップ比Sfが算出許容範囲内にある場合(ステップS110;Yes)、処理はステップS111に進む。それ以外の場合(ステップS110;No)、処理はステップS112に進む。
ステップS111において、制御装置100は、第1カウンタT1及び第2カウンタT2をインクリメントし、また、第3カウンタT3を0にリセットする。尚、第1カウンタT1、第2カウンタT2、及び第3カウンタT3の各々の初期値は「0」である。その後、処理はステップS120に進む。
ステップS112において、制御装置100は、第3カウンタT3をインクリメントする。その後、処理はステップS140に進む。
ステップS120において、制御装置100は、第2カウンタT2が第2所定値Th2(比較的短い第2期間P2に相当)を超えたか否かを判定する。第2カウンタT2が第2所定値Th2以下の場合(ステップS120;No)、処理はステップS121に進む。ステップS121において、制御装置100は、フロントスリップ比Sf(T2)に対する車両加速度A(T2)の比率Kf2(T2)を算出する。その後、処理はステップS130に進む。
第2カウンタT2が第2所定値Th2を超えた場合(ステップS120;Yes)、処理はステップS122に進む。ステップS122において、制御装置100は、Th2個の比率Kf2(T2)の平均値を「第2タイヤ係数K2」として算出する。そして、制御装置100は、第2カウンタT2を0にリセットする。その後、処理はステップS130に進む。
ステップS130において、制御装置100は、第1カウンタT1が第1所定値Th1(比較的長い第1期間P1に相当)を超えたか否かを判定する。第1カウンタT1が第1所定値Th1以下の場合(ステップS130;No)、処理はステップS131に進む。ステップS131において、制御装置100は、フロントスリップ比Sf(T1)に対する車両加速度A(T1)の比率Kf1(T1)を算出する。また、制御装置100は、状態フラグFを「0」に設定する。状態フラグFは、第1タイヤ係数K1が新たに算出されたことを示すフラグである。その後、処理はステップS140に進む。
第1カウンタT1が第1所定値Th1を超えた場合(ステップS130;Yes)、処理はステップS132に進む。ステップS132において、制御装置100は、Th1個の比率Kf1(T1)の平均値を「第1タイヤ係数K1」として算出する。そして、制御装置100は、第1カウンタT1を0にリセットし、状態フラグFを「1」に設定する。その後、処理はステップS140に進む。
ステップS140において、制御装置100は、第3カウンタT3が第3所定値Th3を超えたか否かを判定する。第3カウンタT3が第3所定値Th3以下の場合(ステップS140;No)、処理はステップS200(図10参照)に進む。第3カウンタT3が第3所定値Th3を超えた場合(ステップS140;Yes)、処理はステップS141に進む。
ステップS141において、制御装置100は、第2タイヤ係数K2を基準タイヤ係数KMにリセットする。上記のステップS110〜S112から分かるように、第3カウンタT3は、フロントスリップ比Sfが算出許容範囲に無い状況の継続期間を表している。その継続期間がある程度(Th3)以上になった場合、路面状態RSが変化している可能性が高いため、第2タイヤ係数K2が基準タイヤ係数KMにリセットされる。その後、処理はステップS200(図10参照)に進む。
ステップS200において、制御装置100(タイヤ種類判断部120)は、状態フラグFが「1」か否かを判定する。状態フラグFが「1」の場合(ステップS200;Yes)、処理はステップS210に進む。一方、状態フラグFが「0」の場合(ステップS200;No)、処理はステップS300に進む。
ステップS210において、制御装置100は、第1タイヤ係数K1の最新値と基準タイヤ係数KMとの差分ΔK1(=KM−K1)を、閾値Kth1と比較する。差分ΔK1が閾値Kth1を超えている場合(ステップS210;Yes)、処理はステップS220に進む。それ以外の場合、処理はステップS230に進む。
ステップS220において、制御装置100は、タイヤ種類TYを「ST(スタッドレスタイヤ)」に設定する。そして、制御装置100は、基準タイヤ係数KMを第1タイヤ係数K1の最新値に更新する。その後、処理はステップS300に進む。
ステップS230において、制御装置100は、第1タイヤ係数K1の最新値と基準タイヤ係数KMとの差分ΔK1(=KM−K1)を、閾値−Kth1と比較する。差分ΔK1が閾値−Kth1を下回っている場合(ステップS230;Yes)、処理はステップS240に進む。それ以外の場合、処理はステップS300に進む。
ステップS240において、制御装置100は、タイヤ種類TYを「SM(サマータイヤ)」に設定する。そして、制御装置100は、基準タイヤ係数KMを第1タイヤ係数K1の最新値に更新する。その後、処理はステップS300に進む。
ステップS300において、制御装置100(路面状態判断部130)は、タイヤ種類TYが「ST」か否かを判定する。タイヤ種類TYが「ST」の場合(ステップS300;Yes)、処理はステップS310に進む。一方、タイヤ種類TYが「SM」の場合(ステップS300;No)、処理はステップS330に進む。
ステップS310において、制御装置100は、第2タイヤ係数K2の最新値と基準タイヤ係数KMとの差分ΔK2(=KM−K2)を、閾値Kth2と比較する。差分ΔK2が閾値Kth2を超えている場合(ステップS310;Yes)、処理はステップS320に進む。それ以外の場合、処理はステップS330に進む。
ステップS320において、制御装置100は、路面状態RSを「L(低μ状態)」に設定する。その後、処理はステップS400に進む。
ステップS330において、制御装置100は、路面状態RSを「H(高μ状態」に設定する。その後、処理はステップS400に進む。尚、本例では、上記のステップS300においてタイヤ種類TYが「SM(サマータイヤ)」の場合、誤判定抑制を重視して、路面状態RSは「H」に設定される。
ステップS400において、制御装置100(車両安定制御部140)は、路面状態RSが「L」か否か判定する。路面状態RSが「L」の場合(ステップS400;Yes)、処理はステップS410に進む。ステップS410において、制御装置100は、車両安定制御の作動閾値をデフォルト値よりも小さくする。
一方、路面状態RSが「H」の場合(ステップS400;No)、処理はステップS420に進む。ステップS420において、制御装置100は、車両安定制御の作動閾値をデフォルト値に設定する。
4−2.第2の例
第2の例では、車両1が4輪駆動の場合を説明する。図11は、第2の例を示すフローチャートである。第1の例における処理と同じあるいは類似の処理には同一のステップ番号が付され、重複する説明は適宜省略される。
ステップS100において、制御装置100(タイヤ係数算出部110)は、フロントスリップ比Sf及びリアスリップ比Srを算出する。リアスリップ比Srは、リアタイヤ10Rのスリップ比である。フロントスリップ比Sf及びリアスリップ比Srは、次の式(2)によって表される。
式(2):
Sf=(Vwf−V)/V
Sr=(Vwr−V)/V
ステップS110において、制御装置100は、フロントスリップ比Sf及びリアスリップ比Srが共に算出許容範囲内にあるか否か判定する。
ステップS121において、制御装置100は、フロントスリップ比Sf(T2)に対する車両加速度A(T2)の比率Kf2(T2)を算出する。また、制御装置100は、リアスリップ比Sr(T2)に対する車両加速度A(T2)の比率Kr2(T2)を算出する。
ステップS122において、制御装置100は、Th2個の比率Kf2(T2)の平均値を第2フロントタイヤ係数K2fとして算出する。また、制御装置100は、Th2個の比率Kr2(T2)の平均値を第2リアタイヤ係数K2rとして算出する。そして、制御装置100は、第2フロントタイヤ係数K2fと第2リアタイヤ係数K2rのうち小さい方を「第2タイヤ係数K2」として選択する。
ステップS131において、制御装置100は、フロントスリップ比Sf(T1)に対する車両加速度A(T1)の比率Kf1(T1)を算出する。また、制御装置100は、リアスリップ比Sr(T1)に対する車両加速度A(T1)の比率Kr1(T1)を算出する。
ステップS132において、制御装置100は、Th1個の比率Kf1(T1)の平均値を第1フロントタイヤ係数K1fとして算出する。また、制御装置100は、Th1個の比率Kr1(T1)の平均値を第1リアタイヤ係数K1rとして算出する。そして、制御装置100は、第1フロントタイヤ係数K1fと第1リアタイヤ係数K1rのうち小さい方を「第1タイヤ係数K1」として選択する。
その他の処理は、上記の第1の例の場合と同じであり、その説明は省略する。
1 車両
10 タイヤ
10F フロントタイヤ
10R リアタイヤ
20 車両安定制御装置
30 センサ群
31 車輪速センサ
32 車速センサ
33 舵角センサ
34 ヨーレートセンサ
35 横Gセンサ
40 駆動装置
50 制動装置
100 制御装置
110 タイヤ係数算出部
120 タイヤ種類判断部
130 路面状態判断部
140 車両安定制御部

Claims (1)

  1. 車両に搭載される車両安定制御装置であって、
    前記車両に装着されているタイヤのスリップ比に対する車両加速度の比率を算出し、前記比率の平均値をタイヤ係数として算出するタイヤ係数算出部と、
    前記タイヤの種類を判断するタイヤ種類判断部と、
    路面状態が低μ状態か高μ状態かを判断する路面状態判断部と、
    前記車両の挙動を安定化させる車両安定制御を行う車両安定制御部と
    を備え、
    前記タイヤ係数算出部は、第1期間における前記比率の平均値を第1タイヤ係数として繰り返し算出し、また、前記第1期間よりも短い第2期間における前記比率の平均値を第2タイヤ係数として繰り返し算出し、
    前記第1タイヤ係数の最新値が基準タイヤ係数よりも減少し、且つ、減少量が第1閾値を超えている場合、前記タイヤ種類判断部は、前記タイヤの種類がスタッドレスタイヤに変化したと判断し、また、前記基準タイヤ係数を前記最新値に更新し、
    前記第1タイヤ係数の最新値が前記基準タイヤ係数よりも増加し、且つ、増加量が第2閾値を超えている場合、前記タイヤ種類判断部は、前記タイヤの種類がサマータイヤに変化したと判断し、また、前記基準タイヤ係数を前記最新値に更新し、
    前記第2タイヤ係数が前記基準タイヤ係数よりも減少し、且つ、減少量が第3閾値を超えている場合、前記路面状態判断部は、前記路面状態が前記低μ状態であると判断し、
    前記タイヤの種類が前記スタッドレスタイヤであり、且つ、前記路面状態が前記低μ状態である期間、前記車両安定制御部は、前記路面状態が前記高μ状態である期間よりも、前記車両安定制御の作動閾値を低下させる
    車両安定制御装置。
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