JP2019135887A - 車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置 - Google Patents

車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019135887A
JP2019135887A JP2018017850A JP2018017850A JP2019135887A JP 2019135887 A JP2019135887 A JP 2019135887A JP 2018017850 A JP2018017850 A JP 2018017850A JP 2018017850 A JP2018017850 A JP 2018017850A JP 2019135887 A JP2019135887 A JP 2019135887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
allowable range
output
voltage
unit
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018017850A
Other languages
English (en)
Inventor
貴史 川上
Takashi Kawakami
貴史 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd, AutoNetworks Technologies Ltd, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2018017850A priority Critical patent/JP2019135887A/ja
Priority to PCT/JP2019/000810 priority patent/WO2019150921A1/ja
Publication of JP2019135887A publication Critical patent/JP2019135887A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M3/00Conversion of dc power input into dc power output
    • H02M3/02Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac
    • H02M3/04Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters
    • H02M3/10Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode
    • H02M3/145Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal
    • H02M3/155Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal using semiconductor devices only

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

【課題】車載用電源装置の実際の動作状況に応じた許容範囲を設定し、その許容範囲に基づいて異常判定を行い得る技術を提供する。【解決手段】車載用の異常検出装置10において、許容範囲設定部12Bは、検出電圧、検出電流、検出温度のうちの少なくともいずれかに基づいて許容範囲を設定する。判定部12Cは、入力側導電路を介して電圧変換部6に入力される入力電力と、電圧変換部6から出力側導電路を介して出力される出力電力と、許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲とに基づいて異常を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置に関するものである。
特許文献1には、DCDCコンバータの故障検出方法が開示されている。特許文献1で開示される故障検出方法は、DCDCコンバータへの入力電流と入力電圧の積から入力電力を計算し、DCDCコンバータからの出力電流と出力電圧の積から出力電力を計算し、入力電力と、出力電力及び推定損失の和との差又は比を計算し、この差又は比と所定の閾値との偏差に基づいて故障を判定する。
特許第5058024号公報
特許文献1の判定方法では、入力電力と、出力電力及び推定損失の和との差又は比を所定の閾値と比較して故障判定を行う。そして、故障判定の際には、入力電圧と出力電圧と出力電流とに基づき、内部損失マップを参照して推定損失を算出する。しかし、推定損失は、部品の製造ばらつき、部品温度、ユニット温度、検出誤差などの様々な要因によって変動し得るものであり、推定損失のばらつきの度合いは、電圧や電流の状態、或いは温度状態などによって大きく変化し得る。このため、特許文献1のように上記差又は比を閾値と比較して故障を判定する場合、推定損失のばらつきを考慮せずに閾値を設定してしまう。
本発明は上述した課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、車載用電源装置の実際の動作状況に応じた許容範囲を設定し、その許容範囲に基づいて異常判定を行い得る技術を提供することを目的とする。
第1の発明である車載用電源装置の異常検出装置は、
オン信号とオフ信号とが交互に切り替わる制御信号が与えられることに応じてオンオフ動作するスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオンオフ動作により入力側導電路に印加された電圧を昇圧又は降圧して出力側導電路に出力する電圧変換部と、
前記入力側導電路に印加される入力電圧を検出する入力電圧検出部と、前記出力側導電路に印加される出力電圧を検出する出力電圧検出部とを含む電圧検出部と、
前記入力側導電路を流れる入力電流を検出する入力電流検出部と、前記出力側導電路を流れる出力電流を検出する出力電流検出部とを含む電流検出部と、
少なくとも前記出力電圧検出部によって検出された前記出力電圧に基づいて前記出力側導電路の電圧を目標電圧値に近づけるように前記制御信号のデューティを算出するフィードバック演算を繰り返す演算部と、
前記演算部で算出されるデューティの前記制御信号を前記スイッチング素子に対して出力する駆動部と、
を備えた車載用電源装置の異常を検出する異常検出装置であって、
異常判定に用いる許容範囲を設定する許容範囲設定部と、
前記入力側導電路を介して前記電圧変換部に入力される入力電力と、前記電圧変換部から前記出力側導電路を介して出力される出力電力と、前記許容範囲設定部で設定された前記許容範囲とに基づいて異常を判定する判定部と、
を有し、
前記許容範囲設定部は、前記電圧検出部によって検出された電圧、又は前記電流検出部によって検出された電流、のうちの少なくともいずれかに基づいて前記許容範囲を設定する。
第2の発明である車載用電源装置の異常検出装置は、
オン信号とオフ信号とが交互に切り替わる制御信号が与えられることに応じてオンオフ動作するスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオンオフ動作により入力側導電路に印加された電圧を昇圧又は降圧して出力側導電路に出力する電圧変換部と、
前記入力側導電路に印加される入力電圧を検出する入力電圧検出部と、前記出力側導電路に印加される出力電圧を検出する出力電圧検出部とを含む電圧検出部と、
前記入力側導電路を流れる入力電流を検出する入力電流検出部と、前記出力側導電路を流れる出力電流を検出する出力電流検出部とを含む電流検出部と、
車両内の所定位置の温度を検出する温度検出部と、
少なくとも前記出力電圧検出部によって検出された前記出力電圧に基づいて前記出力側導電路の電圧を目標電圧値に近づけるように前記制御信号のデューティを算出するフィードバック演算を繰り返す演算部と、
前記演算部で算出されるデューティの前記制御信号を前記スイッチング素子に対して出力する駆動部と、
を備えた車載用電源装置の異常を検出する異常検出装置であって、
異常判定に用いる許容範囲を設定する許容範囲設定部と、
前記入力側導電路を介して前記電圧変換部に入力される入力電力と、前記電圧変換部から前記出力側導電路を介して出力される出力電力と、前記許容範囲設定部で設定された前記許容範囲とに基づいて異常を判定する判定部と、
を有し、
前記許容範囲設定部は、少なくとも前記温度検出部によって検出された温度に基づいて前記許容範囲を設定する。
第3の発明である車載用電源装置は、第1の発明又は第2の発明の異常検出装置と、電圧変換部と、入力電圧検出部と、出力電圧検出部と、入力電流検出部と、出力電流検出部と、演算部と、駆動部と、を備える。
第1の発明は、許容範囲設定部が、電圧検出部によって検出された電圧、又は電流検出部によって検出された電流、のうちの少なくともいずれかに基づいて許容範囲を設定する。このようにすれば、異常判定で用いる「許容範囲」を、電圧変換部の入力状態又は出力状態に合わせて変更することができるようになり、実際の動作状況(特に、実際の電圧状態又は電流状態)に応じた適切な許容範囲を設定しやすくなる。
第2の発明は、許容範囲設定部が、温度検出部によって検出された温度に基づいて許容範囲を設定する。このようにすれば、異常判定で用いる「許容範囲」を、車両内の所定位置の温度に合わせて変更することができるようになり、実際の動作状況(特に、実際の温度状況)に応じた適切な許容範囲を設定しやすくなる。
第3の発明によれば、第1の発明又は第2の発明と同様の効果を奏する車載用電源装置を実現できる。
実施例1の車載用の異常検出装置及び車載用電源装置を備えた車載用電源システムを概略的に例示する回路図である。 実施例1の車載用電源装置における実行モード、異常判定状態、損失差、判定結果の変化を例示するタイミングチャートである。 実施例1において許容範囲設定部で用いる降圧モード用の設定データの一部を例示する説明図であり、(A)は、入力電圧がVa1のときの設定データであり、(B)は、入力電圧がVa2のときの設定データである。 実施例1において許容範囲設定部で用いる降圧モード用の設定データを概念的に例示する説明図である。 実施例1において許容範囲設定部で用いる昇圧モード用の設定データの一部を例示する説明図であり、(A)は、入力電圧がVb1のときの設定データであり、(B)は、入力電圧がVb2のときの設定データである。 実施例1において許容範囲設定部で用いる昇圧モード用の設定データを概念的に例示する説明図である。 実施例2において許容範囲設定部で用いる降圧モード用の設定データの一部を例示する説明図であり、(A)は、検出デューティがDa1のときの設定データであり、(B)は、検出デューティがDa2のときの設定データである。 実施例2において許容範囲設定部で用いる降圧モード用の設定データを概念的に例示する説明図である。 実施例2において許容範囲設定部で用いる昇圧モード用の設定データの一部を例示する説明図であり、(A)は、検出デューティがDb1のときの設定データであり、(B)は、検出デューティがDb2のときの設定データである。 実施例2において許容範囲設定部で用いる昇圧モード用の設定データを概念的に例示する説明図である。 他の実施例において許容範囲設定部で用いる設定データの一部を例示する説明図であり、(A)は、入力電圧がVa1のときの設定データであり、(B)は、入力電圧がVa2のときの設定データである。 他の実施例において許容範囲設定部で用いる設定データを概念的に例示する説明図である。 他の実施例の別例において許容範囲設定部で用いる設定データの一部を例示する説明図であり、(A)は、検出デューティがDa1のときの設定データであり、(B)は、検出デューティがDa2のときの設定データである。 他の実施例の別例において許容範囲設定部で用いる設定データを概念的に例示する説明図である。
発明の望ましい形態を以下に例示する。
第2の発明では、許容範囲設定部は、温度検出部によって検出された温度が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を大きくするように許容範囲を設定してもよい。
電源装置は、温度が大きくなるほど損失がばらつきやすいため、よって、温度検出部によって検出される温度が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を大きくするように許容範囲を設定すれば、損失のばらつきの傾向に合わせた大きさで許容範囲を設定しやすくなる。
温度検出部は、電圧変換部を構成する部品が実装される基板に実装される温度センサによって構成されていてもよい。
このようにすれば、電圧変換部を構成するいずれかの部品の温度又はそれに近い温度を温度センサによって検出することができ、電圧変換部の温度に合わせて許容範囲を設定することができる。
判定部は、入力側導電路を介して入力される入力電力と出力側導電路を介して出力される出力電力との差が、許容範囲設定部で設定された許容範囲を外れる場合に異常と判定する。このようにすれば、電圧変換動作で生じる損失が許容範囲を外れるような事態が生じた場合に異常と判定することができる。
許容範囲設定部は、出力電流検出部によって検出される出力電流が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を小さくするように許容範囲を設定してもよい。
電源装置は、出力電流が大きいほど異常が生じた場合の影響が大きくなるため、出力電流検出部によって検出される出力電流が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を小さくするように許容範囲を設定すれば、出力電流が相対的に小さい場合には許容度合いを大きくして動作継続を優先させることができ、出力電流が相対的に大きい場合には保護を優先することができる。
許容範囲設定部は、入力電圧検出部によって検出される入力電圧が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を大きくするように許容範囲を設定してもよい。
電源装置は、入力電圧が大きくなるほど損失がばらつきやすいため、入力電圧検出部によって検出される入力電圧が大きくなるほど許上限閾値と下限閾値との差を大きくするように許容範囲を設定すれば、損失のばらつきの傾向に合わせた大きさで許容範囲を設定しやすくなる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1で示す車載用電源装置1(以下、電源装置1ともいう)は、例えば、車載用の昇降圧型DCDCコンバータとして構成されており、第1導電路91又は第2導電路92の一方の導電路に印加された直流電圧を昇圧又は降圧して他方の導電路に出力する構成をなすものである。
電源装置1は、電力線としての第1導電路91及び第2導電路92とを備える。第1導電路91は、高圧電源部である第1電源部101の高電位側の端子に電気的に接続され、この高電位側の端子と導通する配線であり、第1電源部101から所定の直流電圧が印加される構成をなす。第2導電路92は、低圧電源部である第2電源部102の高電位側の端子に電気的に接続され、この高電位側の端子と導通する配線であり、第2電源部102から所定の直流電圧が印加される構成をなす。
第1電源部101、第2電源部102は、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、その他の蓄電部、発電機など、公知の手段によって構成されている。第1電源部101の出力電圧は、第2電源部102の出力電圧よりも高い電圧であればよく、それぞれの出力電圧の具体的な値は特に限定されない。第1電源部101及び第2電源部102の低電位側の端子は図示しないグラウンド部に電気的に接続され、所定のグラウンド電位(0V)に保たれている。
第1電源部101に電気的に接続された第1導電路91には、車載負荷111が電気的に接続されており、車載負荷111は第1電源部101から電力供給を受ける構成をなす。第2電源部102に電気的に接続された第2導電路92には、車載負荷112が電気的に接続されており、車載負荷112は第2電源部102から電力供給を受ける構成をなす。車載負荷111、112は、公知の車載用の電気部品であり、特に種類は限定されない。
電圧変換部6は、スイッチング素子S1,S2,S3,S4のオンオフ動作により入力された電圧を昇圧又は降圧して出力する機能を有する。電圧変換部6は、第1導電路91と第2導電路92との間に設けられ、降圧動作を行う降圧機能と、昇圧動作を行う昇圧機能とを有している。以下の説明では、電圧変換部6において、第1導電路91に印加された電圧を降圧して第2導電路92に出力する降圧機能と、第2導電路92に印加された電圧を昇圧して第1導電路91に出力する昇圧機能とが実行され得る例について説明する。
電圧変換部6は、Hブリッジ構造で配置されたスイッチング素子S1,S2,S3,S4と、インダクタLとを備え、いわゆる双方向型のDCDCコンバータとして機能する。スイッチング素子S1,S2,S3,S4は、いずれもMOSFETとして構成されている。インダクタLは、公知のコイルとして構成されている。なお、第1導電路91には、コンデンサ81の一方の電極が電気的に設けられ、コンデンサ81の他方の電極はグラウンドに電気的に接続されている。第2導電路92には、コンデンサ82の一方の電極が電気的に接続され、コンデンサ82の他方の電極はグラウンドに電気的に接続されている。
電圧変換部6において、スイッチング素子S1のドレインには、第1導電路91が電気的に接続され、スイッチング素子S1のソースには、スイッチング素子S2のドレイン及びインダクタLの一端が電気的に接続されている。スイッチング素子S3のドレインには、第2導電路92が電気的に接続され、スイッチング素子S3のソースには、スイッチング素子S4のドレイン及びインダクタLの他端が電気的に接続されている。スイッチング素子S2,S4のそれぞれのソースはグラウンドに電気的に接続されている。スイッチング素子S1,S2,S3,S4のそれぞれのゲートには、後述する駆動部8からの各信号がそれぞれ入力される。
電圧検出部20は、電圧検出部21,22を備える。電圧検出部21,22はいずれも、公知の電圧検出回路として構成されている。電圧検出部21は、第1導電路91の電圧を示す値(例えば第1導電路91の電圧値、又は第1導電路91の電圧値を分圧回路によって分圧した値等)を検出値として制御部12に入力する。電圧検出部22は、第2導電路92の電圧を示す値(例えば第2導電路92の電圧値、又は第2導電路92の電圧値を分圧回路によって分圧した値等)を検出値として制御部12に入力する。制御部12は、電圧検出部21から入力された値(電圧検出部21の検出値)に基づいて第1導電路91の電圧値を特定することができ、電圧検出部22から入力された値(電圧検出部21の検出値)に基づいて第2導電路92の電圧値を特定することができる。
電流検出部30は、電流検出部31,32を備える。電流検出部31,32はいずれも、公知の電流検出回路として構成されている。電流検出部31は、第1導電路91を流れる電流を検出する電流検出回路であり、例えば第1導電路91に設けられたシャント抵抗と、シャント抵抗の両端電圧を増幅して出力する差動増幅器とによって構成されている。電流検出部32は、第2導電路92を流れる電流を検出する電流検出回路であり、例えば第2導電路92に設けられたシャント抵抗と、シャント抵抗の両端電圧を増幅して出力する差動増幅器とによって構成されている。制御部12は、電流検出部31から入力された値(電流検出部31の検出値)に基づいて第1導電路91を流れる電流の値を特定し、電流検出部32から入力された値(電流検出部32の検出値)に基づいて第2導電路92を流れる電流の値を特定する。
温度検出部40は、サーミスタなどの公知の温度センサによって構成されており、電源装置1が搭載された車両内の所定位置の温度を検出する構成をなす。温度検出部40は、電圧変換部6を構成する部品(スイッチング素子S1,S2,S3,S4やインダクタLなど)が実装される基板に実装され、当該基板において温度検出部40が実装された位置の温度を示す電圧信号を出力する構成をなす。温度検出部40によって生成される電圧信号は制御部12に入力されるようになっており、制御部12は、温度検出部40が検出した温度を把握し得る。
制御部12は、例えばマイクロコンピュータとして構成され、電圧検出部20及び電流検出部30から入力される電圧値及び電流値と、目標電圧値とに基づいて公知の方法でフィードバック制御を行い、電圧変換部6に与えるPWM信号のデューティを設定する。そして、設定されたデューティのPWM信号を駆動部8に出力する。目標電圧値は、制御部12で設定される値であってもよく、外部ECUなどの外部装置から指示される値であってもよい。
駆動部8は、スイッチング素子S1,S2,S3,S4をオンオフさせる制御信号を出力する回路である。この駆動部8は、制御部12で設定されたデューティのPWM信号を電圧変換部6に出力する機能を有する。
降圧モードでは、制御部12及び駆動部8の動作により、スイッチング素子S1,S2の各ゲートに対してデッドタイムを設定した形でPWM信号を相補的に出力するように同期整流制御を行う。具体的には、スイッチング素子S1へのオン信号(例えばHレベル信号)の出力中は、スイッチング素子S2へオフ信号(例えばLレベル信号)が出力され、スイッチング素子S2へのオン信号(例えばHレベル信号)の出力中は、スイッチング素子S1へオフ信号(例えばLレベル信号)が出力されるように同期整流制御が行われる。この制御により、第1導電路91に印加された直流電圧(入力電圧)を降圧する動作がなされ、第2導電路92には、第1導電路91に印加された入力電圧よりも低い出力電圧が印加される。第2導電路92に印加される出力電圧は、スイッチング素子S1のゲートに与えるPWM信号のデューティに応じて定まる。なお、降圧モードでは、スイッチング素子S3のゲートにはオン信号が継続的に入力され、スイッチング素子S3はオン状態で維持される。また、スイッチング素子S4のゲートにはオフ信号が継続的に入力され、スイッチング素子S4はオフ状態で維持される。
降圧モードでは、制御部12により公知方式のフィードバック制御がなされる。具体的には、制御部12の一部をなす演算部12Aが、電圧検出部22(降圧モードでの出力電圧検出部)によって検出された出力電圧に基づいて第2導電路92(降圧モードでの出力側導電路)の電圧を目標電圧値に近づけるようにPWM信号(制御信号)のデューティを算出するフィードバック演算を周期的に繰り返す。周期的に実行されるフィードバック演算では、出力電圧値と目標電圧値との偏差に基づいてPID演算やPI演算などの公知のフィードバック演算処理を行い、出力電圧値を目標電圧値に近づけるための新たなデューティを決定する。制御部12は、降圧モード中にPWM信号(制御信号)を継続的に出力し、演算部12Aがフィードバック演算を行う度に、PWM信号(制御信号)のデューティをフィードバック演算で新たに得られたデューティに変化させる。駆動部8は、制御部12から与えられるPWM信号を取得し、そのPWM信号と同周期及び同デューティのPWM信号をスイッチング素子S1のゲートに出力する。駆動部8からスイッチング素子S1のゲートに出力されるPWM信号は、オン信号(Hレベル信号)の電圧がスイッチング素子S1をオン動作させ得る適切なレベルに調整される。そして、駆動部8は、スイッチング素子S1のゲートに出力するPWM信号と相補的なPWM信号をスイッチング素子S2のゲートに出力し、同期整流制御を行う。
なお、降圧モードでは、第1導電路91が入力側導電路の一例に相当し、第2導電路92が出力側導電路の一例に相当する。更に、電圧検出部21は入力電圧検出部の一例に相当し、電圧検出部22は出力電圧検出部の一例に相当する。電流検出部32は、出力電流検出部の一例に相当し、電流検出部31は、入力電流検出部の一例に相当する。
昇圧モードでは、制御部12及び駆動部8の動作により、スイッチング素子S1,S2の各ゲートに対してデッドタイムを設定した形でPWM信号を相補的に出力するように同期整流制御を行う。具体的には、スイッチング素子S2へのオン信号(例えばHレベル信号)の出力中は、スイッチング素子S1へオフ信号(例えばLレベル信号)が出力され、スイッチング素子S1へのオン信号(例えばHレベル信号)の出力中は、スイッチング素子S2へオフ信号(例えばLレベル信号)が出力されるように同期整流制御が行われる。この制御により、第2導電路92に印加された直流電圧(入力電圧)を昇圧する動作がなされ、第1導電路91には、第2導電路92に印加された入力電圧よりも高い出力電圧が印加される。第1導電路91に印加される出力電圧は、スイッチング素子S2のゲートに与えるPWM信号のデューティに応じて定まる。なお、昇圧モードでは、スイッチング素子S3のゲートにはオン信号が継続的に入力され、スイッチング素子S3はオン状態で維持される。また、スイッチング素子S4のゲートにはオフ信号が継続的に入力され、スイッチング素子S4はオフ状態で維持される。
昇圧モードでは、制御部12により公知方式のフィードバック制御がなされる。具体的には、制御部12の一部をなす演算部12Aが、電圧検出部21(昇圧モードでの出力電圧検出部)によって検出された出力電圧に基づいて第1導電路91(昇圧モードでの出力側導電路)の電圧を目標電圧値に近づけるようにPWM信号(制御信号)のデューティを算出するフィードバック演算を周期的に繰り返す。フィードバック演算は、降圧モードと同様に行うことができる。制御部12は、昇圧モード中にPWM信号(制御信号)を継続的に出力し、演算部12Aがフィードバック演算を行う度に、PWM信号(制御信号)のデューティをフィードバック演算で新たに得られたデューティに変化させる。駆動部8は、制御部12から与えられるPWM信号を取得し、そのPWM信号と同周期及び同デューティのPWM信号をスイッチング素子S2のゲートに出力する。駆動部8からスイッチング素子S2のゲートに出力されるPWM信号は、オン信号(Hレベル信号)の電圧がスイッチング素子S2をオン動作させ得る適切なレベルに調整される。そして、駆動部8は、スイッチング素子S2のゲートに出力するPWM信号と相補的なPWM信号をスイッチング素子S1のゲートに出力し、同期整流制御を行う。
なお、昇圧モードでは、第2導電路92が入力側導電路の一例に相当し、第1導電路91が出力側導電路の一例に相当する。更に、電圧検出部22は入力電圧検出部の一例に相当し、電圧検出部21は出力電圧検出部の一例に相当する。電流検出部31は、出力電流検出部の一例に相当し、電流検出部32は、入力電流検出部の一例に相当する。
ここで、電源装置1の動作中に実行される異常判定処理について、図2のタイミングチャートを参照しながら説明する。
電源装置1の一部をなす制御部12は、所定の開始条件が成立した場合に動作モードに切り替わり、所定の終了条件が成立した場合に停止モードに切り替わる。動作モードは、主に、初期化モード、スタンバイモード、降圧モード、昇圧モード、スリープモードなどを含んでいる。なお、図2のタイミングチャートでは、動作モード中の各モードの実施タイミング、異常検知に関する処理のタイミング、損失差、異常判定結果、などを経時的に示している。
所定の開始条件は、例えば車両を始動するための始動スイッチ(例えばイグニッションスイッチ)がオフ状態からオン状態に切り替わることであり、所定の終了条件は、例えば始動スイッチ(イグニッションスイッチ等)がオン状態からオフ状態に切り替わることである。具体的には、制御部12は、車両の始動スイッチがオフ状態からオン状態に切り替わった場合に停止モードから初期化モードに切り替わり、初期化モードで所定の初期化処理が行われた後には、スタンバイモードに切り替わるようになっている。図2の例では、制御部12は、時間t1でスタンバイモードに切り替わり、スタンバイモードでは所定のオフセット診断を行う。
制御部12は、所定の降圧動作開始条件が成立した場合に降圧モードに切り替わり、降圧モードの動作を実行する。図2の例では、スタンバイモードのときに時間t3で所定の降圧動作開始条件が成立しており、制御部12は、降圧動作開始条件の成立に応じて時間t3から時間t4の間で降圧モードの動作を行っている。また、時間t7から時間t8で設定されたスタンバイモードの後、時間t8でも降圧動作開始条件が成立しており、制御部12は、時間t8以降でも降圧モードの動作を行っている。制御部12は、降圧モードに切り替わった場合、第1導電路91に印加された直流電圧(入力電圧)を降圧し、第2導電路92に入力電圧よりも低い出力電圧を印加するように電圧変換部6に降圧動作を行わせる。
制御部12の一部をなす許容範囲設定部12Bは、このように降圧モードの動作が行われている最中に異常判定に用いる許容範囲を設定する。そして、判定部12Cは、降圧モードでの動作中に、第1導電路91(降圧モードでの入力側導電路)を介して電圧変換部9に入力される入力電力Paと、電圧変換部6から第2導電路92(降圧モードでの出力側導電路)を介して出力される出力電力Pbと、許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲とに基づいて異常を判定する。
ここで、許容範囲の設定方法を例示する。許容範囲設定部12Bは、降圧モードでの動作中に、電圧検出部20によって検出された電圧と、電流検出部30によって検出された電流と、温度検出部40によって検出された温度と、に基づいて許容範囲を設定する。本構成では、温度検出部40によって検出される温度と、電流検出部32(降圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流と、電圧検出部21(降圧モードでの入力電圧検出部)によって検出される入力電圧とに基づいて許容範囲を定める降圧用の設定データ(図4のようなテーブルデータ)が用意されており、許容範囲設定部12Bはこの設定データに従って許容範囲を設定する。
ここでは、設定データとして図4のようなテーブルデータを用いる場合を例示する。図3、図4は、テーブルデータの一例を概念的に示している。許容範囲設定部12Bで用いる設定データは、例えば、図3(A)、図3(B)のように、入力電圧毎に許容範囲を定めるためのデータが用意されており、図3(A)では、入力電圧がVa1のときに出力電流と検出温度とに基づいて許容範囲を定めるテーブルデータを例示している。図3(B)では、入力電圧がVa2のときに出力電流と検出温度とに基づいて許容範囲を定めるテーブルデータを例示している。
図3(A)は、入力電圧がVa1のときのテーブルデータであり、このテーブルデータを用いる場合、例えば、出力電流がIb1であり、温度がT3であれば、A113のデータで定められる許容範囲が用いられる。A111、A112、A113等のデータ(許容範囲を定めるデータ)はいずれも、入力電力Paと出力電力Pbとの差(Pa−Pb)の上限閾値と下限閾値とを定めており、例えば、A113のデータで許容範囲が定められる場合、入力電力Paと出力電力Pbとの差である損失差(Pa−Pb)がA113のデータの上限閾値を超える場合に許容範囲を外れたと判定されることになり、損失差(Pa−Pb)がA113のデータの下限閾値を下回る場合にも許容範囲を外れたと判定されることになる。
許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図4)では、図3(A)(B)のようなテーブルデータが入力電圧の値毎に用意されており、図4のように複数のテーブルデータの集合をなしている。
許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図4)は、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲を大きくするように許容範囲を定めており、電流検出部32(降圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Ibが大きくなるほど許容範囲を小さくするように許容範囲を定めており、電圧検出部21(降圧モードでの入力電圧検出部)によって検出される入力電圧Vaが大きくなるほど許容範囲を大きくするように許容範囲を定めている。
より具体的には、図4で示す降圧用の設定データは、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり且つ許容範囲の下限閾値が小さくなるようなデータ構成となっている。この設定データは、例えば、所定の入力電圧範囲及び所定の出力電流範囲において入力電圧Va及び出力電流Ibがどのような組み合わせであっても、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど、許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、所定の温度範囲及び上記入力電圧範囲において、温度検出部40によって検出される温度T及び入力電圧Vaがどのような組み合わせであっても、電流検出部32(降圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Ibが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が小さくなり、許容範囲の下限閾値が大きくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、上記温度範囲及び上記出力電流範囲において温度検出部40によって検出される温度T及び出力電流Ibがどのような組み合わせであっても、入力電圧Vaが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。
降圧モードでの動作中に異常判定を行う場合、許容範囲設定部12Bは、降圧モードでの動作中(電圧変換中)に、第1導電路91(降圧モードでの入力側導電路)に印加される入力電圧Vaと、第2導電路92(降圧モードでの出力側導電路)を流れる出力電流Ibと、温度検出部40の位置の温度Tと、を示す情報を電圧検出部21、電流検出部32、温度検出部40からそれぞれ取得する。そして、上述の降圧用の設定データ(図4)の中から、検出された入力電圧Va、出力電流Ib、温度Tに対応する許容範囲を選定する。なお、入力電圧Va、出力電流Ib、温度Tのいずれかに該当するデータが無い場合、最も近いデータを採用してもよく、公知の補間処理を用いてもよい。例えば、降圧用の設定データ(図4)において、検出された入力電圧Vaに該当するデータが無い場合、降圧用の設定データ(図4)に含まれる入力電圧の候補の中から、検出された入力電圧Vaに最も近い値を選択してもよい。なお、許容範囲設定部12Bは、このような許容範囲設定処理を降圧モード中に1回のみ行い、得られた許容範囲を降圧モード中に使い続けてもよく、上述の許容範囲設定処理を降圧モード中に繰り返し、新たな許容範囲が得られる毎に使用する許容範囲(判定部12Cに用いられる許容範囲)を更新してもよい。
判定部12Cは、第1導電路91(降圧モードでの入力側導電路)を介して入力される入力電力Paと第2導電路92(降圧モードでの出力側導電路)を介して出力される出力電力Pbとの差である損失差(Pa−Pb)を算出する損失差算出処理を継続的に繰り返し行う。具体的には、判定部12Cは、電圧検出部21によって検出される入力電圧Vaと電流検出部31によって検出される入力電流Iaとに基づいてPa=Va×Iaの式により入力電力Paを求め、電圧検出部22によって検出される出力電圧Vbと電流検出部32によって検出される出力電流Ibとに基づいてPb=Vb×Ibの式により出力電力Pbを求め、これら入力電力Pa及び出力電力Pbの差である損失差(Pa−Pb)を算出するように損失差算出処理を行う。そして、このような損失差算出処理を降圧モード中に繰り返し行い、いずれかの損失差算出処理で得られた損失差(Pa−Pb)が許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲を外れる場合に異常と判定する。
例えば、降圧モード中に電圧検出部21によって検出された入力電圧VaがVa2であり、電流検出部32によって検出された出力電流IbがIb4であり、温度検出部40によって検出された温度TがT4である場合、許容範囲設定部12Bは、図3(B)のようなテーブルデータに基づき、入力電圧Va2、出力電流Ib4、検出温度T4に対応するデータA244によって許容範囲を特定する。判定部12Cは、上述の方法により損失差(Pa−Pb)を算出する損失差算出処理を継続的に繰り返し、損失差(Pa−Pb)がデータA244で定められる上限閾値を超える事態が発生した場合には異常と判定する。また、判定部12Cは、損失差(Pa−Pb)がデータA244で定められる下限閾値を下回る事態が発生した場合にも異常と判定する。一方、判定部12Cは、降圧モード中(降圧モードの開始から他のモードに切り替わるまでの間)に損失差(Pa−Pb)がデータA244で定められる上限閾値以下且つ下限閾値以上で維持される場合、その降圧モードでは異常と判定しない。なお、図2の例では、時間t8以降の降圧モードにおける時間t9以降において、損失差が上限閾値を上回っており、このような事態が生じた場合、判定部12Cは、異常と判定する。なお、図2では、損失差、上限閾値、下限閾値を簡略的に示しているが、実際には、損失差は損失差の検出が行われる度に変化し、上限閾値及び下限閾値は、許容範囲の設定が行われる度に変化する。
次に、昇圧モードでの動作について説明する。
制御部12は、所定の昇圧動作開始条件が成立した場合に昇圧モードに切り替わり、昇圧モードの動作を実行する。図2の例では、スタンバイモードのときに時間t4で所定の昇圧動作開始条件が成立しており、制御部12は、昇圧動作開始条件の成立に応じて時間t4から時間t5の間で昇圧モードの動作を行っている。制御部12は、昇圧モードに切り替わった場合、第2導電路92に印加された直流電圧(入力電圧)を昇圧し、第1導電路91に入力電圧よりも低い出力電圧を印加するように電圧変換部6に昇圧動作を行わせる。
制御部12の一部をなす許容範囲設定部12Bは、このように昇圧モードの動作が行われている最中に異常判定に用いる許容範囲を設定する。そして、判定部12Cは、昇圧モードでの動作中に、第2導電路92(昇圧モードでの入力側導電路)を介して電圧変換部9に入力される入力電力Pbと、電圧変換部6から第1導電路91(昇圧モードでの出力側導電路)を介して出力される出力電力Paと、許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲とに基づいて異常を判定する。
昇圧モードのときの許容範囲の設定方法は降圧モードの場合と同様である。許容範囲設定部12Bは、昇圧モードでの動作中に、電圧検出部20によって検出された電圧と、電流検出部30によって検出された電流と、温度検出部40によって検出された温度と、に基づいて許容範囲を設定する。本構成では、温度検出部40によって検出される温度と、電流検出部31(昇圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流と、電圧検出部22(昇圧モードでの入力電圧検出部)によって検出される入力電圧とに基づいて許容範囲を定める昇圧用の設定データが用意されており、許容範囲設定部12Bはこの設定データに従って許容範囲を設定する。昇圧用の設定データは、降圧用の設定データと同様の設定データである。例えば、図5(A)、図5(B)のように、入力電圧毎に許容範囲を定めるためのデータが用意されており、図5(A)では、入力電圧がVb1のときに出力電流と検出温度とに基づいて許容範囲を定めるテーブルデータを例示している。図5(B)では、入力電圧がVb2のときに出力電流と検出温度とに基づいて許容範囲を定めるテーブルデータを例示している。
図5(A)は、入力電圧がVb1のときのテーブルデータであり、このテーブルデータを用いる場合、例えば、出力電流がIa1であり、温度がT3であれば、B113のデータで定められる許容範囲が用いられる。B111、B112、B113等のデータ(許容範囲を定めるデータ)はいずれも、入力電力Pbと出力電力Paとの差(Pb−Pa)の上限閾値と下限閾値とを定めており、例えば、B113のデータで許容範囲が定められる場合、入力電力Pbと出力電力Paとの差である損失差(Pb−Pa)がB113のデータの上限閾値を超える場合に許容範囲を外れたと判定されることになり、損失差(Pb−Pa)がB113のデータの下限閾値を下回る場合にも許容範囲を外れたと判定されることになる。許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図6)では、図5(A)(B)のようなテーブルデータが入力電圧の値毎に用意されており、図6のように複数のテーブルデータの集合をなしている。
この例でも、許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図6)は、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲を大きくするように許容範囲を定めており、電流検出部31(昇圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Iaが大きくなるほど許容範囲を小さくするように許容範囲を定めており、電圧検出部22(昇圧モードでの入力電圧検出部)によって検出される入力電圧Vbが大きくなるほど許容範囲を大きくするように許容範囲を定めている。
より具体的には、図6で示す昇圧用の設定データは、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり且つ許容範囲の下限閾値が小さくなるようなデータ構成となっている。この設定データは、例えば、所定の入力電圧範囲及び所定の出力電流範囲において入力電圧Vb及び出力電流Iaがどのような組み合わせであっても、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど、許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、所定の温度範囲及び上記入力電圧範囲において、温度検出部40によって検出される温度T及び入力電圧Vbがどのような組み合わせであっても、電流検出部31(昇圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Iaが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が小さくなり、許容範囲の下限閾値が大きくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、上記温度範囲及び上記出力電流範囲において温度検出部40によって検出される温度T及び出力電流Iaがどのような組み合わせであっても、入力電圧Vbが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。
昇圧モードでの動作中に異常判定を行う場合、許容範囲設定部12Bは、昇圧モードでの動作中(電圧変換中)に、第2導電路92(昇圧モードでの入力側導電路)に印加される入力電圧Vbと、第1導電路91(昇圧モードでの出力側導電路)を流れる出力電流Iaと、温度検出部40の位置の温度Tと、を示す情報を電圧検出部22、電流検出部31、温度検出部40からそれぞれ取得する。そして、上述の昇圧用の設定データ(図6)の中から、検出された入力電圧Vb、出力電流Ia、温度Tに対応する許容範囲を選定する。なお、入力電圧Vb、出力電流Ia、温度Tのいずれかに該当するデータが無い場合、最も近いデータを採用してもよく、公知の補間処理を用いてもよい。なお、許容範囲設定部12Bは、このような許容範囲設定処理を昇圧モード中に1回のみ行い、得られた許容範囲を昇圧モード中に使い続けてもよく、上述の許容範囲設定処理を昇圧モード中に繰り返し、新たな許容範囲が得られる毎に使用する許容範囲(判定部12Cに用いられる許容範囲)を更新してもよい。
判定部12Cは、第2導電路92(昇圧モードでの入力側導電路)を介して入力される入力電力Pbと第1導電路91(昇圧モードでの出力側導電路)を介して出力される出力電力Paとの差である損失差(Pb−Pa)を算出する損失差算出処理を継続的に繰り返し行う。具体的には、判定部12Cは、電圧検出部22によって検出される入力電圧Vbと電流検出部32によって検出される入力電流Ibとに基づいてPb=Vb×Ibの式により入力電力Pbを求め、電圧検出部21によって検出される出力電圧Vaと電流検出部31によって検出される出力電流Iaとに基づいてPa=Va×Iaの式により出力電力Paを求め、これら入力電力Pb及び出力電力Paの差である損失差(Pb−Pa)を算出するように損失差算出処理を行う。そして、このような損失差算出処理を昇圧モード中に繰り返し行い、いずれかの損失差算出処理で得られた損失差(Pb−Pa)が許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲を外れる場合に異常と判定する。
判定部12Cは、降圧モード中でも、昇圧モード中でも、上述の異常判定において異常と判定した場合、所定の異常対応処理を行う。異常対応処理としては、上位の情報処理装置に対して異常である旨の情報を送信する等の所定の報知処理を行ってもよく、電圧変換部6の動作を強制的に停止させる強制停止処理を行ってもよい。
次に、本構成の効果を例示する。
上述した異常検出装置10では、許容範囲設定部12Bが、電圧検出部20によって検出された電圧及び電流検出部30によって検出された電流に基づいて許容範囲を設定する。このようにすれば、異常判定で用いる「許容範囲」を、電圧変換部6の入力状態及び出力状態に合わせて変更することができるようになり、実際の動作状況に応じた適切な許容範囲を設定しやすくなる。
更に、許容範囲設定部12Bは、温度検出部40によって検出された温度に基づいて許容範囲を設定する。このようにすれば、異常判定で用いる「許容範囲」を、車両内の所定位置の温度に合わせて変更することができるようになり、実際の温度状況に応じた適切な許容範囲を設定しやすくなる。
許容範囲設定部12Bは、温度検出部40によって検出された温度Tが大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を大きくするように許容範囲を設定する。電源装置1は、温度が大きくなるほど損失がばらつきやすいため、温度検出部40によって検出される温度が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を大きくするように許容範囲を設定すれば、損失のばらつきの傾向に合わせた大きさで許容範囲を設定しやすくなる。
温度検出部40は、電圧変換部6を構成する部品が実装される基板に実装される温度センサによって構成されている。このようにすれば、電圧変換部6を構成するいずれかの部品の温度又はそれに近い温度を温度センサによって検出することができ、電圧変換部6の温度に合わせて許容範囲を設定することができる。
判定部12Cは、入力側導電路を介して入力される入力電力と出力側導電路を介して出力される出力電力との差が、許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲を外れる場合に異常と判定する。このようにすれば、電圧変換動作で生じる損失が許容範囲を外れるような事態が生じた場合に異常と判定することができる。
許容範囲設定部12Bは、出力電流検出部によって検出される出力電流が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を小さくするように許容範囲を設定する。電源装置1は、出力電流が大きいほど異常が生じた場合の影響が大きくなるため、出力電流検出部によって検出される出力電流が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を小さくするように許容範囲を設定すれば、出力電流が相対的に小さい場合には許容度合いを大きくして動作継続を優先させることができ、出力電流が相対的に大きい場合には保護を優先することができる。
許容範囲設定部12Bは、入力電圧検出部によって検出される入力電圧が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を大きくするように許容範囲を設定する。電源装置1は、入力電圧が大きくなるほど損失がばらつきやすいため、入力電圧検出部によって検出される入力電圧が大きくなるほど上限閾値と下限閾値との差を大きくするように許容範囲を設定すれば、損失のばらつきの傾向に合わせた大きさで許容範囲を設定しやすくなる。
<実施例2>
次に、実施例2について説明する。
実施例2は、許容範囲設定部による許容範囲の設定方法のみが実施例1と異なり、この点以外は実施例1と同様である。よって、以下の説明では、実施例1と異なる部分について重点的に説明する。なお、実施例2でもハードウェア構成は図1と同様であるため、適宜図1を参照する。
まず、実施例2の車載用電源装置1(図1)が降圧モードで動作する場合について説明する。なお、降圧モード中の電圧変換部6の動作は実施例1と同様であるため、電圧変換部6の動作の詳細な説明は省略し、以下では、降圧モード中の異常判定について詳述する。
図1で示す許容範囲設定部12Bは、降圧モードでの動作中に、電圧検出部20によって検出された電圧と、電流検出部30によって検出された電流と、温度検出部40によって検出された温度と、に基づいて許容範囲を設定する。具体的には、温度検出部40によって検出される温度と、電流検出部32(降圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Ibと、電圧検出部21(降圧モードでの入力電圧検出部)によって検出される入力電圧Vaと、電圧検出部22(降圧モードでの出力電圧検出部)によって検出される出力電圧Vbとに基づいて許容範囲を定める降圧用の設定データ(図8のようなテーブルデータ)が用意されており、許容範囲設定部12Bはこの設定データに従って許容範囲を設定する。許容範囲設定部12Bで用いる設定データは、例えば、図7(A)、図7(B)のように、検出デューティ毎に許容範囲を定めるためのデータが用意されており、図7(A)では、検出デューティがDa1のときに出力電流と検出温度とに基づいて許容範囲を定めるテーブルデータを例示している。また、図7(B)では、検出デューティがDa2のときに出力電流と検出温度とに基づいて許容範囲を定めるテーブルデータを例示している。なお、降圧モードのときの検出デューティDaは、入力電圧Vaと出力電圧Vbとに基づいてDa=Vb/Vaで定義される値とする。
図7(A)は、検出デューティがDa1のときのテーブルデータであり、このテーブルデータを用いる場合、例えば、出力電流がIb1であり、温度がT3であれば、a113のデータで定められる許容範囲が用いられる。a111、a112、a113等のデータ(許容範囲を定めるデータ)はいずれも、入力電力Paと出力電力Pbとの差(Pa−Pb)の上限閾値と下限閾値とを定めており、例えば、a113のデータで許容範囲が定められる場合、入力電力Paと出力電力Pbとの差である損失差(Pa−Pb)がa113のデータの上限閾値を超える場合に許容範囲を外れたと判定されることになり、損失差(Pa−Pb)がa113のデータの下限閾値を下回る場合にも許容範囲を外れたと判定されることになる。
許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図8)では、図7(A)(B)のようなテーブルデータが検出デューティの値毎に用意されており、図8のように複数のテーブルデータの集合をなしている。許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図8)は、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲を大きくするように許容範囲を定めており、電流検出部32(降圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Ibが大きくなるほど許容範囲を小さくするように許容範囲を定めている。より具体的には、図8で示す降圧用の設定データは、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり且つ許容範囲の下限閾値が小さくなるようなデータ構成となっている。この設定データは、例えば、所定のデューティ範囲及び所定の出力電流範囲において検出デューティDa及び出力電流Ibがどのような組み合わせであっても、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど、許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、所定の温度範囲及び上記デューティ範囲において、温度検出部40によって検出される温度T及びデューティDaがどのような組み合わせであっても、電流検出部32(降圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Ibが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が小さくなり、許容範囲の下限閾値が大きくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。
降圧モードでの動作中に異常判定を行う場合、許容範囲設定部12Bは、降圧モードでの動作中(電圧変換中)に、第1導電路91(降圧モードでの入力側導電路)に印加される入力電圧Vaと、第2導電路92(降圧モードでの出力側導電路)に印加される出力電圧Vbと、第2導電路92(降圧モードでの出力側導電路)を流れる出力電流Ibと、温度検出部40の位置の温度Tと、を示す情報を、電圧検出部20、電流検出部32、温度検出部40からそれぞれ取得する。そして、上述の降圧用の設定データ(図8)の中から、検出デューティDa(Da=Vb/Va)、出力電流Ib、温度Tに対応する許容範囲を選定する。なお、検出デューティDa、出力電流Ib、温度Tのいずれかに該当するデータが無い場合、最も近いデータを採用してもよく、公知の補間処理を用いてもよい。例えば、降圧用の設定データ(図8)において、検出デューティDaに該当するデータが無い場合、降圧用の設定データ(図8)に含まれるデューティの候補の中から、検出デューティDaに最も近い値を選択してもよい。なお、許容範囲設定部12Bは、このような許容範囲設定処理を降圧モード中に1回のみ行い、得られた許容範囲を降圧モード中に使い続けてもよく、上述の許容範囲設定処理を降圧モード中に繰り返し、新たな許容範囲が得られる毎に使用する許容範囲(判定部12Cに用いられる許容範囲)を更新してもよい。
判定部12Cは、第1導電路91(降圧モードでの入力側導電路)を介して入力される入力電力Paと第2導電路92(降圧モードでの出力側導電路)を介して出力される出力電力Pbとの差である損失差(Pa−Pb)を算出する損失差算出処理を継続的に繰り返し行う。損失差(Pa−Pb)の算出方法は、実施例1と同様である。そして、このような損失差算出処理を降圧モード中に繰り返し行い、いずれかの損失差算出処理で得られた損失差(Pa−Pb)が許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲を外れる場合に異常と判定する。
例えば、降圧モード中に電圧検出部20によって検出された入力電圧Va及び出力電圧Vbに基づいて得られるデューティDaがDa2であり、電流検出部32によって検出された出力電流IbがIb4であり、温度検出部40によって検出された温度TがT4である場合、許容範囲設定部12Bは、図7(B)のようなテーブルデータに基づき、デューティDa2、出力電流Ib4、検出温度T4に対応するデータa244によって許容範囲を特定する。判定部12Cは、上述の方法により損失差(Pa−Pb)を算出する損失差算出処理を継続的に繰り返し、損失差(Pa−Pb)がデータa244で定められる上限閾値を超える事態が発生した場合には異常と判定する。また、判定部12Cは、損失差(Pa−Pb)がデータa244で定められる下限閾値を下回る事態が発生した場合にも異常と判定する。一方、判定部12Cは、降圧モード中(降圧モードの開始から他のモードに切り替わるまでの間)に損失差(Pa−Pb)がデータa244で定められる上限閾値以下且つ下限閾値以上で維持される場合、その降圧モードでは異常と判定しない。
次に、昇圧モードでの動作について説明する。なお、昇圧モード中の電圧変換部6の動作は実施例1と同様であるため、電圧変換部6の動作の詳細な説明は省略し、以下では、昇圧モード中の異常判定について詳述する。
図1で示す許容範囲設定部12Bは、昇圧モードでの動作中に、電圧検出部20によって検出された電圧と、電流検出部30によって検出された電流と、温度検出部40によって検出された温度と、に基づいて許容範囲を設定する。具体的には、温度検出部40によって検出される温度と、電流検出部31(昇圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Iaと、電圧検出部22(昇圧モードでの入力電圧検出部)によって検出される入力電圧Vaと、電圧検出部21(昇圧モードでの出力電圧検出部)によって検出される出力電圧Vbとに基づいて許容範囲を定める昇圧用の設定データ(図10のようなテーブルデータ)が用意されており、許容範囲設定部12Bはこの設定データに従って許容範囲を設定する。許容範囲設定部12Bで用いる設定データは、例えば、図9(A)、図9(B)のように、検出デューティ毎に許容範囲を定めるためのデータが用意されており、図9(A)では、検出デューティDbがDb1のときに出力電流Iaと検出温度Tとに基づいて許容範囲を定めるテーブルデータを例示している。また、図9(B)では、検出デューティDbがDb2のときに出力電流Iaと検出温度Tとに基づいて許容範囲を定めるテーブルデータを例示している。なお、昇圧モードのときの検出デューティDbは、入力電圧Vbと出力電圧Vaとに基づいてDb=(1−Vb/Va)で定義される値とする。
図9(A)は、検出デューティがDb1のときのテーブルデータであり、このテーブルデータを用いる場合、例えば、出力電流がIa1であり、温度がT3であれば、b113のデータで定められる許容範囲が用いられる。b111、b112、b113等のデータ(許容範囲を定めるデータ)はいずれも、入力電力Pbと出力電力Paとの差(Pb−Pa)の上限閾値と下限閾値とを定めており、例えば、b113のデータで許容範囲が定められる場合、入力電力Pbと出力電力Paとの差である損失差(Pb−Pa)がb113のデータの上限閾値を超える場合に許容範囲を外れたと判定されることになり、損失差(Pb−Pa)がb113のデータの下限閾値を下回る場合にも許容範囲を外れたと判定されることになる。
許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図10)では、図9(A)(B)のようなテーブルデータが検出デューティの値毎に用意されており、図10のように複数のテーブルデータの集合をなしている。許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図10)は、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲を大きくするように許容範囲を定めており、電流検出部32(昇圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Iaが大きくなるほど許容範囲を小さくするように許容範囲を定めている。より具体的には、図10で示す昇圧用の設定データは、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり且つ許容範囲の下限閾値が小さくなるようなデータ構成となっている。この設定データは、例えば、所定のデューティ範囲及び所定の出力電流範囲において検出デューティDb及び出力電流Iaがどのような組み合わせであっても、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど、許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、所定の温度範囲及び上記デューティ範囲において、温度検出部40によって検出される温度T及びデューティDbがどのような組み合わせであっても、電流検出部32(昇圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Iaが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が小さくなり、許容範囲の下限閾値が大きくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。
昇圧モードでの動作中に異常判定を行う場合、許容範囲設定部12Bは、昇圧モードでの動作中(電圧変換中)に、第2導電路92(昇圧モードでの入力側導電路)に印加される入力電圧Vbと、第1導電路91(昇圧モードでの出力側導電路)に印加される出力電圧Vaと、第1導電路91(昇圧モードでの出力側導電路)を流れる出力電流Iaと、温度検出部40の位置の温度Tと、を示す情報を、電圧検出部20、電流検出部31、温度検出部40からそれぞれ取得する。そして、上述の昇圧用の設定データ(図10)の中から、検出デューティDb(Db=1−Vb/Va)、出力電流Ia、温度Tに対応する許容範囲を選定する。なお、検出デューティDb、出力電流Ia、温度Tのいずれかに該当するデータが無い場合、最も近いデータを採用してもよく、公知の補間処理を用いてもよい。例えば、昇圧用の設定データ(図10)において、検出デューティDbに該当するデータが無い場合、昇圧用の設定データ(図10)に含まれるデューティの候補の中から、検出デューティDbに最も近い値を選択してもよい。なお、許容範囲設定部12Bは、このような許容範囲設定処理を昇圧モード中に1回のみ行い、得られた許容範囲を昇圧モード中に使い続けてもよく、上述の許容範囲設定処理を昇圧モード中に繰り返し、新たな許容範囲が得られる毎に使用する許容範囲(判定部12Cに用いられる許容範囲)を更新してもよい。
判定部12Cは、第2導電路92(昇圧モードでの入力側導電路)を介して入力される入力電力Pbと第1導電路91(昇圧モードでの出力側導電路)を介して出力される出力電力Paとの差である損失差(Pb−Pa)を算出する損失差算出処理を継続的に繰り返し行う。損失差(Pb−Pa)の算出方法は、実施例1と同様である。そして、このような損失差算出処理を昇圧モード中に繰り返し行い、いずれかの損失差算出処理で得られた損失差(Pb−Pa)が許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲を外れる場合に異常と判定する。例えば、昇圧モード中に電圧検出部20によって検出された入力電圧Vb及び出力電圧Vaに基づいて得られるデューティDbがDb2であり、電流検出部32によって検出された出力電流IaがIa4であり、温度検出部40によって検出された温度TがT4である場合、許容範囲設定部12Bは、図9(B)のようなテーブルデータに基づき、デューティDb2、出力電流Ia4、検出温度T4に対応するデータb244によって許容範囲を特定する。判定部12Cは、上述の方法により損失差(Pb−Pa)を算出する損失差算出処理を継続的に繰り返し、損失差(Pb−Pa)がデータb244で定められる上限閾値を超える事態が発生した場合には異常と判定する。また、判定部12Cは、損失差(Pb−Pa)がデータb244で定められる下限閾値を下回る事態が発生した場合にも異常と判定する。一方、判定部12Cは、昇圧モード中(昇圧モードの開始から他のモードに切り替わるまでの間)に損失差(Pb−Pa)がデータb244で定められる上限閾値以下且つ下限閾値以上で維持される場合、その昇圧モードでは異常と判定しない。
判定部12Cは、降圧モード中でも、昇圧モード中でも、上述の異常判定において異常と判定した場合、所定の異常対応処理を行う。異常対応処理としては、上位の情報処理装置に対して異常である旨の情報を送信する等の所定の報知処理を行ってもよく、電圧変換部6の動作を強制的に停止させる強制停止処理を行ってもよい。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1では、入力電力と出力電力との差が許容範囲を外れる場合に異常と判定する例を示したが、入力電力と出力電力との比が許容範囲を外れる場合に異常と判定するように構成してもよい。また、実施例1では、許容範囲を定めるための設定データとしてテーブルデータを用いたが、許容範囲を定めるための演算式を用いてもよい。図11、図12は、このような例に関する説明図であり、図11(A)は、入力電圧VaがVa1のときの許容範囲と出力電流との関係(具体的には、上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係)を温度別に示している。また、図11(B)では、入力電圧VaがVa1よりも小さいVa2のときの許容範囲と出力電流との関係(上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係)を温度別に示している。この場合、許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図12)は、図11(A)(B)のような関係を定めるデータが入力電圧の値毎に用意されており、図12のように複数の演算式データの集合をなしている。
なお、以下の説明は、上述の降圧モードでも、上述の昇圧モードでの適用することができ、以下の説明では、電圧変換部6に入力される入力電力をP1とし、電圧変換部6から出力される出力電力をP2とする。
図11、図12の例では、「上限閾値」は、電圧変換部6における入力電力P1に対する出力電力P2の比P2/P1(効率)の上限値であり、「下限閾値」は、上記比P2/P1(効率)の下限値である。なお、図11、図12では、各々のグラフにおいて、温度がT1のときの上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係を示す曲線と、温度がT2のときの上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係を示す曲線とを示しているが、実際には入力電圧毎に用意される各グラフにおいて、上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係を温度毎に示すデータ(図11、図12における曲線Z11、Z12、Z21、Z22、Z31、Z32、Z41、Z42の演算式のデータ)が多数の温度に関してそれぞれ用意されている。
図11(A)、図12では、入力電圧がVa1且つ温度がT1のときの上限閾値と出力電流との関係を曲線Z11で示しており、入力電圧がVa1且つ温度がT1のときの下限閾値と出力電流との関係を曲線Z12で示している。つまり、入力電圧がVa1であり、温度検出部40の検出温度がT1である場合、出力電流と上限閾値との関係は曲線Z11を示す演算式(曲線Z11のように出力電流(変数)と上限閾値(変数)との関係を定めた演算式)によって特定され、出力電流と下限閾値との関係は曲線Z12を示す演算式(曲線Z12のように出力電流(変数)と下限閾値(変数)との関係を定めた演算式)によって特定される。同様に、入力電圧Va1且つ温度T2のときの上限閾値と出力電流との関係を曲線Z21で示しており、入力電圧Va1且つ温度T2のときの下限閾値と出力電流との関係を曲線Z22で示している。また、図11(B)では、入力電圧Va2且つ温度T1のときの上限閾値と出力電流との関係を曲線Z31で示しており、入力電圧Va2且つ温度T1のときの下限閾値と出力電流との関係を曲線Z32で示している。また、入力電圧Va2且つ温度T2のときの上限閾値と出力電流との関係を曲線Z41で示しており、入力電圧Va2且つ温度T2のときの下限閾値と出力電流との関係を曲線Z42で示している。このように、入力電圧と温度との組み合わせ毎に、上限閾値と出力電流との関係を示す演算式のデータ及び下限閾値と出力電流との関係を示す演算式のデータが用意されており、入力電圧、温度、出力電流が決まれば、上限閾値と下限閾値とを特定できるようになっている。
図12で示す設定データは、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり且つ許容範囲の下限閾値が小さくなるようなデータ構成となっている。この設定データは、例えば、所定の入力電圧範囲及び所定の出力電流範囲において入力電圧Va及び出力電流Ibがどのような組み合わせであっても、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど、許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、所定の温度範囲及び上記入力電圧範囲において、温度検出部40によって検出される温度T及び入力電圧Vaがどのような組み合わせであっても、電流検出部32(降圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Ibが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が小さくなり、許容範囲の下限閾値が大きくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、上記温度範囲及び上記出力電流範囲において温度検出部40によって検出される温度T及び出力電流Ibがどのような組み合わせであっても、入力電圧Vaが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。
この例では、判定部12Cは、降圧モード又は昇圧モードの実行中に、入力側導電路を介して入力される入力電力P1と出力側導電路を介して出力される出力電力P2との比P2/P1(効率)を算出する効率算出処理を継続的に繰り返し行う。そして、いずれかの効率算出処理で得られた効率(P2/P1)が許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲を外れる場合に異常と判定する。
例えば、降圧モード中に異常判定を行う場合において、図11(A)のように入力電圧がVa1であり、出力電流がIb1(100A)であり、温度TがT2である場合、上限閾値はX1となり、下限閾値はX2となる。このような例では、効率算出処理で得られた効率(P2/P1)が上限閾値X1を超える場合に異常と判定され、効率(P2/P1)が下限閾値X2未満である場合に異常と判定される。
図11、図12のような例に代えて、図13、図14のような例としてもよい。図13(A)は、検出デューティDaがDa1のときの許容範囲と出力電流との関係(具体的には、上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係)を温度別に示している。また、図13(B)では、検出デューティDaがDa2のときの許容範囲と出力電流との関係(上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係)を温度別に示している。この場合、許容範囲設定部12Bで用いられる設定データ(図14)は、図13(A)(B)のような関係を定めるデータが検出デューティの値毎に用意されており、図14のように複数の演算式データの集合をなしている。
なお、以下の説明は、上述の降圧モードでも、上述の昇圧モードでの適用することができ、以下の説明では、電圧変換部6に入力される入力電力をP1とし、電圧変換部6から出力される出力電力をP2とする。
図13、図14の例では、「上限閾値」は、電圧変換部6における入力電力P1に対する出力電力P2の比P2/P1(効率)の上限値であり、「下限閾値」は、上記比P2/P1(効率)の下限値である。なお、図13、図14では、各々のグラフにおいて、温度がT1のときの上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係を示す曲線と、温度がT2のときの上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係を示す曲線とを示しているが、実際には入力電圧毎に用意される各グラフにおいて、上限閾値及び下限閾値と出力電流との関係を温度毎に示すデータ(図13、図14における曲線z11、z12、z21、z22、z31、z32、z41、z42の演算式のデータ)が多数の温度に関してそれぞれ用意されている。
図13(A)、図14では、検出デューティがDa1且つ温度がT1のときの上限閾値と出力電流との関係を曲線z11で示しており、検出デューティがDa1且つ温度がT1のときの下限閾値と出力電流との関係を曲線z12で示している。つまり、検出デューティがDa1であり、温度検出部40の検出温度がT1である場合、出力電流と上限閾値との関係は曲線z11を示す演算式(曲線z11のように出力電流(変数)と上限閾値(変数)との関係を定めた演算式)によって特定され、出力電流と下限閾値との関係は曲線z12を示す演算式(曲線z12のように出力電流(変数)と下限閾値(変数)との関係を定めた演算式)によって特定される。同様に、検出デューティDa1且つ温度T2のときの上限閾値と出力電流との関係を曲線z21で示し、検出デューティDa1且つ温度T2のときの下限閾値と出力電流との関係を曲線z22で示し、検出デューティDa2且つ温度T1のときの上限閾値と出力電流との関係を図13(B)の曲線z31で示し、検出デューティDa2且つ温度T1のときの下限閾値と出力電流との関係を曲線z32で示し、検出デューティDa2且つ温度T2のときの上限閾値と出力電流との関係を曲線z41で示し、検出デューティDa2且つ温度T2のときの下限閾値と出力電流との関係を曲線z42で示している。このように、検出デューティと温度との組み合わせ毎に、上限閾値と出力電流との関係を示す演算式のデータ及び下限閾値と出力電流との関係を示す演算式のデータが用意されており、検出デューティ、温度、出力電流が決まれば、上限閾値と下限閾値とを特定できるようになっている。
図14で示す設定データは、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が大きくなり且つ許容範囲の下限閾値が小さくなるようなデータ構成となっている。この設定データは、例えば、所定のデューティ範囲及び所定の出力電流範囲において検出デューティDa及び出力電流Ibがどのような組み合わせであっても、温度検出部40によって検出される温度Tが大きくなるほど、許容範囲の上限閾値が大きくなり、許容範囲の下限閾値が小さくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。更に、この設定データは、所定の温度範囲及び上記デューティ範囲において、温度検出部40によって検出される温度T及び検出デューティDaがどのような組み合わせであっても、電流検出部32(降圧モードでの出力電流検出部)によって検出される出力電流Ibが大きくなるほど許容範囲の上限閾値が小さくなり、許容範囲の下限閾値が大きくなるように許容範囲を設定するデータとなっている。
この例でも、判定部12Cは、降圧モード又は昇圧モードの実行中に、入力側導電路を介して入力される入力電力P1と出力側導電路を介して出力される出力電力P2との比P2/P1(効率)を算出する効率算出処理を継続的に繰り返し行う。そして、いずれかの効率算出処理で得られた効率(P2/P1)が許容範囲設定部12Bで設定された許容範囲を外れる場合に異常と判定する。例えば、降圧モード中に異常判定を行う場合において、図13(A)のように検出デューティがDa1であり、出力電流がIb1(100A)であり、温度TがT2である場合、上限閾値はX1となり、下限閾値はX2となる。このような例では、効率算出処理で得られた効率(P2/P1)が上限閾値X1を超える場合に異常と判定され、効率(P2/P1)が下限閾値X2未満である場合に異常と判定される。
実施例1では、車載用電源装置の一例として双方向型の昇降圧DCDCコンバータを例示したが、実施例1又は実施例1を変更したいずれの例においても、降圧DCDCコンバータであってもよく、昇圧DCDCコンバータであってもよく、昇降圧DCDCコンバータであってもよい。また、実施例1のように入力側と出力側とを変更し得る双方向型のDCDCコンバータであってもよく、入力側と出力側が固定化された一方向型のDCDCコンバータであってもよい。
実施例1では、単相型のDCDCコンバータを例示したが、実施例1又は実施例1を変更したいずれの例においても、多相型のDCDCコンバータとしてもよい。
実施例1では、同期整流式のDCDCコンバータを例示したが、実施例1又は実施例1を変更したいずれの例においても、一部のスイッチング素子をダイオードに置き換えたダイオード方式のDCDCコンバータとしてもよい。
実施例1では、車載用電源装置のスイッチング素子として、Nチャネル型のMOSFETとして構成されるスイッチング素子S1,S2,S3,S4を例示したが、実施例1又は実施例1を変更したいずれの例においても、スイッチング素子は、Pチャネル型のMOSFETであってもよいし、バイポーラトランジスタ等の他のスイッチング素子であってもよい。
実施例1では、制御部12がマイクロコンピュータを主体として構成されていたが、施例1又は実施例1を変更したいずれの例においても、マイクロコンピュータ以外の複数のハードウェア回路によって実現されてもよい。
1…車載用電源装置
6…電圧変換部
8…駆動部
10…車載用の異常検出装置
12…制御部
12A…演算部
12B…許容範囲設定部
12C…判定部
20…電圧検出部
21…電圧検出部(入力電圧検出部、出力電圧検出部)
22…電圧検出部(入力電圧検出部、出力電圧検出部)
30…電流検出部
31…電流検出部(入力電流検出部、出力電圧検出部)
32…電流検出部(入力電流検出部、出力電圧検出部)
40…温度検出部
91…第1導電路(入力側導電路、出力側導電路)
92…第2導電路(入力側導電路、出力側導電路)
S1,S2,S3,S4…スイッチング素子

Claims (8)

  1. オン信号とオフ信号とが交互に切り替わる制御信号が与えられることに応じてオンオフ動作するスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオンオフ動作により入力側導電路に印加された電圧を昇圧又は降圧して出力側導電路に出力する電圧変換部と、
    前記入力側導電路に印加される入力電圧を検出する入力電圧検出部と、前記出力側導電路に印加される出力電圧を検出する出力電圧検出部とを含む電圧検出部と、
    前記入力側導電路を流れる入力電流を検出する入力電流検出部と、前記出力側導電路を流れる出力電流を検出する出力電流検出部とを含む電流検出部と、
    少なくとも前記出力電圧検出部によって検出された前記出力電圧に基づいて前記出力側導電路の電圧を目標電圧値に近づけるように前記制御信号のデューティを算出するフィードバック演算を繰り返す演算部と、
    前記演算部で算出されるデューティの前記制御信号を前記スイッチング素子に対して出力する駆動部と、
    を備えた車載用電源装置の異常を検出する異常検出装置であって、
    異常判定に用いる許容範囲を設定する許容範囲設定部と、
    前記入力側導電路を介して前記電圧変換部に入力される入力電力と、前記電圧変換部から前記出力側導電路を介して出力される出力電力と、前記許容範囲設定部で設定された前記許容範囲とに基づいて異常を判定する判定部と、
    を有し、
    前記許容範囲設定部は、前記電圧検出部によって検出された電圧、又は前記電流検出部によって検出された電流、のうちの少なくともいずれかに基づいて前記許容範囲を設定する車載用電源装置の異常検出装置。
  2. オン信号とオフ信号とが交互に切り替わる制御信号が与えられることに応じてオンオフ動作するスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオンオフ動作により入力側導電路に印加された電圧を昇圧又は降圧して出力側導電路に出力する電圧変換部と、
    前記入力側導電路に印加される入力電圧を検出する入力電圧検出部と、前記出力側導電路に印加される出力電圧を検出する出力電圧検出部とを含む電圧検出部と、
    前記入力側導電路を流れる入力電流を検出する入力電流検出部と、前記出力側導電路を流れる出力電流を検出する出力電流検出部とを含む電流検出部と、
    車両内の所定位置の温度を検出する温度検出部と、
    少なくとも前記出力電圧検出部によって検出された前記出力電圧に基づいて前記出力側導電路の電圧を目標電圧値に近づけるように前記制御信号のデューティを算出するフィードバック演算を繰り返す演算部と、
    前記演算部で算出されるデューティの前記制御信号を前記スイッチング素子に対して出力する駆動部と、
    を備えた車載用電源装置の異常を検出する異常検出装置であって、
    異常判定に用いる許容範囲を設定する許容範囲設定部と、
    前記入力側導電路を介して前記電圧変換部に入力される入力電力と、前記電圧変換部から前記出力側導電路を介して出力される出力電力と、前記許容範囲設定部で設定された前記許容範囲とに基づいて異常を判定する判定部と、
    を有し、
    前記許容範囲設定部は、少なくとも前記温度検出部によって検出された温度に基づいて前記許容範囲を設定する車載用電源装置の異常検出装置。
  3. 前記許容範囲設定部は、前記温度検出部によって検出された温度が大きくなるほど前記許容範囲の上限閾値と下限閾値との差を大きくするように前記許容範囲を設定する請求項2に記載の車載用電源装置の異常検出装置。
  4. 前記温度検出部は、前記電圧変換部を構成する部品が実装される基板に実装される温度センサからなる請求項2又は請求項3に記載の車載用電源装置の異常検出装置。
  5. 前記判定部は、前記入力側導電路を介して入力される前記入力電力と前記出力側導電路を介して出力される前記出力電力との差が、前記許容範囲設定部で設定された前記許容範囲を外れる場合に異常と判定する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車載用電源装置の異常検出装置。
  6. 前記許容範囲設定部は、前記出力電流検出部によって検出される前記出力電流が大きくなるほど前記許容範囲の上限閾値と下限閾値との差を小さくするように前記許容範囲を設定する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車載用電源装置の異常検出装置。
  7. 前記許容範囲設定部は、前記入力電圧検出部によって検出される前記入力電圧が大きくなるほど前記許容範囲の上限閾値と下限閾値との差を大きくするように前記許容範囲を設定する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車載用電源装置の異常検出装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の異常検出装置と、前記電圧変換部と、前記入力電圧検出部と、前記出力電圧検出部と、前記入力電流検出部と、前記出力電流検出部と、前記演算部と、前記駆動部と、を備える車載用電源装置。
JP2018017850A 2018-02-05 2018-02-05 車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置 Pending JP2019135887A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018017850A JP2019135887A (ja) 2018-02-05 2018-02-05 車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置
PCT/JP2019/000810 WO2019150921A1 (ja) 2018-02-05 2019-01-15 車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018017850A JP2019135887A (ja) 2018-02-05 2018-02-05 車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019135887A true JP2019135887A (ja) 2019-08-15

Family

ID=67479680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018017850A Pending JP2019135887A (ja) 2018-02-05 2018-02-05 車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2019135887A (ja)
WO (1) WO2019150921A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021035247A (ja) * 2019-08-28 2021-03-01 株式会社オートネットワーク技術研究所 Dcdcコンバータ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006318354A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Funai Electric Co Ltd 電子機器及び電源制御装置
JP2007221880A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Hitachi Ltd 電源装置、電源システム、および電子装置
JP6645356B2 (ja) * 2016-05-20 2020-02-14 株式会社オートネットワーク技術研究所 電圧変換装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021035247A (ja) * 2019-08-28 2021-03-01 株式会社オートネットワーク技術研究所 Dcdcコンバータ
WO2021039356A1 (ja) * 2019-08-28 2021-03-04 株式会社オートネットワーク技術研究所 Dcdcコンバータ
JP7427159B2 (ja) 2019-08-28 2024-02-05 株式会社オートネットワーク技術研究所 Dcdcコンバータ
US11967889B2 (en) 2019-08-28 2024-04-23 Autonetworks Technologies, Ltd. DC-DC converter having charge pump circuit for determining operation timing

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019150921A1 (ja) 2019-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10811973B2 (en) Vehicle-mounted DC-DC converter
JP6232935B2 (ja) 電源装置及び電源装置の異常判定方法
US10476391B2 (en) Voltage converting device
JP5929943B2 (ja) 電力変換装置及び電力変換方法
US11005471B2 (en) Signal generating circuit and power supply device
CN110402534B (zh) 车辆用电源装置
US11121630B2 (en) In-vehicle DC-DC converter
JP2015149870A (ja) 電力変換装置及び電力変換方法
JP5935789B2 (ja) 電力変換装置及び電力変換方法
US11707997B2 (en) In-vehicle DC-DC converter
WO2020044946A1 (ja) スイッチの駆動装置
WO2019150921A1 (ja) 車載用電源装置の異常検出装置及び車載用電源装置
JP2011160565A (ja) スイッチング電源装置
JP2013110837A (ja) 電源システム
US11283359B2 (en) Synchronous rectification DC-DC converter and switching power supply device
JP2015201937A (ja) 電圧変換装置
US11476750B2 (en) Vehicle power supply device with charge circuit section
KR20210122618A (ko) 직류-직류 컨버터
JP6793783B1 (ja) 電力変換回路の制御装置
JP4793433B2 (ja) 電圧変換装置
JP2008099539A (ja) スイッチング電源装置
JP2023048486A (ja) 電圧変換回路
JP2022014363A (ja) Dc-dcコンバータ
JP2016127695A (ja) モータ駆動装置及びパワーステアリング装置