JP2019132713A - 速度算出装置、速度算出方法、及び、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】GNSS受信機と外界センサとを用いることで、様々な環境において高精度に速度を算出する。【解決手段】速度算出装置は、信号を受信可能な衛星を検出するとともに、地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する。そして、速度算出装置は、信号を受信可能な衛星から遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて移動体の速度を算出する。【選択図】図10
Description
本発明は、移動体の速度を算出する技術に関する。
ナビゲーション装置を搭載した車両では、車速センサやGNSS(GPS)受信機などを用いて車両の速度を検出している。GNSS受信機を用いた速度検出方法は、ドップラーシフトもしくは位置の差分を算出することで速度を求めている。
また、近年では、ライダ(LiDAR:Light Detection And Ranging)などの外界センサを用いて車両の速度を検出する方法が提案されている。外界センサを用いた速度算出方法は、外界センサにより認識した同一対象物に対する距離変化により速度を算出している。外界センサを用いた速度算出方法の一例が特許文献1に記載されている。
GNSS受信機を用いた速度検出方法は、観測した値を用いて速度を算出するため、車両の環境や挙動によって精度が低下する。具体的には、衛星からの電波の受信状況が悪い場合や、車両の加減速が大きい場合(特に低速度域において)には観測した値の精度の低下に伴い、速度の検出精度が低下する。この点を改善するために、慣性航法装置(IMU:Inertial Measurement Unit)と組み合わせることで実際の加減速などのダイナミクスの補正を行うようなシステムも提案されているが、実際の測位環境が悪い場合に応じた補正などは行えていなかった。一方、外界センサを用いた速度算出方法では、車両の周辺に対象物が存在しない場合には、速度算出自体が行えていなかった。
本発明の解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、GNSS受信機と外界センサとを用いることで、様々な環境において高精度に速度を算出することが可能な速度算出装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、速度算出装置であって、信号を受信可能な衛星を検出する検出手段と、地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定手段と、前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出手段と、を備える。
請求項7に記載の発明は、速度算出装置により実行される速度算出方法であって、信号を受信可能な衛星を検出する検出工程と、地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定工程と、前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出工程と、を備える。
請求項8に記載の発明は、コンピュータを備える速度算出装置により実行されるプログラムであって、信号を受信可能な衛星を検出する検出手段、地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定手段、前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出手段、として前記コンピュータを機能させる。
本発明の1つの好適な実施形態では、速度算出装置は、信号を受信可能な衛星を検出する検出手段と、地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定手段と、前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出手段と、を備える。
上記の速度算出装置は、信号を受信可能な衛星を検出するとともに、地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する。そして、速度算出装置は、信号を受信可能な衛星から遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて移動体の速度を算出する。これにより、衛星からの信号に基づいて、移動体の速度を高精度で算出することができる。
上記の速度算出装置の一態様では、前記速度算出手段は、前記信号を受信する受信機に対する前記衛星の仰角、及び、前記衛星の方向に存在する地物と前記検出装置との距離に基づき、前記遮蔽されている衛星を特定する。この態様では、受信機と衛星との位置関係、及び、地物と検出装置との位置関係に基づいて、遮蔽されている衛星が検出される。
この場合の好適な例では、前記検出装置は、2次元走査により前記地物を検出し、前記速度算出手段は、地図情報から取得した前記地物の高さを用いて、前記衛星が前記地物により遮蔽されているか否かを検出する。また、他の好適な例では、前記検出装置は、3次元走査により前記地物を検出し、前記速度算出手段は、前記検出装置が地物の最上部を検出した際の走査方向の仰角と、前記衛星の仰角とを用いて、前記衛星が前記地物により遮蔽されているか否かを判定する。
上記の速度算出装置の他の一態様は、地物を検出する検出装置の出力に基づいて、移動体の速度を算出する第1算出手段を備え、前記速度算出手段は、前記正常に信号を受信した衛星の数に基づいて、前記衛星からの信号に基づいて算出した速度と、前記第1算出手段が算出した速度を重み付けし、前記移動体の速度を算出する。この態様では、衛星からの信号に基づいて算出された速度と、検出装置の出力に基づいて算出された速度との重み付け加算により、移動体の速度が算出される。この場合、好適には、前記速度算出手段は、前記正常に信号を受信可能な衛星の数が多いほど、前記衛星からの信号に基づいて算出した速度の重みを大きくする。
本発明の他の好適な実施形態では、速度算出装置により実行される速度算出方法は、信号を受信可能な衛星を検出する検出工程と、地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定工程と、前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出工程と、を備える。この方法によっても、衛星からの信号に基づいて、移動体の速度を高精度で算出することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、コンピュータを備える速度算出装置により実行されるプログラムは、信号を受信可能な衛星を検出する検出手段、地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定手段、前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出手段、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することより、上記の速度算出装置を実現することができる。このプログラムは、記憶媒体に記憶して取り扱うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[速度算出装置の構成]
図1は、本発明の実施例に係る速度算出装置の構成を示す。速度算出装置1は、車両などの移動体に搭載され、その速度を算出する。図示のように、速度算出装置1には、GNSS受信機2、ライダ3及び速度センサ4が接続される。
[速度算出装置の構成]
図1は、本発明の実施例に係る速度算出装置の構成を示す。速度算出装置1は、車両などの移動体に搭載され、その速度を算出する。図示のように、速度算出装置1には、GNSS受信機2、ライダ3及び速度センサ4が接続される。
GNSS受信機2は、複数の衛星からの電波を受信して現在位置を測位する装置であり、アンテナ21と、GNSSデータ取得部22と、測位演算部23とを備える。アンテナ21は、複数の衛星からの電波を受信し、受信信号をGNSSデータ取得部22へ供給する。GNSSデータ取得部22は、衛星からの電波に基づいてGNSSデータDGを取得し、測位演算部23及び速度算出装置1へ供給する。GNSSデータDGは、電波を受信した各衛星との距離や各衛星の位置などを含むデータである。測位演算部23は、複数の衛星からのGNSSデータDGに基づいて車両の現在位置を算出し、速度算出装置1へ供給する。
ライダ3は、車両に搭載され、所定角度範囲にわたり出射光を走査するとともに、その出射光が対象物により反射されて得られる反射光を受信し、反射光に基づいて対象物を示す点群データであるライダデータDLを速度算出装置1へ供給する。本実施例においては、ライダ3は、2次元(2D)ライダであっても3次元(3D)ライダであってもよい。なお、2Dライダは出射光を水平面内で走査する装置であり、3Dライダは出射光の仰角を変化させつつ出射光を走査する装置である。
速度センサ4は、例えば車速センサ、加速度センサなどであり、センサデータDSを速度算出装置1へ供給する。
速度算出装置1は、GNSS受信機2からのGNSSデータDGと、ライダ3からのライダデータDLと、速度センサ4からのセンサデータDSとに基づいて、速度算出装置1が搭載された車両の速度を示す速度Vを出力する。具体的に、速度算出装置1は、速度算出部11と、地物特定部12と、速度算出部13、14と、地図データベース(以下、「データベース」を「DB」と記す。)15と、車両情報DB16と、状況判定部17と、速度決定部18とを備える。
速度算出部11は、GNSS受信機2の測位演算部23により生成された位置データに基づいて、車両の速度を算出する。具体的には、速度算出部11は、位置データが示す車両の現在位置の単位時間当りの移動量を速度として算出する。GNSS受信機2の出力に基づいて速度算出部11が生成した速度を「GNSS速度VG」と呼ぶ。速度算出部11は、GNSS速度VGを速度決定部18へ供給する。
地物特定部12は、地物の点群データであるライダデータDLに基づいて地物を特定し、地物の有無、地物までの距離、地物の角度(方位角、仰角)などを含む地物特定データDGOを算出して速度算出部13及び状況判定部17に供給する。なお、地物の特定は、地物の種類ごとに予め用意され、その地物の形状、サイズなどを示す形状パターンを用いて行われる。
速度算出部13は、地物特定データDGOに基づいて、車両1の速度を算出する。ライダ3からのライダデータDLに基づいて速度算出部13が算出した速度を「ライダ速度VL」と呼ぶ。速度算出部13は、ライダ速度VLを速度決定部18に供給する。
ここで、速度算出部13によるライダ速度VLの算出方法の一例について説明する。図2は、ライダ速度VLの算出方法を説明する図である。いま、走行中の車両に搭載されたライダが時刻T1と時刻T2のそれぞれにおいて2つの地物A、地物Bを検出したものとする。この場合、時刻T1における車両から地物Bまでの距離をLBとし、時刻T1における車両から地物を見た方位角をφBとし、時刻T2における車両から地物Bまでの距離をLB’とし、時刻T2における車両から地物を見た方位角をφB’とし、角度αをα=φB’−φBと定義すると、時刻T1から時刻T2までの車両の移動距離ΔDは、以下の式により与えられる。
よって、ライダ速度VLは、
VL=ΔD/(T2−T1) (1)
と得られる。なお、この速度算出方法は特許文献1に詳しく記載されている。
VL=ΔD/(T2−T1) (1)
と得られる。なお、この速度算出方法は特許文献1に詳しく記載されている。
速度算出部14は、速度センサ4から供給されるセンサデータDSに基づいて車両の速度を算出する。速度センサ4からのセンサデータDSに基づいて速度算出部14が算出した速度を「センサ速度VS」と呼ぶ。速度算出部14は、センサ速度VSを速度決定部18へ供給する。
地図DB15には、地図データが記憶されている。地図データは、建物などの地物の形状や高さなどを示す地物データを含んでいる。車両情報DB16には、速度算出装置1が搭載されている車両に関するデータが記憶されている。特に、車両情報DB16には、車両に搭載されたGNSS受信機2のアンテナ21の地面からの高さであるアンテナ高さが記憶されている。
状況判定部17は、車両が置かれている環境、車両の走行状態など(以下、「車両状況」と呼ぶ。)を検出する。具体的には、状況判定部17は、GNSS受信機2による衛星からの電波の受信状況、ライダ3による車両周辺の地物の検出状況、車両の加減速状況、車両の周辺の天候状況などを車両状況として判定し、その判定結果を示す制御情報C1を速度決定部18へ供給する。
速度決定部18は、速度算出部11から供給されるGNSS速度VG、速度算出部13から供給されるライダ速度VL、及び、速度算出部14から供給されるセンサ速度VSに基づいて、最も精度が高い速度を算出し、最終的な速度Vとして出力する。その際、速度決定部18は、状況判定部17から供給される車両状況の判定結果に基づいて速度Vを決定する。具体的には、速度決定部18は、車両状況に応じて、GNSS速度VG、ライダ速度VL、センサ速度VSのいずれかを速度Vと決定したり、GNSS速度VGとライダ速度VLを重み付け加算して速度Vを算出したりする。
上記の構成において、GNSS受信機2は本発明の検出手段の一例であり、ライダ3は本発明の検出装置の一例であり、状況判定部17は本発明の特定手段の一例であり、速度算出部11は本発明の速度算出手段の一例である。
[速度算出方法]
次に、速度算出部18による速度Vの算出方法について説明する。図3は、速度Vを算出する速度算出処理のフローチャートである。この処理は、主として図1に示す状況判定部17及び速度決定部18により実行される。なお、実際には、この処理はCPU等のコンピュータが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
次に、速度算出部18による速度Vの算出方法について説明する。図3は、速度Vを算出する速度算出処理のフローチャートである。この処理は、主として図1に示す状況判定部17及び速度決定部18により実行される。なお、実際には、この処理はCPU等のコンピュータが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、状況判定部17は、GNSSによる速度算出が有効か否かを判定する(ステップS10)。具体的には、状況判定部17は、GNSS受信機2から供給されるGNSSデータDGに基づいて複数の衛星からの電波の受信状況を判定し、所定レベル以上の強度で電波を受信できている衛星が所定数以上ある場合にGNSSによる速度算出が有効であると判定する。この場合の「所定数」は、衛星の位置に基づいて車両の位置を測位するために最低限必要な衛星の数とし、予め実験などにより求めておくことができる。
GNSSによる速度算出が有効でない場合(ステップS10:No)、状況判定部17は、ライダによる速度算出が有効であるか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、状況判定部17は、ライダ3から供給されるライダデータDLに基づいて、速度の算出に必要な数の地物が検出されているか否かを判定し、検出されている場合に、ライダによる速度算出が有効であると判定する。
ライダによる速度算出が有効でない場合(ステップS11:No)、状況判定部17は、速度センサ4の出力に基づいて算出されるセンサ速度VSを使用することを速度決定部18に通知し、速度決定部18はセンサ速度VSを速度Vとして出力する(ステップS12)。
一方、ライダによる速度検出が有効である場合(ステップS11:Yes)、状況判定部17は、ライダ3の出力に基づいて算出されるライダ速度VLを使用することを指示する制御信号C1を速度決定部18に供給し、速度決定部18はライダ速度VLを速度Vとして出力する(ステップS13)。
ステップS10において、GNSSによる速度算出が有効と判定された場合(ステップS10:Yes)、状況判定部17は、ライダによる速度算出が有効であるか否かを判定する(ステップS14)。ライダによる速度算出が有効でない場合(ステップS14:No)、状況判定部17は、GNSS受信機2の出力に基づいて算出されるGNSS速度VGを使用すること指示する制御信号C1を速度決定部18に供給し、速度決定部18はGNSS速度VGを速度Vとして出力する(ステップS15)。
一方、ライダによる速度算出が有効な場合(ステップS14:Yes)、GNSS速度VGとライダ速度VLの両方が得られていることになる。この場合、速度決定部18は、GNSS速度VGとライダ速度VLを重み付け加算して速度Vを算出する。GNSS速度VGの重みをwGとし、ライダ速度VLの重みをwLとすると、速度決定部18は、例えば以下の式により速度Vを決定する。
V=wG・VG+wL・VL (2)
但し、wG+wL=1
この際、状況判定部17は、GNSS速度VGとライダ速度VLのどちらが高精度であるかを判定し、その結果に応じて上記の重みwG、wLを設定する。
V=wG・VG+wL・VL (2)
但し、wG+wL=1
この際、状況判定部17は、GNSS速度VGとライダ速度VLのどちらが高精度であるかを判定し、その結果に応じて上記の重みwG、wLを設定する。
具体的には、状況判定部17は、GNSS速度VGとライダ速度VLのどちらが高精度であるかを判定する精度判定処理を行う(ステップS16)。なお、精度判定にはいくつかの実施例があり、それらについては後述する。精度判定処理によりGNSS速度VGの方が高精度であると判定された場合、状況判定部17はGNSS速度VGの重みwGをライダ速度VLの重みwLよりも大きくする(ステップS17)。一方、精度判定処理によりライダ速度VLの方が高精度であると判定された場合、状況判定部17はライダ速度VLの重みwLをGNSS速度VGの重みwGよりも大きくする(ステップS18)。
そして、速度決定部18は、ステップS17又はS18で設定された重みwG、wLを用いて、上記の式(2)により速度Vを計算して出力する(ステップS19)。このように、GNSSによる速度算出とライダによる速度算出が有効であるか否か、及び、GNSS速度とライダ速度のどちらが高精度であるかを考慮して速度Vを算出することにより、様々な状況において可能な限り高精度で速度を算出することが可能となる。
[精度判定処理]
次に、図3のステップS16で実行される精度判定処理のいくつかの実施例について説明する。
(第1実施例)
第1実施例では、状況判定部17は、GNSS受信機2が正常に信号を受信した衛星数に基づいて精度判定を行う。図4は、第1実施例による精度判定処理のフローチャートである。まず、状況判定部17は、地物特定部12から地物特定データDGOを取得する(ステップS21)。次に、状況判定部17は、電波を受信中の複数の衛星のうち、直接波を受信できない衛星数、即ち、障害物により電波が遮られる衛星数をカウントする(ステップS22)。ここで、「電波を受信中の衛星」とは、GNSS受信機2による測位に必要な強度レベルで電波を受信している衛星を意味する。
次に、図3のステップS16で実行される精度判定処理のいくつかの実施例について説明する。
(第1実施例)
第1実施例では、状況判定部17は、GNSS受信機2が正常に信号を受信した衛星数に基づいて精度判定を行う。図4は、第1実施例による精度判定処理のフローチャートである。まず、状況判定部17は、地物特定部12から地物特定データDGOを取得する(ステップS21)。次に、状況判定部17は、電波を受信中の複数の衛星のうち、直接波を受信できない衛星数、即ち、障害物により電波が遮られる衛星数をカウントする(ステップS22)。ここで、「電波を受信中の衛星」とは、GNSS受信機2による測位に必要な強度レベルで電波を受信している衛星を意味する。
ステップS22の処理について、図5を参照して詳しく説明する。図5(A)は、車両に搭載されているライダ3が2Dライダである場合に、障害物により電波が遮られる衛星(以下、「遮蔽される衛星」とも呼ぶ。)の数をカウントする方法を説明する図である。なお、図5(A)は、車両7から所定の方位角方向を見た状態を示す。状況判定部17は、電波を受信中の1つの衛星を選択し、GNSSデータDGを取得する。そして、状況判定部17は、GNSSデータDGに含まれる衛星の位置と、車両7の位置とに基づいて、その衛星の仰角θを算出する。また、状況判定部17は、車両情報DB16から、車両7に搭載されているアンテナ21の高さh0を取得する。また、状況判定部17は、衛星の方向に存在する建物の高さhを地図DB15から取得する。さらに、状況判定部17は、ステップS21で取得した地物特定データDGOから、その建物までの距離Lを取得する。なお、説明の便宜上、2Dライダの高さはアンテナの高さh0と同一であるものとする。
ここで、車両7に搭載されたアンテナ21から衛星を見た方向(破線31)が建物とぶつかる高さH、即ち、アンテナ21と衛星とを結ぶ破線31が建物の位置において地面に対する垂線と交わる点の高さH(以下、「建物位置における衛星方向の高さH」と呼ぶ。)は、
H=L×tanθ+h0 (3)
で与えられる。よって、状況判定部17は、建物位置における衛星方向の高さHが、地図DB15から取得した実際の建物の高さhより低い場合には、その衛星は遮蔽される衛星であると判定する。状況判定部17は、電波を受信中の全ての衛星についてこの処理を行い、遮蔽される衛星数を算出する。
H=L×tanθ+h0 (3)
で与えられる。よって、状況判定部17は、建物位置における衛星方向の高さHが、地図DB15から取得した実際の建物の高さhより低い場合には、その衛星は遮蔽される衛星であると判定する。状況判定部17は、電波を受信中の全ての衛星についてこの処理を行い、遮蔽される衛星数を算出する。
図5(B)は、車両に搭載されているライダ3が3Dライダである場合に、遮蔽される衛星数をカウントする方法を説明する図である。なお、図5(B)は、車両7と建物と衛星を含む3次元空間を模式的に示す。状況判定部17は、電波を受信中の1つの衛星を選択し、GNSSデータDGを用いてその衛星の仰角θを算出する。また、状況判定部17は、車両情報DB16から、車両7に搭載されているアンテナ21の高さh0を取得する。なお、説明の便宜上、3Dライダの高さはアンテナの高さh0と同一であるものとする。
そして、状況判定部17は、ステップS21で取得した地物特定データGDOに基づいて、アンテナ21の位置からその衛星を見た方向、即ち仰角θの方向(破線32)に建物が存在するか否かを判定し、建物が存在する場合に、その衛星を遮蔽される衛星であると判定する。例えば、状況判定部17は、3Dライダにより建物の最上部を検出した際の走査方向の仰角が、衛星の仰角θより大きい場合に、その建物により衛星が遮蔽されると判定する。状況判定部17は、電波を受信中の全ての衛星についてこの処理を行い、遮蔽される衛星数を算出する。
こうして遮蔽される衛星数が得られると、状況判定部17は、受信中の全衛星数から遮蔽される衛星数を減算して得られる衛星数、即ち、正常に電波を受信できる衛星数(以下、「正常受信衛星数」とも呼ぶ。)が、受信中の全衛星数に対して一定割合以上であるか否かを判定する(ステップS23)。この一定割合は、要求精度を実現するために必要な正常受信衛星数の割合であり、実験などに基づいて予め決定される。
そして、状況判定部17は、正常受信衛星数が受信中の全衛星数の一定割合以上である場合(ステップS23:Yes)、GNSS速度VGの方が高精度であると判定する(ステップS24)。一方、状況判定部17は、正常受信衛星数が受信中の全衛星数の一定割合未満である場合(ステップS23:No)、ライダ速度VLの方が高精度であると判定する(ステップS25)。こうして、精度判定処理は終了する。
なお、この場合、状況判定部17は、正常受信衛星数の割合が大きいほどステップS17においてGNSS速度VGの重みwGを大きくし、正常受信衛星数の割合が小さいほどステップS18においてライダ速度VLの重みwLを大きくすることが好ましい。
このように、第1実施例の精度判定方法によれば、正常に電波を受信できる衛星数に基づいてGNSS速度VGの精度を評価して重みwGを決定するので、建物などにより衛星が遮蔽される状況などにおいても速度Vを高精度で算出することが可能となる。
なお、上記の例では、状況判定部17は、ステップS23で正常受信衛星数が受信中の全衛星数に対して一定割合以上であるか否かを判定しているが、その代わりに、遮蔽される衛星数が受信中の全衛星数に対して一定割合以上であるか否かを判定することとしてもよい。その場合には、状況判定部17は、遮蔽される衛星数が受信中の全衛星数に対して一定割合以上である場合にライダ速度VLの方が高精度であると判定し、遮蔽される衛星数が受信中の全衛星数に対して一定割合未満である場合にGNSS速度VGの方が高精度であると判定すればよい。
また、上記の例では、状況判定部17は、正常受信衛星数が受信中の全衛星数に対して一定割合以上であるか否かを判定しているが、その代わりに、正常受信衛星数が所定数以上であるか否かを判定してもよい。同様に、遮蔽される衛星数を用いて判定する場合には、状況判定部17は、遮蔽される衛星数が所定数以上であるか否かを判定しても良い。
上記のように、第1実施例では、状況判定部17は、GNSS速度VGの精度とライダ速度VLの精度の相対的な比較により、GNSS速度VGの重みwGとライダ速度VLの重みwLを設定している。これに加えて、それぞれの絶対的な精度に応じて重みwG、WLを補正してもよい。例えば、状況判定部17は、所定時間内に得られるGNSSデータDGが示す衛星との距離及び/又は衛星の角度の値の標準偏差を算出して、それらの値がどの程度ばらついているかを検出する。そして、状況判定部17は、GNSSデータDGのばらつきが大きいほどGNSS速度VGの重みwGを小さくし、GNSSデータDGのばらつきが小さいほどGNSS速度VGの重みwGを大きくする。同様に、状況判定部17は、所定時間内に得られるライダデータDLが示す地物との距離及び/又は地物の方位の値の標準偏差を算出して、それらの値がどの程度ばらついているかを検出する。そして、状況判定部17は、ライダデータDLのばらつきが大きいほどライダ速度VLの重みwGを小さくし、ライダデータDLのばらつきが小さいほどライダ速度VLの重みwLを大きくする。これにより、GNSS速度VGとライダ速度VLの相対的な比較のみならず、GNSS速度VG及びライダ速度VLの個々の絶対的な精度も考慮して、最適な重み付けにより速度Vを算出することができる。
(第2実施例)
第2実施例では、状況判定部17は、車両の加速度に応じてGNSS速度VGとライダ速度VLの重みを設定する。一般的に、GNSS受信機2により得られるGNSSデータDGは、車両の加速度が大きい場合、特に低速度域において加速度が大きい場合に精度が低下する傾向にある。そこで、第2実施例では、状況判定部17は車両の加速度が大きい場合にはライダ速度VLの方が高精度であると判定し、車両の加速度が小さい場合にはGNSS速度VGの方が高精度であると判定する。
第2実施例では、状況判定部17は、車両の加速度に応じてGNSS速度VGとライダ速度VLの重みを設定する。一般的に、GNSS受信機2により得られるGNSSデータDGは、車両の加速度が大きい場合、特に低速度域において加速度が大きい場合に精度が低下する傾向にある。そこで、第2実施例では、状況判定部17は車両の加速度が大きい場合にはライダ速度VLの方が高精度であると判定し、車両の加速度が小さい場合にはGNSS速度VGの方が高精度であると判定する。
図6は、第2実施例による精度判定処理のフローチャートである。状況判定部17は、地物特定部12から地物特定データDGOを取得し(ステップS31)、地物特定データGDOを用いて、車両の加速度が一定値以上であるか否かを判定する(ステップS32)。例えば、状況判定部17は、地物特定データGDOに基づいて定期的に速度を算出し、前回の速度と今回の速度との差が一定値以上の場合に、車両の加速度が一定値以上であると判定する。そして、状況判定部17は、車両の加速度が一定値未満である場合にはGNSS速度VGの方が高精度であると判定し(ステップS33)、車両の加速度が一定値以上である場合にはライダ速度VLの方が高精度であると判定する(ステップS34)。そして、状況判定部17は、精度判定処理を終了する。
なお、この場合、状況判定部17は、車両の加速度が小さいほどステップS17においてGNSS速度VGの重みwGを大きくし、車両の加速度が大きいほどステップS18においてライダ速度VLの重みwLを大きくすることが好ましい。
このように、第2実施例によれば、車両の加速度を考慮してGNSS速度VGとライダ速度VLの重み付けを行うので、車両の加減速が大きい場合でも高精度で速度Vを算出することができる。
なお、第2実施例の精度判定処理は、第1実施例の精度判定処理と組み合わせて実施することも可能である。この場合、状況判定部17は、正常受信衛星数の割合と車両の加速度の両方を考慮して、GNSS速度VGとライダ速度VLの重み付けを行う。図7は、第1実施例と第2実施例を組み合わせた場合の精度判定処理のフローチャートである。
まず、状況判定部17は、地物特定部12から地物特定データDGOを取得する(ステップS41)。次に、状況判定部17は、電波を受信中の複数の衛星のうち、遮蔽される衛星数をカウントする(ステップS42)。次に、状況判定部17は、正常受信衛星数が、受信中の全衛星数に対して一定割合以上であるか否かを判定する(ステップS43)。正常受信衛星数が受信中の全衛星数の一定割合未満である場合(ステップS43:No)、状況判定部17は、ライダ速度VLの方が高精度であると判定する(ステップS46)。一方、正常受信衛星数が受信中の全衛星数の一定割合以上である場合(ステップS43:Yes)、状況判定部17は、地物特定データDGOを用いて、車両の加速度が一定値以上であるか否かを判定する(ステップS44)。
状況判定部17は、車両の加速度が一定値未満である場合(ステップS44:No)、GNSS速度VGの方が高精度であると判定し(ステップS45)、車両の加速度が一定値以上である場合(ステップS44:Yes)、ライダ速度VLの方が高精度であると判定する(ステップS46)。こうして精度判定処理は終了する。
第1実施例と第2実施例を組み合わせて実施する他の例として、第1実施例の精度判定処理により得られた重みと、第2実施例の精度判定処理により得られた重みを乗算して最終的な重みを決定することとしてもよい。具体的には、状況判定部17は、図3におけるステップS16において、第1実施例による精度判定処理と第2実施例による判定処理を両方行う。ここで、第1実施例の精度判定処理により得られたGNSS速度VGの重みをwG1、ライダ速度VLの重みをwL1とし、第2実施例の精度判定処理により得られたGNSS速度VGの重みをwG2、ライダ速度VLの重みがwL2とすれば、状況判定部17は、それらの重みをそれぞれ乗算し、下記のようにGNSS速度VGの重みwGとライダ速度VLの重みwLを算出すればよい。
GNSS速度VGの重み:wG=wG1×wG2 (4)
ライダ速度VLの重み :wL=wL1×wL2 (5)
GNSS速度VGの重み:wG=wG1×wG2 (4)
ライダ速度VLの重み :wL=wL1×wL2 (5)
以上のように、第1実施例と第2実施例を組み合わせることにより、衛星の受信状態と車両の加減速状態の両方を考慮して速度Vを高精度に算出することができる。
(第3実施例)
第3実施例では、状況判定部17は、車両の周辺に存在する地物の数、より詳しくはライダ3により検出された地物の数に応じてGNSS速度VGとライダ速度VLの重みを設定する。ライダ3は、周囲に出射光を走査し、地物により反射された反射光を受信して周囲に存在する地物を検出するため、車両の周囲に存在する地物の数が少ないと、ライダデータDLに基づいて算出されるライダ速度VLの精度は低下する。そこで、第3実施例では、状況判定部17は、車両の周辺に存在する地物の数が多い場合にはライダ速度VLの方が高精度であると判定し、車両の周辺に存在する地物の数が少ない場合にはGNSS速度VGの方が高精度であると判定する。
第3実施例では、状況判定部17は、車両の周辺に存在する地物の数、より詳しくはライダ3により検出された地物の数に応じてGNSS速度VGとライダ速度VLの重みを設定する。ライダ3は、周囲に出射光を走査し、地物により反射された反射光を受信して周囲に存在する地物を検出するため、車両の周囲に存在する地物の数が少ないと、ライダデータDLに基づいて算出されるライダ速度VLの精度は低下する。そこで、第3実施例では、状況判定部17は、車両の周辺に存在する地物の数が多い場合にはライダ速度VLの方が高精度であると判定し、車両の周辺に存在する地物の数が少ない場合にはGNSS速度VGの方が高精度であると判定する。
図8は、第3実施例による精度判定処理のフローチャートである。状況判定部17は、地物特定部12から地物特定データDGOを取得し(ステップS51)、地物特定データDGOを用いて、車両の周辺に存在する地物の数が一定数以上であるか否かを判定する(ステップS52)。そして、状況判定部17は、車両の周辺に存在する地物の数が一定数未満である場合にはGNSS速度VGの方が高精度であると判定し(ステップS53)、車両の周辺に存在する地物の数が一定数以上である場合にはライダ速度VLの方が高精度であると判定する(ステップS54)。こうして精度判定処理は終了する。
なお、この場合、状況判定部17は、車両の周辺に存在する地物の数が少ないほどステップS17においてGNSS速度VGの重みwGを大きくし、車両の周辺に存在する地物の数が多いほどステップS18においてライダ速度VLの重みwLを大きくすることが好ましい。
このように、第3実施例によれば、車両の周辺に存在する地物の数を考慮してGNSS速度VGとライダ速度VLの重み付けを行うので、車両が走行している環境に応じて高精度で速度Vを算出することができる。
なお、第3実施例の精度判定処理は、第1実施例及び第2実施例の精度判定処理のいずれか一方又は両方と組み合わせて実施することが可能である。例えば、第1実施例及び第2実施例の精度判定処理と組み合わせた場合、状況判定部17は、正常受信衛星数の割合と、車両の加速度と、車両の周辺に存在する地物の数とを考慮してGNSS速度VGとライダ速度VLの重み付けを行うことになる。この場合の具体例としては、状況判定部17は、図3におけるステップS16において第1実施例〜第3実施例の精度判定処理をそれぞれ実行して第1実施例〜第3実施例の重みをそれぞれ算出し、それらを乗算して最終的な重みを決定すればよい。
(第4実施例)
第4実施例では、状況判定部17は、車両が存在する場所の天候情報に応じてGNSS速度VGとライダ速度VLの重みを設定する。ライダ3は、周囲に出射光を走査し、地物により反射された反射光を受信して周囲に存在する地物を検出するため、霧、雪、雨など、光の反射や散乱に影響を与える天候下においては、ライダデータDLに基づいて算出されるライダ速度VLの精度は低下する。そこで、第4実施例では、状況判定部17は、車両が存在する場所の天候情報を取得し、ライダの精度が低下する天候状況(以下、「低精度天候状況」と呼ぶ。)である場合にはライダ速度VLよりもGNSS速度VGの方が高精度であると判定する。
第4実施例では、状況判定部17は、車両が存在する場所の天候情報に応じてGNSS速度VGとライダ速度VLの重みを設定する。ライダ3は、周囲に出射光を走査し、地物により反射された反射光を受信して周囲に存在する地物を検出するため、霧、雪、雨など、光の反射や散乱に影響を与える天候下においては、ライダデータDLに基づいて算出されるライダ速度VLの精度は低下する。そこで、第4実施例では、状況判定部17は、車両が存在する場所の天候情報を取得し、ライダの精度が低下する天候状況(以下、「低精度天候状況」と呼ぶ。)である場合にはライダ速度VLよりもGNSS速度VGの方が高精度であると判定する。
ここで、「低精度天候状況」は、例えば、霧、雪、雨など、大気中の湿度(水分)が高い状況を含む。また、低精度天候状況であるか否かを、車両前方の視程に基づいて判定してもよい。なお、「視程」とは、水平方向の見通せる距離をいい、霧、雪、雨などにより視界が悪くなると視程は短くなる。
「低精度天候状況」であるか否かの判定は、以下のように行うことができる。第1の方法としては、状況判定部17は、車両の場所の天候情報に基づいてこの判定を行うことができる。この場合、状況判定部17は、図示しない外部のサーバなどにアクセスして車両の存在するエリアの天候情報を取得し、それに基づいて判定を行えばよい。第2の方法として、車両に湿度センサが搭載されている場合には、状況判定部17は、湿度センサの出力に基づいてこの判定を行うことができる。例えば、状況判定部17は、湿度センサが出力した湿度が所定値以上である場合に、低精度天候状況であると判定することができる。第3の方法として、状況判定部17は、車両に搭載されている雨滴センサの出力に基づいてこの判定を行うことができる。例えば、雨滴センサが検出した水分や水圧が所定値以上である場合に、低精度天候状況であると判定することができる。第4の方法として、車両前方を撮影するカメラがある場合には、状況判定部17は、カメラの撮影画像を画像解析することによりそのときの天候を推測し、その結果に基づいてこの判定を行うことができる。さらには、カメラなどにより収集された音に含まれる雨音を検出することにより、この判定を行っても良い。
図9は、第4実施例による精度判定処理のフローチャートである。状況判定部17は、上記のいずれかの方法により車両の周辺の天候情報を取得し(ステップS61)、車両の周辺の天候状況が、ライダの精度が低下する天候状況、即ち低精度天候状況に該当するか否かを判定する(ステップS62)。状況判定部17は、車両の周辺の天候状況が低精度天候状況に該当する場合(ステップS62:Yes)にはGNSS速度VGの方が高精度であると判定し(ステップS63)、車両の周辺の天候状況が低精度天候状況に該当しない場合(ステップS62:No)にはライダ速度VLの方が高精度であると判定する(ステップS64)。こうして精度判定処理は終了する。
なお、この場合、状況判定部17は、天候が悪いほど、ステップS18においてライダ速度VLの重みwLを小さくすることが好ましい。例えば、状況判定部17は、湿度センサより検出された湿度が高いほど、又は、視程が短いほど、ライダ速度VLの重みwLを小さくする。
このように、第4実施例によれば、車両の周辺の天候状況を考慮してGNSS速度VGとライダ速度VLの重み付けを行うことにより、高精度で速度Vを算出することができる。
なお、第4実施例の精度判定処理は、第1実施例乃至第3実施例の精度判定処理のいずれか1つ、いずれか2つ又は全てと組み合わせて実施することが可能である。例えば、第1実施例乃至第3実施例の全ての精度判定処理と組み合わせた場合、状況判定部17は、正常受信衛星数の割合と、車両の加速度と、車両の周辺に存在する地物の数と、車両の周辺の天候状況とを考慮してGNSS速度VGとライダ速度VLの重み付けを行うことになる。この場合の具体例としては、状況判定部17は、図3におけるステップS16において第1実施例〜第4実施例の精度判定処理をそれぞれ実行して第1実施例〜第4実施例の重みをそれぞれ算出し、それらを乗算して最終的な重みを決定すればよい。
[変形例]
以下、上記の実施例についての変形例について説明する。
(変形例1)
上記の第1実施例では、状況判定部17は、正常受信衛星数に基づいてGNSS速度VGとライダ速度VLの重みを設定している。これに加えて、状況判定部17は、正常受信衛星数に応じて、GNSS速度VGの算出に使用する衛星を制限してもよい。即ち、変形例1では、速度算出装置は、正常受信衛星数に基づいてGNSS速度VGとライダ速度VLとを重み付けすることに加えて、正常受信衛星のみから取得したGNSSデータDGを用いてGNSS速度VGを算出する。
以下、上記の実施例についての変形例について説明する。
(変形例1)
上記の第1実施例では、状況判定部17は、正常受信衛星数に基づいてGNSS速度VGとライダ速度VLの重みを設定している。これに加えて、状況判定部17は、正常受信衛星数に応じて、GNSS速度VGの算出に使用する衛星を制限してもよい。即ち、変形例1では、速度算出装置は、正常受信衛星数に基づいてGNSS速度VGとライダ速度VLとを重み付けすることに加えて、正常受信衛星のみから取得したGNSSデータDGを用いてGNSS速度VGを算出する。
図10は、変形例1に係る速度算出装置1Aの構成を示す。図1と比較するとわかるように、状況判定部17は測位演算部23へ制御信号C2を供給している。制御情報C2は、図4に示す第1実施例の精度判定処理のステップS22で特定される、遮蔽される衛星を示す。即ち、状況判定部17は、遮蔽される衛星を特定すると、それらを特定する制御情報C2を測位演算部23へ供給する。測位演算部23は、受信中の全衛星のうち、遮蔽される衛星以外の衛星、即ち正常受信衛星からのGNSSデータDGに基づいて車両の現在位置を算出し、速度算出部11へ供給する。これにより、速度算出部11は、正常受信衛星のみに対応するGNSSデータDGに基づいてGNSS速度VGを算出することになる。よって、遮蔽される衛星を含む全受信衛星からのGNSSデータDGに基づいてGNSS速度VGを算出した場合と比較して、速度算出部11が出力するGNSS速度VGの精度を高めることができる。
なお、変形例1は、上記の第2〜第4実施例のいずれか1つ、いずれか2つ又は全てと組み合わせて実施することができる。例えば、変形例1を第2〜第4実施例の全てと組み合わせた場合、速度算出部11は、正常受信衛星のみからのGNSSデータDGを用いてGNSS速度VGを算出する。そして、状況判定部17は、正常受信衛星数と、車両の加速度と、車両の周辺に存在する地物の数と、車両の周辺の天候状況とを考慮してGNSS速度VGとライダ速度VLの重み付けを行う。
(変形例2)
上記の変形例1では、速度算出装置1Aは、正常受信衛星のみからのGNSSデータDGを用いてGNSS速度VGを算出することに加えて、正常受信衛星数に基づいてGNSS速度VGとライダ速度VLとを重み付けしている。その代わりに、変形例2では、正常受信衛星のみからのGNSSデータDGを用いてGNSS速度VGを算出するが、正常受信衛星数に基づくGNSS速度VGとライダ速度VLとの重み付け加算を行わないこととする。
上記の変形例1では、速度算出装置1Aは、正常受信衛星のみからのGNSSデータDGを用いてGNSS速度VGを算出することに加えて、正常受信衛星数に基づいてGNSS速度VGとライダ速度VLとを重み付けしている。その代わりに、変形例2では、正常受信衛星のみからのGNSSデータDGを用いてGNSS速度VGを算出するが、正常受信衛星数に基づくGNSS速度VGとライダ速度VLとの重み付け加算を行わないこととする。
変形例2による速度算出装置の構成は基本的に変形例1による速度算出装置1Aと同一である。但し、状況判定部17は、速度算出部18へ重み付け加算の指示、及び、そのための重みWG、WLを供給しない。よって、速度決定部18は、GNSS速度VG、ライダ速度VL、センサ速度VSのいずれかを選択して速度Vとして出力することになる。また、速度算出部11は、正常受信衛星のみから取得したGNSSデータDGに基づいてGNSS速度VGを算出するので、遮蔽される衛星を含む全受信衛星からのGNSSデータDGに基づいてGNSS速度VGを算出した場合と比較して、速度算出部11が出力するGNSS速度VGの精度を高めることができる。
なお、変形例2は、上記の第2〜第4実施例のいずれ1つ、いずれか2つ又は全てと組み合わせて実施することができる。例えば、変形例2を第2〜第4実施例の全てと組み合わせた場合、速度算出部11は、正常受信衛星のみからのGNSSデータDGを用いてGNSS速度VGを算出する。そして、状況判定部13は、車両の加速度と、車両の周辺に存在する地物の数と、車両の周辺の天候状況とを考慮してGNSS速度VGとライダ速度VLの重み付けを行う。
1 速度算出装置
2 GNSS受信機
3 ライダ
4 速度センサ
11、13、14 速度算出部
17 状況判定部
18 速度決定部
21 アンテナ
22 GNSSデータ取得部
23 測位演算部
2 GNSS受信機
3 ライダ
4 速度センサ
11、13、14 速度算出部
17 状況判定部
18 速度決定部
21 アンテナ
22 GNSSデータ取得部
23 測位演算部
Claims (9)
- 信号を受信可能な衛星を検出する検出手段と、
地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定手段と、
前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出手段と、
を備える速度算出装置。 - 前記速度算出手段は、前記信号を受信する受信機に対する前記衛星の仰角、及び、前記衛星の方向に存在する地物と前記検出装置との距離に基づき、前記遮蔽されている衛星を特定することを特徴とする請求項1に記載の速度算出装置。
- 前記検出装置は、2次元走査により前記地物を検出し、
前記速度算出手段は、地図情報から取得した前記地物の高さを用いて、前記衛星が前記地物により遮蔽されているか否かを検出する請求項2に記載の速度算出装置。 - 前記検出装置は、3次元走査により前記地物を検出し、
前記速度算出手段は、前記検出装置が地物の最上部を検出した際の走査方向の仰角と、前記衛星の仰角とを用いて、前記衛星が前記地物により遮蔽されているか否かを判定する請求項2に記載の速度算出装置。 - 地物を検出する検出装置の出力に基づいて、移動体の速度を算出する第1算出手段を備え、
前記速度算出手段は、前記正常に信号を受信した衛星の数に基づいて、前記衛星からの信号に基づいて算出した速度と、前記第1算出手段が算出した速度を重み付けし、前記移動体の速度を算出する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の速度算出装置。 - 前記速度算出手段は、前記正常に信号を受信可能な衛星の数が多いほど、前記衛星からの信号に基づいて算出した速度の重みを大きくすることを特徴とする請求項5記載の速度算出装置。
- 速度算出装置により実行される速度算出方法であって、
信号を受信可能な衛星を検出する検出工程と、
地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定工程と、
前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出工程と、
を備える速度算出方法。 - コンピュータを備える速度算出装置により実行されるプログラムであって、
信号を受信可能な衛星を検出する検出手段、
地物を検出する検出装置を用いて、地物により遮蔽される衛星を特定する特定手段、
前記信号を受信可能な衛星から前記遮蔽される衛星を除外して、正常に信号を受信可能な衛星を特定し、前記正常に信号を受信可能な衛星からの信号に基づいて、前記移動体の速度を算出する速度算出手段、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。 - 請求項8に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
Priority Applications (1)
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