JP2019126244A - モータ制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通電方向の切り換えに対するヨークからの磁束の影響を抑制する。【解決手段】第1のヨーク6の第1の磁極部6aと第2のヨーク7の第2の磁極部7aとは、ロータ3の外周面に対向しマグネット2の着磁位相に対して電気角をずらして配置され、ロータ3の外周面に対向する。第1のコイル4は第1の磁極部6aを励磁し、第2のコイル5は第2の磁極部7aを励磁する。制御回路13は、比較器200、201から出力される、出力信号10b、11bと基準信号300、301との比較結果を示す比較結果信号400、401に基づいて、コイル4、5への通電方向を制御する。制御回路13は、第1の磁極部6aの極性と第2の磁極部7aの極性との関係に応じて基準信号300、301の値を変更する。【選択図】図11

Description

本発明は、モータ制御装置及び方法に関する。
ステッピングモータは小型、高トルク、高寿命といった特徴を有し、開ループ制御で容易にデジタル的な位置決め動作を実現でき、カメラや光ディスク装置などの情報家電、プリンタやプロジェクタ等のOA機器などに広く用いられている。しかし、高速回転時やモータへの負荷が多いときにモータが脱調するおそれがあり、ブラシレスモータやDCモータに比べて効率が低いという問題があった。この問題を解決するために、ステッピングモータにエンコーダを取り付け、ロータの位置にあわせて通電を切り換える、いわゆるブラシレスDCモータの動作を行なわせることで脱調を防ぐことが知られている。
特許文献1は、磁気センサによってロータの位置を検出し、コイルへの通電を順次切り換えていくモータ制御装置を開示している。特許文献1の装置では、励磁切換タイミングが電気進角0度から45度の間となるように配置した磁気センサと、励磁切換タイミングが電気進角45度から90度の間となるように配置した磁気センサとをモータに設けている。また、ロータが有する磁石が、周方向にN極とS極が交互となるように多極に着磁されている。そして特許文献1の装置は、回転に応じた磁石のN極とS極との切り換わりを磁気センサによって検知し、コイルへの通電を順次切り換えている。
特開2014−128143号公報
本来、磁気センサは、ロータの有する磁石からの磁束のみを検出するのが望ましい。しかし、2つのコイルの通電状態によっては、磁気センサがヨークからの磁束も検出してしまう場合がある。すると、磁石のN極とS極の切り換わりを正確に検知できず、意図したコイルへの通電切り換えのタイミングから時間的なずれを生じるおそれがある。この時間的なずれによって、意図する発生トルクから実際の発生トルクがずれてしまうという問題があった。
本発明は、通電方向の切り換えに対するヨークからの磁束の影響を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、円筒形状に形成されるとともに周方向に複数に分割して異なる極に交互に多極着磁されたマグネットを備えた回転可能なロータと、前記ロータの外周面に対向する第1の磁極を備えた第1のヨークと、前記ロータの前記外周面に対向し前記第1の磁極部に対して電気角をずらして位置に配置された第2の磁極を備えた第2のヨークと、通電されることで前記第1の磁極部を励磁する第1のコイルと、通電されることで前記第2の磁極部を励磁する第2のコイルと、前記ロータの前記外周面に対向して配置され、磁束に応じた信号を出力する磁気センサと、を有するモータを制御するモータ制御装置であって、前記磁気センサの出力信号と基準信号との比較結果を示す比較結果信号を出力する比較器と、前記比較器により出力された比較結果信号に基づいて、前記第1のコイル及び前記第2のコイルへの通電方向を制御する制御手段と、前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性との関係に応じて、前記基準信号の値を変更する変更手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、通電方向の切り換えに対するヨークからの磁束の影響を抑制することができる。
モータ制御装置のブロック図である。 モータの外観斜視図である。 コイルへ一定電流を流したときのロータの回転角度とモータのトルクとの関係を示す図である。 各ヨーク及びマグネットの位相関係を示すモータの軸直角方向断面図である。 ロータの回転角に対する、第1、第2のコイルの通電状態により発生するモータトルクを示す図である。 ヨークと磁気センサと磁石の位置関係を模式的に表わした断面図((a)、(c)、(d))、磁気センサの拡大図((b))である。 磁力線と磁気センサの出力信号との関係を示す図である。 右回転時のロータの回転位置とコイルの通電極性と出力信号との関係を示す図である。 第1の比較器、第2の比較器の模式図である。 右回転時のロータの回転位置とコイルの印加電圧の極性と、磁極部の磁極と、基準信号の設定値との関係を示す図である。 右回転時のロータの回転位置とコイルの通電極性と出力信号との関係を示す図である。 基準信号設定処理のフローチャートである。 比較結果信号を示す図である。 右回転時のロータの回転位置とコイルの通電極性と出力信号との関係に、比較結果信号を加えて示す図である。 磁気センサを進み位相で配置した場合における、右回転時のロータの回転位置とコイルの通電極性と出力信号との関係に、比較結果信号を加えて示す図である。 待ち時間設定処理のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るモータ制御装置のブロック図である。図2は、モータの外観斜視図である。図2では、説明の便宜のために一部の部品を破断させて示している。このモータ制御装置は、モータ1、駆動回路22、制御回路13を備える。制御手段としての制御回路13は、CPU、ROM、RAMを備える(いずれも図示せず)。モータ1は、ロータ3、第1のコイル4、第1のヨーク6、第2のコイル5、第2のヨーク7を備える。さらにモータ1は、第1磁気センサ10(第1の磁気センサ)、第2磁気センサ8、第3磁気センサ11(第2の磁気センサ)、第4磁気センサ9を備える。制御回路13は、基準信号変更部500と、基準信号変更部500に各々接続された比較器200、201、202、203を有する。磁気センサ10、8、11、9にそれぞれ、比較器200、202、201、203が接続されている。
ロータ3はマグネット2を備え、駆動回路22を介して制御回路13によって回転可能に制御される。マグネット2は円筒形状に形成され、外周面を周方向に複数に分割して異なる極に交互に多極着磁されている。本実施の形態では、マグネット2は8分割すなわち8極(N極が4極、S極が4極)に着磁されている。なお、8極に限らず、例えば、2極、4極や12極以上に着磁されてもよい。
第1のコイル4は、マグネット2の軸方向の一端側に配置されている。第1のヨーク6は軟磁性材料で、マグネット2の外周面に対して隙間を持って対向して形成されている。第1のヨーク6は、マグネット2の外周面に対向する複数の第1の磁極部6aを備える。複数の第1の磁極部6aは、第1のヨーク6の円環状の本体部から軸方向に延出され、周方向に所定の間隔で配置される。第1の磁極部6aは、第1のコイル4に通電されることで励磁される。第1のコイル4と第1のヨーク6と複数の第1の磁極部6aに対向するマグネット2とによって「第1のステータユニット」が構成される。
第2のコイル5は、マグネット2の第1のコイル4が取り付けられた軸方向の一端とは反対側の他端に配置されている。第2のヨーク7は、軟磁性材料で、マグネット2の外周面に対して隙間を持って対向して形成されている。第2のヨーク7は、マグネット2の外周面に対向する複数の第2の磁極部7aを備えている。複数の第2の磁極部7aは、第2のヨーク7の円環状の本体部から軸方向に延出され、周方向に所定の間隔で配置される。第2の磁極部7aは、第2のコイル5に通電されることで励磁される。第2の磁極部7aは、第1のヨーク6とマグネット2との相対位相とは異なる位相で配置される。第2のコイル5と第2のヨーク7と複数の第2の磁極部7aに対向するマグネット2とによって「第2のステータユニット」が構成される。
制御回路13は、第1の磁極部6a、第2の磁極部7aのそれぞれに励磁される極(N極、S極)を切り換えることで、ロータ3に与えるトルクを変化させることができる。制御回路13は、第1のコイル4と第2のコイル5の各々への通電時には同じ大きさの電圧を印加する。また、同じ大きさの電圧を印加した場合に第1の磁極部6aと第2の磁極部7aとが同じ強さの磁極となるように、各コイルや各ヨークが設計されている。第1磁気センサ10、第2磁気センサ8、第3磁気センサ11、第4磁気センサ9はいずれも、マグネット2の磁束を検出するホール素子であり、モータカバー12に固定される。ロータ3が1回転すると、各磁気センサはマグネット2のN極とS極を交互に検出し、8回の極を示す信号を出力する。これらによってロータ3の回転位置が検出可能となっている。モータカバー12は、第1の磁極部6aと第2の磁極部7aとが、マグネット2の着磁位相に対して電気角で略90度ずれて配置されるように第1のヨーク6と第2のヨーク7を固定保持する。ここで、電気角とは、マグネット磁力の1周期を360°として表したものであり、ロータの極数をM、機械角をθ0とすると、電気角θは以下の式1で表せる。
θ=θ0×M/2…(1)
本実施の形態では、マグネット2の着磁は8極であるから、電気角の90度は機械角で22.5度となる。以下の説明では、主として電気角を用いてフィードバック通電切換モードの動作を説明する。
図3は、モータ1のコイルへ一定電流を流したときのロータ3の回転角度とモータ1のトルクとの関係を示す図であり、横軸に電気角、縦軸にモータトルクをとっている。モータトルクの正、負については、ロータ3を図1や図4の時計回りに回転させるトルクを正とする。
図4(a)、(b)は、各ヨーク及びマグネット2の位相関係を示すモータ1の軸直角方向断面図である。本実施の形態では、第1のコイル4に正方向の電流を流すと第1の磁極部6aがN極に磁化され、第2のコイル5に正方向の電流を流すと第2の磁極部7aがN極に磁化されるとする。
図4(a)の状態の位相を図3中に符号aとして示す。図4(a)は、マグネット2の着磁された極の中心と周方向における第1の磁極部6aの中心との距離が、極の中心と周方向における第2の磁極部7aとの距離と同じとなる状態である。図4(a)の状態では、回転位相(回転位置)を保持する力は発生しているが、マグネット2のS極が第1の磁極部6aのN極と第2の磁極部7aのN極とに引きつけられて釣り合うため、回転駆動力は発生していない。
図4(a)の状態から第2の磁極部7aを切り換えてS極に励磁すると、ロータ3は、図4(b)に示す状態になるまで回転する。図4(b)の状態では、図4(a)に示す状態と同様に回転位相を保持する力は発生しているが、回転駆動力は発生していない。すなわち、マグネット2のS極が第1の磁極部6aのN極に引きつけられると共に、マグネット2のN極が第2のヨークの第2の磁極部7aのS極に引きつけられて釣り合った状態である。以下同様にして、順番に第1のコイル4と第2のコイル5の通電方向を切り換えて、第1の磁極部6aと第2の磁極部7aの極性を切り換えることでロータ3を回転させていくことができる。
このような回転駆動力が発生しないタイミングで第1の磁極部6aおよび第2の磁極部7aに励磁される極を切り換えることを、電気進角0度での通電切り換え、と定義する。このタイミングよりも電気角γ度だけ早いタイミングで第1の磁極部6aおよび第2の磁極部7aに励磁される極を切り換えることを、電気進角γ度での磁極部の励磁切り換え、と定義する。
図5(a)〜(c)は、ロータ3の回転角に対する、第1のコイル4および第2のコイル5の通電状態により発生するモータトルクを縦軸に表わした図である。横軸に電気角をとっている。
曲線L1は、第1のコイル4への通電方向が正、第2のコイル5への通電方向が正の場合のモータトルクを示す。曲線L2は、第1のコイル4への通電方向が正、第2のコイル5への通電方向が逆の場合のモータトルクを示す。曲線L3は、第1のコイル4への通電方向が逆、第2のコイル5への通電方向が逆の場合のモータトルクを示す。曲線L4は、第1のコイル4への通電方向が逆、第2のコイル5への通電方向が正の場合のモータトルクを示す。
図5(a)は、電気進角0度のときの状態を示している。このようなタイミングでコイルの通電方向を切り換えていくと、通電方向を切り換える直前の位相は、斜線部と太線で示すように、モータトルクが極めて小さくなっているため、モータ1の出力としては大きくならない。図5(b)は、電気進角45度のときの状態を示している。電気進角45度では、通電方向を切り換えたときに発生するモータトルクは最大となる。また、切り換えタイミングを早めて、電気進角90度でコイルの通電方向を切り換えると、図5(c)の斜線部で示すようになり、結果として電気進角0度の場合と同様の結果となって大きな回転駆動力は得られない。
このように、電気進角45度の場合にモータトルクが最大となる。モータトルクを減少させたい時には、電気進角を45度からずらして0度や90度に近づけ、例えば45度や50度など、得たい所望のトルクに応じて変更すれば良い。また、コイルの通電を切り換えても、電流が所定の電流値に瞬時には切り換わらず、電流は徐々に増加しながら所定の電流値に近づいていく。この電流の過渡的な応答を加味して、電気進角45度よりも早め、例えば電気角で24度早めることで、最も大きいトルクを得ることができる場合もある。
次に、磁気センサへの磁極部の極性の影響について説明する。本実施の形態では、ロータ3の位置を磁気センサ8〜11によって検出し、これら磁気センサ8〜11の配置位置によって、所望の電気進角を得ている。
図6(a)、(c)、(d)は、ヨークと磁気センサと磁石の位置関係を模式的に表わした断面図である。図6(b)は磁気センサの拡大図である。図7は、磁力線と磁気センサの出力信号との関係を示す図である。磁気センサ8〜11は各々、マグネット2の軸方向において第1の磁極部6aと第2の磁極部7aとの間に位置する(位相は異なる)。磁気センサ8〜11はいずれも、第1の磁極部6a及び第2の磁極部7aよりもマグネット2の半径方向外周側に配置される。より詳細には、マグネット2の半径方向において、磁極部6a、7aの中心位置は同じであるが、これらの位置よりも、磁気センサ8〜11の中心位置(あるいは磁束検出部の位置)の方が外周側に位置している。磁気センサ8〜11の配置がこのようにならざるを得ない場合があるのは、他部品との配置の関係や工業的な精度の制約によるものである。
代表として、第1磁気センサ10に着目して説明する。ホール素子を用いた第1磁気センサ10は、磁気を検出する磁束検出部10aを内部に有している(図6(b))。図6(a)の例では、コイル4、5への通電によって、第1のヨーク6の第1の磁極部6a及び第2のヨーク7の第2の磁極部7aの極性は共にN極となっている。このN極に引き寄せられて、ロータ3のマグネット2はS極の部分が近づいていく状態となっている。
第1磁気センサ10は、磁束検出部10aが検出した磁束に応じた信号として第1の出力信号10b(図8(a)、図9(a))を出力し、第3磁気センサ11も同様に第2の出力信号11b(図8(b)、図9(b))を出力する。図7に示すように、磁束検出部10aが図6(b)の上方(マグネット2の半径方向における外周方向)に向かうN極からS極の向きを表わす磁力線を検出すると、第1磁気センサ10は、出力信号10bとして+(プラス)の電圧を出力する。逆に、磁束検出部10aが図6(b)の下方(マグネット2の半径方向における内周方向)に向かうN極からS極の向きを表わす磁力線を検出すると、第1磁気センサ10は、出力信号10bとして−(マイナス)の電圧を出力する。第1磁気センサ10は、磁力の大きさに応じて電圧の大きさも変化し、大きな磁力の場合には大きな電圧を出力し、小さな磁力の場合には小さな電圧を出力する特性を持っている。
磁束検出部10aは、マグネット2からの径方向(図6(b)の上下方向)の磁束を検出するために設けられているが、ヨーク6、7の磁極部6a、7aからの磁束も検出してしまう。磁極部6a、7aが共にN極の場合には、図6(a)のように、磁極部6a、7a間で反発する磁力線100が発生する。磁力線100が径方向と直交する方向(図6(a)の左右方向)となる箇所(例えば、マグネット2の半径方向における磁極部6a、7aの中心位置)に磁束検出部10aを配置できれば、磁極部6a、7aからの磁力線100を検出してしまうことはない。しかし、上述のように、各種制約によってそのような配置を実現するのは困難である。
図6(a)の例では、磁力線100を検出しない箇所より磁束検出部10aが外周側に配置されているため、図6(b)に示すように、磁束検出部10aの位置では磁力線100は外周向きになる。第1磁気センサ10は、マグネット2の磁束に加えてヨーク6、7からの外周向きの磁力線100を検出するため、第1磁気センサ10が出力する出力信号10bは、磁力線100が無い場合に比し、+(プラス)側にシフトする。
一方、図6(c)の例では、コイル4、5への通電によって、磁極部6a、7aは共に磁極がS極となっている。この場合には、磁力線100は図6(c)の上側及び下側から磁極部6a、7aに向かう向きとなり、磁束検出部10aの位置では磁力線100は下向きとなる。第1磁気センサ10は、マグネット2の磁束に加えてヨーク6、7からの内周向きの磁力線100を検出するため、第1磁気センサ10が出力する出力信号10bは、磁力線100が無い場合に比し、−(マイナス)側にシフトする。
図6(d)の例では、コイル4、5の通電によって、第1の磁極部6aはN極、第2の磁極部7aはS極となっていて、磁極部6a、7aの磁極の強さは同じとなっている。磁力線100は、磁気センサ10に対する感度の低い図6(d)の左右方向に向く。このような状態であると、磁気センサ10の位置が多少、半径方向にずれたとしても、磁力線100による第1磁気センサ10の出力信号10bへの影響は少ない。同様に、コイル4、5の通電によって、第1の磁極部6aがS極、第2の磁極部7aがN極となる場合にも、磁力線100は、磁気センサ10に対する感度の低い方向に向くので、出力信号10bへの影響は少ない。つまり、磁極部6a、7aの極性が異なる場合には、磁力線100は、磁気センサ10の感度が低い方向に向くため、出力信号10bへの影響は少ない。
他の磁気センサ8、9、11の各々の磁束検出部についても、磁力線100を検出しない箇所より外周側に配置されているため、それらの出力信号は第1磁気センサ10のものと同様の傾向を示す。
図8(a)、(b)は、ロータ3を右回転(図4(a)、(b)の時計方向に回転)させる場合のロータ3の回転位置とコイルの通電極性と出力信号との関係を示す図である。特に図8(a)は第1磁気センサ10、図8(b)は第3磁気センサ11の出力信号を示している。特許文献1で開示されるように、通電極性を切り換えるコイルと磁気センサとの対応を変えることで様々な発生トルクを得ることが可能である。本実施の形態では、第1磁気センサ10に基づいて第1のコイル4の通電を切り換え、第3磁気センサ11に基づいて第2のコイル5の通電を切り換えてモータ1を駆動する。
図8(a)、(b)の横軸にはロータ3の回転位置をとっており、ロータ3の1回転分の360度分が示されている。縦軸は出力信号の波形を示し、上側がN極を検出した際のプラス電圧側、下側がS極を検出した際のマイナス電圧側の信号となっている。図8(a)、(b)の下側に、コイルの通電極性(+、−)とヨーク6、7の磁極部6a、7aの磁極(N、S)を記している。図8(a)では、第1磁気センサ10の磁束検出部10aの第1の出力信号10bを実線の太線で記し、図8(b)では、第3磁気センサ11の磁束検出部の第2の出力信号11bを実線の太線で記している。実線の細線は、磁極部6a、7aの磁束の影響が無い理想的な出力信号の波形10r、11rを示す。制御回路13は、対応する出力信号がゼロを通る度に、コイル4、5の通電極性を切り換えることで磁極部6a、7aの磁極を変更している。
上述したように、2つの磁極部6a、7aの極性が互いに異なるときには、これらによって発生する磁力線100は磁気センサ10、11の出力信号10b、11bにほぼ影響を与えない。しかし、コイル4、5に共に、+(プラス)の電圧が印加された際には、対応する磁極部6a、7aが共にN極となり、出力信号10b、11bはいずれもプラス側(図8中の縦軸のN側)にオフセットする。このオフセットした出力信号10b、11bは破線で示す波形10(+)、11(+)となり、そのオフセット量は約+0.3Vである。逆に、コイル4、5に共に、−(マイナス)の電圧が印加された際には、対応する磁極部6a、7aが共にS極となり、出力信号10b、11bはいずれもマイナス側(図8中の縦軸のS側)にオフセットする。このオフセットした出力信号10b、11bは破線で示す波形10(−)、11(−)となり、そのオフセット量は約−0.3Vである。
次に、従来技術での駆動による課題について説明する。一例として、ロータ3の回転位置が0度から180度を経て360度となる回転方向、すなわち右回転である場合を説明する。制御回路13が、ロータ3の回転位置が機械角で22.5度、67.5度、112.5度となる毎、さらに以降、45度毎に、第1のコイル4の通電方向を切り換える駆動を意図したとする。また、制御回路13が、ロータ3の回転位置が機械角で0度、45度、90度となる毎、さらに以降、45度毎に、第2のコイル5の通電方向を切り換える駆動を意図したとする。
仮に従来技術を用いると、第1磁気センサ10の出力信号10bがプラスの際に第1のコイル4の通電極性をプラスとし、出力信号10bがマイナスの際にコイル4の通電極性をマイナスとする駆動となり、それに応じて第1の磁極部6aの磁極の極性も変更される。同様に、第3磁気センサ11の出力信号11bがプラスの際に第2のコイル5の通電極性をプラスとし、出力信号11bがマイナスの際にコイル5の通電極性をマイナスとする駆動となり、それに応じて第2の磁極部7aの磁極の極性も変更される。
ここで、ロータ3の回転位置22.5度の状態から順に、出力信号10b、11bと、コイル4、5の電圧の正負の切り換わりのタイミングを見る。すると、22.5度の瞬間にはコイル4もコイル5もマイナス電圧となり、磁極部6aも磁極部7aもS極となる。これによって、出力信号10b、11bはそれぞれ、マイナス側の波形10(−)、波形11(−)を通る。次に、回転位置45度付近を見ると、回転位置45度では、出力信号11bがまだマイナスのままであるので、電圧の正負の切り換わりは起こらない。回転位置45度を3.75度過ぎた48.75度において出力信号11bがゼロになり、コイル5の電圧が負(−)から正(+)に切り換わる。この遅れ3.75度(機械角)は、電気角では15度の遅れに相当する。
このように、磁極部7aからの磁束によって、コイル5の通電切り換えのタイミングが遅れることが分かる。回転位置90度付近では、出力信号11bがまだプラス側であるので、ここでも、回転位置90度を3.75度過ぎた93.75度において出力信号11bがゼロになり、コイル5の電圧が正(+)から負(−)に切り換わる。この遅れ3.75度(機械角)は、電気角では15度の遅れに相当する。同様に、コイル5の通電においては、回転位置0度(360度)付近、45度付近、90度付近、135度付近、180度付近、225度付近、270度付近、315度付近のいずれの切り換わりタイミングでも遅れが生じてしまう。このように、磁気センサ11がヨーク6、7からの磁束も検出してしまうため、コイル5への意図した通電切り換えのタイミングに対して時間的なずれを生じる。
一方、コイル4をみると、出力信号10bに磁極部6a、7aの磁束の影響は生じる。ところが、22.5度直前、67.5度直前、112.5度直前、157.5度直前、202.5度直前、以降45度毎のいずれにおいても、切り換えタイミングに磁極部6a、7aの影響が及ばない波形10rの状態となっている。そのため、切り換えタイミングの遅れは生じない。なお、上述の説明では、ロータ3が右回転する場合を説明したが、これとは逆の左回転の場合は、上述の例とは反対に、コイル4にて通電切り換えのタイミングが遅れ、コイル5の通電切り換えタイミングは遅れない。
次に、上述した通電タイミングの遅れの問題を解消するための本実施の形態における駆動方法を説明する。本実施の形態では、制御回路13は、磁極部6a、7aの磁極の極性の関係に応じて、出力信号と比較する基準信号の大きさを変更(補正)することで、意図したタイミングでコイル4、5への通電を切り換える。本実施の形態におけるモータ制御においては、第1磁気センサ10、第3磁気センサ11、第1の比較器200、第2の比較器201が用いられる(図1)。なお、比較器200、201、第2磁気センサ8、第4磁気センサ9を設けることは必須でない。
図9(a)、(b)はそれぞれ、制御回路13に内蔵された第1の比較器200、第2の比較器201の模式図である。第1の比較器200には第1磁気センサ10の出力信号10bと基準信号変更部500からの第1の基準信号300が入力される。第1の比較器200は、出力信号10bと第1の基準信号300の大きさを比較し、出力信号10bの方が大きければ、Hi信号を第1の比較結果信号400として出力する。反対に、第1の基準信号300より出力信号10bが大きくなければ、第1の比較器200は、Hi信号より電圧値が小さいLow信号を第1の比較結果信号400として出力する。制御回路13は、第1の比較結果信号400に応じて、第1のコイル4への印加電圧の極性を決定する。すなわち、制御回路13は、第1の比較結果信号400がHiのとき、第1のコイル4にプラスの印加電圧を印加し、磁極部6aの極性をN極とする。制御回路13は、第1の比較結果信号400がLowのとき、第1のコイル4にマイナスの印加電圧を印加し、磁極部6aの極性をS極とする。
第2の比較器201には、第3磁気センサ11の出力信号11bと基準信号変更部500からの第2の基準信号301が入力される。第2の比較器201は、出力信号11bと第2の基準信号301の大きさを比較し、出力信号11bの方が大きければ、Hi信号を第2の比較結果信号401として出力する。反対に、第2の基準信号301より出力信号11bが大きくなければ、第2の比較器201は、Hi信号より電圧値が小さいLow信号を第2の比較結果信号401として出力する。制御回路13は、第2の比較結果信号401に応じて、第2のコイル5への印加電圧の極性を決定する。制御回路13は、第2の比較結果信号401がHiのとき、第2のコイル5にプラスの印加電圧を印加し、磁極部7aの極性をN極とする。制御回路13は、第2の比較結果信号401がLowのとき、第2のコイル5にマイナスの印加電圧を印加し、磁極部7aの極性をS極とする。
図10は、ロータ3を右回転させる場合のロータ3の回転位置とコイル4、5の印加電圧の極性と、磁極部6a、7aの磁極と、基準信号300、301の設定値との関係を示す図である。図11(a)、(b)は、ロータ3を右回転させる場合のロータ3の回転位置とコイルの通電極性と出力信号との関係を示す図である。特に図11(a)は第1磁気センサ10、図11(b)は第3磁気センサ11の出力信号を示している。図11(a)、(b)では、図8(a)、(b)と同様に、出力信号10b、11bを実線の太線で記し、オフセットした出力信号10b、11bを破線の波形10(+)、11(+)で示し、理想的な出力信号を波形10r、11rで示している。
[ロータ回転位置が0度から22.5度の際]
ロータ3が機械角で0度から22.5度(電気角で0度から90度)に移動する際には、コイル4の印加電圧はプラスとなっており、磁極部6aはN極となっている。コイル5は印加電圧がマイナスとなっており、磁極部7aはS極となっている。この際には、図6(d)で説明した通り、第1の出力信号10b及び第2の出力信号11bはオフセットしていない状態である。このため、従来技術の場合と同じく第1の基準信号300は0Vとされている。従って、所望通りのロータ3の回転位置22.5度(電気角では90度)で、第1のコイル4への印加電圧の極性をプラスからマイナスに切り換えること(通電切り換え)が可能となっている。一方、第2の基準信号301は0Vとされるが、回転位置0度から22.5度付近はコイル5の極性を反転するタイミング(第2の出力信号11bが第2の基準信号301を横切るタイミング)ではない。そのため、第2の基準信号301は0Vでなくてもよく、例えば次のステップを見越した電圧(−0.3V)としていても良い。
[ロータ回転位置が22.5度から45度の際]
ロータ3が機械角で22.5度から45度(電気角で90度から180度)に移動する際には、コイル4の印加電圧はマイナスとなっており、磁極部6aはS極となっている。コイル5は印加電圧がマイナスとなっており、磁極部7aはS極となっている。磁極部6a、7aが共にS極となっているため、図6(c)で説明した通り、第1の出力信号10b及び第2の出力信号11bはマイナス側に0.3Vだけオフセットする。そこで、第2の基準信号301は−0.3Vとされている。これにより、所望通りのロータ3の回転位置45度で、コイル5の印加電圧の通電切り換えがなされる。
[ロータ回転位置が45度から67.5度の際]
ロータ3が機械角で45度から67.5度(電気角で180度から270度)に移動する際には、コイル4の印加電圧はマイナスとなっており、磁極部6aはS極となっている。コイル5は印加電圧がプラスとなっており、磁極部7aはN極となっている。図6(d)で説明した通り、第1の出力信号10b及び第2の出力信号11bはオフセットしていない状態である。このため、第1の基準信号300は、従来の場合と同じく0Vとされている。従って、所望通りのロータ3の回転位置67.5度(電気角では270度)で、第1のコイル4への印加電圧の極性をプラスからマイナスに切り換え可能となっている。一方、第2の基準信号301は0Vとされるが、回転位置45度から67.5度付近はコイル5の極性を反転するタイミング(第2の出力信号11bが第2の基準信号301を横切るタイミング)ではない。そのため、第2の基準信号301は0Vでなくてもよく、例えば次のステップを見越した電圧(+0.3V)としていても良い。
[ロータ回転位置が67.5度から90度の際]
ロータ3が機械角で67.5度から90度(電気角で270度から360度)に移動する際には、コイル4の印加電圧はプラスとなっており、磁極部6aはN極となっている。コイル5は印加電圧がプラスとなっており、磁極部7aはN極となっている。磁極部6a、7aが共にN極となっているため、図6(a)で説明した通り、第1の出力信号10b及び第2の出力信号11bはプラス側に0.3Vオフセットする。そこで、第2の基準信号301は+0.3Vとされている。これにより、所望通りのロータ3の回転位置90度で、コイル5の印加電圧の通電切り換えがなされる。
なお、ロータ3の回転位置が90度から360度までは、上述の0度から90度までと同じ手順を繰り返すことで、所望通りのタイミングで通電切り換えを行える。これは、機械角0度から90度と、90度から180度と、180度から270度と、270度と360度とが、電気角として等価だからである。
これまで説明したとおり、マグネット2の半径方向において、磁極部6a、7aの中心位置よりも磁束検出部10aの方が外周側に位置している。そのため、右回転の場合、制御回路13は、磁極部6a、7aの極性が共にN極の場合は第2の基準信号301の値を+側に変更し、磁極部6a、7aの極性が共にS極の場合は第2の基準信号301の値を−側に変更する。基準信号301を変更しない従来の場合の出力信号10b、11bは、図8(a)、(b)に示すものであった。これに対し、本実施の形態では図10に示すように基準信号301を変更することで、出力信号10b、11bは図11(a)、(b)に示すものとなる。すなわち、第2の出力信号11bは、回転位置45度、90度、135度・・・で基準信号301との大小関係が反転し、所望通りのタイミングで第2のコイル5の印加電圧の切り換えを行うことが可能となる。
なお、マグネット2の半径方向において、磁極部6a、7aの中心位置よりも磁束検出部10aの方が内周側に位置する場合は、磁束検出部10aの方が外周側に位置する場合に対し、基準信号301の変更方向が逆となる。第3磁気センサ11の磁束検出部の位置と第1の基準信号300の変更方向との関係も基準信号301の場合と同様に考えることができる。
なお、ロータ3を左回転させる場合のロータ3の回転位置とコイル4、5の印加電圧の極性と、磁極部6a、7aの磁極、基準信号300、301の設定値の関係は、右回転させる場合と逆になる。すなわち、左回転の場合は、図10の表において、ロータ3の回転位置に関し、各角度にマイナス付ける。また、磁極部6aの磁極と磁極部7aの磁極とを逆にし、コイル4の印加電圧の極性とコイル5の印加電圧の極性とを逆にし、第1の基準信号300の値と第2の基準信号301の値とを逆にする。
このように、制御手段としての制御回路13は、第1の比較結果信号400に基づいて第1のコイル4への通電方向を制御し、第2の比較結果信号401に基づいて第2のコイル5への通電方向を制御する。その際、変更手段としての制御回路13は、ロータ3の回転方向に応じて第1の基準信号300または第2の基準信号301のいずれかを選択し、選択した基準信号の値を、第1の磁極部6aの極性と第2の磁極部7aの極性との関係に応じて変更する。
なお、第1の出力信号10bと第2の出力信号11bのオフセット量が共に0.3Vであるとし、基準信号300、301のオフセット量も0.3Vであるとして説明した。しかし、磁極部と磁気センサとの特に半径方向の位置関係により、出力信号10b、11bのオフセットの方向や量が異なる場合がある。また、第1の出力信号10bと第2の出力信号11bとでオフセット量が異なる場合もある。これらの場合には、それぞれのオフセットの方向や量に対応して、基準信号300、301のオフセットの方向や量を設定してもよく、両者の方向や量は一致しなくてもよい。
本実施の形態によれば、制御回路13は、比較器200、201から出力される、出力信号10b、11bと基準信号300、301との比較結果を示す比較結果信号400、401に基づいて、コイル4、5への通電方向を制御する。制御回路13は、第1のヨーク6の第1の磁極部6aの極性と第2のヨーク7の第2の磁極部7aの極性との関係に応じて基準信号300、301の値を変更する。これにより、通電方向の切り換えに対するヨーク6、7からの磁束の影響を抑制することができる。従って、意図したコイルへの通電切り換えタイミングを実現することができる。
以下、本実施の形態における変形例について説明する。右回転を例にとる。図10の例では、制御回路13は、第2の出力信号11bと第2の基準信号301との大小関係が反転したことに応じて、第2の出力信号11bの値を変更し、しかも、第2の基準信号301を−0.3V、0V、+0.3Vの3種類に切り換えていた。しかし、第2の出力信号11bと第2の基準信号301との大小関係が反転するごとに、第2の基準信号301の値の正負を切り換えてもよい。すなわち、0Vを経ずに、−0.3Vと+0.3Vとに、第2の基準信号301の値を切り換えてもよい。このようにする場合、第2の基準信号301を、図10において、0Vに換えて括弧内に記載した−0.3Vまたは+0.3Vとしても良い。すると、全ての回転位置において、第2の基準信号301は、−0.3Vか+0.3Vかのいずれかの値となる。これにより、0V、−0.3V、+0.3Vという3値から、−0.3V、0.3Vの2値に、とるべき値の数を減らすことができ、値を切り換えるための基準信号変更部500(例えばマイコン)の構成を簡素化できる。
なお、基準信号の変更量として±0.3Vを例示したが、変更量はこの値に限定されない。例えば、一般に、モータ駆動中にトルクを変化させるためにコイルへの印加電圧を変化させることがある。印加電圧を変化させると、磁極部6a、7aによる磁束量が変化し、出力信号10b、11bのオフセット量が変化する。そこで、制御回路13は、第1のコイル4及び第2のコイル5への印加電圧の大きさに応じて、基準信号300、301の値の変更量を決定してもよい。
なお、磁気センサの出力信号のオフセット量が予め把握できない場合がある。そこで、制御回路13は、基準信号300、301を0としてロータ3を回転させたときの各磁気センサの出力に基づいて、基準信号300、301の値の変更量を決定してもよい。これを図12で説明する。
図12は、出力信号のオフセット量を記録して基準信号を設定する、基準信号設定処理のフローチャートである。この処理は、制御回路13のCPUが、制御回路13が備えるROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。この処理は、基準信号設定処理の指示がなされると開始される。
まず、制御回路13は、モータ1の駆動を開始し、磁気センサ10、11の出力信号10b、11bの変化を記録情報として記録する(ステップS101)。そして制御回路13は、記録した記録情報に基づいて、基準信号300、301の0に対する変更量を決定し、それにより変更後の基準信号300、301の値を設定して(ステップS102)、図12の処理を終了する。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の基本的構成は、第1の実施の形態と同様であり、図1〜図9で説明した通りである。ただし、比較器200(図9)で用いる第1の基準信号300、比較器201で用いる第2の基準信号301はいずれも0とする。比較結果信号400、401は、図13に示すように、Hi信号またはLow信号となる。出力信号10b、11bの正負の反転タイミングで、比較結果信号400、401は各々、Hi信号とLow信号とに切り替わる。制御回路13は、第1のコイル4に第1の電圧を印加し、第2のコイル5に第2の電圧を印加する。制御回路13は、第1のコイル4と第2のコイル5の各々への通電時には同じ大きさの電圧を印加する。
図14(a)、(b)は、ロータ3を右回転(図4(a)、(b)の時計方向に回転)させる場合のロータ3の回転位置とコイルの通電極性と出力信号との関係に、比較結果信号を加えて示す図である。図14(a)、(b)では、図8と同様に、「ロータ3の所望の回転位置」に対応する電気角に対応する位置に磁気センサ10、11が配置された場合の各関係がされている。ここで、ロータ3の所望の回転位置は、第1磁気センサ10に関しては、機械角で22.5度、67.5度、112.5度、157.5度、202.5度、247.5度、292.5度、337.5度・・・である。また、ロータ3の所望の回転位置は、第3磁気センサ11に関しては、0度(360度)、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度・・・である。
図14(a)、(b)に示すように、磁極部6aの極性がN極、S極であるとき、それぞれ、比較結果信号400はHi信号、Low信号となる。同様に、磁極部7aの極性がN極、S極であるとき、それぞれ、比較結果信号401はHi信号、Low信号となる。比較結果信号400、401は、磁極部6a、7aの各極性がN極からS極に切り替わる際に立下り状態となり、S極からN極に切り替わる際に立上り状態となる。
本実施の形態では、出力信号10b、11bの反転タイミング、すなわち、比較結果信号400、401のHi信号とLow信号との切り替わりタイミングから、待ち時間の経過を待って、コイル4、5の各々への通電方向を切り換える。以下に説明するように、待ち時間は、磁極部6a、7aの磁極の極性の関係に応じて設定される。そのため、本実施の形態では、磁気センサ10、11を、「ロータ3の所望の回転位置」に対応する電気角に対して所定電気角だけ位相の進んだ(早い)位置に配置される。具体的には、磁気センサ10、11を、ロータ3の所望の回転位置に対して機械角で10度(電気角で40度:所定電気角)だけ、進み位相となる位置に配置する。
図15(a)、(b)は、磁気センサ10、11を進み位相で配置した場合における、ロータ3を右回転させる場合のロータ3の回転位置とコイルの通電極性と出力信号との関係に、比較結果信号を加えて示す図である。図14と比較してわかるように、磁気センサ10、11を進み位相で配置した結果、波形10r、11r、出力信号10b、11b、波形10(+)、11(+)、波形10(−)、11(−)のいずれも、10度分、(図中では左側に)シフトしている。
このような配置により、出力信号10b、11bの反転タイミングが機械角で10度だけ早くなる。このため、磁気センサ10、11を進み位相で配置しない場合(図14)の検知タイミングと比べて、比較結果信号400、401のHi信号とLow信号との切り替わりタイミングでのロータ回転位置が10度小さくなっている。すなわち、磁気センサ10に関し、出力信号10bの反転タイミングは、図14(a)では22.5度、67.5度、112.5度、157.5度、202.5度、・・以降45度毎であった。しかし本実施の形態(図15(a))では、反転タイミングが各々、10度小さい値となり、12.5度、57.5度、102.5度、147.5度、192.5度、・・以降45度毎となっている。また、磁気センサ11に関し、出力信号11bの反転タイミングは、図14(b)では3.75度、48.75度、93.75度、138.75度、183.75度、・・以降45度毎であった。しかし本実施の形態(図15(b))では、反転タイミングが各々、10度小さい値となり、−6.25度(=353.75)、38.75度、83.75度、128.75度、173.75度、・・以降45度毎となっている。
制御回路13は、第1の出力信号10bの反転タイミングから第1の待ち時間Δt1が経過したタイミングで、コイル4に印加する第1の電圧の通電極性(通電方向)を切り替える。また、制御回路13は、第2の出力信号11bの反転タイミングから第2の待ち時間Δt2が経過したタイミングで、コイル5に印加する第2の電圧の通電極性(通電方向)を切り替える。第1の待ち時間Δt1、第2の待ち時間Δt2は次のようにして設定される。
まず、ロータ3の右回転時において、磁気センサ10に関しては、磁極部6aの極性の影響による検知の遅れが生じない。そのため、制御回路13は、機械角で10度に相当する時間を第1の待ち時間Δt1として設定する。第1の待ち時間Δt1は、ロータ3の回転速度(単位時間当たりの回転数)に応じて算出される。従って、回転数が変化すれば、第1の待ち時間Δt1も変更される。制御回路13は、磁気センサ10で検知される回転数N(単位:rps)を取得する。制御回路13は、Δt1(秒)=1/N×(10度/360度)により第1の待ち時間Δt1を算出する。
一方、ロータ3の右回転時において、磁気センサ11に関しては、3.75度の検知の遅れが生じるため、これを相殺する必要がある。そこで、制御回路13は、10度−3.75度=6.25度分を、第2の待ち時間Δt2として設定する。従って、制御回路13は、Δt2(秒)=1/N×(6.25度/360度)により第2の待ち時間Δt2を算出する。その結果、ロータ3を右回転時においては、第1の待ち時間Δt1よりも第2の待ち時間Δt2の方が短い。
待ち時間を設けることで、図15(a)、(b)に示すように、所望の通電の切替タイミングが得られる。すなわち、ロータ3の右回転時において、第1の待ち時間Δt1を設けることで、コイル4に印加する第1の電圧の通電切替タイミングを、ロータ3の所望の回転位置(22.5度、67.5度・・・等)にすることができる。また、ロータ3の右回転時において、第2の待ち時間Δt2を設けることで、コイル5に印加する第2の電圧の通電切替タイミングを、ロータ3の所望の回転位置(0度、45度・・・等)にすることができる。
また、ロータ3の回転方向によって、磁極部の極性の影響による検知の遅れが生じるコイルが異なる。例えば、ロータ3の左回転時において、磁気センサ11に関しては、磁極部7aの極性の影響による検知の遅れが生じない。そこで、制御回路13は、機械角で10度に相当する時間を第2の待ち時間Δt2として設定する。すなわち、制御回路13は、Δt2(秒)=1/N×(10度/360度)により第2の待ち時間Δt2を算出する。
一方、磁気センサ10に関しては、3.75度の検知の遅れが生じるため、これを相殺する必要がある。そこで制御回路13は、10度−3.75度=6.25度分を、第1の待ち時間Δt1として設定する。従って、制御回路13は、Δt1(秒)=1/N×(6.25度/360度)により第1の待ち時間Δt1を算出する。その結果、ロータ3を右回転時においては、第2の待ち時間Δt2よりも第1の待ち時間Δt1の方が短くなる。
このように、制御回路13は、ロータ3の回転方向に応じて、待ち時間Δt1、Δt2を設定する。一例として、制御回路13は、ロータ3の回転方向に応じて、第1の待ち時間Δt1と第2の待ち時間Δt2とを入れ換える。ロータ3の回転方向は、磁極部6aの極性と磁極部7aの極性との関係(変化の仕方)から把握できる。これにより、両方向の回転方向(駆動方向)において、意図したコイルへの通電切り換えタイミングを実現することができる。
待ち時間Δt1、Δt2のいずれか一方と他方との長さの関係については次のようになる。待ち時間Δt1、Δt2のいずれか他方は、ロータ3の所望の回転位置に対応する電気角に対応する位置に、対応する磁気センサが配置されたと仮定した場合に生じる出力信号の反転タイミングの遅延分に対応する時間分だけ、いずれか一方より短い。しかし、待ち時間Δt1、Δt2のいずれか他方がいずれか一方より短い量は、出力信号の反転タイミングの遅延分に対応する時間分と一致することは必須でない。
本実施の形態によれば、制御回路13は、磁気センサ10、11の出力信号の反転タイミングから待ち時間が経過したタイミングでコイル4、5の通電方向を切り換える。制御回路13は、磁極部6aの極性と磁極部7aの極性との関係に応じて、待ち時間を設定する。これにより、通電方向の切り換えに対するヨーク6、7からの磁束の影響を抑制することに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
次に、第2の実施の形態の変形例を説明する。まず、磁気センサ10、11の位置を、ロータ3の所望の回転位置に対して機械角で10度、進み位相となる位置に配置したが、10度という値は例示であり、この値に限定されない。例えば、10度に代えてθ2度を採用したとする。この場合、ロータ3の右回転時において、制御回路13は、Δt1(秒)=1/N×(θ2度/360度)により第1の待ち時間Δt1を算出する。また、制御回路13は、Δt2(秒)=1/N×(θ2−3.75度/360度)により第2の待ち時間Δt2を算出する。ロータ3の左回転時においては、第1の待ち時間Δt1と第2の待ち時間Δt2とを入れ換えればよい。
また、ロータ3の右回転時において、磁気センサ11により検知遅れの角度として3.75度を例示したが、検知遅れの角度がΔαである場合は、次のようにすればよい。制御回路13は、Δt1(秒)=1/N×(θ2度/360度)により第1の待ち時間Δt1を算出する。また、制御回路13は、Δt2(秒)=1/N×(θ2−Δα度/360度)により第2の待ち時間Δt2を算出する。ここで、θ2度とΔα度とを一致させれば、Δt2(秒)=0となる。ロータ3の左回転時においては、第1の待ち時間Δt1と第2の待ち時間Δt2とを入れ換えればよい。従って、一方の待ち時間をゼロにすることも可能である。
なお、出力信号10b、11bのオフセット量が共に0.3Vであるとした。しかし、第1の出力信号10bと第2の出力信号11bとでオフセット量が異なる場合もある。これらの場合には、制御回路13は、それぞれのオフセットの方向や量に対応して、第1の待ち時間Δt1と第2の待ち時間Δt2とを設定してもよい。さらに、モータ駆動中にトルクを変化させるためにコイルへの印加電圧を変化させることがある。印加電圧を変化させると、出力信号10b、11bのオフセット量が変化する。そこで、制御回路13は、第1のコイル4及び第2のコイル5への印加電圧の大きさに応じて、待ち時間Δt1、Δt2を設定してもよい。
また、モータの個体差や、温度環境の変化などによって、出力信号10b、11bのオフセット量を予め把握できない場合がある。その場合は、図16で説明するように、制御回路13は、時間に対応付けて記録したモータ出力情報に基づいて、待ち時間Δt1、Δt2を設定してもよい。
図16は、待ち時間設定処理のフローチャートである。この処理は、制御回路13のCPUが、制御回路13が備えるROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。この処理は、待ち時間設定処理の指示がなされると開始される。
まず、ステップS1601で、制御回路13は、待ち時間を変数として様々な待ち時間でモータ1を動作させ、モータ出力情報(回転速度および発生トルクの少なくとも一方)を測定する。ステップS1602で、制御回路13は、待ち時間と対応付けて、モータ出力情報を記録する。ステップS1603で、制御回路13は、記録したモータ出力情報を参照し、実際にモータ1を駆動する際の条件(回転速度または発生トルク)に対応する待ち時間を、待ち時間Δt1、Δt2として設定する。その後、制御回路13は、図16の処理を終了させる。
なお、制御回路13は、待ち時間とモータ出力情報との対応付けの際には、これらの対応関係を数式によって近似し、この近似式を用いて待ち時間Δt1、Δt2を算出してもよい。あるいは、モータ出力に代えて、磁気センサ10、11による検出磁束の波形を測定し、検知遅れを算出して、その検知遅れを待ち時間Δt1、Δt2の設定に反映させてもよい。検出磁束の波形の測定に用いるものは、磁束を検出できるものであればよく、ホール素子やその他の磁気センサであってもよい。また、検知遅れの情報を得る際に、別途設けた、高精度な位置検出センサによる位置情報と磁気センサの検知結果とを比較し、磁気センサの検知タイミングの遅れを算出しても良い。
なお、本実施の形態では、比較器200、201、第2磁気センサ8、第4磁気センサ9を設けることは必須でない。
なお、出力信号10b、11bは、ロータ3の回転位置、コイル4、5への印加電圧によって変化する。従って、第1の実施の形態において、制御回路13は、これらを記録した情報から基準信号300、301を設定してもよい。また、第2の実施の形態において、制御回路13は、上記記録した情報を待ち時間Δt1、Δt2の設定に反映させてもよい。これらにより、磁気センサの出力信号のオフセット量が予め把握できない場合に対処できる。また、磁石とコイルは温度による特性変化がある。従って、第1の実施の形態において、制御回路13は、モータ1の温度もしくはモータ1付近の温度の情報も記録情報として記録し、それを考慮して基準信号300、301を設定してもよい。また、第2の実施の形態において、制御回路13は、上記記録情報を待ち時間Δt1、Δt2の設定に反映させてもよい。これらにより、温度による影響があっても、意図したコイルへの通電切換えのタイミングを実現することができ、より好ましい。
なお、上記各実施の形態においては、磁極部6a、7aの磁束の影響に着目したが、この他にも、モータ1の付近に磁気を発生する物体があると、磁気センサの出力信号は影響を受ける。例えば、他のモータやソレノイドなど、磁石や電磁石が備わったものがモータ1の付近に配置されると、磁気センサの出力信号が変化する。そこで、第1の実施の形態においては、制御回路13は、ロータ3に隣接して配置される物体から発生する磁束の情報に基づいて、基準信号300、301の値の変更量を決定してもよい。その場合、磁束の情報を予め計測等によって取得してもよい。また、第2の実施の形態においては、制御回路13は、上記物体から発生する磁束の情報に基づいて、待ち時間Δt1、Δt2を設定してもよい。
なお、上記各実施の形態においては、磁気センサ及び比較器が2個ずつの構成を説明したが、磁気センサ及び比較器が1個ずつであるとし、比較器と基準信号との比較結果によって2つのコイルの通電方向を切り換える構成にも本発明を適用可能である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
2 マグネット
3 ロータ
4、5 コイル
6、7 ヨーク
6a、7a 磁極部
10、11 磁気センサ
13 制御回路
200、201 比較器

Claims (22)

  1. 円筒形状に形成されるとともに周方向に複数に分割して異なる極に交互に多極着磁されたマグネットを備えた回転可能なロータと、
    前記ロータの外周面に対向する第1の磁極を備えた第1のヨークと、
    前記ロータの前記外周面に対向し前記第1の磁極部に対して電気角をずらした位置に配置された第2の磁極を備えた第2のヨークと、
    通電されることで前記第1の磁極部を励磁する第1のコイルと、
    通電されることで前記第2の磁極部を励磁する第2のコイルと、
    前記ロータの前記外周面に対向して配置され、磁束に応じた信号を出力する磁気センサと、を有するモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記磁気センサの出力信号と基準信号との比較結果を示す比較結果信号を出力する比較器と、
    前記比較器により出力された比較結果信号に基づいて、前記第1のコイル及び前記第2のコイルへの通電方向を制御する制御手段と、
    前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性との関係に応じて、前記基準信号の値を変更する変更手段と、を有することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記変更手段は、前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性とが共にN極の場合と、前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性とが共にS極の場合とで、前記基準信号の値の正負を逆にすることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記磁気センサは、前記第1の磁極部及び前記第2の磁極部よりも前記マグネットの半径方向外周側に配置され、
    前記変更手段は、前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性とが共にN極の場合は、前記基準信号の値を+側に変更し、前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性とが共にS極の場合は、前記基準信号の値を−側に変更することを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記変更手段は、前記比較結果信号と前記基準信号との大小関係が反転したことに応じて、前記基準信号の値を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 前記変更手段は、前記比較結果信号と前記基準信号との大小関係が反転するごとに、前記基準信号の値の正負を切り換えることを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記変更手段は、前記第1のコイル及び前記第2のコイルへの印加電圧の大きさに応じて、前記基準信号の値の変更量を決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記変更手段は、前記基準信号を0として前記ロータを回転させたときの前記磁気センサの出力に基づいて、前記基準信号の値の変更量を決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  8. 前記変更手段は、前記ロータに隣接して配置される物体から発生する磁束の情報に基づいて、前記基準信号の値の変更量を決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  9. 前記磁気センサは、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含み、
    前記比較器は、前記第1の磁気センサの第1の出力信号と第1の基準信号とを比較して第1の比較結果信号を出力する第1の比較器、及び、前記第2の磁気センサの第2の出力信号と第2の基準信号とを比較して第2の比較結果信号を出力する第2の比較器を含み、
    前記制御手段は、前記第1の比較結果信号に基づいて前記第1のコイルへの通電方向を制御し、前記第2の比較結果信号に基づいて前記第2のコイルへの通電方向を制御し、
    前記変更手段は、前記ロータの回転方向に応じて前記第1の基準信号または前記第2の基準信号のいずれかを選択し、選択した基準信号の値を前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性との関係に応じて変更することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  10. 円筒形状に形成されるとともに周方向に複数に分割して異なる極に交互に多極着磁されたマグネットを備えた回転可能なロータと、
    前記ロータの外周面に対向する第1の磁極を備えた第1のヨークと、
    前記ロータの前記外周面に対向し前記第1の磁極部に対して電気角をずらした位置に配置された第2の磁極を備えた第2のヨークと、
    通電されることで前記第1の磁極部を励磁する第1のコイルと、
    通電されることで前記第2の磁極部を励磁する第2のコイルと、
    前記ロータの前記外周面に対向して配置され、磁束に応じた信号を出力する磁気センサと、を有するモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記磁気センサの出力信号の反転タイミングから待ち時間が経過したタイミングで前記第1のコイルまたは前記第2のコイルの通電方向を切り換える制御手段と、
    前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性との関係に応じて、前記待ち時間を設定する設定手段と、を有することを特徴とするモータ制御装置。
  11. 前記設定手段は、前記ロータの回転方向に応じて前記待ち時間を設定することを特徴とする請求項10に記載のモータ制御装置。
  12. 前記磁気センサは、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含み、
    前記制御手段は、前記第1の磁気センサの第1の出力信号の反転タイミングから第1の待ち時間が経過したタイミングで前記第1のコイルの通電方向を切り換え、前記第2の磁気センサの第2の出力信号の反転タイミングから第2の待ち時間が経過したタイミングで前記第2のコイルの通電方向を切り換え、
    前記設定手段は、前記ロータの回転方向に応じて前記第1の待ち時間と前記第2の待ち時間とを入れ換えることを特徴とする請求項10または11に記載のモータ制御装置。
  13. 前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサはいずれも、前記ロータの所望の回転位置に対応する電気角に対して所定電気角だけ位相の進んだ位置に配置され、
    前記第1の待ち時間および前記第2の待ち時間のいずれか一方は、前記所定電気角に対応する時間であり、前記第1の待ち時間および前記第2の待ち時間のいずれか他方は、前記いずれか一方より短い時間であることを特徴とする請求項12に記載のモータ制御装置。
  14. 前記いずれか他方は、前記ロータの所望の回転位置に対応する電気角に対応する位置に、対応する磁気センサが配置されたと仮定した場合に生じる、前記出力信号の反転タイミングの遅延分に対応する時間分だけ、前記いずれか一方より短いことを特徴とする請求項13に記載のモータ制御装置。
  15. 前記設定手段は、前記第1のコイル及び前記第2のコイルへの印加電圧の大きさに応じて、前記待ち時間を設定することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  16. 前記設定手段は、前記ロータの回転速度に応じて、前記待ち時間を設定することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  17. 前記設定手段は、前記ロータに隣接して配置される物体から発生する磁束の情報に基づいて、前記待ち時間を設定することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  18. 前記設定手段は、前記ロータの回転速度またはトルクの少なくとも一方と時間とを対応付けた情報に基づいて、前記待ち時間を設定することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  19. 前記磁気センサは、前記第1の磁極部及び前記第2の磁極部よりも前記マグネットの半径方向外周側に配置されることを特徴とする請求項10〜18のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  20. 円筒形状に形成されるとともに周方向に複数に分割して異なる極に交互に多極着磁されたマグネットを備えた回転可能なロータと、
    前記ロータの外周面に対向する第1の磁極を備えた第1のヨークと、
    前記ロータの前記外周面に対向し前記第1の磁極部に対して電気角をずらした位置に配置された第2の磁極を備えた第2のヨークと、
    通電されることで前記第1の磁極部を励磁する第1のコイルと、
    通電されることで前記第2の磁極部を励磁する第2のコイルと、
    前記ロータの前記外周面に対向して配置され、磁束に応じた信号を出力する磁気センサと、を有するモータを制御するモータ制御方法であって、
    前記磁気センサの出力信号と基準信号との比較結果を示す比較結果信号を出力する比較ステップと、
    前記比較ステップで出力された比較結果信号に基づいて、前記第1のコイル及び前記第2のコイルへの通電方向を制御する制御ステップと、
    前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性との関係に応じて、前記基準信号の値を変更する変更ステップと、を有することを特徴とするモータ制御方法。
  21. 前記磁気センサは、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含み、
    前記比較ステップは、前記第1の磁気センサの第1の出力信号と第1の基準信号とを比較して第1の比較結果信号を出力すると共に、前記第2の磁気センサの第2の出力信号と第2の基準信号とを比較して第2の比較結果信号を出力し、
    前記制御ステップは、前記第1の比較結果信号に基づいて前記第1のコイルへの通電方向を制御し、前記第2の比較結果信号に基づいて前記第2のコイルへの通電方向を制御し、
    前記変更ステップは、前記ロータの回転方向に応じて前記第1の基準信号または前記第2の基準信号のいずれかを選択し、選択した基準信号の値を前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性との関係に応じて変更することを特徴とする請求項20に記載のモータ制御方法。
  22. 円筒形状に形成されるとともに周方向に複数に分割して異なる極に交互に多極着磁されたマグネットを備えた回転可能なロータと、
    前記ロータの外周面に対向する第1の磁極を備えた第1のヨークと、
    前記ロータの前記外周面に対向し前記第1の磁極部に対して電気角をずらした位置に配置された第2の磁極を備えた第2のヨークと、
    通電されることで前記第1の磁極部を励磁する第1のコイルと、
    通電されることで前記第2の磁極部を励磁する第2のコイルと、
    前記ロータの前記外周面に対向して配置され、磁束に応じた信号を出力する磁気センサと、を有するモータを制御するモータ制御方法であって、
    前記磁気センサの出力信号の反転タイミングから待ち時間が経過したタイミングで前記第1のコイルまたは前記第2のコイルの通電方向を切り換える制御ステップと、
    前記第1の磁極部の極性と前記第2の磁極部の極性との関係に応じて、前記待ち時間を設定する設定ステップと、を有することを特徴とするモータ制御方法。
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