JP2019114479A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルを動かすことなく、被加熱体を均一に加熱することが可能な誘導加熱装置を提供する。【解決手段】本発明の誘導加熱装置100は、被加熱体Mを収容する容器101と、容器101の外側に配されたコイル102と、コイル102に電流を流した際に発生する誘導磁界を制御する誘導制御部材103と、誘導制御部材103を駆動する駆動機構104と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、誘導加熱装置に関する。
半導体材料である炭化珪素(SiC)は、現在広くデバイス用基板として使用されているSi(珪素)に比べてバンドギャップが広いことから、単結晶SiC基板を使用してパワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等を作製する研究が行われている。
炭化珪素を結晶成長させるとき、焼成するとき等に炉を加熱する方式として、高周波電流による誘導加熱方式が用いられている。誘導加熱方式は、コイルに高周波電流を流すことによって発生する誘導磁界を被加熱体に作用させ、そこに誘起される電流を利用して被加熱体を発熱させるものである(特許文献1、2)。
この方式では、単位時間に多くのエネルギーを供給することができるため、高速・高温加熱が可能であるが、上述した被加熱体での発熱量が、被加熱体とコイルとの位置関係に依存するため、被加熱体を均一に加熱することが難しい。例えば、コイルが螺旋形状を有し、その内側に被加熱体が配されている場合、被加熱体の中央部分で発熱しやすく、そこでの温度が相対的に高くなる。
所定のタイミングでコイルを駆動し、コイルと被加熱体との位置関係を変動させれば、発熱しやすい部分が移動し、被加熱体の全体にわたって温度を均一化させられる可能性はある。しかしながら、近年用いられている誘導加熱装置では、炉とともにコイルが巨大化する傾向にあり、その駆動を制御することが難しくなっている。
特開2016−207668号公報 特許第4903946号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コイルを動かすことなく、被加熱体を均一に加熱することが可能な誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
(1)本発明の一態様に係る誘導加熱装置は、被加熱体を収容する容器と、前記容器の外側に配されたコイルと、前記コイルに電流を流した際に発生する誘導磁界を制御する誘導制御部材と、前記誘導制御部材を駆動する駆動機構と、を備えている。
(2)前記(1)に記載の誘導加熱装置において、前記コイルが螺旋形状を有し、前記コイルで囲まれる空間に前記容器が配されていてもよい。
(3)前記(1)または(2)のいずれかに記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材が、前記コイルで囲まれる空間の外側に配されていてもよい。
(4)前記(3)に記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材が、前記コイルの軸と平行な方向において、前記コイルの少なくとも一端側に配されていてもよい。
(5)前記(3)に記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材が、前記コイルの軸と垂直な方向において、前記コイルの周囲に配されていてもよい。
(6)前記(1)または(2)のいずれかに記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材が、前記コイルと前記容器とで挟まれた空間に配されていてもよい。
(7)前記(1)に記載の誘導加熱装置において、前記コイルが渦巻き形状を有し、前記コイルの軸方向における一端側に前記容器が配されていてもよい。
(8)前記(7)に記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材が、前記コイルを挟んで前記容器と反対側に配されていてもよい。
(9)前記(7)に記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材が、前記コイルと前記容器とで挟まれた空間に配されていてもよい。
(10)前記(7)に記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材が、前記コイルの軸と垂直な方向において、前記コイルの周囲に配されていてもよい。
(11)前記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材が、円筒形状を有し、その軸が前記コイルの軸と平行となるように配されていることが好ましい。
(12)前記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の誘導加熱装置において、前記誘導制御部材と前記コイルとの離間距離が、被加熱体とコイルの距離より小さくなる距離まで駆動可能であることが好ましい。
本発明の誘導加熱装置では、コイルに電流を流した際に、コイルの周囲に発生する磁界のうち誘導制御部材に近い部分が、誘導制御部材との磁気的相互作用によって強制的に歪められる。その影響により、被加熱体のうち誘導制御部材に近い部分に作用する磁界は、他の部分に作用する磁界に比べて弱まることになる。そして、誘導制御部材に近い部分では、誘起される電流が相対的に小さくなり、これに伴う発熱の量が、他の部分での発熱の量に比べて小さくなる。
本発明では、駆動機構を用いて誘導制御部材を駆動し、誘導制御部材とコイルとの距離を調整することにより、誘導加熱部材の近くに発生する磁界の歪み具合を変えることができる。したがって、本発明では、被加熱体において作用する磁界が相対的に弱まる位置を自在に変えることができる。つまり、コイルを動かすことなく、被加熱体の発熱量が小さくなる部分の位置を変えることにより、発熱量が大きくなる部分すなわち加熱中心の位置を自在に変えることができ、ひいては被加熱体を均一に加熱することができる。
(a)本発明の第一実施形態に係る誘導加熱装置の斜視図である。(b)(a)の誘導加熱装置の縦断面図である。 (a)図1の誘導加熱装置において、誘導制御部材を下側に駆動させた状態について説明する図である。(b)(a)の状態における、誘導加熱装置の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 (a)図1の誘導加熱装置において、誘導制御部材を上側に駆動させた状態について説明する図である。(b)(a)の状態における、誘導加熱装置の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 (a)本発明の第二実施形態に係る誘導加熱装置の断面図であって、誘導制御部材を上側に駆動させた状態について説明する図である。(b)(a)の状態における、誘導加熱装置の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 (a)本発明の第二実施形態に係る誘導加熱装置の断面図であって、誘導制御部材を下側に駆動させた状態について説明する図である。(b)(a)の状態における、誘導加熱装置の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 (a)本発明の第三実施形態に係る誘導加熱装置の断面図であって、誘導制御部材を上側に駆動させた状態について説明する図である。(b)(a)の状態における、誘導加熱装置の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 (a)本発明の第三実施形態に係る誘導加熱装置の断面図であって、誘導制御部材を下側に駆動させた状態について説明する図である。(b)(a)の状態における、誘導加熱装置の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 (a)本発明の第四実施形態に係る誘導加熱装置の斜視図である。(b)(a)の誘導加熱装置を動作させた場合における、誘導加熱装置の温度分布のシミュレーション結果を示すグラフである。
以下、本発明について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
<第一実施形態>
図1(a)は、本発明の第一実施形態に係る誘導加熱装置100の概略構成を示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)の誘導加熱装置100の縦断面図である。
誘導加熱装置100は、被加熱体Mを収容する容器(坩堝)101と、容器101の外側に配されたコイル102と、コイル102に電流を流した際に発生する誘導磁界を制御する誘導制御部材103と、誘導制御部材103を駆動する駆動機構104と、を備えている。誘導加熱装置100は、例えば高温の加熱処理を必要とする炭化珪素の昇華炉、溶融炉、黒鉛化炉、結晶成長炉として活用することができる。
容器101は、坩堝として機能する公知の材料からなるものである。例えば、昇華法による炭化珪素の単結晶成長に用いる場合には、2000℃〜2500℃程度の高温に耐えられる黒鉛、炭化タンタル等の材料からなるものが用いられる。被加熱体Mは、容器内101において、容器101と同等の耐熱性を有する支持部材106等によって支持されている。
容器101は、内部の温度を維持し、かつ容器101が発する熱によってコイル102がダメージを受けるのを防ぐために、図1に示すように断熱材105で覆われていることが好ましい。断熱材105としては、例えば、炭素繊維等のカーボン材料からなるものが用いられる。
容器101は、コイル102で囲まれる空間に配されている。コイル102は、螺旋形状を有し、高周波発振器(不図示)に接続されている。コイル102を構成する複数のリング部分102Aは、それぞれ容器101の側壁からの離間距離dを保って配置される。離間距離dは、誘導加熱装置や容器(坩堝)等の大きさによって適宜選択される。
本実施形態に係る誘導制御部材103は、コイル102で囲まれる空間の外側であって、コイルの軸102aと平行な方向において、コイル103の少なくとも一端側に配されている。図1では、誘導制御部材103が、コイルの一端102b側(上側)、他端102c側(下側)に、それぞれ1つずつ配されている場合について例示している。つまり、2つの誘導制御部材103A、103Bが、コイル102を間に挟むように配されている。これらは、互いに同じ材料からなり、同じ形状、同じ大きさを有することが好ましい。2つの誘導制御部材103A、103Bの中心軸同士は、略一致していることが好ましい。
誘導制御部材103としては、非磁性で、導電性を示し、耐熱性を有するものであることが好ましく、例えば銅、銅合金、金、プラチナ、銀、パラジウム等の導電材料からなるものを用いることができ、銅または銅合金が好ましい。銅合金としては、亜鉛、スズ、ニッケル、クロム、銀等との合金を用いることができ、亜鉛を主とした銅合金が好ましい。
誘導制御部材103は、誘導加熱の過程において温度が上がり過ぎるのを防ぐため、冷却水の供給等の機能を有する冷却手段(不図示)を備えている。
誘導制御部材103は、フレキシブルな部材、あるいは構造であってもよい。この場合、誘導制御部材103の形状を変化させることによって、コイルから磁界の歪め方を自在に調整することができる。
均熱性を高める観点から、容器101、誘導制御部材103の形状は、いずれも両端が開口した略円筒状であることが好ましく、コイルの軸102aと容器の中心軸101aと誘導制御部材の中心軸103aとが、略一致していることが好ましい。
この場合、誘導制御部材103は、その内部を容器102が貫通した配置をとることができるため、容器102に遮られることなく、誘導制御部材103とコイルとの距離を自在に調整することができる。
誘導制御部材103が略円筒状を有する場合、発生する磁界を効果的に歪める観点から、側壁の厚みt1や軸方向の長さt2は、容器(坩堝)の大きさやコイルの大きさに応じて、誘導制御部材の効果が得られる範囲で適宜選択される。誘導制御部材103は、コイル102との離間距離d1が被加熱体Mとコイル102の距離より小さくなる位置まで駆動可能である。誘導制御部材とコイルとの離間距離d1は誘導制御部材の効果が得られる範囲内の遠さで、かつ放電しない範囲内の近さで選択される。放電が起こる距離は、電力、真空度、ガス雰囲気などによって異なるため、使用する環境に応じて定めることができる。
駆動機構104は、誘導制御部材103を所定の方向に駆動する機能を有している。誘導制御部材103の駆動方向は、コイル102と誘導制御部材103の位置関係によって決定される。本実施形態では、誘導制御部材103A、103Bを、それぞれ駆動機構104A、104Bを用いて、コイルの軸102a方向(図1では上下方向)に駆動するように構成されている。
本実施形態では、誘導制御部材103A、103Bのそれぞれを、駆動機構104A、104Bで個別に駆動する方式を例示しているが、誘導制御部材103A、103B間の距離が制限されている場合には、1つの駆動機構で駆動する方式に置き替えてもよい。
上述した構成においてコイル102に高周波電流を流した場合、コイル102の周囲に発生する磁界(誘導磁界)が被加熱体Mに作用し、そこに電流(誘導電流)が誘起される。そして、電流の誘起に伴うジュール熱によって、被加熱体Mの温度が上昇する。
図2(a)は、図1の誘導加熱装置100において、誘導加熱部材103A、103Bを駆動させ、一端102b側の誘導加熱部材103Aをコイル102に近づけ、他端102c側の誘導加熱部材103Bをコイル102から遠ざけた状態について説明する図である。
図2(b)は、この状態でコイル102に高周波電流を流した場合について、誘導加熱装置の片側部分(右側部分)100Aにおける、温度分布のシミュレーション結果を示す図である。温度分布は色の濃淡で表されており、濃い領域ほど温度が高いことを示している(以下に示す図でも同様)。上昇した温度の分布は、図2(b)に示すように一様ではなく、誘導加熱部材103Aに近い側の部分の温度が、他の部分に比べて低くなる。誘導加熱装置の他の片側部分(左側部分)においては、図2(b)の分布と境界線Cを中心とした軸対称な分布を示す。
図3(a)は、図1の誘導加熱装置100において、誘導加熱部材103A、103Bを駆動させ、誘導加熱部材103Aをコイル102から遠ざけ、誘導加熱部材103Bをコイル102に近づけた状態について説明する図である。
図3(b)は、この状態でコイル102に高周波電流を流した場合について、誘導加熱装置100の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。上昇した温度の分布は、図3(b)に示すように一様ではなく、誘導加熱部材103Bに近い側の部分の温度が、他の部分に比べて低くなる。誘導加熱装置の他の片側部分(左側部分)においては、図3(b)の分布と境界線Cを中心とした軸対称な分布を示す。
図2、3に示すように、本実施形態に係る誘導加熱装置100では、コイル102に電流を流した際に、コイル102の周囲に発生する磁界のうち誘導制御部材103に近い部分が、誘導制御部材103との磁気的相互作用によって強制的に歪められる。その影響により、被加熱体Mのうち誘導制御部材103に近い部分に作用する磁界は、他の部分に作用する磁界に比べて弱まることになる。そして、誘導制御部材103に近い部分では、誘起される電流が相対的に小さくなり、これに伴う発熱の量が、他の部分での発熱の量に比べて小さくなる。
本実施形態では、駆動機構104を用いて誘導制御部材103を駆動し、誘導制御部材103とコイル102との距離を調整することにより、誘導加熱部材103の近くに発生する磁界の歪み具合を変えることができる。したがって、本実施形態では、被加熱体Mにおいて作用する磁界が相対的に弱まる位置を自在に変えることができる。つまり、コイル102を動かすことなく、被加熱体Mの発熱量が小さくなる部分の位置を変えることにより、発熱量が大きくなる部分すなわち加熱中心の位置を自在に変えることができ、ひいては被加熱体Mを均一に加熱することができる。
<第二実施形態>
図4(a)は、本発明の第二実施形態に係る誘導加熱装置200の縦断面図である。誘導加熱装置200では、誘導制御部材203が、コイル202の軸と垂直な方向において、コイル202の周囲に配されている。すなわち、誘導制御部材203の内壁面がコイル202と対向している。誘導制御部材203以外の構成は、第一実施形態に係る誘導加熱装置100の構成と同様であり、誘導加熱装置100と同等の効果を奏する。
発生する磁界を効果的に歪める観点から、誘導制御部材203は、コイルの軸202aに垂直な平面視におけるコイル202との離間距離d2が、容器201とコイル202の距離より小さい範囲を含んで駆動されることが好ましい。すなわち、誘導制御部材203は、コイル202との離間距離d2が被加熱体Mとコイル202の距離より小さくなる位置まで駆動可能であることが好ましい。
図4(a)では、誘導加熱部材203を駆動させ、誘導加熱部材203をコイルの軸202a方向における一端側(上側)202bに近づけた状態を示している。図4(b)は、この状態でコイル202に高周波電流を流した場合について、誘導加熱装置の一部分(右側半分)200Aにおける、温度分布のシミュレーション結果を示す図である。上昇した温度の分布は、図4(b)に示すように一様ではなく、誘導加熱部材203に近い側の部分の温度が、他の部分に比べて低くなる。誘導加熱装置の他の片側部分(左側部分)においては、図4(b)の分布と境界線Cを中心とした軸対称な分布を示す。
図5(a)では、誘導加熱部材203を駆動させ、誘導加熱部材203をコイルの軸202a方向における他端側(下側)202cに近づけた状態を示している。図5(b)は、この状態でコイル202に高周波電流を流した場合について、誘導加熱装置の一部分(右側半分)200Aにおける、温度分布のシミュレーション結果を示す図である。上昇した温度の分布は、図5(b)に示すように一様ではなく、誘導加熱部材203に近い側の部分の温度が、他の部分に比べて低くなる。誘導加熱装置の他の片側部分(左側部分)においては、図5(b)の分布と境界線Cを中心とした軸対称な分布を示す。
図4、5に示すように、本実施形態に係る誘導加熱装置200でも、コイル202に電流を流した際に、コイル202の周囲に発生する磁界のうち誘導制御部材203に近い部分が、誘導制御部材203との磁気的相互作用によって強制的に歪められる。したがって、駆動機構204を用いて誘導制御部材203の位置を調整することにより、被加熱体における加熱中心の位置を自在に変えることができ、ひいては被加熱体を均一に加熱することができる。
<第三実施形態>
図6(a)は、本発明の第三実施形態に係る誘導加熱装置300の縦断面図である。誘導加熱装置300では、誘導制御部材303が、コイル302の軸と垂直な方向において、コイル302と容器301とで挟まれた空間に配されている。すなわち、誘導制御部材303の内壁面は容器301と対向し、誘導制御部材303の外壁面はコイル302と対向している。誘導制御部材303以外の構成は、第一実施形態に係る誘導加熱装置100の構成と同様であり、誘導加熱装置100と同等の効果を奏する。
本実施形態では、誘導制御部材303が、被加熱体Mよりコイル302に近い位置に配置されることになり、その位置関係を維持して駆動することにより効率的に誘導制御を行うことができる。
図6(a)では、誘導加熱部材303を駆動させ、誘導加熱部材303をコイルの軸302a方向における一端側(上側)302bに近づけた状態を示している。図6(b)は、この状態でコイル302に高周波電流を流した場合について、誘導加熱装置の一部分(右側半分)300Aにおける、温度分布のシミュレーション結果を示す図である。上昇した温度の分布は、図6(b)に示すように一様ではなく、誘導加熱部材303に近い側の部分の温度が、他の部分に比べて低くなる。誘導加熱装置内の温度分布は、図6(b)の分布と境界線Cを中心とした軸対称な分布を示す。
図7(a)では、誘導加熱部材303を駆動させ、誘導加熱部材303をコイルの軸302a方向における他端側(下側)302cに近づけた状態を示している。図7(b)は、この状態でコイル302に高周波電流を流した場合について、誘導加熱装置の一部分(右側半分)300Aにおける、温度分布のシミュレーション結果を示す図である。上昇した温度の分布は、図7(b)に示すように一様ではなく、誘導加熱部材303に近い側の部分の温度が、他の部分に比べて低くなる。誘導加熱装置内の温度分布は、図7(b)の分布と境界線Cを中心とした軸対称な分布を示す。
図6、7に示すように、本実施形態に係る誘導加熱装置でも、コイルに電流を流した際に、コイルの周囲に発生する磁界のうち誘導制御部材に近い部分が、誘導制御部材との磁気的相互作用によって強制的に歪められる。したがって、駆動機構を用いて誘導制御部材303の位置を調整することにより、被加熱体における加熱中心の位置を自在に変えることができ、ひいては被加熱体を均一に加熱することができる。
<第四実施形態>
図8(a)は、本発明の第四実施形態に係る誘導加熱装置400の概略構成を示す斜視図である。誘導加熱装置400では、コイル402が渦巻き形状(蚊取り線香形状)を有し、コイルの軸402a方向における一端側(上側)に容器401が配されている。誘導制御部材403は、コイル402を挟んで容器401と反対側に配されている。
均熱性を高める観点から、容器401、誘導制御部材403の形状は、いずれも両端が開口した略円筒状であることが好ましく、コイルの軸402aと容器の中心軸401aと誘導制御部材の中心軸403aとが、略一致していることが好ましい。コイル402および誘導制御部材403以外の構成は、第一実施形態に係る誘導加熱装置100の構成と同様であり、誘導加熱装置100と同等の効果を奏する。
図8(b)は、誘導制御部材403を、駆動機構404を用いてコイルの軸402a方向(上下方向)に駆動した場合における、被加熱体Mの外表面の温度分布を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は容器の中心軸401a、誘導制御部材の中心軸402aからの距離[mm]を示し、縦軸はコイル402と対向する被加熱体Mの表面の温度[℃]を示している。破線がコイル402と誘導制御部材403との離間距離d4を大きくした場合に対応し、実線がコイル402と誘導制御部材403との離間距離d4を小さくした場合に対応している。
離間距離d4を大きくした場合には、被加熱体Mの外表面の温度が中心軸付近で著しく下がっており、加熱される領域がドーナツの形状(リング状)を有している。一方、離間距離d4を小さくした場合には、中心軸付近での温度の下がり具合が若干軽減されている。
本実施形態に係る誘導加熱装置400でも、コイル402に電流を流した際に、コイル402の周囲に発生する磁界のうち誘導制御部材403に近い部分が、誘導制御部材403との磁気的相互作用によって強制的に歪められる。したがって、駆動機構404を用いて誘導制御部材403の位置を調整することにより、被加熱体Mにおける加熱中心の位置を自在に変えることができ、ひいては被加熱体Mを均一に加熱することができる。
なお、誘導制御部材403は、コイル402と容器401とで挟まれた空間に配されていてもよい。また、誘導制御部材403は、コイルの軸402aと垂直な方向において、コイル402の周囲に配されていてもよい。いずれの場合にも、誘導制御部材403をコイルの軸402aと平行な方向に駆動することにより、被加熱体Mにおける加熱中心の位置を変えることができ、被加熱体Mを均一に加熱することができる。
本発明は、炭化珪素の結晶成長、焼成等の高温の熱処理を伴うあらゆる製造プロセスにおいて、広く利用することができる。
100、200、300、400・・・誘導加熱装置
100A、200A、300A、400A・・・誘導加熱装置の片側部分
101、201、301、401・・・容器
102、202、302、402・・・コイル
102A、202A、302A・・・リング部分
101a、102a、103a、401a、402a、403a・・・中心軸
102b、202b、302b・・・コイルの一端
102c、202c、302c・・・コイルの他端
103、103A、103B、203、303、403・・・誘導制御部材
104、104A、104B、204、304、404・・・駆動機構
105、205、305、405・・・断熱材
C・・・境界線
d、d1、d2、d3、d4・・・離間距離
M・・・被加熱体
t1・・・側壁の厚み
t2・・・軸方向の長さ

Claims (12)

  1. 被加熱体を収容する容器と、
    前記容器の外側に配されたコイルと、
    前記コイルに電流を流した際に発生する誘導磁界を制御する誘導制御部材と、
    前記誘導制御部材を駆動する駆動機構と、を備えていることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記コイルが螺旋形状を有し、前記コイルで囲まれる空間に前記容器が配されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記誘導制御部材が、前記コイルで囲まれる空間の外側に配されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の誘導加熱装置。
  4. 前記誘導制御部材が、前記コイルの軸と平行な方向において、前記コイルの少なくとも一端側に配されていることを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記誘導制御部材が、前記コイルの軸と垂直な方向において、前記コイルの周囲に配されていることを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱装置。
  6. 前記誘導制御部材が、前記コイルと前記容器とで挟まれた空間に配されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の誘導加熱装置。
  7. 前記コイルが渦巻き形状を有し、前記コイルの軸方向における一端側に前記容器が配されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  8. 前記誘導制御部材が、前記コイルを挟んで前記容器と反対側に配されていることを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱装置。
  9. 前記誘導制御部材が、前記コイルと前記容器とで挟まれた空間に配されていることを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱装置。
  10. 前記誘導制御部材が、前記コイルの軸と垂直な方向において、前記コイルの周囲に配されていることを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱装置。
  11. 前記誘導制御部材が、円筒形状を有し、その軸が前記コイルの軸と平行となるように配されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
  12. 前記誘導制御部材と前記コイルとの離間距離が、被加熱体とコイルの距離より小さくなる位置まで駆動可能であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
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