JP2019113232A - ヒートパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】高い熱交換比率を得ることができるヒートパイプを提供することを目的とする。【解決手段】ヒートパイプ1は、全体として平板状である。上部材は、下面の面内方向に冷媒を送る溝部10cが形成された平板状の部材である。下部材は、上面の面内方向に冷媒を送る溝部11cが形成された平板状である。中間部材は、上部材と下部材とに挟まれた一又は複数枚の部材である。ヒートパイプ1では、中間部材を介して上部材と下部材とが接合されて減圧下で冷媒が封入された内部空間20が形成されている。中間部材により、内部空間20が形成された状態で、上部材の溝部10cと下部材の溝部11cとを連通し、気化した冷媒を通過させる蒸気拡散流路21と、上部材の溝部10cと下部材の溝部11cとの間で、凝縮した冷媒を毛細管現象により送る毛細管流路22と、が構成されている。毛細管流路22は、その流路方向に流路断面積が変化している。【選択図】図10

Description

本発明は、ヒートパイプに関する。
減圧下の密閉空間に冷媒を封入し、熱源から伝えられた熱により蒸気となった冷媒が拡散する蒸気拡散通路と、凝縮した冷媒を毛細管現象により送る毛細管流路(ウィック)が設けられたヒートパイプが開示されている。
特開2002−039693号公報 特開2004−077120号公報
上述のようなヒートパイプの熱交換比率において、重要なのは毛細管流路における凝縮した冷媒を送る能力である。この能力が高ければ高いほど、ヒートパイプの性能を向上することができる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高い熱交換比率を得ることができるヒートパイプを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係るヒートパイプは、
全体として平板状のヒートパイプであって、
下面の面内方向に冷媒を送る溝部が形成された平板状の上部材と、
上面の面内方向に前記冷媒を送る溝部が形成された平板状の下部材と、
前記上部材と前記下部材とに挟まれた一又は複数枚の中間部材と、
を備え、
前記中間部材を介して前記上部材と前記下部材とが接合されて減圧下で前記冷媒が封入された内部空間を形成し、
前記中間部材により、
前記内部空間が形成された状態で、前記上部材の溝部と前記下部材の溝部とを連通し、気化した前記冷媒を通過させる蒸気拡散流路と、
前記上部材の溝部と前記下部材の溝部との間で、凝縮した前記冷媒を毛細管現象により送る毛細管流路と、
が構成され、
前記毛細管流路は、その流路方向に流路断面積が変化している。
この場合、前記毛細管流路は、凝縮した前記冷媒が進入可能な第1の流路断面積を有する第1の部分と、凝縮した前記冷媒を毛細管現象で送液可能な第2の流路断面積を有する第2の部分と、を有し、
前記第1の部分から前記第2の部分との間に、凝縮した前記冷媒に気液界面振動を生じさせるエッジが設けられている、
こととしてもよい。
また、前記中間部材は、複数積層されて構成され、
前記中間部材それぞれに、
前記蒸気拡散流路と前記毛細管流路との間の冷媒の移動を防止する隔壁が設けられている、
こととしてもよい。
前記蒸気拡散流路の断面積が、蒸気の流れる方向に従って均一であるか大きくなっている、
こととしてもよい。
本発明によれば、毛細管流路は、その流路方向に流路断面積が変化している。このため、凝縮した冷媒が毛細管流路に進入しにくい場所ではその流路の流路断面積を大きくしたり、毛細管現象を発生させるべき場所では、流路の流路断面積を小さくしたりすることができる。この結果、透水性を損なうことなく毛細管力を高めることができるので、高い熱交換比率を得ることができる。
図1(A)は、本発明の実施の形態に係るヒートパイプの斜視図である。図1(B)は、図1(A)のヒートパイプの側面図である。 図1のヒートパイプの分解斜視図である。 上部材及び下部材の底面とA−A断面を示す図である。 上部材及び下部材の内部領域の拡大斜視図である。 中間部材の上面とB−B断面を示す図である。 中間部材の毛細管流路形成領域の拡大図である。 毛細管流路の上面図である。 図7のC−C断面図である。 図1のヒートパイプの縦断面図である。 内部空間における冷媒の循環を示す図である。 蒸気拡散流路と毛細管流路との間の隔壁を示す図である。 図12(A)〜図12(C)は、冷媒の封入方法を示す模式図である。 図1のヒートパイプの製造方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図中、同一又は対応する部分には同一の符号を付している。
図1(A)に示すように、本実施の形態に係るヒートパイプ1は、上下を厚み方向とする全体として矩形平板状の筐体50を有する冷却装置である。ヒートパイプ1の底面中央部には、冷却対象となる熱源体2が取り付けられている。
熱源体2としては、IC(半導体集積装置)、LSI(大規模集積回路装置)及びCPU(中央処理装置)等が想定される。ヒートパイプ1において、熱源体2が取り付けられた底面中央部を受熱部3ともいう。受熱部3で熱源体2から受けた熱は、ヒートパイプ1全体に伝えられ、放熱される。したがって、ヒートパイプ1としては、熱伝導性の高い材質のものが用いられる。このような材質には、例えば銅がある。
図1(B)に示すように、ヒートパイプ1の筐体50内には、減圧された密閉空間(内部空間)20が設けられている。内部空間20には、冷媒Wが封入されている。受熱部3で受けた熱により、冷媒Wは気化し、内部空間20全体に拡散する。拡散した冷媒Wは、ヒートパイプ1の外面に熱を伝達した後に凝縮し、受熱部3に戻る。熱は、ヒートパイプ1の外面から放熱される。このように、内部空間20内における冷媒Wの循環により、ヒートパイプ1は、全体に熱を分散する。
図2に示すように、ヒートパイプ1は、上部材10と、下部材11と、中間部材12A〜12Dと、で構成される。なお、本実施の形態では、中間部材の数を4枚としたが、本発明はこれには限られない。中間部材は、1枚でも複数枚でもよい。
図3に示すように、上部材10は、最も上側に配置された矩形平板状の部材である。この上部材10の上面(+z面)がヒートパイプ1の上面を構成する。上部材10の下面(−z面)は、その外縁に沿って設けられた外縁部10aと、内部領域10bとに分かれている。外縁部10aは、内部領域10bよりも下側(−z側)に突出した接合用突起を構成する。上部材10は、図2に示すように、この外縁部10aで、中間部材12Aの上面の外縁と拡散接合される。
内部領域10bは、内部空間20の天井を構成する。内部領域10bには、毛細管現象により、その下面の面内方向に冷媒を送る溝部10cが設けられている。図4に示すように内部領域10bには、多数のディンプル10dが設けられており、ディンプル10d間に縦横の溝部10cが形成されている。なお、溝部10cは、内部領域10bが垂直な面となったときであっても、重力に抗して毛細管力により冷媒Wを内部領域10b全面に送ることができるような流路幅及び深さとなっている。
下部材11は、最も下側に配置された矩形平板状の部材であり、形状及び大きさが上部材10と同じ部材であるため、上部材10と同様に図3を用いて説明する。この下部材11の下面がヒートパイプ1の底面を構成する。この下部材11の下面中央部に受熱部3が設けられている。
図3に示すように、下部材11の上面は、外縁部11aと、内部領域11bとに分かれている。外縁部11aは、図2に示すように、中間部材12Dの下面の外縁部と接合される。内部領域11bは、内部空間20の底面を構成する。内部領域11bには、毛細管現象により、その下面の面内方向に冷媒Wを送る溝部11cが設けられている。
中間部材12A〜12Dは、上部材10と下部材11との間に配置された矩形平板状の部材である。中間部材12A〜12Dの外縁の形状及び大きさは上部材10及び下部材11と同じである。図5に示すように、中間部材12Aの下面の外縁部12aは、内部領域12bに対して下側に突出する接合用突起を形成し、中間部材12Bの上面の外縁部12aと接合される。また、中間部材12Bの下面の外縁部12aは、内部領域12bに対して下側に突出する接合用突起を形成し、中間部材12Cの上面の外縁部12aと接合される。さらに、中間部材12Cの下面の外縁部12aは、内部領域12bに対して下側に突出する接合用突起を形成し、中間部材12Dの上面の外縁部12aと接合される。中間部材12Dの下面の外縁部12aは、内部領域12bに対して下側に突出する接合用突起を形成し、下部材11の外縁部11aと接合される。
このように、上部材10の外縁部10a、中間部材12A〜12Dの外縁部12a及び下部材11の外縁部11aは拡散接合される。これにより、ヒートパイプ1の側面が形成され、ヒートパイプ1の内部空間20は密閉空間となる。
図5に示すように、中間部材12A〜12Dには、外縁部12aで囲まれた内部領域12bには、空隙としての蒸気拡散流路形成領域12cと、毛細管流路形成領域12dとが設けられている。中間部材12A〜12Dの中央部には、毛細管流路形成領域12dが配置されている。中間部材12A〜12Dでは、この中心の毛細管流路形成領域12dから、蒸気拡散流路形成領域12cと、毛細管流路形成領域12dとが、放射状に延びている。
中間部材12A〜12Dが接合されると、それぞれの蒸気拡散流路形成領域12cと、毛細管流路形成領域12dとが一致するようになる。内部空間20において、蒸気拡散流路形成領域12cで蒸気拡散流路21が構成され、毛細管流路形成領域12dで毛細管流路22が構成される。
蒸気拡散流路21は、内部空間20が形成された状態で、上部材10の溝部10cと下部材11の溝部11cとを連通する空隙である。蒸気拡散流路21は、気化した冷媒Wを拡散させるために設けられており、気化した冷媒Wを通過させる。受熱部3で受けた熱により冷媒Wは気化し、蒸気拡散流路21を介して内部空間20内に拡散する。
毛細管流路22は、拡散し凝縮した冷媒Wを熱源体2が取り付けられた受熱部3に戻すために設けられている。毛細管流路22は、凝縮した冷媒Wを、上部材10の溝部10cと下部材11の溝部11cとの間で毛細管現象により送る。
図6に示すように、蒸気拡散流路形成領域12cには、枠24により、大きさが同じ複数の貫通孔(開口部)23が形成されている。貫通孔23の大きさは、冷媒Wによる界面張力・粘性力などの物性値と、表面への塗れ性により決まる接触角とに基づいて、凝縮した冷媒Wが容易に入り込むことができる大きさ(冷媒Wが流入可能な下限値よりも大きな径)となっている。すなわち、貫通孔23の大きさは、冷媒Wに対して毛細管現象が生じない程度の大きさとなっている。中間部材12A〜12Dが接合されたときに、図7及び図8に示すように、上下の貫通孔23の位置は、その貫通孔23の配列ピッチの半分程度ずれるようになっている。これにより、上下に隣接する中間部材12A〜12Dのそれぞれ貫通孔23によって構成される隙間の大きさは、冷媒Wに対して毛細管現象を発生させる大きさとなっている。
言い換えると、図9に示すように、毛細管流路22は、凝縮した冷媒Wが進入可能な第1の流路断面積を有する第1の部分22aと、凝縮した冷媒Wを毛細管現象で送液可能な第2の流路断面積を有する第2の部分22bと、を有している。また、毛細管流路22には、第1の部分22aから第2の部分22bとの間に、凝縮した冷媒Wに気液界面振動を生じさせるエッジ22cが設けられている。このようにすれば、凝縮した冷媒Wは、第1の部分22aに進入して、容易にエッジ22cに到達し、エッジ22cで気液界面振動を生じさせ、第2の部分22bに進入し、毛細管現象によりさらにその下流へ送られ易くなっている。
すなわち、本実施の形態では、毛細管流路22は、上下方向、水平方向及び斜め方向に流路方向を設定した場合、どの方向についても、流路断面積が変化している流路であると言える。
このような構成を有するヒートパイプ1の動作について説明する。図10に示すように、熱源体2から発せられた熱は受熱部3に伝わり、この熱により、減圧下にある内部空間20の下部材11の内部領域11bに存在する冷媒Wは気化し、蒸気拡散流路21を通って、内部空間20全体に拡散する。そして、気化した冷媒Wの大部分は、上部材10の内部領域10bに到達し、熱を伝達するとともに、凝縮する。
上部材10の内部領域10bで凝縮した冷媒Wは、内部領域10bの溝部10cで毛細管現象により、毛細管流路22まで送られる。毛細管流路22では、毛細管現象により、凝縮した冷媒Wが、再び下部材11の内部領域11bまで送られる。
下部材11の内部領域10bまで到達した凝縮した冷媒Wは、内部領域10bに形成された溝部10cに入り込み、毛細管現象により、受熱部3に戻る。
以上、この内部空間20内において、上述の冷媒Wの循環サイクルが形成され、これにより、熱源体2の冷却が実現される。
また、本実施の形態では、図11に示すように、中間部材12A〜12Dそれぞれにおいて、蒸気拡散流路21と毛細管流路22との境界部分に、冷媒Wの移動を防止する隔壁25が設けられている。より具体的には、中間部材12A〜12Dのそれぞれについて、蒸気拡散流路21と毛細管流路22との境界部分に、接合用突起12eが設けられている。この接合用突起12eが相手の中間部材12A〜12Dと拡散接合して、隔壁25が形成される。
なお、図10に示すように、蒸気拡散流路21の断面積は、冷媒Wの蒸気の流れる方向に従って均一となっている。
なお、上部材10の内部領域10bと下部材11の内部領域11bとには、重力に抗して毛細管現象を起こす溝部10c,11cが形成されているので、ヒートパイプ1を水平置きにしても、縦置きにしても、上部材10の内部領域10bと、下部材11の内部領域11bとを凝縮した冷媒Wが移動し易くなる。このため、上述の循環サイクルに従って冷媒Wを効率的に循環させることができる。
なお、これら中間部材12A〜12D及び下部材11には、熱源体2と対向する中央部分の四辺外郭位置にもそれぞれ突起を設け、周辺部のみならず、熱源体2の周辺領域の位置等においても突起が形成され、それらの突起の直接接合により補強部が形成されている。このように、ヒートパイプ1では、周辺領域等にも補強部を設けて機械的強度を向上させることにより、熱源体から発生する熱で冷媒が熱膨張して略中央部が外方へ膨らもうとする現象(以下、これを「ポップコーン現象」と呼ぶ)が発生するのが防止されている。
また、上部材10には、図3等では不図示であるが、図12(A)に示すように、冷媒Wを封入するための冷媒注入孔5及び空気排出孔6が設けられている。この状態では、上部材10に形成された冷媒注入孔5及び空気排出孔6を介してのみ内部空間20と外部とが連通した状態になる。
次に、ヒートパイプの製造方法について説明する。
図13に示すように、まず、下部材11、中間部材12A〜12D及び上部材10を順番に最適な位置で重ね合わせて積層し、融点以下の温度で加熱しつつプレスして、それぞれに設けられた外縁部10a等の接合用突起12eを直接接合させる(ステップS1)。これにより、一体化したヒートパイプ1が形成される。
また、このステップにより、ヒートパイプ1の内部空間20には、中間部材12A〜12Dの各蒸気拡散流路形成領域12cが重なり合うことにより蒸気拡散流路21が形成され、各毛細管流路形成領域12dが重なり合うことにより毛細管流路22が複数形成される。すなわちこの工程で、蒸気拡散流路21及び毛細管流路22からなる冷媒Wの循環経路が形成される。
このとき冷媒注入孔5及び空気排出孔6の周辺領域の下方には、上部材10、中間部材12A〜12D、下部材11に補強部30が設けられ、それらが接合することにより支柱構造が形成される。補強部30には、冷媒注入孔5及び空気排出孔6と内部空間20とを連通する貫通孔31が設けられている。
続いて、内部空間20には、冷媒注入孔5から不図示のノズルを用いて冷媒W(例えば水)を大気圧下で所定量注入する(ステップS2)。この際、空気排出孔6は、冷媒W供給時における空気の排出口となり、内部空間20への冷媒Wの注入はスムーズに行なわれる。なお、冷媒Wは、例えば水の場合、封入量は貫通孔31の総体積と同等相当とするのが好ましい。また、冷媒Wとしては、ヒートパイプ1の高寿命化のために、特にイオン汚染の無い超純水を用いるのが好ましい。また、この際、空気排出孔6にて真空引きをすれば、より円滑に冷媒Wを注入することができる。
次に、例えば球状体でなる封止部材7を予め所定数用意しておき、図12(B)に示すように、冷媒注入孔5及び空気排出孔6上に封止部材7を載置する(ステップS3)。ここで、冷媒注入孔5及び空気排出孔6と縁と封止部材7との隙間により、ヒートパイプ1の内部空間20と外部とは連通した状態に維持されている。このため、この隙間から内部空間20内のガス抜きを行なうことができる。
そして、この状態のまま隙間を通じて減圧による真空脱気を、例えば10分程度行なう(ステップS4)。この工程では、隙間を介して真空脱気を行なうことで、内部空間20内の空気が抜かれ、当該空気と共に内部空間20内から有害成分を除去することができる。なお、図中の矢印は脱気(ガス抜き)の方向を示す。
その後、常温状態のまま、数分間封止部材7を上からプレスして低温加圧変形させる(ステップS5)。このようにして低温真空加圧処理することにより、封止部材7で冷媒注入孔5及び空気排出孔6を仮封止する。このとき冷媒注入孔5及び空気排出孔6が封止部材7で閉塞される。
ここで、冷媒注入孔5及び空気排出孔6の周辺領域に対向する部分には、補強部30が密着することにより、支柱構造が形成されていることから、プレスにより封止部材7を加圧する際、当該プレスからの外力を補強部30が受け止め、内部空間20が潰れることなく、プレスによって封止部材7を必要な外力で確実に加圧できる。
なお、常温より高い温度にして封止部材7を加圧した場合には、冷媒Wの蒸気、例えば水蒸気が外部にリークし易くなるため好ましくない。従って真空脱気が行なわれる温度としては、25℃程度の常温が好ましい。
次に、低温真空加圧処理が終わると、例えば10分間程度、高温下で真空度を例えば0.5KPaとした後、さらにプレスによって封止部材7を上から加圧する(ステップS6)。これにより、封止部材7が高温加圧変形し、冷媒注入孔5及び空気排出孔6内に深く侵入して封止部材7でさらに強固に圧着され閉塞した状態になる。
すなわち、封止部材7は、主として加圧により塑性変形するとともに、補助的に加熱により塑性変形し、冷媒注入孔5及び空気排出孔6を閉塞する。こうして、球状体であった封止部材7は、図12(C)に示すように、塑性変形により冷媒注入孔5及び空気排出孔6の形となって、当該冷媒注入孔5及び空気排出孔6に圧着して実質的に封止栓となり、ヒートパイプ1の内部空間20を封止する。このようにして冷媒注入孔5及び空気排出孔6を封止部材7で閉塞し終えると、加温停止、真空引き停止及びプレスによる加圧解除を行ない、当該加圧、加熱、真空引き処理を終える。
なお、そのとき封止部材7の外表面は、ヒートパイプ1の外表面と略同一平面上に形成することが好ましい。というのは、ヒートパイプ1の外表面の平坦性を保ち、これによりヒートパイプ1自身とそれに取り付けられる例えばフィン等のラジエータとの密着性を良くし、その間の熱伝導性を支障なく高めることができるからである。
その後、ヒートパイプ1の外表面は防錆等のため、ニッケルメッキされる(ステップS7)。ここで仮に半田からなる封止部材7を用いて冷媒注入孔5及び空気排出孔6を閉塞した場合には、半田に対して良好なニッケルメッキをすることは困難を伴うので、冷媒注入孔5及び空気排出孔6を閉塞した部分が良好にニッケルメッキされにくいという不都合が生じる。
これに対して本実施の形態では、ヒートパイプ1と同じ銅系金属でなる封止部材7を用いて冷媒注入孔5及び空気排出孔6を閉塞するので、そのような不都合は生ぜず、冷媒注入孔5及び空気排出孔6を閉塞した部分も良好にニッケルメッキすることができる。
このようなヒートパイプ1の製造方法(冷媒封入方法)によれば、真空下に複数のヒートパイプ1を並べ、各ヒートパイプ1の冷媒注入孔5及び空気排出孔6上に封止部材7を載置し、これら複数のヒートパイプ1に対して一度にガス抜きや、封止部材7の加圧及び加熱をし、全ての封止部材7を塑性変形させて一斉に冷媒Wを密封することができる。かくして冷媒注入孔5毎に個別に行われる従来のカシメ作業や溶接、接着等の面倒な作業を行なう封止方法に比較してヒートパイプ1の量産性を高めることができ、また量産性を高めることでヒートパイプ1の低価格化を図ることもできる。
なお、冷媒注入孔5において、封止部材7との隙間の大きさが不十分である場合には、冷媒注入孔5又は封止部材7にガス抜き溝を設けるようにしてもよい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、毛細管流路22は、その流路方向に流路断面積が変化している。このため、凝縮した冷媒Wが毛細管流路22に進入しにくい場所ではその流路の流路断面積を大きくしたり、毛細管現象を発生させるべき場所では、流路の流路断面積を小さくしたりすることができる。この結果、透水性を損なうことなく毛細管力を高めることができるので、高い熱交換比率を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、第1の部分22aに凝縮した冷媒Wを進入させて気液界面振動を生じさせる第1の部分22aと第2の部分22bとの間にあるエッジ22cに速やかに到達させることができるので、凝縮した冷媒Wを毛細管流路22に進入し易くすることができる。このため、高い熱交換比率を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、蒸気拡散流路21と毛細管流路22との間は、隔壁25で仕切られている。これにより、気化した冷媒Wと凝縮した冷媒Wとの間で交換される熱量を低減することができるので、熱交換効率をさらに高めることができる。
また、本実施の形態によれば、蒸気拡散流路21の断面積が、冷媒Wの蒸気の流れる方向に従って均一となっている。これにより、冷媒Wの移動による圧力変化により、蒸気拡散流路21及び毛細管流路22が変形するのを抑制することができる。なお、蒸気拡散流路21の断面積が、冷媒Wの蒸気の流れる方向に従って大きくなるようにしてもよい。このようにすれば、冷媒Wの移動による圧力変化により、蒸気拡散流路21及び毛細管流路22が変形するのを抑制することができる。
なお、冷媒Wとしては、潜熱の大きな水(純水、蒸留水等)が最適であると言えるが、必ずしも水に限定されず、例えばエタノール、メタノール、アセトン等が好適である。また、ヒートパイプの本体を成す上部材、中間板及び下部材は熱伝導性の良好な銅、銅合
金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス等が好適である。
なお、各部材の外縁部の割合、補強部の大きさ等は、これらが大きくなれば対応可能な内圧は上がるが、冷却効率は低下する。したがって、必要な内圧や冷却効率に基づいて、それらの設計指標は決定される。
また、冷媒注入孔5及び空気排出孔6の大きさ、位置、数などは、排気に要する時間ができるだけ早くなるように定められる。冷媒注入孔5及び空気排出孔6の形状は、初期状態では十分な空隙を有するが、封止部材変形後においては、完全に封止できるような構造であるのが望ましい。
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本発明は、熱源体を冷却するヒートパイプに適用することができる。
1 ヒートパイプ、2 熱源体、3 受熱部、5 冷媒注入孔、6 空気排出孔、7 封止部材、10 上部材、10a 外縁部、10b 内部領域、10c 溝部、10d ディンプル、11 下部材、11a 外縁部、11b 内部領域、11c 溝部、11d ディンプル、12A,12B,12C,12D 中間部材、12a 外縁部、12b 内部領域、12c 蒸気拡散流路形成領域、12d 毛細管流路形成領域、12e 接合用突起、20 内部空間、21 蒸気拡散流路、22 毛細管流路、22a 第1の部分、22b 第2の部分、22c エッジ、23 貫通孔(開口部)、24 枠、25 隔壁、30 補強部、31 貫通孔、50 筐体、W 冷媒

Claims (4)

  1. 全体として平板状のヒートパイプであって、
    下面の面内方向に冷媒を送る溝部が形成された平板状の上部材と、
    上面の面内方向に前記冷媒を送る溝部が形成された平板状の下部材と、
    前記上部材と前記下部材とに挟まれた一又は複数枚の中間部材と、
    を備え、
    前記中間部材を介して前記上部材と前記下部材とが接合されて減圧下で前記冷媒が封入された内部空間を形成し、
    前記中間部材により、
    前記内部空間が形成された状態で、前記上部材の溝部と前記下部材の溝部とを連通し、気化した前記冷媒を通過させる蒸気拡散流路と、
    前記上部材の溝部と前記下部材の溝部との間で、凝縮した前記冷媒を毛細管現象により送る毛細管流路と、
    が構成され、
    前記毛細管流路は、その流路方向に流路断面積が変化している、
    ヒートパイプ。
  2. 前記毛細管流路は、凝縮した前記冷媒が進入可能な第1の流路断面積を有する第1の部分と、凝縮した前記冷媒を毛細管現象で送液可能な第2の流路断面積を有する第2の部分と、を有し、
    前記第1の部分から前記第2の部分との間に、凝縮した前記冷媒に気液界面振動を生じさせるエッジが設けられている、
    請求項1に記載のヒートパイプ。
  3. 前記中間部材は、複数積層されて構成され、
    前記中間部材それぞれに、
    前記蒸気拡散流路と前記毛細管流路との間の冷媒の移動を防止する隔壁が設けられている、
    請求項1又は2に記載のヒートパイプ。
  4. 前記蒸気拡散流路の断面積が、蒸気の流れる方向に従って均一であるか大きくなっている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のヒートパイプ。
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