JP2019112353A - 自家腫瘍ワクチン及び免疫誘導方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い抗腫瘍効果を有する自家腫瘍ワクチン、及び犬や猫のような非ヒト哺乳動物の抗腫瘍能力を向上させる免疫誘導方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の自家腫瘍ワクチンは、(1)腫瘍罹患者から採取した腫瘍組織の超音波破砕物等の抗原物質と、(2)pH感受性リポソーム等のリポソームとを含む自家腫瘍ワクチンであって、メトホルミンを併用して投与するためのものである。なお、本発明の自家腫瘍ワクチンは、α-ガラクトシルセラミド等の(3)アジュバントを含んでいてもよい。また、本発明の免疫誘導方法は、本発明の自家腫瘍ワクチンとメトホルミンを犬や猫等の非ヒト哺乳動物に併用して投与する方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、自家腫瘍ワクチン及びそれを使用する免疫誘導方法に関する。
現在実施されている腫瘍の治療法は大きく分けて、外科療法、化学療法、放射線療法の3つである。これらのいずれも実施後の副作用や再発と転移のリスクが高く、例えば、体表腫瘤を外科的に摘出しても、肺などに遠隔転移巣して死亡する症例も少なくない。そのような転移症例には、現在有効な治療法が確立されておらず、新たな治療法が望まれている。
近年、前記3つの方法に加えて、第4の治療法である抗腫瘍ワクチンを使用する免疫療法が研究されている。そして、ワクチンによる免疫療法の効果を高めるためには、細胞性免疫を誘導することが重要であることが知られている。また、細胞性免疫を誘導するためには、外部から投与された抗原を、樹状細胞の細胞質内に内在化させて、樹状細胞の細胞表面に存在するMHCクラスI分子上に提示させなければならないことも知られている。
さて、リポソームは、内部に抗原を封入して目的とする場所まで効率よく運搬できるため、ワクチンのキャリアとして注目されている。また、従来の研究によって、リポソームは、脂質組成、ゼータ電位、粒子径によって異なる薬物動態を持つことが知られており、その組成を調製することによって抗原を安定して免疫誘導組織まで運搬、放出し、樹状細胞が積極的に取り込めることが分かっている。
そこで、従来から、リポソームワクチンが開発・実用化されている。具体的には、以下のものが例示できる。
まず、「パラホルムアルデヒド等によって固体化された腫瘍組織から調製された抗原物質と、サイトカインとして顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子とを含む腫瘍ワクチン。」が挙げられる(特許文献1参照。)。
また、「免疫化のために投与すべきペプチドまたはタンパク質の免疫原を、サクシニル化ポリグリシドールを含むリポソームから構成されるワクチン担体中に含ませた、ワクチン。」が挙げられる(特許文献2参照。)。
また、「パラホルムアルデヒド等によって固体化された腫瘍組織から調製された抗原物質と、ポリオキシエチレン等のアジュバントとを含む腫瘍ワクチン。」が挙げられる(特許文献3参照。)。
さらに、発明者らも、腫瘍抗原を細胞質内に内在化させる運搬体としてリポソームに注目し、難治性腫瘍を治療することができる腫瘍ワクチンの開発を目指してきた。これまでの研究から、腫瘍抗原を内封したpH感受性膜融合能を持つリポソームに、アジュバントとして抗腫瘍免疫誘導が特に強力なα-ガラクトシルセラミド(α-Gal)を加えることによって、マウスへの皮下投与で効率よく抗腫瘍免疫応答が誘導できることを確認している(非特許文献1参照。)。
一方、従来からヒトの2型糖尿病治療薬として使用されている薬剤の一つとして、メトホルミンが存在する。このメトホルミンについて、メトホルミンの投与が、ワクチン投与で抗原刺激を受けたエフェクターTリンパ球における細胞表面のPD-1分子発現を抑制し、リンパ球の疲弊を防ぎ、ひいては腫瘍微小環境における免疫抑制状態の改善効果をもたらすことが、近年報告されている(非特許文献2参照。)。
しかし、犬や猫のような哺乳動物に対して十分な治療効果のある自家腫瘍ワクチン及び免疫誘導方法は、未だ実用化されていなかった。
特許4688254号公報 特許5054546号公報 特許5579586号公報
岡崎誠治ら. リポソームを応用した自家腫瘍ワクチンによる治療効果の解析. 第159回日本獣医学会学術集会講演要旨集, 2016, 363. EIKAWA, Shingo, et al. Immune-mediated antitumor effect by type 2 diabetes drug, metformin. Proceedings of the National Academy of Sciences, 2015, 112.6: 1809-1814.
高い抗腫瘍効果を有する自家腫瘍ワクチン、及び犬や猫のような非ヒト哺乳動物の抗腫瘍能力を向上させる免疫誘導方法を提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意検討の結果、腫瘍罹患者から採取した腫瘍組織由来の抗原物質を含む自家腫瘍ワクチンをメトホルミンと併用することによって、マウスのような小動物の腫瘍に対する免疫を誘導して、腫瘍の成長を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の自家腫瘍ワクチンは、(1)腫瘍罹患者から採取した腫瘍組織由来の抗原物質と、(2)リポソームとを含む自家腫瘍ワクチンであって、メトホルミンと併用するものである。なお、自家腫瘍ワクチンは、(1)抗原物質、(2)リポソームに加えて、リポソームワクチンの製造で通常使用される(3)アジュバントなどを含んでいてもよい。また、本発明の免疫誘導方法は、本発明の自家腫瘍ワクチンを、犬、猫等の非ヒト哺乳動物にメトホルミンと併用して投与する方法である。
本発明の自家腫瘍ワクチン及び免疫誘導方法によって、腫瘍が生じた飼育動物の腫瘍組織の成長を抑制し、その寿命を延長できる。これにより、飼育動物及びその飼い主の苦痛を低減できる。
図1は、腫瘍移植後日数と腫瘍体積との関係を示すグラフであり、自家腫瘍ワクチンの抗腫瘍効果を示す。 図2は、腫瘍移植後日数と生存率との関係を示すグラフであり、自家腫瘍ワクチン投与がマウスの生存期間に与えた影響を示す。 図3は、腫瘍細胞移植12日後の腫瘍体積をメトホルミン投与群と実験対照群との間で比較したグラフである。 図4は、メトホルミン投与群のフローサイトメーターによる解析の結果を示している。 図5は、腫瘍塊に含まれるCD8陽性細胞におけるPD-1分子発現量を、メトホルミン投与群と実験対照群との間で比較したグラフである。 図6は、腫瘍移植後日数と腫瘍体積との関係を示すグラフであり、自家腫瘍ワクチンの抗腫瘍効果を示す。 図7は、腫瘍移植後日数と生存率との関係を示すグラフであり、自家腫瘍ワクチン等の投与がマウスの生存期間に与えた影響を示す。
本発明の自家腫瘍ワクチンは、(1)腫瘍罹患者から採取した腫瘍組織由来の抗原物質及び(2)リポソームを含み、メトホルミンと併用するものである。また、本発明の免疫誘導方法は、本発明の自家腫瘍ワクチンを非ヒト哺乳動物に投与する方法である。そこで、これらの詳細について以下に説明する。
1.自家腫瘍ワクチン
(1)腫瘍罹患者から採取した腫瘍組織由来の抗原物質
(a)腫瘍罹患者
本発明の自家腫瘍ワクチンの治療対象となる腫瘍罹患者は、ヒト以外の哺乳動物であり、具体的には、ラット、マウス、モルモットなどの実験動物、犬、猫等のペット、牛、豚、羊、山羊などの家畜が挙げられる。
(b)採取方法及び対象となる腫瘍組織
腫瘍組織の採取方法は、公知の方法であれば特に限定することなく使用できる。具体的には、局所麻酔下での外科手術及び注射による吸引等が挙げられる。また、対象となる腫瘍組織の種類は、固形腫瘍であれば特に限定する必要はなく、具体的には、胃、腸、肝臓、腎臓、肺、子宮、脳、皮膚等に生じた腫瘍が挙げられる。
(c)腫瘍罹患者から採取した腫瘍組織由来の抗原物質
本発明の腫瘍罹患者から採取した腫瘍組織由来の抗原物質としては、腫瘍組織の細胞、腫瘍組織の破砕物、腫瘍組織のホルマリン固定物の破砕物、腫瘍組織の冷凍破砕物及びこれらの可溶化物等が挙げられる。なお、破砕物とは腫瘍組織を超音波処理等によって物理的に破砕したものであり、可溶化物とは腫瘍組織を界面活性剤等によって可溶化したものである。
自家腫瘍ワクチンにおける抗原性物質の含有量は、使用する抗原性物質の種類、投与対象、その体重、その年齢等に応じて、適宜調節することができる。なお、抗原性物質は、一種類単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(2)リポソーム
本発明のリポソームとしては、医薬品等に使用でき、生物に無害な両親媒性脂質からなるリポソームであれば、特に限定することなく使用できる。このようなリポソームとしては、例えば、pH応答性リポソームや陽性荷電リポソームが挙げられる。
ここで、pH応答性リポソームとは、中性環境下では安定であるが、弱酸性環境下では、リポソーム膜が著しく不安定化し、膜融合を誘起することにより、リポソーム膜で囲まれた閉鎖空間に内包された物質の一部又は全部をリポソーム膜外に放出できるリポソームのことである。ここで、「弱酸性環境下」とは、具体的には、生体内で生じ得るpH条件を考えると、pH6.9以下、pH4以上である。
なお、この内包物の放出は、リポソーム膜自体を不安定化するリポソームの能力、リポソーム膜が別の脂質二重膜等と融合することによるリポソームの膜融合性の増加、の何れか又は両方によるものであると考えられている。
pH応答性リポソームとしては、具体的には、特許文献2に記載のような脂質とカルボキシル基修飾ポリグリシドールとを含むものが挙げられる。
pH応答性リポソームを構成する脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン類、ホスファチジルエタノールアミン類、ホスファチジルセリン類、ホスファチジン酸類、長鎖アルキルリン酸塩類、ホスファチジルグリセロール類、コレステロール等が挙げられる。なお、これらの脂質は、一種類単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
ここで、ホスファチジルコリン類としては、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、卵黄レシチン(eggPC)等が挙げられる。
また、ホスファチジルエタノールアミン類としては、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)等が挙げられる。
また、ホスファチジルセリン類としては、ジオレイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)等が挙げられる。
また、ホスファチジン酸類又は長鎖アルキルリン酸塩類としては、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸、ジステアロイルホスファチジン酸、ジセチルリン酸等が挙げられる。
また、ホスファチジルグリセロール類としては、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール等が挙げられる。
さらに、pH応答性リポソームを構成するカルボキシル基修飾ポリグリシドールとしては、サクシニル化ポリグリシドール(SucPG)、3-メチルグルタリル化ポリグリシドール(MGluPG)等が挙げられる。なお、これらカルボキシル基修飾ポリグリシドールは、一種類単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
中でも、高い免疫応答を誘導できる理由から、DPPC、DOPE、SucPGを含むpH応答性リポソームが好ましい。
一方、陽性荷電リポソームとは、陰性荷電を帯びた物質と相互作用して、安定な複合体を形成するリポソームである。陽性荷電リポソームは、具体的には、前記のpH応答性リポソームを構成する脂質と陽性荷電脂質とを含むものが挙げられる。なお、陽性荷電脂質としては、塩化N-(α-トリメチルアンモニオアセチル)-ジドデシル-D-グルタメートクロライド(TMAG)、3β[N-(N',N'-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DC-Chol)、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)が挙げられる。なお、これらの脂質及び陽性荷電脂質は、一種類単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
一般に、リポソームは、その構造又は調製法によって、多重層リポソーム(multilamellar vesicles)、再水和リポソーム(dehydration-rehydration vesicles)、大きな単層リポソーム(large unilamellar vesicles)又は小さな単層リポソーム(small unilamellar vesicles)に分類されるが、本発明のリポソームはこれらの何れでもよい。
本発明のリポソームは、公知のリポソーム調製法により、特に限定することなく調製できる。例えば、特許文献2に記載のように、脂質を適当な有機溶媒(例えば、クロロホルム、メタノール)に溶解させ、これらの溶媒を減圧下にて留去して脂質薄膜を形成させたのち、この脂質薄膜を機械的撹拌手段により水に水和又は膨潤させる方法が挙げられる。
(3)アジュバント(抗原性補強剤)
本発明の自家腫瘍ワクチンは、その免疫誘導効果を高めるため、α-ガラクトシルセラミド(α-Gal)、モノホスホリルリピッドA(MPL)、ポリI:C、トレハロースジミコレート、イミダゾキノリン誘導体(イミキモド又はR-848)、非メチル化CpG、サイトカイン、レクチン等の公知のアジュバントを含んでいてもよい。中でも、免疫誘導効果を高める能力が高いことから、α-ガラクトシルセラミドが好ましい。
(4)その他の成分
本発明の自家腫瘍ワクチンは、アジュバント以外に、その免疫誘導効果を損なわない範囲で、公知の溶媒増粘剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、安定化剤、キレート剤、保存剤、溶解補助剤、pH調整剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。
具体的には、水やエタノール等の溶媒、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、クエン酸等の緩衝剤、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤、クロロブタノール、チメロサール等の保存剤、グリセリン、プロピレングリコール等の溶解補助剤、塩酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル等の界面活性剤を含んでいてもよい。
(5)自家腫瘍ワクチンの調製方法
本発明の自家腫瘍ワクチンは、リポソームに薬剤等を含ませる公知の方法により調製できる。例えば、リポソームの構成成分を溶媒と混合して容器内に入れ、溶媒を除去して容器の内壁面に脂質フィルムを形成したのち、抗原性物質やアジュバント等を含む溶液を容器に投入して両者を撹拌・混合することによって、抗原性物質等をリポソーム膜に封入する方法等が挙げられる。
(6)メトホルミンとの併用
本発明の自家腫瘍ワクチンはメトホルミンと併用して投与する。自家腫瘍ワクチンとメトホルミンの投与形態は、特に限定されず、投与時に、自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとが組み合わされていればよい。
具体的には、(a)自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとを単一化して得られる単一製剤の投与、(b)自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(c)自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(d)自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(e)自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、自家腫瘍ワクチンを有する化合物→メトホルミンの順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
本発明の自家腫瘍ワクチンの投与方法としては、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内、結節内注射、腫瘍内注射、腹腔内注射が挙げられるが、公知の方法であればこれらに限定されない。中でも、本発明の自家腫瘍ワクチンがリポソームワクチンであるため、皮下注射が好ましい。
また、メトホルミンはビグアナイド系薬剤に分類される経口糖尿病治療薬の一つであり、その投与方法としては、経口はもちろん、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内、結節内注射、腫瘍内注射、腹腔内注射なども考えられる。ただ、糖尿病治療薬として経口投与されている実績を考慮して、経口投与が好ましい。
2.免疫誘導方法
本発明の免疫誘導方法は、本発明の自家腫瘍ワクチンを非ヒト哺乳動物にメトホルミンと併用して投与する方法である。本発明の方法は、非ヒト哺乳動物であれば特に限定することなく適用できるが、飼主に与える影響等を考えると、牛、豚、馬等の家畜、犬、猫等のペットへの適用が好ましく、犬又は猫への適用がより好ましい。なお、投与方法については前記のとおりである。
自家腫瘍ワクチンの投与量は、投与対象である非ヒト哺乳動物の種類、年齢、体重等に応じて適宜調節すればよい。また、本発明の免疫誘導方法では、十分な免疫を付与するため、自家腫瘍ワクチンを7〜10日又はそれ以上の間隔を空けて、2回以上投与することが好ましい。
自家腫瘍ワクチンと併用するメトホルミンの投与量も、自家腫瘍ワクチンの投与量と同じく、投与対象である非ヒト哺乳動物の種類、年齢、体重等に応じて適宜調節すればよい。また、本発明の免疫誘導方法では、十分な免疫を付与するため、自家腫瘍ワクチンの投与が完了するまでは、メトホルミンを連続して投与することが好ましい。
以下、本発明について、実施例等に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明の特許請求の範囲は、以下の実施例によって如何なる意味においても制限されない。
<比較例1>
自家腫瘍ワクチンの抗腫瘍効果
本発明の自家腫瘍ワクチンを、腫瘍細胞を皮下移植したマウスに投与して、その抗腫瘍効果を調べた。具体的には、以下のようにして調べた。
1.供試動物及び試薬
動物実験は、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科動物実験指針に従った。6週令の齢のマウス5匹(メス、体重約16〜22g)を日本エスエルシー社から購入し、動物科学教育研究センターの飼育管理下で飼育した。給餌は固形飼料(オリエンタル酵母工業社製)を1日1匹当たり3〜5g回与え、飲水は水道水を自由に摂取させた。
腫瘍細胞であるE.G7-OVA細胞は、37℃ 5% 、CO2下にてRPMI1640培地で培養した。培地には10%FBS、G418(0.4%、Life Technologies社)を添加した。また、DPPC、DOPEはシグマア-ルドリッチ社(Sigma-Aldrich Co.,LTd.)から、α-GalはAlexis Biochemicals社から購入したものを使用した。SucPGは、大阪府立大学工学研究科 河野健司博士から分与して頂いたものを使用した。
2.実験方法
(1)抗原物質及び移植用腫瘍細胞の調製
マウスに腫瘍細胞を皮下移植(2.0×106/head)し、腫瘍体積が十分に増大(2cm2)した時点で腫瘍塊を摘出した。摘出した腫瘍塊を、プローブ型の超音波破砕器を使用して、氷中で冷却しながら50Wの出力で1分間の処理を5回繰り返し、腫瘍細胞の超音波破砕物溶液(5 mg/ml)を得た。なお、超音波破砕物溶液の蛋白量はProtein Assay Kit(Bio-Rad社)により定量した。また、同じ腫瘍塊から移植用腫瘍細胞を得た。
(2)リポソームの調製
DPPC、DOPE、SucPGをそれぞれ有機溶媒に溶解した。なお、有機溶媒はクロロホルム:メタノール=2:1(v/v)を使用した。梨型フラスコにモル比が1:1となるようにDPPC、DOPEを加え、脂質重量比が30%となるようにSucPGを加えた。また、α-Galをマウス1匹あたり5μgとなるよう梨型フラスコに加えた。ロータリーエバポレーターによって梨型フラスコから有機溶媒を除去し、脂質フィルムを作製した。真空ポンプにより室温で30分間脱気して、有機溶媒を梨型フラスコから完全に除去した。
(3)自家腫瘍ワクチンの調製
腫瘍破砕抗原である腫瘍細胞の超音波破砕物溶液を梨型フラスコに1 ml加え、ボルテックスミキサーにて撹拌し、破砕抗原封入リポソームを調製した。破砕抗原封入リポソームに封入されていない破砕抗原を、19000×g、4℃で30分間の遠心洗浄を3回行って除去した。最終沈殿物に適量のPBSを加えて、自家腫瘍ワクチンとした。
(4)抗腫瘍効果の測定
移植用腫瘍細胞を別のマウスに皮下移植(2.0×106/head)した。移植したマウスをワクチン投与群(5匹)と実験対照群(5匹)にランダム分けた。ワクチン投与群のマウスには移植3日後から自家腫瘍ワクチンの皮下投与(100μg/head)を開始し、移植10日後及び移植17日後に自家移植ワクチンを同様に皮下投与した。一方、実験対照群のマウスには、自家腫瘍ワクチンの代わりに同量量の生理食塩水をワクチン投与群と同じ回数投与した。皮下移植後、生着腫瘍の増殖、具体的には腫瘍体積(mm3)を24日間に渡って毎日測定するとともに、日々の生存率を計算した。なお、腫瘍体積(mm3)は、腫瘍塊の長径a及び短径bをノギスで計測して、0.4ab2を計算して求めた。
(5)統計処理
実験データから平均値±標準偏差(SD)を算出した。また、統計学的有意差はWelch's t-testを使用して検定した。なお、p値が0.05以下の場合に有意差があるとした。
3.実験結果
図1は、腫瘍移植後日数と腫瘍体積との関係を示すグラフであり、自家腫瘍ワクチンの抗腫瘍効果を示す。この図に示すように、自家腫瘍ワクチンは、皮下にすでに腫瘍が生着したマウスに対しても治療効果があり、生存期間も有意に延長できることが分かった(p<0.05又はp<0.01)。また、実験終了後、マウスから腫瘍塊を摘出し、その構成を調べたところ、E.G7-OVA以外の間葉系細胞が多く含まれていた。すなわち、腫瘍塊はヘテロな細胞集団であるにもかかわらず、治療効果が確認された。ただ、抗腫瘍ワクチンを投与しても、完治にまでは至らなかった。
図2は、腫瘍移植後日数と生存率との関係を示すグラフであり、自家腫瘍ワクチン投与がマウスの生存期間に与えた影響を示す。この図に示すように、抗腫瘍ワクチンの投与によって生存期間は有意に延びた(p<0.05)。ただ、抗腫瘍ワクチンを投与しても、マウスの死亡は防げなかった。
そこで、発明者らは、この実験結果が近年報告されている腫瘍微小環境における免疫抑制状態に起因すると考え、治療効果をより高めるため、自家腫瘍ワクチンに併用する新たな薬剤を検討した。
<比較例2>
メトホルミンの抗腫瘍効果
腫瘍細胞を皮下移植したマウスにメトホルミンを経口投与して、メトホルミンの抗腫瘍効果を調べた。具体的には、以下のようにして調べた。
1.供試動物及び試薬
動物実験及び腫瘍細胞は、比較例1と同様のものを使用した。なお、マウスの飼育は比較例1と同様に行った。また、メトホルミン(メトグルコ錠、大日本住友製薬)は水道水に溶解(5mg/mL)し、メトホルミン水溶液として投与した。
2.実験方法
(1)腫瘍の移植とメトホルミンの投与
マウスの皮下に腫瘍細胞を移植(2.0×106/head)した。移植したマウスをメトホルミン投与群(4匹)と実験対照群(4匹)にランダム分けた。メトホルミン投与群のマウスには、飼育ケージの給水ビンに入れたメトホルミン水溶液を自由飲水で移植1日後から経口投与を開始し、皮下移植から12日間後まで継続した。一方、実験対照群には水道水を同じ期間投与した。
なお、マウス1匹当たりの平均飲水量は一日当たり2〜5mLである。また、この投与量によるマウス血漿中メトホルミン濃度がヒトの2型糖尿病治療時におけるものと同程度であることは、既に報告されている。
(2)腫瘍体積の測定と細胞構成の測定
腫瘍細胞を皮下移植してから12日後に、腫瘍塊の腫瘍体積を測定・計算した。なお、測定方法等は比較例1と同じである。また、腫瘍体積を測定後、腫瘍塊をマウスから摘出し、腫瘍塊に含まれるCD8陽性細胞数及びそのPD-1分子発現量をフローサイトメーターにより解析した。なお、フローサイトメーターによる解析は、非特許文献2の記載に従って行った。その後、得られた実験データを比較例1と同様にして統計処理した。
3.実験結果
図3は、腫瘍細胞移植12日後の腫瘍体積を、メトホルミン投与群と実験対照群との間で比較したグラフである。この図に示すように、メトホルミン投与群と実験対照群との間に、腫瘍細胞移植12日後の腫瘍体積に有意差はなかった。これは、メトホルミンは他の化学療法剤と異なり、腫瘍細胞に直接傷害を与えることがないからである、と考えられる。
図4は、メトホルミン投与群のフローサイトメーターによる解析の結果を示している。このうち、図4(a)はCD8陽性細胞の解析結果であり、図4(b)はCD8陽性細胞のうちPD-1を発現している細胞の解析結果である。また、図5は、腫瘍塊に含まれるCD8陽性細胞におけるPD-1分子発現量を、メトホルミン投与群と実験対照群との間で比較したグラフである。この図に示すように、メトホルミン投与群では、腫瘍内浸潤CD8陽性細胞におけるリンパ球疲弊マーカーPD-1分子の発現が実験対照群と比べて有意に低下した(P<0.001)。
<実施例1>
自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとの併用
自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとを併用することによって、抗腫瘍効果が向上するか否かを調べた。具体的には、以下のようにして調べた。
1.供試動物及び試薬
動物実験及び腫瘍細胞は、比較例1と同様のものを使用した。また、メトホルミン水溶液は比較例2と同様にして調製した。なお、マウスの飼育は比較例1と同様に行った。
2.実験方法
(1)自家腫瘍ワクチンの調製及び腫瘍細胞の皮下移植
比較例1と同様にして、自家腫瘍ワクチンを調製し、移植用腫瘍細胞を別のマウスの皮下に移植した。腫瘍細胞を移植したマウス(16匹)を4匹ずつ4つの群に分けた。すなわち、自家腫瘍ワクチン及びメトホルミンの両方とも投与されない群(以下、実験対照群、図中ではPBSと省略する。)、メトホルミンのみ投与される群(以下、メトホルミン投与群、図中ではPBS-Metと省略する。)、自家腫瘍ワクチンのみ投与される群(以下、自家腫瘍ワクチン投与群、図中ではLiposomeと省略する。)、メトホルミンと自家腫瘍ワクチンの両方とも投与される群(以下、併用群、図中ではLiposome-Metと省略する。)の4つの群に分けた。
(2)抗腫瘍効果の測定
自家腫瘍ワクチンを投与するマウス(自家腫瘍ワクチン投与群及び併用群)には移植1日後から自家腫瘍ワクチンの皮下投与(100μg/head)を開始し、移植8日後及び移植15日後に自家移植ワクチンを同様に皮下投与した。一方、自家腫瘍ワクチンを投与しないマウス(実験対照群及びメトホルミン投与群)には、自家腫瘍ワクチンの代わりに同量の生理食塩水をワクチン投与群と同じ回数投与した。
また、メトホルミンを投与するマウス(メトホルミン投与群及び併用群)には、比較例2と同様の方法で、移植1日後からメトホルミンを経口投与した。一方、メトホルミンを投与しないマウス(実験対照群及び自家腫瘍ワクチン群)は、メトホルミンの代わりに水道水を経口投与した。
皮下移植後、各群の腫瘍体積を25日間に渡って毎日測定するとともに、日々の生存率を計算した。なお、腫瘍体積は、比較例1と同様にして計算した。その後、得られた実験データを比較例1と同様にして統計処理した。
3.実験結果
図6は、腫瘍移植後日数と腫瘍体積との関係を示すグラフであり、自家腫瘍ワクチンの抗腫瘍効果を示す。この図から、次の(a)から(c)のことが分かった。すなわち、(a)実験対照群とメトホルミン投与群の間に有意差は認められなかった。(b)移植後15日を経過すると、自家腫瘍ワクチン投与群と、実験対照群及びメトホルミン投与群との間に有意差が認められた(P<0.05)。(c)移植後13日を経過すると、併用群と他群との間に有意差が認められた(P<0.05)。
図7は、腫瘍移植後日数と生存率との関係を示すグラフであり、自家腫瘍ワクチン等の投与がマウスの生存期間に与えた影響を示す。この図に示すように、併用群は他群と比べて生存期間が有意に延長し(P<0.05)、25日を過ぎても70%以上のマウスは生存していた。
実験結果から、自家腫瘍ワクチンは、単独で投与しても効果があるが、メトホルミンと併用することによってその効果が増大すること、が分かった。なお、その原因としては、自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとを併用することによって、抗原刺激を受けたエフェクターTリンパ球の疲弊を防ぎ、抗腫瘍免疫機能を維持できることが、考えられる。

Claims (11)

  1. (1)腫瘍罹患者から採取した腫瘍組織由来の抗原物質と、(2)リポソームとを含む自家腫瘍ワクチンであって、メトホルミンを併用して投与するための自家腫瘍ワクチン。
  2. (1)腫瘍組織由来の抗原物質が、腫瘍組織の細胞、腫瘍組織の破砕物、腫瘍組織のホルマリン固定物の破砕物、腫瘍組織の冷凍破砕物及びこれらの可溶化物からなる群れより選ばれた少なくとも一種以上の物質である請求項1に記載の自家腫瘍ワクチン。
  3. (1)腫瘍組織由来の抗原物質が、腫瘍細胞の超音波破砕物である請求項2に記載の自家腫瘍ワクチン。
  4. (2)リポソームが、pH感受性リポソームである請求項1に記載の自己腫瘍ワクチン。
  5. (2)リポソームが、
    ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルコリン、卵黄レシチン、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ジオレイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリン、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸、ジステアロイルホスファチジン酸、ジセチルリン酸、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、コレステロールからなる群より選ばれた少なくとも一種以上の脂質と、
    サクシニル化ポリグリシドール、3-メチルグルタリル化ポリグリシドールからなる群れより選ばれた少なくとも一種以上のカルボキシル基修飾ポリグリシドールと、
    を含む請求項4に記載の自家腫瘍ワクチン。
  6. (2)リポソームが、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン、サクシニル化ポリグリシドールの組み合わせから構成される請求項5に記載の自己腫瘍ワクチン。
  7. (3)アジュバントを含む請求項1に記載の自家腫瘍ワクチン。
  8. (3)アジュバントが、α-ガラクトシルセラミドである請求項7に記載の自家腫瘍ワクチン。
  9. 請求項1から請求項8の何れかに記載の自家腫瘍ワクチンとメトホルミンとを併用して非ヒト哺乳動物に投与する免疫誘導方法。
  10. メトホルミンを経口投与する請求項9に記載の免疫誘導方法。
  11. 非ヒト哺乳動物が、犬又は猫である請求項9又は請求項10に記載の免疫誘導方法。
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