JP2019111837A - 電力制御ユニットの搭載構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本明細書が開示する技術は、モータを収容するハウジングの上方で電力制御ユニットを支持する搭載構造におけるリアブラケットの改良に関する。【解決手段】車両のフロントコンパートメントに、ハウジング30と、モータを駆動するPCU20が搭載されている。PCU20は、その前後をフロントブラケット10とリアブラケット40で支持されている。リアブラケット40は、ハウジング30に固定される基部43と、基部43の前端からPCU20へと延びている支持部41を備えている。基部43は、ハウジング30との間でパワーケーブル24を車両前後方向に通すアーチ部44を備えている。アーチ部44の後端は、基部43をハウジング30に締結する締結部(ボルト54)よりも前方に位置している。【選択図】図4

Description

本発明は、走行用のモータを駆動する電力制御ユニットのフロントコンパートメントへの搭載構造に関する。
特許文献1に、電力制御ユニットのフロントコンパートメントへの搭載構造が開示されている。特許文献1に開示された技術では、電力制御ユニットは、その前後をフロントブラケットとリアブラケットで支持され、モータを収容しているハウジングの上方に隙間を有して固定される。フロントブラケットとリアブラケットによって電力制御ユニットとハウジングの間に隙間を確保するのは、ハウジングを介して電力制御ユニットに伝わるモータの振動を抑制するためである。なお、以下では、説明の便宜上、フロントブラケットとリアブラケットを区別なく表すときには単に「ブラケット」と表記することがある。フロントブラケットとリアブラケットの双方を指す場合には、「両方のブラケット」と表記することがある。
電力制御ユニットには、数十キロワット以上の電力を伝送するパワーケーブルが接続される。特許文献1の搭載構造では、リアブラケットは、ハウジングに固定される基部と、基部から延びて電力制御ユニットを支える支持部を備えている。基部には、ハウジングとの間でパワーケーブルを車両前後方向で通すアーチ部が設けられている。さらに、基部より上方で支持部に降伏部が設けられている。車両が衝突した際、ハウジングとの間に隙間を有して支持されている電力制御ユニットは、前方から荷重を受けて後退する場合がある。リアブラケットに所定以上の荷重が加わると、降伏部が最初に降伏して支持部が後方に折れ曲がる。アーチ部よりも上方で支持部が折れ曲がるので、アーチ部の下を通るケーブルがリアブラケットの変形に巻き込まれることがない。
図9に、特許文献1に開示されているリアブラケット140を示す。図9は、斜め後方からみた電力制御ユニット20の後部とリアブラケット140である。電力制御ユニット20は、リアブラケット140と不図示のフロントブラケットにより、ハウジング30の上面30aとの間に隙間を有して支持されている。電力制御ユニット20の後面20cにパワーケーブル24のコネクタ23が接続されている。なお、図9では、パワーケーブル24とコネクタ23は仮想線で描いてある。リアブラケット140は、ハウジング30に固定される基部143と、基部143の前端から電力制御ユニット20へと延びている支持部141を備えている。基部143には、ハウジング30との間に、パワーケーブル24が車両前後方向に通るアーチ部144が設けられている。また、支持部141の両端には、リブ145が設けられており、リブ145の上下方向のほぼ中央に貫通孔146が設けられている。貫通孔146が前述した降伏部に相当する。衝突の際、電力制御ユニット20が前方から荷重を受けると強度(剛性)が低くなっている貫通孔146の箇所で支持部141が折れ曲がり、衝突の衝撃を緩和する。
特開2017−024466号公報
本明細書が開示する技術は、軽量化や製造容易性などの点で、特許文献1の搭載構造におけるリアブラケットの改良に関する。
本明細書は、走行用のモータを駆動する電力制御ユニットのフロントコンパートメントへの搭載構造を開示する。電力制御ユニットは、その前後をフロントブラケットとリアブラケットで支持されつつ、モータを収容するハウジングの上方に隙間を有して固定されている。リアブラケットは、ハウジングに固定される基部と、基部の前端から電力制御ユニットへと延びている支持部を備えている。基部は、ハウジングとの間でケーブルを車両前後方向に通すアーチ部を備えている。アーチ部の車両前後方向における後端が、基部をハウジングに締結している締結点よりも車両前方に位置している。
図9に示されているように、従来のリアブラケット140では、アーチ部144は、基部143の前端から後端まで延びている。別言すれば、アーチ部144は、基部143をハウジング30に固定しているボルト54(締結部)よりも後方まで延びている。アーチ部144は、基部143と支持部141の境界付近の強度を高める作用を及ぼすため、長いアーチ部144は、基部143と支持部141の境界付近の強度を顕著に高める。従来のリアブラケット140は、衝突の際、支持部141と基部143の境界付近で支持部141が折れず、支持部141に設けられた貫通孔146(降伏部)の部位で支持部141が折れ曲り、前方から電力制御ユニット20に加わる衝突荷重を緩和する。アーチ部144が基部の後端まで延びており、その下側を通るパワーケーブル24を保護する。これに対して本明細書が開示する搭載構造では、アーチ部の前後方向の長さを短くし、リアブラケットの基部と支持部の境界付近の剛性を下げる。即ち、特許文献1のリアブラケット140では、アーチ部144より上方に降伏部(貫通孔146)を配置したのに対して、本明細書が開示するリアブラケットでは、基部と支持部の境界付近が降伏部に相当する。アーチ部が短くなるので、軽量化につながる。また、貫通孔146を設ける必要が無いので製造工程が簡素化できる。また、リアブラケットの剛性が低くなるので、両方のブラケットによる衝突荷重の分担比率において、リアブラケットの分担比率を下げることができる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
フロントコンパートメントにおける部品レイアウトの一例を示す斜視図である。 ハウジングとPCU(電力制御ユニット)の側面図である。 リアブラケットの斜視図である。 リアブラケットとPCUを斜め後方からみた図である。 リアブラケット付近の拡大側面図である。 変形したリアブラケット付近の拡大側面図である。 リアブラケット付近の拡大側面図である(従来例)。 変形したリアブラケット付近の拡大側面図である(従来例)。 従来のリアブラケットとPCUを斜め後方からみた図である。
図面を参照して実施例の搭載構造2を説明する。実施例の搭載構造2は、走行用のモータ3とエンジン98の双方を備えたハイブリッド車100に適用されている。ハイブリッド車100は、エンジン98、モータ3、及び、モータ3を駆動する電力制御ユニット20を車両のフロントコンパートメント90に搭載している。フロントコンパートメント90において、電力制御ユニット20は、ハウジング30の上に固定されている。ハウジング30は、モータ3と動力分配機構6とデファレンシャルギア4を収容している。説明を簡単にするために、以下では、「電力制御ユニット20」を略して「PCU20」と表記する。PCUは、Power Control Unitの略である。
図1に、フロントコンパートメント90におけるデバイス群の配置を示す。フロントコンパートメント90には、エンジン98、PCU20、ハウジング30が搭載されている、それらデバイス群の他にも、バッテリ95など様々なデバイスが配置されているが、それらの説明は省略する。図1ではハウジング30やエンジン98などは模式化して描かれていることに留意されたい。なお、図中の座標系は、F軸が車両前方を示しており、V軸が車両上方を示しており、H軸は車幅方向(車両の左側方)を示している。座標系の記号の意味は、以降の図でも同じである。また、以下では、フロントコンパートメント90に搭載される部品に対して「前面」、「後面」、「前部」、「後部」などの表現を用いるが、これらの表現における「前」は車両前方側を意味し、「後」は車両後方側を意味する。
先に述べたように、ハウジング30には、モータ3のほか、動力分配機構6とデファレンシャルギア4が収容されている。動力分配機構6は、エンジン98の出力トルクとモータ3の出力トルクを合成/分配するギアセットである。動力分配機構6は、状況に応じて、エンジン98の出力トルクを分割してデファレンシャルギア4とモータ3へ伝達する。デファレンシャルギア4を内蔵しているので、ハウジング30は、別言すれば、モータとトランスアクスルのケースである。ハウジング30は、例えば、アルミニウムのダイキャスト、あるいは、削り出しで作られる。
エンジン98とハウジング30は、車幅方向で隣り合うように連結されている。エンジン98とハウジング30は、車両の構造強度を担保するサイドメンバ96に懸架されている。図1では1本のサイドメンバ96のみが描かれているが、図1においてエンジン98の左下にも別のサイドメンバが伸びている。エンジン98とハウジング30は、2本のサイドメンバの間に懸架されている。
PCU20は、モータ3を駆動するデバイスである。より詳しくは、PCU20は、不図示の高電圧バッテリの電力を昇圧した後、交流に変換してモータ3へ供給する。PCU20は、また、モータ3が発電した交流電力を直流電力に変換し、さらに降圧する場合がある。降圧された電力によって高電圧バッテリが充電される。
詳しくは後述するが、実施例の搭載構造2において、PCU20は、ハウジング30の上面との間に隙間を有して支持される。PCU20は、その前側がフロントブラケット10によって支持されており、後側がリアブラケット40によって支持されている。図1とともに図2を参照してハウジング30とPCU20の関係を詳しく説明する。図2は、PCU20とハウジング30の側面図である。「側面」とは、車幅方向(図中のH軸方向)から見たときの図である。
PCU20とハウジング30は、6本のパワーケーブル21で電気的に接続されている。パワーケーブル21は、PCU20からモータ3へ電力を送るためのワイヤハーネスである。説明を省略したが、ハウジング30には2個の3相交流モータが収容されており、6本のパワーケーブル21は2組の3相交流を伝送する。符号31は、ハウジング30の上面30aに設けられているパワーケーブル端子を示している。ハウジング30には2個のモータが収容されているが、以下では、一方のモータ(モータ3)に着目して説明を続ける。
先に述べたように、ハウジング30には、モータ3と動力分配機構6とデファレンシャルギア4が収容されている。ハウジング30の内部では、モータ3の出力軸3aと動力分配機構6の主軸6aとデファレンシャルギア4の主軸4aが平行に並んでいる。それら3本の軸は車幅方向に伸びている。図2に示すように、3本の軸は、車幅方向からみて三角形をなすように配置されている。3本の軸の上記配置のため、ハウジング30の上面30aは、前下がりに傾斜している。それゆえ、上面30aの上方に支持されるPCU20も、前下がりに傾斜して配置される。
PCU20は、フロントブラケット10とリアブラケット40によってハウジング30の上方に支持されている。フロントブラケット10は、PCU20の前面20aを支持し、リアブラケット40はPCU20の後面20cを支持する。PCU20の下面20bとハウジング30の上面30aとの間には、隙間SPが確保されている。この隙間SPは、フロントブラケット10とリアブラケット40によって確保される。
フロントブラケット10は、ハウジング30に固定される基部13と、基部13の後端からPCU20へと延びている支持部11を備えている。先に述べたように、フロントブラケット10の基部13の後端とは、ハウジング30の上に固定されている基部13の車両後方側の端を意味する。
フロントブラケット10の基部13は、ボルト52によってハウジング30の上面30aに固定され、支持部11の上部がボルト51によってPCU20の前面20aに連結される。支持部11の上部とPCU20との間には防振ブッシュ12が挟まれている。図1に示されているように、フロントブラケット10は、車幅方向に並ぶ3個のボルトによってハウジング30に固定され、車幅方向に並ぶ2個の別のボルトによってPCU20に連結される。フロントブラケット10は、金属板(鋼板)のプレス加工で作られている。
リアブラケット40は、ハウジング30に固定される基部43と、基部43の前端からPCU20へと延びている支持部41を備えている。基部43の前端とは、ハウジング30の上に固定されている基部43の車両前方側の端を意味する。
図2における矢印Wは、ハイブリッド車100が前方衝突(あるいは斜め前方衝突)したときにPCU20が受ける衝突荷重を模式的に示している。前方からPCU20が大きな衝突荷重Wを受けると、フロントブラケット10の支持部11とリアブラケット40の支持部41がともに後方に折れ曲がる。フロントブラケット10とリアブラケット40の剛性は、所定の大きさ以上の衝突荷重Wを受けると折れ曲がるだけの大きさに抑えられている。これは、フロントブラケット10とリアブラケット40の剛性が高すぎると、PCU20が受ける衝突荷重Wによるダメージが軽減できないからである。フロントブラケット10とリアブラケット40が変形することで、PCU20が受ける衝撃が緩和されるとともに、基部13、43とハウジング30の締結部に加わる荷重も緩和される。また、図中の座標系のH軸と平行な軸まわりのフロントブラケット10の曲げ剛性とリアブラケット40の曲げ剛性は等しいことが望ましい。曲げ剛性が相違していると、前後のブラケットで荷重分担が不均一になってしまうからである。衝突荷重Wによるリアブラケット40の変形については後に詳しくは説明する。
リアブラケット40について詳しく説明する。リアブラケット40の斜視図を図3に示す。図4に、PCU20とリアブラケット40を斜め後方からみた図を示す。図4では、理解を助けるため、PCU20は仮想線で描いてある。図4には、リアブラケット40を固定するハウジング30の一部も仮想線で描いてある。リアブラケット40は、金属板をプレス加工により成形したものである。リアブラケット40の基部43は、ボルト54によってハウジング30の上面30aに固定され、支持部41の上部がボルト53によってPCU20の後面20cに連結される。支持部41の上部とPCU20との間には防振ブッシュ42が介在している。リアブラケット40は、車幅方向に並ぶ4個のボルト54によってハウジング30に固定され、車幅方向に並んだ2個の別のボルト53によってPCU20に連結される。リアブラケット40は、金属板(鋼板)のプレス加工で作られている。先に述べたように、フロントブラケット10の支持部11の上部とPCU20との間にも防振ブッシュ12が介在している。PCU20はハウジング30との間に隙間を有して支持されているとともに、ブラケット10、40とPCU20との間に防振ブッシュ12、42を挟むことで、ハウジング30を介してPCU20に伝わるモータ振動やエンジン振動が抑制される。
リアブラケット40の支持部41の両側に、支持部41の縁に沿って上下方向に延びるリブ45が設けられている。リブ45の下部は、基部43の縁に沿って湾曲している。ここで、「支持部41の両側」とは、車両前方(あるいは後方)からみたときの支持部41の両側(すなわち車幅方向の端)を意味する。リブ45は、金属板で作られている支持部41の強度を高めるために設けられている。ただし、先に述べたように、リアブラケット40の全体の強度は、所定の衝突荷重で支持部41が折れ曲がる程度の大きさに抑えられている。
基部43には、車両前方(あるいは後方)からみて湾曲しているアーチ部44が設けられている。アーチ部44は、基部43と支持部41の境界から後方に延びるように形成されている。ただし、アーチ部44の後端は、基部43のハウジング30への締結点(即ち、ボルト54)よりも前方に位置している。図4において、直線L1が、アーチ部44の後端の位置を示している。アーチ部44の後端とボルト54の位置関係は、後に図5を参照して再度説明する。アーチ部44は、基部43の下面とハウジング30の上面30aとの間に、前後方向に貫通する空間を確保するために設けられている。
ハウジング30の上面30aとアーチ部44との間にパワーケーブル24が通っている(図4参照)。すなわち、アーチ部44は、ハウジング30の上面30aと基部43との間でパワーケーブル24を車両前後方向に通すために設けられている。パワーケーブル24は、PCU20の後面20cに設けられたコネクタ23から延びており、アーチ部44の下を通っている。パワーケーブル24の先は不図示のエアコンに接続されている。ハイブリッド車100の場合、エアコンは走行用のモータ3を駆動する高電圧バッテリが出力する高電圧で動作する。PCU20には高電圧バッテリの電力が供給されており、不図示の高電圧バッテリからPCU20とパワーケーブル24を介して不図示のエアコンへ電力が供給される。パワーケーブル24には高電圧の電力が流れるため、車両が衝突した際にパワーケーブル24が損傷することは回避できることが望ましい。
フロントコンパートメントには様々な電気デバイスが高密度で搭載され、複数の電気デバイスがパワーケーブルや通信ケーブルで接続される。それゆえ、フロントコンパートメント内の様々な場所をケーブルが通り得る。場合によっては、PCU20を支持するリアブラケット40の近傍を通さねばならないことも起こりうる。パワーケーブル24がその一例である。パワーケーブル24はアーチ部44の下を通される。一方、リアブラケット40の支持部41は、前述したように、車両が前方衝突(あるいは斜め前方衝突)したときに後方に折れ曲がる。支持部41の折れ曲がり変形にパワーケーブル24が巻き込まれるとパワーケーブル24に過大な負荷が加わる虞がある。場合によっては支持部41の上方が破断する虞がある。支持部41の破断面は鋭利であり、これにパワーケーブル24が触れるとパワーケーブル24がダメージを受ける虞がある。パワーケーブル24を通すアーチ部44は、変形又は破断した支持部41からパワーケーブル24を保護するために設けられている。
次に、衝突時のリアブラケットの変形と、アーチ部44との関係を説明する。以下、図4とともに図5、図6を参照して説明を続ける。図5は、リアブラケット40の付近の拡大側面図である。図6は、衝突荷重を受けて変形したリアブラケット40の拡大側面図である。図5、図6において、アーチ部44はリブ45に隠れているので、アーチ部44は破線で示してある。
図5に示す破線L1は、アーチ部44の後端を示している。破線L2は、ボルト54のボルトヘッドの前端を示している。ボルト54は、基部43をハウジング30に固定する締結部に相当する。アーチ部44の後端(破線L1)は、基部43をハウジング30に締結する締結部(破線L2)よりも車両前方に位置する。
アーチ部44の前端は、基部43と支持部41の境界に位置しており、基部43と支持部41の境界の曲げ剛性を高める役割をする。そのアーチ部44を短くすることで、基部43と支持部41の境界の曲げ剛性の増大を抑えることができる。その結果、PCU20に前方から荷重が加わったときに、即ち、リアブラケット40の支持部41に荷重が加わったときに、支持部41と基部43の境界で曲げ変形を生じさせることができる。支持部41をPCU30に固定しているボルト53の位置が支持部41に対する荷重点であるとすると、荷重点(ボルト53)から曲げの起点(基部43と支持部41の境界)までの距離は、距離B1となる(図6参照)。
比較例として特許文献1(特開2017−024466号公報)のリアブラケット140の拡大側面図を図7と図8に示す。なお、リアブラケット140の詳細な形状は図9を参照されたい。
従来のリアブラケット140は、支持部141と基部143の境界にアーチ部144を備えている。アーチ部144は、基部143の前端から後端まで延びている。長いアーチ部144を備える結果、基部143と支持部141の境界の曲げ剛性が高くなる。従来のリアブラケット140では、支持部141のリブ145に貫通孔146が設けられており、貫通孔146の箇所で支持部141の強度が低くなっている。PCU30が前方から荷重を受けたとき、リアブラケット140は貫通孔146の位置が曲げ変形の起点となる。このときの荷重点(ボルト53)から曲げの起点(貫通孔146)までの距離は、距離B2となる(図8参照)。荷重点から曲げの起点までの距離(図6の距離B1、図8の距離B2)は、従来のリアブラケット140の場合(距離B2)よりも今回のリアブラケット40の場合(距離B1)の方が長くなる。
ボルト53を荷重点とし、受ける荷重をW1で表し、荷重点の図中のF軸に平行な方向の変位量をdXで表し、荷重W1と変位量dXの間の剛性をK1で表すと、W1=K1×dX1となる。剛性K1は、荷重点から曲げ変形の起点までの距離(図6の距離B1、図7の距離B2)の三乗に比例する。即ち、曲げ変形の起点を基部43と支持部41の境界に生じさせることで、従来のリアブラケット140と比較して、荷重点(ボルト53)における剛性K1が下がる。PCU20に加わる荷重Wはリアブラケット40とフロントブラケット10で分担する。リアブラケット40の剛性K1が下がることで、PCU20に加わる荷重Wに対するフロントブラケット10の分担率が高まり、リアブラケット40の分担率が下がる。
実施例の搭載構造2の利点を以下にまとめる。従来のリアブラケット140(図9)は支持部141に貫通孔146を設けて降伏部とした。実施例の搭載構造2におけるリアブラケット40は、基部43と支持部41の境界が降伏部に相当する。それゆえ、支持部のリブに貫通孔を設ける必要がない。その分、リアブラケットの製造工程が簡素化される。
図9のアーチ部144と比較してリアブラケット40のアーチ部44は短い。アーチ部44が短い分、リアブラケット40の材料が少なくて済み、材料費を抑えることができるとともに、重量が軽くなる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。アーチ部44に、パワーケーブル24を係止するクランプを設けることも好適である。アーチ部44を通るケーブルは、パワーケーブルでなく信号ケーブルであってもよい。PCU20が電力制御ユニットの一例である。実施例ではハイブリッド車100を例に本願の技術を説明した。本明細書が開示する技術は、電気自動車と燃料電池車に適用することも好適である。燃料電池車の場合、電力制御ユニットは、燃料電池が生成した電力を使って走行用のモータを駆動するデバイスである。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:搭載構造
3:モータ
4:デファレンシャルギア
6:動力分配機構
10:フロントブラケット
11:支持部
12、42:防振ブッシュ
13、43:基部
20:電力制御ユニット(PCU)
23:コネクタ
24:パワーケーブル
30:ハウジング
40:リアブラケット
41:支持部
44:アーチ部
45:リブ
51、52、53、54:ボルト
90:フロントコンパートメント
98:エンジン
100:ハイブリッド車

Claims (1)

  1. 走行用のモータを駆動する電力制御ユニットのフロントコンパートメントへの搭載構造であり、
    前記電力制御ユニットは、その前後をフロントブラケットとリアブラケットで支持されつつ、前記モータを収容するハウジングの上方に隙間を有して固定されており、
    前記リアブラケットは、前記ハウジングに固定される基部と、前記基部の前端から前記電力制御ユニットへと延びている支持部を備えており、
    前記基部は、前記ハウジングとの間でケーブルを車両前後方向に通すアーチ部を備えており、
    前記アーチ部の車両前後方向における後端が、前記基部を前記ハウジングに締結している締結点よりも車両前方に位置している、電力制御ユニットの搭載構造。
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