JP2019111825A - 樹脂成形品の成形方法、及び、熱可塑性樹脂の成形装置 - Google Patents
樹脂成形品の成形方法、及び、熱可塑性樹脂の成形装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019111825A JP2019111825A JP2019032196A JP2019032196A JP2019111825A JP 2019111825 A JP2019111825 A JP 2019111825A JP 2019032196 A JP2019032196 A JP 2019032196A JP 2019032196 A JP2019032196 A JP 2019032196A JP 2019111825 A JP2019111825 A JP 2019111825A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- sheet
- molding
- mold
- clamp
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
Description
特に、押出された溶融状態の樹脂をそのまま下方に垂下させ、鉛直方向に延びる樹脂を型締して、ブロー(あるいは真空)成形することにより、たとえば樹脂を横方向に押出する場合に比べて、二次成形の型締まで溶融状態の樹脂を支持する必要なしに非接触状態で押出ダイより送り出すことが可能である。
すなわち、この樹脂成形品の成形方法は、熱可塑性樹脂を溶融状態のシート状に下方に垂下するように下方に押し出す段階と、一対のローラーにより、下方に押し出された溶融状態のシート状樹脂を挟み込み、ローラーの回転駆動により下方へ送り出す段階と、下方に送り出された溶融状態のシート状樹脂を一対のローラーの下方に配置された金型の側方に配置する段階と、溶融状態のシート状樹脂と金型との間に形成された密閉空間を減圧、および/またはシート状樹脂を金型に向かって加圧することによって金型形状に沿った形状に成形する段階とを有し、特に、下方に押し出された溶融状態のシート状樹脂の最下部が、一対のローラー間を通過した後に、一対のローラー同士を相対的に近接させることにより、一対のローラーでシート状樹脂を挟み込み、ローラーの回転駆動により所定押出速度以上の速度で下方へ送り出すようにしている。
このとき、時間経過とともにローラーの回転速度を低下させて、送り出し速度を熱可塑性樹脂製シートの押出速度に近づけるように調整する。これにより、シート状樹脂の上部ほど一対のローラーによる下方への引っ張り力が低下することから、相対的にこのような引っ張り力に伴う延伸薄肉化が低減され、ドローダウンあるいはネックインに伴う薄肉化を相殺し、ドローダウンあるいはネックインを有効に防止し、以て押出方向に一様な厚みを形成することが可能である。
次いで、押出方向に一様な厚みを形成したシート状樹脂を一対のローラーの下方に配置された金型の側方に配置して、シート状樹脂と金型との間に形成された密閉空間を減圧、および/またはシート状樹脂を金型に向かって加圧することによって金型形状に沿った形状に成形することにより、二次成形の際の賦形に悪影響を与えることなく、押し出し方向に所望の厚みを備えた樹脂成形品を成形することが可能となる。
第1に、一対のローラーによる溶融状態の樹脂シートの送り出しのみにより、溶融状態の樹脂シートの薄肉化を行おうとすると、一対のローラーの回転速度、すなわち送り出し速度の調整によっては、送り出しの進行とともに樹脂シートの自重により生じるドローダウンの抑制には限界があり、一対のローラーから送り出した樹脂シートはその後調整されることなく自重によって引き伸ばされることを考慮した範囲でしか薄肉化をすることができない。つまり、一対のローラーから垂下する溶融状態の樹脂シートの長さ(重量)次第で、溶融状態の樹脂シートの引きちぎれが生じ得るため、ドローダウンを考慮した範囲で樹脂シートの厚さを決定する必要があった。さらに、溶融状態のシート状樹脂の薄肉化のために、一対のローラーの回転速度を上げてシート状樹脂の送り出し速度を増大させていくと、シート状樹脂の送り出し方向に沿ったドローダウンは抑制可能であるとしても、シート状樹脂の送り出し方向と直交する向きの幅方向にネックインが生じ、これ以上の薄肉化達成が困難となり、あるいは二次成形に悪影響を及ぼす。
第2に、一対のローラーにより連続的に送り出される溶融状態のシート状樹脂が、常温のローラーとの接触によりシート状樹脂の表面が冷却されて、二次成形の際の成形性に悪影響を及ぼす点である。より詳細には、溶融状態のシート状樹脂のシート表面と一対のローラーの外周面との間の線接触を通じて、ローラーの回転駆動によりシート状樹脂が送り出されるところ、この線接触時間の間に溶融状態のシート状樹脂のシート表面が冷却され、二次成形の際の金型による賦形に対する阻害要因となる。だからといって、線接触時間の短縮化のために、ローラーの回転速度を上げていくと、第1のように、ネックインが生じたり、ローラーのシート状樹脂に対する押圧力によっては、ローラーとシート状樹脂との間に過度の滑りが生じ、シート状樹脂の円滑な送り出しにも障害が生じ得る。
より詳細には、押出成形機に接続した少なくとも2つのダイそれぞれから1枚のシートを押出し、この直後において、各シートを一対の挟持ローラーで挟持し、各シートの少なくとも表面を加熱して、そのしわをのばし、光沢出しを行い、この光沢出しされた少なくとも2枚のシートをけん引し、ブロー成形金型内に供給し、ブロー成形金型を閉じて2枚のシートを張り合わせ、ブロー成形する点を開示する。
より具体的には、各シートのドローダウンに応じて、シートのけん引速度を制御したり、あるいは押出成形機のスクリュー回転数を調整することにより、光沢出しされた両シートがほぼ同時に成型金型内に供給されるようにしている。
しかしながら、特許文献2において、各シートのドローダウンに応じて、シートのけん引速度を制御したり、あるいは押出成形機のスクリュー回転数を調整する点が開示されているが、これは各シートのドローダウンの発生を抑制あるいは解消するのではなく、両シートにドローダウンが生じることを前提に、シートのけん引速度を制御したり、あるいは押出成形機のスクリュー回転数を調整することにより、両シートがほぼ同時に成型金型内に供給されるようにしているに過ぎない。
熱可塑性樹脂を溶融状態のシート状に下方に垂下するように所定押出速度で押し出す段階と、
下方へ押し出される溶融状態のシート状樹脂を押出速度以上のけん引速度で下方にけん引する段階と、
けん引された溶融状態のシート状樹脂を金型の側方に配置する段階と、
溶融状態のシート状樹脂と金型との間に形成された密閉空間を減圧、および/またはシート状樹脂を金型に向かって加圧することによって金型形状に沿った形状に成形する段階とを有する、構成としている。
クランプされたシート状樹脂の最下部を下方にけん引する段階とを有し、
前記けん引段階は、溶融状態のシート状樹脂の最下部のクランプ開始位置と、該クランプ開始位置より下方レベルの、溶融状態のシート状樹脂の最下部のクランプ解除位置との間で行い、
前記クランプ開始位置は、前記押出し開始位置と前記金型との間にレベルに設定され、前記クランプ解除位置は、前記金型より下方のレベルに設定され、
成形品の寸法に応じて定められる、前記金型におけるキャビティのシート状樹脂の押し出し方向に沿う長さに応じて、溶融状態のシート状樹脂のクランプ開始レベルおよびクランプ解除レベルを定め、それに応じて、クランプ装置のけん引速度を定めるのがよい。
分割金型の型締めにより金型外周のピンチオフ形成部を通じて第1および第2シート状樹脂を溶着一体化することにより、樹脂成形品を成形するようにしてもよい。成形される樹脂成形品は例えば密閉中空部を有する。
熱可塑性樹脂を押出成形により賦形し、一次成形された熱可塑性樹脂を垂下する形態で押し出す一次成形部と、一次成形部により押し出された熱可塑性樹脂をブロー成形あるいは真空成形により二次成形する二次成形部とを有する、熱可塑性樹脂の成形装置において、
前記一次成形部は、
熱可塑性樹脂を溶融混練する溶融混練手段と、
溶融混練した熱可塑性樹脂を所定量貯留する貯留手段と、
貯留された熱可塑性樹脂を溶融状態のシート状に垂下するように、間欠的に押し出す押出スリットと、を有し、
前記二次成形部は、
垂下するシート状樹脂を挟んで、開位置と閉位置との間でシート面に対して略直交する向きに可動であり、互いに対向する面にキャビティを形成した一対の分割金型と、
開位置と閉位置との間でシート面に対して略直交する向きに一対の分割金型を移動させる金型移動手段と、を有し、
さらに、下方に押出されるシート状樹脂の最下部をクランプ可能なクランプ部と、該クランプ部を上下方向に移動させるクランプ部移動手段と、前記クランプ部移動手段による該クランプ部の上下方向への移動速度を調整するクランプ部移動速度調整手段とを、備えたシート状樹脂のけん引手段とを有し、
前記クランプ部移動速度調整手段は、下方へ押し出される溶融状態のシート状樹脂を押出速度以上のけん引速度で下方にけん引するように前記クランプ部の移動速度を調整する、
ことを特徴とする。
第1シート状樹脂をクランプするクランプ部と第2のシート状樹脂をクランプするクランプ部を有し、これら一対のクランプ部が同期されている、という構成としてもよい。
本実施形態では、樹脂成形品として、単一のシート状の成形品を対象としている。
図1に示すように、樹脂成形品の成形装置10は、押出装置12と、押出装置12の下方に配置された型締装置14とを有し、押出装置12から押出された溶融状態のシート状樹脂を型締装置14に送り、型締装置14により溶融状態のシート状樹脂を成形するようにしている。
それぞれのローラーの直径およびローラーの軸方向長さは、成形すべきシート状樹脂の押出速度、シートの押出方向長さおよび幅、ならびに樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよいが、後に説明するように、一対のローラー30間にシート状樹脂を挟み込んだ状態で、ローラーの回転によりシート状樹脂を円滑に下方に送り出す観点から、回転駆動ローラー30Aの径は、被回転駆動ローラー30Bの径より若干大きいのが好ましい。ローラーの径は50〜300mmの範囲であることが好ましく、シート状パリソンとの接触においてローラーの曲率が大きすぎてもまた、小さすぎてもシート状パリソンがローラーへ巻き付く不具合の原因となる。
図3に示すように、ローラー移動手段96は、ピストンーシリンダ機構97からなり、ピストンロッド109の先端が、回転駆動ローラー30Aをその軸線方向に回転可能に支持するカバー111に連結され、たとえば空気圧を調整することにより、ピストン113をシリンダー115に対して摺動させ、それにより回転駆動ローラー30Aを水平方向に移動するようにし、以て一対のローラー30同士の間隔を調整可能としている。この場合、後に説明するように、シート状樹脂の最下部が一対のローラー30の間に供給される前に、一対のローラー30同士の間隔を供給されるシート状樹脂の厚みより広げて(図3(A)の間隔D1を構成する開位置)、シート状樹脂が円滑に一対のローラー30の間に供給されるようにし、その後に一対のローラー30同士の間隔を狭めて、一対のローラー30によりシート状樹脂を挟み込み(図3(A)の間隔D2を構成する閉位置)、ローラーの回転によりシート状樹脂を下方に送り出すようにしている。ピストン113のストロークは、開位置と閉位置との距離となるように設定すればよい。また、空気圧を調整することにより、シート状樹脂が一対のローラー30の間を通過する際、ローラーからシート状樹脂に作用する押圧力を調整することも可能である。押圧力の範囲は、一対のローラー30が回転することにより、一対のローラー30の表面とシート状樹脂の表面との間に滑りが生じない一方で、一対のローラー30によりシート状樹脂が引きちぎられることのないようにしてシート状樹脂が確実に下方に送り出されるように定められ、樹脂の種類に依存するが、たとえば0.05MPAないし6MPAである。
また、一対のローラー30により、押し出しスリット34と一対のローラー30との間で溶融状態のシート状樹脂を延伸する際、延伸中に溶融状態のシート状樹脂が引きちぎれないように、押し出しスリット34と一対のローラー30との間のレベル差を調整するのがよい。
なお、回転駆動ローラー30Aには、シート状樹脂の温度に応じて、ローラーの表面温度を調整する表面温度調整手段を付設してもよく、その構成は、たとえばローラーの内部に冷媒を通し、この冷媒を循環させることにより、ローラーの表面が一対のローラー30により挟み込まれた溶融状態のシート状樹脂により過度に加熱されないように熱交換するようにしてもよい。なお、ローラーの外周面は、耐熱被覆されるのがよい。
クランプ部304は、アーム部302の一端に設けられたピン303を中心にクランプ位置とクランプ解除位置との間で回動可能な一対のクランプ部304を有し、一対のクランプ部304はそれぞれ、押し出し方向と直交する方向に所定幅を有する溶融状態のシート状樹脂をクランプ可能なように、所定の長さ(図面上上下方向)に亘って延びる。溶融状態のシート状樹脂をクランプした状態で下方にけん引する際、一対のクランプ部304とシート状樹脂との間に滑りが生じないように、一対のクランプ部304の先端には、溶融状態のシート状樹脂に食い込み可能な爪部が設けられるのがよい。
クランプ開始レベル(PH)は、一対のローラーと分割金型の上端との間に設けられ、クランプ解除レベル(PL)は、分割金型の下端より下方に設けられ、それにより、分割金型が型開きから型締する際、干渉しないようにしており、分割金型が型開き状態で、クランプ開始レベル(PH)までアーム部302が伸張し、クランプ解除レベル(PL)までアーム部302を下降させることで、溶融状態のシート状樹脂が分割金型の間に配置された状態で、分割金型の型締を可能としている。
成形品の寸法に応じて定められる、キャビティ116のシート状樹脂の押し出し方向に沿う長さに応じて、溶融状態のシート状樹脂のクランプ開始レベル(PH)およびクランプ解除レベル(PL)を定め、それに応じて、クランプ装置30のけん引速度を定めるのでもよい。
アーム駆動部304は、アーム部302をクランプ開始レベル(PH)とクランプ解除レベル(PL)との間で上下方向に移動可能とし、その際、アーム部302の上下方向移動速度、すなわち、クランプ部304によりクランプされた溶融状態のシート状樹脂のけん引速度を調整可能にしている。具体的には、アーム駆動部304はボールネジに連結され、ボールネジの回転によってアーム部302の位置及び移動速度が制御される。なお、2条の溶融状態のシート状樹脂それぞれを対応するクランプ装置300によりけん引する際、2条の溶融状態のシート状樹脂が分割金型の間に同時に配置され、一方のシート状樹脂が待機状態とならないように、クランプ装置300のアーム駆動部304を同期させるようにするのがよい。
クランプ部移動速度調整手段(図示せず)が設けられ、一対のローラー30による熱可塑性シート状樹脂の送り出し速度に応じて、クランプ部移動速度調整手段によるシート状樹脂のけん引速度が送り出し速度以上となる範囲で、クランプ部の移動速度を調整し、さらに、けん引速度と送り出し速度との速度差を送り出し速度と所定押出速度との速度差以下に設定する速度差設定手段(図示せず)が設けられる。
なお、単一のシート状の樹脂成形品を成形する場合、分割形式の金型を用いて金型同士を型締めする代替として、単一の金型を用いて、かかる金型の側方に押出されたシート状樹脂を配置し、型締めすることなしに、シート状樹脂と金型との間に形成された密閉空間を減圧、および/またはシート状樹脂を金型に向かって加圧することによって金型形状に沿った形状に成形してもよい。
具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンペンテン、メチルペンテン等のオレフィン類の単独重合体あるいは共重合体であるポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン)であって、230℃におけるMFR(JIS K−7210に準じて試験温度230℃、試験荷重2.16kgにて測定)が3.0g/10分以下、さらに好ましくは0.3〜1.5g/10分のもの、またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等の非晶性樹脂であって、200℃におけるMFR(JIS K−7210に準じて試験温度200℃、試験荷重2.16kgにて測定)が3.0〜60g/10分、さらに好ましくは30〜50g/10分でかつ、230℃におけるメルトテンション(株式会社東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用い、余熱温度230℃、押出速度5.7mm/分で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスからストランドを押し出し、このストランドを直径50mmのローラに巻き取り速度100rpmで巻き取ったときの張力を示す)が50mN以上、好ましくは120mN以上のものを用いて形成される。
具体的にはシリカ、マイカ、ガラス繊維等を成形樹脂に対して50wt%以下、好ましくは30〜40wt%添加する。
まず、溶融混練した熱可塑性樹脂をアキュムレータ24内に所定量貯留し、Tダイ28に設けられた所定間隔の押出スリット34から、貯留された熱可塑性樹脂を単位時間当たり所定押出量で間欠的に押し出すことにより、熱可塑性樹脂はスウェルし、溶融状態のシート状に下方に垂下するように所定の厚みにて所定押出速度で押し出される。
次いで、ピストンーシリンダー機構96を駆動することにより、図3(B)に示すように、一対のローラー30同士を互いに近接させて閉位置に移動し、一対のローラー30同士の間隔を狭めてシート状樹脂を挟み込み、ローラーの回転によりシート状樹脂を下方に送り出すとともに、図5に示すように、アーム駆動部301によりアーム部302をクランプ解除レベル(PL)からクランプ開始レベル(PH)まで上方に伸長して、クランプ部304A,Bを開いた状態でクランプ開始レベル(PH)で待機させておき、一対のローラー30により下方に送り出されるシート状樹脂を待ち受け、クランプ部304A,Bを閉じてシート状樹脂の下端部をクランプし、クランプ解除レベル(PL)まで下方にけん引する。
その際、一対のローラー30を回転駆動中、一対のローラー30の周面と溶融状態のシート状樹脂のシート面とは、線または面接触をするところ、この接触位置において、過度な滑りが発生しないように、溶融状態のシート状樹脂に対して一定の押圧力を負荷するように、一対のローラー30同士の間隔を調整する。
このとき、時間経過とともに、ローラーの回転速度を低下させて、送り出し速度V2を熱可塑性シート状樹脂の押出速度V1に近づけるとともに、アーム302の駆動速度を低下させて、けん引速度V3を送り出し速度V2に近づけるように調整する。
この場合、金型の側方への配置段階における溶融状態のシート状樹脂の所望の厚みに応じて、けん引速度および/またはけん引時間を調整するのが好ましく、けん引時間の調整段階は、クランプ開始レベル(PH)および/またはクランプ解除レベル(PL)のレベル調整により行うのがよい。
特に、一対のローラー30による送り出し後、分割金型32により成形されるまでに溶融状態のシート状樹脂にドローダウンが発生しないように、クランプ装置30によるけん引速度を初期けん引速度に基づいて調整するのでもよい。
いずれの場合であっても、時間経過とともに、一対のローラー30の回転によるシート状樹脂の下方への送り出し速度と、シート状樹脂の押出速度との相対速度差が縮まるとともに、一対のローラー30の回転によるシート状樹脂の下方への送り出し速度と、アーム駆動部によるシート状樹脂の下方へのけん引速度との相対速度差が縮まることから、シート状樹脂の上部ほど一対のローラー30による下方への引っ張り力が低下し、相対的にこのような引っ張り力に伴う延伸薄肉化が低減され、ドローダウンあるいはネックインに伴う薄肉化を相殺し、ドローダウンあるいはネックインを有効に防止し、以て押出方向に一様な厚みを形成することが可能である。
より具体的には、単位時間当たりの押出量を増大するほど一次成形の開始から二次成形終了までの成形時間を短縮し、それにより成形効率を向上するとともに、二次成形前にシート状樹脂が垂下している時間を短縮することでドローダウンあるいはネックイン発生の可能性を低減することが可能であるが、一方において、単位時間当たりの押出量を増大するほど押出スリット34から押し出されるシート状樹脂のスウェルが促進され、そのスウェルに伴う厚肉化に応じて、一対のローラー30同士の間隔および/またはクランプ部の駆動速度の調整が必要となることがある。この点において、押出スリット34の間隔を調整することにより、シート状樹脂のスウェルによる厚肉化自体を調整すれば技術的に有利である。
より詳細には、図8(D)および図8(E)においては、溶融状態のシート状樹脂の押し出し速度および一対のローラーによる溶融状態のシート状樹脂の送り出し速度を一定にしつつ、クランプ装置300によるけん引速度を時間経過とともに低減させており、それに対して、図8(F)においては、溶融状態のシート状樹脂の押し出し速度を一定にしつつ、一対のローラーによる溶融状態のシート状樹脂の送り出し速度およびクランプ装置300によるけん引速度を時間経過とともに低減させている。
それに対して、図8(F)においては、クランプ開始およびクランプ解除タイミングは、図8(D)に比較して遅いがけん引する時間は同じであり、クランプ装置300によるけん引速度と一対のローラーによる送り出し速度との速度差は、図8(D)および図8(E)とは異なり、時間経過とともに増大させている。
図8(D)ないし図8(F)のどれを選択するかは、成形対象であるシート状樹脂の物性、特にメルトインデックス、MFR、メルトテンションに応じて、シート状樹脂に対する延伸態様を定める観点から決定すればよい。
変形例として、溶融状態のシート状樹脂が第1延伸により引きちぎれない範囲で、一対のローラー30による初期送り出し速度を最大に設定し、溶融状態のシート状樹脂が第2延伸により引きちぎれない範囲で、クランプ装置300の初期けん引速度を最大に設定し、一対のローラー30による送り出し後、分割金型32により成形されるまでに溶融状態のシート状樹脂にドローダウンが発生しないように、クランプ装置300によるけん引速度を初期けん引速度に基づいて調整するのでもよい。
次いで、図7に示すように、所定量のシート状樹脂の押出が完了する時点で分割金型32を型締めし、真空吸引室120から吸引穴122を介して吸引することにより、シート状樹脂と分割金型32との間の空気を加圧および/または減圧することによって金型形状に沿った形状に成形することにより、二次成形の際の賦形に悪影響を与えることなく、押し出し方向に所望の厚みを備えた樹脂成形品を成形することが可能となる。
次いで、図9に示すように、分割金型32を型開きして、成形された樹脂成形品を取り出し、パーティングラインまわりに形成されたバリを除去する。これで二次成形が完了する。
一次成形において溶融樹脂を間欠的に押し出すたびに、以上のような工程を繰り返すことにより、シート状の樹脂成型品を次々に成形することが可能である。
以上のように、一次成形(押出成形)により熱可塑性樹脂を間欠的に溶融状態のシート状樹脂として押し出し、二次成形(ブロー成形あるいは真空成形)により押し出されたシート状樹脂を金型を用いて成形することが可能である。
より詳細には、一対のローラーによる溶融状態の樹脂シートの送り出しのみにより、溶融状態の樹脂シートの薄肉化を行おうとすると、一対のローラーの回転速度、すなわち送り出し速度の調整によっては、送り出しの進行とともに樹脂シートの自重により生じるドローダウンの抑制には限界があり、一対のローラーから送り出した樹脂シートはその後調整されることなく自重によって引き伸ばされることを考慮した範囲でしか薄肉化をすることができない。つまり、一対のローラーから垂下する溶融状態の樹脂シートの長さ(重量)次第で、溶融状態の樹脂シートの引きちぎれが生じ得るため、ドローダウンを考慮した範囲で樹脂シートの厚さを決定する必要があった。一方で、一対のローラーによる溶融状態の樹脂シートの送り出し後に、クランプによる溶融状態の樹脂シートの下端部のけん引を行うことにより、一対のローラーから垂下する溶融状態の樹脂シート部分全体に一様に張力を負荷することが可能であり、それにより、一対のローラーから垂下する溶融状態の樹脂シート部分全体に亘って一様な延伸効果を及ぼすことが可能であり、ドローダウンを抑制するとともに、クランプによる積極的なけん引によって、樹脂シートの成形直前のタイミングにて十分な薄肉化が達成できるように樹脂シートの厚みを調整することが可能となる。
よって、一対のローラーによるシート状樹脂の延伸と、けん引によるシート状樹脂の延伸との協働により、金型により成形する際の溶融状態のシート状樹脂の所望の厚みを達成することが可能であり、送り出し速度増大によるネックイン現象の発生をも抑制可能であり、以って、ローラーの送り出し速度増大による溶融状態のシート状樹脂の薄肉化の向上と、けん引による溶融状態のシート状樹脂の薄肉化との相乗効果により、溶融状態のシート状樹脂のさらなる薄肉化が可能であるとともに、ローラーの回転速度向上によりローラーによる溶融状態のシート状樹脂の冷却効果を低減することが可能であり、ネックイン現象の発生防止とあいまって、良好な成形性を維持することも可能である。
以上より、溶融状態の樹脂シートの目標厚みに対して、一対のローラーによる溶融状態の樹脂シートの送り出しによる延伸により、主として溶融状態の樹脂シートを薄肉化し、一対のローラーによる溶融状態の樹脂シートの送り出し後、クランプによる溶融状態の樹脂シートのけん引による延伸により、従として(補助的に)溶融状態の樹脂シートを薄肉化し、以って、ドローダウンによる樹脂シートの肉厚調整の困難性及び薄肉化の限界を改善し、成形直前の溶融状態の樹脂シートが、確実に目標厚みとなるようにしたものである。
樹脂成形品について、第1実施形態においては、中実の単一のシート状成形品であるのに対して、本実施形態においては、二条のシート状樹脂を用いた、中空部を有する成形品である。
図10および図11に示すように、二条のシート状樹脂それぞれの一次成形については、第1実施形態と同様に、それぞれのシート状樹脂の押出速度に応じて、押出速度と、シート状樹脂が一対のローラー30により下方に送り出される送り出し速度との相対速度差を一対のローラー30の回転速度を調整することにより調整するとともに、一対のローラー30による送り出し速度と、クランプ部304による下方へのけん引速度との相対速度差をアーム駆動部301の駆動速度を調整することにより調整し、以てシート状樹脂が一対のローラー30の間を通過する際、一対のローラー30により下方に引っ張られる(第1延伸)とともに、クランプ部により下方に引っ張られ(第2延伸)、それによりシート状樹脂が延伸薄肉化され、その結果、ドローダウンあるいはネックインの発生を有効に防止するようにしている。なお、一対のローラー30の回転数およびアーム駆動部301の駆動速度の調整とともに、押出スリット34の間隔の調整を連動して行ってもよい。
この場合、第1熱可塑性樹脂および/または第2熱可塑性樹の押し出し段階から樹脂成形品の成形段階までの間において、第1所定送り出し速度の変化に応じて、第1所定けん引速度を調整する段階、または第2所定送り出し速度の変化に応じて、第2所定けん引速度を調整する段階を有するのが好ましい。
次いで、図12に示すように、分割金型32A,Bそれぞれの型枠33A,Bを対応する分割金型に対して、二条のシート状樹脂の対応する方に向かって移動させて、二条のシート状樹脂の側面に当接させる。これにより、それぞれのシート状樹脂、対応する型枠33およびキャビティ116により、密閉空間が形成される。
次いで、図14に示すように、型枠33A,Bと分割金型32A,Bとを一体で、互いに近接するように移動させることにより、分割金型32A,Bの型締を行い、分割金型32A,Bそれぞれのピンチオフ部により二条のシート状樹脂の周縁部同士を溶着する。これにより、二条のシート状樹脂の内部に密閉中空部151が形成される。
以上のように、本実施形態によれば、二条のシート状樹脂を利用して内部に中空部を有する樹脂成形品を成形する場合に、一対のローラー30の回転数の調整を通じて各シート状樹脂を二次成形する前に押し出し方向に厚みが一様となるようにすることにより、二次成形の賦形に悪影響を与えることなしに二次成形により所望の厚みを有するシート状に成形することが可能であることから、このような二条のシート状樹脂を利用して、金型の型締によりシート状樹脂の周縁同士を溶着させて内部に中空部を有する樹脂成型品を成形するのに、シート状樹脂の周縁同士を確実に溶着させ、それにより内部に中空部を有するにも係わらず十分な強度を具備した樹脂成形品を得ることが可能である。
樹脂成形品について、第2実施形態においては、二条のシート状樹脂を用いた、中空部を有する成形品であるのに対して、本実施形態においては、中空部に補強芯材を配置したサンドイッチパネル成形品である。
本実施形態に関し、一次成形において、二条のシート状樹脂を成形し、その際、各シート状樹脂について、溶融状態の熱可塑性樹脂をシート状にTダイ28の押出スリット34より下方に垂下する形態で押し出し、二次成形において、下方に押し出された二条のシート状樹脂を用いて分割金型32の型締を通じてブロー成形あるいは真空成形により樹脂成形品を成形する点では、第2実施形態と共通であるが、第2実施形態において、二次成形に関し、二条のシート状樹脂の内部に密閉中空部が形成されるのに対して、本実施形態においては、このような密閉中空部内に別途成形された補強芯材を配置して、補強芯材を二条のシート状樹脂により挟み込んだサンドイッチパネルを形成する点が相違する。
まず、図18に示すように、シート状の化粧材シート170を2つの分割金型32の側方から一方の分割金型32と一方の枠部材128との間に挿入し、一方の分割金型32に設けた仮止ピン303(図示せず)により、シート状の化粧材シート170を一方の分割金型32のキャビティ116を覆うように仮止めする。
その際、図16および図17に示すように、第1実施形態および第2実施形態と同様に、シート状樹脂の押出スリット34からの押出速度と、シート状樹脂が一対のローラー30により下方に送り出される送り出し速度との相対速度差を一対のローラー30の回転速度を調整することにより調整するとともに、一対のローラー30による送り出し速度と、クランプ部304による下方へのけん引速度との相対速度差をアーム駆動部301の駆動速度を調整することにより調整し、以てシート状樹脂が一対のローラー30の間を通過する際、一対のローラー30により下方に引っ張られる(第1延伸)とともに、クランプ部により下方に引っ張られ(第2延伸)、それによりシート状樹脂が延伸薄肉化され、以てドローダウンあるいはネックインの発生を防止し、二次成形による型締前に、各シート状樹脂について押出方向に一様な厚みを形成することが可能である。この場合、一対のローラー30の回転数およびアーム駆動部301の駆動速度の調整とともに、押出スリット34の間隔の調整を連動して行ってもよい。
次いで、図20に示すように、シート状樹脂を保持した枠部材128を、対応する分割金型32に向かって枠部材128の開口130を通じて金型32のピンチオフ部118がシート状樹脂のキャビティ116に対向する面に当接するまで移動する。これにより、シート状樹脂のキャビティ116に対向する面、ピンチオフ部118およびキャビティ116により密閉空間が形成される。
次いで、図24に示すように、金型駆動装置により2つの分割金型32を開位置より互いに近づく向きに閉位置まで移動させて、型締する。これにより、一方のシート状樹脂(図面右側)に溶着された補強芯材150は、他方のシート状樹脂に溶着されるとともに、シート状樹脂同士の周縁が溶着されてパーティングラインPLが形成される。なお、型締の際、補強芯材150自体は、表皮材シート160とは異なり、予め成形された状態で溶融状態の表皮材シート160に対して溶着するため、補強芯材150自体は、型締により変形を受けないように予め位置決めされている。
次いで、図25に示すように、2つの分割金型32を型開きし、完成したサンドイッチパネル10からキャビティ116を離間させ、パーティングラインPLまわりに形成されたバリを除去する。以上で、サンドイッチパネルの成形が完了する。
本実施形態によれば、一対のローラー30の回転数およびアーム駆動部301の駆動速度の調整を通じて各シート状樹脂を二次成形する前に押し出し方向に厚みが一様となるようにすることにより、二次成形の賦形に悪影響を与えることなしに二次成形により所望の厚みを有するシート状に成形することが可能であることから、このような二条のシート状樹脂を表皮材として利用して、金型の型締によりシート状樹脂の周縁同士を溶着させて内部に補強芯材を有するパネルサンドイッチを成形するのに、表皮材であるシート状樹脂の周縁同士を確実に溶着させ、それによりたとえば自動車用カーゴフロアボード等のように十分な強度、特に曲げ剛性が要求されるサンドイッチパネルを得ることが可能である。
また、第2実施形態において、中空部を有する樹脂成形品として、樹脂の種類および色彩が同じ二条のシート状樹脂を利用して成形する場合を説明したが、それに限定されることなく、たとえばゲーム機のケーシング用に、種類あるいは色彩が相違する二条のシート状樹脂を裏面およびおもて面として構成してもよい。
また、第3実施形態において、化粧材シートを分割金型の間に配置し、分割金型の型締により表皮材シートに溶着する場合を説明したが、それに限定されることなく、表皮材シート用のシート状樹脂とともに化粧材シートを一対のローラ間に供給し、一対のローラーの回転速度およびアーム駆動部301の駆動速度を調整することによりシート状樹脂の厚みを調整するとともに、化粧材シートをシート状樹脂に圧着してもよい。
クランプ解除レベルにおいてシート状樹脂 のクランプを解除するタイミングは、シート状樹脂が一対のローラー30から垂下した状態では不安定であることから、分割金型32の型締後が好ましいが、シート状樹脂をキャビティ116に向かって真空吸引する場合には、分割金型32を真空吸引後型締前にクランプ解除してもよい。
クランプ装置300によるシート状樹脂のけん引は、一対のローラー30によるシート状樹脂の送り出しに対する補助として、一対のローラー30から垂下するシート状樹脂のドローダウンを防止するだけでなく、シート状樹脂のメルトインデックス等物性値に応じて、一対のローラー30による送り出し速度との関係において、シート状樹脂の初期けん引速度の調整、クランプ開始レベルおよび/またはクランプ解除レベルの調整、あるいはけん引速度の時間履歴の調整をすることにより、一対のローラー30と協働して、シート状樹脂の押し出し方向に一様な薄肉化を達成するのに利用してもよい。
さらに、第1実施形態ないし第3実施形態それぞれにおいて、熱可塑性樹脂製シートの押出段階の際、押出ヘッドから溶融状態の熱可塑性樹脂を押出すことにより、シート状樹脂としているが、それに限定されることなく、溶融状態の熱可塑性樹脂製の筒状パリソンを用いて、押出ヘッドの先端で2枚のシート状樹脂に分割してもよい。
PL パーティングライン
PH クランプ開始レベル
PL クランプ解除レベル
V1 押し出し速度
V2 送り出し速度
V3 けん引速度
10 成形装置
12 押出装置
14 型締装置
16 ホッパー
18 シリンダー
22 油圧モーター
24 アキュムレータ
26 プランジャー
28 Tダイ
30 ローラー
32 分割金型
34 押出スリット
36 ダイリップ
38 ダイ
40 スリット隙間
42 スリット間隔調整装置
44 スリット間隔駆動装置
46 ダイボルト
48 圧力伝達部
50 調整軸
52 締結ボルト
54 係合片
56 凹溝
58 摺動バー
60 駆動片
62 摺動溝
94 ローラー回転駆動手段
96 ローラー移動手段
98 回転駆動モータ
100 回転数調整装置
102 端周面
104 第1歯車
106 端周面
108 第2歯車
110 ピストンーシリンダ機構
112 浅溝
114 ローラー表面温度調整手段
116 キャビティ
118 ピンチオフ部
120 真空吸引室
122 吸引穴
124 圧力流体導入孔
126 型枠
128 枠部材
130 開口
300 クランプ装置
301 アーム駆動部
302 アーム部
303 ピン
304 クランプ部
Claims (15)
- 熱可塑性樹脂を溶融状態のシート状に下方に垂下するように所定押出速度で押し出す段階と、
下方へ押し出される溶融状態のシート状樹脂を押出速度以上のけん引速度で下方にけん引する段階と、
けん引された溶融状態のシート状樹脂を金型の側方に配置する段階と、
溶融状態のシート状樹脂と金型との間に形成された密閉空間を減圧、および/またはシート状樹脂を金型に向かって加圧することによって金型形状に沿った形状に成形する段階とを有する、
樹脂成形品の成形方法。 - 前記けん引する段階において、けん引速度を時間経過とともに減少させることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品の成形方法。
- 前記けん引する段階において、けん引速度を時間経過とともに段階的に減少させることを特徴とする請求項2記載の樹脂成形品の成形方法。
- 前記けん引段階は、下方へ押し出された溶融状態のシート状樹脂の最下部をクランプする段階と、
クランプされたシート状樹脂の最下部を下方にけん引する段階とを有し、
前記けん引段階は、溶融状態のシート状樹脂の最下部のクランプ開始位置と、該クランプ開始位置より下方レベルの、溶融状態のシート状樹脂の最下部のクランプ解除位置との間で行い、
前記クランプ開始位置は、前記押出し開始位置と前記金型との間にレベルに設定され、前記クランプ解除位置は、前記金型より下方のレベルに設定され、
成形品の寸法に応じて定められる、前記金型におけるキャビティのシート状樹脂の押し出し方向に沿う長さに応じて、溶融状態のシート状樹脂のクランプ開始レベルおよびクランプ解除レベルを定め、それに応じて、クランプ装置のけん引速度を定める、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の樹脂成形品の成形方法。 - 前記金型の側方への配置段階における溶融状態のシート状樹脂の所望の厚みに応じて、前記けん引速度および/または前記けん引時間を調整する段階を有する、請求項1から4のいずれかに記載の樹脂成形品の成形方法。
- 前記けん引時間の調整段階は、クランプ開始位置および/またはクランプ解除位置のレベル調整により行う段階を有する、請求項5に記載の樹脂成形品の成形方法。
- 溶融状態のシート状樹脂の押し出し直後の厚みと前記金型により成形される直前の目標厚みとの差に応じて、溶融状態のシート状樹脂のメルトインデックスとの関係において、前記下方にけん引する初期けん引速度を設定する、請求項1から6のいずれかに記載の樹脂成形品の成形方法。
- 熱可塑性樹脂は、1または2種類以上のポリオレフィン樹脂に無機充填材が5ないし40重量部含有され、熱可塑性樹脂の230℃におけるメルトインデックスが、1.0ないし3.0g/10minである、請求項7に記載の樹脂成形品の成形方法。
- 第1および第2の溶融状態のシート状樹脂を分割金型間に配置して、分割金型の一方の金型と第1シート状樹脂の間の空気を減圧することによって第1シート状樹脂を一方の金型キャビティに密着させるとともに、分割金型の他方の金型と第2シート状樹脂の間の空気を減圧することによって第2シート状樹脂を他方の金型キャビティに密着させた後、分割金型を型締めする段階を有し、
分割金型の型締めにより金型外周のピンチオフ形成部を通じて第1および第2シート状樹脂を溶着一体化することにより、樹脂成形品を成形する、ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の樹脂成形品の成形方法。 - 成形される樹脂成形品は密閉中空部を有する、ことを特徴とする請求項9記載の樹脂成形品の成形方法。
- 第1シート状樹脂をクランプするクランプ部と第2のシート状樹脂をクランプするクランプ部を有し、これら一対のクランプ部が同期されていることを特徴とする請求項9または10記載の熱可塑性樹脂の成形方法。
- 熱可塑性樹脂を押出成形により賦形し、一次成形された熱可塑性樹脂を垂下する形態で押し出す一次成形部と、一次成形部により押し出された熱可塑性樹脂をブロー成形あるいは真空成形により二次成形する二次成形部とを有する、熱可塑性樹脂の成形装置において、
前記一次成形部は、
熱可塑性樹脂を溶融混練する溶融混練手段と、
溶融混練した熱可塑性樹脂を所定量貯留する貯留手段と、
貯留された熱可塑性樹脂を溶融状態のシート状に垂下するように、間欠的に押し出す押出スリットと、を有し、
前記二次成形部は、
垂下するシート状樹脂を挟んで、開位置と閉位置との間でシート面に対して略直交する向きに可動であり、互いに対向する面にキャビティを形成した一対の分割金型と、
開位置と閉位置との間でシート面に対して略直交する向きに一対の分割金型を移動させる金型移動手段と、を有し、
さらに、下方に押出されるシート状樹脂の最下部をクランプ可能なクランプ部と、該クランプ部を上下方向に移動させるクランプ部移動手段と、前記クランプ部移動手段による該クランプ部の上下方向への移動速度を調整するクランプ部移動速度調整手段とを、備えたシート状樹脂のけん引手段とを有し、
前記クランプ部移動速度調整手段は、下方へ押し出される溶融状態のシート状樹脂を押出速度以上のけん引速度で下方にけん引するように前記クランプ部の移動速度を調整する、
ことを特徴とする熱可塑性樹脂の成形装置。 - 前記クランプ部移動速度調整手段は、けん引速度を時間経過とともに減少させることを特徴とする請求項12記載の熱可塑性樹脂の成形装置。
- 前記クランプ部は、押出方向と直行する方向に所定幅を有する溶融状態のシート樹脂をクランプ可能なように、所定の長さに亘って延びていることを特徴とする請求項12または13記載の熱可塑性樹脂の成形装置。
- 第1および第2の溶融状態のシート状樹脂を分割金型間に配置して、分割金型の一方の金型と第1シート状樹脂の間の空気を減圧することによって第1シート状樹脂を一方の金型キャビティに密着させるとともに、分割金型の他方の金型と第2シート状樹脂の間の空気を減圧することによって第2シート状樹脂を他方の金型キャビティに密着させた後、分割金型を型締めし、当該分割金型の型締めにより金型外周のピンチオフ形成部を通じて第1および第2シート状樹脂を溶着一体化することにより、樹脂成形品を成形する樹脂成形品の成形装置であって、
第1シート状樹脂をクランプするクランプ部と第2のシート状樹脂をクランプするクランプ部を有し、これら一対のクランプ部が同期されていることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019032196A JP6751504B2 (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | 樹脂成形品の成形方法、及び、熱可塑性樹脂の成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019032196A JP6751504B2 (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | 樹脂成形品の成形方法、及び、熱可塑性樹脂の成形装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015011874A Division JP6511213B2 (ja) | 2015-01-24 | 2015-01-24 | 樹脂成形品の成形方法および成形装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019111825A true JP2019111825A (ja) | 2019-07-11 |
JP6751504B2 JP6751504B2 (ja) | 2020-09-09 |
Family
ID=67222139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019032196A Active JP6751504B2 (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | 樹脂成形品の成形方法、及び、熱可塑性樹脂の成形装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6751504B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111483153A (zh) * | 2020-04-15 | 2020-08-04 | 山东新华医疗器械股份有限公司 | 塑料瓶连续生产工艺 |
-
2019
- 2019-02-25 JP JP2019032196A patent/JP6751504B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111483153A (zh) * | 2020-04-15 | 2020-08-04 | 山东新华医疗器械股份有限公司 | 塑料瓶连续生产工艺 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6751504B2 (ja) | 2020-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6511213B2 (ja) | 樹脂成形品の成形方法および成形装置 | |
JP5556804B2 (ja) | 樹脂成形品の成形方法および成形装置、並びに熱可塑性樹脂製シートの厚みの調整装置 | |
JP5403246B2 (ja) | 樹脂成形品の成形方法および成形装置、並びに熱可塑性樹脂製シートの厚みの調整装置 | |
JP5590292B2 (ja) | 樹脂積層板の製造方法 | |
CN102686379B (zh) | 树脂层叠板的制造方法 | |
EP3287255B1 (en) | Molten resin extrusion device and extrusion method as well as molten resin molding apparatus and molding method | |
JP6283931B2 (ja) | 加飾成形方法、加飾シートによる加飾成形用金型部品、該金型部品を有する加飾成形用金型、並びに加飾成形装置 | |
JP5345026B2 (ja) | 樹脂成形品の成形方法および成形装置、並びに熱可塑性樹脂製シートの厚みの調整装置 | |
JP6751504B2 (ja) | 樹脂成形品の成形方法、及び、熱可塑性樹脂の成形装置 | |
JP6424653B2 (ja) | 樹脂製パネル | |
JP5604997B2 (ja) | インナーリブを備えた樹脂積層板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190327 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200115 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200316 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200715 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200728 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6751504 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |