JP2019108916A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキトルクの検出精度を向上して安定した制動力が得られるブレーキ装置を提供する。【解決手段】押圧プレート部材67は、回転プレートの回転軸L1の軸線方向に押圧されることにより回転プレート66aおよび固定プレート66bを摩擦係合させる。リターンスプリング74,75は、押圧プレート部材67の押圧に抗する弾性力を押圧プレート部材67に付与する。可動環71は、回転軸L1の軸線方向への移動を許容し、かつ軸線を中心とする周方向に有した遊びを超えた回転を阻止するように固定プレート66bを支持する。トルク受け部材68は、軸線方向への移動が許容されかつ軸線を中心とする周方向への回転が阻止されており、固定プレート66bから伝達されるトルクを受ける。変換機構76は、トルク受け部材68が受けたトルクを押圧プレート部材67の押圧力に変換する。検出器82は、押圧力に対する反力を検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、回転部材および固定部材の間に係合力を発生させるブレーキ装置に関するものである。
従来、駆動用モータおよび制動用モータを一体的に備えた電磁ブレーキ付モータが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の装置は、駆動用モータ、電磁ブレーキ、推力発生機構および制動用モータを備えている。駆動用モータは、ロータに一体的に取り付けられたモータ軸を回転させる。電磁ブレーキは、ドライバーのブレーキペダル操作により生じる制動要求に応じて、制動用ソレノイドに供給される電流を増減することにより電磁吸着力を変化させてブレーキロータをブレーキステータに移動させてモータ軸を制動する。
特開2017−112673号公報 特開2014−209017号公報
しかしながら、ブレーキステータとブレーキロータとの間の摩擦材の摩擦係数は、接触による摩耗により変化する。また、一般的に油圧式の摩擦ブレーキ装置では、ホイールシリンダに油圧センサを設け、その油圧センサから得られる油圧情報に基づいてブレーキトルクを推定している。このため、前述したように摩擦材の摩擦係数の変動によりブレーキトルクの判定が変動するおそれがある。これにより、制動要求に応じてブレーキロータの移動量を制御する方式よりも、制動要求に応じてブレーキステータとブレーキロータとを摩擦係合させる押圧力を制御する方式が好ましい。
例えば、特許文献2には、クラッチを押圧するカム機構の推力を精度良く調整することが可能なように、カム機構の推力に対する反力を検出する歪みセンサを備えた駆動力伝達装置が記載されている。駆動装置は、歪みセンサから得られる情報に基づいて電動機に供給する電流を制御する。歪みセンサは、リング状のダイヤフラムにおける周縁の一方の面に取り付けられている。ダイヤフラムの他方の面には、反力が伝達されるコイル状のばね部材がダイヤリングの周方向に複数取り付けられている。バネ部材は、カム機構から伝達される反力によって弾性変形されることにより生じる弾性力をダイヤフラムに伝達するとともに、カム機構から歪みセンサへの衝撃を緩和する。歪みセンサは、ばね部材を介してダイヤフラムの外周縁の変形量を検出する。しかし、ばね部材は、歪みセンサが配置された面にオーバーラップするダイヤフラム面上にて反力を均等に伝達しないことがある。よって、歪みセンサは、ばね部材を使用することで正確な反力を検出できないおそれがある。ブレーキ装置においては、制動要求に応じて制動力を精度良く制御する必要があることから、制動力を発生させるための係合力を精度良く制御する手段について改善の余地がある。
本発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、ブレーキトルクの検出精度を向上して安定した制動力を得ることができるブレーキ装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明は、駆動力源から伝達されるトルクにより回転する回転部材と、前記回転部材に対向して配置された固定部材と、前記回転部材の回転軸の軸線方向に移動されることにより前記回転部材および前記固定部材の間に係合力を発生させる押圧部材と、前記係合力に抗する弾性力を前記押圧部材に付与する弾性部材とを備えたブレーキ装置において、少なくとも前記回転部材の回転方向に沿った遊びを前記固定部材に持たせて前記回転部材から伝達されるトルクを前記固定部材に伝達するトルク伝達部材と、前記トルク伝達部材から伝達されるトルクを前記軸線方向の推力に変換し、変換された前記推力を前記係合力に付与する変換機構と、前記係合力に伴って生じる反力を検出することで前記回転部材から伝達されるトルク、またはそのトルクが変換された前記軸線方向の軸力を判定する検出部を備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、回転部材から伝達されるトルクを固定部材に伝達するトルク伝達部材と、トルク伝達部材から伝達されるトルクを軸線方向の推力に変換し、変換された推力を係合力に付与する変換機構とを備えている。このため、係合力に対する反力が精度良く検出部に伝達される。これにより、検出部は、回転部材から伝達されるトルク、またはそのトルクが変換された軸線方向の軸力を精度良く判定することができ、よって、ブレーキトルクの検出精度を向上して安定した制動力を得ることができる。
本発明の実施形態にかかるブレーキ装置の一例を採用した駆動装置の一例を示す断面図である。 図1に示したブレーキ装置の要部を示す拡大断面図である。 図2に示した変換機構の一例を示す断面図である。 係合力付与機構の別の実施形態を示す断面図である。 検出器の位置を変更した他の実施形態を示す断面図である。 検出器の位置を変更した別の実施形態を示す断面図である。
図1は、本発明の実施形態にかかるブレーキ装置の一例を採用した駆動装置を示す断面図である。図1に示すように駆動装置10は、車両に搭載されるものであり、車幅方向の右側に配置された第1駆動輪11、左側に配置された第2駆動輪12、第1駆動輪11用の第1モータ13、第2駆動輪12用の第2モータ14、第1駆動輪11用の第1動力伝達機構15、第2駆動輪12用の第2動力伝達機構16、差動機構17、第1駆動輪11用の第1ブレーキ機構18、および第2駆動輪12用の第2ブレーキ機構19を備える。なお、図1に示した車幅方向の右方および左方は、例えば図1にて車両を背面(後方)から視た図とした場合の左右方向であり、車両を正面(前方)から視た図を図1とする場合には左右方向が逆になる。
また、第1駆動輪11、第1モータ13、第1動力伝達機構15、第1ブレーキ機構18、第2駆動輪12、第2モータ14、第2動力伝達機構16、および第2ブレーキ機構19は、車幅方向における中央を挟んだ両側に略対称に配置されている。したがって、以下の説明では、車幅方向の右側に配置された第1駆動輪11、第1モータ13、第1動力伝達機構15、および第1ブレーキ機構18について説明する。左側に配置された機構については、右側に配置された機構と同じまたは同様な構成であるため、同じ部材に同番号および末尾に「L」を付与してここでの詳しい説明を省略する。第1モータ13および第2モータ14は、本発明の実施形態における駆動力源の一例である。
第1モータ13は、第1駆動輪11に伝達する走行用の駆動力を発生するモータ、かつ発電機能を有するモータであって、その一例として永久磁石形の同期モータで構成されている。具体的には、ドラム状に形成されたモータハウジング21の内部に環状のステータ22が取り付けられ、そのステータ22の内部にロータ23が設けられている。ロータ23は、出力軸24に一体的に連結されており、出力軸24は、第1モータ13の駆動により回転軸L1を中心に回転する。出力軸24は、モータハウジング21の両側の隔壁25,26に設けられたベアリング27,28を介して回転自在に支持されている。
第1動力伝達機構15は、出力ギヤ30、カウンタシャフト31、カウンタドリブンギヤ32、ピニオンギヤ33、および終減速ギヤ34を備え、第1モータ13から出力される駆動力を第1駆動輪11に伝達する。
出力ギヤ30は、出力軸24における車幅方向の左方の端部に連結されている。カウンタシャフト31は、出力軸24と平行に配置されている。カウンタシャフト31には、ピニオンギヤ33とカウンタドリブンギヤ32とを同軸上に一体的に取り付けた二段ギヤが連結されている。カウンタドリブンギヤ32は、出力ギヤ30に噛み合っている。ピニオンギヤ33は、カウンタドリブンギヤ32よりも小径に形成されている。ピニオンギヤ33には、ピニオンギヤ33よりも大径の終減速ギヤ34が噛み合っている。
終減速ギヤ34は、カウンタシャフト31と平行に配置された副軸35に連結されている。副軸35は、スプライン結合によりドライブシャフト36の一端に連結されている。ドライブシャフト36は、従来知られているドライブシャフトと同様に、両端の回転軸線を車両の高さ方向に変更するための等速ジョイントなどの図示しない連結機構を有している。そのドライブシャフト36の他端には、第1駆動輪11が連結されている。なお、ドライブシャフト36は、副軸35と同軸上に配置されている。
本実施形態における第1動力伝達機構15は、出力ギヤ30とカウンタドリブンギヤ32とのギヤ比、およびピニオンギヤ33と終減速ギヤ34とのギヤ比に応じて出力ギヤ30のトルクを増大してドライブシャフト36に伝達する減速機構により構成されていてよい。
なお、第1動力伝達機構15は、センターハウジング37の内部に収容されている。センターハウジング37には、車幅方向における右方に前述したモータハウジング21が取り付けられている。また、カウンタシャフト31や副軸35は、センターハウジング37に取り付けられた隔壁によりベアリングを介して回転自在に支持されている。
また、第1モータ13の出力軸24は、第2モータ14の出力軸24Lと同軸上に配置されており、かつ第1動力伝達機構15のドライブシャフト36は、第2動力伝達機構16のドライブシャフト36Lと同軸上に配置されている。また、第1動力伝達機構15のカウンタシャフト31は、第2動力伝達機構16のカウンタシャフト31Lと同軸上に、かつ第1動力伝達機構15の副軸35は、第2動力伝達機構16の副軸35Lと同軸上に配置されている。
差動機構17は、第1動力伝達機構15の出力軸24と第2動力伝達機構16の出力軸24Lとに伝達される相互のトルクを異ならせることができる機構である。その差動機構17は、連結軸39、フランジ部40、締結プレート41、延長軸42、収容部43、スナップリング44、ヨーク45、押圧板46、円筒部47、コイルバネ48、およびコイル49などで構成されている。
連結軸39は、出力軸24の一端にスプライン結合により連結されている。フランジ部40は、回転軸L1と同軸線上でかつ連結軸39に形成されている。フランジ部40の外周面には、スプライン歯40aが形成されている。また、フランジ部40と同心円上に環状の締結プレート41が配置されている。締結プレート41の内周面には、スプライン歯41aが形成されている。フランジ部40と締結プレート41とは、スプライン歯40a,41aの係合により回転軸L1の軸線方向に移動可能になっている。
第2モータ14の出力軸24Lの一端には、延長軸42がスプライン結合により連結されている。延長軸42には、連結軸39との間に収容部43が一体的に形成されている。収容部43は、開放側を出力軸24に向けた断面略C字状に形成された凹部38を有する。凹部38には、前述した締結プレート41が回転可能に取り付けられている。また、凹部38の開放側には、締結プレート41が凹部38から抜け出ることを防止するためのスナップリング44が取り付けられている。
凹部38には、環状のヨーク45が一体的に取り付けられており、そのヨーク45と締結プレート41との間に環状の押圧板46が配置されている。押圧板46および凹部38は、スプライン結合している。つまり、押圧板46は、凹部38と一体的に回転するとともに、凹部38内で軸方向に移動することができる。
押圧板46は、磁性材料により構成されており、その内径部には、軸方向における凹部38の底面側に延出した円筒部47が形成されている。コイルバネ48は、円筒部47の外周に、かつ凹部38の底面と押圧板46との間に圧縮されるように配置され、押圧板46を軸方向における締結プレート41に向けて付勢する。さらに、収容部43の外周には、コイル49が配置されている。
コイル49は、通電されることによりコイルバネ48の弾性力に抗した磁力を発生させる。磁力は、締結プレート41から軸方向に沿って離れるように押圧板46に作用する。一方、コイル49が通電されていない場合には、押圧板46がコイルバネ48の弾性力により締結プレート41に押圧される。押圧板46と締結プレート41との間には、コイルバネ48の弾性力に応じた摩擦力が生じる。摩擦力は、直進走行や旋回半径が比較的大きい走行路を走行する場合における左右の出力軸24に作用するトルク差、あるいは回転速度差によって、押圧板46と締結プレート41とが相対回転しない程度に定められている。差動機構17は、コイル49を電磁アクチュエータとした摩擦クラッチを構成している。
第1ブレーキ機構18は、サービスブレーキ機構51、およびパーキングブレーキ機構52を備える。パーキングブレーキ機構52は、駐車時、あるいは停車時に作動させて制動力を保持する。サービスブレーキ機構51は、油圧ブレーキ機構53を備える。
油圧ブレーキ機構53は、マスタシリンダユニット55、動力液圧源56、液圧アクチュエータ57、およびそれらをつなぐ液圧回路58などを備える。
動力液圧源56は、アキュムレータ、圧力センサ、モータ、およびポンプ(いずれも図示なし)などを有し、アキュムレータに所定圧力範囲のブレーキ液圧を蓄圧することで、マスタシリンダユニット55に加えるブレーキ液圧を発生させる。アキュムレータに蓄えられたブレーキ液圧(アキュムレータ圧)は、所定圧力範囲となるように圧力センサにより圧力検出を行い、アキュムレータ圧が低いと、モータを駆動することでポンプによるブレーキフルードの吸入吐出動作を行わせる。
マスタシリンダユニット55は、一例として液圧ブースタ付きマスタシリンダとしてもよい。液圧ブースタ付きマスタシリンダは、液圧ブースタ60、マスタシリンダ61、レギュレータ62、およびリザーバ63を含む。ブレーキペダル64の踏み込みによりマスタシリンダ61のブレーキフルードが加圧される。液圧ブースタ60は、ブレーキペダル64に連結されており、ブレーキペダル64に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ61に伝達する。動力液圧源56からレギュレータ62を介して液圧ブースタ60にブレーキフルードが供給されることにより、ブレーキペダル64の踏力(ペダル踏力)が増幅される。マスタシリンダ61は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ61は、ブレーキペダル64への踏み込みが解除されている際にリザーバ63と連通する。一方、レギュレータ62は、リザーバ63と動力液圧源56のアキュムレータとの双方と連通しており、リザーバ63を低圧源とするとともに、アキュムレータを高圧源とし、マスタシリンダ圧と略等しい液圧(レギュレータ圧)を発生する。
液圧アクチュエータ57は、動力液圧源56またはマスタシリンダユニット55から供給されるブレーキフルードの液圧を適宜調整してホイールシリンダに伝達する。ホイールシリンダは、詳しくは後述するサービスブレーキ機構51,51Lにそれぞれ設けられている。なお、本実施形態では、油圧ブレーキ機構53を使用しているが、本発明ではこれに限らず、例えば空圧式ブレーキ機構を使用してもよい。油圧ブレーキ機構53は、係合力付与機構の一例である。
図2は、図1に示した駆動装置の要部を示す拡大断面図である。図2に示すようにサービスブレーキ機構51は、摩擦プレート66、押圧プレート部材67、トルク受け部材68、変換機構76(第1変換機構76−1,第2変換機構76−2)、およびネジ軸69などを備えている。
摩擦プレート66は、表面を摩擦材で形成したものであり、環状の回転プレート66a(66a−1,66a−2)、および環状の固定プレート66b(66b−1,66b−2,66b−3)から構成されている。この実施形態では、回転プレート66aは第1回転プレート66a−1と第2回転プレート66a−2とで構成され、また、固定プレート66bは第1固定プレート66b−1、第2固定プレート66b−2、および第3固定プレート66b−3で構成されている。回転プレート66aは、3枚の固定プレート66bの間に1枚ずつ配置されている。なお、摩擦プレート66の数および配置順については前述した実施形態に限定されない。
回転プレート66aは、ボス部材70に固定されている。ボス部材70は、スプライン結合により出力軸24に連結されており、出力軸24と一緒に回転する。固定プレート66bは、スプライン結合により可動環71に支持されている。つまり、可動環71は、固定プレート66bをスプライン結合により連結する結合部71aを有する。結合部71aは、スプライン結合になっており、固定プレート66bを回転軸L1の軸線方向に移動自在に支持する。
回転プレート66aと固定プレート66bとが軸方向に交互に配置されることで、多板の摩擦プレートが構成されている。この実施形態では、押圧プレート部材67に設けられたフランジ状の押圧プレート67aが車幅方向の左方に向けて押圧されることで回転プレート66aと固定プレート66bとの間に摩擦による係合力を発生させ、その係合力により出力軸24に制動力を発生させる構成になっている。なお、逆に回転プレート66aを固定プレート66bに向けて移動させて摩擦により係合力を発生させる構造であってもよい。また、回転プレート66aを一対の固定プレート66bで挟み込むことで摩擦により係合力を発生させる構成であってもよい。回転プレート66aは、本発明の実施形態における回転部材の一例である。固定プレート66bは、本発明の実施形態における固定部材の一例である。
可動環71の外周には、環状の固定環72が配置されている。固定環72は、外面がモータハウジング21に固定されている。固定環72には、開放側を車幅方向における右方に向けた断面略C字状の凹部72aが形成されている。凹部72aは、前述した摩擦プレート66および可動環71を内部に収容しており、また、出力軸24を挿通する開口72b、および押圧プレート67aから伝達される押圧力を受け止める受け止め面72cを有する。開口72bは、凹部72aの底面72dの中央に形成され、また、受け止め面72cは、開口72bを除く底面72dに設けられている。
可動環71の外周部と凹部72aの側面72e(固定環72の内周部)との合わせ目には、断面半円形の内周溝92および外周溝93がそれぞれ設けられている。内周溝92および外周溝93は、重なり合うことで断面略円状でかつ軸線方向に平行に延びた直進溝94を構成する。直進溝94には、軸線を中心とする周方向に複数設けられている。各直進溝94には、転動体の一例である案内ピン73がそれぞれ設けられている。案内ピン73は、周面が軸線方向に平行なピンになっている。直進溝94は、案内ピン73に対して回転軸L1の軸線を中心とする周方向に僅かな遊びを有し、かつ遊びを超えた周方向への可動環71の回転を止め、かつ固定環72に対して可動環71が回転軸L1の軸線方向に移動するのを許容する。つまり直進溝94は、固定プレート66bおよび可動環71の前述した遊び分の回転を許容することで、回転プレート66aから伝達されるトルクを、第1固定プレート66b−1を介して押圧プレート部材67に伝達する。案内ピン73および直進溝94は、本発明の実施形態におけるトルク伝達部材の一例である。
なお、案内ピン73としては、本実施形態では断面円形の平行ピンとしているが、これに限らず、例えば断面矩形の平行ピンであってもよい。この場合には、内周溝92および外周溝93は、案内ピン73の断面形状に嵌合する断面形状であればよい。また、案内ピン73の代わりに、球体でもよい。球体は、直進溝94ごとに複数個使用してもよい。
案内ピン73の軸線方向の両側には、一対のリターンスプリング74,75が配置されている。一対のリターンスプリング74,75は、軸線方向において案内ピン73に当接している。一方のリターンスプリング74は、軸線方向において案内ピン73とは逆側にある固定環72の底面72dに当接している。他方のリターンスプリング75は、軸線方向における案内ピン73とは逆側にある押圧プレート67aに当接している。なお、リターンスプリング74,75の直径は、案内ピン73の直径と同じまたはそれよりも小径であってよい。リターンスプリング74,75は、同じサイズおよび弾性力のものを使用してよい。
一対のリターンスプリング74,75は、押圧プレート67aの押圧に抗する弾性力を押圧プレート67aに付与する。これにより、一対のリターンスプリング74,75は、押圧プレート67aに向けて押圧力を伝達させる経路に生じるガタを詰める作用をする。なお、リターンスプリング74,75の代わりに、軸線方向に弾性変形可能な弾性部材を使用してもよい。リターンスプリング74,75は、本発明の実施形態における弾性部材の一例である。
押圧プレート部材67は、押圧プレート67aおよびシリンダ部67bを有し、回転軸L1の軸線を中心とする周方向への回転および軸線方向への移動がそれぞれ許容された状態でブレーキハウジング79の内部に組み込まれている。押圧プレート67aは、フランジ状に形成されており、摩擦プレート66を挟んで受け止め面72cに対向する位置に配置される。押圧プレート67aは、前述したように第1固定プレート66b−1およびリターンスプリング75を車幅方向の左方に向けて押圧する。シリンダ部67bは、開放側を車幅方向の右方に向けた断面略C字状に形成された筒部になっている。押圧プレート67aは、シリンダ部67bの外周部かつ車幅方向の左方寄りに形成されている。
トルク受け部材68は、回転軸L1の軸線を中心とする周方向への回転が止められ、かつ軸線方向への移動が可能なようにシリンダ部67bの外周部およびブレーキハウジング79の内部に支持されている。トルク受け部材68は、トルク受けプレート68a、受け圧ピストン部68b、およびナット部68cを有している。なお、トルク受け部材68は、回転軸L1の軸線方向に移動自在に、かつ相対回転可能なように押圧プレート部材67に取り付けられていてもよい。
ブレーキハウジング79は、モータハウジング21に固定されている。トルク受け部材68の回転止めは、ブレーキハウジング79の内壁との間に設けられたスプライン結合部68hにより行ってもよい。
トルク受けプレート68aは、押圧プレート67aに対して車幅方向の右側に、かつ押圧プレート67aに対向するように配置される。第1変換機構76−1は、トルク受けプレート68aと押圧プレート67aとの間に設けられている。第1変換機構76−1は、回転プレート66aから伝達されるトルクを受けることによりそのトルクを固定環72の底面72dに向けた押圧力、つまり回転軸L1の軸線方向に沿う推力に変換し、かつその推力を増力する。軸線方向に沿う推力に変換されかつ増力された推力は、押圧プレート67aに付与される。
つまり、可動環71は、案内ピン73との間に回転軸L1の軸線を中心とする周方向に遊びを有している。また、詳しくは後述する送りネジ機構によりトルク受け部材68は、軸線方向への移動が止められている。このため、回転プレート66aから伝達されるトルクが第1固定プレート66b−1を介して押圧プレート部材67に伝達されると、変換機構76は、押圧プレート部材67に伝達されたトルクを車幅方向における左方に向けた押圧力に変換し、その押圧力を増力する。
第2変換機構76−2は、第3固定プレート66b−3と固定環72の底面72dとの間に設けられている。第2変換機構90−2は、第3固定プレート66b−3に伝達されるトルクを押圧プレート67aに向けた押圧力(第1変換機構76−1が発生する推力とは逆向きの推力)に変換し、その推力を増力する。その推力は、第3固定プレート66b−3に付与される。第1変換機構76−1と第2変換機構76−2とが発生する推力は、回転プレート66aを押圧プレート67aおよび第3固定プレート66b−3の間で挟み込む力となる。なお、第2変換機構76−2を省略してもよい。また、第2変換機構76−2の代わりにスラストベアリングを使用してもよい。
受け圧ピストン部68bは、シリンダ部67bの外周に摺動する筒部68dと、シリンダ部67bの内部を密閉する隔壁68eとを有し、シリンダ部67bと隔壁68eとの間でホイールシリンダ77を形成する。また、受け圧ピストン部68bを含むトルク受け部材68は、詳しくは後述するナット部68cがネジ軸69に螺合していることにより回転軸L1の軸線方向への移動が止められている。ナット部68c、スプライン結合部68h、およびネジ軸69は、ロータ軸80aから伝達される回転運動を直線運動に変換してその直線運動をトルク受け部材68に伝達する送りネジ機構を構成する。
トルク受け部材68には、油通路68fが形成されている。ブレーキハウジング79には、油通路68fに通じる油通路78が形成されている。トルク受け部材68は、送りネジ機構により回転軸L1の軸線方向に移動されるため、その分を考慮して油通路68fが油通路78よりも大径に形成されている。
ホイールシリンダ77には、油通路78および油通路68fを介して油圧ブレーキ機構53の液圧アクチュエータ57から圧油が供給される。油通路68f,78を通してホイールシリンダ77に圧油が供給されると、隔壁68eが固定壁として作用するためシリンダ部67bが車幅方向の左方に向けて押圧される。これにより、トルク受け部材68に対して押圧プレート67aが車幅方向の左方に向けて押圧されて摩擦プレート66に係合力を発生させる。
押圧プレート部材67は、圧油が供給されることで変換機構76を介してトルク受け部材68に当接する位置から回転プレート66aおよび固定プレート66bの間に係合力を生じさせる制動位置(車幅方向の左方に寄った位置)に移動される。なお、変換機構76を介してトルク受け部材68に当接する位置は、係合力を解除する解除位置である。なお、制動位置は、要求される制動力により適宜変更される。
ナット部68cは、内周に雌ネジ68gを有し、雌ネジ68gがネジ軸69の外周に形成された雄ネジ69aに噛み合う。ネジ軸69は、パーキング用モータ80のロータ軸80aに連結されている。その連結は、スプライン結合により行われている。つまり、ネジ軸69は、ロータ軸80aに対して回転軸L1の軸線方向に移動自在で、かつ回転軸L1の軸線を中心とする回転方向にトルクを伝達可能に連結されている。
ネジ軸69は、パーキング用モータ80の駆動によりトルク受け部材68を軸線方向に沿って移動させる。トルク受け部材68の移動は、回転プレート66aおよび固定プレート66bの間に係合力を生じさせる制動位置(車幅方向の左方に寄った位置)とその押圧を解除する解除位置(車幅方向の右方に寄った位置)との間で行われる。なお、この際の制動位置は、サービスブレーキ機構51の制動位置のうち、車両の停止状態を維持させるのに必要な係合力が得られる位置である。解除位置は、詳しくは後述する初期位置に対応し、初期位置は詳しくは後述する調整制御より適宜変更される。
ネジ軸69の後端69bは、外周がブレーキハウジング79の開口79aに嵌合している。その嵌合は、出力軸24の軸方向に移動可能に、かつ出力軸24を中心とする周方向に回転可能に、かつオイルシールなどにより液密状態が確保可能な嵌合になっている。パーキング用モータ80、ネジ軸69、およびトルク受け部材68などは、パーキングブレーキ機構52を構成する。
パーキングブレーキ機構52は、車両の電源がオフされた状態であっても回転プレート66aと固定プレート66bとの摩擦係合を維持するように構成されている。具体的には、パーキングブレーキ機構52は、パーキング用モータ80を、例えば正転させることによりトルク受け部材68を制動位置に向けて移動させる。
ネジ軸69は、外周にフランジ部69cを有し、フランジ部69cには、例えばスラストベアリング81が設けられている。スラストベアリング81は、フランジ部69cとそのフランジ部69cに対して車幅方向で対向するブレーキハウジング79の対向部79bとの間に配置されており、出力軸24の軸線方向に働く力(スラスト、推力)を受け止める。対向部79bには、ネジ軸69から軸線方向に沿って伝達される軸力を検出するための検出器82が取り付けられている。
検出器82は、例えば車幅方向に対峙するように配置された一対の押圧板、および歪ゲージ(いずれも図示なし)を備え、歪ゲージを一対の押圧板で挟んで構成されていてよい。一方の押圧板にはスラストベアリング81が、他方の押圧板には対向部79bがそれぞれ当接している。フランジ部69cは、ネジ軸69に軸線方向の軸力(荷重)が加わった際に外径側が内径側によりも車幅方向の右方に向けて撓む。スラストベアリング81は、フランジ部69cの撓みに伴う変形を軸力として受け止める。一対の押圧板、および歪ゲージは、本実施形態ではネジ軸69の後端69bを貫通させるための開口を有するリング状に形成されている。歪みゲージは、回転軸L1の軸線から径方向に離れた位置で、かつ軸線を中心する周を等分した位置に複数設けられていてもよい。
検出器82は、ネジ軸69に軸線方向の軸力が加わった際に生じるスラストベアリング81の軸線方向への変位量を検出し、検出した変位量の情報を制御部83に送る。制御部83は判定部83aを有し、判定部83aは変位量に基づいて軸力を判定する。なお、検出器82は、ネジ軸69の軸方向の変形を検出することに限らず、例えば押圧プレート67aのうちの車幅方向における右側の側面に設けて、押圧プレート67aの捩り方向の変形量を検出してもよい。また、検出器82としては、歪みゲージに限らず、例えば圧電素子や感圧素子を用いた検出器を使用してもよい。検出器82および制御部83は、本発明の実施形態における検出部の一例である。
制御部83は、シフトレバー86がパーキングポジションに切り替えられた場合などパーキングロックする必要がある場合に、判定部83aで判定される軸力を監視しながらパーキング用モータ80を正転させるようにモータドライバ87に通電を行う。これにより、トルク受け部材68が軸方向に沿い、かつ制動位置に向けて移動する。つまり、パーキング用モータ80は、軸方向に沿う推力を発生させるためのトルクをトルク受け部材68に付与する。これにより、摩擦プレート66に摩擦による係合力が発生する。
推力を増力させるにつれて摩擦プレート66に発生する係合力が増力される。その係合力に抗する反力は、ネジ軸69を軸方向に変形させる。その変形量がパーキングロックできる程度の変形量になると、その変形量に応じた軸力を判定部83aが判定してモータドライバ87への通電を制御部83が停止させる。これにより、パーキング用モータ80の駆動が停止する。その結果、回転プレート66aと固定プレート66bとが圧着された状態に維持される。このため、車両の電源がオフされた場合であっても、制動力を維持することができる。
また、制御部83は、パーキングブレーキが解除された際に、判定部83aで判定される軸力を監視しながらモータドライバ87に、例えばパーキング用モータ80を逆転させるように通電してトルク受け部材68を解除位置に向けて移動させる。その後、パーキングロックが解除できる程度の変形量(軸力)を判定部83aが判定した際にモータドライバ87への通電を停止する。
パーキング用モータ80は、ロータ軸80aの回転角を検出する回転角検出部84を有する。回転角検出部84は、検出した回転角の情報を制御部83に送る。制御部83は、記憶部83bを有し、パーキングロックを解除するごとに、パーキングロックが解除できる程度の軸力を得た時点の回転角の情報を初期位置として記憶部83bに記憶する。つまり、制御部83は、ロータ軸80aの回転角に基づいて送りねじ機構を構成するナット部68c、つまりトルク受け部材68の軸方向における初期位置、つまり摩擦プレート66の摩耗の度合いに基づいた係合力の解除位置を調整する。
このため、長期的に使用することで摩擦プレート66の摩擦面の隙間が変化することに起因して生じる変換機構76のガタを抑制または防止することができる。つまり、摩擦プレート66の摩擦面のクリアランスが広くなるにつれて、初期位置の調整によりトルク受け部材68が制動位置に向けて近づくように初期位置が調整される。また、サービスブレーキ機構51の作動は、摩擦プレート66の摩擦面のクリアランスに応じて調整されたトルク受け部材68の初期位置を基準として押圧プレート部材67が係合力付与機構により押圧されるので、通常ブレーキの制動力を常に同じ制動力に維持することができる。なお、送りネジ機構やパーキング用モータ80の代わりに、電動シリンダなどのアクチュエータを使用してもよい。
図3は、図2に示した第1変換機構の一例を示す断面図である。図3に示すように第1変換機構76−1は、トルク受けプレート68aと押圧プレート67aとの間に設けられている。また、変換機構76−1は、回転軸L1を中心とする周方向に所定間隔を離して複数設けられている。変換機構76−1は、押圧プレート67aに設けられた第1溝88、トルク受けプレート68aに設けられた第2溝89、および第1溝88と第2溝89との間に挿入される球体91を備える。第1溝88、および第2溝89は、断面がそれぞれ略L字状に形成されている。球体91は、実質的には剛固な金属などの材料にて形成されている。
第1溝88は、第1カム面88aおよび第1カム面88aに繋がる第2カム面88bを有する。第2溝89は、第3カム面89aおよび第3カム面89aに繋がる第4カム面89bを有する。球体91は、第1カム面88a、第2カム面88b、第3カム面89a、および第4カム面89bにそれぞれ点接触するように第1溝88および第2溝89の間に挿入されている。これら球体91、第1溝88および第2溝89は、押圧プレート67aとトルク受けプレート68aとの間に僅かな隙間76aが生じるようにサイズや内面の角度などが設定されている。
第1カム面88aおよび第4カム面89bは、周方向に向けたトルクが押圧プレート67aに発生した際に、第1カム面88aおよび第4カム面89bのうちのいずれか一方が他方に向けて近づくように傾斜した面になっている。第2カム面88bおよび第3カム面89aは、周方向に向けたトルクが押圧プレート67aに発生した際に、第2カム面88bおよび第3カム面89aのうちのいずれか一方が他方に向けて近づくように傾斜した面になっている。具体的には、第1カム面88aおよび第4カム面89bは、平行になっていてよい。第2カム面88bおよび第3カム面89aは、平行になっていてよい。第1カム面88aと第3カム面89aとは、周方向に沿う基準面に対して傾斜角が同じになっていてよい。第1カム面88a、第2カム面88b、第3カム面89aおよび第4カム面89bは、正面カムを構成する。
押圧プレート67aには、制動時に回転プレート66aから伝達されるトルクが周方向に付与される。トルク受けプレート68aは、制動時に油圧ブレーキ機構53から得られる油圧による押圧力(推力)が車幅方向の左方に向けて付与される。変換機構76は、制動時に回転プレート66aから伝達されるトルクを受けると、そのトルクを車幅方向の左方に向けた推力に変換し、かつその推力を押圧力に加えて押圧力を増力する。なお、第2変換機構76−2は、前述した第1変換機構76−1と同様または同じ構成であるためここでの詳しい説明を省略する。
図4は、係合力付与機構の別の実施形態を示す断面図である。図5に示す第1ブレーキ機構100は、電磁式の摩擦ブレーキ機構である。第1ブレーキ機構100は、アーマチュア98、およびコイル99を備えている。アーマチュア98は、磁性体により円環状に形成され、かつモータハウジング21の内部に軸方向に移動自在に設けられている。アーマチュア98には、押圧プレート98a、被押圧プレート98b、外周溝98c、および結合部98dを有する。押圧プレート98aは、第1回転プレート66a−1を押圧する。被押圧プレート98bは、トルク受け部材68のトルク受けプレート68aに対向するように配置されており、トルク受けプレート68aから押圧が伝達される。トルク受け部材68は、図2で説明したと同じまたは同様な部材である。
被押圧プレート98bとトルク受けプレート68aとの間には、図3で説明した変換機構76−1と同じ構成の第1変換機構90−1が設けられている。第1変換機構90−1は、被押圧プレート98bに伝達されるトルクをトルク受けプレート68aの押圧力(底面72dとの間で挟み込む係合力)に変換し、その押圧力を増力する。また、第2固定プレート66b−2と固定環72の底面72dとの間には、図3で説明した第2変換機構76−2と同じ構成の第2変換機構90−2が設けられている。第2変換機構90−2は、第2固定プレート66b−2に伝達されるトルクを押圧プレート98aに向けた押圧力(押圧プレート98aとの間で挟み込む係合力)に変換し、その押圧力を増力する。
外周溝98cは、固定環72に設けられた内周溝92との間に案内ピン73が嵌合している。外周溝98cは、図2で説明した外周溝93と同じ作用をする。外周溝93、内周溝92、および案内ピン73は、図2で説明したと同じに周方向に所定間隔を離して複数設けられている。内周溝92および外周溝98cにより構成される直進溝94は、案内ピン73に対して回転軸L1の軸線を中心とする周方向に僅かな遊びを有する。案内ピン73および直進溝94は、その遊びを超えた周方向へのアーマチュア98の回転を阻止し、かつ固定環72に対してアーマチュア98の軸方向への移動を許容する。アーマチュア98は、結合部98dを有する。結合部98dは、スプライン結合により第2固定プレート66b−2および第3固定プレート66b−3を軸方向に移動可能に支持する。
コイル99は、固定環72の内部に、かつアーマチュア98の外周に設けられており、通電することでアーマチュア98を吸引する。アーマチュア98の吸引方向は、押圧プレート98aが第1回転プレート66a−1を軸方向に向けて押圧する方向(車幅方向の左方)になっている。また、アーマチュア98の吸引力は、リターンスプリング74,75の付勢力よりも大きい力となっている。第1モータ13の出力軸24は、コイル99が通電することによりアーマチュア98が車幅方向の左方に移動する。これにより回転プレート66aと固定プレート66bとが摩擦係合して制動される。アーマチュア98は、押圧プレート部材67と略同じ作用をするものであり、本発明の実施形態における押圧部材の一例である。
一対のリターンスプリング74,75は、コイル99への通電が解除された際に、トルク受け部材68に向けてアーマチュア98を付勢する。トルク受け部材68は、ナット部68cを有する。ナット部68cは、ネジ軸69に設けられた雄ネジ69aに噛み合っている。トルク受け部材68は、前述したように回転止めがなされており、パーキング用モータ80の駆動により制動位置と初期位置との間で移動される。この実施形態では、図2で説明したと同じ位置に検出器82が取り付けられている。トルク受け部材68の初期位置は、パーキングロックを解除する際に、検出器82から得られる軸力に基づいて制御部83がパーキング用モータ80の回転角を制御することで調整される。なお、図4では、図2で説明したと同じ部材に同符号を付与してここでの詳しい説明を省略する。また、コイル99を固定環72のうちのアーマチュア98の外径側に配置しているが、アーマチュア98と隔壁26との間に配置してもよい。
図5は、検出器の位置を変更した他の実施形態を示す断面図である。図5に示すように検出器82は、トルク受け部材68に取り付けられている。具体的には、検出器82は、トルク受けプレート68aの回転軸L1の軸線方向に対向する両面のうちのアーマチュア98とは逆側の面68iに取り付けられている。面68iは、トルクが伝達されることで軸線を中心とする周方向に捩れるように変形する。検出器82は、その捩れに応じた変形量を検出する。判定部83aは、検出器82から得られる情報に基づいて伝達されるトルクを判定する。制御部83は、判定されたトルクに基づいてトルク受け部材68の初期位置を調整する。なお、図5では、図4で説明したと同じ部材に同符号を付与してここでの詳しい説明を省略する。
図6は、検出器の位置を変更した別の実施形態を示す断面図である。図6に示すように検出器82は、駆動用モータである第1モータ13に取り付けられている。具体的には、第1モータ13は、ステータヨーク101に取り付けられるステータティース102を有する。ステータティース102には、回転軸L1の軸線方向に両端に第1支持板103および第2支持板104が対向して配置されている。第1支持板103および第2支持板104は、ステータ22とロータ23との間の隙間(ギャップ)を組立時に調整機構(図示なし)により調整された隙間に維持するための支持板である。
ステータティース102の一端と第1支持板103との間には、第3変換機構106が、また、ステータティース102の他端と第2支持板104との間に第4変換機構107が設けられている。第3変換機構106および第4変換機構107は、図3に示した変換機構76と同様または同じ構成になっている。つまり、ステータティース102には、ロータ23のトルクに対する反力が発生する。第3変換機構106および第4変換機構107は、ステータティース102に生じる反力を回転軸L1の軸線方向の推力に変換する。第2支持板104は、断面にて第1支持板103より径方向の長さが長いフランジ部104a、およびフランジ部104aの内径側にモータハウジング21の隔壁部21aに向けて突出して設けられた筒部104bを有する。筒部104bの先端は、モータハウジング21の隔壁部21aに固定されている。検出器82は、フランジ部104aに取り付けられており、第2支持板104が筒部104bに対してフランジ部104aが軸線方向に撓む変形量を軸線方向に沿う軸力として検出する。第1支持板103および第2支持板104は、回転軸L1の軸線を中心とする周方向への回転が止められ、かつ軸線方向への変形(移動)が可能であるため、図2で説明したトルク受け部材68と同様な作用をする。
なお、図6に示した実施形態は、第3変換機構106および第4変換機構107に加えて図4で説明した第1変換機構90−1および第2変換機構90−2を設けているが、本発明ではこれに限らず、第1変換機構90−1および第2変換機構90−2を省略し、第3変換機構106および第4変換機構107のみを設けた構成であってよい。図6では、図4で説明したと同じ部材には同符号を付与してここでの詳しい説明を省略する。
以上、本発明は、上述した実施形態で示した構成に限定されないのであって、特許を請求している範囲で適宜に変更して実施することができる。例えば本発明は、回転プレートを一対の固定部材で挟み込むキャリパ式プレーキ装置に使用してもよい。また、回転プレート66aは、第1モータ13から伝達されるトルクにより回転する構成として説明しているが、代わりにエンジンから伝達されるトルクにより回転する構成としてもよい。さらに、トルク受け部材68の初期位置は、パーキングロック解除の際に限らず、例えば車両の停止時にパーキングロックおよびその解除を迅速に行ってその解除に調整してもよい。
また、上記各実施形態では、検出器82から得られる情報に基づいてパーキングロックを解除する際のトルク受け部材68の初期位置を調整しているが、本発明ではこれに限らず、例えばサービスブレーキ機構51のブレーキトルクを検出する検出器として検出器82を使用してもよい。上記各実施形態では、摩擦プレートに生じるトルク、またはそのトルクを変換した軸力を検出する検出器としているが、本発明ではこれに限らず、例えば回生ブレーキ機構に生じるトルク、またはそのトルクを変換した軸力を検出する検出器を含んでもよい。
次に、上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(付記1)
駆動力源から伝達されるトルクにより回転する回転部材と、前記回転部材に対向して配置された固定部材と、前記回転部材の回転軸の軸線方向に押圧されることにより前記回転部材および前記固定部材との間に係合力を発生させる押圧部材と、前記係合力に抗する弾性力を前記押圧部材に付与する弾性部材とを備えたブレーキ装置において、
少なくとも前記回転部材の回転方向に沿った遊びを前記固定部材に持たせることで前記回転部材から伝達されるトルクを前記固定部材に伝達するトルク伝達部材と、
前記軸線を中心とする周方向への回転が阻止されており、前記トルク伝達部材から伝達されるトルクを受けるトルク受け部材と、
前記トルク受け部材に伝達されるトルクを前記軸線方向の推力に変換し、変換された前記推力を前記係合力に付与する変換機構と、
前記係合力に伴って生じる反力を検出することで前記回転部材から伝達されるトルク、またはそのトルクが変換された前記軸線方向の軸力を判定する検出部とを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
(付記2)
付記1に記載のブレーキ装置において、
回転運動を直線運動に変換された推力を前記トルク受け部材に発生させて、前記トルク受け部材を前記軸線方向に移動させるとともに、前記検出部から得られる前記トルクまたは前記軸力に基づいて前記トルク受け部材の前記軸線方向における位置を調整するアクチュエータを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
(付記3)
付記1または付記2に記載のブレーキ装置において、
前記変換機構は、前記押圧部材と前記トルク受け部材との間に設けられていることを特徴とするブレーキ装置。
(付記4)
付記1ないし付記3のいずれか一項に記載のブレーキ装置において、
前記変換機構は、前記固定部材と所定の固定環との間に設けられていることを特徴とするブレーキ装置。
(付記5)
付記1ないし付記4のいずれか一項に記載のブレーキ装置において、
前記固定環の内径側に配置されかつ前記固定部材を支持する可動環を備え、
前記トルク伝達部材は、所定の固定環の内周部および前記可動環の外周部の間で前記軸線方向に直進的に延ばして設けられた直進溝と、前記直進溝に挿入される転動体とを備え、前記直進溝は、前記転動体に対して前記軸線を中心とする周方向に遊びを有し、前記固定環に対して前記可動環を前記軸線方向に移動可能にかつ前記遊びを超えた前記可動環の前記周方向への回転を阻止することを特徴とするブレーキ装置。
(付記6)
付記5に記載のブレーキ装置において、
前記弾性部材は、前記直進溝の内部でかつ前記転動体の両側にそれぞれ設けられていることを特徴とするブレーキ装置。
10…駆動装置、 11…第1駆動輪、 12…第2駆動輪、 13…第1モータ、 14…第2モータ、 15…第1動力伝達機構、 16…第2動力伝達機構、 17…差動機構、 18,100…第1ブレーキ機構、 19…第2ブレーキ機構、 51…サービスブレーキ機構、 52…パーキングブレーキ機構、 66…摩擦プレート、 67…押圧プレート部材、 68…トルク受け部材、 69…ネジ軸、 71…可動環、 72…固定環、 73… 案内ピン、 74,75…リターンスプリング、 76,90…変換機構、 80…パーキング用モータ、 83…制御部、 94…直進溝、 103…第1支持板、 104…第2支持板、 106…第1変換機構、 107…第2変換機構。

Claims (1)

  1. 駆動力源から伝達されるトルクにより回転する回転部材と、
    前記回転部材に対向して配置された固定部材と、
    前記回転部材の回転軸の軸線方向に移動されることにより前記回転部材および前記固定部材の間に係合力を発生させる押圧部材と、
    前記係合力に抗する弾性力を前記押圧部材に付与する弾性部材とを備えたブレーキ装置において、
    少なくとも前記回転部材の回転方向に沿った遊びを前記固定部材に持たせて前記回転部材から伝達されるトルクを前記固定部材に伝達するトルク伝達部材と、
    前記トルク伝達部材から伝達されるトルクを前記軸線方向の推力に変換し、変換された前記推力を前記係合力に付与する変換機構と、
    前記係合力に伴って生じる反力を検出することで前記回転部材から伝達されるトルク、またはそのトルクが変換された前記軸線方向の軸力を判定する検出部を備えている
    ことを特徴とするブレーキ装置。
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