JP2019100940A - 未分化細胞を高感度に検出および回収する方法 - Google Patents

未分化細胞を高感度に検出および回収する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 試料中に含まれる未分化細胞を、単一状態かつ形状情報を含めた形で高感度に検出および回収する方法を提供すること。【解決手段】 細胞を保持可能な106以上の保持部を有する基板に未分化細胞を含む試料及び前記未分化細胞が有するタンパク質を認識する標識タンパク質を導入し、当該標識タンパク質と試料中に含まれる未分化細胞との複合体を形成させた後、前記複合体中の標識に基づき、未分化細胞を検出することを特徴とする検出方法を提供する。【選択図】 図5

Description

本発明は、試料中に含まれる未分化細胞を高感度に検出し、回収する方法に関する。
再生医療分野において、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの幹細胞から分化させることで組織を得ようとする場合、未分化の幹細胞はガン化のおそれがあるため、組織の基となる分化細胞を当該未分化の幹細胞を極力含まない状態で得る必要がある。
未分化細胞と分化細胞とを区別する方法として、蛍光顕微鏡を用いた方法(例えば、特許文献1参照)やフローサイトメーターを用いた方法(例えば、特許文献2参照)が従来より知られている。しかしながら、蛍光顕微鏡を用いた方法は凝集した細胞に対する検出感度が悪く、フローサイトメーターを用いた方法は単一に細胞を検出できるが、検出感度が1/10であり、感度が低いという問題があった(例えば、非特許文献1参照)。
また、誘電泳動を用いて細胞を基板の微細孔部に落とし、整列させた場合、単一細胞として検出することができる(例えば、非特許文献2参照)。しかし、基板が有する微細孔数が約30万個であり、検出細胞数に制限があり、高感度に検出することが困難であった。
国際公開2010/101225号 国際公開2006/126574号
Kuroda et al.,PLoSONE.2012 Morimoto et al.,PLoSONE.2015
本発明の課題は、試料中に含まれる未分化細胞を、単一状態かつ形状情報を含めた形で高感度に検出および回収する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一の態様は、細胞を保持可能な10以上の保持部を有する基板に未分化細胞を含む試料及び前記未分化細胞が有するタンパク質を認識する標識タンパク質を導入し、当該標識タンパク質と試料中に含まれる未分化細胞との複合体を形成させた後、前記複合体中の標識に基づき、未分化細胞を検出することを特徴とする検出方法である。
次に、本発明の第二の態様は、前記基板にある微細孔が三角格子状に配置されていることを特徴とする。
さらに、本発明の第三の態様は、未分化細胞を含む試料と前記未分化細胞が有するタンパク質を認識する標識タンパク質とを混合させ、前記複合体を形成させてから前記基板に導入することを特徴とする。
さらに、本発明の第四の態様は、前記基板への保持の際に誘電泳動力を利用することを特徴とする。
さらに、本発明の第五の態様は、前記標識タンパク質が、前記未分化細胞が有するタンパク質に対する標識抗体または標識レクチンであることを特徴とする。
さらに、本発明の第六の態様は、上述のいずれかの方法で検出された未分化細胞をノズルによる吸引吐出により回収することを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において未分化細胞とは、分化細胞の一段階前の細胞のことをいい、一例として、ES細胞やiPS細胞、間葉系幹細胞などの幹細胞があげられる。iPS細胞などの幹細胞のサイズは約10μmから20μmである。
本発明において未分化細胞が有するタンパク質は、未分化細胞の表面もしくは細胞内で発現し、かつ分化細胞では発現しないタンパク質または糖タンパク質のことをいい、対象となる未分化細胞/分化細胞に応じ適宜選択すればよい。例として、未分化細胞がヒトES細胞やヒトiPS細胞などの幹細胞である場合の、未分化細胞が有するタンパク質の好ましい一態様として、抗SSEA4抗体が認識する糖タンパクがあげられる。
本発明の方法で用いる、未分化細胞が有するタンパク質を認識するタンパク質は未分化細胞が有するタンパク質を認識する機能を有している限り、その態様に限定はなく、一例として未分化細胞が有するタンパク質に対する抗体や未分化細胞が有するタンパク質を認識するレクチンがあげられる。具体的には、未分化細胞が有するタンパク質に対する抗体である、抗Nanog抗体、抗Oct4抗体、抗TRA−1 60抗体、抗TRA−1 80抗体、抗SSEA3抗体、抗SSEA4抗体や、未分化細胞が有するタンパク質を認識するレクチンである、BC2LCNなどがあげられる。
本発明の一態様は、細胞を保持可能な保持部である微細孔が三角格子状に10以上配置された基板と前記保持部に保持された細胞の中から目的とする細胞を検出する手段とを備えた装置を用いる。
本発明の検出方法としては、汎用性の点からタンパク質を認識する標識タンパク質(例えば、未分化細胞が有するタンパク質に対する標識抗体や標識レクチン)を用いる方法が一般的である。前記標識タンパク質中の標識物質は、抗原抗体反応を利用した測定の分野で通常用いられる物質の中から適宜選択すればよく、一例として、フルオレセイン等の蛍光物質や、アルカリホスファターゼ等の酵素、放射性物質があげられる。前記標識タンパク質におけるタンパク質と標識物質との結合態様に限定はなく、前記タンパク質が標識物質と化学結合などにより直接結合された態様であってもよく、前記タンパク質が、標識物質が結合された前記タンパク質に対する抗体(前記タンパク質が抗体の場合は標識二次抗体に相当)によって間接的に結合された態様であってもよい。なお、前記標識タンパク質を添加するタイミングも特に限定はなく、未分化細胞を含む試料を基板に導入する前に添加してもよいし、未分化細胞を基板に設けた保持部に保持させた後に添加してもよい。
本発明で用いる、基板に設けた保持部の形状に特に限定はなく、界面張力などで細胞を含む液体を維持できれば平面の保持部であってもよいが、側壁を設けた保持部とすると細胞を含む液体を基板内に安定に保持できる点で好ましい。
本発明で用いる、細胞を保持可能な保持部である微細孔の配置は、三角格子状とすることが好ましい。三角格子状に変更することによって、単位面積当たりの微細孔数を増やせ、より多くの細胞を解析することが可能となり、1/10オーダーまで検出感度を高めることができる。
本発明において、保持部の開口部のサイズは10μmから30μmが好ましく、保持部の深さは10μmから40μmが好ましい。
また、未分化細胞を含む液体を基板に導入し、当該細胞を保持部に保持させる方法にも特に限定はなく、単に保持部に細胞を含む液体を導入するだけでもよいし、未分化細胞を含む液体を導入した後、遠心力を利用して保持部へ強制的に当該細胞を導入させてもよい。中でも未分化細胞を含む液体を導入した後、誘電泳動力を利用して保持部へ細胞を導入させると、未分化細胞を保持部へ効率的に保持できる点で好ましい。
前述した未分化細胞を検出するための装置にノズルによる吸引吐出により当該未分化細胞を回収する回収手段をさらに備えることで、試料中に含まれる未分化細胞を回収することができる。
本発明は、試料中に含まれる未分化細胞を、単一状態かつ形状情報を含めた形で検出することができる。また、ノズルによる吸引吐出により保持部に保持された未分化細胞を回収することができる。
本発明の方法を実施可能な装置を構成し、従来使用していた基板の一例を示した図(分解図)である。 図1に示す基板の正面図である。 図1に示す基板を備えた装置を用いた、未分化細胞の検出および回収方法の一例を示した図である。 図1に示す基板を備えた装置を用いた、未分化細胞の検出および回収方法の別の例を示した図である。 従来使用していた微細孔が格子状に配置された基板と本発明で使用した微細孔が三角格子状に配置された基板の図である。
以下、図面を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の方法を実施可能な装置を構成する基板の一例を図1、その正面図を図2に示す。
図1に示す基板100は、
貫通孔11aを有した平板状の遮光部材11と、貫通孔12aを有した平板状の絶縁体12と、導入口13a、排出口13bおよび貫通部13cを有した平板状のスペーサ13とからなる細胞導入保持手段10と、
細胞導入保持手段10を上下方向に密着して挟むよう設けた電極21・22と、
電極21・22同士を接続する導線30と、
電極21・22に信号を印加する信号発生器40と、
を備えている。遮光部材11が有する貫通孔11aと絶縁体12が有する貫通孔12aとは互いに同一の寸法および形状であり、かつそれぞれの貫通孔の位置が一致するよう遮光部材11および絶縁体12を設けている。貫通孔11a、貫通孔12aおよび遮光部材11の下部に密着して設けた電極基板21により保持部50が構成され、導入口13aから細胞を含む液体を導入すると、貫通部13cを通じて保持部50へ細胞200が導入される。電極22はスペーサ13上部に密着して設けており、導入口13aから導入した、細胞200を含む液体の飛散や蒸発を防止している。なお、保持部50に保持した細胞200の回収を容易にするため、電極22はスペーサ13から取り外し可能な構造となっている。
次に、図1に示す基板を備えた装置を用いた、未分化細胞の検出および回収方法の一例について図3を用いて説明する。なお、本発明では、図5で示す通り、微細孔が三角格子状に配置された基板を使用した。
(1−1)未分化細胞を標識する工程(図示せず)
未分化細胞が有するタンパク質を認識する標識タンパク質を含む溶液を試料に添加することで、試料中に含まれる未分化細胞と前記標識タンパク質との複合体を形成させる。
(1−2)保持部へ細胞を導入する工程
図1に示す基板100に設けた導入口13aから、分化細胞220(試料中に含まれている場合)および標識タンパク質300と結合した未分化細胞210を含む試料を導入し、誘電泳動力60を利用してこれら細胞を保持部50へ導入させる。具体的には、信号発生器40から電極21・22へ交流電圧を印加することで誘電泳動力60を発生させ、保持部50へ未分化細胞210および分化細胞220を導入する。図1に示す基板100に導入する細胞を含む液体は、誘電泳動力で細胞が移動できるよう懸濁された液であればよく、例えば、マンニトール、グルコース、スクロース等の糖類を含んだ水溶液や、当該水溶液に塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の電解質、および/またはBSA(ウシ血清アルブミン)等のタンパク質をさらに含んだ水溶液に、細胞を含んだ試料を懸濁させた液体があげられる。特に細胞を含む液体として、マンニトールを含む水溶液に細胞を含んだ試料を懸濁させた液体を用いると、細胞へのダメージが少なくなる点で好ましい。添加するマンニトールの濃度は等張液となる濃度とすればよく、具体的には250mMから350mMの間とするとよい。
信号発生器40から電極21・22へ印加する交流電圧は、保持部50に保持された細胞の充放電が周期的に繰り返される波形を有した交流電圧とすると好ましく、周波数を100kHzから3MHzまでの間とし、電界強度を1×10から5×10V/mまでの間とすると特に好ましい。
(1−3)未分化細胞210を検出する工程
導入口13aから洗浄液を導入して残存試料を排出した後、基板を移動させる手段(図示せず)で基板をXY軸方向に移動させながら、検出部400および計測部により、未分化細胞210に結合した標識タンパク質由来の蛍光または発光および位置情報を取得し、未分化細胞210の位置を検出する。
(1−4)未分化細胞210を回収する工程
検出部400および計測部により検出した未分化細胞210を回収するために、電極22をスペーサ13から取り外した後、ノズル500で吸引することで、基板100から未分化細胞210を回収する。電極22を取り外す際は、スペーサ13を剥がさないよう取り外す必要がある。もしスペーサ13が絶縁体12から剥がれると、装置内に保持されている溶液が系外に流れてしまい、未分化細胞210が破壊されるからである。
未分化細胞210の吸引は、基板を移動させる手段およびノズルを移動させる手段(ともに図示せず)を用いて前記(1−3)の工程で検出した未分化細胞210が保持されている保持部へノズル500の中心を移動させ、ノズル500により液を吸引することで未分化細胞210を回収する。なお、ノズル500による未分化細胞210の吸引位置を、未分化細胞210を保持した保持部50の中心から水平方向に一定距離ずらした位置とすると、未分化細胞210の吸引を容易に行なえるため好ましい。具体的には未分化細胞210の吸引位置を、保持部50の中心から水平方向に保持部50の直径の0.1倍から2倍の長さ分(ただし隣接する保持部50間の距離の2分の1以下)ずらし、かつ保持部50の高さから垂直方向に保持部50の高さの0.01倍から2倍の高さ分高い位置とすると好ましい。
図1に示す基板を備えた装置を用いた、未分化細胞の検出および回収方法の別の例を図4を用いて説明する。
(2−1)保持部へ細胞を導入する工程
図1に示す基板100に設けた導入口13aから未分化細胞210および分化細胞220(試料中に含まれている場合)を含む試料を導入し、誘電泳動力60を利用してこれら細胞を保持部50へ導入させる。導入方法および条件は前記(1−2)と同様な方法および条件で行なえばよい。
(2−2)標識タンパク質300を導入する工程
導入口13aから洗浄液を導入して残存試料を排出した後、導入口13aから標識タンパク質300を含む試薬を導入して、未分化細胞210と標識タンパク質300との複合体を形成させる。標識タンパク質は前記(1−1)と同様のタンパク質を用いればよい。
(2−3)未分化細胞210を検出する工程
前記(1−3)と同様の方法で行う。
(2−4)未分化細胞210を回収する工程
前記(1−4)と同様の方法で行う。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下に示す方法により、モデル細胞として2種の蛍光微粒子を用いて検出感度を検討した。
(1)緑色蛍光微粒子1億7,000万個と赤色蛍光微粒子1,005個を超純水で懸濁混合した。
(2)細胞保持部を有する前記基板100に前記微粒子1,700万個相当を含んだ懸濁液を導入した。前記基板は、微細孔が直径15μm、微細孔中心間距離が25μmであり、三角格子状に配置されている基板である。
(3)周波数1KHzの交流電圧を電極21・22に10分間印加することで誘電泳動力を用いて微粒子を基板100が有する保持部50に保持させた。
(4)保持部50に保持された蛍光微粒子の有する蛍光を、蛍光顕微鏡(IX83、オリンパス社製)を用いてCMOSカメラで撮影することで観察し、赤色蛍光粒子の検出感度を算出した。
(5)緑色蛍光粒子と赤色蛍光粒子の検出粒子数および、検出粒子数から下記式で算出した検出率[×10-6]を表1に示す。
Figure 2019100940
検出率[×10-6]=赤色蛍光粒子数÷(赤色蛍光粒子数+緑色蛍光粒子数)
導入粒子数から計算された検出率の理論値5.91[×10-6]に対し、実際の検出率の平均が6.98[×10-6]と遜色のない結果となったことから、本装置を用いて1/10オーダーの感度で検出できた。
(実施例2)
蛍光粒子を用いて1/10オーダーの検出感度を確認したことから、ヒトiPS細胞を用いて、1/10および1/10オーダーの検出感度を以下の方法を用いて検討した。
(1)以下に、示す方法でヒトiPS細胞を調製した。
(1−1)ヒトiPS細胞201B7株(iPSアカデミアジャパンより購入)をiMatrix(タカラバイオ社製)でコートしたシャーレに播種し、StemFitAK02N培地(タカラバイオ社製)を用いて5%CO雰囲気下、37℃で培養した。
(1−2)7日間培養したiPS細胞をPBS(りん酸緩衝生理食塩水)で洗浄後、終濃度10μM CellTracker Orange(Thermo Fisher社製)を含むRPMI培地で5%CO雰囲気下、37℃で30分間培養した。
(1−3)30分後、培地をStemFitAK02N培地に変更後、PBSで洗浄した。次に、TrypLE select(Thermo Fisher社製)とVersene Solution(Thermo Fisher社製)との混合液で前記細胞を剥離した。
(1−4)剥離した細胞を回収し、PBSで洗浄した後、4%(w/v)パラホルムアルデヒド溶液に室温で40分間浸することで、前記細胞を固定した。固定後、PBSで洗浄し、保存した。
(2)以下に示す方法により、MRC−5細胞を調製した。
(2−1)ヒト胎児肺由来繊維芽細胞MRC−5株(医薬基盤・健康・栄養研究所JCRB細胞バンクより購入)を10% ウシ胎仔血清(FBS)を含むDMEM(Thermo Fisher社製)を用いて5%CO雰囲気下、37℃で培養した。
(2−2)7日間培養したMRC−5細胞をPBSで洗浄後、0.05% Trypsin EDTA(Thermo Fisher社製)を用いて前記細胞を剥離した。
(2−3)剥離した細胞を回収し、PBSで洗浄した後、4%(w/v)パラホルムアルデヒド溶液に室温で40分間浸することで、前記細胞を固定した。固定後、PBSで洗浄し、保存した。
(3)以下に示す方法を用いて、誘電泳動用溶液を作製した。
(3−1)一方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基である、分子量5000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)と、ウシ血清アルブミン(BSA)(300mg、0.3mmol)とを、炭酸水素ナトリウム緩衝液(0.1M、15mL)に溶解後、当該溶液を室温で3時間撹拌することでポリエチレングリコールを結合したBSA(PEG−BSA)を調製した。なお、調製する際、mPEG−NHSとBSAとのモル比(mPEG−NHS/BSA)を2となるようにした。調製後、分画分子量10000の透析膜を用いて、純水への溶液置換を3日間行なった。(3−1)で調製したPEG−BSA(BSAとして1%(w/v))および300mMマンニトールを含む溶液を作製し、これを誘電泳動用溶液とした。
(4)下記に示す方法を用いて、細胞サンプルを調整した。
(4−1)保存したiPS細胞およびMRC−5細胞を終濃度2μg/mL DAPI(同仁化学研究所製)を含む誘電泳動用溶液で懸濁し、30分間室温で反応させ、細胞核を染色した。
(4−2)30分後、誘電泳動用溶液で2回洗浄した。
(4−3)DAPI染色を行ったiPS細胞数、MRC−5細胞数をカウントし、MRC−5細胞100万個に対し、1または10個のiPS細胞をスパイクし、全量を850μLに調製し、これをサンプルとした。
(5)前記サンプルを実施例1で用いた基板に導入し、周波数1MHzの交流電圧を電極21・22に10分間印加することで誘電泳動力を用いて細胞を基板100が有する保持部50に保持させた。
(6)保持部50に保持された細胞が有する蛍光を、蛍光顕微鏡(IX83、オリンパス社製)を用いてCMOSカメラで撮影することで観察し、DAPI陽性で認識される細胞数を全細胞数、DAPI陽性かつCellTracker Orange陽性の細胞数をiPS細胞数と判断し、検出感度を算出した。
(7)全細胞数とiPS細胞数および、検出数から下記式で算出した検出率[×10-6]を表2、3に示す。
Figure 2019100940
Figure 2019100940
検出率[×10-6]=iPS細胞数÷全細胞数
導入細胞数から計算された検出率の理論値1[×10-6]、10[×10-6]に対し、実際の検出率の平均が1.58[×10-6]、11.1[×10-6]と遜色のない結果となったことから、本装置を用いて1/10オーダーの感度で試料中に含まれるiPS細胞を検出できた。
100:基板
10:細胞導入保持手段
11:遮光部材
12:絶縁体
11a、12a:貫通孔
13:スペーサ
13a:導入口
13b:排出口
13c:貫通部
21・22:電極基板
30:導線
40:信号発生器
50:保持部
60:誘電泳動力
200:細胞
210:未分化細胞
220:分化細胞
300:標識タンパク質
400:検出部
500:ノズル

Claims (6)

  1. 細胞を保持可能な10以上の保持部を有する基板に未分化細胞を含む試料及び前記未分化細胞が有するタンパク質を認識する標識タンパク質を導入し、当該標識タンパク質と試料中に含まれる未分化細胞との複合体を形成させた後、前記複合体中の標識に基づき、未分化細胞を検出することを特徴とする検出方法。
  2. 前記基板の保持部が三角格子状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
  3. 未分化細胞を含む試料と前記未分化細胞が有するタンパク質を認識する標識タンパク質とを混合させ、前記複合体を形成させてから前記基板に導入することを特徴とする請求項1又は2に記載の検出方法。
  4. 前記基板への保持の際に誘電泳動力を利用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の検出方法。
  5. 前記標識タンパク質が、前記未分化細胞が有するタンパク質に対する標識抗体または標識レクチンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の検出方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法で検出された未分化細胞をノズルによる吸引吐出により回収することを特徴とする回収方法。
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