以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る風呂装置の構成を示す概略図である。
図1を参照して、本実施の形態1に係る風呂装置300は、熱源機100を備える。風呂装置用浴槽(以下、単に「浴槽」と称す)20は、浴室200に設置され、かつ人40(入浴者)が入浴するための浴槽である。本実施の形態の熱源機100は、浴槽20に湯水21を供給可能なものである。
熱源機100は、筐体1、バーナ2(燃焼部)、ファン3、熱交換器4、給水配管5、給湯配管6、混合弁7、循環路8、温度センサ9、ポンプ10、水位センサ11、コントローラ12、二方弁13、電気配線14、スイッチ15、リモコン30,50、および人検知センサ33を備える。
筐体1は、筐体1内外に連通するように設けられ、燃焼ガスを排気するための排気口1aを有している。筐体1は、バーナ2、ファン3、熱交換器4、給水配管5、給湯配管6、混合弁7、温度センサ9、ポンプ10、水位センサ11、コントローラ12および、二方弁13を収容可能に構成されている。また、筐体1は、循環路8の一部を収容可能に構成されている。
バーナ2は、図示しない燃料供給系から燃料ガスの供給を受けて燃焼動作するように構成される。バーナ2は、燃焼ガスを熱交換器4に供給する。バーナ2は、給湯用のバーナ2aと、追焚用のバーナ2bとを有する。
熱交換器4は、給湯用の熱交換器4aと、追焚用の熱交換器4bとを有する。熱交換器4a,4bは、それぞれ、熱源機100の高さ方向においてバーナ2a,2bよりも上方に配置されている。熱交換器4a,4bは、排気口1aの近傍に配置されている。
熱交換器4aは、バーナ2aによって供給された燃焼ガスの熱を回収する。熱交換器4bは、バーナ2bによって供給された燃焼ガスの熱を回収する。熱交換器4a,4bの各々は、バーナ2の燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により入水を熱交換によって加熱する、一次熱交換器と、バーナ2からの燃焼排ガスの潜熱によって通流された水を熱交換によって加熱する、二次熱交換器とを含んでいてもよい。
熱交換器4aの一方端に給水配管5が接続されており、他方端に給湯配管6が接続されている。給水配管5は、入水口5aから熱交換器4aに水道水等を給水する。給湯配管6は、熱交換器4aから出湯口6aに熱交換器4で加熱された湯水を給湯する。これにより、給水配管5から給水された水道水等は、熱交換器4aによって所定温度(たとえば、ユーザによる設定温度)まで加熱されて給湯配管6から出湯される。給湯配管6に出湯された湯は、台所や浴室200等の給湯栓(図示せず)または戻り配管8aなどの所定の給湯箇所に給湯される。なお、給水配管5と給湯配管6とは混合弁7に接続されている。
ファン3は、バーナ2に燃焼用の空気を供給する。ファン3は、バーナ2aに燃焼用の空気を供給するファン3aと、バーナ2bに燃焼用の空気を供給するファン3bとを有する。ファン3a,3bの各々は、羽根と、羽根を回転させるためのモータとを有する。モータに電流が印加されることにより羽根が回転して燃焼用の空気を供給するように構成されている。ファン3a,3bは、それぞれ、熱源機100の高さ方向においてバーナ2a,2bの下方に配置されている。
循環路8は、浴槽20に接続された状態で浴槽20の湯水21を循環するためのものであり、戻り配管8aおよび往き配管8bを有する。戻り配管8aは熱交換器4bの入力側と接続されており、往き配管8bは熱交換器4bの出力側と接続されている。
戻り配管8aは、浴槽20から熱交換器4bに湯水21を供給する。往き配管8bは、熱交換器4bから浴槽20に、熱交換器4bで暖められた湯水21を供給する。これにより、浴槽20から熱交換器4bに供給された湯水21は、熱交換器4bを通流する際に燃焼ガスによって加熱されて再び浴槽20に供給される。
戻り配管8aには、温度センサ9、ポンプ10および水位センサ11が接続されている。戻り配管8aと給湯配管6とは二方弁13に接続されている。二方弁13は、給湯配管6から湯水を戻り配管8aに供給するように構成されている。二方弁13を開くことにより、給湯配管6から戻り配管8aを経由して、所定温度に加熱された湯が浴槽20に導入される。
温度センサ9は、循環路8内の湯水21の温度を検知することによって、浴槽20内の湯水21の温度(以下、「浴槽湯温」とも称す)を検知する。温度センサ9は、たとえばサーミスタである。
ポンプ10は、浴槽20および循環路8に湯水を循環させる。ポンプ10が作動すると、浴槽20からの湯水21は、戻り配管8a、熱交換器4bおよび往き配管8bを経由して、浴槽20へ至る経路を循環する。これにより、浴槽20と熱交換器4bとの間に湯水21を循環ざせる「追焚循環回路」が形成される。
水位センサ11は、循環路8を循環する湯水21の水圧に基づいて、浴槽20の湯水21の水位を検知する。水位センサ11は、たとえば圧力センサである。本実施の形態では、水位センサ11は、人40が入浴したことを検知するための入浴センサを兼ね備えている。
コントローラ12は、リモコン30,50からのユーザ等の入力設定操作に基づき、風呂装置300がユーザ指示に従って運転されるように、熱源機100の動作を制御する。たとえば、コントローラ12は、マイクロコンピュータおよびメモリを含んで構成することができる。
コントローラ12は、バーナ2a,2b、ファン3a,3b、温度センサ9、ポンプ10、水位センサ11、二方弁13、電気配線14およびスイッチ15と電気的に接続されている。電気配線14は、図示しない電源に接続されることにより、コントローラ12に電力を供給するように構成されている。コントローラ12は、浴室リモコン30および台所リモコン50と通信可能に接続されている。なお、これらの機器間の通信は、公知のいかなる規格に従ったものであってもよく、また、有線であっても無線であってもよい。
スイッチ15は、水位センサ11を駆動させる。人検知センサ33が人40が浴室200に入室したことを検知した場合にスイッチ15が導通(オン)状態にされ、人検知センサ33が人40が浴室200から退室したことを検知した場合にスイッチ15が遮断(オフ)状態にされるように構成されている。水位センサ11は、スイッチ15がオン状態のときに駆動されて浴槽20の湯水21の水位を検知し、検知した水位を示す信号をコントローラ12に出力する。
リモコン30は、浴室200の壁面に設置されており、熱源機100を操作するためのものである。以下では、リモコン30を「浴室リモコン30」とも称する。浴室リモコン30は「第1の操作部」の一実施例に対応する。浴室リモコン30は、情報を表示するための表示部31と、ユーザ等の入力設定操作を受け付けるための操作部32とを含む。表示部31は、代表的には、液晶パネルによって構成されており、浴槽20の湯水21の水位および温度を表示可能に構成されている。操作部32は、代表的には、プッシュボタンやタッチボタンによって構成されており、浴槽20の湯水21の水位および温度に関する設定操作を受け付け可能に構成されている。設定操作には、入浴中の人40からの追焚運転の要求が含まれる。
リモコン50は、浴室200の外部に設置されており、熱源機100を操作するためのものである。リモコン50は、代表的には台所の壁面に設置されている。以下では、リモコン50を「台所リモコン50」とも称する。台所リモコン50は「第2の操作部」の一実施例に対応する。
台所リモコン50は、情報を表示するための表示部51と、ユーザ等の入力設定操作を受け付けるための操作部52とを含む。表示部51は、代表的には、液晶パネルによって構成されており、設定給湯温度および浴槽20の湯水21の温度などを表示可能に構成されている。操作部52は、代表的には、プッシュボタンやタッチボタンによって構成されており、熱源機100の運転に関する設定操作を受け付け可能に構成されている。設定操作には、浴室200の外部にいるユーザからの浴槽20の湯水を沸かし直すための沸かし直し運転の要求が含まれる。
人検知センサ33は、たとえば、浴室リモコン30のケースに設けられている。人検知センサ33は、浴室200内の人40の存在の有無を検知するように構成されている。人検知センサ33は、たとえば焦電型赤外線センサである。焦電型赤外線センサは、物体の動作等によって視野内に熱エネルギーの変化が生じたときに検知信号を発生する。このため、浴室200内で人が動くと、これに応じて検知信号が発生される。人検知センサ33は、浴室リモコン30のケースに内蔵されて、ケースに設けられた開口部から浴室200内を視野内に収めるように配置される。人検知センサ33は、焦電型赤外線センサに限定されず、たとえば、電波センサおよび超音波センサであってもよい。
また、人検知センサ33は、たとえば、浴室200の天井に設置された浴室暖房機(図示せず)のケースに設けられてもよい。あるいは、人検知センサ33は、たとえば、浴室200の照明のスイッチのように、入室時に人40が操作するスイッチであってもよい。
図2は、図1に示すコントローラ12の構成を説明するための機能ブロック図である。
図2を参照して、コントローラ12は、在室判定部120、水位判定部122、温度判定部124および、制御部126を備える。
在室判定部120は、人検知センサ33から送信される検知信号に基づいて、浴室200に人40が入室したか、あるいは浴室200から人40が退室したかを判定する。在室判定部120は、また、人検知センサ33から送信される検知信号に基づいて、浴室200内に人40が在室しているか、あるいは不在であるがを判定する。たとえば、人検知センサ33が焦電型赤外線センサである場合には、在室判定部120は、周囲の温度状況から熱エネルギーの変化があったときに浴室200に人40が入室したものと判定する。また、在室判定部120は、所定時間継続して熱エネルギーの変化がない場合に浴室200から人40が退室したものと判定する。
水位判定部122は、水位センサ11から送信される検知信号に基づいて、人40が浴槽20に入ったか(入浴したか)、あるいは、人40が浴槽20から出たか(退浴したか)を判定する。水位判定部122は、浴槽20に対する注水等が無いにもかかわらず、水位センサ11が浴槽20の水位の上昇を検知した場合、人40が浴槽20に入った(すなわち、人40が入浴した)と判定する。また、人40が入浴したと判定した後に、水位センサ11が浴槽20の水位の低下を検知した場合、人40が浴槽20から出た(すなわち、人40が退浴した)と判定する。
温度判定部124は、温度センサ9により検知される戻り配管8aを流れる湯水21の温度に基づいて、浴槽20の湯水21の温度(浴槽湯温)を判定する。
制御部126は、在室判定部120、水位判定部122および温度判定部124における判定結果に基づいて、二方弁13、バーナ2a,2b、ファン3a,3bおよびポンプ10の動作を制御する。具体的には、制御部126は、水位判定部122で判定される浴槽20の水位が設定水位になるように二方弁13を動作させて給湯配管6から湯水21を浴槽20に供給する。
また、制御部126は、在室判定部120で浴室200への人40の入室が判定されたことに基づいて、温度判定部124で判定される浴槽湯温が設定温度になるようにバーナ2a、ファン3aおよびポンプ10を動作させて湯水21を加熱する。
また、制御部126は、在室判定部120で人40の浴室200からの退室が判定されたことに基づいて、バーナ2a、ファン3aおよびポンプ10を停止させる。
次に、図1に示した風呂装置300の動作について説明する。
まず、通常の給湯運転について説明する。給湯運転は、図示しない給湯栓が開かれることにより、最低作動流量以上の通水流量が、給水配管5に配された流量センサ(図示せず)により検知されることによって開始される。給湯運転が開始されると、バーナ2bの燃焼制御と、混合弁7による高温水および低温水の混合比率制御とによって、浴室リモコン30(または台所リモコン50)により設定された設定給湯温度と出湯温度が同等となるように、熱源機100が動作する。
また、浴室リモコン30(または台所リモコン50)から「風呂湯張り」が指示されると、二方弁13が開かれることにより、浴槽20への給湯運転が実行される。以下では、浴槽20への給湯運転について、給湯栓からの給湯運転と区別するために、特に「注湯運転」とも称する。あるいは、「風呂自動モード」が指示された場合には、初期の湯張りのため、または、一定水位を維持するために注湯運転が実行される。風呂自動モードでは、湯張り完了後の浴槽20の湯水21は自動的に保温される。
注湯運転時には、給湯配管6から分岐供給される湯(高温水および低温水の混合)が、循環路8を経由して、浴槽20に注湯される。注湯運転は、水位センサ11の検知信号に基づいて、浴槽20の水位が設定水位になるまで継続される。
なお、注湯運転時には、ポンプ10が停止された状態で、給湯配管6からの湯が二方弁13を経て循環路8上の合流点8cに供給される。このため、合流点8cから戻り配管8aを逆流して浴槽20へ至る経路と、合流点8cから熱交換器4bおよび往き配管8bを経由して浴槽20へ至る経路との両方から、浴槽20への注湯が行なわれる。
追焚運転は、湯張り完了後の設定温度までの自動沸上げ、人の入室検知後の設定温度までの自動沸上げ、浴槽20の湯水21を保温するための自動沸上げ、あるいは、浴室リモコン30または台所リモコン50からの追焚運転指令に基づく沸上げ等により開始される。追焚運転では、ポンプ10が作動することにより、浴槽20の湯水21が循環路8を循環する。さらに、バーナ2aの燃焼制御により、循環水は、温度センサ9による検知信号に基づき、所定温度まで上昇させた上で浴槽20に再度供給される。
次に、図3を参照して、本実施の形態1に係る風呂装置300における追焚運転について説明する。
図3は、追焚運転の第1例に基づいた浴槽湯温の時間的変化を示す図である。図3の横軸は時間を示し、縦軸は、浴槽湯温および人検知センサ33の検知信号を示す。人検知センサ33の検知信号は、人が浴室200に入室したことを検知した場合にH(論理ハイ)レベルに遷移し、人が浴室200から退室したことを検知した場合にL(論理ロー)レベルに遷移する信号である。
図3の例では、浴室リモコン30(または台所リモコン50)から「自動風呂モード」が指示されており、注湯運転が実行されることによって、時刻t0以前に湯張りが完了しているものとする。湯張り完了後に追焚運転による自動沸上げが行なわれることにより、浴槽湯温は設定温度T*まで上昇する。
図3を参照して、湯張り完了後、人検知センサ33からの検知信号に基づいて、浴室200内に人が入室したことが検知されると、浴槽湯温を設定温度T*に保温するための保温運転が実行される。保温運転では、温度センサ9により検知された浴槽湯温が保温下限温度TL1以下であれば追焚運転が実行される。
具体的には、コントローラ12の制御部126は、時間間隔D1毎にポンプ10を駆動させて、浴槽20内の湯水21を循環させる。温度センサ9は、ポンプ10の駆動によって送られてきた湯水21の温度を検知する。制御部126は、温度センサ9により検知された浴槽湯温が、保温下限温度TL1よりも高いときには、ポンプ10を停止させる。一方、温度センサ9により検知された浴槽湯温が保温下限温度TL1以下であれば、制御部126は、追焚運転を実行する。図3では、時刻t1,t3,t4にて追焚運転が開始されている。温度センサ9により検知される浴槽湯温が設定温度T*になれば(時刻t2)、制御部126は、追焚運転を終了する。保温下限温度TL1は「第1の下限温度」の一実施例に対応し、設定温度T*は「第1の上限温度」の一実施例に対応する。
ここで、時刻t4にて追焚運転を開始した後、時刻t5にて人検知センサ33からの検知信号に基づいて、浴室200から人が退室したことが検知されたものとする。
図3に示すように、時刻t5では、浴槽湯温が設定温度T*に達していないため、追焚運転が実行されている。制御部126は、人の退室が検知されると、追焚運転を停止する。そのため、浴槽湯温は設定温度T*まで上昇することなく、時刻t5以降、浴槽湯温は下降に転じる。
時刻t5より後の時刻t6にて、人検知センサ33からの検知信号に基づいて、浴室200への人の入室が検知されると、制御部126は、追焚運転を実行する。制御部126は、温度センサ9により検知される浴槽湯温が設定温度T*になれば(時刻t7)、追焚運転を終了する。
時刻t7以降、人が浴室200内に在室している間は、制御部126は、保温運転を実行する。上述したように、時間間隔D1毎にポンプ10を駆動させて浴槽湯温を検知し、検知された浴槽湯温が保温下限温度TL1以下であれば、追焚運転を実行する。
このように、浴室200から人が退室すると追焚運転が停止され、浴室200内に人が入室するまで、すなわち、浴室200に人が不在である間は、追焚運転が実行されない。浴室200に人が不在である間は、浴槽20の湯水21を保温する必要がないため、この期間は追焚運転を行なわない構成とすることにより、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
ただし、浴室200に人が不在である間は追焚運転が実行されないため、図3に示すように、浴槽湯温が保温下限温度TL1よりも低下することがある。そこで、浴室200への人の入室が検知されると、追焚運転を実行することで、浴槽20に人が入るまでに浴槽湯温を上昇させる。
また、浴室200に人が不在である間は、保温運転を行なわないため、浴槽湯温を検知するために時間間隔D1毎に行なわれるポンプ10の駆動も停止することとする。これにより、省エネルギー効果をさらに向上させることができる。
図3では、保温運転中における追焚運転について説明したが、入浴中において、浴槽湯温を上げるために、浴室リモコン30から追焚運転が指示される場合がある。図4を参照して、入浴中に追焚運転が指示された場合の追焚運転について説明する。
図4は、追焚運転の第2例に基づいた浴槽湯温の時間的変化を示す図である。図4の例では、図3と同様、人検知センサ33により浴室200への人の入室が検知された後、保温運転が実行されているものとする。保温運転では、温度センサ9により検知された浴槽湯温が保温下限温度TL1以下であれば、追焚運転が実行され、浴槽湯温が設定温度T*になれば追焚運転が終了される。
保温運転の実行中、入浴者の入力操作を受けて浴室リモコン30(第1の操作部)から追焚運転が指示されることがある。時刻t4にて浴室リモコン30から追焚運転が指示されると、制御部126は、追焚運転が指示された時点での浴槽湯温よりも所定温度ΔTだけ高い温度を目標温度T♯に設定する。なお、浴槽温度の昇温を目的とするため、目標温度T♯は設定温度T*より高くなる場合がある。時刻t4以降、制御部126は、浴槽湯温を目標温度T♯まで上昇させるために、追焚運転を実行する。
浴室リモコン30からの追焚運転指令に基づく追焚運転の実行中、時刻t5にて浴室200から人が退室したものとする。人検知センサ33からの検知信号に基づいて、浴室200から人が退室したことが検知されると、制御部126は、追焚運転を停止する。そのため、浴槽温度は目標温度T♯まで上昇することなく、時刻t5以降、下降に転じる。
時刻t5より後の時刻t6にて、人検知センサ33からの検知信号に基づいて、浴室200に人が入室したことが検知されると、制御部126は、追焚運転を実行する。制御部126は、温度センサ9により検知される浴槽湯温が設定温度T*になれば(時刻t7)、追焚運転を終了する。
以上説明したように、実施の形態1に係る風呂装置によれば、浴室から人が退室したときには、浴槽の湯水を保温する必要がないと判断されることから、追焚運転を停止することで、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
また、追焚運転を停止した後、浴室に人が入室するまでは追焚運転を実行しないことにより、浴室に人が不在であって、浴槽の湯水を保温する必要がない間におけるエネルギー消費を抑えることができる。
さらに、浴室への人の入室が検知されると、追焚運転を実行することで、浴槽に人が入るまでに浴槽湯温を上昇させることができるため、入浴者に快適性を与えることができる。
また、浴室に人が不在である間は、浴槽湯温を検知するために所定の時間間隔毎に行なわれるポンプの駆動も停止することにより、省エネルギー効果をさらに向上させることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2および3では、上述した実施の形態1に係る風呂装置300における追焚運転の変形例について説明する。なお、実施の形態2および3に係る風呂装置300の構成は、図1に示した実施の形態1に係る風呂装置300の構成と同じであるため、詳細な説明は繰返さない。
図5は、追焚運転の第3例に基づいた浴槽湯温の時間的変化を示す図である。図5の例では、図3と同様、人検知センサ33により浴室200への入室が検知された後、保温運転が実行されているものとする。保温運転では、温度センサ9により検知された浴槽湯温が保温下限温度TL1以下であれば、追焚運転が実行され、浴槽湯温が設定温度T*になれば追焚運転が終了される。
時刻t4にて追焚運転を開始した後、時刻t5にて人検知センサ33からの検知信号に基づいて、浴室200から人が退室したことが検知されると、制御部126は、追焚運転を停止する。そのため、時刻t5以降、浴槽湯温は下降に転じる。
時効t5以降、浴室200内に人が不在であるため、追焚運転が実行されない。ただし、時刻t5より後の時刻t8にて、台所リモコン50(第2の操作部)から追焚運転が指示された場合には、制御部126は、追焚運転を実行する。すなわち、浴室200に人が不在である状態であっても、浴室200の外部からユーザ等の入力操作に基づいて追焚運転が指示された場合には、追焚運転を実行する。制御部126は、温度センサ9により検知される浴槽湯温が設定温度T*になれば(時刻t9)、追焚運転を終了する。
時刻t9にて追焚運転を終了すると、制御部126は保温運転に移行する。具体的には、時刻t9以降、時間間隔D1毎にポンプ10を駆動させて、浴槽20内の湯水21を循環させる。温度センサ9は、ポンプ10の駆動によって送られてきた湯水21の温度を検知する。制御部126は、温度センサ9により検知された浴槽湯温が、保温下限温度TL1よりも高いときには、ポンプ10を停止させる。一方、温度センサ9により検知された浴槽湯温が保温下限温度TL1以下であれば、制御部126は、追焚運転を実行する。そして、温度センサ9により検知される浴槽湯温が設定温度T*になれば(時刻t2)、制御部126は、追焚運転を終了する。
これによると、浴室200に人が不在している間は、不要な追焚運転によるエネルギー消費を抑えつつ、浴室200の外部から追焚運転が指示されたときには、追焚運転を実行する。これにより、浴室200の外部にいるユーザの浴槽20の湯水を沸上げたいという要求に応えることができる。
また、追焚運転指令に基づいた追焚運転を終了した後は、保温運転に移行することにより、次に浴室200に入ってきた人が入浴するときに浴槽湯温を適温に保つことができる。
図6は、追焚運転の第4例に基づいた浴槽湯温の時間的変化を示す図である。図6の例では、図5と同様、浴室200から人が退室した時刻t5にて追焚運転が停止され、時刻t5以降、浴室200に人が不在であるため、追焚運転が実行されない。
時刻t5より後の時刻t8にて、台所リモコン50から沸かし直し運転が指示された場合には、制御部126は、沸かし直し運転を実行する。図6の例では、図5とは異なり、制御部126は、設定温度T*よりも低い温度を目標温度として沸かし直し運転を実行する。図6の例では、目標温度は保温下限温度TL1に設定されている。
時刻8より後の時刻t10にて浴槽湯温が目標温度(保温下限温度TL1)に達すると、制御部126は、沸かし直し運転を終了する。そのため、図6に示すように、時刻t10以降、浴槽湯温が低下することがある。
時刻t10より後の時刻t11にて、人検知センサ33からの検知信号に基づいて、浴室200への入室が検知されると、制御部126は、追焚運転を実行する。制御部126は、温度センサ9により検知される浴槽湯温が設定温度T*になれば(時刻t9)、追焚運転を終了する。
このように、図6の例では、浴室200の外部から沸かし直し運転が指示されてから浴室200に人が入室するまでの間に追焚運転を段階的に実行することにより、浴槽湯温を設定温度T*まで上昇させる。図5に示したように、沸かし直し運転が指示されてから浴室200に入室するまでの時間に保温運転を行なうと、浴槽湯温を適温に保つことができる一方で、この時間が長くなるほど、エネルギーの消費が嵩むことになる。そこで、図6においては、浴室200の外部から沸かし直し運転が指示されると、浴槽湯温を設定温度T*よりも低い温度(例えば、保温下限温度TL1)まで上昇させておき、浴室200へ入室した後に浴槽湯温を設定温度T*まで上昇させることで、沸かし直し運転が指示されてから浴室200に人が入室するまでのエネルギー消費を抑えることができる。
以上説明したように、実施の形態2に係る風呂装置によれば、浴室に人が居ないときには追焚運転を停止することで、不要な追焚運転によるエネルギー消費を抑えつつ、浴室の外部から沸かし直し運転が指示されたときには、沸かし直し運転を実行することにより、浴室の外部にいるユーザの浴槽の湯水を沸上げたいという要求に応えることができる。
また、浴室の外部から沸かし直し運転が指示されたときには、浴室に人が入室する前後で浴槽湯温が段階的に上昇するように沸かし直し運転および追焚運転を実行することにより、省エネルギー効果をさらに向上させることができる。
[実施の形態3]
上述した追焚運転の第1例から第4例においては、浴室200から人が退室したときに追焚運転を停止すると、次に浴室200に人が入室するまで、もしくは浴室200の外部から沸かし直し運転が指示されるまで追焚運転または沸かし直し運転が実行されない。そのため、追焚運転を停止している時間が長くなると、浴槽湯温が保温下限温度TL1よりも大きく低下してしまう場合がある。その結果、浴室200への入室が検知されて追焚運転を実行しても浴槽湯温が設定温度T*になるまで時間がかかってしまい、人が浴槽20に入ったときの快適性を損なうことが懸念される。
そこで、実施の形態3では、浴室200から人が退室したために追焚運転を停止した後、浴室200に人が不在である状態において追焚運転を間欠的に実行することで、浴槽温度が低くなりすぎることを抑制する。
図7は、追焚運転の第5例に基づいた浴槽湯温の時間的変化を示す図である。図7の例では、図3と同様、浴室200から人が退室した時刻t5にて追焚運転が停止されている。ただし、図7の例では、図3とは異なり、時刻t5以降、時間間隔D2毎にポンプ10を駆動させて、浴槽20内の湯水21を循環させる。温度センサ9は、ポンプ10の駆動によって送られてきた湯水21の温度を検知し、温度センサ9により検知された浴槽湯温が、保温下限温度TL2よりも高いときには、ポンプ10を停止させる。一方、温度センサ9により検知された浴槽湯温が保温下限温度TL2以下であれば、制御部126は、追焚運転を実行する。
図7の例では、時刻t5より後の時刻t13にて、制御部126は、追焚運転を実行する。時刻t14にて温度センサ9により検知される浴槽湯温が保温上限温度TU2になると、制御部126は、追焚運転を終了する。保温下限温度TL2は「第2の下限温度」の一実施例に対応し、保温上限温度TU2は「第2の上限温度」の一実施例に対応する。
時刻t14より後の時刻t15にて、人検知センサ33からの検知信号に基づいて、浴室200に人が入室したことが検知されると、制御部126は、追焚運転を実行する。制御部126は、温度センサ9により検知される浴槽湯温が設定温度T*になれば(時刻t9)、追焚運転を終了する。
図7の例において、浴室200に人が不在であるときにポンプ10を駆動する時間間隔D2は、浴室200に人が在室しているときにポンプ10を駆動する時間間隔D1と等しい長さであってもよいし、時間間隔D1よりも長くてもよい。ただし、時間間隔D2を時間間隔D1よりも長くすることで、浴室200に人が不在であるときにポンプ10を駆動する機会を減らすことができるため、エネルギー消費を抑えることができる。
また、保温下限温度TL2(第2の下限温度)を、保温下限温度TL1(第1の下限温度)よりも低い温度とするとともに、保温上限温度TU2(第2の上限温度)を、設定温度T*(第1の上限温度)よりも低い温度とする。これにより、浴室200に人が不在であるときには、浴室200に人は在室しているときに比べて、浴槽湯温はより低い温度に保たれる。これにより、浴室200に人が不在である間のエネルギー消費を抑えつつ、浴槽湯温が低くなりすぎることを抑制することができる。
なお、浴室リモコン30(または台所リモコン50)から風呂自動モードが指示されている場合において、予め設定されている保温時間が経過すると、図8に示すように、制御部126は、ポンプ10の駆動、温度センサ9による浴槽湯温の検知、および追焚運転を停止する。
図8は、追焚運転の第6例に基づいた浴槽湯温の時間的変化を示す図である。図8の例では、図7と同様、時刻t5にて浴室200から人が退室すると、制御部126は、追焚運転が停止される。時刻t5以降、制御部126は、時間間隔D2毎にポンプ10を駆動させて、温度センサ9により浴槽湯温を検知する。そして、温度センサ9により検知された浴槽湯温が保温下限温度TL2以下であれば、追焚運転を実行し、浴槽湯温が保温上限温度TU2になれば追焚運転を終了する。
ここで、時刻t5以降、浴室200への入室がない状態において、時刻16にて風呂自動モードで規定されている保温時間が満了したものとする。図8のように、時刻t16にて追焚運転が実行中である場合、制御部126は、追焚運転を停止する。これにより、時刻t16以降、追焚運転は実行されない。
ただし、時刻t16より後の時刻t17にて、台所リモコン50から沸かし直し運転が指示された場合には、制御部126は、沸かし直し運転を実行する。すなわち、保温時間が満了しており、かつ、浴室200に人が不在である状態であっても、浴室200の外部からユーザ等の入力操作に基づいて沸かし直し運転が指示された場合には、沸かし直し運転を実行する。制御部126は、温度センサ9により検知される浴槽湯温が設定温度T*になれば(時刻t18)、沸かし直し運転を終了する。
以上説明したように、実施の形態3に係る風呂装置によれば、浴室から人が退室した時に追焚運転を停止するとともに、浴室に人が不在である状態において、浴槽湯温を浴室に人が居る状態よりも低い温度に保つことで、浴室に人が不在である間のエネルギー消費を抑えつつ、浴槽温度が低くなりすぎることを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態1では、風呂装置300の熱源機100として、追焚用のバーナ2bの燃焼熱との熱交換により浴槽20の湯水を加熱する構成を例示したが、熱源機の構成はこのような構成に限定されるものではない。たとえば、給湯および暖房の同時運転が可能な複合熱源機または、ヒートポンプ式の熱源機などを用いることが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲よって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。