JP2019100359A - 密封装置 - Google Patents

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渉 ▲徳▼永
渉 ▲徳▼永
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Abstract

【課題】リップ部を付勢する付勢部材を有する密封装置において、シール性の低下を抑制する。【解決手段】環状の胴体部18と、胴体部18から径方向外側かつ外部側(A)へ延びる外周基部12と、胴体部18から径方向内側かつ外部側へ延びて軸200の外周面に接触するよう構成された弾性体製のリップ部13と、を有し、ハウジング300の内周面に装着されるシール本体10と、シール本体10の外周基部12、胴体部18及びリップ部13により形成される環状溝17内に設けられ、リップ部13を軸200の外周面の方へ付勢する付勢部材20と、を備え、リップ部13には、リップ部13の外周面133と内周面134を貫きかつ外部側(A)の先端132から機器内部側(M)へ向かって延びるスリット15が周方向に間隔を空けて複数設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、油圧シリンダ装置等の軸周のダストシール等として用いられる密封装置に関する。
外部から機器内への異物の侵入を抑制するための密封装置として、ゴムやウレタン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、樹脂等の弾性材料を用いたダストシールが用いられる。軸に固着したダストを掻き落とす機能が求められるダストシールではシールリップに高い剛性が求められるため、ダストシールの材料として高硬度のゴムやウレタン、樹脂等が用いられる。しかしながら、クリープや劣化によりダストシールに塑性変形(へたり)が生じ、シール性が低下するという課題があるため、シール性を長期に維持する技術が求められている。
そこで、シール本体に形成された環状の装着溝内に金属製のスプリングを装着することで、シールリップが軸の外周面やハウジングの内周面に対して密着した状態を維持する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。図9はこのような従来技術を示す図である。ピストン91に設けられた環状溝93に装着される環状のパッキン96には、軸線方向に開口した断面略U字形状の環状溝94が形成され、環状溝93の溝底に接触するシールリップ951及びシリンダ92の内周面に接触するシールリップ952を有する。環状溝94内には断面略V字形状の環状のスプリング98が装着されており、シールリップ951,952を径方向内外に付勢している。スプリング98の付勢力により、パッキンを構成するPTFE等の弾性材料にへたりが生じても、シールリップ951,952の締め代を維持することができる。
しかしながら、このようなスプリングを有するダストシールは、使用機器への装着時の軸端面との干渉や軸の過大な偏心等により過度の荷重がかかると、スプリングが塑性変形してしまい、シールリップを付勢する機能が低下する可能性がある。そうすると、シールリップの締め代を維持することが困難となりシール性が低下するという課題がある。
実開昭63−27763号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、リップ部を付勢する付勢部材を有する密封装置において、シール性の低下を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の密封装置は、
軸とハウジングとの間の環状隙間を封止し外部から機器内部へのダストの侵入を抑制する密封装置であって、
環状の胴体部と、前記胴体部から径方向外側かつ外部側へ延びる外周基部と、前記胴体部から径方向内側かつ外部側へ延びて軸の外周面に接触するよう構成された弾性体製のリップ部と、を有し、ハウジングの内周面に装着されるシール本体と、
前記シール本体の外周基部、胴体部及びリップ部により形成される環状溝内に設けられ、前記リップ部を軸の外周面の方へ付勢する付勢部材と、
を備え、
前記リップ部には、前記リップ部の外周面と内周面を貫きかつ外部側の先端から機器内部側へ向かって延びるスリットが周方向に間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする。
このように構成された密封装置によれば、リップ部に複数のスリットが設けられていることによりリップ部の剛性が低くなり、付勢部材の付勢力が小さくてもリップ部を大きく変形させることができる。従って、リップ部を確実に軸の外周面に密着させることができ、付勢力の小さな付勢部材を用いた場合でも長期にわたってリップ部の締め代を確保することができ、密封装置の偏心追従性やシール性の低下を抑制することができる。
本発明においては、前記スリットは、軸線方向に対し角度を付けて設けられていてもよい。
これにより、スリットを介して外部から異物が機器内部に侵入することを抑制できる。
本発明においては、前記リップ部は、前記複数のスリットの周方向の幅の合計を除いた前記リップ部の前記軸との接触面における周長が、前記軸の外周面の周長以下になるように設計されるとよい。
これにより、密封装置が装着され、付勢部材の付勢力によってリップ部が軸の外周面に密着した状態において、リップ部にスリットを設けたことに起因して生じる隙間はゼロに近い小さいものになる。従って、スリットを介して外部から異物が機器内部に侵入することを抑制できる。
本発明においては、前記リップ部と前記リップ部が接触する軸の外周面とのなす角度は、機器内部側における角度より外部側における角度の方が大きいとよい。
これにより、リップ部と軸の外周面との間のシール面における面圧が外部側においてより大きくなる。従って、軸がハウジングに対し相対的に往復移動する場合に、液体ダストに対する高いシール性が得られる。
本発明においては、前記付勢部材は、前記リップ部を径方向内側に付勢するコイルスプリングであるとよい。
コイルスプリングは塑性変形しにくい性質があるため、付勢部材としてコイルスプリングを用いることにより、密封装置の装着時や軸の過大な偏心等により付勢部材に大きな荷重がかかっても付勢部材が塑性変形することによる密封装置のシール性の低下を抑制することができる。シール本体の寸法によっては、コイルスプリングの弾性力(緊迫力)は大きくしにくい。しかしながら、コイルスプリングが径方向内側に押圧するリップ部にはスリットが設けられており、リップ部の剛性が低いため、コイルスプリングの弾性力が小さくても十分にリップ部を変形させることができる。従って、シール性の低下を抑制することができるとともに、密封装置に作用する荷重により付勢部材が塑性変形してしまうことも抑制することができる。
本発明においては、前記付勢部材は、屈曲した端部と、前記端部から径方向外側へ延びて前記外周基部の内周面を押圧する外周押圧部と、前記端部から径方向内側へ延びて前記リップ部の外周面を押圧する内周押圧部と、を有する金属製の板ばねであるとよい。
このように構成された略V字形状又はU字形状の金属製の板ばねは、内周押圧部の一端から端部までの長さ及び外周押圧部の一端から端部までの長さ(軸線方向の長さ)を長くし、内周押圧部の一端から外周押圧部の一端までの長さ(径方向の長さ)を短くすることによって、塑性変形しにくくなり、径方向の長さが略ゼロとなるほどの変形に対しても弾性変形するよう設計することができる。従って、密封装置の装着時や軸の過大な偏心等により付勢部材に大きな荷重がかかっても付勢部材が塑性変形することによる密封装置のシール性の低下を抑制することができる。ここで、板ばねの軸線方向の長さを長くして径方向の長さを短くすると板ばねの弾性力(緊迫力)が小さくなる。しかしながら、板ばねが径方向内側に押圧するリップ部にはスリットが設けられており、リップ部の剛性が低いため、ばね部材の弾性力が小さくても十分にリップ部を変形させることができる。従って、シール性の低下を抑制することができるとともに、密封装置に作用する荷重により付勢部材が塑性変形してしまうことも抑制することができる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
本発明によれば、リップ部を付勢するばね部材を有する密封装置において、シール性の低下を抑制することができる。
図1は本発明の実施例1に係る密封装置の模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る密封装置の装着状態を示す模式的断面図である。 図3は本発明の実施例1に係る密封装置の斜視図である。 図4は本発明の実施例1に係る密封装置の一部を拡大した斜視図である。 図5は本発明の実施例1に係る密封装置の図1のBB断面による模式的断面図である。 図6は本発明の実施例2に係る密封装置の一部を拡大した斜視図である。 図7は本発明の実施例2に係る密封装置の図1のBB断面による模式的断面図である。 図8は本発明の実施例3に係る密封装置の模式的断面図である。 図9は従来技術を説明するための図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1〜図8を参照して、本発明の実施例に係る密封装置について説明する。本実施例に係る密封装置は、自動車や建設機械、一般の産業用機械等の油圧シリンダやサスペンション等の、軸とハウジングとが相対的に移動する機構において外部から土砂、鉱石、油、水、氷、樹液等の異物(ダスト)が機器内へ侵入することを抑制するダストシールに好適に適用することができる。また、軸がハウジングに対して、相対的に往復移動する場合、相対的に回転する場合、相対的に揺動する場合、これらの任意の組み合わせの場合にも、本実施例に係る密封装置を適用することができる。なお、以下の説明において、軸線とは、軸の中心軸線を意味する。
(実施例1)
図3は実施例1に係る密封装置100の全体の形状を示す斜視図である。図3に示すように、密封装置100は環状であり、回転対称形状を有する。密封装置100の回転対称軸を含む平面による断面(図3のAA断面)による模式的断面図を図1に示す。図1において、密封装置100は、弾性体製のシール本体10と、シール本体10の環状溝17内に抜け止めされた状態で配置される金属製の板ばね20と、シール本体10が一体に設けられた補強環14とを有する。
図2に示すように、密封装置100は、軸200が挿入されるシリンダ300の端部材320の内周面に設けられた環状の装着溝310に保持され、軸200の外周面とシリンダ300の内周面との間の環状隙間を密封し、図中右側の外部側(A)から図中左側の機器内部側(M)にダストが侵入することを抑制するとともに、軸200の外周面に付着したダストを掻き落とす役割も果たす。シール本体10は、装着溝310に装着されることでシリンダ300に対して固定されている。軸200がシリンダ300に対して相対的に軸線方向に往復移動すると、シール本体10は軸200の外周面に対し摺動する。
シール本体10は、PTFE、ゴム、ウレタン、樹脂等を材料とし、回転対称形状である。シール本体10は、環状の胴体部18と、胴体部18から径方向外側かつ外部側(A)へ延びる外周基部12と、胴体部18から径方向内側かつ外部側(A)へ延びて軸200の外周面に接触するように構成された弾性体製のリップ部13とを有し、軸線を含む平面による断面が略U字形をなす。
外周基部12は、補強環14の筒部141の内周面に接合され、胴体部18は補強環14のフランジ部142の内側面に接合される。外周基部12には、板ばね20の抜け落ちを抑制するために、軸線方向の先端に径方向内側に向かって突出した環状の突起121が設けられている。シール本体10の外周基部12、胴体部18及びリップ部13により形成される環状溝17は、外部側へ開放された断面略U字形状をなす。
リップ部13の軸200の外周面に密接する先端131はシャープリップ又は微小なRリップ(例えばR0.1〜R0.2)に形成されている。リップ部13の機器内部側(M)の内周面134とリップ部13が接触する軸200の外周面とのなす角度αに対し、リップ部13の外部側(A)の内周面135とリップ部13が接触する軸200の外周面とのなす角度βの方が大きい。
板ばね20は、シール本体10の環状溝17内に装着され、ステンレス鋼等の金属の薄板からなる環状の板ばねである。板ばね20は、リップ部13を軸200の外周面の方へ付勢する。板ばね20は、環状溝17の溝底に沿って位置する端部23と、端部23から径方向外側へ延びてシール本体10の外周基部12の内周面を押圧する外周押圧部21と、端部23から径方向内側へ延びてシール本体10のリップ部13の外周面を押圧する内周押圧部22と、を有し、軸線を含む平面による断面は略V字形状又はU字形状をなす。板ばね20の外周押圧部21の外部側(A)の先端211は、外周基部12の外部側(A)先端に設けられた板ばね20の抜け止め用の突起121に係止される。
板ばね20は、シール本体10への組み込み前の状態すなわち自由状態では、図1に示すように、外周押圧部21の先端211と内周押圧部22の先端221との間の径方向距離L2は、シール本体10の外周基部12の突起121とリップ部13の外周側の先端132との間の径方向距離L1よりも大きい。従って、板ばね20は、シール本体10の環状溝17に組み込まれた状態において、径方向に圧縮され弾性変形しており、それにより生じる弾性力により、外周押圧部21は外周基部12の内周面を径方向外側に押圧するとともに、内周押圧部22はリップ部13の外周面を径方向内側に押圧する。
板ばね20は、外周押圧部21及び内周押圧部22の軸線方向の長さL3に対して、シール本体10の環状溝17に組み込まれた状態における径方向の長さL1が短くなるように設計している。
補強環14は、金属等の高剛性材料からなり、筒部141と、筒部141の軸線方向の一端から径方向内側へ延びるフランジ部142を有し、軸線を通る平面による断面が略L字形をなす。筒部141の外径は、図2に示すシリンダ300の端部材320の装着溝310の内径よりもわずかに大径であり、装着溝310に適当な締め代をもって圧入可能に構成される。
密封装置100の一部を拡大した斜視図を図4に示す。また、密封装置100の周方向に平行な面による断面(図1のBB断面)による模式的断面図を図5に示す。なお、図4、図5において板ばね20は図示していない。図4、図5に示すように、実施例1の密封装置100のシール本体10のリップ部13には、リップ部13の外周面133と内周面134を貫きかつ外部側(A)の先端132から機器内部側(M)へ向かって延びるスリット15が周方向に間隔を空けて複数設けられている。スリット15を有するシール本体10は、射出成型又は切削加工により製作される。
リップ部13は、複数のスリット15の周方向の幅Wの合計W×N(Nはスリットの数)を除いたリップ部13の周長が、軸200の周長以下になるように設計される。すなわち、スリットの周方向の幅の分だけ、軸の外径よりも大きめにリップ部13の内径を設計する。
<実施例1に係る密封装置の優れた点>
以上説明した実施例1の密封装置100において、板ばね20はV字形状であり、軸線方向の長さL3に対して径方向の長さL1が短くなるように設計されている。V字形状の板ばね20は、軸線方向の長さL3に対して径方向の長さL1を短くしていくと、板ばね20の径方向の長さL1がゼロに近い長さまで圧縮されるような変形を受けても、塑性変形せず弾性変形するように設計することができる。これにより、密封装置100をシリンダ300に装着する際の軸200との干渉や軸の過度の偏心等により板ばね20の径方向の長さL1がゼロに近い長さまで圧縮されるようなことがあっても、板ばね20が塑性変形することを抑制できるので、板ばね20がリップ部13を押圧する機能が低下することを抑制できる。
ここで、V字形状の板ばね20の径方向の長さL1を軸線方向の長さL3に対し短くすると、板ばね20の弾性力(緊迫力)が小さくなる。そのため、板ばね20がリップ部13を軸200の方へ押圧して変形させる量が少なくなる。
この点、実施例1の密封装置100では、リップ部13に、リップ部13の外周面133と内周面134を貫くように外部側(A)から機器内部側(M)へ延びるスリット15が周方向に間隔を空けて複数設けられているので、リップ部13の剛性が低い。そのため、板ばね20の緊迫力が小さくても、リップ部13を大きく変形させることができる。従って、リップ部13を確実に軸200の外周面に密着させることができ、密封装置100のシール性の低下を抑制することができる。このように、実施例1の密封装置100によれば、軸装着時等に密封装置100に過大な荷重がかかった場合に板ばね20が塑性変形することを抑制することができるとともに、板ばね20の緊迫力が小さくても密封装置100のシール性を確保することができる。
また、実施例1の密封装置100においては、リップ部13の剛性を低くするために複数のスリット15をリップ部13に設けているが、複数のスリット15の周方向の幅の合
計を除いたリップ部13の周長が軸20の周長以下になるように設計しているので、密封装置100をシリンダ300に装着して板ばね20の緊迫力によりリップ部13を軸200の外周面に密着させた状態において、スリット15の周方向の間隙をゼロに近い小さい値にすることができる。これにより、スリット15を設けても、外部側(A)からダストが機器内部側(M)に侵入することを抑制できる。
また、実施例1の密封装置100においては、リップ部13の先端131はシャープリップ又は微小なRリップに形成されているため、リップ部13と軸200との接触幅が小さくなる。これにより、板ばね20の緊迫力が小さくてもシール面の面圧が高くなり、シール性が向上するとともに、軸200の外周面に固着したダストを掻き落とすことも可能となる。
また、実施例1の密封装置100においては、リップ部13の機器内部側(M)の内周面134と軸200の外周面とのなす角度αに対し、リップ部13の外部側(A)の内周面135と軸200の外周面とのなす角度βの方が大きいため、シール面における面圧の最大値が外部側(A)に位置し、軸200が往復移動する場合のシール面の面圧勾配が大きくなる。これにより軸200とシリンダ300とが軸線方向に相対的に往復移動する場合に液体ダストに対し液体膜を薄くできるため、液体ダストに対する良好なシール性が得られる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。以下、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と共通の事項に関しては詳細な説明を省略する。
実施例2は、リップ部13に設けられるスリットの形状が実施例1と異なる。実施例2に係る密封装置101の一部を拡大した斜視図を図6に示す。また、密封装置101の周方向に平行な面による断面(図1のBB断面)による模式的断面図を図7に示す。なお、図6、図7において板ばね20は図示していない。図6,図7に示すように、実施例2の密封装置101のシール本体11のリップ部13には、リップ部13の外周面133と内周面134を貫くように外部側(A)から機器内部側(M)へ延びるスリット16が周方向に間隔を空けて複数設けられており、スリット16は軸線方向に対して角度を付けて設けられている点で実施例1と異なる。スリット16が軸線方向に対し角度を付けて設けられているとは、スリット16は軸線を含む平面とは平行ではないということである。
<実施例2に係る密封装置の優れた点>
スリット16が軸線方向に対し角度を付けて設けられていることで、軸線方向に流通性が低下するため、外部側(A)からスリット16を介して異物が機器内部側(M)に侵入することを抑制できる。
実施例1では、複数のスリット15の周方向の幅の合計を除いたリップ部13の周長が軸20の周長以下になるようにスリット15及びリップ部13を設計する例を説明したが、このように設計したとしても、公差や温度変化により、密封装置100の装着状態で常にスリット15の周方向の隙間をゼロに近い小ささにすることは難しい場合がある。この点、実施例2によれば、スリット16が軸線方向に角度を付けて設けられているため、温度変化等によりスリット16の周方向の隙間が多少大きくなったとしても、ダストに対するシール性の低下を抑制することができる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。以下、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と共通の事項に関しては詳細な説明を省略する。
図8は本発明の実施例3に係る密封装置102の模式的断面図である。図8に示すように、実施例3に係る密封装置102においては、実施例1の板ばね20の代わりに、コイルスプリング40がシール本体10の環状溝17内に設けられている。コイルスプリング40は、シール本体10のリップ部13を径方向内側に付勢するように、シール本体10の外周基部12の内周面122に設けられた装着溝123に装着される。
<実施例3に係る密封装置の優れた点>
コイルスプリング40は伸張量(スプリングの自由長から伸ばした量)に対して広い弾性域をもち、コイル断面は、剛性が高く塑性変形しにくいため、リップ部13を付勢する付勢部材としてコイルスプリング40を用いることにより、密封装置102の装着時や軸200の過大な偏心等によりコイルスプリング40に大きな荷重がかかっても密封装置102のシール性の低下を抑制することができる。
シール本体10の寸法によっては、コイルスプリング40の弾性力(緊迫力)を大きくすることが困難であるが、コイルスプリング40が径方向内側に押圧するリップ部13には実施例1で説明したスリット15又は実施例2で説明したスリット16が設けられており、リップ部13の剛性が低いため、コイルスプリング40の緊迫力が小さくてもリップ部13を変形させることができる。従って、シール性の低下を抑制できるとともに、密封装置102に作用する荷重によりコイルスプリング40が塑性変形してしまうことも抑制できる。
また、実施例3の場合でも、実施例1で説明したようにリップ部13の先端131をシャープリップ又は微小なRリップとすることで、コイルスプリング40の緊迫力が小さくてもシール面の面圧を高くすることができる。
(変形例)
上記各実施例では、シリンダの内周面の装着溝に密封装置を装着し、密封装置の内周側と軸の外周側とが接触してシールする密封構造の例を説明したが、軸の外周面に設けた装着溝に密封装置を装着し、密封装置の外周側とシリンダの内周側とが接触してシールする密封構造にも本発明は適用できる。その場合、密封装置のシール本体は外周側にリップ部を備え、当該リップ部にスリットが設けられることになる。これによりリップ部の剛性が低下するので、シール本体の装着溝に装着されるV字形の板ばねやコイルスプリングによる径方向外側への弾性力が小さくてもリップ部を変形させやすくなる。そのため、過大な荷重による塑性変形を抑制するためにコイルスプリングや軸線方向の長さが長いV字形の板ばねを用いた場合でも、板ばねやコイルスプリングの弾性力によるリップ部のシール性の低下の抑制効果が得られる。
10:シール本体
100:密封装置
101:密封装置
102:密封装置
11:シール本体
12:外周基部
121:突起
122:内周面
123:装着溝
13:リップ部
131:先端
132:先端
133:外周面
134:内周面
135:内周面
14:補強環
141:筒部
142:フランジ部
15:スリット
16:スリット
17:環状溝
18:胴体部
20:板ばね
200:軸
21:外周押圧部
211:先端
22:内周押圧部
221:先端
23:端部
300:シリンダ
310:装着溝
320:端部材
40:コイルスプリング

Claims (6)

  1. 軸とハウジングとの間の環状隙間を封止し外部から機器内部へのダストの侵入を抑制する密封装置であって、
    環状の胴体部と、前記胴体部から径方向外側かつ外部側へ延びる外周基部と、前記胴体部から径方向内側かつ外部側へ延びて軸の外周面に接触するよう構成された弾性体製のリップ部と、を有し、ハウジングの内周面に装着されるシール本体と、
    前記シール本体の外周基部、胴体部及びリップ部により形成される環状溝内に設けられ、前記リップ部を軸の外周面の方へ付勢する付勢部材と、
    を備え、
    前記リップ部には、前記リップ部の外周面と内周面を貫きかつ外部側の先端から機器内部側へ向かって延びるスリットが周方向に間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記スリットは、軸線方向に対し角度を付けて設けられている請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記リップ部は、前記複数のスリットの周方向の幅の合計を除いた前記リップ部の前記軸との接触面における周長が、前記軸の外周面の周長以下になるように設計される請求項1又は2に記載の密封装置。
  4. 前記リップ部の内周面と前記リップ部が接触する軸の外周面とのなす角度は、機器内部側における角度より外部側における角度の方が大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載の密封装置。
  5. 前記付勢部材は、前記リップ部を径方向内側に付勢するコイルスプリングである請求項1〜4のいずれか1項に記載の密封装置。
  6. 前記付勢部材は、屈曲した端部と、前記端部から径方向外側へ延びて前記外周基部の内周面を押圧する外周押圧部と、前記端部から径方向内側へ延びて前記リップ部の外周面を押圧する内周押圧部と、を有する金属製の板ばねである請求項1〜4のいずれか1項に記載の密封装置。
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