JP2019098992A - 車両用廃熱利用装置 - Google Patents

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Yosuke Tokoro
洋介 野老
威知郎 稲葉
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威知郎 稲葉
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Abstract

【課題】暖房効率を向上させることができる車両用廃熱利用装置を提供する。【解決手段】熱交換器110は、内部に第1熱媒体が流れる冷却回路側熱交換器112と、内部に第2熱媒体が流れる空調回路側熱交換器114と、蒸発部116aがペルチェ素子118を介して冷却回路側熱交換器112に接続され、凝縮部116bが空調回路側熱交換器114に接続されるヒートパイプ116と、を有する。ペルチェ素子118は、冷却回路側熱交換器112から吸収した熱をヒートパイプの蒸発部116aに放散する。【選択図】図2

Description

本発明は、電動車両に設けられる駆動モータ等の熱源体の廃熱を利用して車室内を暖房する車両用廃熱利用装置に関する。
エンジンを搭載する車両はエンジンの廃熱を熱媒体で吸収してエンジンを冷却すると共に、熱媒体の熱をヒータコアで放散することにより車室内を暖房する。一方、エンジンを搭載しない電動車両は熱媒体を駆動モータの廃熱や電気ヒータで暖めて、熱媒体の熱をヒータコアで放散することにより車室内を暖房する。
特許文献1には、冷却水(第1熱媒体)を用いて駆動用モータを冷却する冷却回路と、暖房水(第2熱媒体)を用いて車室内を暖房する空調回路と、冷却水と暖房水との間で熱交換を行う熱交換器と、を備える車両用廃熱利用装置が示される。熱交換器は、内部に冷却水が流れる第1熱交換器と、内部に暖房水が流れる第2熱交換器と、第1熱交換器と第2熱交換器との間で熱移動を行うヒートパイプと、第2熱交換器とヒートパイプの凝縮部との間に介在するペルチェ素子と、ヒートパイプの凝縮部に接続される蓄熱材と、からなる。この車両用廃熱利用装置では、ペルチェ素子の熱移動方向を適宜変化させることにより、暖房水から蓄熱材への熱移動と、冷却水および断熱材から暖房水への熱移動と、を切り替えている。
特開2013−216283号公報
特許文献1の車両用廃熱利用装置のように、冷却用の第1熱媒体から暖房用の第2熱媒体に熱移動させる場合、第1熱媒体から第2熱媒体への熱移動量を大きくして暖房効率を向上することが望まれる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、暖房効率を向上させることができる車両用廃熱利用装置を提供することを目的とする。
本発明は、
冷却側流路に第1熱媒体を還流させて熱源体から熱を吸収する冷却回路と、
空調側流路に第2熱媒体を還流させてヒータコアで熱を放散する空調回路と、
前記冷却回路と前記空調回路とに跨って設けられて、前記第1熱媒体と前記第2熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、を備える車両用廃熱利用装置であって、
前記熱交換器は、
内部に前記第1熱媒体が流れる冷却回路側熱交換器と、
内部に前記第2熱媒体が流れる空調回路側熱交換器と、
蒸発部がペルチェ素子を介して前記冷却回路側熱交換器に接続され、凝縮部が前記空調回路側熱交換器に接続されるヒートパイプと、を有し、
前記ペルチェ素子は、前記冷却回路側熱交換器から吸収した熱を前記ヒートパイプの前記蒸発部に放散する
ことを特徴とする。
上記構成によれば、冷却回路と空調回路との間の熱移動をヒートパイプで行うため、車両内における冷却回路と空調回路のレイアウトの自由度を高くすることができる。また、上記構成によれば、熱交換器において、吸熱側の冷却回路側熱交換器とヒートパイプの蒸発部との間にペルチェ素子が設けられるため、ヒートパイプ内の作動液の気化を促進してヒートパイプ内での熱移動を効率的に行うことができる。このため、冷却回路から空調回路への熱移動を効率的に行うことができ、暖房効率は向上する。
本発明において、
前記冷却回路側熱交換器から流出する前記第1熱媒体の第1温度を検出する第1温度センサと、
前記空調回路側熱交換器から流出する前記第2熱媒体の第2温度を検出する第2温度センサと、
前記第1温度および前記第2温度に応じて前記ペルチェ素子の作動と作動停止との切り替えを制御する制御部と、を更に備えてもよい。
上記構成によれば、熱交換器から流出する第1熱媒体の第1温度および熱交換器から流出する第2熱媒体の第2温度に応じてペルチェ素子の作動と作動停止との切り替えを行うため、冷却回路から空調回路への熱移動をより効率的に行うことができる。
本発明において、
前記ヒータコアで空気を暖めて車室内または車室外に送風する空調装置を更に備え、
前記制御部は、
前記空調装置に対する暖房動作の要求があり、かつ、前記第1温度が所定の冷却回路下限温度を上回り、かつ、前記第2温度が所定の空調回路目標温度を下回る場合に、前記ペルチェ素子を作動させつつ、前記ヒータコアで暖められた前記空気が前記車室内に送風されるように前記空調装置を制御してもよい。
上記構成によれば、熱交換器から流出する第1熱媒体の第1温度が冷却回路下限温度を上回る場合、すなわち熱源体から第1熱媒体が吸熱している場合であり、熱交換器から流出する第2熱媒体の第2温度が所定の空調回路目標温度を下回る場合、すなわち第2熱媒体が十分に昇温していない場合に、熱源体の廃熱を利用して車室内を暖房することができる。
本発明において、
前記ヒータコアで空気を暖めて車室内または車室外に送風する空調装置を更に備え、
前記制御部は、
前記空調装置に対する暖房動作の要求がなく、かつ、前記第1温度が所定の冷却回路上限温度を上回る場合に、前記ペルチェ素子を作動させつつ、前記ヒータコアで暖められた前記空気が前記車室外に送風されるように前記空調装置を制御してもよい。
上記構成によれば、熱交換器から流出する第1熱媒体の第1温度が冷却回路上限温度を上回る場合、すなわち、熱源体が過熱している場合に、熱源体の廃熱を車室外に放散することができる。
本発明において、
前記制御部は、
前記第2温度が所定の空調回路上限温度を下回る場合に、前記ペルチェ素子の熱移動量を増加させ、前記第2温度が所定の空調回路上限温度を上回る場合に、前記ペルチェ素子の熱移動量を低減させてもよい。
上記構成によれば、熱交換器から流出する第2熱媒体の第2温度と空調回路上限温度とを比較することにより第2熱媒体に吸熱の余地があるか否かを判断し、その結果に応じてペルチェ素子を作動させるため、ペルチェ素子に供給する電力量を節約することができる。
本発明によれば、ヒートパイプの熱移動を効率的に行うことができる。
図1は本実施形態に係る車両用廃熱利用装置の構成図である。 図2は熱交換器の構成図である。 図3は車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図4は車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図5は別実施形態の車両用廃熱利用装置の構成図である。
以下、本発明に係る車両用廃熱利用装置について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
[1.車両用廃熱利用装置10の構成]
図1に示される車両用廃熱利用装置10は、バッテリやジェネレータから供給される電力により駆動モータを作動させて走行する電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両に設けられる。車両用廃熱利用装置10は、冷却回路20と、空調回路50と、空調装置70と、駆動系制御部100と、空調制御部102と、を備え、更に冷却回路20と空調回路50に跨る熱交換器110を備える。
冷却回路20は、水等の第1熱媒体を還流させる環状の冷却側流路22を有し、第1熱媒体で熱源体36から熱を吸収することにより熱源体36を冷却する。冷却側流路22には、冷却側ポンプ30と、熱源体36と、熱交換器110と、冷却側サーモスタット38と、ラジエータ40と、が第1熱媒体の還流方向(矢線X)に沿って、その順で配置される。冷却側流路22のうち、ラジエータ40の上流側流路と下流側流路の間にはバイパス流路24が接続される。また、冷却回路20には、熱交換器110から流出する第1熱媒体の第1温度T1を検出する第1温度センサ48が設けられる。
冷却側ポンプ30は、第1熱媒体を吸込口30aで吸込んで吐出口30bから吐出する。熱源体36は、走行用の駆動モータや駆動モータの駆動回路やバッテリのような冷却が必要な冷却対象物である。熱源体36には、第1熱媒体の流路が近接して設けられる。例えば、駆動モータはその周囲をケースで覆われ、そのケースには第1熱媒体を流す流路が形成される。駆動モータの熱はケースを介して第1熱媒体に吸収される。熱交換器110に関しては後述する。
冷却側サーモスタット38は、冷却側流路22とバイパス流路24との分岐部分に設けられており、第1熱媒体の温度が所定温度未満の場合に開弁し、第1熱媒体の温度が所定温度以上の場合には閉弁する。冷却側サーモスタット38が開弁すると、ラジエータ40の上流側と下流側とが冷却側流路22およびバイパス流路24で連通し、冷却側サーモスタット38が閉弁すると、ラジエータ40の上流側と下流側とが冷却側流路22のみで連通する。ラジエータ40は、第1熱媒体を流す流路を備える熱交換装置であり、第1熱媒体と車室外の空気との間で熱交換を行い、第1熱媒体の熱を車室外に放散する。なお、ラジエータ40による放熱を効率的に行うために、ラジエータ40の対向位置にはファン42が設けられる。
空調回路50は、フロン等の第2熱媒体を還流させる環状の空調側流路52を有し、ヒータコア64で第2熱媒体の熱を放散する。空調側流路52には、空調側ポンプ60と、熱交換器110と、ヒータコア64と、が第2熱媒体の還流方向(矢線Y)に沿って、その順で配置される。また、空調回路50には、熱交換器110から流出する第2熱媒体の第2温度T2を検出する第2温度センサ68が設けられる。
空調側ポンプ60は、第2熱媒体を吸込口60aで吸込んで吐出口60bから吐出する。熱交換器110に関しては後述する。ヒータコア64は、第2熱媒体を流す流路を備える熱交換装置であり、第2熱媒体と空調装置70の空調ダクト76内の空気との間で熱交換を行い、第2熱媒体の熱を空調ダクト76内に放散する。
空調装置70は、外気導入ダクト72と、内気循環ダクト74と、空調ダクト76と、送風ダクト80と、排気ダクト78と、ブロア82と、第1ドア84と、第2ドア86と、第3ドア88と、第4ドア90と、を備える。空調ダクト76は、内部にブロア82とヒータコア64とが配置され、上流側が外気導入ダクト72および内気循環ダクト74に接続され、下流側が排気ダクト78および送風ダクト80に接続される。外気導入ダクト72は、車室外と空調ダクト76の上流側とを連通する。内気循環ダクト74は、車室内と空調ダクト76の上流側とを連通する。排気ダクト78は、車室外と空調ダクト76の下流側とを連通する。送風ダクト80は、車室内と空調ダクト76の下流側とを連通する。
ブロア82は、車室外から外気導入ダクト72を介して、または、車室内からまたは内気循環ダクト74を介して空調ダクト76に空気を取り入れ、排気ダクト78を介して車室外に、または、送風ダクト80を介して車室内に空気を送り出すように作動する。ヒータコア64は、ブロア82と排気ダクト78および送風ダクト80との間に配置される。
第1ドア84は、空調ダクト76と外気導入ダクト72および内気循環ダクト74との接続位置に設けられる。第1ドア84は、空調ダクト76に対して、外気導入ダクト72を閉塞しかつ内気循環ダクト74を開放する状態と、外気導入ダクト72を開放しかつ内気循環ダクト74を閉塞する状態と、を切り替える。第2ドア86は、ヒータコア64の上流側に設けられる。第2ドア86は、ブロア82から送り出される風のうちヒータコア64に流す風量を調節するエアミックスドアである。第3ドア88は、空調ダクト76と排気ダクト78との接続位置に設けられる。第3ドア88は、空調ダクト76に対して排気ダクト78を開放する状態と閉塞する状態とを切り替える。第4ドア90は、空調ダクト76と送風ダクト80との接続位置に設けられる。第4ドア90は、空調ダクト76に対して送風ダクト80を開放する状態と閉塞する状態とを切り替える。第1ドア84〜第4ドア90の開閉動作は、図示しない駆動モータが行う。
駆動系制御部100と空調制御部102は、共にECUにより構成され、プロセッサ等の演算装置と、ROMやRAM等の記憶装置と、を備える。駆動系制御部100と空調制御部102は、演算装置が記憶装置に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。駆動系制御部100は、熱源体36としての駆動モータおよび駆動回路を制御する。空調制御部102は、車室内に設けられる操作パネル104で指示される暖房要求に応じて、空調装置70の各種作動部の動作、例えば、ブロア82の回転動作や第1ドア84〜第4ドア90の開閉動作を制御する。
空調制御部102の記憶装置には、第1熱媒体および第2熱媒体に関する所定温度が記憶される。第1熱媒体に関しては、冷却回路上限温度T1maxと冷却回路下限温度T1minが記憶される。第2熱媒体に関しては、空調回路上限温度T2maxと空調回路目標温度T2tarが記憶される。各温度T1max、T1min、T2maxは任意に設定可能である。例えば、冷却回路上限温度T1maxとしては、第1熱媒体が冷媒として機能するために必要な温度範囲の上限温度が設定される。冷却回路下限温度T1minとしては、第1熱媒体が冷媒として機能するために必要な温度範囲の下限温度(凍結しない温度)が設定される。空調回路上限温度T2maxとしては、第2熱媒体が第1熱媒体から熱を吸収するために必要な温度範囲の上限温度が設定される。また、記憶装置には、空調回路目標温度T2tarを求めるためのマップが記憶される。このマップは、操作パネル104で設定される設定温度と室内温度センサ106で検出される車室温度との組み合わせと空調回路目標温度T2tarとを対応付けたものである。
[2.熱交換器110の構成]
図2に示されるように熱交換器110は、冷却側流路22を流れる第1熱媒体と空調側流路52を流れる第2熱媒体との間で熱交換を行う回路間熱交換装置である。熱交換器110は、冷却回路側熱交換器112と、空調回路側熱交換器114と、ヒートパイプ116と、ペルチェ素子118と、を備える。冷却回路側熱交換器112は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミニウムで形成されており、その内部に第1熱媒体が流れる流路が形成される。空調回路側熱交換器114は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミニウムで形成されており、その内部に第2熱媒体が流れる流路が形成される。
ヒートパイプ116は、一端側に作動液を蒸発させる蒸発部116aを有し、他端側に作動液の蒸気を凝縮させる凝縮部116bを有する。ヒートパイプ116の蒸発部116aと冷却回路側熱交換器112はペルチェ素子118を介して接続され、ヒートパイプ116の凝縮部116bと空調回路側熱交換器114は直接接続される。ペルチェ素子118には、冷却回路側熱交換器112側に配置される電極からヒートパイプ116の蒸発部116a側に配置される電極への熱移動が発生するように、図示しない直流電源が接続される。ペルチェ素子118の駆動(通電)と停止(通電停止)は空調制御部102が切り替える。
[3.車両用廃熱利用装置10の動作]
図3、図4を用いて車両用廃熱利用装置10の動作を説明する。以下で説明する処理は、電動車両の電源が投入されている間に所定時間間隔で繰り返し実行される。図3に示されるステップS2〜ステップS5の処理は、冬季等、暖房が使用されるときに熱源体36の廃熱を車室内の暖房に利用する処理である。一方、図4に示されるステップS12〜ステップS18の処理は、夏季等、暖房が使用されないときに熱源体36の廃熱を車室外に放散する処理である。
図3のステップS1において、空調制御部102は、空調装置70の暖房要求があるか否かを判定する。電動車両の乗員が操作パネル104を操作すると、操作パネル104から空調制御部102に対して暖房作動信号または暖房停止信号が出力される。空調制御部102は、暖房作動信号を入力すると、暖房停止信号を入力するまで暖房要求があるものと判定する。暖房要求がある場合(ステップS1:YES)、処理はステップS2に移行する。一方、暖房要求がない場合(ステップS1:NO)、処理は図4のステップS11に移行する。
ステップS1からステップS2に移行すると、空調制御部102は、ブロア82および空調側ポンプ60を駆動状態にする。このとき、未だブロア82および空調側ポンプ60を駆動させていない場合は駆動させ、既にブロア82および空調側ポンプ60を駆動させている場合は駆動状態を維持する。空調制御部102は、ブロア82からヒータコア64に対して送風されるように、第2ドア86の位置を調整する。また、ヒータコア64で暖められた空気が車室内に送風されるように、第4ドア90の位置を調整して送風ダクト80を開放すると共に、第3ドア88の位置を調整して排気ダクト78を閉塞する。
ステップS3において、空調制御部102は、第1温度センサ48で検出される第1温度T1と冷却回路下限温度T1minとを比較する。T1>T1minである場合(ステップS3:YES)、第1熱媒体がペルチェ素子118で吸収できる熱を有する状態であり、処理はステップS4に移行する。一方、T1≦T1minである場合(ステップS3:NO)、第1熱媒体がペルチェ素子118で吸収できる熱を有さない状態であり、処理はステップS6に移行する。
空調制御部102は、ペルチェ素子118を駆動させる際に、熱源体36の発熱量と、第1温度センサ48、第2温度センサ68の検出結果と、に基づいて、ペルチェ素子118に通電する最適な電流値を算出する。例えば、熱源体36の発熱量が所定値を上回り、第1温度センサ48により検出される第1温度T1が冷却回路下限温度T1minを上回り、第2温度センサ68により検出される第2温度T2が空調回路上限温度T2maxを下回る場合は、ペルチェ素子118に通電する電流値を増加させる。熱源体36が駆動モータの場合は、駆動モータに流れる電流値と駆動回路の熱損失係数とに基づいて発熱量を算出する。
ステップS3からステップS4に移行すると、空調制御部102は、第2温度センサ68で検出される第2温度T2と空調回路目標温度T2tarとを比較する。T2<T2tarである場合(ステップS4:YES)、第2熱媒体が暖房に適した温度に未だ達していない状態であり、処理はステップS5に移行する。一方、T2≧T2tarである場合(ステップS4:NO)、第2熱媒体が暖房に適した温度に既に達している状態であり、処理はステップS6に移行する。
ステップS4からステップS5に移行すると、空調制御部102は、ペルチェ素子118を駆動状態にする。このとき、未だペルチェ素子118を駆動させていない場合はペルチェ素子118を駆動させ、既にペルチェ素子118を駆動させている場合はペルチェ素子118の駆動状態を維持する。
ステップS3またはステップS4からステップS6に移行すると、空調制御部102は、ペルチェ素子118を停止状態にする。このとき、未だペルチェ素子118を停止させていない場合はペルチェ素子118を停止させ、既にペルチェ素子118を停止させている場合はペルチェ素子118の停止状態を維持する。この処理により、第1熱媒体からの吸熱および第2熱媒体への放熱を抑制する。ここで一連の処理を一旦終了し、次の一連の処理を実行するタイミングまで待機する。
図3のステップS1から図4のステップS11に移行すると、空調制御部102は、第1温度センサ48で検出される第1温度T1と冷却回路上限温度T1maxとを比較する。T1>T1maxである場合(ステップS11:YES)、熱源体36が過熱して第1熱媒体の第1温度T1が過度に上昇している状態であり、処理はステップS12に移行する。一方、T1≦T1maxである場合(ステップS11:NO)、熱源体36の温度は許容範囲内にあり第1熱媒体の第1温度T1がそれほど上昇していない状態であり、処理はステップS19に移行する。
ステップS11からステップS12に移行すると、空調制御部102は、車室外に対して空調ダクト76を開放する。このとき、空調制御部102は、第1ドア84および第3ドア88の位置を調整して空調ダクト76と車室外とを連通する。また、ブロア82からヒータコア64に対して送風されるように、第2ドア86の位置を調整する。また、第4ドア90の位置を調整して送風ダクト80を閉塞する。
ステップS13において、空調制御部102は、ブロア82および空調側ポンプ60を駆動状態にする。このとき、未だブロア82および空調側ポンプ60を駆動させていない場合は駆動させ、既にブロア82および空調側ポンプ60を駆動させている場合は駆動状態を維持する。
ステップS14において、空調制御部102は、ペルチェ素子118を駆動状態にする。このとき、未だペルチェ素子118を駆動させていない場合はペルチェ素子118を駆動させ、既にペルチェ素子118を駆動させている場合はペルチェ素子118の駆動状態を維持する。
ステップS15において、空調制御部102は、第2温度センサ68で検出される第2温度T2と空調回路上限温度T2maxとを比較する。T2<T2maxである場合(ステップS15:YES)、第2熱媒体がまだ熱を吸収できる状態であり、処理はステップS17に移行する。一方、T2≧T2maxである場合(ステップS15:NO)、第2熱媒体が既に熱を吸収できない状態であり、処理はステップS16に移行する。
ステップS15からステップS16に移行すると、空調制御部102は、ペルチェ素子118に対する通電量を低減させて、ペルチェ素子118の熱移動量、すなわち冷却回路側熱交換器112からヒートパイプ116の蒸発部116aへの熱移動量を低減させる。
ステップS15からステップS17に移行すると、空調制御部102は、ペルチェ素子118に対する通電量を増加させて、ペルチェ素子118の熱移動量、すなわち冷却回路側熱交換器112からヒートパイプ116の蒸発部116aへの熱移動量を増加させる。
ステップS18において、空調制御部102は、第1温度センサ48で検出される第1温度T1と冷却回路上限温度T1maxとを比較する。T1<T1maxである場合(ステップS18:YES)、熱源体36の冷却が行われて第1熱媒体の第1温度T1がある程度低下した状態であり、処理はステップS19に移行する。一方、T1≧T1maxである場合(ステップS18:NO)、熱源体36の冷却が不十分であり第1熱媒体の第1温度T1があまり低下していない状態であり、処理はステップS15に戻る。
ステップS18からステップS19に移行すると、空調制御部102は、ペルチェ素子118を停止状態にする。このとき、未だペルチェ素子118を停止させていない場合はペルチェ素子118を停止させ、既にペルチェ素子118を停止させている場合はペルチェ素子118の停止状態を維持する。
ステップS20において、空調制御部102は、ブロア82および空調側ポンプ60を停止状態にする。このとき、未だブロア82および空調側ポンプ60を停止させていない場合は停止させ、既にブロア82および空調側ポンプ60を停止させている場合は停止状態を維持する。ここで一連の処理を一旦終了し、次の一連の処理を実行するタイミングまで待機する。
[4.別実施形態]
熱源体36としての駆動モータや駆動回路は、登坂時や牽引時等のようにモータ負荷が大きい場合に発熱量が大きくなる。前述した実施形態は、ペルチェ素子118を利用しているため、夏季等外気温が比較的高い状態であっても駆動モータや駆動回路を効率的に冷却可能である。
なお、斜度の大きな坂道を登坂走行する際、駆動モータへ大きな負荷が掛かることにより駆動部や冷却水温が上昇する。この様な状況では、過度な温度上昇を防ぐため、駆動モータの出力制限をする場合がある。そこで、モータ負荷が大きくなる状況やモータ回転数が高くなる状況を予測し、事前に駆動モータや駆動回路を冷却するようにしてもよい。例えば、ナビゲーション装置等の測位装置で電動車両の走行位置を計測すると共に、地図情報から道路情報を取得し、走行位置よりも所定距離前方に上り坂が存在する場合に、図4のステップS12〜ステップS14の処理を行うようにしてもよい。このとき走行予定経路の情報を使用してもよい。このように予め駆動モータや駆動回路を冷却しておくことにより、駆動モータや駆動回路の昇温を遅らせることができる。その結果、駆動モータの出力制限のレンジを狭めることができる。
また、図5に示されるように、空調側流路52のうち熱交換器110とヒータコア64との間に電気ヒータ62が配置されてもよい。空調制御部102は、第2熱媒体の第2温度T2または車室内の温度に応じて電気ヒータ62の作動と停止を制御する。
また、冷却回路20には、熱源体36から流出して熱交換器110に流入する第1熱媒体の第1温度T1を検出する第3温度センサ46が設けられてもよい。この場合、空調制御部102は、第3温度センサ46の検出結果に基づいて熱源体36の発熱量を算出し、その算出結果と第1温度センサ48、第2温度センサ68の検出結果と、に基づいて、ペルチェ素子118に通電する最適な電流値を算出する。
図1、図5に示される冷却回路20と空調回路50は基本的な構成部品のみを有する。冷却回路20および/または空調回路50は、本実施形態の機能を損なわない範囲で他の構成部品や流路を有していてもよい。例えば、空調側ポンプ60の代わりに圧縮機が設けられていてもよい。この場合、ヒータコア64の上流側に圧縮機が設けられ、更に、ヒータコア64と熱交換器110の間に減圧弁が設けられてもよい。
[5.実施形態のまとめ]
車両用廃熱利用装置10は、冷却側流路22に第1熱媒体を還流させて熱源体36から熱を吸収する冷却回路20と、空調側流路52に第2熱媒体を還流させてヒータコア64で熱を放散する空調回路50と、冷却回路20と空調回路50とに跨って設けられて、第1熱媒体と第2熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器110と、を備える。熱交換器110は、内部に第1熱媒体が流れる冷却回路側熱交換器112と、内部に第2熱媒体が流れる空調回路側熱交換器114と、蒸発部116aがペルチェ素子118を介して冷却回路側熱交換器112に接続され、凝縮部116bが空調回路側熱交換器114に接続されるヒートパイプ116と、を有する。ペルチェ素子118は、冷却回路側熱交換器112から吸収した熱をヒートパイプ116の蒸発部116aに放散する。
上記構成によれば、冷却回路20と空調回路50との間の熱移動をヒートパイプ116で行うため、車両内における冷却回路20と空調回路50のレイアウトの自由度を高くすることができる。また、上記構成によれば、熱交換器110において、吸熱側の冷却回路側熱交換器112とヒートパイプ116の蒸発部116aとの間にペルチェ素子118が設けられるため、ヒートパイプ116内の作動液の気化を促進してヒートパイプ116内での熱移動を効率的に行うことができる。このため、冷却回路20から空調回路50への熱移動を効率的に行うことができ、暖房効率は向上する。
車両用廃熱利用装置10は、冷却回路側熱交換器112から流出する第1熱媒体の第1温度T1を検出する第1温度センサ48と、空調回路側熱交換器114から流出する第2熱媒体の第2温度T2を検出する第2温度センサ68と、第1温度T1および第2温度T2に応じてペルチェ素子118の作動と作動停止との切り替えを制御する空調制御部102と、を更に備える。
上記構成によれば、熱交換器110から流出する第1熱媒体の第1温度T1および熱交換器110から流出する第2熱媒体の第2温度T2に応じてペルチェ素子118の作動と作動停止との切り替えを行うため、冷却回路20から空調回路50への熱移動をより効率的に行うことができる。
車両用廃熱利用装置10は、ヒータコア64で空気を暖めて車室内または車室外に送風する空調装置70を更に備える。空調制御部102は、空調装置70に対する暖房動作の要求があり、かつ、第1温度T1が所定の冷却回路下限温度T1minを上回り、かつ、第2温度T2が所定の空調回路目標温度T2tarを下回る場合に、ペルチェ素子118を作動させつつ、ヒータコア64で暖められた空気が車室内に送風されるように空調装置70を制御する。
上記構成によれば、熱交換器110から流出する第1熱媒体の第1温度T1が冷却回路下限温度T1minを上回る場合、すなわち熱源体36から第1熱媒体が吸熱している場合であり、熱交換器110から流出する第2熱媒体の第2温度T2が所定の空調回路目標温度T2tarを下回る場合、すなわち第2熱媒体が十分に昇温していない場合に、熱源体36の廃熱を利用して車室内を暖房することができる。
空調制御部102は、空調装置70に対する暖房動作の要求がなく、かつ、第1温度T1が所定の冷却回路上限温度T1maxを上回る場合に、ペルチェ素子118を作動させつつ、ヒータコア64で暖められた空気が車室外に送風されるように空調装置70を制御する。
上記構成によれば、熱交換器110から流出する第1熱媒体の第1温度T1が冷却回路上限温度T1maxを上回る場合、すなわち、熱源体36が過熱している場合に、熱源体36の廃熱を車室外に放散することができる。
空調制御部102は、第2温度T2が所定の空調回路上限温度T2maxを下回る場合に、ペルチェ素子118の熱移動量を増加させ、第2温度T2が所定の空調回路上限温度T2maxを上回る場合に、ペルチェ素子118の熱移動量を低減させる。
上記構成によれば、熱交換器110から流出する第2熱媒体の第2温度T2と空調回路上限温度T2maxとを比較することにより第2熱媒体に吸熱の余地があるか否かを判断し、その結果に応じてペルチェ素子118を作動させるため、ペルチェ素子118に供給する電力量を節約することができる。
なお、本発明に係る車両用廃熱利用装置は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…車両用廃熱利用装置 20…冷却回路
22…冷却側流路 36…熱源体
50…空調回路 52…空調側流路
64…ヒータコア 110…熱交換器
112…冷却回路側熱交換器 114…空調回路側熱交換器
116…ヒートパイプ 116a…蒸発部
116b…凝縮部 118…ペルチェ素子

Claims (5)

  1. 冷却側流路に第1熱媒体を還流させて熱源体から熱を吸収する冷却回路と、
    空調側流路に第2熱媒体を還流させてヒータコアで熱を放散する空調回路と、
    前記冷却回路と前記空調回路とに跨って設けられて、前記第1熱媒体と前記第2熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、を備える車両用廃熱利用装置であって、
    前記熱交換器は、
    内部に前記第1熱媒体が流れる冷却回路側熱交換器と、
    内部に前記第2熱媒体が流れる空調回路側熱交換器と、
    蒸発部がペルチェ素子を介して前記冷却回路側熱交換器に接続され、凝縮部が前記空調回路側熱交換器に接続されるヒートパイプと、を有し、
    前記ペルチェ素子は、前記冷却回路側熱交換器から吸収した熱を前記ヒートパイプの前記蒸発部に放散する
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  2. 請求項1に記載の車両用廃熱利用装置において、
    前記冷却回路側熱交換器から流出する前記第1熱媒体の第1温度を検出する第1温度センサと、
    前記空調回路側熱交換器から流出する前記第2熱媒体の第2温度を検出する第2温度センサと、
    前記第1温度および前記第2温度に応じて前記ペルチェ素子の作動と作動停止との切り替えを制御する制御部と、を更に備える
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  3. 請求項2に記載の車両用廃熱利用装置において、
    前記ヒータコアで空気を暖めて車室内または車室外に送風する空調装置を更に備え、
    前記制御部は、
    前記空調装置に対する暖房動作の要求があり、かつ、前記第1温度が所定の冷却回路下限温度を上回り、かつ、前記第2温度が所定の空調回路目標温度を下回る場合に、前記ペルチェ素子を作動させつつ、前記ヒータコアで暖められた前記空気が前記車室内に送風されるように前記空調装置を制御する
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  4. 請求項2に記載の車両用廃熱利用装置において、
    前記ヒータコアで空気を暖めて車室内または車室外に送風する空調装置を更に備え、
    前記制御部は、
    前記空調装置に対する暖房動作の要求がなく、かつ、前記第1温度が所定の冷却回路上限温度を上回る場合に、前記ペルチェ素子を作動させつつ、前記ヒータコアで暖められた前記空気が前記車室外に送風されるように前記空調装置を制御する
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  5. 請求項4に記載の車両用廃熱利用装置において、
    前記制御部は、
    前記第2温度が所定の空調回路上限温度を下回る場合に、前記ペルチェ素子の熱移動量を増加させ、前記第2温度が所定の空調回路上限温度を上回る場合に、前記ペルチェ素子の熱移動量を低減させる
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
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