JP2019094479A - 成形体 - Google Patents

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展久 三川
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亮一 関
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Abstract

【課題】成形体の使用初期から所望の滑り性能を有し、長期間に亘って滑り性能と摩耗性能を有する成形体を得ることにある。【解決手段】本発明は、ゴム(A)100質量部と、下記要件(i)〜(iii)を満たす超高分子量オレフィン系重合体(B)を5〜80質量部とを含有するゴム組成物から形成された前駆成形体の表面を、平均粒子径d50が前記超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50の2倍以下である砥粒(Y)で表面を研磨してなる成形体にかかわる。(i)DSCで測定した融点(Tm)が120℃以上である。(ii)ASTM D4020に準じて135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が3〜50dl/gの範囲にある。(iii)平均粒子径d50が、1〜200μmの範囲にある。【選択図】なし

Description

本発明は、動摩擦係数の低い、いわゆる滑り性を有し、耐摩耗性に優れた成形体、およびその製造方法に関する。
近年ゴム部品は自動車をはじめ、建物、OA機器等、日常生活の至る所で使用されている。ゴムと相手材との滑り性を良くするために、シリコーングリースを塗布する方法やワックスを配合する方法、シリコーンオイルを配合するなどの種々の方法が採用されている。しかしながら、ゴムと相手材との接触部にシリコーングリースを塗布する方法を採用した場合、アセンブリ工数が増加するためコストアップにつながるという問題があり、ゴム組成物にシリコーンオイルを配合する方法を採用した場合、使用の初期には摩擦係数が低い効果はあるが、長期間使用するとゴム表面が摩耗するという問題点がある。
ゴム組成物からなる成形体の摩擦抵抗を軽減する方法として、超高分子量ポリエチレン粉末をゴムに配合することが幾つか提案されている(特許文献1〜3)。
しかしながら、特許文献1では、超高分子量ポリエチレン粉末をゴムに配合するだけでは、特に使用の初期において、超高分子量ポリエチレンがゴム表面に十分露出していないため、滑り性が十分ではなく、滑り性を付与するためには脂肪酸アミドやシリコーンオイルを併用して配合する必要がある。
また、特許文献4には高圧ゴムホ−ス表面に超高分子量ポリエチレン粉末を付着、または超高分子量ポリエチレン粉末を層状に形成して一体化させてなる高圧ゴムホースが提案されているが、この場合、高圧ホースを加硫する前に超高分子量ポリエチレン粉末からなる層をゴム組成物の上に設けなければならないため、製造コストがかかり過ぎ、また、インジェクション加硫が困難であるという問題がある。
特開平9−20838号公報 特開昭63−95241号公報 特開平1−217049号公報 特開2005−144833号公報
本発明の課題は、成形体の使用初期から所望の滑り性能を有し、長期間に亘って滑り性能と摩耗性能を有する成形体を得ることにある。
上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、超高分子量オレフィン系重合体の粉末を配合したゴム組成物からなる前駆成形体の表面を特定の砥粒を持つ研磨材料で研磨処理することで、成形体とゴムとが摺動する部分や成形体と金属が摺動する部分に使用した場合、使用の初期にも滑り性が確保され、成形体の表面が摩耗しても超高分子量オレフィン系重合体粉末が常に確実に表面に存在し、ゴム成形体の表面に露出した超高分子量ポリエチレンによって、長期間に亘って滑り性能と摩耗性能を有する成形体を提供できることがわかった。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[4]に関する。
[1]ゴム(A)100質量部と、下記要件(i)〜(iii)を満たす超高分子量オレフィン系重合体(B)を5〜80質量部とを含有するゴム組成物から形成された前駆成形体の表面を、平均粒子径d50が前記超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50の2倍以下である砥粒(Y)で表面を研磨してなる成形体。
(i)DSCで測定した融点(Tm)が120℃以上である。
(ii)ASTM D4020に準じて135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が3〜50dl/gの範囲にある。
(iii)平均粒子径d50が、1〜200μmの範囲にある。
[2]前記ゴム組成物が、加硫剤(C)を含有してなる[1]に記載の成形体。
[3]前記超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50が、5〜35μmの範囲にある、[1]または[2]に記載の成形体。
[4][1]に記載のゴム組成物を型加硫成形して前駆成形体を得た後、[1]に記載の砥粒(Y)で、当該前駆成形体の表面を研磨する工程を含んでなる成形体の製造方法。
本発明の成形体は、より簡易な工程で製造できることに加え、機械的強度特性などの物性に優れ、しかも使用の初期にも滑り性が確保され、成形体の表面が摩耗しても超高分子量オレフィン系重合体粉末が常に成形体の表面に露出(存在)し、長期間に亘って滑り性能と摩耗性能に優れる。
以下、本発明に係る成形体を得るに好適なゴム組成物について具体的に説明する。なお、本発明では、数値範囲を示す「A〜B」はとくに断りがなければ、A以上B以下を表す。
本発明に係るゴム組成物は、天然ゴムおよび合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム(A)と、超高分子量オレフィン重合体(B)と、必要に応じて加硫剤(C)とから構成されている。
本発明においては、超高分子量オレフィン系重合体(B)は、ゴム(A)100質量部に対して、5〜80質量部、好ましくは10〜70質量部、更に好ましくは、20〜60質量部の割合で用いられる。ゴム(A)中に混合分散させる超高分子量オレフィン系重合体の量が5質量部未満であると、滑り性と摩耗特性に優れる成形体を得ることができない。また、この超高分子量オレフィン系重合体(B)の量が80質量部を超えると、配合ゴム(未加硫)の加工性および当該配合ゴム(ゴム組成物)を加硫して得られる成形体の機械的性質が悪化するため好ましくない。
<ゴム(A)>
本発明に係るゴム(A)は、天然ゴム(NR)あるいは合成ゴムである。合成ゴムとしては、具体的には、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)などが挙げられる。これらのうち、耐候性が要求される外装材の用途には、EPR、EPDMなどのポリオレフィン系ゴムが好ましく用いられる。
<超高分子量オレフィン系重合体(B)>
本発明に係わる超高分子量オレフィン系重合体(B)とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどの単独重合体や、エチレンと少量の他のα−オレフィン、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび4−メチル−1−ペンテンなどとの共重合体であるが、好ましくはエチレン系のポリマーであり、特に好ましくはエチレンの単独重合体であり、通常、成形加工されるオレフィン重合体に比べ、分子量が大きい重合体である。
本発明において超高分子量オレフィン系重合体(B)の製造方法は、下記要件(i)〜(iii)を満たすものであれば特に限定はされないが、例えば、以下の文献に開示された方法により製造することができる。
(1)国際公開2006/054696号パンフレット
(2)国際公開2008/013144号パンフレット
(3)国際公開2009/011231号パンフレット
(4)国際公開2010/074073号パンフレット
本発明に係る超高分子量オレフィン系重合体(B)は下記要件(i)〜(iii)を満たす。
要件(i)
本発明に係る超高分子量オレフィン系重合体(B)は、DSC(示差走査熱量計)で測定された融点が120℃以上である。融点が120℃未満の超高分子量オレフィン系重合体は、バンバリーミキサーなどの実用混練機を用いて混合させた際に溶融し、冷却された後にゴム組成物が加工できなくなる虞がある。また、融点が120℃未満の超高分子量オレフィン系重合体を用いて得られたゴム組成物を加硫してなる成形体は、高温下での性質、例えば圧縮永久歪が大きくなる等の熱的特性が悪化する。よって、本発明では、120℃以上の温度で加硫する温度未満の融点を有する超高分子量オレフィン系重合体を使用することが好ましい。
要件(ii)
本発明に係る超高分子量オレフィン系重合体(B)の135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]は3〜50dl/g、好ましくは5〜35dl/g、より好ましくは5〜30dl/gの範囲である。このような超高分子量オレフィン系重合体を使用することにより、加硫時に超高分子量オレフィン系重合体がゴム組成物の流れ方向に偏平したり、フローすることがなく均一な表面状態を有する成形体を得ることができる。また、得られる成形体は耐摩耗性および自己潤滑性などに優れるのでより好ましい。
要件(iii)
本発明に係る超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50は、コールターカウンター法による重量基準粒度分布の測定によって、粒形分布の積算値が50質量%となる値であり、平均粒子径d50は1〜200μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜40μm、さらに好ましくは1〜35μm、特に好ましくは5〜35μmの範囲である。さらに成形体の滑り性能を向上するには、5〜15μmの範囲であることがより好ましい。
ゴム(A)に配合される超高分子量オレフィン系重合体は、上述した超高分子量オレフィン系重合体(B)に放射線を照射してもよい。
超高分子量オレフィン系重合体(B)に放射線を照射することによって、分子鎖の切断と架橋が生じ、その結果、分子鎖が架橋点で結び合わされる。これより、ガラス転移温度あるいは融点以上でも分子鎖が勝手に流動することができなくなり、高温特性が改善される。さらに応力を受けても形態を保つことができ、機械的特性を保持できるようになる。
放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、イオンなどがあり、いずれも使用可能であるが、電子線あるいはγ線が適している。
放射線の照射線量は、使用する超高分子量オレフィン系重合体(B)を構成するモノマー種によっても異なるが、通常20〜700kGy、好ましくは100〜500kGyであることが望まれる。
照射線量が上記範囲内にある場合、超高分子量オレフィン系重合体(B)の架橋反応が効率よく進行し、このようにして得られた架橋超高分子量オレフィン系重合体をゴム組成物に使用すると、粒子同士の再凝集を抑制することができる。
上記照射線量が700kGy以下であると、ポリマーを劣化することなく、架橋反応を効率よく進行できる。また、上記照射線量が20kGy以上であると、ポリマー鎖の架橋が十分な架橋速度で進み、好ましい。
<加硫剤(C)>
加硫剤(C)は、本発明に係るゴム組成物に含有されていなくてもよいし、また含有されていてもよい。加硫剤(C)を含有していない本発明に係るゴム組成物は、加硫を行なう際(成形体を得る際)に、加硫剤(C)が配合される。
加硫の際に使用される加硫剤(C)としては、イオウ、イオウ化合物および有機過酸化物が挙げられる。
《イオウおよびイオウ化合物》
イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。
イオウ化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジスルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなども使用することができる。中でもイオウが好ましく用いられる。
イオウないしイオウ化合物は、ゴム(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の割合で用いられる。
また、加硫剤(C)としてイオウ、イオウ化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。
<加硫促進剤>
加硫促進剤としては、具体的には、
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2− ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物;
2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド− アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;
2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;
ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;
亜鉛華等の化合物を挙げることができる。
これらの加硫促進剤は、ゴム(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の割合で用いられる。
《有機過酸化物》
有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物加硫に使用されるものであればよい。具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)− ヘキサン、α,α’− ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、ジクミルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5− トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
有機過酸化物は、ゴム(A)100gに対して、0.0003〜0.05モル、好ましくは0.001〜0.03モルの割合で使用されるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
加硫剤(C)として有機過酸化物を使用するときは、加硫助剤を併用することが好ましい。加硫助剤としては、具体的には、イオウ;p− キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
このような加硫助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して、0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
<その他の成分>
本発明に係るゴム組成物には、意図する加硫物の用途、性能に応じて、ゴム(A)、超高分子量オレフィン系重合体(B)および加硫剤(C)の他に、ゴム補強剤、充填剤、軟化剤の種類およびその配合量、また加硫助剤などの化合物の種類およびその配合量、老化防止剤、加工助剤の種類およびその配合量、また必要に応じ発泡剤、発泡助剤などの発泡のための化合物の種類およびその配合量、脱泡剤、さらに加硫物を製造する工程(成形体を得る工程)を適宜選択できる。
加硫物中に占めるゴム(A)と超高分子量オレフィン系重合体(B)との総量は、意図する加硫物の性能、用途に応じて適宜選択できるが、通常20質量%以上、好ましくは25質量%以上である。
[ゴム補強剤および充填剤]
上記ゴム補強剤は、得られる成形体の引張り強さ、引裂き強さ、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。
このようなゴム補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック、シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸などが挙げられる。
上記充填剤は、物性にあまり影響を与えることなく、得られる成形体の硬度を高くしたり、コストを引き下げることを目的として使用される。
このような充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
また、超高分子量オレフィン系重合体(B)を使用することで得られる成形体の硬度を高くすることが可能である。
これらのゴム補強剤および充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、これらの配合量は、通常、ゴム(A)100質量部に対して、最大300質量部、好ましくは最大200質量部である。
[軟化剤]
上記軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質などを挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
これらの軟化剤の配合量は、加硫物の用途により適宜選択できるが、その配合量は、通常、ゴム(A)100質量部に対して、最大150質量部、好ましくは最大100質量部である。
[老化防止剤]
老化防止剤を使用すれば、さらに材料寿命を長くすることが可能である。このことは、通常のゴムの場合と同様である。
本発明で用いられる老化防止剤としては、具体的には、
フェニルナフチルアミン、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェノール系安定剤;
ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系安定剤;
2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系安定剤;
ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系安定剤;
2,2,4−トリメチル−1,2− ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系安定剤などが挙げられる。これらの老化防止剤は、単独あるいは2種以上が併用して用いられる。
このような老化防止剤は、ゴム(A)100質量部に対して、5質量部以下、好ましくは3質量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
[加工助剤]
上記加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩、リシノール酸エステル、ステアリン酸エステル、パルチミン酸エステル、ラウリン酸エステル等の高級脂肪酸エステル類などが挙げられる。
このような加工助剤は、通常、ゴム(A)100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは5質量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
[発泡剤および発泡助剤]
本発明に係るゴム組成物は、上述したように、必要に応じ通常ゴムに使用される発泡剤および発泡助剤を配合し、成形、発泡、加硫を行うことで得ることができる。
発泡剤としては、具体的には、
重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;
N,N’− ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’− ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;
カルシウムアジド、4,4−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。
これらの発泡剤は、ゴム(A)100質量部に対して、0.5〜30質量部、好ましくは1〜20質量部の割合で用いられる。
必要に応じて、発泡剤と併用される発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
これらの発泡助剤は、ゴム(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
[脱泡剤]
ゴム組成物を加硫する場合、内包する水分により気泡ができたり、発泡度が異なったりすることがある。これらを防止するために、脱泡剤として酸化カルシウムを添加してもよい。
このような脱泡剤は、通常ゴム(A)100質量部に対して、20質量部以下、好ましくは10質量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
ゴム組成物の調製
本発明に係るゴム組成物は、ゴム(A)、超高分子量オレフィン系重合体(B)および必要に応じて用いられる上述した加硫剤(C)、また、必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、ゴム補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、発泡剤、発泡助剤、脱泡剤などのゴム配合剤を上記範囲内の所定量を混合し、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製することができる。
本発明に係るゴム組成物(未加硫の配合ゴム)は、たとえば次のような方法で調製される。すなわち、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類により、ゴム(A)および充填剤、軟化剤などの添加剤を80〜190℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、超高分子量オレフィン系重合体(B)、加硫剤、必要に応じて加硫促進剤または加硫助剤、発泡剤を200℃未満の温度下で追加混合する。好ましくは、ゴムや加硫剤の劣化を考慮し、160℃未満、更に好ましくは、140℃未満、特に好ましくは120℃未満の温度下で追加混合する。ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
また、インターナルミキサー類での混合温度が高くても、ポリマー、充填剤、軟化剤などとともに超高分子量オレフィン系重合体(B)、加硫剤、加硫促進剤、発泡剤などを同時に混練してもよい。
以上のようにして調製されたゴム組成物は、自動車部品をはじめ種々の用途に用いることができ、特に型成形により調製される用途に好適に用いることができる。
<前駆成形体の調製>
本発明に係るゴム組成物から前駆成形体を調製するには、通常一般のゴムを成形するときと同様に、未加硫の配合ゴム(ゴム組成物)を上述したような方法で一度調製し、次に、この配合ゴムを意図する形状に成形した後に加硫を行なえばよい。
上記のようにして調製された未加硫の配合ゴムは、種々の成形法により、成形、加硫することができるが、圧縮成形、射出成形、注入成形などの型成形により、成形、加硫する場合に最もその特性を発揮することができる。
すなわち、圧縮成形の場合、予め秤量した未加硫の配合ゴムを型に入れ、型を閉じた後120〜270℃の温度で、30秒〜120分加熱することにより、目的とする前駆成形体が得られる。
射出成形の場合、リボン状あるいはペレット状の配合ゴムをスクリューにより予め設定した量だけポットに供給する。引き続き予備加熱された配合ゴムをプランジャーにより金型内に1〜20秒で送り込む。配合ゴムを射出した後120〜270℃の温度で、30秒〜120分加熱することにより、目的とする前駆成形体が得られる。
注入成形の場合、予め秤量した配合ゴムをポットに入れピストンにより金型内に1〜20秒で注入する。配合ゴムを注入した後120〜270℃の温度で、30秒〜120分加熱することにより、目的とする前駆成形体が得られる。
これらの型成形の場合、加硫の際に超高分子量オレフィン系重合体(B)は、ゴム(A)や他の配合剤よりも体積膨張が大きくなり、成形後冷却されてもとの体積に戻ることが重要となる。
[成形体の製造方法]
本発明の成形体は、上記製造方法で得られた前駆成形体の表面を、下記に示す砥粒(Y)により研磨することで、本発明の成形体を得ることができる。研磨により、予備成形体内部の超高分子量オレフィン系重合体(B)が成形体表面に析出するため、得られる成形体は、使用の初期にも滑り性が確保される。また、成形体の表面が摩耗しても超高分子量ポリエチレン(B)が常に成形体の表面に存在するため、成形体は長期間に亘って滑り性能と摩耗性能を有することができる。
<砥粒(Y)>
本発明に係わる砥粒(Y)の平均粒子径d50は、前記超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50の2倍以下、好ましくは1.5倍以下、より好ましくは1倍以下である。砥粒(Y)の平均粒子径d50は好ましくは0.5μm以上である。
砥粒(Y)の平均粒子径d50が、超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50の2倍よりも大きいと、成形体表面に超高分子量オレフィン系重合体(B)が露出しないので、滑り性能に劣る。
本発明に係る砥粒(Y)としては、一般的な研磨剤を用いることができる。具体的には、アルミナや炭化ケイ素、酸化クロム、酸化鉄、酸化セリウム、ジルコニア、シリカ、ダイヤモンド、CBNなどが用いられうる。
本発明に係わる前駆成形体の表面を研磨する方法は、研削盤や研磨機、ラップ盤、ポリッシングマシーン、ホーニングマシーン、バフ研磨機、CMP装置などがあり、いずれの方法を用いても良い。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例で用いた超高分子量オレフィン系重合体(B)の物性は下記方法に従って測定した。
(1)DSCによる融点(Tm)測定
融点(Tm)は、DSCにより測定した。DSC(DSC220C、セイコーインスツルメンツ社製)を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめ、200℃まで昇温し試料を融解させた後、−10℃/分で30℃まで冷却し、10℃/分で昇温した時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(Tm)を算出した。
(2)極限粘度[η]の測定
極限粘度[η]は、超高分子量オレフィン系重合体(B)をデカリンに溶解させ、温度135℃のデカリン中で測定した。
より具体的には、測定サンプル約15mgをデカリン50mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、下記式に示すように濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位;dl/g)として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
(3)平均粒子径d50の測定
平均粒子径d50は、ベックマン社製マルチサイザー・スリーを用いて、コールターカウンター法による重量基準粒度分布から算出した。
また、実施例、比較例で得られたゴム組成物から形成されたゴムシートについて行なった引張試験、硬さ試験、圧縮永久歪試験および動摩擦係数の試験方法は、次の通りである。
(試験方法)
(1)引張試験
厚み2mmの前駆成形体(加硫ゴムシート)からJIS K6251に記載してある3号型ダンベルで打ち抜いて試験片を得た。この試験片を用いて同JIS K6251に規定されている方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、引張破断点応力(TB)と引張破断点伸び(EB)を測定した。
(2)硬さ試験
硬さ試験は、厚み2mmの前駆成形体(加硫ゴムシート)を6枚重ね、JIS K6253に従い硬度
(JIS−A)を測定した。
(3)圧縮永久歪試験
圧縮永久歪試験は、厚み2mmの前駆成形体(加硫ゴムシート)を6枚重ね、JIS K6262に記載してある方法に従い、圧縮装置に取り付け、試験片の高さが荷重をかける前の高さの3/4になるよう圧縮し、金型ごと70℃のギヤーオーブン中に22時間熱処理した。
熱処理後、試験片を圧縮装置から取り出し、30分間放冷した後、試験片の高さを測定し、以下の計算式で圧縮永久歪を算出した。
圧縮永久歪[%]=[(tO−t1)/(tO−t2)]×100
O : 試験片の試験前の高さ
1 : 試験片を熱処理し30分放冷した後の高さ
2 : 試験片の測定金型に取り付けた状態での高さ
(4)動摩擦係数測定
前駆成形体(加硫ゴムシート)および前駆成形体の表面を研磨してなる成形体の表面の動摩擦係数は、16mmφのステンレス製冶具をゴム表面に当て500gの錘をのせ、試験速度300mm/minでゴムと水平方向にスライドさせ測定した。
[比較例1]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体[商品名:三井EPT4021、三井化学株式会社製]100質量部と、
亜鉛華 5質量部と、
ステアリン酸 1質量部と、
ポリエチレングリコール#4000 1質量部と、
FEFカーボンブラック65質量部と、
パラフィン系プロセスオイル40質量部とを1.7リットル容量のバンバリーミキサーで5分間混練し、120℃の配合物を排出した。
さらに、この配合物を表面温度が50℃の8インチロールに巻き付けた後、この配合物212質量部に対し、N−シクロヘキシル−2− ベンゾチアゾリルスルフェンアミド1.5質量部、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛[加硫促進剤]0.2質量部、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛[加硫促進剤]0.5質量部、イオウ[加硫剤]2.0質量部、および脱泡剤4質量部を加えて8分間混練し、得られた配合物を放冷した。
この配合物からプレス成形機を用いて180℃で5分間加硫を行なって厚み2mmのゴムシートを調製した。また、圧縮永久歪試験用のゴムブロックは、180度で10分間加硫して調製した。
上記のようにして得られた前駆成形体について、引張試験、硬さ試験および圧縮永久歪試験を、並びに前駆成形体および前駆成形体の表面を研磨してなる成形体の表面の動摩擦測定試験を上記方法により行なった。結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1で得られた前駆成形体(加硫ゴムシート)の表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#120(最下段である5段目の篩目開きが90μmで累積篩網上量96%以上)を用いて、1000g加重で、速度48回/分、1000往復摺動して研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[比較例3]
比較例1で得られた前駆成形体(加硫ゴムシート)の表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#240(平均粒子径d50:58.5μm±2.0μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[比較例4]
比較例1で得られた前駆成形体(加硫ゴムシート)の表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#320(平均粒子径d50:46.2μm±1.5μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[比較例5]
比較例1で得られた加硫ゴムシート表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#800(平均粒子径d50:21.8μm±1.0μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[比較例6]
超高分子量ポリエチレン(B)[融点:136℃、極限粘度[η]が13.0dl/g、平均粒子径d50:30μm]40質量部を添加した以外は、比較例1と同様である。結果を表1に示す。
[比較例7]
比較例6で得られた加硫ゴムシート表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#120(最下段である5段目の篩目開きが90μmで累積篩網上量96%以上)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[実施例1]
比較例6で得られた加硫ゴムシート表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#240(平均粒子径d50:58.5μm±2.0μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[実施例2]
比較例6で得られた加硫ゴムシート表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#320(平均粒子径d50:46.2μm±1.5μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[実施例3]
比較例6で得られた加硫ゴムシート表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#800(平均粒子径d50:21.8μm±1.0μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[実施例4]
比較例6で得られた加硫ゴムシート表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#1200(平均粒子径d50:15.3μm±1.0μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[比較例8]
超高分子量ポリエチレン(B)[融点:136℃、極限粘度[η]が12.7dl/g、平均粒子径d50:10μm]40質量部を添加した以外は、比較例1と同様である。結果を表1に示す。
[実施例5]
比較例8で得られた加硫ゴムシート表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#1200(平均粒子径d50:15.3μm±1.0μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
[実施例6]
比較例8で得られた加硫ゴムシート表面を、研磨材(サンドペーパー研磨紙)の粒度#2500(平均粒子径d50:8.4μm±0.5μm)を用いて、比較例1と同じ方法で研磨して、成形体を得た。得られた成形体の表面の動摩擦係数を表1に示す。
Figure 2019094479
表1から明らかなように、上記のように加硫して得られた成形体(前駆成形体)の表面を砥石の平均粒子径d50が、超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50の2倍以下(実施例1および実施例2および実施例3および実施例4および実施例5および実施例6)で研磨することで、前駆成形体内部の超高分子量オレフィン系重合体(B)が、成形体の表面に露出するため、成形体の使用の初期にも滑り性が良好であることがわかる。さらに、超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50が、5〜15μmの範囲であると(実施例5および実施例6)、さらに得られる成形体は動摩擦係数が小さくなり、滑り性能がより良好であることがわかる。

Claims (4)

  1. ゴム(A)100質量部と、下記要件(i)〜(iii)を満たす超高分子量オレフィン系重合体(B)を5〜80質量部とを含有するゴム組成物から形成された前駆成形体の表面を、平均粒子径d50が前記超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50の2倍以下である砥粒(Y)で表面を研磨してなる成形体。
    (i)DSCで測定した融点(Tm)が120℃以上である。
    (ii)ASTM D4020に準じて135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が3〜50dl/gの範囲にある。
    (iii)平均粒子径d50が、1〜200μmの範囲にある。
  2. 前記ゴム組成物が、加硫剤(C)を含有してなる請求項1に記載の成形体。
  3. 前記超高分子量オレフィン系重合体(B)の平均粒子径d50が、5〜35μmの範囲にある、請求項1または2に記載の成形体。
  4. 請求項1に記載のゴム組成物を型加硫成形して前駆成形体を得た後、請求項1に記載の砥粒(Y)で、当該前駆成形体の表面を研磨する工程を含んでなる成形体の製造方法。
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