以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。また、各図中のドットが表示された領域はシールされた部分を示している。本発明の実施の形態において「シールする」とは、2つのフィルム同士を接着して2つのフィルム同士の間を気密に封止することを意味する。
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、本発明の実施の形態1に係る包装体1の構成について説明する。図1および図2は、内容物10が包装体1に収納される前の状態を示している。本実施の形態に係る包装体1は、第1側面フィルム11と、第2側面フィルム12と、底フィルム13とを有している。第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、例えば、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が互いに重なる方向から見て矩形の形状を有していてもよい。第2側面フィルム12は、第1側面フィルム11に向かい合うように配置されている。また、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、同一の寸法を有していてもよい。
底フィルム13は、第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に配置されている。底フィルム13は、包装体1の天地方向(上下方向)HDにおいて包装体1の下端から第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に挿入されている。底フィルム13は、2つ折りの状態で折り目から第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に挿入されている。包装体1は、底フィルム13を底として自立可能に構成されている。すなわち、包装体1は、スタンディングパウチである。
包装体1は、周縁部20と、収納部30と、イージーピール材100とを備えている。周縁部20は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁に配置されている。周縁部20は、周縁シール部21と、底シール部22と、シール予定部23とを含んでいる。周縁シール部21は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の一部をシールしている。本実施の形態では、周縁シール部21は、包装体1の幅方向(左右方向)WDにおいて包装体1の一方側の側端と他方側の側端の一部に配置されており、さらに包装体1の上下方向(高さ方向)HDにおいて包装体1の上端に配置されている。
底シール部22は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々と底フィルム13とをそれぞれシールしている。底シール部22は、包装体1の高さ方向HDにおいて包装体1の下端に配置されている。シール予定部23は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の他部をシールしていない状態で包装体1の外部と収納部30とを連通している。すなわち、内容物10が包装体1に収納される前の状態では、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の一部はシールされており、他部はシールされていない。
シール予定部23は、包装体1の外部から内容物10を収納部30に収納する際に内容物10を通すためのものである。シール予定部23は、内容物10が収納部30に収納される前の状態ではシールされていない。シール予定部23は、包装体1の外部からシール予定部23を通って内容物10が収納部30に収納された後にシールされる。本実施の形態では、シール予定部23は、包装体1の幅方向WDにおいて包装体1の他方側の側端の他部に配置されている。つまり、シール予定部23は、包装体1の他方側の側端のうち周縁シール部が配置されていない部分に配置されている。なお、シール予定部23の位置は包装体1の他方側の側端に限定されない。シール予定部23は、例えば、包装体1の高さ方向HDにおいて包装体1の上端に設けられてもよい。
内容物10が収納部30に収納される前の状態では、包装体1の周縁部20は、シールされた領域である周縁シール部21および底シール部22と、シールされていない領域であるシール予定部23を有している。すなわち、内容物10が収納部30に収納される前の状態では、包装体1の周縁部20は、シール予定部23以外においてシールされている。包装体1の周縁部20は、具体的には、例えば、熱溶着によりシールされていてもよい。
第1側面フィルム11、第2側面フィルム12および底フィルム13の各々は、積層体により構成されていてもよい。積層体は、公知のラミネート方法、樹脂、接着剤などにより得られてもよい。第1側面フィルム11および第2側面フィルム12と、底フィルム13との構成が異なっていてもよい。第1側面フィルム11および第2側面フィルム12はデッドホールド性を有していることが好ましい。このデッドホールド性とは折り曲げられた状態を保持する性質である。
第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、例えば、シールされる側から第1のポリエチレン(PE)、第2のポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウム(AL)、第3のポリエチレン(PE)、紙、第4のポリエチレン(PE)の各層が重ねられた7層構造を有していてもよい。また、これらの各層の厚みまたは坪量は、例えば、第1のポリエチレン(PE)が5μmであり、第2のポリエチレン(PE)が25μmであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)が12μmであり、アルミニウム(AL)が7μmであり、第3のポリエチレン(PE)が18μmであり、紙が150g/m2であり、第4のポリエチレン(PE)が20μmであってもよい。
底フィルム13は、例えば、シールされる側からポリエチレン(PE)、ナイロン(NY)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の各層が重ねられた3層構造を有していてもよい。また、これらの各層の厚みは、ポリエチレン(PE)が100μmであり、ナイロン(NY)が25μmであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)が12μmであってもよい。
第1側面フィルム11、第2側面フィルム12および底フィルム13は上記の構成に限定されない。第1側面フィルム11、第2側面フィルム12および底フィルム13の各々の材料はそれぞれ樹脂であってもよい。具体的には、第1側面フィルム11、第2側面フィルム12および底フィルム13の各々は、例えば、シールされる側からリニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)、ナイロン(NY)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の各層が重ねられた3層構造を有していてもよい。また、これらの各層の厚みは、例えば、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)が100μmであり、ナイロン(NY)が25μmであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)が12μmであってもよい。なお、このポリエチレンテレフタレート(PET)は透明であってもよい。
収納部30は内容物10を収納するように構成されている。内容物10は、例えば、惣菜、冷菓などの食品であってもよい。収納部30は、周縁部20に囲まれている。具体的には、第1側面フィルム11から第2側面フィルム12に向かう方向において、第1側面フィルム11側から包装体1を見たときに、収納部30は周縁部20に囲まれている。すなわち、平面視(正面視)において、収納部30は周縁部20に囲まれている。
包装体1は、開封機構として切断予定部14を有している。具体的には、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、包装体1の外部と収納部30とを連通するように開口するための切断予定部14を含んでいる。切断予定部14は、包装体1が開口された後に内容物を取り出すためのものである。内容物10が包装体1に収納される前の状態では切断予定部14において第1側面フィルム11および第2側面フィルム12は開口されていない。
切断予定部14は、傾斜部14aと、延在部14bとを含んでいる。傾斜部14aは、包装体1の幅方向WDの一方端1aから他方端1bに向けて底フィルム13に近づくように傾斜するように構成されている。本実施の形態では、傾斜部14aは、包装体1の幅方向WDの一方端1aと包装体1の上端との交点から延在部14bの一方端1a側の端まで斜め下方に向けて傾斜している。本実施の形態では、傾斜部14aは直線状に傾斜している。
延在部14bは、傾斜部14aから包装体1の幅方向WDの他方端1bに向けて幅方向WDに延びるように構成されている。本実施の形態では、延在部14bは、傾斜部14aから包装体1の幅方向WDの他方端1bまで延びるように構成されている。なお、延在部14bは、包装体1の幅方向WDの他方端1bに至らずに他方端1bに向けて途中まで延びるように構成されていてもよい。延在部14bは、包装体1の高さ方向HDにおいて、包装体1の上端に配置された周縁シール部21と底シール部22との間に配置されている。延在部14bは、水平方向に延びるように構成されていてもよい。
切断予定部14は、例えば、ミシン目構造またはハーフカット構造を有していてもよい。ここでミシン目構造とは、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々の厚み方向において表面から裏面に至る途中まで形成された溝が点線状に配置された構造をいう。また、ハーフカット構造とは、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々の厚み方向において表面から裏面に至る途中まで形成された溝が直線状に配置された構造をいう。切断予定部14は、具体的には、例えば、ミシン目構造またはハーフカット構造で囲まれた帯形状を有していてもよい。また、切断予定部14は、開閉可能なチャック構造を有していてもよい。ここでチャック構造とは、凸部と凹部とが対向して配置されており、互いに嵌合または離脱することにより開閉可能な構造をいう。なお、チャック構造は、凸部と凹部とが離脱されることにより開口されるまでは密閉されるように構成されている。
第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、折り返し部15を含んでいる。折り返し部15は、切断予定部14と包装体1の幅方向WDの一方端1aとの間に配置されている。折り返し部15は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断予定部14で切断され、イージーピール材100が第1側面フィルム11および第2側面フィルム12のいずれかから剥離されることにより開口された状態で延在部14bに対して底フィルム13に向けて折り返し可能に構成されている。折り返し部15は、包装体1の幅方向WDにおいて包装体1の中央よりも一方端1a側に配置されている。
折り返し部15の包装体1の幅方向WDの最大寸法(幅)は、包装体1の幅方向WDの全長の半分以下であることが好ましい。折り返し部15の包装体1の幅方向WDでの最大寸法(幅)は、包装体1の幅方向WDの全長の15%以上37%以下であることがさらに好ましい。また、折り返し部15の包装体1の高さ方向HDの最大寸法(高さ)は、使用者が指でつまめる高さであることが好ましい。折り返し部15の包装体1の高さ方向HDの最大寸法(高さ)は、包装体1の高さ方向HDの全長の14%以上30%以下であることがさらに好ましい。
イージーピール材100は、第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に配置されている。イージーピール材100の一方面は第1側面フィルム11に接着されている。イージーピール材100の一方面は第1側面フィルム11にシールされていてもよい。イージーピール材100の一方面と反対側に位置する他方面は第2側面フィルム12に接着されている。イージーピール材100の他方面は第2側面フィルム12にシールされていてもよい。第1側面フィルム11と第2側面フィルム12とはイージーピール材100を介して接着されている。イージーピール材100は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12のいずれかから剥離されるように構成されている。
イージーピール材100は、切断予定部14と底フィルム13との間に配置されている。具体的には、イージーピール材100は、包装体1の高さ方向HDにおいて切断予定部14と底フィルム13との間に配置されている。イージーピール材100は、包装体1の幅方向WDにおいて包装体1の一方側に設けられた周縁シール部21から他方側に設けられた周縁シール部21まで連続して設けられている。イージーピール材100は、包装体1の高さ方向HDにおいて切断予定部14とシール予定部23との間に配置されている。シール予定部23は、包装体1の高さ方向HDにおいて切断予定部14と底シール部22との間に配置されている。
イージーピール材100のシール強度は、周縁シール部21のシール強度よりも小さい。このシール強度は、JIS Z0238に準拠するものである。イージーピール材100のシール強度は、周縁シール部21のシール強度の10%以上30%以下であってもよい。具体的には、イージーピール材100のシール強度は、5N/15mm以上12N/15mm以下であってもよい。
イージーピール材100は、イージーピール樹脂からなっていてもよい。イージーピール樹脂は、例えば、PP−PE系であってもよい。また、イージーピール材100は、イージーピール樹脂が多層に積層された多層構造を有していてもよい。
次に、図3を参照して、内容物10が収納部30に収納された状態における包装体1の構成について説明する。この状態では、包装体1は、収納部30に収納された内容物10をさらに備えている。内容物10が収納部30に収納された状態において、シール予定部23では、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の他部がシールされている。シール予定部23では、具体的には、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12は互いに熱溶着によりシールされていてもよい。これにより、全ての周縁部20がシールされている。したがって、内容物10が収納部30に収納された状態において収納部30は密閉されている。内容物10は、包装体1の高さ方向HDにおいてイージーピール材100と底フィルム13との間の収納部30に収納されている。
次に、図4および図5を参照して、包装体1が開口された状態における包装体1の構成について説明する。この状態では、図3に示された状態と同様に、包装体1は、収納部30に収納された内容物10をさらに備えている。
図4に示されるように、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断予定部14で切断される。本実施の形態では、切断予定部14よりも包装体1の上端側の第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切り取られている。図5に示されるように、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断予定部14で切断された後にイージーピール材100が第1側面フィルム11および第2側面フィルム12のいずれかから剥離される。これにより、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が開口された状態で、折り返し部15が延在部14bに対して底フィルム13に向けて折り返されている。
図4に示されるように、包装体1の使用者によって、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断予定部14で切断される。続いて、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が互いに引き離されることによりイージーピール材100が開封される。したがって、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断予定部14で切断される際には、イージーピール材100により内容物10が切断予定部14から漏れることが抑制される。その後に、包装体1の使用者によって、図5中矢印Aで示されるように、折り返し部15が延在部14bに対して底フィルム13に向けて折り返される。このとき、図5中矢印Bで示されるように、包装体1の上端において第1側面フィルム11および第2側面フィルム12は、包装体1の幅方向WDにおける両端が互いに近づくように変形される。これにより、図5中矢印Cで示されるように、開口を構成する第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、互いに離れる方向(互いに反対側の方向)に湾曲する。このようにして開口が拡げられる。そして、折り返し部15が折り返されることにより、この開口が拡げられた状態で開口が形成された包装体1の上端では第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の形状が保持される。このようにして開口が拡げられた状態が保持される。
次に、本実施の形態に係る包装体の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る包装体1によれば、折り返し部15は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断予定部14で切断され、イージーピール材100が第1側面フィルム11および第2側面フィルム12のいずれかから剥離されることにより開口された状態で延在部14bに対して底フィルム13に向けて折り返し可能に構成されている。このため、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が包装体1の外部と収納部30とを連通するように開口した状態で、折り返し部15が折り返されることにより開口が拡げられる。そして、折り返し部15が折り返されることにより、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12に形成された開口が拡げられた状態を保持することができる。このようにして、折り返し部15が折り返されることにより、開口が拡げられた状態を保持することができる。したがって、開口から内容物10を取り出すことが容易となる。また、収納部30への食器の出し入れを簡単に行うことが可能となる。
さらに、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断予定部14で切断される際には、イージーピール材100により内容物10が切断予定部14から漏れることが抑制される。したがって、開封時に開口から内容物10が漏れることを抑制することができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、折り返し部15が折り返された状態で折り返し部15に使用者が口を付けることで口当たりを良くすることができる。また、包装体1の切断面に使用者が口をつけることで使用者の口が切れるなどの怪我を抑制することができる。また、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の切断面に使用者の口が接触することを抑制することができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、内容物10が収納部30に収納された状態において、シール予定部23では、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の他部がシールされている。このため、内容物10が収納部30に収納された状態において、収納部30を密閉することができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断予定部14で切断され、イージーピール材100が第1側面フィルム11および第2側面フィルム12のいずれかから剥離されることにより開口された状態で、折り返し部15が延在部に14b対して底フィルム13に向けて折り返されている。このため、折り返し部15が折り返されることにより、開口が拡げられた状態を保持することができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、第1側面フィルム11、第2側面フィルム12および底フィルム13の各々の材料はそれぞれ樹脂であってもよい。このため、包装体1を廃棄するときに、第1側面フィルム11、第2側面フィルム12および底フィルム13の各々を分別する必要がない。したがって、廃棄費用を低減することができる。また、電子レンジを用いて包装体1を温めることが可能となる。したがって、内容物10を温めて喫食することができる。
(実施の形態2)
図6を参照して、本発明の実施の形態2に係る包装体1の構成について説明する。本実施の形態に係る包装体1は、実施の形態1に係る包装体1に比べて、包装体1の外形が主に異なっている。本実施の形態に係る包装体1は、特に言及しない限り、上記の実施の形態1に係る包装体1と同様の構成および作用効果を有している。
本実施の形態に係る包装体1の周縁シール部21は、凹部16を含んでいる。本実施の形態では、凹部16は、包装体1の幅方向WDの一方端1aに設けられている。凹部16は、包装体1の幅方向WDの一方端1aから他方端1bに向けて凹むように設けられている。凹部16は、包装体1の幅方向WDに延在部14bから一方端1aに向けて延びる仮想の直線VLと重なるように配置されている。仮想の直線VLは、水平方向に延びていてもよい。凹部16は、円弧状に設けられていてもよい。凹部16は、円弧の頂点が他方端1b側に位置するように構成されていてもよい。
周縁シール部21の包装体1の幅方向WDの一方端1a側の幅は、周縁シール部21の包装体1の幅方向WDの他方端1b側の幅よりも小さくてもよい。周縁シール部21の包装体1の幅方向WDの他方端1b側には凹部16が設けられていないため幅を小さくすることが可能である。これにより、周縁シール部21の材料を減らすことができる。
包装体1は、包装体1の高さ方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの幅が大きくなるように構成されている。すなわち、包装体1は、包装体1の高さ方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの寸法が大きくなるテーパ形状を有している。また収納部30も包装体1の高さ方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの幅が大きくなるように構成されている。したがって、収納部30の包装体1の幅方向WDの断面における断面積は、包装体1の高さ方向HDにおいて下端から開口に向かって大きくなる。
次に、図7および図8を参照して、第1側面フィルム11および第2側面フィルムが切断予定部14で切断される様子について説明する。本実施の形態では、切断予定部14は、包装体1の一方端1aから他方端1bまで連続して設けられている。図7中矢印で示されるように、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が他方端1bから一方端1aに向けて延在部14bで切断された後、傾斜部14aで切断されてもよい。これにより、図8に示されるように、切断予定部14よりも包装体1の上端側の第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切り取られる。
続いて、図9を参照して、イージーピール材100が開封される様子について説明する。第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が互いに引き離されることによりイージーピール材100が開封される。
続いて、図10〜図12を参照して、折り返し部15が折り返される様子について説明する。図10中矢印で示されるように、折り返し部15が凹部16において折り返される。図11に示されるように、折り返し部15が折り返された状態で折り返し部15が凹部16に嵌め込まれる。
図12中矢印Aで示されるように折り返し部15が延在部14bに対して底フィルム13に向けて折り返されると、図12中矢印Bで示されるように、包装体1の上端において第1側面フィルム11および第2側面フィルム12は、包装体1の幅方向WDにおける両端が互いに近づくように変形される。これにより、図12中矢印Cで示されるように、開口を構成する第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、互いに離れる方向(互いに反対側の方向)に湾曲する。このようにして開口が拡げられる。
本実施の形態の包装体1によれば、凹部16によって折り返し部15が折り返し易くなる。また、折り返し部15が折り返されたときに凹部16に嵌まることにより、折り返し部15が折り返された状態で凹部16にロックされる。これにより、折り返し部15が折り返された状態が保持される。
本実施の形態の包装体1によれば、凹部16が円弧状に設けられているため、凹部16に角が設けられていない。そのため、凹部16に応力が集中することを抑制することができるので、凹部16から包装体1が切れることを抑制することができる。また、凹部16が円弧状に設けられているため、凹部16が製造されるときに、凹部16がスリットである場合に比べて凹部16の製造誤差を許容しやすい。したがって、包装体1の生産効率を向上させることができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、包装体1は、包装体1の高さ方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの寸法が大きくなるテーパ形状を有しているため、開口が拡げられた状態でより安定する。
続いて、図13〜図17を参照して、本実施の形態の変形例1〜5に係る包装体1について説明する。本実施の形態の変形例1〜5に係る包装体1は、特に言及しない限り、上記の本実施の形態に係る包装体1と同様の構成および作用効果を有している。
図13を参照して、本実施の形態の変形例1に係る包装体1は、実施の形態2に係る包装体1に比べて、凹部16が設けられていない点が主に異なっている。
本実施の形態に係る変形例1の包装体1によれば、折り返し部15が折り返されることにより、開口が拡げられた状態を保持することができる。また、包装体1は、包装体1の高さ方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの寸法が大きくなるテーパ形状を有しているため、開口が拡げられた状態でより安定する。
図14を参照して、本実施の形態の変形例2に係る包装体1は、実施の形態2に係る包装体1に比べて、凹部16が包装体1の幅方向WDの他方端1bにも設けられている点が主に異なっている。
本実施の形態の変形例2に係る包装体1は、包装体1の幅方向WDの一方端1aおよび他方端1bの各々に設けられた2つの切断予定部14および2つの凹部をそれぞれ含んでいる。2つの切断予定部14は包装体1の幅方向WDの中央で接続されている。包装体1の幅方向WDの他方端1bに設けられた切断予定部14は、傾斜部14cと、延在部14dとを含んでいる。傾斜部14cは、包装体1の幅方向WDの他方端1bから一方端1aに向けて底フィルム13に近づくように傾斜するように構成されている。延在部14dは、傾斜部14cから一方端1aに向けて幅方向WDに延びるように構成されている。延在部14dは、包装体1の幅方向WDの一方端1aに設けられた切断予定部14の延在部14bと直線状に接続されている。
本実施の形態に係る変形例2の包装体1によれば、包装体1の幅方向WDの一方端1aおよび他方端1bの各々に切断予定部14が設けられているため、包装体1の幅方向WDの両側で開口が拡げられた状態を保持することができる。したがって、包装体1は開口が拡げられた状態でより安定する。
本実施の形態の包装体1によれば、包装体1の幅方向WDの一方端1aおよび他方端1bの各々に凹部16が設けられているため、包装体1の幅方向WDの両側で折り返し部15が折り返し易くなる。また、包装体1の幅方向WDの両側で折り返し部15が折り返されたときに凹部16に嵌まることにより、折り返し部15が折り返された状態で包装体1の幅方向WDの両側で凹部16にロックされる。
図15を参照して、本実施の形態の変形例3に係る包装体1は、実施の形態2に係る包装体1に比べて、折り返し部15の形状が主に異なっている。本実施の形態の変形例3に係る包装体1では、折り返し部15の上側の外縁は包装体1の高さ方向HDにおいて上向きに湾曲するように構成されている。
本実施の形態の変形例3に係る包装体1によっても折り返し部15が折り返されることによって開口が拡げられた状態を保持することができる。
図16を参照して、本実施の形態の変形例4に係る包装体1は、実施の形態2に係る包装体1に比べて、折り返し部15の形状が主に異なっている。本実施の形態の変形例3に係る包装体1では、折り返し部15の上側の外縁は包装体1の高さ方向HDにおいて下向きに湾曲するように構成されている。
本実施の形態の変形例4に係る包装体1によっても折り返し部15が折り返されることによって開口が拡げられた状態を保持することができる。
図17を参照して、本実施の形態の変形例5に係る包装体1は、実施の形態2に係る包装体1に比べて、包装体1の外形が主に異なっている。
本実施の形態に係る包装体1の周縁シール部21は、第1側縁部21aと、第2側縁部21bとを含んでいる。第1側縁部21aは、包装体1の幅方向WDの一方端1aを含んでいる。第2側縁部21bは、包装体1の幅方向WDの他方端1bを含んでいる。第2側縁部21bは、幅広部WPを含んでいる。幅広部WPの幅方向WDの寸法は、第1側縁部21aの幅方向WDの寸法よりも大きい。
本実施の形態の変形例5に係る包装体1によれば、使用者が幅広部WPを保持することにより包装体1を持ち易くすることができる。また、内容物が高温または低温であっても使用者が幅広部WPを保持することにより包装体1を持つことが容易となる。したがって、内容物の温度状態によらず包装体1を持ち運ぶことが容易となる。また、使用者が幅広部WPを保持することにより内容物が高温であっても使用者が火傷しにくくすることができる。このため、包装体1の安全性を向上させることができる。
(実施の形態3)
図18および図19を参照して、本発明の実施の形態3に係る包装体1の構成について説明する。本実施の形態に係る包装体1は、実施の形態2に係る包装体1に比べて、イージーピール材100の構成が主に異なっている。本実施の形態に係る包装体1は、特に言及しない限り、上記の実施の形態2に係る包装体1と同様の構成および作用効果を有している。
本実施の形態に係る包装体1のイージーピール材100は、互いに積層された弱シール材101および強シール材102を含んでいる。弱シール材101は、第1側面フィルム11に接着されている。つまり、弱シール材101は、イージーピール材100の一方面を含んでいる。強シール材102は、第2側面フィルム12に接着されている。つまり、強シール材102は、イージーピール材100の他方面を含んでいる。
強シール材102のシール強度は、弱シール材101のシール強度よりも大きい。弱シール材101のシール強度は、周縁シール部21のシール強度の10%以上30%以下であってもよい。また、弱シール材101のシール強度は、強シール材102のシール強度の10%以上30%以下であってもよい。具体的には、弱シール材101のシール強度は、5N/15mm以上12N/15mm以下であってもよい。
弱シール材101の第1側面フィルム11に接着された弱シール部101aは、強シール材102の第2側面フィルム12に接着された強シール部102aと底フィルム13との間に配置されている。具体的には、弱シール部101aは、包装体1の高さ方向HDにおいて強シール部102aと底フィルム13との間に配置されている。したがって、包装体1の高さ方向HDにおいて弱シール材101と第1側面フィルム11とがなす角度は、弱シール部101aの下方よりも上方で小さくなる。また、包装体1の高さ方向HDにおいて強シール材102と第2側面フィルム12とがなす角度は、強シール部102aの上方よりも下方で小さくなる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、弱シール部101aは強シール部102aと底フィルム13との間に配置されているため、弱シール材101と第1側面フィルム11とがなす角度は弱シール部101aの下方よりも上方で小さくなり、強シール材102と第2側面フィルム12とがなす角度は強シール部102aの上方よりも下方で小さくなる。このため、外部から収納部30が押されたときに、強シール部102aと第2側面フィルム12との間に圧力がかかるため、強シール材102が第2側面フィルム12から剥離することを抑制することができる。他方、イージーピール材100よりも上方で第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が引き離されたときに、弱シール部101aと第1側面フィルム11との間いに圧力がかかるため、弱シール材101を第1側面フィルム11から剥離することが容易となる。
なお、上記の実施の形態1〜3は適宜組み合わせることができる。
以下、本発明の実施例について比較例と対比して説明する。なお、特に言及しない限り、実施例および比較例は、上記の実施の形態2に係る包装体および実施の形態2の変形例1〜5のいずれかに係る包装体と同様の構成を備えている。
実施例1〜6および比較例1の包装体を用いて、比較官能評価を実施した。実施例1〜6は本発明の実施例である。比較例1は、本発明の実施例に対する比較例である。実施例1〜6および比較例1の各々の包装体は、第1側面フィルムと、第2側面フィルムと、底フィルムとを有するスタンディングパウチである。実施例1〜6および比較例1の各々の包装体の内容物は惣菜である。
実施例1〜6および比較例1の各々の包装体については、第1側面フィルム、第2側面フィルムおよび底フィルムの各々は、シールされる側からリニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)、ナイロン(NY)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の各層がシールされる側から重ねられた3層構造を有している。また、これらの各層の厚みは、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)が100μmであり、ナイロン(NY)が25μmであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)が12μmである。
実施例1〜6および比較例1の各々の包装体は高さ方向において下端から上端に向かって包装体の幅方向の寸法が大きくなるテーパ形状を有している。実施例1〜6および比較例1の各々の包装体の収納部には内容物が収納されている。実施例1〜6および比較例1の各々の包装体の天地方向の全長は130mmであり、包装体の上端での幅方向の全幅は160mmであり、包装体の下端での幅方向の全幅は120mmであり、包装体の天地方向の下端から切断予定部までの長さは100mmである。
実施例1〜6の各々の包装体では、第1側面フィルムおよび第2側面フィルムが切断予定部で切断されることにより開口された状態で比較官能評価を行った。
実施例1の包装体は、上記の実施の形態2に係る包装体と同様の構成を有している。実施例1の包装体では、凹部は、周縁シール部において包装体の幅方向の一方端に設けられている。
実施例2の包装体は、上記の実施の形態2の変形例2に係る包装体と同様の構成を有している。実施例2の包装体では、凹部は、周縁シール部において包装体の幅方向の一方端および他方端の両方に設けられている。
実施例3の包装体は、上記の実施の形態2の変形例3に係る包装体と同様の構成を有している。実施例3の包装体では、折り返し部の上側の外縁は包装体の高さ方向において上向きに湾曲するように構成されている。
実施例4の包装体は、上記の実施の形態2の変形例4に係る包装体と同様の構成を有している。実施例4の包装体では、折り返し部の上側の外縁は包装体の高さ方向において下向きに湾曲するように構成されている。
実施例5の各々の包装体は、上記の実施の形態2の変形例5に係る包装体と同様の構成を有している。実施例5の包装体では、周縁シール部は、第1側縁部と、第2側縁部とを含んでいる。第2側縁部の幅広部の幅方向の寸法は、第1側縁部の幅方向の寸法よりも大きい。
実施例6の包装体は、上記の実施の形態2の変形例1に係る包装体と同様の構成を有している。実施例6の包装体では、凹部が設けられていない。
比較例1の包装体は、折り返し部を有していない点で実施例1〜6と異なっている。比較例1の包装体では、第1側面フィルムおよび第2側面フィルムが切断予定部に相当する包装体の高さ位置で包装体の幅方向の一方端から他方端まで切断されることにより開口された状態で比較官能評価を行った。
比較官能評価の結果を表1に示す。表1に示されるように、比較官能評価では、開口性、口当たり、廃棄のし易さ、持ち易さ、中身の取出し易さ、衛生性、総合評価の各々を評価した。開口性は、包装体の開口の保持し易さである。口当たりは、折り返し部が折り返された状態での折り返し部における口当たりの良さである。廃棄のし易さは、包装体の廃棄のし易さである。持ち易さは、包装体が高温または低温の状態での包装体の持ち易さである。中身の取出し易さは、内容物の取出し易さである。衛生性は、開封時に開口から漏れた内容物による使用者の手の汚れ易さである。総合評価は、開口性、口当たり、廃棄のし易さ、持ち易さ、中身の取出し易さ、衛生性、総合評価の平均値である。これらの評価は数字1〜5を用いて5段階で評価した。具体的には、最も悪い場合には1とし、最も良い場合には5とし、中間は3として評価した。評価者は5人とした。評価の数値は5人の平均値とした。
比較官能評価の結果、実施例1〜6の各々は比較例1よりも、開口性の評価が高くなった。したがって、実施例1〜6の各々は比較例1に比べて包装体の開口が拡げられた状態を保持することができることがわかった。
また、実施例1〜6の各々は比較例1よりも、口当たりの評価が高くなった。したがって、実施例1〜6の各々は比較例1に比べて口当たりを良くすることができることがわかった。
また、実施例1〜6の各々は比較例1に対して、持ち易さの評価が同等以上になった。したがって、実施例1〜6の各々は比較例1に対して包装体を同等以上に持ち易くすることができることがわかった。特に、実施例5の持ち易さの評価が高くなった。これにより、内容物が高温または低温であっても使用者が幅広部を保持することで包装体を持ち易くすることができることがわかった。
また、実施例1〜6の各々は比較例1よりも、中身の取出し易さの評価が高くなった。したがって、実施例1〜6の各々は比較例1に比べて開口から内容物を取り出すことが容易となることがわかった。なお、実施例1〜6の各々は比較例1よりも、総合評価が高くなった。
また、実施例1〜6の各々および比較例1はいずれも衛生性の評価が高くなった。したがって、実施例1〜6の各々および比較例1ではいずれもイージーピール材によって開封時に開口から漏れた内容物によって使用者の手が汚れにくくなることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。