JP2019093754A - 4輪駆動車及び4輪駆動車の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車線逸脱を警告する警報が発せられた場合にも車両の挙動が不安定になることを抑制することが可能な4輪駆動車、及びその制御方法を提供する。【解決手段】前輪及び後輪のうち一方を主駆動輪として他方を副駆動輪とし、主駆動輪及び副駆動輪に駆動力が伝達される4輪駆動状態と副駆動輪に駆動力が伝達されない2輪駆動状態とを切り替え可能な4輪駆動車1は、副駆動輪に伝達される駆動力を制御可能な制御装置6と、走行車線を逸脱する可能性があることを検知して警報信号を出力する車線逸脱警報装置7とを備える。制御装置6は、車両情報に応じて副駆動輪に伝達すべき駆動力の指令値を演算し、この指令値に応じた駆動力が副駆動輪に伝達されるように制御を行うと共に、警報信号が出力されたとき、指令値を2輪駆動状態よりも走行安定性を高めることが可能な警報時対応トルク以上とする。【選択図】図3
Description
本発明は、4輪駆動状態2輪駆動状態とを切り替え可能な4輪駆動車及びその制御方法に関し、特に車線逸脱警報装置が搭載された4輪駆動車及びその制御方法に関する。
従来、走行車線を逸脱する可能性があるときに運転者に警報を発し、本来の走行車線への復帰を促す車線逸脱警報装置が搭載された車両がある(例えば、特許文献1,2参照)。このような車線逸脱警報装置は、4輪駆動状態と2輪駆動状態とを切り替え可能な4輪駆動車に搭載される場合もある。
意図しない走行車線の逸脱が発生するのは、運転者が集中力を欠いていたり、あるいは案内標識やメータ類を注視するあまり路面を十分に見ていない場合が多い。このような場合に警報が発せられると、運転者が慌てて復帰操作を行い、過剰な操舵をしてしまうおそれがある。また、4輪駆動車であれば、4輪駆動状態で走行することにより高い直進安定性が得られるので、運転者が慌てて復帰操作を行った場合でも車両の挙動が不安定になることを抑制することができるが、2輪駆動状態で走行していた場合には、このような効果が得られない。
そこで、本発明は、車線逸脱を警告する警報が発せられた場合にも車両の挙動が不安定になることを抑制することが可能な4輪駆動車、及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、前輪及び後輪のうち一方を主駆動輪として他方を副駆動輪とし、前記主駆動輪及び前記副駆動輪に駆動力が伝達される4輪駆動状態と前記副駆動輪に駆動力が伝達されない2輪駆動状態とを切り替え可能な4輪駆動車であって、前記副駆動輪に伝達される駆動力を制御可能な制御装置と、走行車線を逸脱する可能性があることを検知して警報信号を出力する車線逸脱警報装置とを備え、前記制御装置は、車両情報に応じて前記副駆動輪に伝達すべき駆動力の指令値を演算し、前記指令値に応じた駆動力が前記副駆動輪に伝達されるように制御を行うと共に、前記警報信号が出力されたとき、前記指令値を前記2輪駆動状態よりも走行安定性を高めることが可能な警報時対応トルク以上とする、4輪駆動車を提供する。
本発明に係る4輪駆動車及びその制御方法によれば、車線逸脱を警告する警報が発せられた場合にも車両の挙動が不安定になることを抑制することが可能となる。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(4輪駆動車の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る4輪駆動車の概略の構成例を示す構成図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る4輪駆動車の概略の構成例を示す構成図である。
図1に示すように、4輪駆動車1は、走行用のトルクを発生する駆動源としてのエンジン11と、エンジン11の出力を変速するトランスミッション12と、トランスミッション12で変速されたエンジン11の駆動力が常に伝達される左右一対の主駆動輪としての左右前輪181,182と、車両状態に応じてエンジン11の駆動力が伝達される左右一対の副駆動輪としての左右後輪191,192とを備えている。この4輪駆動車1は、左右前輪181,182及び左右後輪191,192にエンジン11の駆動力が伝達される4輪駆動状態と、左右前輪181,182のみに駆動力が伝達されて左右後輪191,192には駆動力が伝達されない2輪駆動状態とを切り替え可能である。
また、4輪駆動車1は、フロントディファレンシャル13と、プロペラシャフト14と、リヤディファレンシャル15と、左右の前輪側のドライブシャフト161,162と、左右の後輪側のドライブシャフト171,172と、プロペラシャフト14とリヤディファレンシャル15との間に配置された駆動力伝達装置2と、駆動力伝達装置2を制御する制御装置6と、車両前方を撮像するカメラ71と、カメラ71により撮像された画像に基づいて自車が走行中の車線を逸脱する可能性があることを検知し、警報信号を出力する車線逸脱警報装置7とを備えている。
制御装置6は、左右前輪181,182及び左右後輪191,192の回転速度を検出する回転速センサ101〜104、アクセルペダル110の踏み込み量を検出するためのアクセルペダルセンサ105、及びステアリングホイール180の操舵角を検出する操舵角センサ106の検出値を含む各種の車両情報を取得可能であり、これらの検出値に基づいて駆動力伝達装置2に電流を供給する。駆動力伝達装置2は、制御装置6から供給される電流に応じて、左右後輪191,192に伝達される駆動力を増減させる。
駆動力伝達装置2は、ハウジング21と、ハウジング21と同軸上で相対回転可能に支持された筒状のインナシャフト22と、ハウジング21とインナシャフト22との間で駆動力を伝達するメインクラッチ23と、メインクラッチ23を押圧する押圧力を発生させるカム機構24と、ハウジング21の回転力を受けてカム機構24を作動させる電磁クラッチ25と、電磁クラッチ25を作動させる磁力を発生する電磁コイル26とを有して構成されている。電磁クラッチ25は、例えば軟磁性体からなる複数のクラッチプレートが電磁コイル26の磁力を受けて動作するアーマチャによって摩擦接触するように構成されている。電磁コイル26に電流が供給されると、供給された電流量に応じて電磁クラッチ25を介してハウジング21の回転力がカム機構24に伝達され、カム機構24が軸方向の押圧力を発生させる。メインクラッチ23は、この押圧力によって複数の摩擦板の間に摩擦力が発生し、ハウジング21からインナシャフト22に駆動力が伝達される。
制御装置6は、駆動力伝達装置2の電磁コイル26に供給する電流を調節することにより、左右後輪191,192に伝達される駆動力を制御可能である。なお、駆動力伝達装置2としては、左右後輪191,192側に伝達される駆動力を連続的に増減させることが可能なものであればよく、例えば電動モータのトルクをカム機構等によって軸方向の押圧力に変換し、複数の摩擦板を押接させる構成のものであってもよい。
左右前輪181,182には、エンジン11の駆動力が、トランスミッション12、フロントディファレンシャル13、及び左右の前輪側のドライブシャフト161,162を介して伝達される。フロントディファレンシャル13は、左右の前輪側のドライブシャフト161,162にそれぞれ相対回転不能に連結された一対のサイドギヤ131,131と、一対のサイドギヤ131,131にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ132,132と、一対のピニオンギヤ132,132を支持するピニオンピン133と、これらを収容するフロントデフケース134とを有している。
フロントデフケース134にはリングギヤ135が固定されており、このリングギヤ135がプロペラシャフト14の車両前方側の端部に設けられたピニオンギヤ141に噛み合っている。プロペラシャフト14の車両後方側の端部は、駆動力伝達装置2のハウジング21に連結されている。この構成により、フロントデフケース134の回転力がプロペラシャフト14を介して駆動力伝達装置2のハウジング21に伝達される。
リヤディファレンシャル15は、左右の後輪側のドライブシャフト171,172にそれぞれ相対回転不能に連結された一対のサイドギヤ151,151と、一対のサイドギヤ151,151にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ152,152と、一対のピニオンギヤ152,152を支持するピニオンピン153と、これらを収容するリヤデフケース154と、リヤデフケース154に固定されたリングギヤ155とを有している。リングギヤ155には、駆動力伝達装置2のインナシャフト22に相対回転不能に連結されたピニオンギヤシャフト150が噛み合っている。
カメラ71は、車室内における天井付近あるいはフロントグリルに取り付けられ、車両前方の路面を撮像する。車線逸脱警報装置7は、カメラ71により撮像された画像における車両境界線の位置に基づいて、方向指示器(ウインカー)が作動していない状態で運転者が意図しない車線の逸脱が発生するおそれがあることを検知し、運転者に可聴な警告音により警報を発して注意を促す。また、車線逸脱警報装置7は、警報を発したこと、あるいは警報を発する前の予備的状態であることを示す警報信号を、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークに出力する。制御装置6は、この警報信号を取得可能である。
(制御装置の構成)
図2は、制御装置6の機能構成例を示すブロック図である。制御装置6は、CPU(演算処理装置)によって実現される制御部61と、ROM等の記憶素子からなる記憶部62と、駆動力伝達装置2の電磁コイル26に電流を出力するための電流出力回路63とを有している。
図2は、制御装置6の機能構成例を示すブロック図である。制御装置6は、CPU(演算処理装置)によって実現される制御部61と、ROM等の記憶素子からなる記憶部62と、駆動力伝達装置2の電磁コイル26に電流を出力するための電流出力回路63とを有している。
制御装置6は、制御部61が記憶部62に記憶されたプログラム620を実行することで駆動力伝達装置2を制御する。記憶部62には、プログラム620の他、後述する操舵角感応トルクマップ621、及び警報時対応トルクマップ622が記憶されている。電流出力回路63は、例えばパワートランジスタ等のスイッチング素子を有し、制御部61により演算された指令トルクに応じた電流をPWM制御により駆動力伝達装置2の電磁コイル26に供給する。
制御装置6の制御部61は、車両情報に応じて左右後輪191,192に伝達すべき駆動力の指令値であるトルク指令値を演算し、このトルク指令値に応じた駆動力が左右後輪191,192に伝達されるように制御を行うと共に、車線逸脱警報装置7から警報信号が出力されたとき、トルク指令値を2輪駆動状態よりも走行安定性を高めることが可能な警報時対応トルク以上とする。以下、この制御装置6における制御内容について詳細に説明する。
図3は、制御部61が所定の演算周期(例えば5ms)毎に実行する処理の具体例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理において、制御部61はまず、各種の車両情報を取得し(ステップS1)、取得した車両情報に基づいて通常時対応トルクを演算する(ステップS2)。通常時対応トルクは、少なくとも旋回半径に関連する旋回半径関連値を含む車両情報に基づいて演算され、本実施の形態では、この旋回半径関連値として操舵角センサ106の検出値を用いる。また、旋回半径関連値として、ヨーレイトセンサの検出値や車幅方向の加速度を検出する横Gセンサの検出値を用いてもよい。制御部61は、通常時対応トルクを演算するにあたり、記憶部62に記憶された操舵角感応トルクマップ621を参照する。
図4は、操舵角感応トルクマップ621の一例を示すグラフである。この操舵角感応トルクマップ621では、低速域、中速域、及び高速域の各車速域について、操舵角θと操舵角感応トルクとの関係が定義されている。なお、車速は、回転速センサ101〜104の検出値から算出してもよく、例えばエンジン11やトランスミッション12を制御する制御ユニットから車載ネットワークを介して取得してもよい。
図4に示す例では、操舵角θ(絶対値)が0から所定値θ1までの間は、操舵角θが増大するにしたがって操舵角感応トルクが単調に増加し、操舵角θが所定値θ1を超えると、操舵角感応トルクが一定の値となる。また、低速域の場合よりも中速域の場合の方が操舵角感応トルクが大きく、高速域の場合には中速域の場合よりもさらに操舵角感応トルクが大きい。
なお、制御部61は、操舵角感応トルクの他に、左右前輪181,182の平均回転速度と左右後輪191,192の平均回転速度との差である前後輪差動回転速度に応じて変化する差動回転感応トルクや、アクセルペダル110の踏み込み量に応じて変化するアクセル開度感応トルクを求め、操舵角感応トルクに差動回転感応トルク及びアクセル開度感応トルクを加算して通常時対応トルクとする。
次に、制御部61は、警報信号が出力された後の警報時処理中であることを示す警報時処理中フラグがオフ状態であるか否かを判定する(ステップS3)。警報時処理中フラグは、後述するステップS8の処理でオン状態とされる状態フラグであり、警報時処理中フラグがオフ状態でない場合(S3:No)、後述するステップS14以降の処理を実行する。
警報時処理中フラグがオフ状態である場合(S3:Yes)、制御部61は、走行路面の摩擦係数を推定演算する(ステップS4)。この推定演算は、例えば2輪駆動状態での直進時における前後輪差動回転速度や、ワイパーの作動状態、あるいはカメラ71で撮像した路面画像に基づいて行うことができる。これらの前後輪差動回転速度、ワイパーの作動状態、及び路面画像は、路面摩擦係数に関連する路面摩擦係数関連情報の一例である。
次に、制御部61は、車線逸脱警報装置7から警報信号が出力されているか否かを判定する(ステップS5)。警報信号が出力されている場合(S5:Yes)、制御部61は、取得した車両情報に基づいて、車両走行状態が安定した走行状態であるか否かを判定する(ステップS6)。
このステップS6の判定は、例えば操舵角センサ106の検出値が実質的に直進状態を示す閾値以下であるか又は一定の舵角を保って旋回する定常旋回状態であるか否かによって行うことができる。ただし、これに限らず、例えば左後輪191と右後輪192との回転速度差や、ヨーレイトセンサや横Gセンサの検出値が閾値以下であるか否かによってステップS6の判定を行ってもよい。
次に、制御部61は、ステップS6の判定結果が車両走行状態の安定を示す場合(S6:Yes)、少なくとも車速に基づいて警報時対応トルクを演算する(ステップS7)。本実施の形態では、車速及びステップS4で演算した路面摩擦係数(推定値)に基づき、記憶部62に記憶された警報時対応トルクマップ622を参照してこの警報時対応トルクを算出する。
図5は、警報時対応トルクマップ622の一例を示すグラフである。この警報時対応トルクマップでは、走行路面が乾燥した舗装路等の高μ路、圧雪路や凍結路等の低μ路、及び湿った舗装路のような中μ路のそれぞれの路面状態ごとに、車速と警報時対応トルクとの関係を示すマップ情報が定義されている。
高μ路の場合には、警報時対応トルクが全ての車速域にわたって実質的にゼロとなる。中μ路の場合には、車速が第1車速値S1未満では警報時対応トルクがゼロとなり、第2車速値S2を超えると警報時対応トルクが第1トルク値Tq1となる。第1車速値S1から第2車速値S2までの間は、警報時対応トルクがゼロから第1トルク値Tq1まで単調に増加する。また、低μ路の場合には、車速が第1車速値S1未満では警報時対応トルクがゼロであり、第2車速値S2を超えると警報時対応トルクが第1トルク値Tq1よりも高い第2トルク値Tq2となる。第1車速値S1から第2車速値S2までの間は、警報時対応トルクがゼロから第2トルク値Tq2まで単調に増加する。
このように、本実施の形態では、制御部61が路面摩擦係数関連情報を加味して警報時対応トルクを演算する。また、制御部61は、路面摩擦係数関連情報に基づいて求められた路面摩擦係数の推定値に応じて、走行路面が高摩擦状態(高μ路)及び低摩擦状態(低μ路)を含む複数段階の摩擦状態のうち何れの摩擦状態に該当するかを判定し、当該判定された摩擦状態に対応するマップ情報を参照して車速に応じた警報時対応トルクを演算する。本実施の形態では、高摩擦状態、中摩擦状態、及び低摩擦状態の3段階の摩擦状態について、それぞれに異なるマップ情報が定義されている。
制御部61は、少なくとも所定の車速域(図5に示す例では第1車速値S1よりも高い車速域)において、走行路面が中摩擦状態であると判定されたとき、高摩擦状態であると判定された場合に比較して警報時対応トルクを大きな値に設定する。また、制御部61は、同車速域において、走行路面が低摩擦状態であると判定されたとき、中摩擦状態であると判定された場合に比較して警報時対応トルクを大きな値に設定する。
なお、警報時対応トルクマップ622は、高摩擦状態及び低摩擦状態の2段階の摩擦状態について、それぞれ対応するマップ情報が定義されていてもよい。この場合、走行路面が低摩擦状態であると判定されたとき、高摩擦状態であると判定された場合に比較して、警報時対応トルクが大きな値に設定される。また、高摩擦状態と低摩擦状態との間に複数段階の摩擦状態のマップ情報が定義されていてもよい。この場合、低摩擦状態に近い場合ほど警報時対応トルクが大きな値に設定される。
制御部61は、ステップS7の処理において警報時対応トルクを算出した後、警報時処理中フラグをオン状態とする(ステップS8)。
また、車線逸脱警報装置7から警報信号が出力されていない場合(S5:No)、及び警報信号が出力されていても車両走行状態が安定した走行状態でないと判定された場合(S6:No)、制御部61は、警報時対応トルクをゼロとし(ステップS9)、次に述べるステップS10以降の処理を実行する。なお、安定した走行状態でない場合に警報時対応トルクをゼロとするのは、4輪駆動車1の旋回中に左右後輪191,192に伝達される駆動力が増大すると、直進時とは異なり、旋回性(回頭性)が高くなってしまうためである。
制御部61は、ステップS10において、通常時対応トルクと警報時対応トルクとを比較し、警報時対応トルクの方が大きい場合にはトルク指令値を警報時対応トルクとし(ステップS11)、通常時対応トルクが警報時対応トルク以上である場合にはトルク指令値を通常時対応トルクする(ステップS12)。すなわち、通常時対応トルク及び警報時対応トルクのうち、大きい方をトルク指令値とする。ステップS9において警報時対応トルクがゼロとされた場合には、通常時対応トルクがトルク指令値となる。
次に制御部61は、トルク指令値に応じたデューティー比を設定して電流出力回路63にPWM信号を出力し(ステップS13)、一回の演算周期における図3のフローチャートの演算処理を終了する。電流出力回路63は、PWM信号に基づいてスイッチング素子をオン・オフさせ、駆動力伝達装置2の電磁コイル26に電流を供給する。
一方、警報時処理中フラグがオン状態である場合(S3:No)、制御部61は、警報時対応トルク漸減中フラグがオフ状態であるか否かを判定する(ステップS14)。この警報時対応トルク漸減中フラグは、後述するステップS16の処理でオン状態とされるフラグである。
警報時対応トルク漸減中フラグがオフ状態である場合(S14:Yes)、制御部61は、走行車線の逸脱を回避する方向に操舵操作がされたか否かを判定する(ステップS15)。この判定は、例えば警報時処理中フラグをオン状態とした演算周期(警報信号出力時)における操舵角センサ106の検出値と、現演算周期における操舵角センサ106の検出値との比較によって行うことができる。
走行車線の逸脱を回避する方向に操舵操作がされたと判定された場合、制御部61は、警報時対応トルク漸減中フラグをオン状態とし(ステップS16)、警報時対応トルクから所定値ΔTを減算して新たな警報時対応トルクとし(ステップS17)、減算後の警報時対応トルクがゼロ以下(ゼロ又は負値)であるか否かを判定する(ステップS18)。
この判定の結果、警報時対応トルクがゼロ以下であれば(S18:Yes)、警報時処理中フラグをオフ状態とすると共に(ステップS19)、警報時対応トルク漸減中フラグをオフ状態とし(ステップS20)、ステップS10以降の処理を実行する。また、警報時対応トルクがゼロよりも大きければ(S18:No)、ステップS19及びS20の処理を行うことなく、ステップS10以降の処理を実行する。
図6は、2輪駆動状態での走行中に車線逸脱警報装置7が警報信号を出力した後のトルク指令値の変化の一例を示すグラフである。この例では、時刻T1において警報信号が出力され、時刻T2において走行車線の逸脱を回避する方向に操舵操作がなされ、時刻T4において警報時対応トルクがゼロとなった場合の警報時対応トルクを、通常時対応トルクと共に示している。時刻T3は、通常時対応トルクが警報時対応トルクよりも大きくなった時刻を示している。
警報時対応トルクは、時刻T2において車線逸脱を回避する方向に操舵されたとき、漸減が開始される。トルク指令値は、時刻T3までは警報時対応トルクであり、時刻T3以降は通常時対応トルクとなる。警報時対応トルク漸減中フラグがオン状態である間の漸減期間(時刻T2からT4)の長さは、例えば1〜3秒間である。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、4輪駆動車1が2輪駆動状態で走行している際に車線逸脱警報装置7が運転者に警報を発しても、警報信号を出力してから漸減期間が終了するまでの間は、左右後輪191,192に警報時対応トルクに対応した駆動力、あるいはそれ以上の駆動力(通常時対応トルク>警報時対応トルクの場合)が伝達されるので、4輪駆動車1の直進性が高まり、車両の挙動が不安定になることを抑制することが可能となる。
以上説明した実施の形態によれば、4輪駆動車1が2輪駆動状態で走行している際に車線逸脱警報装置7が運転者に警報を発しても、警報信号を出力してから漸減期間が終了するまでの間は、左右後輪191,192に警報時対応トルクに対応した駆動力、あるいはそれ以上の駆動力(通常時対応トルク>警報時対応トルクの場合)が伝達されるので、4輪駆動車1の直進性が高まり、車両の挙動が不安定になることを抑制することが可能となる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態では、4輪駆動状態においてエンジン11の駆動力の一部が駆動力伝達装置2を介して左右後輪191,192に配分される構成の4輪駆動車1を例にとって説明したが、本発明を適用可能な4輪駆動車の構成はこれに限らない。例えば、左右前輪181,182がエンジン11によって駆動され、左右後輪191,192が電動モータによって駆動される構成の4輪駆動車にも本発明を適用することが可能である。この場合、電動モータから左右後輪191,192に伝達される駆動力が上記と同様に制御される。
1…4輪駆動車 6…制御装置
7…車線逸脱警報装置 181,182…左右前輪(主駆動輪)
191,192…左右後輪(副駆動輪) 622…警報時対応トルクマップ
7…車線逸脱警報装置 181,182…左右前輪(主駆動輪)
191,192…左右後輪(副駆動輪) 622…警報時対応トルクマップ
Claims (7)
- 前輪及び後輪のうち一方を主駆動輪として他方を副駆動輪とし、前記主駆動輪及び前記副駆動輪に駆動力が伝達される4輪駆動状態と前記副駆動輪に駆動力が伝達されない2輪駆動状態とを切り替え可能な4輪駆動車であって、
前記副駆動輪に伝達される駆動力を制御可能な制御装置と、走行車線を逸脱する可能性があることを検知して警報信号を出力する車線逸脱警報装置とを備え、
前記制御装置は、車両情報に応じて前記副駆動輪に伝達すべき駆動力の指令値を演算し、前記指令値に応じた駆動力が前記副駆動輪に伝達されるように制御を行うと共に、前記警報信号が出力されたとき、前記指令値を前記2輪駆動状態よりも走行安定性を高めることが可能な警報時対応トルク以上とする、
4輪駆動車。 - 前記制御装置は、少なくとも旋回半径に関連する旋回半径関連値を含む車両情報に基づいて通常時対応トルクを演算し、前記警報信号が出力されたとき、前記指令値を前記通常時対応トルク及び前記警報時対応トルクのうち大きい方の値とする、
請求項1に記載の4輪駆動車。 - 前記制御装置は、前記警報信号が出力されたとき、少なくとも車速に基づいて警報時対応トルクを演算する、
請求項1又は2に記載の4輪駆動車。 - 前記制御装置は、路面摩擦係数に関連する路面摩擦係数関連情報を加味して前記警報時対応トルクを演算する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の4輪駆動車。 - 前記制御装置は、前記路面摩擦係数関連情報に基づいて走行路面が高摩擦状態及び低摩擦状態を含む複数段階の摩擦状態のうち何れの摩擦状態に該当するかを判定し、当該判定された摩擦状態に対応するマップ情報を参照して車速に応じた前記警報時対応トルクを演算し、
走行路面が前記低摩擦状態であると判定されたとき、前記高摩擦状態であると判定された場合に比較して、前記警報時対応トルクが大きな値に設定される、
請求項4に記載の4輪駆動車。 - 前記制御装置は、前記警報信号が出力された後、走行車線の逸脱を回避する方向に操舵操作がされたとき、前記警報時対応トルクを漸減する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の4輪駆動車。 - 前輪及び後輪のうち一方を主駆動輪として他方を副駆動輪とし、前記主駆動輪及び前記副駆動輪に駆動力が伝達される4輪駆動状態と前記副駆動輪に駆動力が伝達されない2輪駆動状態とを切り替え可能な4輪駆動車の制御方法であって、
車両情報に応じて前記副駆動輪に伝達すべき駆動力の指令値を演算し、前記指令値に応じた駆動力が前記副駆動輪に伝達されるように制御を行うと共に、走行車線を逸脱する可能性があることを検知したとき、運転者に警報を発すると共に、前記指令値を前記2輪駆動状態よりも走行安定性を高めることが可能な警報時対応トルク以上とする、
4輪駆動車の制御方法。
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CN113085582B (zh) * | 2021-04-23 | 2023-03-03 | 联合汽车电子有限公司 | 新能源汽车双驱动电机实时控制方法、存储介质、控制器和*** |
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