JP2019093611A - 空気入りタイヤ及びタイヤ金型 - Google Patents

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剛彦 荻田
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Abstract

【課題】空気入りタイヤを作製するとき、従来に比べて加硫故障を抑えることができき、ユニフォミティーの悪化を抑えることができるタイヤ金型及び空気入りタイヤを提供する。【解決手段】空気入りタイヤのサイドウォールを形成するサイド形成面を有するタイヤ金型は、前記サイドウォール形成面に設けられ、金型周方向に一周して延びる連続溝と、前記タイヤ金型の内部に設けられ、前記タイヤ金型を用いたタイヤの加硫の際に気体を抜くための気体抜き通路と、を有する。前記連続溝は、溝深さが、前記連続溝内の金型周方向の両側の周囲に比べて深くなっている少なくとも3つの以上の深溝部を備えることにより、前記溝深さが金型周方向に沿って波打っており、前記深溝部のいずれの溝底にも、前記気体抜き通路が開口している。このタイヤ金型を用いて空気入りタイヤを作製する。【選択図】図4

Description

本発明は、サイドウォールにタイヤ周方向に一周して延びるリッジ状の連続突起を有する空気入りタイヤ及びこの空気入りタイヤを製造するためのタイヤ金型に関する。
空気入りタイヤを作製するために用いるタイヤ金型には、タイヤ加硫時にタイヤ金型内に残留するエアや、加硫の際に発生するガスなどの気体を金型外に排出するため、ベントホールなどの気体抜き通路が多数設けられている。これにより、加硫中の生タイヤの外表面がタイヤ金型の高温の内側表面と接触し、生タイヤの加硫を促進させることができる。タイヤの外表面とタイヤ金型の内側表面の間に、気体抜き通路から排出されず残留した気体が存在すると、熱がタイヤ金型から生タイヤに伝達されず、生タイヤの加硫が部分的に十分にできていない加硫欠陥が生じるので、タイヤ金型には、タイヤの外表面とタイヤ金型の内側表面の間の気体を気体抜き通路から完全に排出することが求められる。
一方、上記ベントホール等の気体抜き通路に起因して、加硫後のタイヤには、気体抜き通路内に押し出されたゴムがスピュー(髭状の突起)となってタイヤ表面に多数残存する。そのため、加硫終了後にスピューを切断除去する付加的な作業が行われる。このスピューの切断を行うと、スピューの切断跡がタイヤ表面に多数残り、外観を悪化させる。また、スピューが多い分だけ切断除去に要する時間がかかり、タイヤの生産効率が低くなる。しかも、除去したスピューは産業廃棄物として廃棄処理されるため、材料が無駄になり、かつスピューが多い分だけ産業廃棄物の増加につながる。
これに対して、スピューの発生をより低減することが可能なタイヤ金型及び空気入りタイヤが知られている(特許文献1)。
このタイヤ金型では、タイヤのサイドウォールを成形するサイドウォール形成面に金型周方向に沿って延在する溝が設けられる。この溝は、溝深さが、タイヤ周上の2箇所で最も深くなるように構成される。この溝は、溝の最深部において、気体抜き通路(ベントホールを形成する通路)と連通するように構成される。
特開2004−136616号公報
近年、タイヤの軽量化の要求、及び車両の低燃費化によるタイヤの転がり抵抗の低減要求が厳しく、タイヤのサイドウォールの厚さは薄くなっている。このため、加硫のためにタイヤ金型内に配置する生タイヤの外表面とタイヤ金型の内表面との間の隙間は従来に比べて大きくなり、生タイヤの外表面とタイヤ金型の内表面との間に、気体抜き通路から排気されず気体が残留し易くなっている。このため、加硫故障の頻度が高くなる傾向がある。
上述した、サイドウォール形成面に金型周方向に沿って延在した溝を、この溝の最深部において気体抜き通路と連通させた構成を有するタイヤ金型の場合においても加硫故障の頻度が高くなっている。
また、気体抜き通路と溝の最深部が金型周上の2箇所に設けられる上記タイヤ金型の場合、気体抜き通路と最深部を設ける2箇所は、金型周上の正反対の位置(180度の角度の位置)になるので、排出しようとする多量の気体がタイヤ金型内で長い距離を移動できるようにするために、溝の最深部の深さと溝の最も浅い部分の深さの差を大きくしなければならない。このため、気体の移動とともに多くのサイドゴムも流動し易くなる。このサイドゴムの流動により、サイドゴムのゴム厚さはタイヤ周上でばらつき、タイヤのユニフォミティーが悪化し易い。
そこで、本発明は、空気入りタイヤを作製するとき、従来に比べて加硫故障を抑えることができき、ユニフォミティーの悪化を抑えることができるタイヤ金型及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、空気入りタイヤである。当該空気入りタイヤは、サイドウォールにタイヤ周方向に一周して延びるリッジ状の連続突起を有し、
前記連続突起は、突起高さがタイヤ周方向に沿って波打つ形状を有し、前記連続突起の前記波打つ形状の頂部を少なくとも3つ以上備え、
前記頂部のいずれの表面にも、スピューあるいはスピューを除去した切断痕を有する。
前記頂部の前記突起高さHhighは、前記突起高さの平均高さHaveの105〜180%である、ことが好ましい。
前記頂部の表面には、前記スピューを有し、
前記スピューの直径は、0.3〜1.2mmであり、前記スピューの長さは2〜10mmである、ことが好ましい。
前記頂部は、タイヤ周方向に等間隔で配置されている、ことが好ましい。
前記頂部の数は、8個以上である、ことが好ましい。
本発明の一態様は、空気入りタイヤのサイドウォールを形成するサイドウォール形成面を有するタイヤ金型である。当該タイヤ金型は、
前記サイドウォール形成面に設けられ、金型周方向に一周して延びる連続溝と、前記タイヤ金型の内部に設けられ、前記タイヤ金型を用いたタイヤの加硫の際に気体を抜くための気体抜き通路と、を有する。
前記連続溝は、溝深さが、前記連続溝内の金型周方向の両側の周囲に比べて深くなっている少なくとも3つの以上の深溝部を備えることにより、前記溝深さが金型周方向に沿って波打っており、
前記深溝部のいずれの溝底にも、前記気体抜き通路が開口している。
前記深溝部の前記溝深さDhighは、前記溝深さの平均深さDaveの105〜180%である、ことが好ましい。
前記気体抜き通路の前記開口の直径は、0.3〜1.2mmである、ことが好ましい。
前記深溝部は、金型周方向に等間隔で配置されている、ことが好ましい。
前記深溝部の数は、8個以上である、ことが好ましい。
上述の空気入りタイヤ及びタイヤ金型によれば、空気入りタイヤを作製するとき、従来に比べて加硫故障を抑えることができき、ユニフォミティーの悪化を抑えることができる。
一実施形態の空気入りタイヤのプロファイル断面図である。 (a)〜(c)は、一実施形態の空気入りタイヤのサイドウォールに形成された連続突起を説明する図である。 一実施形態のタイヤ金型の一例を説明する図である。 一実施形態のタイヤ金型のうち、気体抜き通路と連続溝を説明する図である。
本発明の空気入りタイヤ及びタイヤ金型を、図を参照しながら説明する。図1は、一実施形態の空気入りタイヤのプロファイル断面図である。以下、空気入りタイヤを単にタイヤという。
図1にタイヤ10は、例えば乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で具体的に説明する各パターン要素の寸法の数値は、乗用車用タイヤにおける数値例であり、本発明である空気入リタイヤはこれらの数値例に限定されない。
以降で説明するタイヤ幅方向とは、タイヤ10の回転軸線と平行な方向である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向の2方向のうちタイヤセンターラインCLから離れる側である。また、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向の2方向のうちタイヤセンターラインCLに近づく側である。タイヤ周方向とは、タイヤ10の回転軸線を回転の中心としてトレッド部が回転する方向である。タイヤ径方向とは、タイヤの回転軸線に直交する方向である。タイヤ径方向外側とは、回転軸線から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側とは、回転軸線に近づく側をいう。
(タイヤ構造)
タイヤ10は、トレッド部Tと、サイド部Sと、ビード部Bとを有する。タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ層12と、ベルト層14と、ビードコア16とを有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム18と、サイドゴム20と、ビードフィラーゴム22と、リムクッションゴム24と、インナーライナゴム26と、を主に有する。
カーカスプライ層12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材で構成されている。カーカスプライ層12は、ビードコア16の周りに巻きまわされている。カーカスプライ層12のタイヤ径方向外側には、2枚のベルト材14a,14bで構成されるベルト層14が設けられている。ベルト材14a,14bのそれぞれは、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材であり、下層のベルト材14bが上層のベルト材14aに比べてタイヤ幅方向の幅が広い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向は互いに逆方向である。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ層12の膨張を抑制する。
ベルト材14aのタイヤ径方向外側には、トレッドゴム18が設けられている。トレッドゴム18は、最表層となる第1トレッドゴム18aと、第1トレッドゴム部材18aのタイヤ径方向内側に設けられる第2トレッドゴム18bとを有する。トレッドゴム18の両端部には、サイドゴム20が接続されてサイドウォールを形成している。サイドゴム20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ層12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわしたカーカスプライ層12の巻きまわし部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム26が設けられている。
この他に、タイヤ10は、ベルト層14のタイヤ径方向外側からベルト層14を覆いベルト層14を補強する、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバーを備えてもよい。また、タイヤ10は、ビードコア16の周りに巻きまわしたカーカスプライ層12とビードフィラーゴム部材22との間にビード補強材を備えてもよい。
タイヤ10は、このようなタイヤ構造を有するが、本発明の空気入りタイヤのタイヤ構造は、図1に示すタイヤ構造に限定されない。
図2(a)〜(c)は、一実施形態のタイヤ10のサイドウォールに形成された連続突起を説明する図である。具体的には、図2(a)は、タイヤ10のサイド部Sを模式的に説明している。
サイド部Sのサイドウォール表面には、図1に示すように、タイヤ周方向に一周して延びるリッジ状の連続突起30が設けられている。図2(a)には、太線で連続突起30が示されている。
連続突起30は、突起高さがタイヤ周方向に沿って波打つ形状を有する。このとき、連続突起30は、波打つ形状の頂部、すなわち、最大突起高さの部分を、少なくとも3つ以上備える。図2(a)に示す例では、頂部は、タイヤ周上に8箇所、等間隔で設けられている。連続突起30の8箇所の頂部のいずれの表面にも、スピュー32が形成されている。スピュー32は、ベントホール等の気体抜き通路内に押し出されたゴムの髭状の突起である。
連続突起30の断面形状は、例えば、台形形状、長方形や正方形の矩形形状、あるいは、半円柱形状であってもよく、断面形状は特に制限されない。連続突起30の突起高さは、タイヤ周方向に沿って波打つ形状であるので、突起高さが最大になる頂部と、突起高さが最小になる底部とを備える。波形状については、タイヤ周方向に隣り合う頂部と底部の間で、突起高さが直線的に変化する形状であっても、正弦波形状のような曲線形状であってもよく、その形状は制限されない。
スピュー32は、必要に応じて切断除去されてもよい。この場合、連続突起30の各頂部には、スピューを除去した切断痕が形成される。切断痕は、スピュー32の突出基部の一部が残存したスピュー32の痕跡である。
連続突起30は、タイヤ金型によって形成されるものであり、加硫故障が生じ難くするために、タイヤ金型の内表面と生タイヤの外表面との間の気体を誘導するように、タイヤ金型の内表面に設けられた連続溝に対応してできるものである。連続突起30の形状は、また、タイヤのユニフォミティーの悪化を抑えることができるように設けられている。
頂部の突起高さHhighは、突起高さの平均高さHaveの105〜180%であることが好ましい。このような頂部を3箇所以上設けるようにタイヤ金型を構成することにより、厚さの薄いサイドウォールを備えるタイヤにおいて加硫故障を生じさせず、ユニフォミティーを悪化させ難くすることができる。
頂部の突起高さHhighが平均高さHaveの105%より低い場合、タイヤの加硫故障が急激に多くなり好ましくない。頂部の突起高さHhighが平均高さHaveの180%より高い場合、頂部の突起高さHhighが高くなりすぎて、多くのサイドゴムが流動してタイヤのユニフォミティーを悪化させ易い。
頂部の突起高さHhighは、例えば0.6〜0.8mmであり、底部の突起高さHlowは、例えば0.2〜0.4mmである。
図2(b)は、底部における連続突起30の形状を示し、図2(c)は、頂部における連続突起30の形状を示している。図2(c)に示すように、頂部の表面からスピュー32が突出している。このスピュー32は、ベントホール等の気体抜き通路内にサイドゴムが流動して形成されたものである。したがって、スピュー32の外径Wは、気体抜き通路の開口径に対応した寸法である。気体抜き通路の開口径は、タイヤ金型内の生タイヤを加硫するとき、タイヤ金型の内表面と生タイヤの外表面の間の気体をすべて排出できる程度の大きさである。上述したように、スピュー32がタイヤ周上で3箇所以上設けられるので、タイヤ金型においても、内表面には3個以上の気体抜き通路の開口が設けられている。このため、気体抜き通路の開口の配置数に応じて気体抜き通路の開口径が設定される。したがって、気体抜き通路の開口の配置数が多くなるほど、気体抜き通路の開口径を小さくすることができる。気体抜き通路の開口径を小さくすることで、気体抜き通路内を流動するゴムは、通路外周から熱を受けて硬化しやすくなるので、スピュー32の長さLも小さくなる。
スピュー32の外径(直径)Wが所定値以下の場合、スピューの切断除去を不要とすることができる。例えば、外径(直径)Wが所定値より小さい場合、スピューの切断除去しなければならない規定を満足しなくなる。また、外径(直径)Wが所定値より小さい場合、スピューの切断除去した場合と略同等のタイヤ性能を維持することができ、スピュー32を残して市場に提供することができる。この点で、形成されるスピュー32の外径が小さいタイヤは、スピュー32の切断除去をしなくて済むので、タイヤ製造効率の点で有効である。この場合、スピュー32の外径(直径)Wは、0.3〜1.2mmであり、スピュー32の長さLは2〜10mmであることが好ましい。
連続突起30の頂部は、タイヤ周方向に等間隔で配置されていることが、生タイヤの加硫時、タイヤ金型の内表面と生タイヤの外表面の間の気体を効率よく外部に排出する点から好ましい。この場合、底部は、タイヤ周方向に隣り合う頂部の、タイヤ周上の中点の位置に設けられることが好ましい。
連続突起30の頂部の数は、8個以上であることが、スピュー32の外径を小さくすることができ、スピュー32の長さLも小さくすることができるので好ましい。
連続突起30のタイヤ径方向の位置は、特に制限されず、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側であって、タイヤ最大幅位置とトレッドエンドの位置の間にあってもよく、あるいは、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側であって、タイヤ最大幅位置とビード部Bの間にあってもよい。
このようなタイヤ10は、以下説明するタイヤ金型100を用いて作製することができる。図3は、タイヤ金型100の一例を説明する図である。タイヤ10の一方のサイド部Sを成形する環状の上型101と、他方のサイド部Sを成形する環状の下型102と、トレッド部Tを成形する複数のセクター103からなる環状の側型104と、を備える。
上型101は下面側に、下型102は上面側に、サイド部Sを成形するサイドウォール形成面105,106を有している。側型104は、内表面側にトレッド部Tを成形するトレッド成形面107を備える。
サイドウォール形成面105,106には、図3に示すように、それぞれ金型周方向に沿って一周する環状の連続溝108,109が設けられている。連続溝108,109は、生タイヤの加硫時にタイヤ金型10と生タイヤの間に存在する気体を集めて外部に排出するために設けたものである。連続溝108,109は、タイヤ10における連続突起30に対応する部分である。図4は、連続溝108の金型周方向に沿った溝深さの変化を説明する図である。連続溝109も連続溝108と同じ形態を示すが、以降では、代表して、連続溝108を用いて説明する。連続溝108は、図4に示すように、金型周方向に沿って深さが周期的に変化する。溝深さの変化は、金型周方向に隣り合う、溝深さが最も深い部分と溝深さが最も浅い部分との間で、溝深さが直線的に変化してもよく、正弦波形状のように滑らかに変化してもよく、その変化は制限されない。
連続溝108,109の最深部には、それぞれ、図3に示すように、1つのベントホール等の気体抜き通路110,111の一端の開口が連通している。気体抜き通路110,111は上型101、下型102を貫通し、他端が外部に開口しており、連続溝108,109の最深部に集まった気体を気体抜き通路110,111から外部に排出できるように構成されている。なお、図3では、理解を容易にするため、連続溝108,109及び気体抜き通路110,111を実際より拡大した状態で示している。
このようにタイヤ金型100は、サイドウォール形成面105,106に設けられ、金型周方向に一周して延びる連続溝108,109と、タイヤ金型100の内部に設けられ、タイヤ金型100を用いたタイヤの加硫の際に気体を抜くための気体抜き通路110,111と、を有する。連続溝108,109は、図4に示すように、溝深さが、連続溝108,109内の金型周方向の両側の周囲に比べて深くなっている少なくとも3つの以上の深溝部、例えば、連続溝108,109の中で溝深さが最も深くなった部分を備えることにより、溝深さが金型周方向に沿って波打っている。この深溝部のいずれの溝底にも、気体抜き通路110,111が開口している。このため、タイヤ金型の内表面と生タイヤの外表面の間の気体をすべて排出することができる。したがって、従来に比べて加硫欠陥を低下させることができる。しかも、気体抜き通路を通過する気体の量は少なくなるので、気体の流れとともにサイドゴムが流動する量は少なく、サイドゴムのゴム厚さのタイヤ周上におけるばらつきは小さくなり、タイヤのユニフォミティーは悪化し難くなる。特に、1つの気体抜き通路から排出される気体の量は少なくなるので、気体抜き通路110,111の内径を小さくすることができる。このため、スピュー32を細くすることができ、スピュー32を切断除去しなくてもよくなる。
一実施形態によれば、連続溝108,109の深溝部の溝深さDhighは、溝深さの平均深さDaveの105〜180%であることが好ましい。このように溝深さDhighを設けることで、厚さの薄いサイドウォールを備えるタイヤにおいて加硫故障を生じさせず、ユニフォミティーを悪化させ難くすることができる。深溝部の溝深さDhighが平均溝深さDaveの105%より低い場合、タイヤの加硫故障が急激に多くなり好ましくない。深溝部の溝深さDhighが平均溝深さDaveの180%より高い場合、深溝部の溝深さDhighが深くなりすぎて、多くのサイドゴムが流動してタイヤのユニフォミティーを悪化させ易い。
深溝部の溝深さDhighは、例えば0.6〜0.8mmであり、連続溝108,109の浅い溝深さは、例えば0.2〜0.4mmである。
また、一実施形態によれば、連続溝108,109の深溝部の数を3個以上にし、かつ、各深溝部に気体抜き通路110,111の開口を設けることにより、気体抜き通路110,111の開口径(直径)を0.3〜1.2mmにすることができるので、スピュー32の外径Wを0.3〜1.2mmにし(外径Wを細くし)、スピュー32の長さLを小さくすることができる。このため、スピュー32の切断除去を不要にすることができる。
一実施形態によれば、連続溝108,109の深溝部は、金型周方向に等間隔で配置されていることが好ましい。これにより、生タイヤの加硫時、タイヤ金型の内表面と生タイヤの外表面の間の気体を効率よく外部に排出することができる。深溝部の数は、8個以上であることが好ましい。これにより、スピュー32の外径Wを小さくすることができ、スピュー32の長さLも小さくすることができる。
(実験例)
本実施形態の効果を確認するために、タイヤ金型100の連続溝108,109の深溝部の数及びDhighの平均溝深さDaveに対する比率等を種々変更したタイヤ金型を作製してタイヤ(タイヤサイズ:155/60R14)を作製した。生タイヤにおけるサイドゴムの厚さに関して、従来最大厚さ4.0mmであった断面形状を3.5mmにした(最大厚さを0.5mm薄くした)。作製したタイヤについて、加硫故障発生数とタイヤのユニフォミティー(RFV:Radial Force Variation:タイヤ内圧200kPa、荷重292kgf)を調べてタイヤの評価を行った。
加硫故障の評価では、100本のタイヤの加硫故障数(気体残留に起因した欠陥数)を調べ、加硫故障発生数ゼロをレベルA(合格)、加硫故障発生数が1以上2以下をレベルB(合格)とし、加硫故障発生数が3以上をレベルC(不合格)として評価した。
また、ユニフォミティーの評価では、RFVの値を3種類に区分けして、RFVの値が小さいものをレベルA(合格)とし、RFVの値が大きいものをレベルC(不合格)とし、RFVの値がその中間に位置するものをレベルB(合格)として評価した。
下記表1,2は、連続溝(連続突起)の仕様とその評価結果を示す。
Figure 2019093611
Figure 2019093611
表1からわかるように、タイヤ金型では、気体抜き通路110,111の開口を設けた連続溝108,109における深溝部の数を3つ以上、タイヤではスピュー32が形成された連続突起の頂部を3つ以上設けることにより、従来対比、加硫故障数が低減することがわかる。また、ユニフォミティーも改善することができる。実施例1〜6では、従来例に比べて、気体抜き通路110,111の内径を小さくできるのでサイドゴムの流動も少なくなり、ユニフォミティーのレベルは向上するといえる。
また、実施例1〜6の比較より、Dhigh/Dave、及びHhigh/Haveは、105〜180%であることが、加硫故障数の低減及びユニフォミティーのレベルの向上の点から好ましいことがわかる。
従来例では、Dhigh/Daveが150%と高くても、深溝部の数が2個であるため、加硫故障数は低くユニフォミティーも大きかった。
表2からわかるように、気体抜き通路110,111を設けた連続溝108,109における深溝部の数が4つ以上であり、タイヤではスピュー32が形成された連続突起30の頂部が4つ以上であり、気体抜き通路110,111の開口内径が0.3〜1.6mmである実施例7〜10では、加硫故障数の低減及びユニフォミティーのレベルの向上することがわかる。
以上、本発明の空気入りタイヤ及びタイヤ金型について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 タイヤ
12 カーカスプライ層
14 ベルト層
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム
18a 第1トレッドゴム
18b 第2トレッドゴム
20 サイドゴム
22 ビードフィラーゴム
24 リムクッションゴム
26 インナーライナゴム
30 連続突起
32 スピュー
100 タイヤ金型
101 上型
102 下型
103 セクター
104 側型
105,106 サイドウォール形成面
107 トレッド成形面
108,109 連続溝
110,111 気体抜き通路

Claims (10)

  1. 空気入りタイヤのサイドウォールにタイヤ周方向に一周して延びるリッジ状の連続突起を有し、
    前記連続突起は、突起高さがタイヤ周方向に沿って波打つ形状を有し、前記連続突起の前記波打つ形状の頂部を少なくとも3つ以上備え、
    前記頂部のいずれの表面にも、スピューあるいはスピューを除去した切断痕を有する、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記頂部の前記突起高さHhighは、前記突起高さの平均高さHaveの105〜180%である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記頂部の表面には、前記スピューを有し、
    前記スピューの直径は、0.3〜1.2mmであり、前記スピューの長さは2〜10mmである、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記頂部は、タイヤ周方向に等間隔で配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記頂部の数は、8個以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 空気入りタイヤのサイドウォールを形成するサイドウォール形成面を有するタイヤ金型であって、
    前記サイドウォール形成面に設けられ、金型周方向に一周して延びる連続溝と、前記タイヤ金型の内部に設けられ、前記タイヤ金型を用いたタイヤの加硫の際に気体を抜くための気体抜き通路と、を有し、
    前記連続溝は、溝深さが、前記連続溝内の金型周方向の両側の周囲に比べて深くなっている少なくとも3つの以上の深溝部を備えることにより、前記溝深さが金型周方向に沿って波打っており、
    前記深溝部のいずれの溝底にも、前記気体抜き通路が開口している、ことを特徴とするタイヤ金型。
  7. 前記深溝部の前記溝深さDhighは、前記溝深さの平均深さDaveの105〜180%である、請求項6に記載のタイヤ金型。
  8. 前記気体抜き通路の前記開口の直径は、0.3〜1.2mmである、請求項6または7に記載のタイヤ金型。
  9. 前記深溝部は、金型周方向に等間隔で配置されている、請求項6〜8のいずれか1項に記載のタイヤ金型。
  10. 前記深溝部の数は、8個以上である、請求項6〜9のいずれか1項に記載のタイヤ金型。
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