JP2019093392A - パウダー供給装置の運転方法 - Google Patents

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裕介 橿棒
元三 村山
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元三 村山
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Abstract

【課題】 パウダー供給用ノズルの内部にスクリューを配置したパウダー供給装置を用いて連続鋳造用鋳型内にパウダーを投入するにあたり、パウダー供給用ノズルにおけるパウダーの詰まりを未然に防止すると同時に、パウダーの詰りによるスクリューの磨耗、折損を防止する。【解決手段】 本発明のパウダー供給装置の運転方法は、パウダー供給装置1のパウダー供給用ノズル3の内部にスクリューを設け、該スクリューを電動機5によって回転させて前記パウダー供給用ノズルの先端から連続鋳造用鋳型内にパウダー15を投入する、パウダー供給装置の運転方法において、前記パウダー供給用ノズルの内部におけるパウダーの詰まりを前記電動機のトルクの変化で検知し、パウダーの詰まりを検知したときは、前記スクリューの回転数を繰り返し増減させて前記スクリューの回転に細かい振動を加える。【選択図】 図1

Description

本発明は、パウダー供給用ノズルの内部に配置されたスクリューの回転によってパウダーを供給するパウダー供給装置の運転方法に関し、詳しくは、パウダー供給用ノズルにおけるパウダーの詰まりを未然に防止することのできる、パウダー供給装置の運転方法に関する。
鋼の連続鋳造においては、一般に、連続鋳造用鋳型内の溶鋼湯面上にパウダー(「モールドパウダー」ともいう)を投入し、鋳型内溶鋼湯面を被覆することにより、溶鋼の酸化を防止して酸化物系非金属介在物の生成を防止すると同時に、連続鋳造用鋳型と凝固シェルとの間に溶融したパウダーを流入させ、連続鋳造用鋳型と凝固シェルとの潤滑を図っている。このような作用を担うパウダーは、通常、CaO、SiO、Alを主成分とし、CaO/SiO(質量比)がおよそ0.5〜1.6の範囲であり、その他に、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び他金属の酸化物、炭酸塩、フッ化物の1種以上と、更に、溶融速度調整材として炭素分とを含有したものが使用されている。
連続鋳造用鋳型内へのパウダーの投入は、かつては作業者による人力で行っていたが、投入タイミングの個人差をなくす、及び、高熱作業をなくすなどのために、パウダー供給装置による自動投入が広く行われている。パウダー供給装置も、各工場に最適な、種々の形式のものが開発されている。
例えば、特許文献1には、パウダー供給用ノズル下端を鋳型内溶鋼湯面より常時略一定の間隔に保持するとともに、パウダー供給用ノズルに加振装置を介して振動を与え、鋳型内溶鋼湯面に均一厚みのパウダーを投入するパウダー投入方法及び供給装置が提案されている。
特許文献2には、パウダー供給用ノズルからパウダーを連続的に供給するパウダー供給装置において、パウダー供給用ノズルに、パウダーの安息角よりも小さい傾斜角とした傾斜部を設けるとともに、該傾斜部の水平方向長さを、パウダーが傾斜部内で安静時に到達する水平方向長さを超える長さとし、傾斜部の上流側に接続するホッパーまたは傾斜部に加振装置を配置したパウダー供給装置が提案されている。特許文献2は、加振装置による振動により、パウダー供給用ノズルの先端から一定量のパウダーを投入するという技術である。
特許文献3には、パウダー供給用ノズルの内部にスクリュー(またはコイルスプリング)を設け、このスクリュー(またはコイルスプリング)を電動機によって回転させて、パウダー供給用ノズルに接続するホッパー内のパウダーを、パウダー供給用ノズルの先端から連続鋳造用鋳型内に投入するパウダー供給装置が提案されている。
特開昭63−123555号公報 実開昭63−106558号公報 特開平8−57614号公報
特許文献1〜3などによって連続鋳造用鋳型内へのパウダーの自動投入が可能になり、高熱作業の解消に寄与している。
しかしながら、パウダー供給装置のパウダー供給用ノズル内において、パウダーの詰まりが発生する。パウダーの詰まりが発生すると、パウダー供給装置に替わって人手で投入せざるを得ず、作業負荷の増大、鋳型内溶鋼湯面上のパウダー厚みの不均一による品質劣化などが発生する。特許文献3のように、パウダー供給用ノズルの内部にスクリューが配置されたパウダー供給装置では、詰まりの発生によってスクリューが折損したり、曲損したりする。
特許文献1〜3は、パウダー供給装置のパウダー供給用ノズル内におけるパウダーの詰まりは考慮しておらず、パウダーの詰まりが発生した場合の対処方法は何ら記載していない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、パウダー供給用ノズルの内部にスクリューを配置したパウダー供給装置を用いて連続鋳造用鋳型内にパウダーを投入するにあたり、パウダー供給用ノズルにおけるパウダーの詰まりを未然に防止すると同時に、パウダーの詰りによるスクリューの磨耗、折損を防止することのできる、パウダー供給装置の運転方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]パウダー供給装置のパウダー供給用ノズルの内部にスクリューを設け、該スクリューを電動機によって回転させて前記パウダー供給用ノズルの先端から連続鋳造用鋳型内にパウダーを投入する、パウダー供給装置の運転方法において、
前記パウダー供給用ノズルの内部におけるパウダーの詰まりを前記電動機のトルクの変化で検知し、パウダーの詰まりを検知したときは、前記スクリューの回転数を繰り返し増減させて前記スクリューの回転に細かい振動を加えることを特徴とする、パウダー供給装置の運転方法。
本発明によれば、パウダー供給用ノズルの内部でのパウダーの詰まりを、パウダー供給用ノズル内のスクリューを回転させる電動機のトルクの変化で検知し、パウダーの詰まりを検知したときは、スクリューの回転数を繰り返し増減させてスクリューの回転に細かい振動を加えるので、パウダー供給用ノズルにおけるパウダーの詰まりを未然に防止することができると同時に、パウダーの詰りによるスクリューの磨耗、折損を防止することができる。
本発明を実施する際に用いたパウダー供給装置で連続鋳造用鋳型内にパウダーを投入している状態を示す概略図である。 図1に示すパウダー供給装置のパウダー供給用ノズルの構成を示す概略図である。 電動機の回転数を制御するブロック図の一例である。 本発明を実施したときのスクリューの回転数の経時変化を示す図である。 スクリューの回転数を変化させない、従来のスクリューの回転数の経時変化を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を実施する際に用いたパウダー供給装置で連続鋳造用鋳型内にパウダーを投入している状態を示す概略図、図2は、図1に示すパウダー供給装置のパウダー供給用ノズルの構成を示す概略図である。
連続鋳造用鋳型13で連続鋳造される溶鋼14の湯面上にパウダー15を投入するためのパウダー供給装置1は、本体8に積載されたホッパー2及びパウダー供給用ノズル3を備えている。本体8は、左右駆動機構9及び前後駆動機構10を備えており、左右駆動機構9及び前後駆動機構10により、連続鋳造用鋳型13の近傍に設置された架台7の上の任意の位置に移動して、パウダー供給用ノズル3の先端から、連続鋳造用鋳型内の任意の位置にパウダー15を投入できるように構成されている。
パウダー供給用ノズル3は、その内部に、スクリューフィン4a及びスクリューロッド4bからなるスクリュー4を有している。スクリュー4は、スクリューロッド4bの一方の端部と連結する電動機5によって、パウダー供給用ノズル3の内部で回転し、ホッパー2に収容されたパウダー15を、回転するスクリューフィン4aで搬送し、パウダー供給用ノズル3の先端から連続鋳造用鋳型内に投入するように構成されている。ホッパー2の下部にはロータリーフィーダー6が設置されており、ロータリーフィーダー6によって、ホッパー2からパウダー供給用ノズル3へのパウダー15の供給流量が制御されている。ホッパー2へは、ホース接続配管12及び本体ホース11を介して、パウダー収容容器(図示せず)からパウダー15が供給される。
従来は、パウダー15の投入時期になると、ロータリーフィーダー6を作動させ、且つ、電動機5を作動させ、スクリュー4を一定の回転数で回転させ、ロータリーフィーダー6によって切り出されるパウダー15をパウダー供給用ノズル3の先端から連続鋳造用鋳型内に投入していた。
その場合に、パウダー供給用ノズル3の内部でパウダー15の詰まりが発生すると、電動機5の電力使用量を計測する電力計測器が過負荷を検知し、トルクリミッターが作動して、電動機5への電力供給が停止されていた。トルクリミッターが作動するまでは、スクリュー4には過負荷が掛っており、スクリュー4が変形してしまうこともあり、過負荷を繰り返すことによってスクリュー4は折損してしまうこともあった。また、トルクリミッター作動の閾値を緩和させた場合には、スクリュー4の折損は緩和できるものの、パウダー供給装置1の電源が頻繁に遮断されて、設備停止が多くなるという欠点があった。
本発明では、例えば、図3に示すような制御回路で電動機5の回転数を制御し、パウダー供給用ノズル3の内部でのパウダー15の詰まりを防止する。図3は、電動機5の回転数を制御するブロック図の一例である。図3において、符号16は、電動機5の回転数などを設定する条件設定部、17は、電動機5の回転数を制御する回転数制御部、18は、電動機5の実際の回転数を測定する回転数測定器(パルスジェネレーター)、19は、電動機5のトルク、電力使用量などを計測する負荷計測器、20は、負荷計測器19からの入力信号に基づいて、パウダー15の詰まりを検知し、パウダー15の詰まりを検知したときには電動機5の回転数を繰り返し増減させて、スクリューロッド4bの回転に細かい振動を加える判定器である。
図3に示すブロック図において、パウダー投入時の電動機5の回転数、つまり、スクリュー4の回転数を条件設定部16で設定する。回転数制御部17は、条件設定部16から回転数の設定値を受け、電動機5の回転数が設定された回転数になるように、電動機5を回転させる。回転数測定器18は電動機5の実際の回転数を測定し、回転数制御部17に測定した回転数をフィードバックする。回転数制御部17は、条件設定部16から入力された回転数設定値と、回転数測定器18から入力された回転数実測値とに差が存在する場合は、この差がなくなるように、電動機5を回転させる。
パウダー供給用ノズル3の内部でのパウダー15の詰まりが発生しはじめると、条件設定部16から入力された回転数設定値と、回転数測定器18から入力された回転数実測値との差が大きくなり、この差を無くするために、回転数制御部17は、電動機5の回転数を高めるために、電動機5へ供給する電力を増大させる。
負荷計測器19は、電動機5へ供給する電力の増大を計測し、且つ、計測した電力の増大から電動機5のトルクを測定する。判定器20は、負荷計測器19から入力される電動機5のトルクの測定値に基づいて、パウダー供給用ノズル3の内部でのパウダー15の詰まりの有無を判定する。負荷計測器19から入力されるトルクの測定値が、予め設定した閾値(第1の閾値)以上となったときに、パウダー15の詰まりが発生したと判定する。
判定器20は、パウダー供給用ノズル3の内部でパウダー15の詰まりが発生したと判定したときには、電動機5の回転数が、条件設定部16から入力された回転数設定値に対して繰り返し増減するように、具体的には、条件設定部16から入力された回転数設定値を中央値として、短時間で周期的に繰り返し増減するように、回転数制御部17に信号を発信する。
スクリュー4の回転に細かい振動を加えることで、パウダー供給用ノズル3の内部でのパウダー15の詰まりが解消される。パウダー供給用ノズル3の内部でのパウダー15の詰まりが解消した場合には、判定器20は、電動機5の回転数が条件設定部16から入力された回転数設定値になるように制御する。
図4に、このように制御したときのスクリュー4の回転数の経時変化を示す。図5は、比較のために示す図であり、スクリュー4の回転数を変化させない、従来のスクリュー4の回転数の経時変化を示す図である。
尚、スクリュー4の回転数を繰り返し増減させてもパウダー15の詰まりが解消せず、電動機5のトルクが更に上昇して閾値(第2の閾値)を超えた場合には、スクリュー4の折損を防止するために、電動機5への電力供給を停止する。
以上説明したように、本発明によれば、パウダー供給用ノズル3の内部におけるパウダー15の詰まりを、パウダー供給用ノズル内のスクリュー4を回転させる電動機5のトルクの変化で検知し、パウダー15の詰まりを検知したときは、スクリュー4の回転数を繰り返し増減させてスクリュー4の回転に細かい振動を加えるので、パウダー供給用ノズル3におけるパウダー15の詰まりを未然に防止することができると同時に、パウダー15の詰りによるスクリュー4の磨耗、折損を防止することができる。
尚、上記説明は、パウダー供給用ノズル3の内部にスクリュー4が設置された場合を説明したが、スクリュー4の替わりにコイルスプリングが設置されたパウダー供給装置であっても、上記に沿って本発明を適用することができる。
図1に示すパウダー供給装置を用いて本発明を実施した。パウダー供給用ノズルの内部に設置されたスクリューの回転数を設定値の350rpmとして粉末のパウダーを連続鋳造用鋳型内に投入しているときに、電動機のトルクの変化から、パウダー供給用ノズルの内部において、パウダーの詰まりが発生したと判定されたときには、図4に示すパターンで、スクリューの回転数を変化させた。尚、スクリューの駆動は、定格1750W、極数4の誘導電動機で行い、印加電流の周波数はインバータで40〜80Hz可変とし、出力軸には減速比5の減速機を介してスクリュー軸に連結した。
具体的には、スクリューの回転数を、設定値の350rpmに対して約1分間で240rpmまで減速させ、その後、約2分間で、設定値の350rpmに対して480rpmまで増速し、更に、その後、約1分間で設定値の350rpmに減速するというパターンで繰り返して変更し、スクリューの回転に細かい振動を加えた。電動機のトルクが定常時に戻ったなら、スクリューの回転数を設定値の350rpmに戻した。
このようにしてパウダー供給装置を運転し、スクリューの折損回数、交換回数、パウダーの詰まりによる設備停止時間を調査し、本発明を適用する前と比較した。表1に調査結果を示す。
表1に示すように、本発明を適用することで、スクリューの折損は解消され、パウダーの詰まりによる設備停止時間も皆無となった。尚、本発明を適用した時期のスクリューの交換は、摩耗による定期交換である。
即ち、本発明に係るパウダー供給装置の運転方法は、パウダー供給用ノズルの内部におけるパウダーの詰まりを防止する上で、極めて効果的であることが確認できた。
1 パウダー供給装置
2 ホッパー
3 パウダー供給用ノズル
4 スクリュー
4a スクリューフィン
4b スクリューロッド
5 電動機
6 ロータリーフィーダー
7 架台
8 本体
9 左右駆動機構
10 前後駆動機構
11 本体ホース
12 ホース接続配管
13 連続鋳造用鋳型
14 溶鋼
15 パウダー
16 条件設定部
17 回転数制御部
18 回転数測定器
19 負荷計測器
20 判定器

Claims (1)

  1. パウダー供給装置のパウダー供給用ノズルの内部にスクリューを設け、該スクリューを電動機によって回転させて前記パウダー供給用ノズルの先端から連続鋳造用鋳型内にパウダーを投入する、パウダー供給装置の運転方法において、
    前記パウダー供給用ノズルの内部におけるパウダーの詰まりを前記電動機のトルクの変化で検知し、パウダーの詰まりを検知したときは、前記スクリューの回転数を繰り返し増減させて前記スクリューの回転に細かい振動を加えることを特徴とする、パウダー供給装置の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111331091A (zh) * 2020-04-09 2020-06-26 安徽工业大学 一种连铸收尾坯用冶金发热剂自动加入装置
CN113894262A (zh) * 2021-09-26 2022-01-07 盐城市联鑫钢铁有限公司 一种提升铸坯质量的工艺流程及其控制***

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