JP2019085354A - 乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、優れた経表皮水分蒸散量の抑制効果、均一に塗布しやすく、べたつきが少ない使用感、及び良好な安定性を有する乳化化粧料を提供することを目的とする。【解決手段】 乳化化粧料は、25℃でペースト状若しくはワックス状であって植物油由来の脂肪酸ステロールエステルを主成分とする第1の油剤成分と、天然由来の高級アルコールと、天然由来のステアリン酸グリセリルと、HLB値が10〜16の天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含む構成としている。【選択図】 図3

Description

本発明は、天然由来の原料からなる乳化化粧料に関する。
肌にうるおいを与え、乾燥による肌荒れの改善又は予防するため様々な保湿化粧料が広く使用されている。
乳化化粧料には、肌に水分を保持させ水分蒸散を防ぐ経表皮水分蒸散量(TEWL)の抑制効果、肌に塗布したときの肌なじみやべたつき等の使用感、経時変化に対する安定性などが求められている。
化粧料は人の肌に塗布するものであるため、天然由来の原料からつくられた化粧料の需要が大きくなっている。例えば、石油系の原料を含有しない成分を使用したものが試みられている(特許文献1)。
しかし、天然由来の原料からつくられ、かつ、保湿効果、使用感、及び安定性において十分な特性を備える化粧料については、未だ実用に至っていない。
特開2004−35420号公報
本発明は、優れた経表皮水分蒸散量の抑制効果、均一に塗布しやすくべたつきが少ない使用感、及び良好な安定性を有する、天然由来の原料からなる乳化化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、天然由来の原料からつくられるスキンケア用の乳化化粧料を想到し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る乳化化粧料は、25℃でペースト状若しくはワックス状であって植物油由来の脂肪酸ステロールエステルを主成分とする第1の油剤成分と、天然由来の高級アルコールと、天然由来のステアリン酸グリセリルと、HLB値が10〜16の天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含む。
本発明に係る乳化化粧料は、一般的に水中油型乳化化粧料として調製される。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、天然由来とは、自然界、特に動植物、微生物等、石油以外の天然物に由来することを意味し、天然物から抽出、精製したものの他、微生物を介して採取したもの、それらを加工したものを含む。また、本発明に係る乳化化粧料は、天然由来成分のみを含む態様とすることができる。
本発明に係る乳化化粧料は、その一態様で、前記第1の油剤成分がコメヌカ油脂肪酸フィトステリル、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル及びマカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリルからなる群から選択される1種又は2種以上である。
本発明に係る乳化化粧料は、その一態様で、前記第1の油剤成分を、乳化化粧料の全量に対して、0.1〜15.0質量%含む。
本発明に係る乳化化粧料は、その一態様で、25℃でペースト状若しくはワックス状であって、植物油由来の脂肪酸ステロールエステルを主成分としない天然由来の第2の油剤成分をさらに含む。
本発明に係る乳化化粧料は、その一態様で、前記第1の油剤成分と全油剤成分の含有比率が質量比で、1:9〜1:2である。
本発明に係る乳化化粧料は、その一態様で、前記ステアリン酸グリセリルと前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとを含む界面活性剤を、乳化化粧料の全量に対して、1.0〜10.0質量%含む。
本発明に係る乳化化粧料は、その一態様で、さらに1種以上の天然由来の多糖類増粘剤を含む。
本発明に係る乳化化粧料は、その一態様で、前記天然由来の多糖類増粘剤を、前記乳化化粧料の全量に対して、0.01〜2.0質量%含む。
本発明に係る乳化化粧料は、その一態様で、pHが、4.5〜7.0である。
本発明によれば、優れた経表皮水分蒸散量の抑制効果、均一に塗布しやすくべたつきが少ない使用感、及び良好な安定性を有する、天然由来の原料からなる乳化化粧料が提供される。
本発明の乳化化粧料を塗布したときの、使用感を示すグラフである。 本発明の乳化化粧料を塗布する前と塗布した後における、経表皮水分蒸散量の変化を示すグラフである。 本発明の乳化化粧料を塗布する前と塗布した後における、経表皮水分蒸散量の変化の比を示すグラフである。
以下に、本発明に係る乳化化粧料の実施形態を説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
本発明に係る乳化化粧料は、25℃でペースト状若しくはワックス状であって植物油由来の脂肪酸ステロールエステルを主成分とする油剤成分(以下「第1の油剤成分」と記載されることもある)と、天然由来の高級アルコールと、天然由来のステアリン酸グリセリルと、HLB値が10〜16の天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含む。
前記第1の油剤成分は、植物油に由来し、脂肪酸とステロール類とのエステルを主成分とし、ペースト状若しくはワックス状の植物油やエステル油、ロウ、炭化水素油等に分類される油剤成分である。こうした油剤成分としては、コメヌカ油脂肪酸フィトステリル、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリルから選択される1種又は2種類以上の組み合わせからなる油剤成分が好ましい。最も好ましくはコメヌカ油脂肪酸フィトステリルである。
また、本発明は、こうした第1の油剤成分とは異なる油剤成分であって、植物油由来の脂肪酸ステロールエステルを主成分とせず、25℃でペースト状若しくはワックス状の植物油やエステル油、ロウ、炭化水素油等に分類される天然由来の油剤成分(以下「第2の油剤成分」と記載されることもある)をさらに配合することができる。こうした第2の油剤成分としては、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、トリ脂肪酸(C10−18)グリセリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、フィトステロールズ、コレステロール、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、イソステアリン酸水添ヒマシ油、(ジグリセリン/ジリノール酸/ヒドロキシステアリン酸)コポリマー、水添ヒマシ油、水添パーム油、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、コメヌカ油/水添コメヌカ油エステルズ、ホホバエステル、(モリンガ油/水添モリンガ油)エステルズ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、コメヌカロウ、水添コメヌカロウ、野菜油などを挙げることができる。
また、本発明の乳化化粧料に含まれる第1の油剤成分は、含有量が、乳化化粧料全量に対して、0.1〜15.0質量%であることが好ましく、1.0〜10.0質量%であることがより好ましく、2.0〜5.0質量%であることがさらに好ましい。0.1質量%以上であることにより、経表皮水分蒸散量を抑制することができ、15.0質量%以下であることにより、優れた安定性を有し使用者に心地よい使用感を与えることができる。
さらに、本発明の乳化化粧料に含まれる天然由来の油剤成分では、第1の油剤成分を含む2種類以上の油剤成分を含有する場合、第1の油剤成分と全油剤成分の含有比率が質量比で、1:9〜1:2であることが好ましく、より好ましくは1:8〜1:3である。1:2以下であることにより、優れた安定性を有し使用者に心地よい使用感を与えることができ、1:9以上であることにより、経表皮水分蒸散量を抑制し肌バリア機能の回復効果をより得ることができる。
本発明の乳化化粧料に含まれる高級アルコールとしては、アルキル基の炭素数が8〜22個であって25℃でペースト状若しくはワックス状のものが好ましい。具体的には、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキルアルコール、硬化ナタネ油アルコール、(C12−16)アルコール、(C14−22)アルコール、アラキジルアルコールなどを挙げることができる。特に、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールから選択される1種又は2種類以上の組み合わせからなる高級アルコールが好ましく、最も好ましくはセタノール、ステアリルアルコール、から選択される1種又は2種類以上の組み合わせである。高級アルコールの含有量が、乳化化粧料全量に対して、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、1.0〜2.0質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上であることにより、優れた温度安定性を有することができ、3.0質量%以下であることにより、使用者にのびがよくコクのある使用感を与えることができる。
本発明の乳化化粧料に含まれるステアリン酸グリセリルは乳化剤として有用である。ステアリン酸グリセリルを含有することにより、水中油型の乳化化粧料の安定性を向上させることができる。
本発明の乳化化粧料に含まれる天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルは乳化剤(界面活性剤)として有用である。天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数が8〜22個の脂肪酸と、4〜10個のグリセリンが重合してなるポリグリセリンとがエステル結合したものが好ましく、さらにHLB10〜16のものが好ましい。具体的には、ジステアリン酸ポリグリセリル−3−メチルグルコース、ラウリン酸ポリグリセリル−4、ラウリン酸ポリグリセリル−6、ミリスチン酸ポリグリセリル−6、イソステアリン酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル−10、ジステアリン酸ポリグリセリル−10、オレイン酸ポリグリセリル−10、などを挙げることができる。ジステアリン酸ポリグリセリル−3−メチルグルコース、ミリスチン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−10、から選択される1種又は2種類以上の組み合わせからなるポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、最も好ましくは、ジステアリン酸ポリグリセリル−3−メチルグルコースである。
本発明の乳化化粧料では、HLB値が10〜16となるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量及び種類を適宜選択する。より好ましくは、HLB値は、11〜15である。HLB値が10以上であることにより、水中油型の乳化物を調製しやくすることができ、16以下であることによって、水性成分と油性成分の相分離を抑制することができる。
なお、HLB値は、一般的に水・油への親和性を示す値である。本発明では、グリフィン法で求めたHLB値を採用する。
本発明の乳化化粧料のステアリン酸グリセリル、及びHLBが10〜16の天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含む界面活性剤の含有量が、乳化化粧料全量に対して、1.0〜10.0質量%であることが好ましく、2.0〜7.0質量%であることがより好ましい。1.0質量%以上であることにより、水中油型の乳化物を調製しやくすることができ、10.0質量%以下であることにより、乳化粒子の品質の悪化を抑制することができる。
本発明の乳化化粧料は、天然由来の多糖類増粘剤をさらに含むことができる。天然由来の多糖類増粘剤は乳化安定化剤としての機能も果たす。天然由来の多糖類増粘剤としては、デヒドロキサンタンガム、キサンタンガム、カラギーナン、スクレロチウムガム、タマリンドガム、グアーガム、ローストビーンガム、ジェランガム、クインスシード、アラビアガム、アルギン酸塩、ペクチン、寒天、デンプン、マンナン、セルロース、キトサン、スクシノグリカン、ヒアルロン酸塩、シロキクラゲ多糖体、などがある。特に、デヒドロキサンタンガム、キサンタンガム、カラギーナン、スクレロチウムガムから選択される1種又は2種類以上の組み合わせからなる天然由来の多糖類増粘剤が好ましく、より好ましくはデヒドロキサンタンガム、キサンタンガム、カラギーナンから選択される1種又は2種類以上と、スクレロチウムガムとの組み合わせである。また、天然由来の多糖類増粘剤の含有量が、乳化化粧料全量に対して、0.01〜2.0質量%であることが好ましく、0.2〜1.5質量%であることがより好ましい。0.01質量%以上であることにより、水性成分と油性成分の相分離を抑制することができ、2.0質量%以下であることにより、優れた経表皮水分蒸散量の抑制効果、均一に塗布しやすくべたつきが少ない使用感、及び良好な安定性を得ることができる。
本発明の乳化化粧料は、天然由来の液状の油剤成分(以下「第3の油剤成分」と記載されることもある)をさらに含むことができる。前記天然由来の液状の油剤成分は、植物油やエステル油、炭化水素油等に分類される油性成分が好ましい。具体例としては、コメヌカ油、コメ胚芽油、アルガニアスピノサ核油、ホホバ種子油、オリーブ果実油、ローズヒップ油、クランベアビシニカ油、ヒマワリ種子油、コーン油、ワサビノキ種子油、アブラナ種子油、アンズ核油、マカデミアナッツ油、ダイズ油、バオバブ油、シア脂、ヤシ油、ナタネ油、アーモンド油、アボカド油、ブドウ種子油、オレンジラフィー油、スクワラン、パルミチン酸エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン、イソステアリン酸、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、などを挙げることができる。これらのうち、パルミチン酸エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、コメヌカ油、コメ胚芽油、オリーブ果実油、から選択される1種又は2種類以上の組み合わせからなる油剤成分が好ましい。最も好ましくはパルミチン酸エチルヘキシル、及び/又は、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、からなる油剤成分である。
本発明の乳化化粧料には、水溶性保湿成分をさらに含むことができる。水溶性保湿成分を含有することで、保湿効果や使用感の改善、その他に天然由来の多糖類増粘剤が乳化化粧料に溶解しやすくなる。水溶性保湿成分としては、プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン‐4、ポリグリセリン‐6、ポリグリセリン‐10、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、スクロース、フルクトース、キシリトール、マルトース、マルチトース、トレハロース、イノシトール、グリコシルトレハロース、グリコーゲン、などを挙げることができる。特に、プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン、が好ましく、最も好ましくはプロパンジオールである。また、水溶性保湿成分の含有量が、乳化化粧料全量に対して、1.0〜7.0質量%であることが好ましく、3.0〜5.0質量%であることがより好ましい。1.0質量%以上であることにより、肌上で水分を保持することができ、7.0質量%以下であることにより、均一に塗布しやすくべたつきが少ない使用感を得ることができる。
本発明の乳化化粧料には、pH調整剤をさらに含むことができる。pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸塩、リンゴ酸、リンゴ酸塩、乳酸、乳酸塩、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸塩、グルコン酸、グルコン酸塩、フィチン酸などを挙げることができる。特に、クエン酸、クエン酸塩が好ましい。また、乳化化粧料のpHが、4.5〜7.0であることが好ましく、4.8〜6.5であることがより好ましい。4.5以上であることにより、乳化剤の加水分解を抑制して水性成分と油性成分の相分離を抑制することができ、7.0以下であることにより、肌バリア機能の低下抑制と乳化剤の加水分解を抑制して水性成分と油性成分の相分離を抑制することができる。
本発明の乳化化粧料では、粘度(25℃)を5〜200Pa・sとすることが好ましく、20〜150Pa・sであることがより好ましい。5Pa・s以上であることにより、安定性を良好とすることができ、200Pa・s以下であることにより良好な安定性と、使用感を得ることができる。また、粘度を高くすることによって、例えばステアリン酸グリセリルやポリグリセリン脂肪酸エステルを含む乳化粒子中に包括された天然由来の油性成分と、水性の外相が分離しないようにすることができるため、乳化化粧料全体の経時的な安定性、および高温度や低温度の環境における安定性を向上させることができる。
本発明の乳化化粧料は、前記した成分の他、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を配合することができる。他の成分としては、防腐剤、酸化防止剤、生理活性成分、動物・海藻・微生物・植物由来エキス成分、香料、紛体、アミノ酸、色素、天然ビタミン類等を挙げることができる。
以上のことから、少なくとも、25℃でペースト状若しくはワックス状であって植物油由来の脂肪酸ステロールエステルを主成分とする第1の油剤成分を0.1〜15.0質量%、天然由来の高級アルコールを0.1〜3.0質量%、天然由来のステアリン酸グリセリル及びHLB値が10〜16の天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルを1.0〜10.0質量%、天然由来の多糖類増粘剤を0.01〜2.0質量%含む乳化化粧料とすることが好適である。
以上のように、本発明の乳化化粧料は、優れた経表皮水分蒸散量の抑制効果、均一に塗布しやすくべたつきが少ない使用感、及び良好な安定性を有するという優れた効果を提供する。
乳化化粧料には「水中油型」と「油中水型」の2種類があり、水中油型の乳化化粧料は、さっぱりとした使用感を特徴としたスキンケアの乳液やクリームに多用される。本発明の乳化化粧料は、美容液、パック、マッサージ、ハンドケア、ボディケア、サンケアといったスキンケア用のものに好適にすることができる。
なお、本明細書において、安定性とは、外観の性状(分離・沈殿)、香り、色調のことを示す。
また、本明細書において、使用感とは、乳化化粧料を人の肌に塗布したときに被験者が感じるのび、肌なじみ、保湿感、好みのことを示す。「好み」とは、塗布時の被験者の嗜好性を示したものである。
さらに、本明細書において、経表皮水分蒸散量(TEWL)は、肌から蒸発する水分量を示し、つまり、肌のバリア機能の損傷度合いを評価するパラメータである。この値が小さいほどバリア機能が高く、肌から水分が逃げにくい状態を示す。通常、1平方センチメートルで1時間当たりのTEWL値は、10(g/h/cm)前後が普通肌、30(g/h/cm)前後が乾燥肌とされる。
以下に、本発明に係る乳化化粧料の実施例を示す。なお、本発明は、以下の実施例、比較例、試験例等によって限定されるものではない。
実施例1〜12及び比較例1〜5において下記表1、2に示す組成の通り、乳化化粧料を次の方法で調製した。
まず、実施例1〜12及び比較例1〜5の各配合成分を水相と油相それぞれ80度まで加熱し、水相に油相を添加し後、ホモミキサー(プライミクス社、ラボ・リューション)で乳化して乳化化粧料を得た。
なお、油剤成分について、コメヌカ油脂肪酸フィトステリルは築野食品工業社製のライステロールエステル、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルは日本精化社製のPlandool-SUM、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリルは日本精化社製のPlandool-MAS、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)は日本精化社製のPlandool-H、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)は味の素ヘルシーサプライ社製のエルデュウPS−304、トリ脂肪酸(C10−18)グリセリルはAMEDEO BRASCA & C. SRL社製のオリフィールパールズ、オレイン酸フィトステリルは日清オイリオグループ社製のサラコスPO(T)、パルミチン酸エチルヘキシルはPALM−OLEO(KLANG)SDN.BHD.社製のPALMESTER 1543を用いた。
高級アルコールについて、セタノールは高級アルコール工業社製の脱臭セタノール、ステアリルアルコールは花王社製のカルコール8098、ベヘニルアルコールは高級アルコール工業社製のベヘニルアルコール65を用いた。
ステアリン酸グリセリルは日光ケミカルズ社製のNIKKOL MGS−BV2を用い、天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルについて、ジステアリン酸ポリグリセリル−3−メチルグルコースはエボニックジャパン社製のTEGO Care450、ミリスチン酸ポリグリセリル−6は日光ケミカルズ社製のNIKKOL Hexaglyn 1−M、ラウリン酸ポリグリセリル−10は太陽化学のサンソフトQ−12S−Cを用いた。
プロパンジオールはデュポンテートアンドライルバイオプロダクツカンパニー製のZemeaSelectプロパンジオールを用いた。
天然由来の多糖類増粘剤について、デヒドロキサンタンガムはAkzoNobel社製のAMAZE XT、キサンタンガムはDSP五協フード&ケミカル社製のエコーガム/ケルトロール、カラギーナンは三晶社製のGENUVISCO carrageenan type PJ−JPE、スクレロチウムガムはAlban Muller International社製のGranulated AMIGELを用いた。
実施例1〜12及び比較例1〜5について、pH測定、粘度測定、安定性に関する評価を行った。結果を表1、2に示した。また、使用感(のび、肌なじみ、保湿感、好み)に関する評価を行った。結果を表3、4に示した。TEWLに関する評価を行った。結果を表5、6に示した。
表1において実施例1を実1のように、実施例1〜12を略記し、表2において比較例1を比1のように、比較例1〜5を略記した。
1.pH測定
乳化化粧料をあらかじめ校正したpHメーター(HORIBA社製、卓上pHメーター)の検出部に浸して測定した。
2.粘度測定
乳化化粧料を製造して1日後、室温でTVB−10M形粘度計(東機産業製)(ローターNo.4)にて各化粧料の粘度を測定した。
3.安定性試験
乳化化粧料を製造して、25℃の暗所に静置し、15日後の外観、香り、色調を目視、臭気確認により観察し、以下の判断基準に従って評価した。
○: 外観の性状(分離・沈殿)、香り、色調がほとんど変化しなかった場合。
×: 外観の性状(分離・沈殿)、香り、色調に明らかな変質が感じられる場合。
4.使用感評価
乳化化粧料を5名の被験者の肌に塗布し、塗布時の仕上がりを自己評価した。使用感の評価項目として、のび、肌なじみ、保湿感、好みを各自が以下の評価基準に従って5段階評価し、5名の平均値xを求めた(表3)。
評価基準:
5: 非常に良好
4: 良好
3: ふつう
2: やや不良
1: 不良
また、評価項目ごとに、実施例1〜12及び比較例1〜5の前記平均値xからなるデータ群の中央値aを求めた。その後、以下の判断基準に従って、各平均値xを評価した(表4)。
判断基準:
○: x≧aの場合。
△: a>x≧a−1の場合。
×: a−1>xの場合。
5.TEWL評価
TEWLは、Courage+Khazaka社製のTewameter TM300で測定し、石鹸で肌を洗浄した後、ラウレス硫酸ナトリウム(SLS)を肌に塗布して1分ほど刺激し、その後、水中油型乳化化粧料の塗布前のTEWL値を測定した。そして水中油型乳化化粧料を塗布して肌に馴染ませてから1時間静置した後、塗布後のTEWL値を測定した(表5)。
塗布前を1とした場合の塗布後のTEWL値yを算出し、以下の判断基準に従って評価した(表6)。
◎: 0.6≧y>0の場合。
○: 0.7≧y>0.6の場合。
△: 1>y>0.7の場合。
×: y≧1の場合。
Figure 2019085354
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表1〜6の結果から、実施例1〜12で調製した天然由来の原料からなる乳化化粧料は、優れた経表皮水分蒸散量の抑制効果、均一に塗布しやすくべたつきが少ない使用感、及び良好な安定性を有することが認められた。
実施例1〜12のように第1の油剤成分を含有した場合、TEWL値が小さくなり、バリア機能が高くなっていることが認められた。これに対し、こうした第1の油剤成分を含有しない比較例1では、TEWL値が大きくなり、バリア機能が低くなっていることが認められた。また、比較例3より、第1の油剤成分を含まない一方で第2の油剤成分のみを含む場合は、使用感がわずかに悪くなっていること、及びTEWL値が大きくなり、バリア機能の改善度合いが低くなっていることが認められた。
実施例1〜12に対して、第1の油剤成分の含有割合が大きすぎる比較例2では、安定性、使用感が悪くなることが認められた。また、実施例1〜12に対して、天然由来の多糖類増粘剤の含有割合が大きすぎる比較例4でも、安定性、使用感が悪くなることが認められた。
増粘剤として、石油由来の(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーを含有する比較例5の結果から分かるように、天然由来の多糖類増粘剤ではなく、石油由来原料の増粘剤を使用すると、TEWL値の変化量が小さくなり、バリア機能が十分に改善されていないことが認められた。

Claims (9)

  1. 25℃でペースト状若しくはワックス状であって植物油由来の脂肪酸ステロールエステルを主成分とする第1の油剤成分と、天然由来の高級アルコールと、天然由来のステアリン酸グリセリルと、HLB値が10〜16の天然由来のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含む乳化化粧料。
  2. 前記第1の油剤成分がコメヌカ油脂肪酸フィトステリル、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル及びマカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリルからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の乳化化粧料。
  3. 前記第1の油剤成分を、前記乳化化粧料の全量に対して、0.1〜15.0質量%含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳化化粧料。
  4. 25℃でペースト状若しくはワックス状であって、植物油由来の脂肪酸ステロールエステルを主成分としない天然由来の第2の油剤成分をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳化化粧料。
  5. 前記第1の油剤成分と全油剤成分の含有比率が質量比で、1:9〜1:2であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の乳化化粧料。
  6. 前記ステアリン酸グリセリルと前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとを含む界面活性剤を、前記乳化化粧料の全量に対して1.0〜10.0質量%の範囲で、さらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の乳化化粧料。
  7. さらに1種以上の天然由来の多糖類増粘剤を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳化化粧料。
  8. 前記天然由来の多糖類増粘剤が、前記乳化化粧料の全量に対して、0.01〜2.0質量%であることを特徴とする、請求項7に記載の乳化化粧料。
  9. 前記乳化化粧料のpHが、4.5〜7.0の範囲であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の乳化化粧料。
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