JP2019085018A - ハブユニット軸受及び制動用回転体付ハブユニット軸受 - Google Patents

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秋津 岸田
Akitsu Kishida
秋津 岸田
達男 若林
Tatsuo Wakabayashi
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Abstract

【課題】ブレーキロータを回転フランジに対し、初期取り付け位相とは異なる位相で取り付けることを有効に防止できる構造を実現する。【解決手段】回転フランジ10を、それぞれにハブボルト用ねじ孔15が設けられた4つの厚肉部14と、円周方向に隣り合う厚肉部14同士をつなぐとともに、周方向中間部に最も外径寸法が小さくなった最小径部を有し、かつ、厚肉部14よりも軸方向厚さ寸法の小さい4つの薄肉部16とから構成する。また、4つの薄肉部16を、それぞれが回転フランジ10の直径方向反対側に配置された2つの小径薄肉部17と2つの大径薄肉部18とから構成する。また、大径薄肉部18に、小径薄肉部17の最小径部の外径よりもピッチ円直径の大きい押しボルト用ねじ孔19を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の車輪及び制動用回転体を懸架装置に対して回転自在に支持するためのハブユニット軸受に関する。
ハブユニット軸受は、回転フランジを有する回転輪を備えており、この回転フランジに、車輪を構成するホイール、及び、ブレーキロータなどの制動用回転体が結合される。また、近年、回転フランジの円周方向複数箇所にねじ孔を設け、これらのねじ孔に螺合した複数本のハブボルトを用いて、回転フランジにホイール及び制動用回転体を結合する形式のハブユニット軸受(たとえば、特開2010−089669号公報参照)が、欧州で普及している。
特開2010−089669号公報
このような形式のハブユニット軸受を使用する場合、たとえば、パンク修理やタイヤの履き替えなどの理由で、回転フランジからホイールを取り外す際に、制動用回転体が回転フランジから一緒に外れてしまう可能性がある。そして、このように、制動用回転体が回転フランジから外れてしまうと、制動用回転体と回転フランジとの初期取り付け位相が分からなくなり、ホイールを再び回転フランジに取り付ける際に、制動用回転体を回転フランジに対し、初期取り付け位相とは異なる位相で取り付ける可能性がある。この結果、制動用回転体の振れ回りが大きくなり、制動時に、ブレーキジャダーと呼ばれる不快な振動を発生させる可能性がある。
特に、回転フランジに、制動用回転体を取り外すために用いる押しボルトを螺合するための押しボルト用ねじ孔を設けている場合には、押しボルト用ねじ孔の存在に起因して、回転フランジ自身に重量のアンバランスがあるため、制動用回転体の初期の取り付け状態で、このアンバランスを相殺するように、制動用回転体の初期取り付け位相が規制されている。したがって、制動用回転体を回転フランジに対し、初期取り付け位相とは異なる位相で取り付けると、制動用回転体の振れ回りが大きくなりやすく、ブレーキジャダーが発生しやすくなる。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、制動用回転体を回転フランジに対し、初期取り付け位相とは異なる位相で取り付けることを、有効に防止できる構造を実現することにある。
本発明のハブユニット軸受は、静止輪と、回転輪と、複数個の転動体とを備える。
前記静止輪は、周面(内周面又は外周面)に静止軌道を有する。
前記回転輪は、前記静止輪と同軸に配置され、周面(外周面又は内周面)のうち前記静止軌道と対向する部分に回転軌道を有する。また、前記回転輪は、制動用回転体を結合するのに用いるハブボルトを螺合するための4つのハブボルト用ねじ孔と、前記制動用回転体を取り外すのに用いる押しボルトを螺合するための押しボルト用ねじ孔とがそれぞれ設けられた回転フランジを有している。
前記複数個の転動体は、前記静止軌道と前記回転軌道との間に転動自在に配置されている。
さらに本発明では、前記回転フランジは、それぞれが放射方向に伸長しかつそれぞれに前記ハブボルト用ねじ孔が設けられた4つの厚肉部と、円周方向に隣り合う前記厚肉部同士をつなぐとともに、周方向中間部に最も外径寸法が小さくなった最小径部を有し、かつ、前記厚肉部よりも軸方向厚さ寸法の小さい4つの薄肉部とを有している。
前記4つの薄肉部は、それぞれが前記回転フランジの直径方向反対側に配置された、2つの小径薄肉部と、前記小径薄肉部の最小径部よりも自身の最小径部が大きい2つの大径薄肉部であり、少なくとも一方の前記大径薄肉部には、前記小径薄肉部の最小径部の外径よりも、前記回転輪の中心軸を中心とする外接円径が大きい前記押しボルト用ねじ孔を設けている。
本発明では、前記押しボルト用ねじ孔のピッチ円直径を、前記小径薄肉部の最小径部の外径よりも大きくすることができる。
さらに本発明では、前記押しボルト用ねじ孔の内接円径を、前記小径薄肉部の最小径部の外径よりも大きくすることができる。
本発明では、2つの前記大径薄肉部のそれぞれに、前記押しボルト用ねじ孔を設けることができる。
本発明の制動用回転体付ハブユニット軸受は、ハブユニット軸受と、制動用回転体とを備えている。
前記ハブユニット軸受は、本発明のハブユニット軸受である。
前記制動用回転体は、前記回転フランジの軸方向外側面に重ね合わせた状態で、前記4つのハブボルト用ねじ孔と位相が一致する位置に、前記ハブボルトを挿通が可能な4つのボルト挿通孔を有するとともに、前記押しボルト用ねじ孔に対し円周方向に関する位相が90度ずれた位置に、前記押しボルト用ねじ孔とピッチ円直径が等しい、確認用貫通孔を有している。
本発明によれば、制動用回転体を回転フランジに対し、初期取り付け位相とは異なる位相で取り付けることを、有効に防止できる。
図1は、実施の形態の第1例にかかるハブユニット軸受の使用状態を示す、断面図である。 図2は、実施の形態の第1例にかかるハブユニット軸受を、軸方向外側から見た図である。 図3は、実施の形態の第1例にかかるハブユニット軸受を、軸方向内側から見た図である。 図4は、実施の形態の第1例に関して、初期取り付け位相から90度位相がずれた状態で取り付けられたブレーキロータの軸方向内側面の一部を示す図である。 図5は、実施の形態の第2例に関し、ハブユニット軸受にブレーキロータを取り付けた状態で、軸方向外側から中央寄り部分を見た図であり、(A)は、ブレーキロータが初期取り付け位相に取り付けられた状態を示しており、(B)は、ブレーキロータが初期取り付け位相から90度位相がずれて取り付けられた状態を示している。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1〜図4を用いて説明する。本例のハブユニット軸受1は、従動輪用のもので、静止輪である外輪2と、回転輪であるハブ3と、複数個の転動体4とを備えている。なお、ハブユニット軸受1及びその周辺部材に関して、軸方向内側は、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側(図1における右側)であり、軸方向外側は、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側(図1における左側)である。
外輪2は、中炭素鋼などの硬質金属製で、複列の外輪軌道5と、外輪2を懸架装置に結合するための静止フランジ6とを備えている。複列の外輪軌道5は、それぞれが断面円弧形で、外輪2の内周面に形成されている。静止フランジ6は、外輪2の軸方向中間部に径方向外方に突出するように設けられている。静止フランジ6の径方向中間部の円周方向複数箇所には、取付孔7が設けられている。
ハブ3は、外輪2の内径側に外輪2と同軸に配置されており、複列の内輪軌道8と、パイロット部9と、回転フランジ10とを備えている。複列の内輪軌道8は、それぞれが断面円弧形で、ハブ3の外周面のうち、複列の外輪軌道5に対向する部分に設けられている。パイロット部9は、車輪を構成するホイール11及びブレーキロータ12を外嵌し、これらホイール11及びブレーキロータ12と、ハブ3とを同軸に配置するためのもので、段付円筒状に構成されており、外輪2の軸方向外端面よりも軸方向外側に存在するハブ3の軸方向外端部に設けられている。
回転フランジ10は、車輪を構成するホイール11及びブレーキロータ12を、ハブボルト13を利用して結合する部分であり、ハブ3のうちで外輪2の軸方向外端面よりも軸方向外側に存在し、かつ、パイロット部9の軸方向内側に隣接する部分に、径方向外方に突出するように設けられている。本例の回転フランジ10は、全体が略円輪状に構成された、いわゆるスキャロップフランジである。このため、回転フランジ10の軸方向外側面は、ハブ3の中心軸に直交する仮想平面上に存在する平坦面であるのに対し、回転フランジ10の軸方向内側面は、円周方向に関する凹凸面になっている。
回転フランジ10の円周方向等間隔4個所位置には、それぞれが放射方向に伸長した、厚肉部14が設けられている。厚肉部14は、軸方向内側から見た形状が略矩形状(略台形状)で、それぞれの径方向外側部に、内周面に雌ねじが形成されたハブボルト用ねじ孔15が設けられている。4つのハブボルト用ねじ孔15は、円周方向に関して等間隔に配置されている。
回転フランジ10の円周方向4個所位置で、かつ、円周方向に隣り合う厚肉部14同士の間には、薄肉部16が設けられている。薄肉部16は、円周方向に隣り合う厚肉部14同士を円周方向につないでおり、軸方向から見た形状が周方向両側部よりも周方向中間部が径方向内方に緩やかに凹んだ略V字形状を有している。このため、薄肉部16は、厚肉部14につながった周方向両側部の外径寸法よりも、周方向中間部の外径寸法が小さくなっている。また、薄肉部16の軸方向厚さ寸法は、厚肉部14の軸方向厚さ寸法よりも小さい。したがって、本例では、厚肉部14と、厚肉部14よりも軸方向厚さ寸法の小さい薄肉部16とが、円周方向に関して交互に配置されており、これにより、回転フランジ10の軸方向内側面が円周方向に関する凹凸面となっている。
特に本例では、回転フランジ10の円周方向4個所に設けられた4つの薄肉部16が、2つの小径薄肉部17と、2つの大径薄肉部18である。2つの小径薄肉部17と、2つの大径薄肉部18とは、それぞれ回転フランジ10の直径方向反対側に配置されている。このため、小径薄肉部17と大径薄肉部18とは、円周方向に関して交互に配置されている。小径薄肉部17及び大径薄肉部18はそれぞれ、厚肉部14につながった周方向両側部よりも周方向中間部が径方向内方に凹んだ形状を有しているが、小径薄肉部17と大径薄肉部18とでは、それぞれの周方向中間部に存在する、最も外径寸法が小さくなった最小径部m17、m18の外径D17、D18が異なっている。具体的には、小径薄肉部17の最小径部m17の外径D17よりも、大径薄肉部18の最小径部m18の外径D18が大きくなっている(D17<D18)。
また、大径薄肉部18の周方向中間部の径方向外側部には、回転フランジ10からブレーキロータ12を取り外すのに用いる図示しない押しボルトを螺合するための、押しボルト用ねじ孔19をそれぞれ設けている。これにより、大径薄肉部18の重量と小径薄肉部17の重量とを互いに近づけて(好ましくは等しくして)、回転フランジ10の回転バランスを保つようにしている。押しボルト用ねじ孔19は、ハブボルト用ねじ孔15に対し、円周方向に関する位相が45度ずれた位置に設けられており、ハブボルト用ねじ孔15よりも小径である。また、ハブ3の中心軸を中心とする押しボルト用ねじ孔19のピッチ円直径P19は、ハブボルト用ねじ孔15のピッチ円直径P15よりも小さく、かつ、小径薄肉部17の最小径部m17の外径D17よりもわずかに大きい(D17<P19<P15)。このため、押しボルト用ねじ孔19の外接円径O19は、小径薄肉部17の最小径部m17の外径D17よりも十分に大きい(D17<O19)。本実施例の場合、押しボルト用ねじ孔19の内接円径I19は、小径薄肉部17の最小径部m17の外径D17よりも小さくしているが(D17>I19)、押しボルト用ねじ孔19の内接円径I19を、小径薄肉部17の最小径部m17の外径D17よりも大きくすることもできる(D17<I19)。
本例では、上述のような構成を有する回転フランジ10を有するハブ3を、中炭素鋼などの硬質金属製のハブ輪20と、軸受鋼などの硬質金属製の内輪21とを組み合わせて構成している。内輪21は、ハブ輪20の軸方向内側部に設けられた小径段部22に外嵌されており、ハブ輪20の軸方向内端部に形成したかしめ部23により、軸方向内端面が抑え付けられている。また、複列の内輪軌道8のうちの外側列の内輪軌道8は、ハブ輪20の軸方向中間部外周面に形成されており、内側列の内輪軌道8は、内輪21の外周面に形成されている。パイロット部9及び回転フランジ10は、ハブ輪20の軸方向外側部に設けられている。また、内輪21の外周面には、回転速度検出装置を構成するエンコーダ24が外嵌固定されている。エンコーダ24は、軸方向に着磁されており、その着磁方向は、円周方向に関して交互にかつ等間隔で変化している。このため、エンコーダ24の被検出面には、S極とN極とが、円周方向に関して交互にかつ等間隔に配置されている。
転動体4は、軸受鋼などの硬質金属あるいはセラミックにより構成されており、複列の外輪軌道5と複列の内輪軌道8との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、転動自在に配置されている。なお、図示の例では、転動体4として、玉を使用しているが、円すいころを使用することもできる。
外輪2の内周面とハブ3の外周面との間に存在する内部空間25の軸方向外端開口は、シールリング26により塞がれている。一方、外輪2の軸方向内端開口は、有底円筒状のキャップ27により塞がれている。
キャップ27は、合成樹脂製で有底円筒状のキャップ本体28と、非磁性金属板製の嵌合芯金29とから構成されている。キャップ本体28は、筒部30と、筒部30の軸方向内端開口部を塞いだ底部31とを備えており、筒部30の軸方向外端部に嵌合芯金29が固定(モールド)されている。底部31には、他の部分に比べて軸方向内側に膨出した取付部32が設けられている。取付部32には、エンコーダ24の被検出面と軸方向に対向する部分に、センサを組み付けるための貫通孔33が設けられている。また、取付部32には、内周面に雌ねじが形成された取付用ナット34が、インサート成形により埋め込まれている。このようなキャップ27は、嵌合芯金29の軸方向外半部を、外輪2の軸方向内端部に内嵌(圧入)することで、外輪2に組み付けられている。
以上のようなハブユニット軸受1は、使用状態で、懸架装置を構成するナックル35に支持固定される。このために、外輪2の軸方向内側部をナックル35に設けられた円形の支持孔36に挿入し、静止フランジ6の軸方向内側面をナックル35の軸方向外側面に当接させる。そして、この状態で、ナックル35の円周方向複数箇所に設けられた通孔を挿通した図示しないボルトを、静止フランジ6の取付孔7に螺合する。
一方、回転フランジ10の軸方向外側面に結合固定されるブレーキロータ12は、鋳鉄などの金属製で、全体が円輪状に構成されている。また、ブレーキロータ12の径方向中央部には、パイロット部9に対し外嵌されるロータ中心孔37が設けられている。ブレーキロータ12の径方向内寄り部には、円孔であるボルト挿通孔38が、円周方向等間隔4箇所に設けられている。ボルト挿通孔38のピッチ円直径は、回転フランジ10に設けられたハブボルト用ねじ孔15のピッチ円直径と等しい。
ブレーキロータ12の軸方向外側には、車輪を構成するホイール11が固定される。ホイール11の径方向中央部には、パイロット部9に対し外嵌されるホイール中心孔40が設けられている。また、ホイール11の径方向内寄り部には、ハブボルト13を挿通可能なボルト挿通孔41が、円周方向等間隔4箇所に設けられている。ボルト挿通孔41のピッチ円直径は、回転フランジ10に設けられたハブボルト用ねじ孔15のピッチ円直径と等しい。
そして、ホイール11のボルト挿通孔41及びブレーキロータ12のボルト挿通孔38をそれぞれ軸方向外側から挿通したハブボルト13を、回転フランジ10のハブボルト用ねじ孔15に螺合する。これにより、回転フランジ10に対し、ホイール11及びブレーキロータ12を結合固定する。
以上のような構成を有する本例では、たとえばパンク修理やタイヤの履き替え時などに、ブレーキロータ12を回転フランジ10から取り外した場合にも、ブレーキロータ12を回転フランジ10に対し初期取り付け位相とは異なる位相で取り付けることを有効に防止できる。
ブレーキロータ12を、初期取り付け位相とは異なる位相で取り付ける場合の取付態様としては、本例では回転フランジ10に4つのハブボルト用ねじ孔15を設けていることから、ブレーキロータ12を初期取り付け位相から90度(方向は問わない)又は180度位相がずれた状態で取り付けることが考えられる。
ここで、ブレーキロータ12の具体的な取り外し作業および取り付け作業を考えると、ブレーキロータ12は円輪状の重量物であるため、作業者は通常、ブレーキロータ12を回転フランジ10から取り外した際に、ブレーキロータ12のうち取付状態で下方に位置していた部分を手前側に向け、ブレーキロータ12の軸方向内側面を床面に載置する場合が多い。また、作業者は、ブレーキロータ12の取り付け時に、ブレーキロータ12のうちで手前側に位置する部分を下方側に向け、回転フランジ10に取り付ける場合が多い。このように、ブレーキロータ12の取り外し作業と取り付け作業とには可逆性があるので、ブレーキロータ12を初期取り付け位相から180度位相がずれた状態で取り付ける可能性は低くなる。
これに対し、上述のようなブレーキロータ12の取り外し作業および取り付け作業を考慮した場合にも、ブレーキロータ12を初期取り付け位相から90度位相がずれた状態で取り付ける可能性は十分にある。
ただし、本例のハブユニット軸受1によれば、ブレーキロータ12が初期取り付け位相から90度位相がずれた状態で取り付けられた場合に、初期取り付け位相とは異なる位相で取り付けられていることに容易に気付くことができる。
すなわち、ブレーキロータ12を、本例のハブユニット軸受1を構成する回転フランジ10に対し、初期取り付け位相から90度位相がずれた状態で取り付けた場合、図4に示すように、ブレーキロータ12を取り外す際に押しボルトとの接触に基づき生じたブレーキロータ12の軸方向内側面の傷跡や、ブレーキロータ12の軸方向内側面のうちで押しボルト用ねじ孔19に対向していた部分に生じた表面性状の変化(錆、フレッチング痕、転写傷など)といった変化部42が、回転フランジ10によって覆われずに軸方向内側に露出した状態になる。特に本例では、押しボルト用ねじ孔19のピッチ円直径P19を、小径薄肉部17の最小径部m17の外径D17よりも大きくしているため、少なくとも変化部42の外半部が、小径薄肉部17よりも径方向外側に露出する。このため、作業者は、ブレーキロータ12の軸方向内側面に変化部42が露出しているか否かを、鏡などを利用して(或いは、指先で触って)容易に確認できる。したがって、ブレーキロータ12をパイロット部9に外嵌し、ボルト挿通孔38とハブボルト用ねじ孔15との位相を一致させた状態で、鏡など利用してブレーキロータ12の軸方向内側面を確認すれば、ブレーキロータ12が、初期取り付け位相とは異なる位相で取り付けられようとしている、あるいは、既に取り付けられていることに容易に気付くことができる。この結果、本例のハブユニット軸受1によれば、ブレーキロータ12を回転フランジ10に対し初期取り付け位相とは異なる位相で取り付けることを、ほぼ完全に防止できる。
また、本例では、2つの大径薄肉部18にそれぞれ、押しボルト用ねじ孔19を設けているため、回転フランジ10の回転バランスを保つことができる。また、鏡などを用いてブレーキロータ12の軸方向内側面を確認する際に、一方の押しボルト用ねじ孔19の存在に起因して生じた傷跡などの変化部42が、車両の上方側部分に存在し、タイヤハウスなどに阻まれて見にくい場合にも、他方の押しボルト用ねじ孔19の存在に起因して生じた傷跡などの変化部42が、車両の下方部分に存在するため、ブレーキロータ12の軸方向内側面の確認作業を容易に行うことが可能になる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図5を用いて説明する。本例では、ブレーキロータ12aの径方向内寄り部で、円周方向に隣り合うボルト挿通孔38同士の間に、1対の確認用貫通孔39を設けている。1対の確認用貫通孔39は、ブレーキロータ12aの直径方向反対位置で、かつ、ボルト挿通孔38に対し円周方向に関する位相が45度ずれた位置に設けられている。また、確認用貫通孔39のピッチ円直径は、押しボルト用ねじ孔19のピッチ円直径と等しい。さらに、確認用貫通孔39は、図5の(A)に示すように、ブレーキロータ12aが回転フランジ10に対して初期取り付け位相で取り付けられた状態で、押しボルト用ねじ孔19に対し円周方向に関する位相が90度ずれた位置に設けられている。また、確認用貫通孔39は、ボルト挿通孔38よりも小径で、かつ、押しボルト用ねじ孔19とほぼ同径である。
以上のような構成を有する本例では、ブレーキロータ12aを軸方向外側から確認することで、ブレーキロータ12aが回転フランジ10に対し初期取り付け位相に取り付けられているか否かを容易に確認できる。
すなわち、図5の(A)に示すように、ブレーキロータ12aが初期取り付け位相に取り付けられている場合には、確認用貫通孔39の内側に、小径薄肉部17の周方向中間部が見えるか、又は、小径薄肉部17は一切見えない状態になる。つまり、確認用貫通孔39の内接円径(=押しボルト用ねじ孔19の内接円径)が、小径薄肉部17の最小径部m17の外径D17よりも小さい場合には、確認用貫通孔39の内側に小径薄肉部17の周方向中間部が見えるのに対し、確認用貫通孔39の内接円径が小径薄肉部17の最小径部m17の外径D17よりも大きい場合には、確認用貫通孔39の内側に小径薄肉部17は見えない状態になる。これに対し、図5の(B)に示すように、ブレーキロータ12aが初期取り付け位相から90度位相がずれて取り付けられている場合には、確認用貫通孔39の内側に押しボルト用ねじ孔19が見える。
したがって、ブレーキロータ12aの確認用貫通孔39の内側に何が見えるか確認することによって、ブレーキロータ12aが回転フランジ10に対し初期取り付け位相に取り付けられているか、又は、取付け位相が90度ずれているかを容易に判定できる。なお、このように、ブレーキロータ12aを軸方向外側から確認する際には、ブレーキロータ12aの軸方向内側をライトで照らせば、確認作業を容易にすることができる。
なお、本例では、実施の形態の第1例と同じように、ブレーキロータ12aの軸方向内側面に変化部42(図4参照)が露出しているか否かを確認することによっても、ブレーキロータ12aの取り付け位相を確認できる。
また、ブレーキロータ12aの取付作業時に、確認用貫通孔39の内側に見える、小径薄肉部17の輪郭(外周縁)の傾斜方向から、ブレーキロータ12aをどちらに回転させれば、ブレーキロータ12aを初期取り付け位相に一致させられるかを確認することもできる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
本発明を実施する場合に、押しボルト用ねじ孔の内接円径を、小径薄肉部の最小径部の外径よりも大きくすれば、ブレーキロータを初期取り付け位相から90度位相がずれた状態で取り付けた際に、ブレーキロータの軸方向内側面に生じる変化部全体を露出させる(変化部の一部が小径薄肉部によって覆われないようにする)ことができる。このため、ブレーキロータの軸方向内側面を確認する作業の作業効率を向上させることができる。
本発明を実施する場合に、押しボルト用ねじ孔は、すべての大径薄肉部に設ける必要はなく、少なくとも1つの大径薄肉部に設けることができる。
本発明は、従動輪用のハブユニット軸受に限らず、駆動輪用のハブユニット軸受にも適用可能である。
また、本発明は、内輪回転型のハブユニット軸受に限らず、外輪回転型のハブユニット軸受にも適用可能である。
さらに、本発明は、制動用回転体として、ブレーキロータに以外に、ブレーキドラムを採用することもできる。
1 ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 外輪軌道
6 静止フランジ
7 取付孔
8 内輪軌道
9 パイロット部
10 回転フランジ
11 ホイール
12、12a ブレーキロータ
13 ハブボルト
14 厚肉部
15 ハブボルト用ねじ孔
16 薄肉部
17 小径薄肉部
18 大径薄肉部
19 押しボルト用ねじ孔
20 ハブ輪
21 内輪
22 小径段部
23 かしめ部
24 エンコーダ
25 内部空間
26 シールリング
27 キャップ
28 キャップ本体
29 嵌合芯金
30 筒部
31 底部
32 取付部
33 貫通孔
34 取付用ナット
35 ナックル
36 支持孔
37 ロータ中心孔
38 ボルト挿通孔
39 確認用貫通孔
40 ホイール中心孔
41 ボルト挿通孔
42 変化部

Claims (3)

  1. 静止軌道を有する静止輪と、
    回転軌道を有し、かつ、制動用回転体を結合するのに用いるハブボルトを螺合するための4つのハブボルト用ねじ孔と、前記制動用回転体を取り外すのに用いる押しボルトを螺合するための押しボルト用ねじ孔とがそれぞれ設けられた回転フランジを有する、回転輪と、
    前記静止軌道と前記回転軌道との間に配置された複数個の転動体と、を備え、
    前記回転フランジは、それぞれが放射方向に伸長しかつそれぞれに前記ハブボルト用ねじ孔が設けられた4つの厚肉部と、円周方向に隣り合う前記厚肉部同士をつなぐとともに、周方向中間部に最も外径寸法が小さくなった最小径部を有し、かつ、前記厚肉部よりも軸方向厚さ寸法の小さい4つの薄肉部とを有しており、
    前記4つの薄肉部は、それぞれが前記回転フランジの直径方向反対側に配置された、2つの小径薄肉部と、前記小径薄肉部の最小径部よりも自身の最小径部の外径が大きい2つの大径薄肉部であり、少なくとも一方の前記大径薄肉部には、前記小径薄肉部の最小径部の外径よりも外接円径が大きい前記押しボルト用ねじ孔が設けられている、
    ハブユニット軸受。
  2. 2つの前記大径薄肉部のそれぞれに、前記押しボルト用ねじ孔が設けられている、請求項1に記載したハブユニット軸受。
  3. ハブユニット軸受と、制動用回転体とを備え、
    前記ハブユニット軸受は、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載のハブユニット軸受であり、
    前記制動用回転体は、前記回転フランジの軸方向外側面に重ね合わせた状態で、前記4つのハブボルト用ねじ孔と位相が一致する位置に、前記ハブボルトを挿通可能な4つのボルト挿通孔を有するとともに、前記押しボルト用ねじ孔に対し円周方向に関する位相が90度ずれた位置に、前記押しボルト用ねじ孔とピッチ円直径が等しい、確認用貫通孔を有している、
    制動用回転体付ハブユニット軸受。
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